以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する第1可変表示装置9aと、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する第2可変表示装置9bとが設置されている。この実施形態では、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bはそれぞれ液晶表示装置(LCD)で構成され、左・中・右の3つの表示領域に識別情報が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
第1可変表示装置9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示装置9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bは、図柄制御基板に搭載されている図柄制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示装置9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示装置9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。
第1可変表示装置9aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2可変表示装置9bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、保留記憶数を表示する表示器(特別図柄保留記憶表示器)が第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bとは別個に設けられているが、例えば、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示領域の一部を特別図柄保留記憶表示領域にしてもよい。その場合には、保留記憶数を表示する表示器をなくすことができる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aは第1特別図柄表示器8aの可変表示についての保留記憶数を表示し、第2特別図柄保留記憶表示器18bは第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数を表示するように構成されているが、単一の特別図柄保留記憶表示器または特別図柄保留記憶表示領域が設けられ、第1特別図柄表示器8aの可変表示および第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数(例えば上限値を8とする)をまとめて表示するようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1始動入賞口13は、第1可変表示装置9aの下方に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第2可変表示装置9bの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14の下部にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれの下部にも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1始動入賞口13の下方には、第1可変表示装置9aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21aによって開状態とされる第1特別可変入賞球装置が設けられている。第1特別可変入賞球装置は、第1開閉板20aを備え、第1大入賞口を形成する。第1大入賞口に入った遊技球のうち、V入賞領域に入った遊技球は第1V入賞スイッチ22aで検出される。また、第1大入賞口に入った全ての遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24aも設けられている。
可変入賞球装置15の下方には、第2可変表示装置9bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21bによって開状態とされる第2特別可変入賞球装置が設けられている。第2特別可変入賞球装置は、第2開閉板20bを備え、第2大入賞口を形成する。第2大入賞口に入った遊技球のうち、V入賞領域に入った遊技球は第2V入賞スイッチ22bで検出され、第2大入賞口に入った全ての遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24bも設けられている。なお、V入賞領域を設けずに、第2大入賞口に入った入賞球は、そのまま第2カウントスイッチ23bで検出されるようにしてもよい。
第2可変表示装置9bの下方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、1つの普通図柄表示器10と1つの可変入賞球装置15が設けられているが、2つの可変入賞球装置を設けた場合に、2つの普通図柄表示器を設けてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示装置9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示装置9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が第1大入賞口に入賞するまで第1特別可変入賞球装置(第1大入賞口)が開放される。なお、第1大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が第1大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1大入賞口の開放中に打球が第1大入賞口内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ22aで検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、V入賞領域を設けない場合には、継続権の発生は、無条件に最終ラウンド(例えば、15ラウンド)まで許容されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)にすることに決定された場合には、次に当りとなる確率が通常状態よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態(特別遊技状態の一例)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合すなわち確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が第2大入賞口に入賞するまで第2特別可変入賞球装置(第2大入賞口)が開放される。なお、第2大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が第2大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2大入賞口の開放中に打球が第2大入賞口内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ22bで検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に当りとなる確率が通常状態よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に特別遊技状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態より高められるとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態より短縮される。さらに、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。また、確変状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になる。
なお、この実施の形態では、確変状態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮される。従って、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、そのことからも、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。また、確変状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されたり、可変入賞球装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示回数が増加して第2特別図柄が当り図柄になる可能性が通常状態よりも高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態と第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態とで格差をつけるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を確変状態にし、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を時短状態(大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)にするようにして、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの方が第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときよりも遊技者にとって有利な状態になるように構成してもよい。そのように構成することによって、遊技者に与えられる興趣をさらに向上させることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時期および終了時期が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示装置9aにおいて例えば左中右の飾り図柄が揃った状態で飾り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示装置9bにおいて例えば左中右の飾り図柄が揃った状態で飾り図柄が停止表示される。以下、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bにおいて左中右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の大当り図柄が表示されるというように表現する。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示装置9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示装置9bにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「A」,「A」,「A」)が停止表示される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、第1可変表示装置9aにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、第1可変表示装置9aにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80a等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1カウントスイッチ23a、第1V入賞スイッチ22a、第2始動口スイッチ14a、第2カウントスイッチ23b、および第2V入賞スイッチ22bからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21a、第1大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24a、第2特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21b、第2大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド24bを基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御手段(音/ランプ制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、図柄制御用基板80aに転送する。そして、図柄制御基板80aに搭載されている図柄制御手段(図柄制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、音/ランプ制御手段から演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示制御を行う。
