JP4851712B2 - 鋼ワイヤをパテンティングするための方法および装置 - Google Patents
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Description
鋼のオーステナイト化温度まで少なくとも1つの鋼ワイヤの温度を上昇させ、
少なくとも1つの冷却液カーテンを通して前記の少なくとも1つの鋼ワイヤを移動させることによって、前記オーステナイト化温度に達した前記の少なくとも1つの鋼ワイヤを液体媒体中で急冷却し、前記少なくとも1つの冷却液カーテン中で、該冷却液は、前記少なくとも1つの移動する鋼ワイヤに対してほぼ横方向に配向された乱流を示し、得られる冷却温度は、オーステナイト化温度より低く、マルテンサイト変態温度より高い温度にあり、
パーライト変態の終了時まで前記の少なくとも1つ鋼ワイヤをパーライト変態温度に等温維持することを含む、少なくとも1つの鋼ワイヤをパテンティングするための方法および装置に関する。
例えば、オーステナイト温度にされたワイヤを、オーステナイトの実質的に完全な変態を確保するためにワイヤが多かれ少なかれ等温に維持されるパーライト形成帯域へ等温急冷、すなわち、急速冷却することを含む鋼ワイヤのパテンティングを引用することが可能である。
冷却すべきワイヤが浸漬される鉛浴または溶融塩浴を使用する方法が知られている。これらの方法は、非常に効果的であるが、環境に対する毒性および危険性の理由で、現在、容認可能ではない。
なお、従来技術によるこれらの液体浴すべては、多量のエネルギ消費する液体圧送装置を必要とする。
前述の等温維持が、液体媒体中の冷却のすぐ後に続く、少なくとも1つワイヤをパテンティングする方法により解決される。
従って、この方法は制御および調整容易である簡単な方法であり、非汚染性および安価な物質、すなわち、圧縮空気および冷却水のみを消費することが可能である。
本発明による方法に関する他の詳細は請求項に示されている。
前記少なくとも1つの鋼ワイヤをオーステナイト化するための炉と、
前記少なくとも1つの鋼ワイヤを移動するように駆動する手段と、
前記少なくとも1つの移動するワイヤをオーステナイト化温度より低く、マルテンサイト変態温度より高い前記冷却温度まで液体媒体中で冷却するために、前記少なくとも1つの移動するワイヤに対してほぼ横方向に配向された乱流を有する冷却液の少なくとも1つのカーテンを噴出する手段と、
前記パーライト変態温度に達したワイヤ用の温度維持室と、を備えている。
冷却温度として、前記パーライト変態温度に達するために、前記少なくとも1つの移動するワイヤが通る次々の冷却液カーテンの数を調整する手段と、
前記少なくとも1つのワイヤの移動に対して最も下流に位置されたカーテンからの出口に直に配置された温度維持室と、を備えている。
本発明の改良実施形態によれば、温度維持室は、運転状態の冷却液カーテンの数に応じてタンクの上方で水平に移動することができるように設けられている。
本発明による装置に関する他の詳細は請求項に示されている。
本発明の他の詳細は添付図面を参照して非限定的に以下に示す説明から現れてくるであろう。
図1および図2は冷却水2を収容しているタンク1を示している。このタンクの上方において、1つまたはそれ以上の鋼ワイヤ3が矢印4で示す移動方向に移動し、これらのワイヤは、好ましくは、15mm未満の直径の横断面を有している。移動の普通の駆動手段が参照番号23、24により概略的に示されている。水を、入口5を通して供給し、溢流部6によって排出することができる。図示のタンクでは、水柱高さはほぼ750H2Omm(7350Pa)に等しい。溢流部6は、冷却水を循環状態にするように、熱交換器(図示せず)によって下側入口5′と連通されることができる。
幾つかの場合には、容器を頂部の近くで閉鎖するカバー20を考えることができ、このカバー20は、水落下部18、19の方向を配向するためのそらせ板21を有している。
加熱ユニットおよび温度均等化装置は、本発明によれば不可欠ではなく、オーステナイト化温度でワイヤを得るための任意の適当な方法で配置されることができることが理解されるであろう。
鋼の冷却中、等温で通されることができるように、TTT(変態、温度、時間)曲線と称される周知である鋼の変態S字曲線に入る前に可能であるなら、必要とされる品質に対応する製品の温度に急速に達することが非常に重要である。図示のワイヤをパテンティングするとき、これらのワイヤを初めの10個のカーテンによりオーステナイト化温度より低くマルテンサイト温度より高い温度、詳細には、500℃と680℃との間、例えば、約580℃まで急速に冷却する。
この温度では、ワイヤは、S字曲線を通るために、S字曲線のノーズ部に面して、すなわち、最小の温置時間に対応する温度に位置されており、それにより鋼の構造に影響する外乱を回避することができる。
