JP4852842B2 - 粉末射出成形に用いられる射出成形金型 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックスや金属などの粉末射出成形法(PIM)における射出成形を適切に効率良く進行させるために有用となる射出成形金型に関するものである。
セラミックスや金属などの粉末を原料にした粉体射出成形法が従来から知られている。この粉体射出成形法は、セラミックスや金属などの粉末にバインダ(金型への充填流動性及び保形性を役目とし、ワックス等の低分子量成分、熱可塑性合成樹脂等の高分子量成分、その他を適宜の分量で配合したもの)を混合し、金型を搭載した射出成形機にて成形し、いわゆるグリーン体を得て、その後、前記バインダを除去する脱脂と粉末を融点以下の温度で熱処理して粉末粒子の間に結合が生じる焼結にて製品を得る製法である。
このような射出成形を行うための射出成形機として、ピンポイントゲート用3プレート射出成形金型が従来から知られている。(例えば特許文献1参照)
このピンポイントゲート用3プレート射出成形金型Aの基本的な構造は、図13に示すように、上側プレート1に接離自在に中間プレート2を配設すると共に中間プレート2に接離自在に下側プレート3を配設し、下側プレート3に接離自在に型プレート4を配設し、一端が上側プレート1部分において成形機側のノズルと連通する第1のスプルー5を上側プレート1から中間プレート2にわたって形成し、下側プレート3に上記第1のスプルー5の他端と連通するランナー6と、一端が上記ランナー6と連通し且つ他端がゲート7となった第2のスプルー8とを形成し、下側プレート3と型プレート4との対向面に上記ゲート7と連通するキャビティ9を形成し、上記上側プレート1から突出したプラーピン10を上記中間プレート2を貫挿してプラーピン10の先端部のアンダーカット部30をランナー6内に挿入したものである。ここで、従来においてプラーピン10の先端のアンダーカット部30はランナー6内にのみわずかに挿入する程度としてあるが、これは、プラーピン10の先端部のアンダーカット部30を第2のスプルー8内まで挿入すると成形材料14のキャビティ9への流動性を損ねるので好ましくなく、このため、図13に示すように、プラーピン10の先端のアンダーカット部30はランナー6内にのみわずかに挿入するように構成してある。
図13は上記射出成形金型Aを閉じた状態で成形機側のノズルから成形材料14を注入してキャビティ9内に充填し成形した状態を示している。このようにして成形した後、型開きするのであり、型開きに当たっては、まず、上側プレート1、中間プレート2、下側プレート3を互いに当接した状態のまま、下側プレート3に対して型プレート4が離れるように移動することでキャビティ9内で硬化したグリーン体14aが型プレート4に付着した状態で移動してゲート7部分において切断され、更に、中間プレート2を上側プレート1に当接した状態で下側プレート3が中間プレート2から離れるように移動する。すると、プラーピン10の先端のアンダーカット部30に上記ランナー6部分において冷却硬化した成形材料14の硬化物14bがプラーピン10のアンダーカット部30に固着しているので型開きをした際に上記硬化物14bが中間プレート2側にくっついて離型する。その後、中間プレート2が上側プレート1から離れるように移動することで、上記硬化物14bからプラーピン10を抜き取ると共に上記硬化物14bを上側プレート1から抜き取り、更に、中間プレート用エジェクタピン(図示せず)により硬化物14bを中間プレート2の下面側から離れる方向に突き出して硬化物14bを取り出す。また、前述のように型プレート4に付着した状態で型プレート4と共に下側プレート3から離れたキャビティ9内で硬化したグリーン体14aは、図示を省略しているがグリーン体突き出し用エジェクタピン(図示せず)により突き出されて型プレート4から脱型する。
ところが、バインダはセラミックスや金属などの粉末に対して重量比で15%から20%程度混合するのが一般的であり、その成形材料14が硬化したグリーン体14aや硬化物14bの強度は弱くてもろいものである。このため、上記のピンポイントゲート用3プレート射出成形金型Aにおいては、成形後に上記のような順序で型開きする際、図14のように中間プレート2から下側プレート3が離れる方向に移動した際、型開きに伴う離型抵抗に負けて第2のスプルー8内におけるゲート7近傍の成形材料14の硬化物14bが型残りするという問題が生じ、このように第2のスプルー8内のゲート7近傍に硬化物14bが型残りすると、これを除去する時間ロスや計量密度のばらつき増大などの問題が発生していた。