図3は、中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの回路構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、演出制御手段は、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。なお、この実施の形態では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bと図柄制御用マイクロコンピュータ100aの両方またはいずれか一方を指して、演出制御手段ということがある。また、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aを設けずに、演出制御に関して演出制御基板のみを設けてもよい。
音/ランプ制御基板80bは、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用CPU101bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、音/ランプ制御基板80bにおいて、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を音/ランプ制御基板80bの内部に向かう方向にしか通過させない(音/ランプ制御基板80bの内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を音/ランプ制御基板80bに向かう方向にしか通過させない(音/ランプ制御基板80bから中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、音/ランプ制御用CPU101bは、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
また、音/ランプ制御用CPU101bは、音声合成用IC703に対して音番号データを出力する。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、音/ランプ制御用CPU101bとランプドライバ352および音声合成IC703との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としないときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した表示結果指定コマンドにもとづいて、飾り図柄のずれ数を特定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドに示される基本時間とにもとづいて、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける変動時間を特定する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(例えば、変動パターンコマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容を決定する。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いて予告演出を行うか否かを決定する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いて予告演出の種類を決定する。
なお、「予告演出」とは、大当りとなるまたはその可能性があることを事前(第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおいて飾り図柄の停止図柄が導出表示される前に)に遊技者に報知するための演出をいう。例えば、変動中に異なった態様(速度や回転方向等)の変動を行ったりキャラクタ等を登場させたりすることにより大当りになる可能性があることを遊技者に報知する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31からの演出制御コマンド(例えば、表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに転送(送信)する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定した変動時間を含む変動パターンコマンド(音/ランプ制御側変動パターンコマンド)を生成する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を示す演出内容指定コマンドを生成する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、生成した変動パターンコマンドや演出内容指定コマンドを、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信する。
なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)に付加してもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容を付加した演出制御コマンドを、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信してもよい。
図柄制御基板80aは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。図柄制御基板80aにおいて、図柄制御用CPU101aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、図柄制御用CPU101aは、音/ランプ制御用基板80bから受信した演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた第1可変表示装置9および第2可変表示装置9bの表示制御を行わせる。
図柄制御用CPU101aは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。図柄制御用CPU101aは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、図柄制御用CPU101aから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、第1可変表示装置9aの表示制御および第2可変表示装置9bの表示制御を行うVDP109が図柄制御基板80aに搭載されている。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bに出力する。なお、可変表示装置の数に対応した数のVDPを図柄制御基板80aに搭載するようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bに表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。表示用乱数とは、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bに表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1カウントスイッチ23a、第1V入賞スイッチ22a、第2始動口スイッチ14a、第2カウントスイッチ23bおよび第2V入賞スイッチ22bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第1特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(9)ランダム9:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(10)ランダム10−1〜10−3(ランダム10):飾り図柄の左中右のはずれ図柄決定用(飾り図柄左中右)
(11)ランダム11:大当りを発生させる飾り図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(11)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや第1特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや第2特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第1カウントスイッチ23a、第2始動口スイッチ14aおよび第2カウントスイッチ23bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第1カウントスイッチ23a、第2始動口スイッチ14aおよび第2カウントスイッチ23bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の演出表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図7は、大当り判定用乱数と大当り判定値との関係の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。なお、CPU56は、通常状態では、大当り判定用乱数値と図7における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図7における右欄に記載されている数値とを比較する。図7における左欄に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図7における右欄に記載されている数値は確変時大当り判定値としてROM54に設定されている。
図8は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図8に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
EXTデータが「00H」の変動パターンは、通常遊技状態のときの第1特別図柄表示器8aや第1可変表示装置9aにおける通常変動の変動パターンである。EXTデータが「01H」〜「06H」の変動パターンは、それぞれ、第1特別図柄表示器8aや第1可変表示装置9aにおけるリーチを伴う変動パターンであって、遊技状態が通常遊技状態および確変状態のいずれのときにも選択され得る。なお、EXTデータが「01H」〜「03H」の変動パターンは、第1特別図柄や第1飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合に用いられる。また、図8に示すように、この実施の形態では、それぞれ変動時間やパターンが異なる3種類のリーチ時(はずれとなる場合)の変動パターンを用いる。また、EXTデータが「04H」〜「06H」の変動パターンは、第1特別図柄や第1飾り図柄の停止図柄を大当り図柄とする場合に用いられる。また、図8に示すように、この実施の形態では、それぞれ変動時間やパターンが異なる3種類のリーチ時(大当りとなる場合)の変動パターンを用いる。
EXTデータが「07H」の変動パターンは、通常遊技状態のときの第2特別図柄表示器8bや第2可変表示装置9bにおける通常変動の変動パターンである。EXTデータが「08H」〜「13H」の変動パターンは、それぞれ、第2特別図柄表示器8bや第2可変表示装置9bにおけるリーチを伴う変動パターンであって、遊技状態が通常遊技状態および確変状態のいずれのときにも選択され得る。なお、EXTデータが「08H」〜「10H」の変動パターンは、第2特別図柄や第2飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合に用いられる。また、図8に示すように、この実施の形態では、それぞれ変動時間やパターンが異なる3種類のリーチ時(はずれとなる場合)の変動パターンを用いる。また、EXTデータが「11H」〜「13H」の変動パターンは、第2特別図柄や第2飾り図柄の停止図柄を大当り図柄とする場合に用いられる。また、図8に示すように、この実施の形態では、それぞれ変動時間やパターンが異なる3種類のリーチ時(大当りとなる場合)の変動パターンを用いる。
