本発明は、記録装置、再生装置、記録方法、再生方法に関し、例えばQuick Time形式で記録したムービーファイルの処理に適用することができる。本発明は、ファイルを部分的に再生してデコードに関する情報を取得し、この情報により正常にデコード可能か判断してファイル一覧を表示することにより、正常に処理困難なファイルが記録媒体に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に処理することができるようにする。
従来、映像、音楽コンテンツにおいては、エンコードによりデータ圧縮して記録されるようになされており、このエンコードに対応するデコードの処理によりデータ伸長してユーザーに提供されるようになされている。
またこのような映像、音楽コンテンツに係るファイルフォーマットにおいては、例えばQuick Time(以下、「QT」と呼ぶ)が適用され、このQTにおいては、アトム(Atom)を単位にした階層構造によりファイル構造、各種ファイルに係る情報を定義することにより、高い拡張性を確保し得るようになされている。
これに対してこのようなコンテンツに係るファイルを記録する光ディスク等の記録媒体においては、所定の管理領域に、ファイル名、拡張子、記録位置等のファイル管理システムに係る管理情報を保持するようになされている。これによりコンピュータ等においては、このファイル管理システムによる拡張子を基準にしてアプリケーションプログラムで選択可能なファイルを選択的に表示するようになされ、またこのファイル管理システムによる記録位置を基準にして、ユーザーの所望するファイルを再生するようになされている。
近年、この種の光ディスク等による記録再生装置においては、容量が飛躍的に増大するようになされており、例えば特開2001−84705号公報、特開2002−278996号公報においては、記録媒体に記録した多数のファイルよりデータを抜粋してインデックスファイルを作成し、このインデックスファイルをファイルの選択等に利用することにより、記録媒体に記録された多数のファイルを容易に管理する方法が提案されるようになされている。
ところで近年、記録媒体に光ディスクを使用したビデオレコーダ等の記録再生装置が提案されるようになされている。このような記録再生装置においては、コンピュータで使用された光ディスクが装填される場合も考えられ、この場合、この光ディスクに処理困難なファイルが記録される場合も発生する。
この場合、この種の記録再生装置においては、ファイル管理システムに係る管理情報により拡張子を基準にして処理困難なファイル形式によるファイルを処理対象から除外することが考えられる。因みに、このような処理対象からの除外については、この種のファイルをユーザーにより見つけることができないようにユーザーインターフェースを提供することにより、従来の磁気テープを用いたビデオカメラ等と同様のインターフェースを提供し得ると考えられる。
しかしながらこのようにコンピュータにより記録されるファイルにおいては、拡張子によるフォーマットの判定では処理可能なフォーマットではあるものの、実際上、正常に処理し得ない場合が発生する。
すなわちコンテンツのエンコードに係るコーデックが民生機器において処理可能なフォーマットに係るコーデックである場合であっても、エンコード時の条件により、正常に処理し得ない場合が発生する。また機器間の能力の差によっても、正常に処理し得ない場合が発生する。具体的には、全く処理し得ない場合はもとより、再生画像が一時的にフリーズしたり、画飛びする場合である。
またこのような状況は、能力の異なる同種の民生機器でコンテンツを記録した光ディスクを再生する場合にも発生する。
この場合、ユーザーにおいては、再生可能と信じて再生を指示したにもかかわらず、実際に再生して見て、初めて異常を見つけることになり、これによりユーザーに著しい不快感を与えることなり、甚だしい場合には、機器の故障をも疑わせることになる。またこの場合、ユーザーにおいて、改めてファイルの選択を促すことになり、これによってもユーザーに不快感を与えることになる。
特に、QTのフォーマットにおいては、高い拡張性を有していることにより、このような状況が多数発生すると考えられる。ちなみにQTの場合、例えばデータの格納方式についても、外部ファイルを参照する外部参照方式と、ファイル内に格納する自己内包方式とがあることにより、例えばこの種の記録再生装置が外部参照方式に対応していない場合、外部参照方式によるファイルについては、全く処理し得なくなる。
なおコンピュータにおいては、処理能力が種々に異なることが当たり前のことであることにより、また必要に応じてアプリケーションプログラムをインストールし、さらにはアプリケーションプログラムにおいても頻繁にバージョンアップされていることにより、このような状況については、許容されるものの、この種の記録再生装置においては、到底、許容されるものではない。
特開2001−84705号公報
特開2002−278996号公報
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、正常に再生困難なファイルが記録媒体に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に再生することができる記録装置、再生装置、記録方法、再生方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため請求項1の発明は、 符号化されたコンテンツデータを含むデータである実データと、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータを含み所定のデータ構造を単位とする階層構造を有し前記実データの再生処理に用いる参照データとを、記録媒体に記録する記録装置において、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータと、所定のデータ構造を単位とする階層構造を有し前記参照データから管理対象ファイルを紹介できるように抜粋された抜粋情報とを含む、インデックスファイルを生成するファイル生成手段と、前記抜粋情報に基づいて前記実データが再生されるように、前記インデックスファイルを記録媒体に記録する記録手段とを備えるようにする。
また請求項3の発明は、記録媒体に記録された階層構造ファイルであって、
符号化されたコンテンツデータを含むデータである実データと、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータを含み所定のデータ構造を単位とする階層構造を有する参照データとを有する階層構造ファイルを再生する再生装置において、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータと、前記所定のデータ構造を有し前記参照データから管理対象ファイルを紹介できるように抜粋された抜粋情報とを含む、インデックスファイルを生成するファイル生成手段と、
前記抜粋情報に基づいて前記実データが再生されるように、前記インデックスファイルを記録媒体に記録する記録手段と、前記インデックスファイルに基づいて、前記符号化コンテンツデータの再生可否を判定する判定手段とを備えるようにする。
また請求項8の発明は、符号化されたコンテンツデータを含むデータである実データと、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータを含み所定のデータ構造を単位とする階層構造を有し前記実データの再生処理に用いる参照データとを、記録媒体に記録する記録方法において、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータと、所定のデータ構造を単位とする階層構造を有し前記参照データから管理対象ファイルを紹介できるように抜粋された抜粋情報とを含む、インデックスファイルを生成する生成ステップと、前記抜粋情報に基づいて前記実データが再生されるように、前記インデックスファイルを記録媒体に記録する記録ステップとを備えるようにする。また請求項10の発明は、記録媒体に記録された階層構造ファイルであって、符号化されたコンテンツデータを含むデータである実データと、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータを含み所定のデータ構造を単位とする階層構造を有する参照データとを有する階層構造ファイルを再生する再生方法において、前記符号化されたコンテンツデータの再生処理に要する処理能力の算出に用いるデータと、前記所定のデータ構造を有し前記参照データから管理対象ファイルを紹介できるように抜粋された抜粋情報とを含む、インデックスファイルを生成する生成ステップと、前記抜粋情報に基づいて前記実データが再生されるように、前記インデックスファイルを記録媒体に記録する記録ステップと、前記インデックスファイルに基づいて、前記符号化コンテンツデータの再生可否を判定する判定ステップとを備えるようにする。
請求項1の構成によれば、記録装置に適用して、少なくともビデオデータ及びオーディオデータのデコードに関する情報をまとめて、ファイルの先頭側に配置してファイルを形成することにより、このデコードに関する情報を部分的に再生して正常にデコード可能か判断して、デコード可能なファイルのみ選択可能とすることができる。これによりこのような正常にデコード可能なファイルのみ選択できるようにして、正常に再生困難なファイルが記録媒体に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に再生することができる。
また請求項5の構成によれば、再生装置に適用して、記録媒体に記録されたファイルを部分的に再生して、ファイルに設定されたデコード手段に関する情報を取得し、該デコード手段に関する情報に基づいて正常にデコード可能か判断し、該正常にデコード可能なファイルについてのみ選択可能に、記録媒体に記録されたファイルを一覧により表示することにより、正常に再生困難なファイルが記録媒体に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に再生することができる。
これにより請求項11の構成によれば、正常に再生困難なファイルが記録媒体に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に再生することができるファイル管理方法を提供することができる。
本発明によれば、ファイルを部分的に再生してデコードに関する情報を取得し、この情報により正常にデコード可能か判断してファイル一覧を表示することにより、正常に処理困難なファイルが記録媒体に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に処理することができる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
(1)第1の実施例
(1−1)第1の実施例の構成
図1は、本発明の実施例に係る光ディスク装置を示すブロック図である。この光ディスク装置1においては、図示しない撮像手段、音声取得手段により被写体のビデオ信号、オーディオ信号を取得し、このビデオ信号及びオーディオ信号による撮像結果を光ディスク2に記録する。またこの光ディスク2に記録した撮像結果を再生して液晶表示パネルによる表示手段、スピーカによる音声出力手段より出力し、また外部機器に出力する。この光ディスク装置1では、このような撮像結果によるビデオ信号及びオーディオ信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)のフォーマットによりストリーミングデータに変換した後、所定のファイル形式により光ディスク2に記録するようになされ、この実施例では、このファイル形式にQuick Time(以下、「QT」と呼ぶ)が適用されるようになされている。
これにより光ディスク装置1において、ビデオ符号器11は、撮像結果によるビデオ信号をアナログディジタル変換処理してビデオデータを生成し、このビデオデータをMPEGのフォーマットに従って符号化処理し、これによりビデオデータによるエレメンタリストリームを出力する。
またオーディオ符号器12は、撮像結果によるオーディオ信号をアナログディジタル変換処理してオーディオデータを生成し、このオーディオデータをMPEGのフォーマットに従って符号化処理し、これによりオーディオデータによるエレメンタリストリームを出力する。
ファイル生成器15は、記録時、ビデオ符号器11及びオーディオ符号器12から出力されるエレメンタリストリームを多重化処理し、システム制御マイコン19の制御によりQTムービーファイルを作成する。
メモリコントローラ18は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、記録時、このファイル生成器15から出力されるQTムービーファイルによるデータ列、システム制御マイコン19から出力される各種データをメモリ17に順次記録して一時保持し、続くエラー訂正符号/復号器21の処理に対応して保持したデータを出力する。また再生時、これとは逆に、エラー訂正符号/復号器21の出力データを一時保持し、ファイル復号器16、システム制御マイコン19に出力する。
エラー訂正符号/復号器21は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、記録時、メモリコントローラ18の出力データをメモリ20に一時記録して誤り訂正符号を付加する。またこのようにしてメモリに保持したデータを所定順序により読み出して出力することにより、これらのデータをインターリーブ処理してデータ変復調器23に出力する。またエラー訂正符号/復号器21は、再生時、記録時とは逆に、データ変復調器23から出力されるデータを所定順序によりメモリ20に一時記録してメモリコントローラ18に出力することにより、このデータ変復調器23から出力されるデータをデインターリーブ処理して出力する。またこのとき、記録時に付加した誤り訂正符号により誤り訂正処理する。