特開平3−222707号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、キャビティへの流動性を損ねず、しかも型開き後に、第2のスプルー内に成形材料の硬化物が型残りせずにスムーズに離型できる粉末射出成形に用いられる射出成形金型を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る粉末射出成形に用いられる射出成形金型は、上側プレート1に接離自在に中間プレート2を配設すると共に中間プレート2に接離自在に下側プレート3を配設し、下側プレート3に接離自在に型プレート4を配設し、一端が上側プレート1部分において成形機側のノズルと連通する第1のスプルー5を上側プレート1から中間プレート2にわたって形成し、下側プレート3に上記第1のスプルー5の他端と連通するランナー6と、一端が上記ランナー6と連通し且つ他端がゲート7となった第2のスプルー8とを形成し、下側プレート3と型プレート4との対向面に上記ゲート7と連通するキャビティ9を形成し、上記上側プレート1に上記中間プレート2を貫挿して第2のスプルー8内に挿入されるプラーピン10を突設したピンポイントゲート用3プレート射出成形金型Aにおいて、上側プレート1、中間プレート2、下側プレート3を当接した状態で上記プラーピン10の中間プレート2から突出する突出部16の突出長さが下側プレート3の厚さの50%以上であり、この突出部16がゲート7側にいくにしたがって径が小さくなり、この突出部16の外面に凹部が設けられ、この凹部が上記中間プレート2から突出する突出部16の根元から、突出部16の長さNの30%以上離れた部位に設けられたことを特徴とする。
このように、プラーピン10の突出長さを下側プレート3の厚さの50%以上とし且つプラーピン10の先端部をゲート7側にいくにしたがって径が小さくなるようにしてあるので、第2のスプルー8内を流れる成形材料14の流動性を損ねることなく成形材料14をキャビティ9にスムーズに充填でき、また、冷却硬化に伴って下側プレート3の厚さの50%以上の突出長さのプラーピン10の周囲を成形材料14の硬化物14bで包み込んだ状態となり、この状態で型開きするので、型開き後に第2のスプルー8内にはゲート7側近傍も含めて硬化物14bが型残りせずスムーズに離型することが可能となる。また、プラーピン10の中間プレート2から突出した突出部16の突出長さNに対して突出基部である根元から30%以上離れた部位より先に形成することで、硬化物14bが少しの割れも無くスムーズにプラーピン10と共に第2のスプルー8から抜くことができる。
また、プラーピン10が多孔質の材料から形成され、上側プレート1にプラーピン10を介してガスを入排気するための入排気部11を備えたものであることが好ましい。
このような構成とすることで、キャビティ9内への成形材料14の充填に際しては、多孔質材料よりなるプラーピン10を介して入排気部11から排気することで、空気抵抗を低減させてスムーズに成形材料14を充填でき、また、型開きの際は排気することで第2のスプルー8内の成形材料14の硬化物14bをプラーピン10に吸着させることができてよりいっそう、第2のスプルー8内にゲート7側付近も含めて硬化物14bが型残りせずスムーズに離型することが可能となり、また、プラーピン10から離型する際は入排気部11により入気することで、プラーピン10からの離型を補助する効果が得られる。
また、プラーピン10に一端から他端に到る通気孔12を形成し、上側プレート1に上記通気孔12を介してガスを入排気するための入排気部11を備えたものであるも好ましい。上記入排気部11はプラーピン10を介してガスを入気するための空気圧縮機を備えることが好ましい。
このような構成とすることで、キャビティ9内への成形材料14の充填に際しては、プラーピン10の通気孔12を介して入排気部11から排気することで、空気抵抗を低減させてスムーズに成形材料14を充填でき、また、型開きの際は排気することで第2のスプルー8内の成形材料14の硬化物14bをプラーピン10に吸着させることができ、特に、第2のスプルー8内の硬化物14bのゲート7近傍の部位をプラーピン10の先端に吸着させることができ、これによりいっそう、第2のスプルー8内におけるゲート7側近傍に硬化物14bが型残りせずスムーズに離型することが可能となり、また、プラーピン10から離型する際は入排気部11により入気することで、プラーピン10からの離型を補助する効果が得られる。
また、上記凹部として、プラーピン10の突出部16外周面にリング状の凹溝13を形成したり、あるいは、プラーピン10の突出部16外面にディンプルを形成することが好ましい。
このような構成とすることで、成形材料14の冷却硬化に伴って凹溝13内にも入り込んだ状態で成形材料14の硬化物14bがプラーピン10を包み込んだ状態となり、これにより型開き後に第2のスプルー8内の硬化物14bがゲート7側近傍も含めて型残りせずスムーズに離型することが可能となる。