また、この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bが搭載する音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から受信した変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動時間を独自に特定する。そして、図柄制御基板80aが搭載する図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、その変動時間が経過したと判定したときに飾り図柄を停止する処理を行う。この場合、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合、同じ変動パターンコマンド(EXTデータが「01H」〜「03H」または「08H」〜「10H」である演出制御コマンド)を受信した場合であっても、飾り図柄の停止図柄のずれ数によって変動時間が異なることになる。例えば、飾り図柄の停止図柄が「797」である場合、停止図柄が「787」である場合と比較して、停止図柄のずれ数が1つ多い分だけ変動時間が長くなる。
この実施の形態では、後述するように、音/ランプ制御手段は、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合に、停止図柄のずれ数を求める。また、音/ランプ制御手段は、EXTデータが「01H」〜「03H」または「08H」〜「10H」の変動パターンに示される時間に、表示結果指定コマンドから求めた停止図柄のずれ数に相当する時間を加算(または減算)した時間を、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける変動時間(可変表示期間)として求める。そして、図柄制御手段は、音/ランプ制御手段が求めた変動時間に従って第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bの飾り図柄を変動させる。従って、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合、EXTデータが「01H」〜「03H」または「08H」〜「10H」の変動パターンに示される時間は、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける飾り図柄の変動時間を特定するための基本時間を表すことになる。
図9は、特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図9に示す例では、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「1」、「3」、「5」、「7」である場合には、遊技状態が通常状態から確変状態に変化する。特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄という。また、遊技状態が通常状態から確変状態に変化するような図柄を確変図柄という。また、確変図柄ではない大当り図柄を非確変図柄または非確変大当り図柄という。この実施の形態では、第1特別図柄の大当り図柄を決定することにより大当り遊技状態終了後に確変状態(特別遊技状態)と通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが決定される。なお、確変図柄と非確変図柄とを区別せず、単に、大当り図柄とはずれ図柄とに分けてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選によって決定した図柄に応じて確変状態に移行させるか否か決定するのではなく、乱数等を用いて確変状態に移行させるか否かの抽選を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが発生した場合に、大当り遊技が開始された後(例えば、大当り遊技中や大当り遊技の終了時)に、遊技機に設けられている電気部品によって確変大当りの報知を行う。そのように構成した場合には、遊技者は停止図柄から遊技状態の変化を把握することができなくなり報知によって初めて遊技状態の変更を把握することができるので遊技の興趣が向上する。なお、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bにおいて可変表示および停止表示される飾り図柄は、数字、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1可変表示装置9aおよび第1特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数が上限値に達していないことを条件に(ステップS312)、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS313)。
なお、第1保留記憶カウンタの値を1増やす際に、CPU56は、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り停止処理のいずれか(ただし、第2はずれ図柄停止処理を除く)に応じた値である場合には、処理を終了する(ステップS314)。すなわち、第2大当り図柄が停止表示されているとき、および第2大当り図柄の停止表示に応じた大当り遊技が開始されてから終了報知されるまでの間、ステップS300〜S309が実行されない状態になる。そうでない場合には、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
なお、第1保留記憶カウンタの値を1増やす際に、CPU56は、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタの値等を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタや第1保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示の結果、当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。また、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。また、飾り図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
この実施の形態では、後述するように、第1特別図柄停止図柄設定処理で、既に第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示装置9b)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示装置9a)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。または、第2特別図柄停止図柄設定処理で、既に第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示装置9a)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示装置9b)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。以下、無条件で第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの表示結果をはずれ図柄にすると決定することを「強制はずれ」ということがある。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄の変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。ただし、第1可変表示装置9aにおける表示態様をリーチ態様とした後に第1飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合には、変動パターンに示される時間と、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数とにもとづいて、第1特別図柄の可変表示の変動時間を決定する。また、決定した第1特別図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットした後、第1特別図柄の変動を開始させるとともに、第1変動時間タイマをスタートさせる。このとき、音/ランプ制御基板80bに対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304またはステップS305に応じた値に更新する。なお、特別図柄および飾り図柄の表示結果を大当り図柄とすることに決定した場合にステップS304に応じた値に更新し、特別図柄および飾り図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定した場合にステップS305に応じた値に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
なお、この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、主基板31からの変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて変動時間を特定する。そして、図柄制御基板80aは、変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その変動時間タイマを更新していくことで飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに飾り図柄を停止する処理を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS306):第1大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタ(例えば第1大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21aを駆動して第1特別可変入賞球装置を開状態にして第1大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS307):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や第1大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。第1大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。
第1特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ22aの通過の有無を監視して、大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
なお、この実施の形態では、遊技球がV入賞したこと、すなわちV入賞スイッチ22aが遊技球を検出したことをもって大当り遊技状態の継続条件が成立するが、無条件に大当り遊技状態の継続条件が成立するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1大当り終了処理(ステップS309)において、大当り遊技を開始する前に実行された第1特別図柄の可変表示の表示結果が確変図柄である場合には、確変状態であることを示す確変フラグをセットするとともに、確変状態での変動回数を示す確変回数カウンタに100を設定する。また、確変フラグがセットされている場合に、大当り遊技を開始する前に実行された第1特別図柄の可変表示の表示結果が非確変図柄である場合には、確変フラグをリセットする。また、確変フラグがセットされている場合に、大当り遊技を開始する前に実行された第1特別図柄の可変表示の表示結果がはずれ図柄である場合には、確変回数カウンタの値を−1する。そして、確変回数カウンタの値が0になっている場合には、確変フラグをリセットする。よって、第1大当り終了処理の終了後に遊技状態が変更されることになり、特別図柄および飾り図柄の変動パターンが変わる(例えば、確変状態で使用される変動パターンが通常状態で使用される変動パターンに変わる)ことによって遊技者が遊技状態の変更を推測することはできない。
