JP4850934B2 - 屋外設置機器 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電システムなどに用いられる接続箱、パワーコンディショナなどのように、屋外に設置される屋外設置機器に関し、さらに詳しくは該屋外設置機器の雨水防水構造の改良に関するものである。
太陽光発電システムは、主に、屋根に配設される複数の太陽電池モジュールと、複数の太陽電池モジュールからの配線を一つにまとめてその直流電力をパワーコンディショナに供給する接続箱と、接続箱からの直流電圧を交流電力に変換し、交流電力を系統電源に連系するパワーコンディショナとによって構成されている。接続箱、パワーコンディショナには、昇圧回路や、インバータユニットなどの各種電子回路が内蔵されているが、これらの屋外に設置されるものについては、内部の電子回路に雨水が浸入しないように各種の防水対策が講じられている。
この種の接続箱あるいはパワーコンディショナの筐体は、通常、前面が開口された外箱と、前面開口を塞ぐための蓋とによって構成されているが、これら外箱と蓋との隙間を介して内部に雨水が浸入しないように防水対策が必要となる。
特許文献1においては、図24に示すように、外箱100の前面開口101を形成する外周縁部の上面102に、上面102から突出しさらに先端側に折れ曲がり案内部を有する板部材103を取付け、前面開口101を塞ぐための蓋104の上面104bには、下側に突出するように延在するL字状の板部材105を取付けており、板部材103の面103aと板部材105の面105aとの面接触により、雨水の内部進入を防止している。
特開2004−31481号公報(図4)
しかしながら、上記特許文献1に示すような構造では、面と面との接触構造によって雨水の内部進入を防止しているので、特に暴風雨や豪雨の際には、面と面との間の隙間を通って雨水が毛細管現象により吸い上げられて内部に進入するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、雨水進入に対する防水機能の信頼性を長期的に向上させた屋外設置機器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ヒートシンクが内蔵され、その上板および下板にヒートシンクに対向するように複数の配列された通気孔が形成された箱形のケーシングを有する屋外設置機器において、前記ケーシングの上板における通気孔と通気孔との間に形成される孔間縁部を、他の上板部分に対し下側に凹ませたことを特徴とする。
本発明によれば、ケーシングの上板におけるヒートシンク用の通気孔と通気孔との間の部分(孔間縁部)を、他の上板部分に対し下側に凹ませたので、上板上に貯まった雨水が下方に落下し易い構造となるとともに、通気孔と通気孔との間の部分に到達した雨水が横方向に移動しにくくかつ下方向に落下し易い構造となり、これによりヒートシンク上部からケーシング内部への雨水の浸入が防止され、暴風豪雨時でも防水の信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明を適用する接続箱の外観構成を示す斜視図である。 図2は、フロントパネルとケーシング本体とを分解した分解斜視図である。 図3は、内側カバーおよび端子台カバーを取り外した状態でケーシング本体の内部構造を示す正面図である。 図4は、内側カバーおよび端子台カバーを取り付けた状態でケーシング本体の内部構造を示す正面図である。 図5は、ケーシング本体を四方からみた四面図である。 図6は、図5のA1部分の詳細を示すD1−D1部分断面図である。 図7は、図5のA2部分の詳細を示すD2−D2部分断面図である。 図8は、図5のA3部分の詳細を示すD3−D3部分断面図である。 図9は、フロントパネルを三方からみた三面図である。 図10は、図9のA4部分の詳細を示すB−B拡大断面図である。 図11は、ヒートシンクを三方からみた三面図である。 図12は、内側カバーを三方からみた三面図である。 図13は、ケーシング本体にヒートシンクフロントカバーが取り付けられた状態において接続箱を三方からみた三面図である。 図14は、図13のA5部分の詳細を示す拡大断面図である。 図15は、図13のA6部分の詳細を示す拡大断面図である。 