また、上記凹部が複数設けられることが好ましい。
本発明は、キャビティへの流動性を損ねず、しかも第2のスプルー内で硬化した成形材料の硬化物が型開き後に、第2のスプルー内においてゲート付近も含めて型残りせずにスムーズに離型できるものであって、第2のスプルー内に型残りした硬化物の除去時間を必要とせず、連続成形性の安定が図れ、また硬化物が少しの割れも無くスムーズにプラーピンと共に第2のスプルーから抜くことができるという効果がある。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
図1には本発明のピンポイントゲート用3プレート射出成形金型Aの概略図が示してある。このピンポイントゲート用3プレート射出成形金型Aは、上側プレート1と、中間プレート2と、下側プレート3とよりなる3プレートの上型ブロック15と、下型を構成する型プレート4とで構成してある。
上型ブロック15は上から順に上側プレート1、中間プレート2、下側プレート3が位置しており、中間プレート2は上側プレート1に対して接離自在(つまり接触したり、離れたり自在)となっており、下側プレート3は中間プレート2に対して接離自在となっている。
また、型プレート4は上型ブロック15の下側プレート3に対して接離自在となっており、型プレート4と上型ブロック15の下側プレート3との対向面にはキャビティ9が形成してある。
上側プレート1には上下に貫通する上側プレート側スプルー部5aが形成してあり、中間プレート2には上下に貫通する中間プレート側スプルー部5bが形成してあり、上側プレート1の下面に中間プレート2の上面を当接した状態で上記上側プレート側スプルー部5aと中間プレート側スプルー部5bとが連通して上側プレート1の上面から中間プレート2の下面に到る第1のスプルー5を構成するようになっている。該第1のスプルー5の一端(上側プレート1の上面側の端部)は成形機側のノズル(図示せず)と連通する部分となっており、上記第1のスプルー5は上側プレート1の上面側が最も径が小さく、中間プレート2の下面側に行くにしたがって次第に径が大きくなる円錐台形状をした通路である。
下側プレート3の上面部にはランナー6が形成してあり、下側プレート3の上面を中間プレート2の下面に当接した状態で上記第1のスプルー5の他端(下端)がランナー6に連通するように設定してある。更に、下側プレート3にはランナー6の底の一部から下側プレート3の下面に到る第2のスプルー8が形成してあり、この第2のスプルー8の一端(上端)はランナー6に連通している。また、第2のスプルー8の他端(下端)は下側プレート3の下面に型プレート4の上面を当接した状態で、前記下側プレート3と型プレート4との対向面に形成されるキャビティ9に連通するように設定してあり、第2のスプルー8の他端のキャビティ9への連通部分がゲート7となっている。第2のスプルー8は下側プレート3の下面のゲート7部分が最も径が小さく、ランナー6と連通する方の一端(上端)側に行くほど次第に径が大きくなる円錐台形状をした通路である。
上側プレート1にはプラーピン10が突設してあり、このプラーピン10は上側プレート1に中間プレート2を当接した状態で中間プレート2に形成した挿通孔15を嵌挿して中間プレート2から更に突出している。このプラーピン10の中間プレート2から突出した突出部16は、上側プレート1に中間プレート2を当接すると共に中間プレート2に下側プレート3を当接した状態でランナー6内を挿通して第2のスプルー8内に挿入されるようになっている。
ここで、上記のように上から順に上側プレート1、中間プレート2、下側プレート3を当接した状態で中間プレート2の下面から突出するプラーピン10の突出長さ(つまり突出部16の長さ)が下側プレート3の厚さの50%以上(好ましくは60%以上)としてあり、更に、図6に示すようにプラーピン10の先端部がゲート7側にいくにしたがって径が小さな円錐状に形成してある。このプラーピン10の円錐状となった部分は中間プレート2から突出する突出部16のうち少なくとも円錐台形状をした第2のスプルー8に挿入された部分を円錐状とするものであって、これにより第2のスプルー8内に深く挿入しても成形材料14の流動性を損なわないようにしている。もちろん第2のスプルー8内に挿入される部分だけでなく、図1に示すようにランナー6を挿通する部分も含めて突出部16の全長を円錐状としてもよく、この場合にはよりいっそう成形材料14の流動性を損なわないようにできる。
上記のような構成の射出成形金型Aを搭載した射出成形機を用いてセラミックスや金属などの粉末を原料にした粉体射出成形を行うには以下のようにする。