次に、遊技制御手段から音/ランプ制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図11は、主基板31から音/ランプ制御基板80bに送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から音/ランプ制御基板80bに送信される。また、主基板31と音/ランプ制御基板80bとの間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図12に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図12に示された極性と逆極性であってもよい。
図13は、音/ランプ制御基板80bに送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド8000(H)〜8006(H)は、第1特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示装置9aにおいて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、コマンド8000(H)〜8006(H)は、それぞれ図8で示したEXTデータが「00H」〜「06H」の変動パターンに対応する変動パターンコマンドに相当する。コマンド8000(H)は、通常変動の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。また、コマンド8001(H)〜8003(H)は、第1可変表示装置9aにおける表示態様をリーチ態様とした後に第1飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合の変動パターン(変動の基本時間)を指定する変動パターンコマンドである。また、コマンド8004(H)〜8006(H)は、第1可変表示装置9aにおける表示態様をリーチ態様とした後に第1飾り図柄の停止図柄を大当り図柄とする場合の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。
また、図13に示す例において、コマンド8007(H)〜8013(H)は、第2特別図柄の可変表示に対応して第2可変表示装置9bにおいて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、コマンド8007(H)〜8013(H)は、それぞれ図8で示したEXTデータが「07H」〜「13H」の変動パターンに対応する変動パターンコマンドに相当する。コマンド8007(H)は、通常変動の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。また、コマンド8008(H)〜8010(H)は、第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に第2飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合の変動パターン(変動の基本時間)を指定する変動パターンコマンドである。また、コマンド8011(H)〜8013(H)は、第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に第2飾り図柄の停止図柄を大当り図柄とする場合の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。
以下、第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドを第1変動パターンコマンドといい、第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドを第2変動パターンコマンドということがある。また、第1変動パターンコマンドと第2変動パターンコマンドとを、変動パターンコマンドと総称することがある。また、この実施の形態では、後述するように、音/ランプ制御手段によっても変動パターンコマンドが生成され図柄制御手段に送信されるので、遊技制御手段から音/ランプ制御手段に送信される変動パターンコマンド(図13に示すコマンド8000(H)〜8013(H))を遊技制御側変動パターンコマンドといい、音/ランプ制御手段から図柄制御手段に送信される変動パターンコマンド(図28参照)を音/ランプ制御側変動パターンコマンドということがある。
コマンド91XX(H)〜93XX(H)は、第1飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。コマンド91XX(H)は、第1可変表示装置9aの「左中右」の3つの図柄表示エリアの左の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドである。また、コマンド92XX(H)は、第1可変表示装置9aの中の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドである。また、コマンド93XX(H)は、第1可変表示装置9aの右の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。
コマンド94XX(H)〜96XX(H)は、第2飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。コマンド94XX(H)は、第2可変表示装置9bの「左中右」の3つの図柄表示エリアの左の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドである。また、コマンド95XX(H)は、第2可変表示装置9bの中の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドである。また、コマンド96XX(H)は、第2可変表示装置9bの右の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。
以下、第1飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドを第1表示結果指定コマンドといい、第2飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドを第2表示結果指定コマンドということがある。また、第1表示結果指定コマンドと第2表示結果指定コマンドとを、表示結果指定コマンドと総称することがある。
この実施の形態では、第1飾り図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄とともに、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)において決定され、そのように決定された停止図柄に応じた飾り図柄指定の演出制御コマンド(91XX(H)〜93XX(H))が遊技制御用マイクロコンピュータ560から音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信され、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送される。なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1飾り図柄指定の演出制御コマンド(91XX(H)〜93XX(H))を受信したことに応じて、第1飾り図柄の停止図柄(「はずれ」「非確変大当り」「確変大当り」)を第1可変表示装置9aに表示する。また、後述するように、第1可変表示装置9aにおける表示態様をリーチ態様とした後に第1飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(91XX(H)〜93XX(H))にもとづいて第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を特定する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、求めた第1飾り図柄のずれ数に対応する時間と、変動パターンコマンド(8001(H)〜8003(H))に示される基本時間とにもとづいて、第1可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の変動時間を求める。
また、第2飾り図柄の停止図柄は、第2特別図柄の停止図柄とともに、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)における第2特別図柄停止図柄設定処理において決定され、そのように決定された停止図柄に応じた飾り図柄指定の演出制御コマンド(94XX(H)〜96XX(H))が遊技制御用マイクロコンピュータ560から音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信され、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送される。なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第2飾り図柄指定の演出制御コマンド(94XX(H)〜96XX(H))を受信したことに応じて、第2飾り図柄の停止図柄(「はずれ」「非確変大当り」「確変大当り」)を第2可変表示装置9bに表示する。また、後述するように、第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に第2飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としない場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(94XX(H)〜96XX(H))にもとづいて第2飾り図柄の停止図柄のずれ数を特定する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、求めた第2飾り図柄のずれ数に対応する時間と、変動パターンコマンド(8008(H)〜8010(H))に示される基本時間とにもとづいて、第2可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の変動時間を求める。
なお、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける表示態様をリーチ態様とした後に飾り図柄の停止図柄を大当り図柄としないときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、左中右全ての飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドをそれぞれ送信するのでなく、「XX」に図柄のずれ数を示す番号を設定したコマンド(図柄ずれ数指定コマンドともいう)を送信してもよい。このようなコマンドを受信した場合でも、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、飾り図柄のずれ数に対応する時間を特定することができ、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおける飾り図柄の変動時間を特定することができる。