データ変復調器23は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、記録時、エラー訂正符号/復号器21の出力データをシリアルデータ列に変換した後、変調処理して磁界変調ドライバ24又は光ピックアップ33に出力する。また再生時、光ピックアップ33から出力される再生信号からクロックを再生し、このクロックを基準にして再生信号を2値識別、復調処理することにより、記録時に生成したシリアルデータ列に対応する再生データを得、この再生データをエラー訂正符号/復号器21に出力する。
磁界変調ドライバ24は、光ディスク2が光磁気ディスクの場合に、記録時、システム制御マイコン19の制御により、データ変復調器23の出力信号により磁界ヘッド32を駆動する。ここで磁界ヘッド32は、光ディスク2を間に挟んで光ピックアップ33に対向するように保持され、光ピックアップ33によるレーザービーム照射位置にデータ変復調器23の出力データに応じた変調磁界を印加する。これによりこの光ディスク装置1では、光ディスク2が光磁気ディスクの場合、熱磁気記録の手法により光ディスク2にQTムービーファイル等を記録するようになされている。
かくするにつき光ディスク2は、ディスク状記録媒体であり、この実施例では、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical Disk)、相変化型ディスク等の書き換え可能な光ディスクである。スピンドルモータ31は、この光ディスク2をサーボ回路30の制御により、光ディスク2に応じて線速度一定(CLV:Constant Linear Velocity)、角速度一定(CAV、Constant Angular Velocity)、ゾーンCLV(ZCLV:Zone Constant Linear Velocity )等の条件により光ディスク2を回転駆動する。
サーボ回路30は、光ピックアップ33から出力される各種信号に基づいて、スピンドルモータ31の動作を制御し、これによりスピンドル制御の処理を実行する。またサーボ回路30は、同様にして光ピックアップ33をトラッキング制御、フォーカス制御し、また光ピックアップ33、磁界ヘッド32をシークさせ、さらにはフォーカスサーチ等の処理を実行する。
ドライブ制御マイコン22は、システム制御マイコン19の指示により、これらサーボ回路30におけるシーク等の動作を制御する。
光ピックアップ33は、光ディスク2にレーザービームを照射してその戻り光を所定の受光素子により受光し、受光結果を演算処理することより、各種制御用の信号を生成して出力し、また光ディスク2に形成されたピット列、マーク列に応じて信号レベルが変化する再生信号を出力する。また光ピックアップ33は、システム制御マイコン19の制御により動作を切り換え、光ディスク2が光磁気ディスクの場合、記録時、光ディスク2に照射するレーザービームの光量を間欠的に立ち上げる。これによりこの光ディスク装置1では、いわゆるパルストレイン方式により光ディスク2にQTムービーファイル等を記録するようになされている。また光ピックアップ33は、光ディスク2が相変化型ディスク等の場合、データ変復調器23の出力データに応じて光ディスク2に照射するレーザービームの光量を再生時の光量から書き込み時の光量に立ち上げ、これにより熱記録の手法を適用して光ディスク2にQTムービーファイル等を記録するようになされている。
これらによりこの光ディスク装置1では、撮像結果によるビデオ信号及びオーディオ信号をビデオ符号器11、オーディオ符号器12によりデータ圧縮してエレメンタリストリームに変換した後、ファイル生成器15によりQTムービーファイルに変換し、メモリコントローラ18、エラー訂正符号/復号器21、データ変復調器23を順次介して、光ピックアップ33により、又は光ピックアップ33及び磁界ヘッド32によりこのQTムービーファイルのデータ等を光ディスク2に記録するようになされている。
また光ディスク装置1では、光ピックアップ33より得られる再生信号をデータ変復調器23により処理して再生データを得、この再生データをエラー訂正符号/復号器21で処理して、光ディスク2に記録したQTムービーファイル等を再生できるようになされ、これらQTムービーファイル等をメモリコントローラ18から出力するようになされている。
ファイル復号器16は、メモリコントローラ18から出力されるQTムービーファイルのデータを入力し、このデータをビデオデータ及びオーディオデータのエレメンタリストリームに分解して出力する。ビデオ復号器13は、このビデオデータのエレメンタリストリームをデータ伸長して図示しない表示手段、外部機器に出力する。オーディオ復号器14は、ファイル復号器16から出力されるオーディオデータのエレメンタリストリームをデータ伸長して、図示しない音声出力手段、外部機器に出力する。これによりこの光ディスク装置1では、光ディスク2から再生した撮像結果をモニタし得るようになされている。
操作部26は、この光ディスク装置1の各種操作子、液晶表示パネルに配置されたタッチパネルにより構成され、ユーザーによる各種操作をシステム制御マイコン19に通知する。
システム制御マイコン19は、この光ディスク装置1全体の動作を制御するマイコンであり、図示しないメモリに記録された所定の処理手順の実行により、光ディスク2の装填が検出されると、光ピックアップ33を光ディスク2の最内周にシークさせ、光ディスク2に係るファイル管理システムの管理情報を再生する。さらにシステム制御マイコン19は、この再生した管理情報をメモリコントローラ18から取得し、内蔵のメモリに保持する。これによりシステム制御マイコン19は、光ディスク2に記録された各ファイルのアドレス、空き領域を検出するようになされている。
すなわちシステム制御マイコン19は、ユーザーにより撮像結果の記録が指示されると、メモリに保持した管理情報により空き領域を検出して光ピックアップ33をこの空き領域にシークさせ、順次得られる撮像結果を光ディスク2に記録する。またこのQTムービーファイルによる記録に対応するように、メモリに保持した管理情報を更新し、光ディスク2の排出時等において、この更新した管理情報により光ディスク2の管理情報を更新する。なおこの管理情報の更新においては、メモリに保持して更新した管理情報をメモリコントローラ18を介してエラー訂正符号/復号器21に出力することにより実行される。
またユーザーにより光ディスク2に記録されたファイルの再生が指示されると、メモリに保持した管理情報により対応するファイルの記録位置を検出し、この検出結果に基づいて対応するファイルの再生を指示する。
この再生の処理において、システム制御マイコン19は、光ディスク2に記録されたファイルの一覧を表示し、この一覧の表示におけるユーザーの選択操作により、再生の指示を受け付ける。
システム制御マイコン19は、この処理において、図2に示す処理手順を実行することにより、正常に再生可能なファイルを検出し、このファイルについてのみファイルを一覧表示する。これによりこの実施例においては、正常に再生困難なファイルが光ディスク2に記録されている場合でも、ユーザーが選択したファイルにあっては正常に再生し得るようになされている。
すなわちシステム制御マイコン19は、ユーザーにより一覧の表示が指示されると、ステップSP1からステップSP2に移り、メモリに格納した光ディスク2のファイル管理システムに係る管理情報より、対応するディレクトリのディレクトリ情報を取得する。なおここでこのディレクトリにあっては、例えばユーザーの選択したお気に入りのディレクトリ、ルートディレクトリ等であり、ディレクトリ情報は、このディレクトリに属するサブディレクトリ、ファイルに関する属性情報によるエントリの集合により構成される。
システム制御マイコン19は、続いてステップSP3に移り、このディレクトリ情報よりエントリの情報を取得し、ここで取得困難な場合、例えばユーザーの指定したお気に入りのフォルダには何らファイル、サブフォルダが登録されていないことにより、ステップSP4からステップSP5に移り、何らファイルを一覧表示することなくこの処理手順を終了する。
これに対してエントリを取得すると、続くステップSP6に移り、この取得したエントリがファイルに関する情報を登録したエントリか否か判断する。ここで否定結果が得られると、このエントリについては、例えばユーザーの指定したお気に入りのフォルダに何らファイルが登録されていない場合であることにより、ステップSP6からステップSP7に移り、エントリの種類に対応する処理を実行した後、ステップSP8に移る。なおこのエントリの種類に対応する処理にあっては、例えばユーザーの指定がお気に入りの一覧表示に係る場合であって、お気に入りに係る最上位のディレクトリに格納されたお気に入りのサブディレクトリを一覧表示の表示対象に設定する処理等である。
このようにしてエントリに対応する処理を実行すると、続くステップSP8において、システム制御マイコン19は、ステップSP2で取得したディレクトリの情報から次のエントリを取得し、ステップSP4に戻る。
これに対してエントリがファイルに係るものの場合、システム制御マイコン19は、ステップSP6で肯定結果が得られることにより、ステップSP6からステップSP9に移る。ここでシステム制御マイコン19は、このエントリに設定された対応するファイルの拡張子より、このエントリに係るファイルがこの光ディスク装置1における処理対象ファイルであるQTムービーファイルか否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP9からステップSP10に移り、この拡張子により特定されるファイルの種類に対応する処理を実行した後、ステップSP8に移る。なおこのファイルの種類に対応する処理にあっては、例えばさらにQTムービーファイルと互換性を有するファイルであるか否か判断し、互換性の無い場合には、一覧表示の対象より除外し、互換性を有する場合には、QTムービーファイルの場合と同様に、この処理手順における続く処理を実行する場合等が考えられる。
これに対してステップSP9で肯定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP9からステップSP11に移り、ファイルの再生可否処理を実行する。ここでファイルの再生可否処理は、光ディスク2より対応するファイルを部分的に再生し、このファイルに設定されたデコード手段に関する情報を取得し、このデコード手段に関する情報に基づいて正常にデコード可能か判断する処理である。またこれに対応してQTムービーファイルは、アトムによる階層構造によりデコードに関する情報、ファイル構造に関する情報が割り当てられるようになされている。システム制御マイコン19は、これによりこのステップSP11において、エントリに係るファイルにあっては、正常に再生可能なファイルか否か判定し、続くステップSP12において、正常に再生可能との判定結果が得られたか否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP12からステップSP13に移り、このエントリに係るファイルを一覧表示の対象より除外した後、ステップSP8に移る。
これに対してステップSP12において、肯定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP12からステップSP14に移り、正常に再生可能なファイルとして一覧表示の表示対象にこのエントリに係るファイルを設定した後、ステップSP8に戻る。
これらによりシステム制御マイコン19は、順次、このディレクトリに属するエントリについて、正常に再生可能なファイルを検出し、全てのファイルについて処理を完了すると、ステップSP4で否定結果が得られることにより、ステップSP4からステップSP5に移り、表示対象に設定したファイルをサブディレクトリのフォルダと共に一覧表示してこの処理手順を終了する。
図3〜図5は、この図2に示す処理手順におけるステップSP11のファイルの再生可否処理を詳細に示すフローチャートである。システム制御マイコン19は、この図3〜図5に示す処理手順の実行により判定対象のファイルを部分的に光ディスク2より再生し、この再生したファイルよりデコードに係る情報を取得して正常に再生可能か否か判定する。
すなわちシステム制御マイコン19は、この処理手順を開始すると、ステップSP21からステップSP22に移る。なお以下において、図面における記載においては、ファイルから取得した変数を大文字により示す。システム制御マイコン19は、このステップSP22において、ステップSP3又はステップSP8で取得したディレクトリ情報による記録位置情報により光ディスク2の再生を指示することにより、エントリに係るファイルの一部を再生し、ファイル復号器16を介してQTムービーファイルのムービーリソースアトム(Movie Resource Atom :moov atom )を取得する。
さらにシステム制御マイコン19は、続くステップSP23において、この取得したムービーリソースアトムからムービーヘッダアトム(Movie Header Atom:mvhd atom )を取得し、続くステップSP24において、このムービーヘッダアトムに設定されたタイムスケール(timescale )の値を取得し、続くステップSP25において内蔵のメモリに保持する。
さらに続くステップSP26において、取得したムービーリソースアトムから最初のトラックアトム(Track Atom:trak atom)を取得し、続くステップSP27において、トラックアトムを取得し得たか否か判断する。ここで否定結果が得られると、この処理対象ファイルにおいては、再生対象となるトラックが存在しないことになることにより、ステップSP27からステップSP28に移り、このQTムービーファイルを正しく再生困難なファイルに設定した後、ステップSP29から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP27で肯定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP27からステップSP30に移る。ここでシステム制御マイコン19は、取得したトラックアトムからメディアアトム(Media Atom:mdia atom)を取得し、続くステップSP31において、このメディアアトムに設定されたデュレーション(duration)の値を取得し、続くステップSP32において、この取得したデュレーションの値を内蔵のメモリに保持する。