図16は、側部防水構造の変形形態を示す拡大断面図である。 図17は、図13のA7部分の詳細を示す拡大断面図である。 図18は、図13のA8部分の詳細を示す拡大断面図である。 図19は、ヒートシンクとケーシング本体とのシーリング構造を示す断面図である。 図20は、ヒートシンクに対するシーリングの配置を示す斜視図である。 図21は、ヒートシンクとケーシング本体とのシーリング構造を示す三面図である。 図22は、ヒートシンクに対するパワー基板および小ヒートシンクの配置態様を示す斜視図である。 図23は、小ヒートシンクを示す正面図である。 図24は、従来技術を示す断面図である。
以下に、本発明にかかる屋外設置機器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図22に従ってこの発明にかかる屋外設置機器の実施の形態を説明する。なお、この実施の形態においては、本発明を太陽光発電システムに用いられる接続箱(マルチアレイコンバータ)に適用するようにしている。接続箱は、周知のように、複数の太陽電池モジュールからの配線を一つにまとめてパワーコンディショナに接続するためのボックスであり、この場合、太陽電池モジュールの点検・保守時などに使用する開閉器、避雷素子、太陽電池モジュールに電気が逆流しないようにするための逆流防止ダイオード、太陽電池モジュールからの直流電力を昇圧する昇圧回路などを備えている。
図1は接続箱の外観構成を示す斜視図であり、図2はフロントパネルとケーシング本体とを分解した分解斜視図であり、図3は内側カバーおよび端子台カバーを取り外した状態でケーシング本体の内部構造を示す正面図であり、図4は内側カバーおよび端子台カバーを取り付けた状態でケーシング本体の内部構造を示す正面図であり、図5はケーシング本体を四方からみた四面図であり、図6は図5のA1部分の詳細を示すD1−D1部分断面図であり、図7は図5のA2部分の詳細を示すD2−D2部分断面図であり、図8は図5のA3部分の詳細を示すD3−D3部分断面図であり、図9はフロントパネルを三方からみた三面図であり、図10は図9のA4部分の詳細を示すB−B拡大断面図であり、図11はヒートシンクを三方からみた三面図であり、図12は内側カバーを三方からみた三面図であり、図13はケーシング本体にヒートシンクフロントカバーが取り付けられた状態において接続箱を三方からみた三面図であり、図14は図13のA5部分の詳細を示す拡大断面図であり、図15は図13のA6部分の詳細を示す拡大断面図であり、図16は側部防水構造の変形形態を示す拡大断面図であり、図17は図13のA7部分の詳細を示す拡大断面図であり、図18は図13のA8部分の詳細を示す拡大断面図であり、図19はヒートシンクとケーシング本体とのシーリング構造を示す断面図であり、図20はヒートシンクに対するシーリングの配置を示す斜視図であり、図21はヒートシンクとケーシング本体とのシーリング構造を示す三面図であり、図22はヒートシンクに対するパワー基板および小ヒートシンクの配置態様を示す斜視図であり、図23は小ヒートシンクを示す正面図である。
図1および図2に示すように、接続箱1の筐体は、前面が開口された金属製の略箱形のケーシング本体2と、ケーシング本体2の前面開口を覆う金属製の略箱形の蓋体としてのフロントパネル3とによって構成されている。この場合、接続箱1は壁に設置されるタイプであり、ケーシング本体2の背面板2a(図3,図5参照)の上方に形成された2つの取付孔4と、背面板2aの下方に形成された2つの取付孔5を用いてケーシング本体2を壁にねじ固定する。
ケーシング本体2には、放熱用のヒートシンク10、端子台20、パワー基板30、制御基板35、金属製の内側カバー(基板カバーともいう)40、金属製の端子台カバー50などが内蔵されている。先で説明する図13などに示すように、ヒートシンク10はケーシング本体2の後部側に配置されており、ケーシング本体2の前方側には、図3に示すように、パワー基板30および制御基板35などの電子回路基板が配置されている。