コマンドA003(H)は、第1特別図柄および第1飾り図柄の強制はずれ決定時に、変動パターンコマンドで指定した第1飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(強制はずれ指定コマンド)である。また、コマンドA004(H)は、第2特別図柄および第2飾り図柄の強制はずれ決定時に、変動パターンコマンドで指定した第2飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(強制はずれ指定コマンド)である。以下、第1飾り図柄の強制はずれを指定する演出制御コマンドを第1強制はずれ指定コマンドといい、第2飾り図柄の強制はずれを指定する演出制御コマンドを第2強制はずれ指定コマンドということがある。また、第1強制はずれ指定コマンドと第2強制はずれ指定コマンドとを、強制はずれ指定コマンドと総称することがある。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ラン制御用CPU101b)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13に示された内容に応じて、ランプの表示状態を変更し、音合成用IC703に対して音番号データを出力する。また、図柄制御基板80aに搭載されている図柄制御用マイクロコンピュータ100a(具体的には、図柄制御用CPU101a)は、図13に示された内容に応じて、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示状態を変更する。なお、図13に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から音/ランプ制御基板80bに送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドや確変状態を示す演出制御コマンド)も主基板31から音/ランプ制御基板80bに送信される。
図14は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS54)。
図15および図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS60)。第2大当りフラグがセットされていれば、第1特別図柄表示器8aの表示結果を強制はずれとすることに決定した旨を示す第1強制はずれフラグをセットし(ステップS60a)、ステップS64aに移行する。すなわち、既に第2特別図柄表示器8bの表示結果が大当り図柄にすると決定されているので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62,S63の大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8aの表示結果をはずれ図柄にすると決定する。
なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。また、第2大当りフラグは、例えば、第2特別図柄の変動が終了したときにリセットされる(または、大当り遊技が終了した場合にリセットされる)。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2可変表示装置9bで第2飾り図柄の変動が実行されていることを意味する(ただし、大当り遊技が終了した場合にリセットされる場合には、変動が実行されていること、または大当り遊技が実行されていることを意味する)。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、ステップS63では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、具体的には、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。通常状態では、大当り判定用乱数値と図7における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図7における右欄に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示装置9aにおいて停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域から特別図柄はずれ図柄決定用乱数(ランダム2)を読み出し(ステップS64a)、特別図柄はずれ図柄決定用乱数にもとづいて、第1特別図柄のはずれ図柄(この例では偶数図柄)を決定する(ステップS65a)。また、CPU56は、乱数バッファ領域から飾り図柄はずれ図柄決定用乱数(ランダム10−1〜10−3)を読み出し(ステップS64b)、飾り図柄はずれ図柄決定用乱数にもとづいて、第1飾り図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS65b)。そして、ステップS84に移行する。
ステップS81では、CPU56は、第1大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から特別図柄大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を読み出し(ステップS82a)、特別図柄大当り図柄決定用乱数にもとづいて、第1特別図柄の大当り図柄(この例では奇数図柄)を決定する(ステップS83)。また、CPU56は、乱数バッファ領域から飾り図柄大当り図柄決定用乱数(ランダム11)を読み出し(ステップS82b)、飾り図柄大当り図柄決定用乱数にもとづいて、第1飾り図柄の大当り図柄を決定する(ステップS83b)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS84)。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、第1特別図柄停止図柄設定処理で決定した第1飾り図柄の停止図柄がリーチ態様とした後に大当たりとしない場合の図柄の組合せ(例えば、「左中右」の3つの図柄のうちの「中」の図柄だけ異なる図柄の組合せ。リーチ/はずれ図柄ともいう)である場合(ステップS391a)、決定した第1飾り図柄の停止図柄にもとづいて、はずれ図柄のずれ数を特定する(ステップS391b)。例えば、決定した第1飾り図柄の停止図柄が「787」である場合、CPU56は、ずれ数「1」と特定する。また、例えば、特定した第1飾り図柄の停止図柄が「797」である場合、CPU56は、ずれ数「2」と特定する。
CPU56は、変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、第1特別図柄の変動パターンを決定する。この場合、CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に応じて、図8に示すEXTデータが「01H」〜「03H」のいずれかの変動パターンを、第1特別図柄の可変変動に用いる変動パターンとして決定する。また、CPU56は、決定した変動パターンと、ステップS391bで特定したはずれ図柄のずれ数とにもとづいて、第1特別図柄の変動時間を特定する(ステップS391c)。
例えば、EXTデータが「01H」である変動パターンに決定した場合、CPU56は、第1特別図柄の基本時間が15秒であると特定する(図8参照)。また、CPU56は、特定したずれ数に対応する時間(第1飾り図柄が変動する際に、図柄がずれている分だけ基本時間に対して余分に変動にかかる時間)を特定する。例えば、CPU56は、特定したずれ数が「1」である場合、対応する時間を1秒と特定する。また、例えば、CPU56は、特定したずれ数が「2」である場合、対応する時間を2秒と特定する。そして、CPU56は、特定した基本時間にずれ数に対応する時間を加算(または減算)した時間を、第1特別図柄の変動時間として特定する。例えば、CPU56は、特定したずれ数が「1」である場合、第1特別図柄の変動時間を16秒と特定する。また、例えば、CPU56は、特定したずれ数が「2」である場合、第1特別図柄の変動時間を17秒と特定する。
ステップS391aで第1飾り図柄の停止図柄がリーチ/はずれ図柄でない(例えば、リーチ態様とした後に大当たりとする場合の図柄の組合せや、リーチ態様とならない図柄の組合せ)場合、CPU56は、変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、特別図柄の変動時間を決定し変動パターンを決定する(S391d)。例えば、第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合、CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に応じて、図8に示すEXTデータが「04H」〜「06H」のいずれかの変動パターンを、第1特別図柄の可変変動に用いる変動パターンとして決定する。また、CPU56は、決定した変動パターンにもとづいて、第1特別図柄の変動時間を特定する。例えば、EXTデータが「04H」である変動パターンに決定した場合、CPU56は、第1特別図柄の変動時間を15秒と特定する(図8参照)。また、例えば、第1飾り図柄の停止図柄がリーチを伴わないはずれ図柄である場合、CPU56は、図8に示すEXTデータが「00H」である変動パターンを、第1特別図柄の可変変動に用いる変動パターンとして決定し、第1特別図柄の変動時間を8.1秒と特定する。
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS392)。なお、この実施の形態では、ステップS392で送信テーブルのアドレスがセットされたことにもとづいて、タイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28参照)が実行されることによって、演出制御コマンド(変動パターンコマンド)が音/ランプ制御基板80bに送信される。
この実施の形態では、音/ランプ制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、飾り図柄コマンド制御処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
次いで、CPU56は、特別図柄停止図柄設定処理においてランダム10−1〜10−3を用いて決定した第1飾り図柄の表示結果を示す表示結果指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS393)。なお、この実施の形態では、ステップS393で送信テーブルのアドレスがセットされたことにもとづいて、タイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28参照)が実行されることによって、演出制御コマンド(第1表示結果指定コマンド)が音/ランプ制御基板80bに送信される。この場合、左の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドとしてコマンド91XX(H)が送信され、中の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドとしてコマンド92XX(H)が送信され、右の飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドとしてコマンド93XX(H)が送信される(図13参照)。
次いで、CPU56は、第1強制はずれフラグがセットされている場合(第1特別図柄の表示結果を強制はずれとすることに決定している場合)には、第1強制はずれ指定コマンドを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する制御を行う(ステップS393a)。なお、この実施の形態では、ステップS393aで送信テーブルのアドレスがセットされたことにもとづいて、タイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28参照)が実行されることによって、演出制御コマンド(第1強制はずれ指定コマンド)が音/ランプ制御基板80bに送信される。
また、ステップS391c,S391dにて第1特別図柄の変動時間を決定すると、CPU56は、決定した変動時間を示す変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS394)、計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS395)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS396)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り停止処理のいずれか(ただし、第2はずれ図柄停止処理を除く)に応じた値である場合には、処理を終了する(ステップS121a)。すなわち、第2大当り図柄が停止表示されているとき、および第2大当り図柄の停止表示に応じた大当り遊技が開始されてから終了報知されるまでの間(例えば、第2大入賞口開放中処理や第2大当り終了処理の実行中)、ステップS121以降の処理が実行されない状態となり、第1変動時間タイマを用いた変動時間の計測が中断される。そうでない場合には、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新し(ステップS123,S124)、第1大当り図柄表示時間タイマをセットする(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS126)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS141)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。
