JP4851407B2 - 通信システム、ハンドオーバー実行方法、及び制御装置 - Google Patents
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Description
このモバイルWiMAXでは、端末の移動中に、通信相手となる基地局を切り替えて通信を継続するハンドオーバー機能が設けられている。
服部武、藤岡雅宣、"改訂版ワイヤレス・ブロードバンド教科書 高速IPワイヤレス編"、初版、株式会社インプレスR&D、2006年6月21日、p.185−188
したがって、上述のようなバースト送信を採用すれば、ハンドオーバー実行に伴うパケット欠落を防止できる。
つまり、バースト送信を行うと、ターゲット基地局への切り替えが行われた直後においては、その時点で本来、端末に送信されるべきパケットを後回しにして、バッファリングしたパケットを先に送信することになる。
この結果、ターゲット基地局への切り替えが行われた直後において端末に本来送信されるべきパケットからみると、バースト送信のため、端末におけるパケット受信は遅延することになる。
を備え、前記調整部は、前記識別部によって識別されたサービスクラスに応じてバースト送信するパケット数を調整することを特徴とするものである。
図1は、モバイルWiMAXにおける通信システムの全体構成を示している。この通信システムは、移動端末などの端末(MS;Mobile Station)1の通信相手となる複数の基地局(BS;Base Station)2a,2bを備えている。通常、複数(数千)の基地局2a,2bが、アクセス制御装置となるASN−GW(Access Service Network Gateway)3に接続されている。また、ASN−GW3は、HA(Home Agent)4を介して、インターネットやその他のネットワークなどの上位ネットワークに接続される。
制御装置3は、ハンドオーバーの際に、送信パケットをバッファリングするとともにバースト送信を行うControlled Handover(以下、「コントロールドHO」という)が行えるように構成されている。
[(1)HO(ハンドオーバー)の起動]
端末1が、MOB_MSHO_REQメッセージ(端末のHO要求メッセージ)をサービング基地局(S−BS)2aへ送信すると、HOが起動する。なお、HOの起動は、サービング基地局(S−BS)2aが、MOB_BSHO_REQ(基地局のHO要求)を端末1に送信することによっても行われる。
端末1からMOB_MSHO_REQメッセージを受けたサービング基地局(S−BS)2aは、HO_REQメッセージ(基地局間のHO要求メッセージ)を、制御装置3経由で、ターゲット基地局(T−BS)2bへ送信する。
そして、ターゲット基地局2bが、制御装置3との間で、Path_Pre−Reg_ReqメッセージとPath_Pre−Reg_Rspメッセージのやりとりを行うと、ターゲット基地局2bと制御装置3との間にトンネルが作成される。
このバッファリングは、HO後のバースト送信中も行われ、少なくとも、端末1がターゲット基地局2bからリアルタイムで端末が受信できるようになるまで行われる。
すると、サービング基地局2aは、端末1に対して、MOB_BSHO_RSPメッセージを送信する。MOB_BSHO_RSPメッセージは、サービング基地局2aが、HO可能な状態になったことを端末1に通知するためのメッセージである。
また、サービング基地局2aは、制御装置3を介して、ターゲット基地局2bに対してHO_Ackを送信する。
MOB_BSHO−RSPメッセージを受信した端末1は、HOを開始させるため、MOB_HO_INDメッセージ(ハンドオーバー実施メッセージ)を、サービング基地局2aへ送信する。
端末1は、MOB_HO_INDメッセージをサービング基地局2aへ送信してからしばらくすると、サービング基地局2aとの通信接続を切断する。そして、端末1は、ターゲット基地局2bが送信する下りへの同期確立を行うとともに、ターゲット基地局2bとの間でレンジング処理を行い、ターゲット基地局2bを新たなサービング基地局として通信を継続する。
サービング基地局2aからの受信を停止してから、ターゲット基地局2bに切り替わるまである程度の時間を要するため、端末1がサービング基地局2aからの受信を停止してから、ターゲット基地局2bとの通信を開始する間に、「未受信時間」が発生することになる。
さて、LAST_SDU情報を含むHO_confirmメッセージを受信した制御装置3は、受信したLAST_SDU情報によって、端末1がHO開始までにどのSDU(パケット)までをサービング基地局2aから受信できたかを把握することができる。
ただし、実際は、端末1は、HO開始後(端末1がMOB_HO_INDメッセージを送信した後)も、未受信時間に入る前までサービング基地局2aからSDUを受信することができるが、確実に受信できたSDUとしては、HO開始直前のLAST_SDUとなる。
例えば、バッファ部に蓄積されているSDUのうち、LAST_SDUの次のSDU(LAST_SDU+1)以降は、端末1がサービング基地局2aから受信しているか否か保証がない。