図3は、基板カバー40および端子台カバー50を取り外した状態におけるケーシング本体2の内部を正面から見た図であるが、図3には、ケーシング本体2の前方側に配設される複数の(この場合は4個)パワー基板30および複数の(この場合は4個)制御基板35と、その側方に配設される端子台20とが示されている。この場合、制御基板35はパワー基板30のドーターボードであり、パワー基板30に対し垂直に取り付けられている。1つのパワー基板30および制御基板35は、複数の太陽電池モジュールを直列接続した1つの太陽電池アレイに対応しており、1つのパワー基板30および制御基板35によって1つの太陽電池アレイに対する昇圧動作などの各種の電気処理および制御を実行する。なお、図3において、各制御基板35上には、各パワー基板30および制御基板35の運転状態を太陽電池アレイ毎に報知するためのLED36が搭載されている。
図3に示すように、端子台20は、入力端子22を備える複数の(この場合は4個)開閉器21およびパワーコンディショナ側に接続される出力端子23などを備えている。
図4においては、複数のパワー基板30、複数の制御基板35およびその周辺の電気回路部分を覆うように略L字状の基板カバー40が取り付けられ、さらに端子台20を覆うように端子台カバー50が取り付けられている。基板カバー40の上には、太陽電池モジュールの形名欄、太陽電池アレイの仕様表、ケーブル配線図などの情報を記入するためのラベル41が貼られている。基板カバー40およびラベル41には、4箇所のLED36に対応する位置に透明の窓が形成されており、ラベルが貼られた基板カバー40を取り付けた状態でも、各LED36の状態を確認することができる。
つぎに、図5〜図8を用いてケーシング本体2について説明する。前面が開口されている箱形のケーシング本体2の上板2bには、ヒートシンク10の配置位置に対応するように複数の通気孔6が並列形成されている。ケーシング本体2の下板2cにも、ヒートシンク10の配置位置に対応するように複数の通気孔7が並列形成されている。通気孔6,7の配設ピッチは、後述するヒートシンク10の放熱フィン11の配設ピッチと等しくしており、これによりヒートシンク10に対する通気性を向上させている。すなわち、各通気孔6,7の孔幅d1が、ヒートシンク10の放熱フィン11間の間隔d2(図11参照)と等しくしており、また放熱フィン11の幅を通気孔6,7における孔間間隔と等しくしており、さらに各通気孔6,7と、ヒートシンク10の放熱フィン11間の隙間とが正対するように、ヒートシンク10がケーシング本体2に対し取り付けられる。
ケーシング本体2の下板2cには、太陽電池アレイ側及びパワーコンディショナへの露出配線接続ケーブルを収納する保護チューブ(図示せず)を通すためのノックアウト孔15と、フロントパネル3の下板3c(図2参照)をねじ固定するためのネジ孔16が形成されている。ケーシング本体2の背面板2aには、前述した取付孔4,5の他に、ヒートシンク10をボルト固定するための取付孔17と、太陽電池アレイ側およびパワーコンディショナに対する壁からの隠蔽配線ケーブルを入力するためのノックアウト孔18が形成されている。
ケーシング本体2の左右の側板2dは、その前方側が上板2bおよび下板2cに対し前方に突出形成されている。左右の側板2dの前方に突出された部分には、A1部分およびD1−D1部分断面図である図6にも示すように、金型による絞り成形によって形成された凸部8aが上下に延在している。また、凸部8aに平行に凸部8bが形成されている。これら凸部8a,8bは、後で図15を用いて詳述するが、ケーシング本体2とフロントパネル3との両側面部の隙間からケーシング本体2の内部への雨水の進入を防ぐために機能する。
また、ケーシング本体2の左右の側板2dにおける前方上部側(A2部分)2eは、図7にも示すように、上板2bの面に対し上方に突出されている。この上方突出部2eの前面側は、フロントパネル3を取り付けやすいように、曲面加工されている。ケーシング本体2の上板2bの前面側は、D2−D2部分断面図である図7に示すように、コ字状に曲げられている。すなわち、ケーシング本体2の上板2bの前面側には、上方に起立する立設部2fが形成され、さらにその先端側には、立設部2fから後方側に突出される後方突出部2gが形成されている。この後方突出部2gは、後で図14を用いて詳述するが、ケーシング本体2とフロントパネル3との上部の隙間からケーシング本体2の内部への雨水の進入を防ぐために機能する。