そして、第1大当り図柄表示時間タイマの値を−1し(ステップS143)、第1大当り図柄表示時間タイマの値が0になった場合には(ステップS144)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS145)。
以上のような第1大当り図柄停止処理によって、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、ステップS125で設定された値に応じた所定時間(例えば、0.6秒)継続する。また、第2特別図柄プロセス処理が実行されるときにも、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、所定時間(例えば、0.6秒)継続する。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS151)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS153)。
図21は、以上に説明したような遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)の制御の結果の一例を示すタイミング図である。CPU56は、第2始動口14に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りとするか異な否か決定する(すなわち、抽選する)ときに、大当りにすることに決定した場合には、第2大当りフラグをセットする(図16のステップS81参照。図16は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)。
図21に示すA〜Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)のそれぞれにおいて、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理で、大当りとするか否か決定するが、第2大当りフラグがセットされているときには、抽選結果(大当り判定の判定結果)を強制的にはずれにする(ステップS60,S64,S65参照)。図21に示す例では、B,Cのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、無条件で抽選結果をはずれにする。なお、A,Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、第2大当りフラグはセットされていないので、抽選結果が大当りとなることもある。
そして、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動が停止して停止図柄が導出表示されることが防止される。なぜなら、大当り図柄が第2飾り図柄および第2特別図柄の停止図柄として導出表示されるときには第2特別図柄プロセスフラグの値は第2大当り図柄停止処理に応じた値であり(図18のステップS124参照。図18は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)、その場合には、図10に示すステップS314の処理によって、ステップS300〜S309の処理(特に、ステップS303の処理)が実行されず、処理が中断されるからである。つまり、ステップS303の処理が中断されることによって、ステップS121,S122の処理は実行されず、その結果、ステップS141,S142,S151,S152の処理が実行されない。よって、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動が停止することはない。なお、第1飾り図柄については、図柄制御用マイクロコンピュータ100aによって制御される。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理において、第1大当り図柄表示時間タイマを用いて第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間を所定時間継続させたが(第2特別図柄プロセス処理においても、同様に、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が所定時間継続)、そのような制御を行わなくてもよい。その場合でも、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間および第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間は、少なくとも4ms間継続する。
また、この実施の形態では、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動が停止して停止図柄が導出表示されることを防止し、後述するように、図柄制御手段も同様の処理を行うようにしたが、図柄制御手段は同様の処理を行わないようにしてもよい。その場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、その旨を示す演出制御コマンドを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから転送された演出制御コマンドを受信したら、第1可変表示装置9aの表示を止めるようにしてもよい。なお、第1可変表示装置9aの第1飾り図柄の変動を続行し、その他の表示(キャラクタ等)のみを止めるように制御してもよい。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1可変表示装置9aの変動時間の計測を止めないようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄の変動時間の終了時に比べて、第1飾り図柄の変動時間が早く終了するが、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動時間が終了してから、例えば、第1飾り図柄を揺れ表示させるように制御する。
次に、音/ランプ制御手段の動作を説明する。図22は、音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理を開始する。メイン処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS781)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込フラグの監視(ステップS782)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのフラグをクリアし(ステップS783)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
タイマ割込は例えば2ms毎にかかる。すなわち、音/ランプ制御処理は、例えば2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な音/ランプ制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で音/ランプ制御処理を実行してもよい。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS784)。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターン決定処理を行う(ステップS785a)。第1変動パターン決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、第1飾り図柄の変動時間を特定し変動パターンを決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンド(音/ランプ制御側変動パターンコマンド)を生成する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2変動パターン決定処理を行う(ステップS785b)。第2変動パターン決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、第2飾り図柄の変動時間を特定し変動パターンを決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンド(音/ランプ制御側変動パターンコマンド)を生成する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1演出内容決定処理を行う(ステップS786a)。第1演出内容決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、第1可変表示装置9aを用いて行う演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容を示す演出内容指定コマンドを生成する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2演出内容決定処理を行う(ステップS786b)。第2演出内容決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、第2可変表示装置9bを用いて行う演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容を示す演出内容指定コマンドを生成する。
以下、第1飾り図柄の変動パターンを指定する音/ランプ制御側変動パターンコマンドを第1音/ランプ制御側変動パターンコマンドといい、第2飾り図柄の変動パターンを指定する音/ランプ制御側変動パターンコマンドを第2音/ランプ制御側変動パターンコマンドということがある。また、第1音/ランプ制御側変動パターンコマンドと第2音/ランプ制御側変動パターンコマンドとを、音/ランプ制御側変動パターンコマンドと総称することがある。また、第1可変表示装置9aを用いて行う演出内容を示す演出内容指定コマンドを第1演出内容指定コマンドといい、第2可変表示装置9bを用いて行う演出内容を示す演出内容指定コマンドを第2演出内容指定コマンドということがある。また、第1演出内容指定コマンドと第2演出内容指定コマンドとを、演出内容指定コマンドと総称することがある。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音出力処理を行う(ステップS787)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データ(例えば、変動パターンコマンドに示される変動パターンに対応する音番号データ)を出力する。そして、音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランプ表示処理を行う(ステップS788)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、プロセスデータ中に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ制御を行う。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS789)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から受信した演出制御コマンドや、ステップS785a,S785bの変動パターン決定処理で生成した音/ランプ制御側変動パターンコマンド、ステップS786a,S786bの演出内容決定処理で生成した演出内容指定コマンドを、図柄制御基板80aに送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS790)。その後、ステップS782のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