すなわち、図1に示すように、上側プレート1に中間プレート2を当接すると共に中間プレート2に下側プレート3を当接して上型ブロック15を閉じ、更に、上型ブロック15に対して型プレート4を当接して型締めした状態で、成形機でセラミックスや金属などの粉末に、ワックス等の低分子量成分、熱可塑性合成樹脂等の高分子量成分、その他を適宜の分量で配合したバインダを混合し、このようにして混合した成形材料14を成形機のノズルから第1のスプルー5、ランナー6、第2のスプルー8を経て第2のスプルー8の先端のゲート7からキャビティ9内に注入して図2のように充填し、温度、圧力、時間等を所定の成形条件に設定して成形する。このようにしてキャビティ9内に充填された成形材料14が硬化してグリーン体14aが成形される。また、第1のスプルー5、ランナー6、第2のスプルー8内にも成形材料14が硬化した硬化物14bができる。
成形が終了すると、型開き動作が行われる。型開き動作は以下に示すようにして行われる。
まず図3に示すように型プレート4が移動して上型ブロック15から離れる。この場合、上型ブロック15は閉じたままの状態で、上型ブロック15に対して型プレート4が離れるように移動する。このように型プレート4が上型ブロック15から離れることで、グリーン体14aが型プレート4に付着した状態で移動し、このため、ゲート7部分が自動切断される。なお、下プレート3と型プレート4との対向面に形成されるキャビティ9は上記型開き時に成形されるグリーン体14aが型プレート4側に付着した状態で移動するように設計してある。
次に、図4に示すように、中間プレート2を上側プレート1に当接したままの状態で、中間プレート2に対して下プレート3が離れるように移動する。この場合、第2のスプルー8がゲート7からランナー6側に行くほど径が大きくなる円錐状をしており、更に、プラーピン10の突出部16の長さが下側プレート3の厚さの50%以上としてあって第2のスプルー8の奥まで挿入してあるので、第2のスプルー8内で硬化した硬化物14bが第2のスプルー8の奥まで挿入してあるプラーピン10の突出部16を包み込むように冷却硬化して収縮状態で固着されており、このため、図4のように第2のスプルー8内で硬化した硬化物14bはゲート7近傍の部分も含めて第2のスプルー8から脱型され、従来のように型開き時に第2のスプルー8内で硬化した硬化物14bのゲート7近傍の部分がちぎれて第2のスプルー8内に残るいわゆる型残りが生じない。
図7には下側プレート3の厚さをMとすると共に突出部16の長さNとした場合における、上記MとNの比と、第2のスプルー8内における型残り率の関係を示すグラフが示してあり、プラーピン10の突出部16の長さが下側プレート3の厚さの50%以上の場合には型残り率がほぼ0%である。
次に、図5に示すように、上側プレート1に対して中間プレート2が離れるように移動する。これにより図5に示すようにプラーピン10の突出部16が硬化物14bから強制的に抜け、また、上側プレート1の上側プレート側スプルー部5aから硬化物14bが抜ける。この場合、同時に中間プレート用エジェクタピン(図示せず)により硬化物14bを中間プレート2の下面側から離れる方向に突き出して取り出す。
また、前述のように型プレート4に付着した状態で型プレート4と共に上型ブロック15から離れたキャビティ9内で硬化したグリーン体14aは、図示を省略しているがグリーン体突き出し用エジェクタピン(図示せず)により突き出されて型プレート4から脱型する。
このようにして成形後、脱型したグリーン体14aはその後、バインダを除去する脱脂と粉末を融点以下の温度で熱処理して粉末粒子の間に結合が生じる焼結を行って目的とする製品を得る。
本発明に用いるプラーピン10は表面硬度を上げて硬く処理したものを使用するのが好ましく、例えば、プラーピン10を一般的なダイス鋼(SKD−11)を焼き入れ及び高温焼き戻しの熱処理をして硬度(HRC60程度)を上げ靭性を持たせた上で、その後に窒化処理をして更に硬度(HV1000以上)にしたものを使用したり、あるいは、ダイス鋼の表面にダイス鋼よりも高硬度のチタンなどのコーティングをしたもの等を使用することができる。このようにプラーピン10の表面の硬度を上げて硬く処理したものを使用することで、キャビティ9への流動性を損ねずに充填する時の圧力による曲げ及びせん断に耐久する剛性と、粉末材料との摩擦によるプラーピン10の耐久性が得られるものである。
ここで、更に、低熱伝導率の鋼材を用いると充填時の成形材料の流動時の冷却を防止でき、流動性を損なわない効果も得られる。
図8には本発明の他の実施形態が示してある。本実施形態においてはプラーピン10が多孔質材料により形成してあり、上側プレート1にプラーピン10を介して第2のスプルー8内にガスを入排気するための入排気部11を備えている。