つぎに、ケーシング本体2の上板2bに形成されている複数の通気孔6は、A3部分およびD3−D3部分断面図である図8にも示すように、絞り成形により若干下側に凹んだ位置に形成されている。すなわち、上板2bにおける通気孔6と隣接する通気孔6との間に位置する上板部(孔間縁部と呼称する)2hを他の上板部分2bに対し凹ませて、両者の間に段差部2i,2jを形成する。この場合、後側の段差部2jには、緩やかな傾斜を形成している。このように孔間縁部2hを下側に凹ませることによって、通気孔6に進入した雨水が、横方向には流れないで、下側に排水されやすい構造としている。
つぎに、図9および図10を用いてフロントパネル3について説明する。図10は図9のB−B断面図である。略箱形状を呈するフロントパネル3は、前板3a、上板3b、下板3cおよび左右の側板3dで構成されている。下板3cには、フロントパネル3をケーシング本体2にねじ固定するための取付孔60が形成されている。上板3bの先端側には、図10に示すように、ほぼ垂直下方に折り曲げられている曲げ部3eが設けられている。
つぎに、図11を用いてヒートシンク10について説明する。ヒートシンク10は、ベース板12と、このベース板12に対し立設されて上下に延在する複数の放熱フィン11とによって構成されている。ベース板12には、複数のパワー基板30などを固定するためのネジ孔62が形成されている。
ここで、複数の放熱フィンのうち両外側の2つの放熱フィン11aを除く内側の複数の放熱フィン11は、ベース板12の上面との間で段差63が形成されるよう、ベース板12の上面より所定の高さh1だけ低い位置にその上面が位置している。このような構造によって、ヒートシンク10の放熱フィン11の上面に進入してきた雨水が横方向に流れてケーシング本体2の前方側に配設される各種電子回路基板側に流入しないようにし、放熱フィン11の上面に進入してきた雨水が下側に排水されやすくしている。
つぎに、図12を用いて基板カバー40について説明する。基板カバー40は、略L字状のボックス形状を呈しており、前板40a、上板40b、下板40cおよび左右の側板40dなどによって構成されている。一方の側板40dには、複数の通風孔64が形成されている。前板40aには、制御基板35のLED36の状態を視認させるための複数の透明の窓65が形成されている。また、前板40aには、基板カバー40を例えばパワー基板30を介してケーシング本体2に固定するための複数のネジ孔66が形成されている。
基板カバー40は、その後端側が、ヒートシンク10のベース板12に当接するように、上板40bおよび下板40cの奥行き寸法が設定されている。ここで、基板カバー40の上板40bは、後方側から前方に向かって所定角度θの下り傾斜を有しており、これによりヒートシンク10側およびケーシング本体2の上板2bの前面側からケーシング本体2の電子回路基板側に雨水が進入したとしても、進入した雨水を傾斜させた上板40bによって速やかに前方に流すようにしている。基板カバー40の上板40b上を通って前方に流れた雨水は、前板40aを伝わって下に落ち、さらにケーシング本体2の下板2cとフロントパネル3の下板3cとの隙間を通って外部に落下する。
つぎに、図13〜図22を用いて本接続箱1における各種防水構造について詳述する。図13は、ケーシング本体2内にヒートシンク10を取付けるとともに、ケーシング本体2の前面にフロントパネル3を取り付けた状態を3方向から見た概略的な要部断面図である。
まず、図13にA5で示すケーシング本体2とフロントパネル3との上部防水構造について図14を用いて説明する。図7に示したように、ケーシング本体2の上板2bの前面側には、上方に起立する立設部2fが形成され、さらにその先端側には、立設部2fから後方側に突出される平板状の後方突出部2gが形成されている。また、図10に示したように、フロントパネル3の上板3bの先端側には、ほぼ垂直下方に延在する曲げ部3eが形成されている。そして、フロントパネル3をケーシング本体2に取り付けた際には、フロントパネル3の曲げ部3eの内壁面がケーシング本体2の後方突出部2gの先端縁部と当接することになり、面と線との接触構造が得られることになる。また、曲げ部3eと後方突出部2gの当接部の下方には、或る程度の高さを有する空間67が設けられている。