主基板31からの演出制御用のINT信号は音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bの割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bにおいて割込がかかる。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した演出制御コマンドデータをコマンド受信バッファに格納する。
ここで、変動パターン毎に設定されているプロセスデータについて説明する。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、図柄の変動期間中における第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bの表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、図柄の変動期間中におけるランプの表示状態を示すデータが設定されている。そして、図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bにおいて新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、図柄制御手段は、プロセスデータにおける次の表示制御実行データに従って、第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bの表示状態を制御する。また、音/ランプ制御手段は、プロセスデータにおける次のランプ制御実行データに従って、ランプの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
プロセスデータは、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aにおけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bにおけるROMに格納されるプロセスデータ(以下、音/ランプ制御側プロセスデータともいう)は、プロセスタイマ設定値と、ランプ制御実行データのみを含む演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成されている。また、図柄制御基板80aにおけるROMに格納されるプロセスデータ(以下、図柄制御側プロセスデータともいう)は、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データのみを含む演出制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成されている。
図23は、音/ランプ制御処理で用いる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:予告演出を実行するか否かを決定する(予告演出実行決定用)。この実施の形態では、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおいてリーチ態様の飾り図柄の可変表示を行う際に、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、例えば、ランダム1があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、予告演出を行うと決定する。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、リーチ態様の可変表示を行うか否かに関わらず、ランダム1を用いて予告演出を行うか否かを決定してもよい。
(2)ランダム2:予告演出を行う場合に、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いて行う予告演出の種類を決定する(予告演出種類決定用)
(3)ランダム3:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
図24および図25は、この実施の形態で用いられる飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図24および図25に示す例では、第1飾り図柄の可変表示の変動パターンとして、第1変動パターンA〜Fの6種類が用いられる。また、第2飾り図柄の可変表示の変動パターンとして、第2変動パターンA〜Fの6種類が用いられる。なお、第1変動パターンA〜Fのそれぞれは、第2変動パターンA〜Fのそれぞれと同じであるが、音/ランプ制御側変動パターンコマンドとして別になっているので、図24および図25において別個に示されている。以下、例えば変動パターンA〜Fというときには、第1変動パターンA〜Fと第2変動パターンA〜Fの双方を意味する。
図24に示すように、通常状態において変動パターンA〜Dが用いられ、確変状態において変動パターンB〜Eが用いられる。また、図25に示すように、後述する強制はずれ決定時には、変動パターンD〜Fが用いられる。この実施の形態では、飾り図柄の変動時間については、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンド(遊技制御側変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンド)によって特定される。そして、図24および図25に示す変動パターンを選択することによって、飾り図柄の変動中の表示態様(例えば、キャラクタの種類や表示タイミング、図柄およびキャラクタ以外の可変表示装置における背景の表示の仕方)を異ならせることができる。なお、特別図柄についても、例えば、通常時と確変時とで表示態様(特別図柄の変動速度など)を異ならせるようにしてもよい。
また、図24に示す変動パターンA〜Dのそれぞれを示すデータが、ランダム3のとりうる値に対応させて通常時変動パターンテーブルとして、音/ランプ制御基板80bのROMに記憶されている。また、変動パターンB〜Eのそれぞれを示すデータが、ランダム3のとりうる値に対応させて確変時変動パターンテーブルとして、音/ランプ制御基板80bのROMに記憶されている。つまり、音/ランプ制御用CPU101bは、通常時または確変時において、抽出されたランダム3の値に応じて、通常時変動パターンテーブルまたは確変時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。なお、大当りにすることに決定した場合には、CPU56は、通常時変動パターンテーブルの変動パターンD、および確変時変動パターンテーブルの変動パターンEを選択しないようにする。
また、図25に示す変動パターンD〜Fのそれぞれを示すデータが、ランダム3のとりうる値に対応させて強制はずれ時変動パターンテーブルとして、音/ランプ制御基板80bのROMに記憶されている。つまり、音/ランプ制御用CPU101bは、強制はずれ決定時において、抽出されたランダム3の値に応じて、強制はずれ時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示装置9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示装置9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに用いる専用の変動パターンテーブルである強制はずれ時変動パターンテーブルを備える。そして、図柄制御手段は、強制はずれ時変動パターンテーブルにもとづいて決定された変動パターンに従って、第1飾り図柄(または第2飾り図柄)の可変表示を実行する。そのため、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示装置9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示装置9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに、複数種類の変動パターンから選択して可変表示を実行することができる。
図26は、コマンド解析処理(ステップS784)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS7611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS7612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく(ステップS7613)。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS7614)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS7615)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、変動パターンコマンドを受信したことを示す変動パターンコマンド受信フラグをセットする。なお、第1飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターンコマンド受信フラグをセットする。また、第2飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
ステップS7611にて受信していることが確認された演出制御コマンドが表示結果指定の演出制御コマンドであれば(ステップS7616)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータを表示結果(特別図柄の表示結果)として表示結果格納領域に格納する(ステップS7617)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の3つの飾り図柄を指定する表示結果指定コマンドをそれぞれ受信する。ステップS7616において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の全ての飾り図柄を指定する表示結果指定コマンドを受信すると、表示結果指定コマンドを受信したことを示す表示結果指定コマンド受信フラグをセットする。なお、第1飾り図柄の表示結果指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1表示結果指定コマンド受信フラグをセットする。また、第2飾り図柄の表示結果指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2表示結果指定コマンド受信フラグをセットする。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS7612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS7618)。例えば、第1飾り図柄又は第2飾り図柄の強制はずれ指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、強制はずれ指定コマンド受信フラグをセットする。なお、第1飾り図柄の強制はずれ指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1強制はずれ指定コマンド受信フラグをセットする。また、第2飾り図柄の強制はずれ指定の演出制御コマンドを受信した場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2強制はずれ指定コマンド受信フラグをセットする。
図27および図28は、図22に示された音/ランプ制御メイン処理における第1変動パターン決定処理(ステップS784a)を示すフローチャートである。なお、第2変動パターン決定処理(ステップS784b)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2変動パターン決定処理が説明されることになる。
第1変動パターン決定処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した第1表示結果指定コマンドにもとづいて表示結果を特定する(ステップS1861)。この実施の形態では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1表示結果指定コマンド(図13に示すコマンド91XX(H)〜93XX(H))にもとづいて、第1飾り図柄の停止図柄を特定する。