プラーピン10は例えば一般的な多孔質の焼結合金で製作してある。上側プレート1に設けられる入排気部11は、一端部がプラーピン10の一端部と連通した入排気用流路11aと、該入排気用流路11aに接続した真空ポンプ(図示せず)及び空気圧縮機(図示せず)及び3方切り換え弁(図示せず)で構成され、3方切り換え弁を切り換えて入排気用流路11aに真空ポンプを接続したり、あるいは、入排気用流路11aに空気圧縮機を接続したりすることができるようになっており、入排気用流路11aに真空ポンプを接続して真空ポンプを運転すると、多孔質材料よりなるプラーピン10を介して第2のスプルー8側から排気でき、また、入排気用流路11aに空気圧縮機を接続して空気圧縮機を運転すると、多孔質材料よりなるプラーピン10を介して第2のスプルー8側に入気できるようになっている。
したがって、本実施形態においては、キャビティ9内への成形材料14の充填に際しては、多孔質材料よりなるプラーピン10を介して入排気部11から排気することで、空気抵抗を低減させてスムーズに成形材料14を充填することが可能となる。また、型開きの際は、多孔質材料よりなるプラーピン10を介して入排気部11から排気することで第2のスプルー8内の成形材料14の硬化物14bがプラーピン10に排気する際の吸引力により吸着し、このためよりいっそう、第2のスプルー8内にゲート7側付近も含めて硬化物14bが型残りせずスムーズに離型することが可能となる。また、プラーピン10から離型する際は、多孔質材料よりなるプラーピン10を介して入排気部11から入排気部11により入気することで、プラーピン10を包むように付着していた硬化物14bに入気圧をかけて硬化物14bがプラーピン10からの離型を補助する効果が得られることになる。
次に、本発明の他の実施形態を図9に基づいて説明する。本実施形態においてはプラーピン10に一端から他端に到る通気孔12を形成してあり、上側プレート1に上記通気孔12の端部に連通する入排気用通路11aを有する入排気部11が設けてある。入排気部11は前述の実施形態で説明したのと同じ構成となっており、3方切り換え弁を切り換えて入排気用流路11aに真空ポンプを接続して真空ポンプを運転すると、プラーピン10の通気孔12を介して第2のスプルー8側から排気でき、また、3方切り換え弁を切り換えて入排気用流路11aに空気圧縮機を接続して空気圧縮機を運転すると、プラーピン10の通気孔12を介して第2のスプルー8側に入気できるようになっている。
したがって、本実施形態においても前述の実施形態と同様、キャビティ9内への成形材料14の充填に際しては、プラーピン10の通気孔12を介して入排気部11から排気することで、空気抵抗を低減させてスムーズに成形材料14を充填することが可能となる。また、型開きの際は、プラーピン10の通気孔12を介して入排気部11から排気することで第2のスプルー8内の成形材料14の硬化物14bがプラーピン10の先端部に排気する際の吸引力により吸着し、このためよりいっそう、第2のスプルー8内にゲート7側付近も含めて硬化物14bが型残りせずスムーズに離型することが可能となる。また、プラーピン10から離型する際は、プラーピン10の通気孔12を介して入排気部11から入排気部11により入気することで、プラーピン10を包むように付着していた硬化物14bにプラーピン10の先端部から入気圧をかけて硬化物14bがプラーピン10からの離型を補助する効果が得られることになる。
次に、図10に基づいて本発明の更に他の実施形態を説明する。本実施形態においては、上記した各実施形態で説明した構成のプラーピン10の先端部外周面に凹溝13をリング状に形成してある。このようにプラーピン10の先端部外周面にリング状をした凹溝13を形成することで、成形材料14の冷却硬化に伴って成形材料14の硬化物14bがリング状をした凹溝13内にも入り込んだ状態でプラーピン10を包み込んで硬化することになる。このため、型開き後に第2のスプルー8内の硬化物14bがゲート7側近傍も含めて型残りせずスムーズに離型することが可能となる。
ここで、プラーピン10の先端部外周面には軸方向に1乃至複数個の凹溝13を設けるのであるが、この凹溝13は、図11に示すように、プラーピン10の中間プレート2から突出した突出部16の突出長さNに対して突出基部である根元から30%以上離れた部位より先に形成してある。すなわち突出部16の突出基部である根元から30%離れた部位までの長さをHとすると、H/N≧30%となっている。すなわち、上記のようにプラーピン10の中間プレート2から突出した突出部16の突出長さNに対して突出基部である根元から30%以上離れた部位より先に形成することで、硬化物14bが少しの割れも無くスムーズにプラーピン10と共に第2のスプルー8から抜くことができる。