また続くステップSP33において、取得したトラックアトムからメディアアトム(Media Atom:mdia atom)を取得し、続くステップSP34において、このメディアアトムからメディアヘッダアトム(Media Header Atom:mdhd atom )を取得する。また続くステップSP35において、このメディアヘッダアトムに設定されたタイムスケール(timescale )を取得し、続くステップSP36において、この取得したタイムスケールを内蔵のメモリに保持する。
さらにシステム制御マイコン19は、続くステップSP37において、取得したメディアアトムからメディアヘッダリファレンスアトム(Media Handler Reference Atom:hdlr atom)を取得し、続くステップSP38において、この取得したメディアヘッダリファレンスアトムに設定されたコンポーネントサブタイプ(component subtype )の設定を検出する。また続くステップSP39において、この検出したコンポーネントサブタイムをメモリに記録した後、ステップSP40において、この検出したコンポーネントサブタイムの値がビデオ(video )か否か判断する。
ここで肯定結果が得られると、この場合、この対象トラックにおいては、ビデオトラックと判断することができることにより、ステップSP40からステップSP43に移る(図4)。このステップSP43において、システム制御マイコン19は、取得したメディアアトムからサンプルテーブルアトム(Sample Table Atom:stbl atom )を取得し、続くステップSP44において、このサンプルテーブルアトムに設定されたサンプルディスクリプションアトム(Sample Description Atom:stsd atom )を取得する。また続くステップSP45において、このサンプルディスクリプションアトムからコーデックの種類を示すデータフォーマット(data format )を取得し、続くステップSP46において、このデータフォーマットをメモリに保持する。また続くステップSP47において、画面の縦方向のサイズを示す情報(width )、画面の横方向のサイズを示す情報(height)を取得してメモリに保持する。
また続くステップSP48において、サンプルテーブルアトムからサンプルタイムアトム(Sample to Time Atom:atts Atom )を取得し、続くステップSP49において、このサンプルタイムアトムからサンプル毎のデュレーション(duration)を取得する。また続くステップSP50において、このデュレーションと、このトラックのタイムスケール(timescale )の値とから、ビデオデータのフレームレートを計算してメモリに保持する。
また続くステップSP51において、サンプルテーブルアトムからサンプルサイズアトム(Sample Size Atom:stsz atom)を取得し、続くステップSP52において、このサンプルサイズアトムに設定されたデータよりこのビデオトラックに含まれるサンプルの総量を計算する。また続くステップSP53において、このサンプルの総量と、ステップSP32においてメモリに保持したデュレーションと、ステップSP25においてメモリに保持したタイムスケールとから、このトラックのビットレート(BITRATE )を計算し、メモリに保持する。
これらによりシステム制御マイコン19は、QTムービーファイルのビデオトラックについて、QTムービーファイルに設定されたデコードに関する情報より、この光ディスク装置1のデコード手段に関する情報を取得した後、続くステップSP54でこのようにして取得した情報をビデオ復号器13の処理能力に係るスペックと比較する。具体的に、システム制御マイコン19は、ステップSP46で取得したコーデックの種類を示すデータフォーマット(data format )、ステップSP47で取得した画面の縦方向のサイズを示す情報(width )、画面の横方向のサイズを示す情報(height)、ステップSP50で検出したフレームレート、ステップSP53で検出したビットレートに係るストリーミングデータをビデオ復号器13の処理能力と比較する。
さらに続くステップSP55(図5)において、この比較結果より、このトラックを正常に再生可能か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP55からステップSP56に移り、このQTムービーファイルを正しく再生困難なファイルに設定した後、ステップSP57から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP55で肯定結果が得られると、ステップSP55からステップSP59(図3)に移り、続くトラックに係るトラックアトム(Track Atom:trak atom)をムービーリソースアトムから取得し、続くステップSP60において、トラックアトムを取得し得たか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、ステップSP30に移り、この続いて取得したトラックアトムについて、同様の処理を繰り返す。
これに対してステップSP40において、否定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP40からステップSP63に移り、ここでコンポーネントサブタイプの値がオーディオトラックを示すsounか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP63からステップSP66に移り(図3)、取得したメディアアトムからサンプルテーブルアトム(Sample Table Atom:stbl atom )を取得し、続くステップSP67において、このサンプルテーブルアトムに設定されたサンプルディスクリプションアトム(Sample Description Atom:stsd atom )を取得する。また続くステップSP68において、このサンプルディスクリプションアトムからコーデックの種類を示すデータフォーマット(data format )を取得し、続くステップSP69において、このデータフォーマットをメモリに保持する。また続くステップSP70において、サンプルディスクリプションアトムからオーディオデータのサンプルレート(sample rate )を取得し、続くステップSP71において、サンプルテーブルアトムからサンプルサイズアトム(Sample Size Atom:stsz atom)を取得し、続くステップSP72において、このサンプルサイズアトムの設定よりこのオーディオトラックに含まれるサンプルの総量を計算する。
また続くステップSP73において、このサンプルの総量と、ステップSP32においてメモリに保持したデュレーションと、ステップSP25においてメモリに保持したタイムスケールとから、このトラックのビットレート(BITRATE )を計算し、メモリに保持する。
これらによりシステム制御マイコン19は、QTムービーファイルのオーディオトラックについて、QTムービーファイルに設定されたデコードに関する情報より、この光ディスク装置1のデコード手段に関する情報を取得した後、続くステップSP74でこのようにして取得した情報をオーディオ復号器14の処理能力に係るスペックと比較する。具体的に、システム制御マイコン19は、ステップSP69で取得したコーデックの種類を示すデータフォーマット(data format )、ステップSP70で取得したサンプルレート(sample rate )、ステップSP73で計算したビットレートをオーディオ復号器14の処理能力と比較する。
システム制御マイコン19は、この比較結果を続くステップSP55(図5)により判定し、これによりオーディオトラックを正常に再生可能か否か判断し、この場合も再生困難な場合には、ステップSP56、ステップSP57の処理手順を実行して元の処理手順に戻るのに対し、正常に再生可能な場合、ステップSP55からステップSP59(図3)に移り、続くトラックに処理を切り換える。
これに対してステップSP63で否定結果が得られると、この場合、このトラックにおいてビデオトラック、オーディオトラックでないことにより、システム制御マイコン19は、ステップSP63からステップSP76に移り、取得したメディアアトムからサンプルテーブルアトム(Sample Table Atom:stbl atom )を取得し、続くステップSP77において、このサンプルテーブルアトムに設定されたサンプルディスクリプションアトム(Sample Description Atom:stsd atom )を取得する。また続くステップSP78において、このサンプルディスクリプションアトムからコーデックの種類を示すデータフォーマット(data format )を取得し、続くステップSP79において、このデータフォーマットを処理可能か否か判断する。
ここで否定結果が得られると、システム制御マイコン19は、ステップSP79からステップSP56、ステップSP57の処理手順を実行して元の処理手順に戻る。これに対してステップSP79で肯定結果が得られると、ステップSP79からステップSP80に移る。なおこのようにしてステップSP80に移る場合は、光ディスク装置1が、ビデオデータ、オーディオデータ以外の、QTのフォーマットに係るメディアの処理手段を有している場合である。システム制御マイコン19は、このステップSP80において、この処理手段において正常にデコード可能か否かの判断資料であるデコードに関する情報をメディアアトムから取得し、続くステップSP81において、この取得した情報をこの他の処理手段に係る処理能力と比較した後、ステップSP55に移る。これによりシステム制御マイコン19は、この他のトラックについて、正常に再生可能か否か判断し、この場合も再生困難な場合には、ステップSP56、ステップSP57の処理手順を実行して元の処理手順に戻るのに対し、正常に再生可能な場合、ステップSP55からステップSP59(図3)に移り、続くトラックに処理を切り換える。
これらによりシステム制御マイコン19は、QTムービーファイルに設定された各トラックについて、それぞれデコードに関する情報をこのQTムービーファイルより取得して正常に再生可能か否か判断するようになされている。
またこのようにして全てのトラックについて正常に再生可能と判断した場合には、ステップSP60(図3)において、肯定結果が得られることにより、ステップSP60からステップSP85に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、ステップSP86に移って元の処理手順に戻る。
(1−2)第1の実施例の動作
以上の構成において、この光ディスク装置1では(図1)、撮像手段、音声取得手段で取得したビデオデータ、オーディオデータがそれぞれビデオ符号器11、オーディオ符号器12でエンコードされた後、ファイル生成器15によりQTムービーファイルのデータストリームに変換され、メモリコントローラ18、エラー訂正符号/復号器21、データ変復調器23、磁界変調ドライバ24、光ピックアップ33による記録系を介して光ディスク2に記録される。これによりこの光ディスク装置1では、撮像結果がQTムービーファイルにより光ディスク2に記録される。またこの光ディスク2のファイルの記録に対応するように、システム制御マイコン19の出力データがこの光ディスク装置1の記録系に出力され、これにより光ディスク2のファイル管理システムに係る管理情報にこのQTムービーファイルの記録に対応するように更新される。
またこのようにして記録したQTムービーファイルにおいては、ファイル管理システムによる管理情報に基づいて光ピックアップ33、データ変復調器23、エラー訂正符号/復号器21、メモリコントローラ18を介して順次再生され、ファイル復号器16によりビデオデータ及びオーディオデータのエレメンタリストリームに分解された後、それぞれビデオ復号器13、オーディオ復号器14によりデコードされて出力される。
このような撮像結果の記録再生に係る光ディスク装置1において、ユーザーにより光ディスク2に記録されたファイルの一覧表示が指示されると、光ディスク装置1においては、光ディスク2のファイル管理システムに係る管理情報であるディレクトリ情報より、一覧表示に係るディレクトリに属するファイルについて、処理対象ファイルか否か判断する。またこのようにして処理対象ファイルと判断したファイルについては、このファイルを再生して、ファイルに設定されてなるデコードに関する情報より、正常に再生可能なファイルか否か判断され、正常に再生可能なファイルについてのみ一覧表示される。またこのような一覧表示におけるユーザーの選択により、対応するファイルが再生される。
これによりこの光ディスク装置1では、正常に再生可能なファイルについてのみ選択的に表示することにより、正常に再生困難なファイルが記録媒体である光ディスク2に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に再生することができるようになされている。
(1−3)第1の実施例の効果
以上の構成によれば、ファイル管理システムに係る管理情報により再生対象のファイルのみ選択し、さらにこの選択したファイルを部分的に再生して得られるデコードに関する情報により、正常に再生可能なファイルについてのみ選択的に表示することにより、正常に再生困難なファイルが記録媒体である光ディスク2に記録されている場合でも、ユーザーの選択したファイルについては正常に再生することができる。
(2)第2の実施例