本発明は、前述の実施形態に何ら限定されず、また添付の特許請求の範囲を逸脱することなしに多くの変更例を行うことができることがわかるはずである。
Claims (9)
- 鋼のオーステナイト化温度まで少なくとも1つの鋼ワイヤを加熱し、
加圧ガスの気泡を上方に案内されるようにして冷却液に噴入し、上向き乱流により、少なくとも1つの冷却液カーテンの形態で前記冷却液を前記気泡により同伴し、
前記少なくとも1つの鋼ワイヤを前記少なくとも1つの冷却液カーテンに通すことによって、オーステナイト化温度まで達した前記少なくとも1つの鋼ワイヤを急速冷却し、
前記上向き乱流を示す前記少なくとも1つの冷却液カーテンは、オーステナイト化温度より低く、マルテンサイト変態温度より高い温度に前記少なくとも1つの鋼ワイヤを冷却する冷却温度を得ながら、前記の少なくとも1つの移動する鋼ワイヤの移動方向に対してほぼ横方向に配向され、
次々に現れる冷却液カーテンの数を調整し、該次々に現れる冷却液カーテンの数は、前記少なくとも1つの鋼ワイヤを等温状態に維持する工程中に維持すべきパーライト変態温度を冷却温度として、前記鋼ワイヤの前記冷却液中での冷却によって得るように決定され、
パーライト変態の終了時までパーライト変態温度で前記少なくとも1つの鋼ワイヤを等温状態に維持する工程を行う、少なくとも1つの鋼ワイヤをパテンティングする方法において、
前記少なくとも1つの鋼ワイヤを等温状態に維持する工程を、前記鋼ワイヤの前記冷却液中での冷却工程直後に行うことを特徴とする少なくとも1つの鋼ワイヤをパテンティングする方法。 - 前記上向き乱流冷却液カーテンは頂部を有しており、前記少なくとも1つの鋼ワイヤを前記上向き乱流冷却液カーテンの各々の前記頂部から落下する冷却液に通す工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 2つの前記次々に現れる上向き乱流冷却液カーテンの頂部から落下する乱流冷却液は、前記の少なくとも1つの鋼ワイヤが通るところで少なくとも部分的に交差することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 冷却液は水であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- パテンティングすべきワイヤは直径が15mm未満の横断面を有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ガスの気泡の圧力は冷却液により形成された液柱より大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの鋼ワイヤをオーステナイト化するための炉と、
前記少なくとも1つの鋼ワイヤを移動するように駆動する手段と、
前記少なくとも1つの冷却液カーテンを形成するように前記気泡により上向きに同伴される前記冷却液を案内するガイド板と、を含み、
前記少なくとも1つの冷却液カーテンの上向き乱流は、オーステナイト化温度より低く、マルテンサイト変態温度より高い冷却温度まで冷却液カーテン中で前記の移動する少なくとも1つの鋼ワイヤを冷却するように、前記少なくとも1つの移動する鋼ワイヤに対してほぼ横方向に配向され、
冷却液および前記加圧ガスの気泡を上方に案内されるようにして冷却液に噴入し、少なくとも1つの冷却液カーテンの形態で前記冷却液を前記気泡により同伴する手段を収容するタンクをさらに含み、該タンクは、前記の移動する少なくとも1つの鋼ワイヤの下方に配置されており、
前記冷却温度として、前記パーライト変態温度に達するために前記少なくとも1つの移動する鋼ワイヤが通る次々に現れる冷却液カーテンの数を調整する手段と、
前記パーライト変態温度に達した鋼ワイヤのための温度維持室、とをさらに含み、
前記温度維持室は、前記少なくとも1つのワイヤの移動に対して最も下流に位置する少なくとも1つの冷却液カーテンからの出口に直に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法を実施するための装置。 - 前記少なくとも1つの鋼ワイヤが通る少なくとも1つの乱流液体落下部を形成するように前記上向き乱流冷却液カーテンをそらせるそらせ板手段を前記少なくとも1つの移動する鋼ワイヤの上方にさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
- 温度維持室は、運転状態の冷却液カーテンの数に応じてタンクの上方で水平に移動することができるように設けられていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
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