このような防水構造によれば、従来の面と面との接触による防水構造のように毛細管現象により雨水が吸い上げられてケーシング本体2の内部に進入することが確実に防止され、暴風豪雨時でも防水の信頼性を向上させることができる。また、ケーシング本体に別部品を取り付けることなく、曲げにより上記構造を実現したので、取付部品間の隙間による水漏れ発生の心配がない。
つぎに、図13にA6で示すケーシング本体2とフロントパネル3との側部防水構造について図15を用いて説明する。図6に示したように、ケーシング本体2の左右の側板2dには、金型による絞り成形によって形成された二列の凸部8a,8bが形成されている。フロントパネル3がケーシング本体2に取り付けられた際に、フロントパネル3の側板3dの先端部の近傍であってかつ外側に位置する一方の凸部8bは、ケーシング本体2とフロントパネル3との側部の隙間からの雨水の浸入を防止するために設けられている。したがって、この凸部8bは、フロントパネル3の外形よりできるだけ大きく突出して、ケーシング本体2とフロントパネル3との側部隙間を、フロントパネル3の変形により凸部8a部分の隙間を拡大しない範囲でできる限り塞ぐような形状にしたほうが望ましい。
一方、内部側に配置される他方の凸部8aであるが、この凸部8aはケーシング本体2とフロントパネル3との側部隙間から進入してしまった雨水をさらに奥側に進入させないようにするために設けられている。したがって、凸部8a,8bとフロントパネル3の側板3dとの隙間はできるだけ小さくした方が望ましく、フロントパネル3が変形しない範囲で凸部8a,8bとフロントパネル3の側板3dとが当接するようにしたほうが望ましい。
このような側部の防水構造によれば、ケーシング本体2とフロントパネル3との側部の隙間が無くなり、側部からの雨水の浸入が確実に防止され、暴風豪雨時でも防水の信頼性を向上させることができる。
なお、凸部8a,8bをそれぞれ複数列形成するようにすれば、より防水性を向上させることができる。この場合、内部側に形成される複数列の凸部8aにおいては、少なくとも1列の凸部がフロントパネル3の側板3dにほぼ当接すればよく、他の凸部は必ずしもフロントパネル3の側板3dに当接させなくてもよい。
また、上記では、ケーシング本体2に凸部8aを設けるようにしたが、図16(a)に示すように、フロントパネル3の側板3dの内面側に同様の1〜複数列の凸部8aを形成するようにしても同等の効果を得ることが可能となる。この場合もフロントパネル3の側板3dの内面側に設ける複数の凸部8aのうち少なくとも1列の凸部がケーシング本体2の側板2dにほぼ当接すればよく、他の凸部は必ずしもケーシング本体2の側板2dの側板3dに当接させなくてもよい。さらに、図16(b)〜(d)に示すように、同様の1〜複数の凸部8aをケーシング本体2とフロントパネル3の双方に形成するようにしてもよい。図16(b)の場合は、フロントパネル3側の凸部8aがケーシング本体2側の凸部8aよりも後方側に配置されており、フロントパネル3を変形させてケーシング本体2に嵌め込むことになる。図16(c)の場合は、フロントパネル3側の凸部8aがケーシング本体2側の凸部8aが対向するように形成されており、それぞれの凸部の高さを低くできるので、板金(ケーシング本体2およびフロントパネル3)の撓み、変形を抑止することができる。図16(d)の場合は、フロントパネル3側の凸部8aがケーシング本体2側の凸部8aよりも前方側に配置されており、フロントパネル3を変形させることなくケーシング本体2に嵌め込むことができる。このように1〜複数の凸部8aをケーシング本体2とフロントパネル3の双方に形成するようにすれば、上記と同等またはそれ以上の防水効果を得ることが可能となる。
つぎに、図13にA7で示すヒートシンク10の取付部の防水構造について図17を用いて説明する。この場合、ヒートシンク10は、ヒートシンク10とは別体の脚体13を用いてケーシング本体2の背面板2aにねじ14で固定されるようにしている。すなわち、前述の段差63が形成されていない両外側の放熱フィン11aに対し脚体13を夫々固定し、脚体13をケーシング本体2の背面板2aにねじ14で固定する。ここで、放熱フィン11aと脚体13との間および脚体13とケーシング本体2の背面板2aとの間にパッキン70を介在させることによって雨水に対するシーリング性を向上させている。また、パッキン70の外側には、脚体13とケーシング本体2の背面板2aとの間の隙間を塞ぐようコーキング80が形成されている。