図6及び図7は、この第2の実施例に係るファイルの再生可否処理の処理手順を示すフローチャートである。この実施例においては、図3〜図5について上述した処理手順に代えて、この図6及び図7に示す処理手順を実行する点を除いて、第1の実施例と同一に構成される。またこの図6及び図7の処理手順において、図3〜図5について上述した処理手順と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
このファイルの再生可否処理において、システム制御マイコン19は、ステップSP63で否定結果が得られると、ステップSP59に戻り、これによりビデオトラック、オーディオトラックについてのみ、デコードに関する情報に基づいて正常に再生可能か否か判断する。
この実施例のように、ビデオトラック、オーディオトラックについてのみ、デコードに関する情報に基づいて正常に再生可能か否か判断するようにしても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。またこのようにビデオトラック、オーディオトラックについてのみ、デコードに関する情報に基づいて正常に再生可能か否か判断するようにすれば、ビデオトラック、オーディオトラックだけを再生するようなアプリケーションの場合や、ビデオトラックとオーディオトラック以外のトラックの再生は正確でなくても良いとするようなアプリケーションの場合に、第1の実施例に比して一段と簡易な処理により、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
(3)第3の実施例
ところで上述した第1及び第2の実施例のように、最終的にファイルを部分的に再生してデコードに関する情報を取得する場合、正常にデコード可能か否かの判断に時間を要し、その分、一覧表示に時間を要して使い勝手が悪くなる欠点がある。
このためこの実施例においては、ファイル生成器15によりQTムービーファイルを生成する際に、正常に再生可能か否かの判断材料であるデコードに関する情報を専用のアトムによりこのQTムービーファイルの先頭部分にまとめて配置する。またこのようにしてまとめて配置した判断材料により正常に再生可能か否か判断する。かくするにつきこの実施例においては、このQTムービーファイルに係る構成が一部異なる点を除いて、第1の実施例と同一に構成されることにより、以下においては、適宜、第1の実施例に係る構成を流用して説明する。なおこのような判断材料の設定においては、ファイル生成器15によりQTムービーファイルを生成する場合だけでなく、例えば他の機器により光ディスク2に記録されたファイルについて、このような判断材料を設けて記録し直すようにしてもよい。
すなわち図8は、この実施例に係るQTムービーファイルに関して、ムービーアトム(moov)側の構成を示す図表である。QTムービーファイルにおいては、ムービーアトム(moov)の上位に、ファイルタイプコンパチビリティアトム(ftyp)、プロファイルアトム(prfl)が設けられる。QTムービーファイルにおいては、このフォーマットコンパチビリティアトムに、QTムービーファイルのフォーマットの仕様を識別するために必要な情報が設定され、またプロファイルアトムにデコードに関する情報が割り当られる。
これによりQTムービーファイルにおいては、正常に再生可能か否かの判断基準がファイルの先頭側に設けられ、その分、正常に再生可能か否かの判定を簡易かつ迅速に実行し得るようになされている。
ここで図9に示すように、ファイルタイプコンパチビリティアトムは、先頭4バイトにこのファイルタイプコンパチビリティアトムのサイズを示す情報(Size)が割り当てられ、続く4バイトにファイルタイプコンパチビリティアトムであることを示す情報(Type)が割り当てられる。なおここではこの情報(Type)にftypが設定される。
ファイルタイプコンパチビリティアトムは、続く4バイトに、メジャーブランド(Major-Brand )が登録される。ここでメジャーブランド(Major-Brand )は、このQTムービーファイルのファイルフォーマットを識別する識別子が設定される。これによりこの実施例では、このメジャーブランド(Major-Brand )に基づいて処理可能か否かを判定できるようになされている。なおこの実施例において、メジャーブランドは、例えばmqt に設定される。
ファイルタイプコンパチビリティアトムは、続く4バイトに、マイナーバージョン(Minor-Version )が割り当てられる。ここでマイナーバージョン(Minor-Version )は、メジャーブランド(Major-Brand )におけるQTムービーファイルに係る仕様のバージョンが割り当てられる。
なおこのマイナーバージョン(Minor-Version )の形式は、メジャーブランド(Major-Brand )の示すフォーマットの仕様毎に異なってもよい。またメジャーブランド(Major-Brand )のフォーマットに応じて、このフィールドを4ビット単位で区切り、例えばバージョン1.3を0x00013000として格納するようにしてもよい。また併せてファイル作成者、アプリケーションプログラムの識別子を格納するようにしてもよい。なおこの場合、最上位8ビットをバージョン番号の整数部、続く8ビットをバージョン番号の小数部、続く10ビットをファイルの作成者の識別子、最後の6ビットをファイルを作成したアプリケーションの識別子として使用して、バージョン番号1.16、ファイル作成者の識別子0、アプリケーションの識別子1を0x01100001により表現することが考えられる。
ファイルタイプコンパチビリティアトムは、続いてコンパチビリティブランド(Compatible-Brand)の繰り返しにより、このQTムービーを再生、デコード可能なフォーマット(メジャーブランド(Major-Brand )と互換性のあるフォーマット)が記録される。すなわち例えばコンパチビリティブランドは、メジャーブランドがmqt の場合、mqt とqtとが格納される。これによりこの実施例では、互換性のあるアプリケーションプログラム等を使用している場合にあっても、再生可能であることを検出できるようになされている。
これに対してプロファイルアトムは、図10に示すように、このプロファイルアトムのサイズを示す情報(Size)、プロファイルアトムであることを示す情報(Type(この場合は、prflが設定される)が割り当てられる。また続いてバージョン(Version )、各種のフラグ(flags )、カウント値(feature-record-count)が設定され、続くリスト(feature-record-list )の繰り返しによりデコードに関する各種の情報が記録される。カウント値(feature-record-count)は、このリストの数を示す。
リスト(feature-record-list )は、順次トラックアトムを特定するトラックID(track-ID)、トラックのサブパートを特定するサブパートトラックID(sub-track-ID)、デコードに関する情報の種類を示す情報(feature )、対応する実データ(value )により構成される。このときデコードに関する情報の種類を示す情報(feature )にあっては、図11に示すように、コーデックの種類、データのビットレート、ビデオデータのフレームレート等の各種項目を設定し得るようになされ、またこれらの各項目に対応して、各項目に実データを設定できるようなされている。なお図12は、このリスト(feature-record-list )によるデコードに関する情報の設定例を示す図表である。すなわちこの図12の例では、トラックIDが1であるトラックは、コーデックがMPEG(Moving Picture Experts Group)4ビデオであり、ビットレートが384000〔bps 〕、フレームレートが15〔fps 〕、画面のサイズが横352ピクセル、縦288ピクセルであり、フレームレートが固定フレームレートであることが示されるようになされている。またトラックIDが2であるトラックは、コーデックがMPEG4オーディオ、ビットレートが128000〔bps 〕、サンプリング周波数が48000〔Hz〕であり、ビットレートが固定ビットレートであることが示されるようになされている。
これによりこの実施例では、このプロファイルアトムにより何ら障害なくQTムービーファイルを再生し得るか否か判断できるようになされている。
すなわち図13〜図16は、この図8の構成に係るシステム制御マイコン19のファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。この実施例に係るシステム制御マイコンにおいては、図3〜図5について上述したファイルの再生可否処理に代えて、この図13〜図16によるファイルの再生可否処理により正常に再生可能なファイルであるか判定する。なおこの実施例に係るシステム制御マイコンにおいては、このファイルの再生可否処理の前提として、第1の実施例と同様に光ディスク2のファイル管理システムに係るディレクトリ情報により、再生可能なファイルフォーマットか否か判断するようになされている。
すなわちシステム制御マイコンにおいては、この処理手順を開始すると、ステップSP101からステップSP102に移り、作業テーブルを初期化する。ここで作業テーブルは、図16に示すように、トラックID、サブパートIDを単位にしてデコードに係る情報の実データをまとめたテーブルである。システム制御マイコンは、メモリに保持してなるこのテーブルのトラックID、サブパートID、実データをディフォルトの値に設定することにより、作業テーブルを初期化する。
続いてシステム制御マイコンは、ステップSP102−1において、QTムービーファイルからファイルタイプコンパチビリティアトムを取得した後、続くステップSP102−2において、このファイルタイプコンパチビリティアトムに設定されたメジャーブランドにより、ファイルの採用しているフォーマット仕様が再生可能なものか否か判断する。ここで再生困難との判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP114(図15)に移り、このファイルを再生不可能なファイルに設定した後、ステップSP115から元の処理手順に戻る。これに対して再生可能との判断結果が得られると、ステップSP103に移り、処理対象のQTムービーファイルからプロファイルアトムを取得した後、続くステップSP104において、このプロファイルアトムに設定されたカウント値(feature-record-count)に対応する処理用変数Nを値1に設定する。
続いてシステム制御マイコンは、ステップSP105において、この処理用変数Nの値がプロファイルアトムに設定されたカウント値(feature-record-count)より小さいか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP105からステップSP106に移り、この処理用変数Nにより特定されるN番目のリスト(feature-record-list )について、トラックID、サブパートID、デコードに関する情報の種類を示す情報(feature )、対応する実データ(value )を取得する。また続くステップSP107において、この取得したトラックID、サブパートIDに係る実データが作業テーブルに既に登録されているか否か判断し、既に登録されている場合には、ステップSP108において、この登録されてなるトラックID、サブパートIDのレコードのステップSP106で取得した種類(feature )の欄に、実データ(value )を登録する。これに対して未だこのトラックID、サブパートIDが作業テーブルに未登録の場合、ステップSP107からステップSP109に移り、このトラックID、サブパートIDのレコードを作成した後、ステップSP108において、この作成したレーコードの種類(feature )の欄に、実データ(value )を登録する。
このようにして1つのリスト(feature-record-list )について、作業テーブルへの登録を完了すると、システム制御マイコンは、続くステップSP110において、処理用変数Nを値1だけインクリメントした後、ステップSP105に戻る。
これによりシステム制御マイコンは、この処理手順を繰り返し、プロファイルアトムに記録された全てのリストについて、作業テーブルへの登録を完了すると、ステップSP105において肯定結果が得られることにより、ステップSP105からステップSP111(図14)に移る。
このステップSP111において、システム制御マイコンは、処理用変数Mを値1に初期化する。ここで処理用変数Mは、作業テーブルのレコード数に対応する変数である。システム制御マイコンは、この処理用変数Mを設定すると、続くステップSP112において、この処理用変数Mの値MによるM番目のレコードに係る作業用テーブルのレコードを判定対象のレーコードに設定する。また続くステップSP113において、この判定対象のレコードに設定されてなるコーデックの種類より、正常にデコード可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP113からステップSP114(図15)に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP115から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP113において(図14)、肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP113からステップSP116に移る。ここでシステム制御マイコンは、このレコードに係る条件がビデオに係る記録か否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP116からステップSP117に移り、このレコードの記録とビデオ復号器13の能力を比較する。また続くステップSP118(図15)において、この比較結果より正常に再生可能か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP114、ステップSP115から元の処理手順に戻る。これに対して正常に再生可能と判断できる場合、システム制御マイコンは、ステップSP118からステップSP119に移り、処理用変数Mを値1だけインクリメントした後、ステップSP120に移る。ここでシステム制御マイコンは、この処理用変数Mの値が作業テーブルのレコード数を越えたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP111(図14)に戻って、続くレコードについて、同様の処理を繰り返す。