また、図12には本発明の更に他の実施形態が示してある。本実施形態においては、プラーピン10の先端部外面に凹溝13をディンプル状に形成してある。すなわち、プラーピン10の先端部の外面に周方向及び軸方向にそれぞれ略半球穴形状をした凹溝13を複数設けてある。本実施形態においても上記実施形態と同様に成形材料14の冷却硬化に伴って成形材料14の硬化物14bがディンプル状をした凹溝13内にも入り込んだ状態でプラーピン10を包み込んで硬化することになる。このため、型開き後に第2のスプルー8内の硬化物14bがゲート7側近傍も含めて型残りせずスムーズに離型することが可能となる。
本発明のピンポイントゲート用3プレート射出成形金型の断面図である。 同上の成形材料をキャビティに充填成形した状態を示す断面図である。 同上の型開き順序の最初の動作を示す断面図である。 同上の型開き順序の次の動作を示す断面図である。 同上の型開き順序の更に次の動作を示す断面図である。 同上に用いるプラーピンの一実施形態を示す斜視図である。 (a)は同上のプラーピンの正面図であり、(b)は下側プレートの厚さと突出部の長さの比と、第2のスプルー内における型残り率の関係を示すグラフである。 (a)は本発明の他の実施形態のピンポイントゲート用3プレート射出成形金型の断面図であり、(b)は同上に用いるプラーピンの斜視図である。 (a)は本発明の更に他の実施形態のピンポイントゲート用3プレート射出成形金型の断面図であり、(b)は同上に用いるプラーピンの斜視図である。 (a)は本発明に用いるプラーピンの更に他の実施形態の斜視図であり、(b)は同上の拡大側面図である。 同上のプラーピンの先端部における凹溝の形成位置を説明するための説明図である。 本発明に用いるプラーピンの更に他の実施形態の斜視図である。 従来例において成形材料をキャビティに充填成形した状態を示す断面図である。 従来例において型開きした際に第2のスプルー内に硬化物の一部が型残りした場合を説明するための断面図である。
符号の説明
1 上側プレート
2 中間プレート
3 下側プレート
4 型プレート
5 第1のスプルー
6 ランナー
7 ゲート
8 第2のスプルー
9 キャビティ
10 プラーピン
11 入排気部
12 通気孔
13 凹溝
A 射出成形金型

Claims (7)

  1. 上側プレートに接離自在に中間プレートを配設すると共に中間プレートに接離自在に下側プレートを配設し、下側プレートに接離自在に型プレートを配設し、一端が上側プレート部分において成形機側のノズルと連通する第1のスプルーを上側プレートから中間プレートにわたって形成し、下側プレートに上記第1のスプルーの他端と連通するランナーと、一端が上記ランナーと連通し且つ他端がゲートとなった第2のスプルーとを形成し、下側プレートと型プレートとの対向面に上記ゲートと連通するキャビティを形成し、上記上側プレートに上記中間プレートを貫挿して第2のスプルー内に挿入されるプラーピンを突設したピンポイントゲート用3プレート射出成形金型において、上側プレート、中間プレート、下側プレートを当接した状態で上記プラーピンの中間プレートから突出する突出部の突出長さが下側プレートの厚さの50%以上であり、この突出部がゲート側にいくにしたがって径が小さくなり、この突出部の外面に凹部が設けられ、この凹部が上記中間プレートから第2のスプルー内に突出する突出部の根元から突出部の長さの30%以上離れた部位に設けられたことを特徴とする粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
  2. プラーピンが多孔質の材料から形成され、上側プレートにプラーピンを介してガスを入排気するための入排気部を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
  3. プラーピンに一端から他端に到る通気孔を形成し、上側プレートに上記通気孔を介してガスを入排気するための入排気部を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
  4. 上記入排気部はプラーピンを介してガスを入気するための空気圧縮機を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
  5. 上記凹部として、プラーピンの突出部外周面にリング状の凹溝を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
  6. 上記凹部として、プラーピンの突出部外面にディンプルを形成して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
  7. 上記凹部が複数設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の粉末射出成形に用いられる射出成形金型。
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