つぎに、図13にA8で示すヒートシンク上部の防水構造について図18を用いて説明する。まず、前述したように、ヒートシンク10は、ベース板12の上面と複数の放熱フィン11の上面とで段差63が形成されるように、複数の放熱フィン11の上面をベース板12の上面に対し低い位置に設定している。また、図8に示したように、ケーシング本体2の上板2bに形成されている複数の通気孔6は、絞り成形により下側に凹んだ位置に形成されている。すなわち、上板2bにおける通気孔6と隣接する通気孔6との間の部分(孔間縁部)2hを他の上板部分2bに対し凹ませている。この場合、孔間縁部2hの高さ位置はベース板12の上面よりも低い位置となっている。
ここで、ヒートシンク10のベース板12の上面とケーシング本体2の上板2bとの間には、シーリング部材としてのパッキン71が嵌め込まれており、さらに後述するように、ヒートシンク10とケーシング本体2とが当接する箇所や雨水が浸入する可能性のあるこれらの隙間には全てシーリング部材としてのコーキング80が塗られている。したがって、本接続箱1においては、基本的には、図13に破線で示す、ヒートシンクの放熱フィン11が配置される領域Cには雨水が浸入するが、それ以外の領域には雨水は浸入しない。しかしながら、シーリング部材としてのパッキンやコーキングは、経年変化や製造ばらつきなどにより完全なシール性が常に確保されている保証はない。
そこで、本接続箱1においては、複数の放熱フィン11の上面がベース板12の上面に対し低い位置になるようにヒートシンク10を形成することで、複数の放熱フィン11の上面とベース板12の上面との間に段差63を形成し、これにより放熱フィン11の上面に到達した雨水がベース板12の上面側すなわちパッキン71の方に進入し難くして、下方向に落下し易いようにしている。因みに、複数の放熱フィン11の上面とベース板12の上面と同じ高さにして、段差63を無くすようにした場合は、放熱フィン11の上面に到達した雨水は何の障害もなく横方向(水平方向)に流れ、パッキン71の方に進入しやすくなる。
また、通気孔6と通気孔6との間の孔間縁部2hを他の上板部分2bに対し凹ませており、これにより上板2b上に貯まった雨水が下方に落下し易い構造とするとともに、孔間縁部2hに到達した雨水がベース板12の上面側すなわちパッキン71の方に進入し難くしかつ下方向に落下し易いようにしている。因みに、孔間縁部2hを凹ませずに上板2bと同じ平面上に形成した場合は、上板2b上に貯まった雨水が下方に落下し難くなるとともに、孔間縁部2hに到達した雨水が孔間縁部2hの裏面を伝わってパッキン71の方に進入することになる。なお、孔間縁部2hは、できるだけ深い位置まで凹ませた方が望ましい。また、本実施の形態のように段差63が形成されたヒートシンク10を採用する場合は、ベース板12の上面より低い位置まで、孔間縁部2hを下側に凹ませた方が防水性の面では望ましい。
このように、本実施の形態によるヒートシンク上部の防水構造によれば、ヒートシンク10および該ヒートシンク10の上側の通風孔部分に、雨水が下方向に落下し易くかつ横方向に進入し難い物理的な段差構造を設けるようにしているので、パッキンやコーキングなどのシーリング部材が経年変化や製造ばらつきによりシール性能が低下したとしても、ケーシング本体2の内部へ雨水が進入し難くなる。
つぎに、図19〜図21を用いてヒートシンク部分などのシーリング構造について説明する。図19は脚体13を取り付けたヒートシンク10とケーシング本体2とのシーリング構造を示す断面図であり、図20は脚体13を取り付けたヒートシンク10に対するコーキングの配置を示す斜視図であり、図21は脚体13を取り付けたヒートシンク10およびケーシング本体2に対するコーキングの配置を示す三面図である。これらの図に示すように、コーキング80は、ヒートシンク10とケーシング本体2との隙間を無くしてケーシング本体2の奥部への雨水の浸入を防ぐように、ヒートシンク10の全周囲に塗られている。また、図21に示すように、ケーシング本体2の側板2dの上方突出部2eの内側にも、コーキング81が塗られている。