これに対してステップSP116で否定結果が得られると、この場合、システム制御マイコンは、ステップSP116からステップSP122に移り、このレコードに係る実データがオーディオ用のものか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP122からステップSP123に移り、このレコードの記録とオーディオ復号器14の能力を比較する。また続くステップSP118(図15)において、この比較結果より正常に再生可能か否か判断して一連の処理を実行する。
これに対してステップSP122で否定結果が得られると、この場合、システム制御マイコンは、ステップSP122からステップSP124に移る。ここでこのレコードに係るデコーダの能力とこのレコードの記録とを比較し、続くステップSP118(図15)において、この比較結果より正常に再生可能か否か判断して一連の処理を実行する。
これによりこの実施例においては、作業テーブルに展開してなるプロファイルアトムに設定されたデコードに関する情報について、トラックID、サブパートID単位で正常に再生可能か否か判定し、全てのトラックID、サブパートIDについて正常に再生可能との判断が得られると、ステップSP120で肯定結果が得られることにより、ステップSP120からステップSP125に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、ステップSP115から元の処理手順に戻る。
この実施例によれば、QTムービーファイルの先頭に、デコードに関する情報をまとめて記録し、この情報により正常に再生可能か否か判断することにより、処理に要する時間を格段的に短くして、第1及び第2の実施例と同様の効果を得ることができ、その分、ユーザーの使い勝手を一段と向上することができる。
(4)第4の実施例
図17は、この実施例に係るQTムービーファイルに設定されるプロファイルアトムの内容を示す図表である。この実施例に係るQTムービーファイルにおいては、図11に係る内容のプロファイルアトムの実データの種類(feature )、実データ(value )による繰り返しに代えて、この図17に示す内容が設定される。
具体的に、この実施例では、図11について上述した実データの種類を示す情報(feature )にpridが設定され、このpridによる実データに図17による実データが格納される。また実データの種類を示す情報(feature )がpridに設定されている実データ(feature-record)においては、トラックIDを0に設定し、ファイルタイプコンパチビリティアトムのメジャーブランドと同じ識別子をサブパートIDに設定することによって、このリストが特定のトラックについての情報ではなく、そのQTムービーファイル全体に対する情報であることを示す。これによりこのプロファイルアトムにおいては、実データをコード化して所定のビット位置に配置して実データの種類を示す情報(feature )を少なくし、実データをコード化した分、さらにはトラックID、サブパートIDの繰り返しを省略した分、光ディスク2に記録するデータ量を少なくするようになされている。
さらにこの実施例において、このコードの設定においては、対応する実データにおいて値の大きい側が、コードにおける表現においても値の大きな側となるように設定される。すなわち例えば先頭3ビットによるサンプリングレートのコードにおいては、周波数48〔kHz〕に対して値101のコードが設定され、これにより周波数の低い周波数24〔kHz〕に対して、値101より値の小さな値010のコードが設定される。これによりこの実施例においては、このコードの設定によりデコードの各種条件の大小関係を大まかに把握し得るようになされている。
図18〜図20は、このプロファイルアトムに係るシステム制御マイコンにおけるファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。この実施例に係るシステム制御マイコンは、図13〜図16の処理手順に代えて、この図18〜図20の処理手順を実行する。
すなわちシステム制御マイコンは、この処理手順を開始すると、ステップSP130からステップSP130−1に移り、処理対象のQTムービーファイルからファイルタイプコンパチビリティアトムを取得した後、続くステップSP130−2において、このファイルタイプコンパチビリティアトムに設定されたメジャーブランドにより、ファイルの採用しているフォーマット仕様が再生可能なものか否か判断する。ここで再生困難との判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP137(図19)に移り、このファイルを再生不可能なファイルに設定した後、ステップSP138から元の処理手順に戻る。これに対して再生可能との判断結果が得られると、ステップSP131に移り、処理対象のQTムービーファイルからプロファイルアトムを取得し、続くステップSP132において、この取得したプロファイルアトムから図17について説明した実データ(feature-record)を取得する。さらにシステム制御マイコンは、続くステップSP134において、この取得した実データを処理用の変数(VALUE )に保持する。
続いてシステム制御マイコンは、ステップSP135において、この変数(VALUE )からビデオデータに係るコードタイプの部分(上位6ビット)を取り出し、続くステップSP136において、この取り出したコードタイプの値によりデコード可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP136からステップSP137(図19)に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP138から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP136において(図18)肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP136からステップSP139に移る。ここでシステム制御マイコンは、この光ディスク装置1におけるビデオ復号器13の最大スペックを変数(VALUE )に対応するようにコード化して最大フレームレート(MAX FRAT)、最大ビットレート(MAX BRAT)、最大画サイズのコード(MAX SIZE)のコードを設定する。さらに続くステップSP140において、変数(VALUE )からフレームレートのコード部分を取り出し、続くステップSP141において、この取り出したコード部分をステップSP139で設定した最大フレームレート(MAX FRAT)のコードと比較する。この比較によりこの光ディスク装置1の能力が不足しているとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP141からステップSP137に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP138から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP141において、十分な能力を有していると判断される場合、システム制御マイコンは、ステップSP142に移り、変数(VALUE)におけるビデオデータの可変ビットレートを示すフラグの設定を判断し、ここで可変ビットレートを示すフラグがセットされている場合、ステップSP143に移り、この光ディスク装置においては可変ビットレートに対応可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP143からステップSP137に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP138から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP143で肯定結果が得られると、又はステップSP142で可変ビットレートを示すフラグがセットされてないとの判定結果が得られた場合、システム制御マイコンは、ステップSP144において、変数(VALUE )からビットレートのコード部分を取り出し、続くステップSP145において、この取り出したコード部分をステップSP139で設定した最大ビットレート(MAX BRAT)のコードと比較する。この比較によりこの光ディスク装置1の能力が不足しているとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP145からステップSP137に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP138から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP145において、この光ディスク装置1の能力が十分であるとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP146に移り、変数(VALUE )から最大画サイズのコード部分を取り出し、続くステップSP147において、この取り出したコード部分をステップSP139で設定した最大画サイズのコード(MAX SIZE)のコードと比較する。この比較によりこの光ディスク装置1の能力が不足しているとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP147からステップSP137に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP138から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP147において、この光ディスク装置1の能力が十分であるとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP148(図20)に移り、この変数(VALUE )からオーディオデータに係るコードタイプの部分を取り出し、続くステップSP149において、この取り出したコードタイプの値によりデコード可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP149からステップSP150に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP151から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP149において、デコード可能との判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP152に移り、オーディオ復号器14の最大スペックを変数(VALUE )に対応するようにコード化して最大ビットレート(MAX BRAT)を設定する。さらに続くステップSP153において、変数(VALUE )におけるオーディオの可変ビットレートを示すフラグの設定を判断し、ここで可変ビットレートを示すフラグがセットされている場合、ステップSP154に移り、この光ディスク装置においては可変ビットレートに対応可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP154からステップSP150に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP151から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP154で肯定結果が得られると、又はステップSP153で可変ビットレートを示すフラグがセットされてないとの判定結果が得られた場合、システム制御マイコンは、ステップSP155において、変数(VALUE )からオーディオデータに係るビットレートのコード部分を取り出し、続くステップSP156において、この取り出したコード部分をステップSP152で設定した最大ビットレート(MAX BRAT)のコードと比較する。この比較によりこの光ディスク装置1の能力が不足しているとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP156からステップSP150に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP151から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP156において、この光ディスク装置1の能力が十分であるとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP157に移り、変数(VALUE )からオーディオデータに係るサンプリング周波数のコード部分を取り出し、続くステップSP158において、この取り出したコード部分により示されるサンプリング周波数によりデコード可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP156からステップSP150に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP151から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP158で肯定結果が得られると、ステップSP158からステップSP159に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、ステップSP151から元の処理手順に戻る。