そこで、パケット欠落を回避するには、バッファ部31中のSDUのうちLAST_SDUの次のSDU(LAST_SDU+1)を先頭SDUとするパケット列をバースト送信すればよい。この場合、制御装置3は、図2に示すように、LAST_SDUの次のSDU(LAST_SDU+1)を、ターゲット基地局2bからのバースト送信の先頭として特定する。
なお、先頭SDUを、どのSDUとするかについては、調整可能である。この点については後述する。
そして、前述のように端末1がターゲット基地局2bとの間で、同期を確立し、レンジング処理が終了すると、ターゲット基地局2bが新たなサービング基地局2bとなり、端末1と新たなサービング基地局2bとの間での通信が開始される。
端末1が、新たなサービング基地局2bからのデータ受信可能な状態になると、制御装置3は、バッファ部31内のパケットのうち、先頭SDU以降のパケット列を、新たなサービング基地局2bに対して、バースト送信する。パケット列のバースト送信を受けたサービング基地局2bは、当該パケット列を端末1に対してバースト送信する。
バースト送信は、バッファ部31によるパケットの蓄積に伴う遅延なしでパケットをリアルタイムで送信できるようになるまで、つまりバッファ部31が空になるまで、行われる。
端末1と新たなサービング基地局2bとの間での通信が開始されると、新たなサービング基地局2bは、Path_Reg_Ackメッセージを制御装置3へ送信する。また、新たなサービング基地局2bは、制御装置3経由で、HO_completeメッセージを前のサービング基地局2aへ送信する。
そして、端末1がサービング基地局2aからの受信を停止すると、端末1とターゲット基地局2bとの間の接続が完了するまでが、端末1の未受信時間となる。
しかし、図3に示すように、端末1とターゲット基地局2bとの接続が完了した後、バースト送信が行なわれなければアルタイム送信によって遅延なく送信できたはずのパケットAは、遅延して端末1に送信される。つまり、重複受信部分とパケット欠落回避部分とを構成するパケットバースト送信のため、パケットAは、図3に示す最大遅延量の分ほど遅延して、端末1に受信される。
さて、以上のようなコントロールドHO機能を有する本実施形態の制御装置3は、さらに、図5に示すように、サービスクラス(トラフィックタイプ)を識別する識別部33と、バッファ部31からバースト送信されるパケット数を調整する調整部34とを有している。
具体的には、識別部3は、対象となるパケットがIPv4パケットであれば、ヘッダのTOS(Type Of Service)フィールド(8ビット)に含まれるDSCPフィールド(6ビット)を参照して、サービスクラス(トラフィックタイプ)を識別することができる。
また、対象となるパケットがIPv6であれば、ヘッダのTraffic classフィールド(8ビット)に含まれるDSCPフィールド(6ビット)を参照して、サービスクラス(トラフィックタイプ)を識別することができる。
rtPSは、音楽又は映像のストリーミングなどのアプリケーションに適用されるクラスである。
ErtPSは、無音抑制付きVoIPなどのアプリケーションに適用されるクラスである。
nrtPSは、FTP(File Transfer Protocol)などのアプリケーションに適用されるクラスである。
BEは、伝送レート・伝送遅延など伝送を保証しないものであり、データ通信、ウェブブラウジングなどに適用されるクラスである。
例えば、識別部33によって識別されたサービスクラスが、「nrtPS」であったとする。このようなサービスクラスでは、リアルタイム性の要求は低いため、遅延が生じてもパケット欠落の回避を優先したい。
HOに伴うパケット欠落を確実に回避する場合、調整部34は、先頭SDUとして、LAST_SDUの次のSDU(LAST_SDU+1)を指定する。この場合、端末1では、受信パケットに多少の重複が生じるものの、HOに伴うパケット欠落は完全に回避できる。
ただし、重複パケット数は、場合によって変動するため、Xを2以上にした場合、パケット欠落の完全な回避は保証されない。このため、上記のような調整の仕方は、多少のパケット欠落が許容されるサービスクラスに適する。
つまり、図6に示すように、端末1がサービング基地局2aからのパケット受信を停止し、ターゲット基地局2bからのパケット受信を開始するまでの「未受信時間」においては、音声の途切れ等が生じる可能性があるが、ターゲット基地局2bからのパケット受信を開始すると直ちに遅延なくパケットを受信できるため、音声異常が生じる時間を「未受信時間」に限ることができる。この結果、VoIPの使用感(トータル品質)が向上する。
図7は、本発明の通信システムの第2実施形態を示している。この第2実施形態では、バースト送信のためにパケットをバッファリングするバッファ部21が、基地局2a,21bに設けられている。
調整部34は、調整された先頭SDU又はバースト送信を行わない旨の指令を、ターゲット基地局2bへ送信する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、基地局2a,2bには、バッファ部21だけでなく、調整部34を設けてもよい。さらには、基地局2a,2bに識別部33を設けても良い。
Claims (6)
- 端末の通信相手をサービング基地局からターゲット基地局に切り替えるためのハンドオーバーを実行可能な通信システムであって、