つぎに、図22および図23を用いて電子回路基板側の防水構造について説明する。前述したように、本接続箱1においては、各種の防水対策が講じられており、またパワー基板30および制御基板35などの電子回路基板が搭載されているエリアは、後方側から前方に向かって所定角度θの下り傾斜が形成された上板40bを有する基板カバー40によって覆われている。このため、電子回路基板が搭載されているエリアには、雨水が浸入することは殆どないが、仮に雨水が浸入した場合に備えてつぎのような防水対策が電子回路基板の搭載エリアに対してなされている。
図22において、ヒートシンク10のベース板12の背面側には、前述したように複数のパワー基板30が取り付けられている。また、パワー基板30に電気接続される例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの発熱量の大きな高圧駆動のパワー素地91が平板状の小ヒートシンク90上に搭載されている。このような高圧駆動のパワー素子91に対しては極力水の進入を避けたいので、この場合は、小ヒートシンク90の上部に庇部92を形成するとともに、この庇部92は水平なものではなく左右の何れかに傾斜したものを採用している。図23は、庇部92を有する小ヒートシンク90を示す平面図であるが、庇部92には、角度φの傾斜が形成されている。
このような庇部92を有する小ヒートシンク90によれば、電子回路基板が搭載されているエリアに進入してヒートシンク10のベース板12の背面側を伝わって流れ落ちる雨水は、庇部92で止められ、その後庇部92の傾斜に沿って下方に流れ落ちることになる。したがって、ヒートシンク90に搭載した電子回路としてのパワー基板91への雨水の進入を確実に防止することができるようになる。
なお、本発明は太陽光発電システムにおいて屋外設置される場合があるパワーコンディショナに適用するようにしてもよい。さらに、太陽電池システムに用いる機器に限らず、他の任意の屋外設置機器に適用するようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる屋外設置機器、太陽光発電システムの接続箱、パワーコンディショナ、その他の任意のシステムの屋外設置機器に有用である。
1 接続箱
2 ケーシング本体
3 フロントパネル
4,5 取付孔
6,7 通気孔
8a,8b 凸部
10 ヒートシンク
11,11a 放熱フィン
12 ベース板
13 脚体
15 ノックアウト孔
18 ノックアウト孔
20 端子台
21 開閉器
22 入力端子
23 出力端子
30 パワー基板
35 制御基板
40 基板カバー(内側カバー)
41 ラベル
50 端子台カバー
63 段差
70,71 パッキン
80,81 コーキング
90 小ヒートシンク
91 パワー素子
92 庇部

Claims (4)

  1. ヒートシンクが内蔵され、その上板および下板にヒートシンクに対向するように複数の配列された通気孔が形成された箱形のケーシングを有する屋外設置機器において、
    前記ケーシングの上板における通気孔と通気孔との間に形成される孔間縁部を、他の上板部分に対し下側に凹ませたことを特徴とする屋外設置機器。
  2. 前記ヒートシンクは、前記ケーシングの背面板と略平行に設けられたベース板と、このベース板のうち背面板との対向面から突出されて上下に延在する複数の放熱フィンとを有し、前記ベース板の上と前記複数の放熱フィンの上とで段差が形成されるように、複数の放熱フィンの上をベース板の上に対し低い位置に設定したことを特徴とする請求項1に記載の屋外設置機器。
  3. 前記ベース板の上より低い位置まで、前記孔間縁部を他の上板部分に対し下側に凹ませたことを特徴とする請求項2に記載の屋外設置機器。
  4. 前記ヒートシンクは、別体の脚体によって前記ケーシングに固定されるものであり、脚体とヒートシンクおよびケーシングとの間にシーリングを配したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の屋外設置機器。
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