これらによりこの実施例においては、QTムービーファイルのデータ量の増大を有効に回避して第3の実施例と同様の効果を得ることができるようになされている。実際上、第3の実施例の構成によれば、リスト(feature-record-list )だけで160バイトを要するのに対して、この実施例では、この160バイトの情報を16バイトにより表現することができる。
(5)第5の実施例
図21は、本発明の第5の実施例に係るファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。この実施例においては、図18〜図20について上述したファイルの再生可否処理に代えて、この図21に示す処理手順が適用される点を除いて、第4の実施例と同一の構成される。
すなわちこの実施例において、システム制御マイコンは、この処理手順を開始すると、ステップSP161からステップSP162に移り、この光ディスク装置におけるビデオデータについてデコード可能なコーデックの種類とスペックとの組み合わせを、QTムービーファイルに設定されたコード(図17)に対応するようにコード化して判定基準用のテーブル(VDEC TABLE)を形成する。
また続くステップSP163において、この光ディスク装置におけるオーディオについてデコード可能なコーデックの種類とスペックとの組み合わせを、同様にしてコード化して判定基準用のテーブル(ADEC TABLE)を形成する。
続いてシステム制御マイコンは、ステップSP164において、QTムービーファイルのプロファイルアトムを取得し、続くステップSP165において、この取得したプロファイルアトムから図17について説明した実データ(feature-record)を取得する。さらにシステム制御マイコンは、続くステップSP166において、この取得した実データからビデオデータに係る判定基準用のテーブル(VDEC TABLE)に対応するコード部分(VREQ)を切り出し、また続くステップSP167において、同様にして取得した実データからオーディオデータに係る判定基準用のテーブル(ADEC TABLE)に対応するコード部分(AREQ)を切り出す。
さらにシステム制御マイコンは、続くステップSP168において、このようにして切り出したビデオデータに係るコード部分(VREQ)と、ビデオデータに係る判定基準用のテーブル(VDEC TABLE)とを比較し、これによりこの光ディスク装置のビデオデータの処理に係る能力が十分か否か判断する。この比較によりこの光ディスク装置1の能力が不足しているとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP168からステップSP169に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP170から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP168において、この光ディスク装置1の能力が十分であるとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP171に移り、ステップSP167で切り出したオーディオデータに係るコード部分(AREQ)と、オーディオデータに係る判定基準用のテーブル(ADEC TABLE)とを比較し、これによりこの光ディスク装置のオーディオデータの処理に係る能力が十分か否か判断する。この比較によりこの光ディスク装置の能力が不足しているとの判断結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP171からステップSP169に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、ステップSP170から元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP171で肯定結果が得られると、ステップSP171からステップSP172に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、ステップSP170から元の処理手順に戻る。
これによりこの実施例によれば、第4の実施例に比してさらに一段と簡易な処理により、正常に再生可能か否か判断して、第4の実施例と同様の効果を得ることができる。
(6)第6の実施例
この実施例においては、上述したファイルの再生可否処理において、併せてQTムービーファイルのファイル構造についても、正常に再生可能なファイル構造か否か判断する。図22〜図24は、このQTムービーファイルのファイル構造に係る判断処理の処理手順を示すフローチャートである。なおこの実施例においては、この図22〜図24に係る処理手順が、上述した第1〜第5の実施例に係るファイルの再生可否処理に加えられている点を除いて、第1〜第5の実施例に係る構成と同一であることにより、この図22〜図24に係る処理手順についてのみ詳細に説明し、他の構成については、重複した説明を省略する。
すなわちこの処理手順を開始すると、システム制御マイコンは、ステップSP201からステップSP202に移り、変数ALT COUNT 、MAXALT、VCOUNT、ACOUNT、SELFREF 、ALTFLAG 等を値0にセットし、これらの変数を初期化する。ここで変数ALT COUNT 〔n〕は配列変数であり、各配列要素は各オルタネートグループ(alternate-group )のトラック数を示すカウント値である。また変数MAXALTは、オルタネートグループ(alternate-group )の最大値に対応する変数である。変数VCOUNTは、ビデオトラックを示すカウント値であり、また変数ACOUNTは、オーディオトラックを示すカウント値である。また変数SELFREF は、参照形式が自己内包型を示すフラグによる変数、変数ALTFLAG は代替トラックの存在を示すフラグである。
続いてシステム制御マイコンは、ステップSP203に移り、QTムービーファイルからQTムービーファイルのムービーリソースアトム(Movie Resource Atom :moov atom )を取得し、続くステップSP204において、このムービーリソースアトムにビデオに係る拡張アトム(mvex atom )が設定されているか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP205に移り、フラグメントムービーを再生可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP206に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP204において否定結果が得られると、又はステップSP205において肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP207に移り、ここでムービーリソースアトムから最初のトラックアトム(Track Atom:trak atom)を取得し、続くステップSP208において、トラックアトムを取得し得たか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP209に移り、このトラックアトムからトラックヘッダアトム(Track Header Atom :tkhd Atom)を取得し、続くステップSP210において、このトラックヘッダアトムからオルタネートグループ(alternate-group )の値を取得する。
また続くステップSP211において、オルタネートグループに対応する配列要素ALT COUNT 〔alternate-group 〕に値1を加算し、続くステップSP212において、トラックヘッダアトムから取得したオルタネートグループの値が変数MAXALTより大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP213に移り、変数MAXALTの値をオルタネートグループの値に置き換えてステップSP214に移る。これに対してステップSP212で否定結果が得られると、直接、ステップSP212からステップSP214に移る。
このステップSP214において、システム制御マイコンは、取得したトラックアトムからメディアアトム(Media Atom:mdia atom)を取得し、続くステップSP215において、このメディアアトムからメディアヘッダリファレンスアトム(Media Handler Reference Atom:hdlr atom)を取得する。また続くステップSP216において、このメディアヘッダリファレンスアトムからコンポーネントサブタイプ(component-subtype )を取得し、続くステップSP217において、このコンポーネントサブタイプの値からこのトラックがビデオトラックか否か判断する。
ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP217からステップSP218に移り、ビデオトラックを示すカウント値である変数VCOUNTを値1だけインクリメントした後、ステップSP219に移る。これに対してステップSP217で否定結果が得られると、ステップSP217からステップSP220に移り、このコンポーネントサブタイプの値からこのトラックがオーディオトラックか否か判断する。
ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP220からステップSP221に移り、オーディオトラックを示すカウント値である変数ACOUNTを値1だけインクリメントした後、ステップSP219に移る。これに対してステップSP220で否定結果が得られると、ステップSP220からステップSP219に移る。
このステップSP219において、システム制御マイコンは、メディアアトム(Media Atom:mdia atom)からメディアインフォメーションアトム(Media Information Atom:minf atom を取得し、続くステップSP223において、このメディアインフォメーションアトムからデータインフォメーションアトム(Data Information Atom :dinf atom )を取得する。
システム制御マイコンは、続くステップSP224において、このデータインフォメーションアトムからデータリファレンスアトム(Data Reference Atom :drsf Atom )を取得し、続くステップSP225において、このデータリファレンスアトムを取得し得たか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP226に移り、この取得したデータリファレンスアトムにおいて参照形式が自己内包型であることを示す自己内包型フラグ(self reference flag )が値1に設定されているか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP227に移り、参照形式が外部参照形式であることを示す変数EXTREFを値1に設定してステップSP228に移る。
これに対してステップSP226で否定結果が得られると、ステップSP229に移り、自己内包型であることを示す外部参照型フラグ(self reference flag )が値0に設定されているか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP227に移り、参照形式が自己内包形式であることを示す変数SELFEFを値1に設定してステップSP228に移る。
これによりシステム制御マイコンは、参照ファイルの構成を変数にセットした後、ステップSP228において、このデータインフォメーションアトムから次のデータリファレンスアトムを取得し、ステップSP225に戻る。これによりシステム制御マイコンは、データインフォメーションアトムに設定された全てのデータリファレンスアトムについて参照形式を判定し、全てのデータリファレンスアトムについて処理を完了すると、ステップSP225で否定結果が得られることにより、ステップSP225からステップSP230に移る。
システム制御マイコンは、このステップSP230において、メディアインフォメーションアトムからサンプルテーブルアトム(Sample Table Atom :stbl atom )を取得し、続くステップSP231において、このサンプルテーブルアトムにチャンクサイズアトム(Chunk Size Atom :cksz atom )が存在するか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP232に移り、チャンクサイズアトムの有無を示す変数CKSZを値1にセットした後、ステップSP233に移る。これに対してステップSP231において否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP231からステップSP233に移る。
このステップSP233において、システム制御マイコンは、ムービーリソースアトムから続くトラックアトムを取得した後、ステップSP207(図22)に戻る。これによりこの実施例において、各トラックについてデコード可能か否かの判断材料であるファイル構造の情報を順次取得し、全てのトラックについて処理を完了すると、ステップSP208からステップSP235に移る(図24)。
このステップSP235において、システム制御マイコンは、処理用変数Iに値1をセットし、続くステップSP236において、この処理用変数Iにより特定される順番のトラックについて、変数MAXALTが値1より小さいか否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP236からステップSP237に移り、配列要素ALT COUNT 〔I〕の値が値1より大きいか否か判断する。ここで否定結果が得られると、この場合、そのオルタネートグループには代替トラックが存在しないことにより、ステップSP237からステップSP239に移り、変数Iをインクリメントして処理対象を続くオルタネートグループに切り換えた後、ステップSP236に戻る。