ハンドオーバーの実行中に前記端末へ送信すべきパケットをバッファリングするとともに、ハンドオーバーの実行によって前記端末の通信相手が前記ターゲット基地局に切り替わると、バッファリングされた前記パケットを、前記端末に対してバースト送信するためのバッファ部と、
前記端末へ送信されるパケットのサービスクラスを識別する識別部と、
バースト送信されるパケット数を、前記識別部で識別されたサービスクラスに応じて調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、バースト送信されるパケット数を、ゼロに調整可能であることを特徴とする通信システム。 - 端末の通信相手をサービング基地局からターゲット基地局に切り替えるためのハンドオーバーを実行可能な通信システムであって、
ハンドオーバーの実行中に前記端末へ送信すべきパケットをバッファリングするとともに、ハンドオーバーの実行によって前記端末の通信相手が前記ターゲット基地局に切り替わると、バッファリングされた前記パケットを、前記端末に対してバースト送信するためのバッファ部と、
前記端末へ送信されるパケットのサービスクラスを識別する識別部と、
バースト送信されるパケット数を、前記識別部で識別されたサービスクラスに応じて調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記識別部が識別したサービスクラスが少なくともVoIPに対応するサービスクラスであるときに、バースト送信されるパケット数をゼロに調整することを特徴とする通信システム。 - 端末の通信相手をサービング基地局からターゲット基地局に切り替えるためのハンドオーバーを実行する方法であって、
ハンドオーバーの実行中に前記端末へ送信すべきパケットを、バッファリングするバッファリングステップと、
ハンドオーバーの実行によって前記端末の通信相手が前記ターゲット基地局に切り替わると、前記バッファリングステップにおいてバッファリングしたパケットを、前記端末に対してバースト送信するバースト送信ステップと、
前記端末へ送信されるパケットのサービスクラスを識別する識別ステップと、
前記バースト送信ステップにおいてバースト送信されるパケット数を、前記識別ステップで識別されたサービスクラスに応じて調整する調整ステップと、
を含み、
前記調整ステップでは、バースト送信されるパケット数を、ゼロに調整可能である
ことを特徴とするハンドオーバー実行方法。 - 端末の通信相手をサービング基地局からターゲット基地局に切り替えるためのハンドオーバーを実行する方法であって、
ハンドオーバーの実行中に前記端末へ送信すべきパケットを、バッファリングするバッファリングステップと、
ハンドオーバーの実行によって前記端末の通信相手が前記ターゲット基地局に切り替わると、前記バッファリングステップにおいてバッファリングしたパケットを、前記端末に対してバースト送信するバースト送信ステップと、
前記端末へ送信されるパケットのサービスクラスを識別する識別ステップと、
前記バースト送信ステップにおいてバースト送信されるパケット数を、前記識別ステップで識別されたサービスクラスに応じて調整する調整ステップと、
を含み、
前記調整ステップでは、前記識別ステップにて識別したサービスクラスが少なくともVoIPに対応するサービスクラスであるときに、バースト送信されるパケット数をゼロに調整する
ことを特徴とするハンドオーバー実行方法。 - 端末と通信を行う複数の基地局と、端末の通信相手をサービング基地局からターゲット基地局に切り替えるハンドオーバーを制御する制御装置と、を有する通信システムにおいて用いられる前記制御装置であって、
前記端末へ送信されるパケットのサービスクラスを識別する識別部と、
前記端末の通信相手がターゲット基地局に切り替わった後に、前記ハンドオーバーの実行中に前記端末へ送信すべきであったパケットを、前記端末に対してバースト送信する際のパケット数を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記識別部によって識別されたサービスクラスに応じてバースト送信するパケット数を調整し、
前記調整部は、バースト送信されるパケット数を、ゼロに調整可能である
ことを特徴とする制御装置。 - 端末と通信を行う複数の基地局と、端末の通信相手をサービング基地局からターゲット基地局に切り替えるハンドオーバーを制御する制御装置と、を有する通信システムにおいて用いられる前記制御装置であって、
前記端末へ送信されるパケットのサービスクラスを識別する識別部と、
前記端末の通信相手がターゲット基地局に切り替わった後に、前記ハンドオーバーの実行中に前記端末へ送信すべきであったパケットを、前記端末に対してバースト送信する際のパケット数を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記識別部によって識別されたサービスクラスに応じてバースト送信するパケット数を調整し、
前記調整部は、前記識別部が識別したサービスクラスが少なくともVoIPに対応するサービスクラスであるときに、バースト送信されるパケット数をゼロに調整する
ことを特徴とする制御装置。
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