これに対してステップSP237で肯定結果が得られると、ステップSP237からステップSP238に移り、変数ALTFLAG を値1にセットした後、ステップSP240に移るのに対し、ステップSP236で肯定結果が得られると、ステップSP236からステップSP240に移る。これによりこの実施例においては、何れかのトラックについて代替トラック( Alternate track)が存在する場合には、変数ALTFLAG を値1にセットするようになされている。
システム制御マイコンは、続くステップSP240において、変数EXTREFが値1か否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP241に移り、ここで外部参照ファイルを処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP241からステップSP242に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP241で肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP241からステップSP243に移る。またステップSP240で否定結果が得られた場合、同様にステップSP243に移る。このステップSP243において、システム制御マイコンは、変数SELFEFが値1か否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP244に移り、ここで自己内包形式を処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP244からステップSP242に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP244で肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP244からステップSP245に移る。またステップSP243で否定結果が得られた場合、同様にステップSP245に移る。このステップSP245において、システム制御マイコンは、変数VCOUNTが値1より大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP246に移り、ここでビデオに係るマルチトラックを処理可能か否か判断し、ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP246からステップSP242に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP245で否定結果が得られると、ステップSP245からステップSP247に移り、ここで変数ACOUNTが値1より大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP246に移り、ここでオーディオに係るマルチトラックを処理可能か否か判断し、ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP246からステップSP242に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP247で否定結果が得られると、又はステップSP246において肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP248に移り、代替トラックに係る変数ALTFLAG が値1より大きいか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP249に移り、代替トラックを処理可能か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP249からステップSP242に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP249で肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP249からステップSP250に移る。またステップSP248で否定結果が得られた場合、同様にステップSP250に移る。このステップSP250において、システム制御マイコンは、変数CKSZが値1か否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP251に移り、チャンクサイズアトムを処理可能か否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP251からステップSP242に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP251で肯定結果が得られると、又はステップSP250で否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP252に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
以上の構成によれば、併せてQTムービーファイルのファイル構造についても、正常に再生可能な否か判断するようにしたことにより、一段と高い精度により、正常に再生可能なファイルのみユーザーに提供することができ、その分、一段とユーザーの使い勝手を向上することができる。
(7)第7の実施例
この実施例においては、第6の実施例において正常に再生可能か否かの判断資料に供したファイル構造に関する情報をまとめてアトムを形成し、このアトムにより、QTムービーファイルの先頭側にこれらの情報をまとめて配置する。
すなわちこの実施例においては、図8〜図12について上述したプロファィルアトムと同様に、実データの種類を示す情報(feature )を設定し、図25に示す実データを登録する。なおここでは実データの種類を示す情報(feature)に、tkstを設定する。かくするにつき、この実施例では、この実データに、フラグメントムービーアトムの有り、修飾用トラックの有り、代替トラックの有り、外部参照型、自己内包型、チャンクサイズアトムの有りを示す情報が割り当てられるようになされている。これによりこの実施例では、図12との対比により図26に示すように、このファイル構造に係るアトムが形成されるようになされている。なおこの図26に示す例では、トラックID=4のトラックにおいては、代替トラックがあり、外部参照形式と自己内包形式の両方でデータを参照していることが記述されるようになされている。
これによりシステム制御マイコンにおいては、QTムービーファイルの記録時、各アトムに設定する情報より対応する情報を取得してこのファイル構造に係るアトムを生成するようになされている。また図21〜図23によるファイルの再生可否処理に代えて、図27に示すファイルの再生可否処理により、この種のファイル構造に対応し得るか否か判断するようになされている。
すなわちこの図27に示す処理手順を開始すると、システム制御マイコンは、ステップSP271からステップSP272に移り、ここで図26に係るファイル構造のアトム(prft Atom )を取得し、続くステップSP273において、図26に示すリストのレコードに対応する処理用変数Nに値1をセットする。また続くステップSP274において、リストのカウント値(feature-record-count)より変数Nが小さいか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP275において、このN番目の欄に係る実データのリスト(feature-record)を取得する。
また続くステップSP276において、この取得したリストについて、ファイル構造に係る情報が設定されているか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP277において、このファイル構造に係る情報にフラグメントムービーアトムの有り(frmv)が設定されているか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP277からステップSP278に移り(図28)、フラグメントムービーを再生可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP279に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP277(図27)で否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP281に移り、ファイル構造に係る情報にフラグ修飾用トラックの有り(mdtk)が設定されているか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP281からステップSP282に移り(図28)、修飾用トラックを処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP279に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP281(図27)で否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP283に移り、ファイル構造に係る情報に代替トラックの有り(altk)が設定されているか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP283からステップSP284に移り(図28)、代替トラックを処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP279に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP283(図27)で否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP285に移り、ファイル構造に係る情報に外部参照有り(extk)が設定されているか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP285からステップSP286に移り(図28)、外部参照形式を処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP279に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP285(図27)で否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP287に移り、ファイル構造に係る情報に自己内包有り(sltk)が設定されているか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP287からステップSP288に移り(図28)、自己内包形式を処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP279に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
これに対してステップSP287(図27)で否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP289に移り、ファイル構造に係る情報にチャンクサイズアトム有り(cksz)が設定されているか否か判断する。ここで肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP289からステップSP290に移り(図28)、処理可能か否か判断する。ここで否定結果が得られると、システム制御マイコンは、ステップSP279に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
またステップSP289で否定結果が得られると、又はステップSP276で否定結果が得られると(図27)、システム制御マイコンは、ステップSP291において、変数Nを値1だけインクリメントし、これにより処理対象を続くファイル構造に係る情報に切り換えてステップSP274に戻る。
これに対してステップSP278、ステップSP282、ステップSP284、ステップSP286、ステップSP288又はステップSP290において肯定結果が得られると、システム制御マイコンは、図291に戻り、これにより処理対象を続くファイル構造に係る情報に切り換えてステップSP274に戻る。
これによりこの実施例において、システム制御マイコンは、ファイル構造に関する情報に設定されたリストの順に、順次対応可能か否か判断し、全ての設定に対して対応可能な場合、ステップSP274で否定結果が得られることにより、ステップSP274からステップSP293に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
この実施例においては、正常に再生可能か否かの判断資料に供したファイル構造に関する情報をまとめてアトムを形成し、このアトムにより、QTムービーファイルの先頭側にこれらの情報をまとめて配置することにより、第5の実施例に比して処理速度を向上して、第5の実施例と同様の効果を得ることができる。
(8)第8の実施例
この実施例においては、第3の実施例との対比による第4の実施例に係る構成と同様に、第7の実施例に係るリストの実データをコード化し、これによりQTムービーファイルのデータ量を少なくし、さらにはシステム制御マイコンにおける処理を簡略化する。
すなわち図29は、このコード化に係る内容を示す図表である。この実施例においては、図26について上述した実データの種類を示す欄(feature )にfnscが設定され、この図28に示すコード化された実データが設定される。これによりシステム制御マイコンは、このコード化により対応するようにQTムービーファイルを作成し、またこのコードに従って正常に再生可能か否か判断する。なおこの場合も、fnscが設定されてなる実データ(feature-record)においてはトラックIDを0に設定し、サブパートIDにファイルタイプコンパチビリティアトムのメジャーブランドと同じ識別子を設定するものとする。
図30は、この実施例に係るファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。この実施例においては、図27に係る処理手順に代えて、この処理手順が実行される。
すなわちシステム制御マイコンは、この処理手順を開始すると、ステップSP301からステップSP302に移り、この光ディスク装置に係るフラグマスクを作成する。ここでこのフラグマスクは、図27に示すファイル構造に係るコード化された実データのビット列に対応して、この光ディスク装置で対応可能なコード部分に値0を、対応不可能なコード部分に値1を設定したマスクである。
システム制御マイコンは、このようにしてマスクを設定すると、続くステップSP303において、プロファイルアトムを取得し、続くステップSP304において、このプロファイルアトムからfnscが設定されてなる実データを取得する。また続くステップSP305において、この実データとフラグマスクとの論理積により実データを判定して、対応困難な項目の有無を検出する。ここで対応困難な項目が検出されると、システム制御マイコンは、ステップSP305からステップSP306に移り、このQTムービーファイルを正常に再生困難なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。これに対して対応困難な項目が検出されない場合、ステップSP305からステップSP307に移り、このQTムービーファイルを正常に再生可能なファイルに設定した後、元の処理手順に戻る。
この実施例においては、ファイル構造に係る情報をコード化したことにより、QTムービーファイルのデータ量を少なくし、さらにはシステム制御マイコンにおける処理を簡略化し、第7の実施例と同様の効果を得ることができる。
(9)第9の実施例
この実施例においては、光ディスクに記録されたファイルのインデックスファイルを光ディスクに記録する。なおこの実施例においては、このインデックスファイルに係る構成が異なる点を除いて上述の実施例と同一に構成されることにより、この実施例では、適宜、図1に示す構成を流用して説明する。
ここでインデックスファイルは、光ディスク2に記録されたファイルより抜粋した抜粋情報をブロック化してなるエントリの連続により構成され、これによりこの抜粋情報に基づいて光ディスク2に記録された多数のファイルより所望するファイルを簡易かつ確実に選択できるようになされている。
ここでインデックスファイルは、QTムービーファイルと同様のアトムによる階層構造により構成され、これによりファイル生成器15、ファイル復号器16を利用して、ファイル生成、処理に係るリソースを有効に利用できるようになされている。
すなわちインデックスファイルは、図31に示すように、抜粋情報によるデータ群であるインデックスデータアトムと、このデータ群を管理する管理用データ群であるインデックスアトムとにより構成される。インデックスデータアトムは、ディスクタイトルの実データ、各ファイルの抜粋情報の実データ等がチャンクにより割り当てられ、インデックスアトムには、インデックスデータアトムに割り当てた実データの管理情報が割り当てられる。
ここで抜粋情報は、このインデックスファイルによる管理対象ファイルの内容を紹介する管理対象ファイルの一部を抜粋した情報であることにより、管理対象ファイルの種類に応じて変化するものの、この実施例のように、管理対象ファイルがビデオデータ及びオーディオデータによるQTムービーファイルである場合、抜粋情報には、プロパティ、テキスト、サムネイル画像(Thumbnail Picture)、イントロの3種類のデータが適用される。
インデックスデータアトムは、さらに管理対象ファイルに対応するプロパティに対してテキスト、サムネイル画像、イントロの3つのデータを組み合わせたエントリにより各ファイルの抜粋情報が管理されるようになされている。なお先頭のエントリ#1にあっては、管理対象ファイルに代えて、ディスクタイトルの抜粋情報が割り当てられるようになされている。またインデックスデータアトムは、これらプロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロがそれぞれチャンクに設定されて割り当てられるようになされている。
ここでプロパティは、ディスクタイトル、各管理対象ファイルの属性を示すデータであり、これらディスクタイトル、各管理対象ファイルに設定されたバイナリーデータによる抜粋情報が、エントリの管理情報と共に割り当てられる。なおプロパティは、管理対象ファイルの種類が異なることにより、続くテキスト、サムネイル画像、イントロが設けられない場合であっても必ず設けられる。
テキストは、ディスクタイトル、各管理対象ファイルに係るタイトルの文字列を示すデータにより構成される。サムネイル画像は、ディスクタイトル、各管理対象ファイルの内容を示す静止画像により構成され、管理対象ファイルのサムネイル画像は、例えば管理対象ファイルの先頭画像が割り当てられる。これに対してディスクタイトルのサムネイル画像は、ユーザの選択により、例えば各管理対象ファイルの特定エントリのサムネイル画像が割り当られる。なお各管理対象ファイルのサムネイル画像は、ユーザーの選択により設定するようにしてもよい。
イントロは、ディスクタイトル、各管理対象ファイルの内容を示す短時間のオーディオデータである。管理対象ファイルのイントロは、例えば対応するファイルの再生開始より数秒間(例えば5秒間)のオーディオデータが割り当てられる。これに対してディスクタイトルのイントロは、ユーザの選択により、例えば各管理対象ファイルの特定エントリのイントロが割り当られる。なお管理対象ファイルのイントロにあっても、ユーザーの選択により設定するようにしてもよい。
インデックスアトムは、インデックスデータアトムのプロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロにそれぞれ対応するプロパティ、テキスト、サムネイル、イントロのトラックアトムと、これらトラックアトムを統括するムービーヘッダアトムとにより構成され、各トラックアトムには、対応するプロパティ、テキスト、サムネイル画像、イントロに係るエントリの記録位置情報が設定されるようになされている。
これによりこの実施例では、例えばタイトル、サムネイル画像を一覧表示してユーザーに提供して、またイントロを順次再生してユーザーに提供して、ユーザーにより所望するファイルを簡易に選択できるようになされている。またこの選択したファイルを対応するプロパティの設定により再生してユーザーに提供できるようになされている。
この実施例においては、このプロパティの実データに、上述した実施例に係るデコードに関する情報、ファイル構造に係る情報が設定される。これによりこの実施例では、いちいち各QTムービーファイルを再生しなくても、正常に再生可能か否かを一段と短い時間により検出できるようになされている。
また光ディスク2においては、例えばコンピュータにおいてQTムービーファイルを記録する場合もあり、この場合、このコンピュータにより記録されるQTムービーファイルが上述の第3〜第8の実施例に係るデコードに関する情報、ファイル構造に係る情報が設定されてなる場合もあり、またこのような情報が設定されていない場合もあることにより、これらの場合、ファイル管理システムに係る管理情報とインデックスファイルとの比較により、インデックスファイルに登録されているQTムービーファイルについては、インデックスファイルに登録されたデコードに関する情報、ファイル構造に係る情報により正常に再生可能か否か判断し、このようにインデックスファイルに未登録のファイルについては、上述の実施例と同一の処理により正常に再生可能か否か判断する。
またユーザーの指示により、又は空き時間により、これら未登録のQTムービーファイルに係るデコードに関する情報、ファイル構造に係る情報をインデックスファイルに登録する。
この実施例によれば、記録媒体に記録されたファイルと対応付けられた該ファイルから抜粋した抜粋情報のブロックによるエントリの連続により、記録媒体に記録されたファイルのインデックスファイルを生成して記録媒体に記録する場合に、このインデックスファイルに、デコードに関する情報、ファイル構造に係る情報を設定したことにより、簡易かつ迅速に所望するファイルを選択できるようにして、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
(10)第10の実施例
この実施例においては、上述した実施例に係る正常に再生可能なファイルの選択的な一覧表示に代えて、ユーザーの指示したディレクトリに属するファイルを全て表示するようにし、この表示におけるユーザーインターフェースにより正常に再生可能か否か表示する。またこのように正常に再生し得ないファイルについては、ユーザーの選択を受け付けないようにする。
この実施例のように、正常にデコード可能なファイルと、正常にデコード困難なファイルとを区別して表示することにより、正常にデコード可能なファイルについてのみ選択可能に記録媒体に記録されたファイルを一覧により表示するようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
(11)他の実施例
なお上述の実施例においては、本発明を光ディスク装置に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ハードディスク、メモリカード等、種々の記録媒体に記録する場合に広く適用することができる。
また上述の実施例においては、QTムービーファイルを光ディスクに記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の階層構造によるファイルを記録する場合、さらにはデータ圧縮されたビデオデータ及びオーディオデータを記録する場合に広く適用することができる。
また上述の実施例においては、エンコーダ、デコーダである符号器、復号器を一体化してなる場合にについて述べたが、本発明はこれに限らず、これら符号器、復号器をソフトウエアの処理により構成する場合、さらには外部機器よりデータ圧縮してなるビデオデータ及びオーディオデータを入力して記録する構成に適用して、これら符号器、復号器が外部機器に設けられている場合等にも広く適用することができる。
本発明は、記録装置、再生装置、記録方法、再生方法に関し、例えばQuick Time形式で記録したムービーファイルの処理に適用することができる。
本発明の第1の実施例に係る光ディスク装置を示すブロック図である。
第1の実施例に係るシステム制御マイコンの処理手順を示すフローチャートである。
図2の処理手順におけるファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。
図3の続きを示すフローチャートである。
図4の続きを示すフローチャートである。
本発明の第2の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。
図6の続きを示すフローチャートである。
本発明の第3の実施例に係る光ディスク装置におけるQTムービーファイルを示す図表である。
図8のQTムービーファイルにおけるファイルタイプコンパチビリティアトムを示す図表である。
図8のQTムービーファイルにおけるプロファイルアトムを示す図表である。
図10のプロファイルアトムにおける設定を示す図表である。
図10のプロファイルアトムの一例を示す図表である。
本発明の第3の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。
図13の続きを示すフローチャートである。
図14の続きを示すフローチャートである。
図13〜図15の処理手順の説明に供する図表である。
本発明の第4の実施例に係るQTムービーファイルにおけるプロファイルアトムの設定を示す図表である。
本発明の第4の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。
図18の続きを示すフローチャートである。
図19の続きを示すフローチャートである。
本発明の第5の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理を示すフローチャートである。
本発明の第6の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理の一部を示すフローチャートである。
図22の続きを示すフローチャートである。
図23の続きを示すフローチャートである。
本発明の第7の実施例に係る光ディスク装置におけるプロファィルアトムの設定を示す図表である。
図25の設定例を示す図表である。
本発明の第7の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理の一部を示すフローチャートである。
図27の続きを示すフローチャートである。
本発明の第8の実施例に係る光ディスク装置におけるプロファィルアトムの設定を示す図表である。
本発明の第8の実施例に係る光ディスク装置におけるファイルの再生可否処理の一部を示すフローチャートである。
本発明の第9の実施例に係る光ディスク装置におけるインデックスファイルを示す図表である。
符号の説明
1……光ディスク装置、2……光ディスク、11……ビデオ符号器、12……オーディオ符号器、13……ビデオ復号器、14……オーディオ復号器、15……ファイル生成器、16……ファイル復号器、19……システム制御マイコン