特定した第1飾り図柄の停止図柄がリーチ態様とした後に大当たりとしない場合の図柄の組合せ(例えば、「左中右」の3つの図柄のうちの「中」の図柄だけ異なる図柄の組合せ。リーチ/はずれ図柄ともいう)である場合(ステップS1862)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定した第1飾り図柄の停止図柄にもとづいて、はずれ図柄のずれ数を特定する(ステップS1863)。例えば、特定した第1飾り図柄の停止図柄が「787」である場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ずれ数「1」と特定する。また、例えば、特定した第1飾り図柄の停止図柄が「797」である場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ずれ数「2」と特定する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した第1変動パターンコマンド(遊技制御側変動パターンコマンド)と、ステップS1863で特定したはずれ図柄のずれ数とにもとづいて、第1飾り図柄の変動時間を特定する(ステップS1864)。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、リーチ/はずれ図柄の変動パターンコマンドとして、図13に示すEXTデータ「01H」である変動パターンコマンドを受信した場合、第1飾り図柄の基本時間が15秒であると特定する(図8参照)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数に対応する時間(飾り図柄が変動する際に、図柄がずれている分だけ基本時間に対して余分に変動にかかる時間)を特定する。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数が「1」である場合、対応する時間を1秒と特定する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数が「2」である場合、対応する時間を2秒と特定する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定した基本時間にずれ数に対応する時間を加算(または減算)した時間を、第1飾り図柄の変動時間として特定する。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数が「1」である場合、飾り図柄の変動時間を16秒と特定する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数が「2」である場合、飾り図柄の変動時間を17秒と特定する。
ステップS1862で飾り図柄の停止図柄がリーチ/はずれ図柄でない(例えば、リーチ態様とした後に大当たりとする場合の図柄の組合せや、リーチ態様とならない図柄の組合せ)場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動時間を特定する(ステップS1865)。この実施の形態では、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、通常変動の変動パターンコマンド(図13に示すEXTデータ「00H」である変動パターンコマンド)にもとづいて、第1飾り図柄の変動時間を8.1秒であると特定する(図8参照)。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、リーチを伴う大当りの変動パターンコマンドとして、図13に示すEXTデータ「04H」である変動パターンコマンド)にもとづいて、第1飾り図柄の変動時間を15秒であると特定する(図8参照)。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数(ランダム3)を読み出す(ステップS1866)。そして、第1強制はずれ指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS1867)、強制はずれ時変動パターンテーブル(図25参照)から変動パターンを選択する(ステップS1868)。すなわち、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを強制はずれ時変動パターンテーブルから選択する。
第1強制はずれ指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1861で特定した第1飾り図柄の表示結果が確変図柄であるか否かを確認する(ステップS1869)。表示結果が確変図柄である場合には、確変時変動パターンテーブル(図24参照)から変動パターンを選択する(ステップS1870)。すなわち、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを確変時変動パターンテーブルから選択する。
表示結果が確変図柄でない場合には、通常時変動パターンテーブル(図24参照)から変動パターンを選択する(ステップS1871)。すなわち、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時変動パターンテーブルから選択する。
なお、通常時変動パターンテーブルには変動パターンA〜Dのそれぞれを示すデータが変動パターン決定用乱数(ランダム3)のとりうる値に対応させて設定され、確変時変動パターンテーブルには変動パターンB〜Eのそれぞれを示すデータがランダム3のとりうる値に対応させて設定されているが、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、大当りにすることに決定されている場合には、それぞれ変動パターンDおよび変動パターンEを選択しないようにする。そのような制御を実現するには、例えば、大当りにすることに決定されている場合に大当りにすることに決定されているときに用いる通常時変動パターンテーブルおよび確変時変動パターンテーブルに、それぞれ変動パターンDおよび変動パターンEを示すデータを設定しなければよい。
また、大当りにすることに決定されている場合に音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが選択可能な変動パターンと、はずれにすることに決定されている場合に音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが選択可能な変動パターンとを、全く別なものにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS1864,S1865で特定した変動時間、およびステップS1868,S1870,S1871で決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(音/ランプ制御側変動パターンコマンド)を生成し、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信する制御を行う(ステップS1872)。なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに変動パターンコマンドを送信する際に、具体的には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、変動パターンコマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、変動パターンコマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、コマンド制御処理(ステップS790参照)において変動パターンコマンドを送信する。
図29は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bによって生成され図柄制御基板80aに送出される変動パターンコマンド(音/ランプ制御側変動パターンコマンド)の内容の一例を示す説明図である。図29に示す例において、コマンド9000(H)は、遊技制御側変動パターンコマンド8000(H)を受信したときに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが生成する音/ランプ制御側変動パターンコマンドである。すなわち、コマンド9000(H)は、第1可変表示装置9aにおける通常変動の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。
また、コマンド9001(H)〜90FF(H)は、遊技制御側変動パターンコマンド8001(H)を受信したときに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが生成する音/ランプ制御側変動パターンコマンドである。すなわち、コマンド9001(H)〜90FF(H)は、第1可変表示装置9aにおけるリーチ/はずれ時(変動A)の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した遊技制御側変動パターンコマンド8001(H)にもとづいて、第1飾り図柄の変動時間の基本時間を15秒と特定する(図8参照)。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターン決定処理において、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を「1」と特定すると、変動時間を16秒と特定し、図29に示す変動パターンコマンド9001(H)を生成する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターン決定処理において、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を「2」と特定すると、変動時間を17秒と特定し、図29に示す変動パターンコマンド9002(H)を生成する。
また、コマンド9101(H)〜91FF(H)は、遊技制御側変動パターンコマンド8002(H)を受信したときに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが生成する音/ランプ制御側変動パターンコマンドである。すなわち、コマンド9101(H)〜91FF(H)は、第1可変表示装置9aにおけるリーチ/はずれ時(変動B)の変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した遊技制御側変動パターンコマンド8002(H)にもとづいて、第1飾り図柄の変動時間の基本時間を25秒と特定する(図8参照)。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターン決定処理において、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を「1」と特定すると、変動時間を26秒と特定し、図29に示す変動パターンコマンド9101(H)を生成する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターン決定処理において、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を「2」と特定すると、変動時間を27秒と特定し、図29に示す変動パターンコマンド9102(H)を生成する。
図30は、図22に示された第1演出内容決定処理(ステップS786a)を示すフローチャートである。なお、第2演出内容決定処理(ステップS786b)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2演出内容決定処理が説明されることになる。
第1演出内容決定処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1851)。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて第1飾り図柄の変動パターンを特定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定した変動パターンにもとづいて、第1可変表示装置9aを用いて実行すべき可変表示がリーチを伴う変動であるか否かを判定する(ステップS1852)。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した変動パターンコマンドに示される変動パターンがリーチを伴うパターンである場合(例えば、図13に示すEXTデータ「01H」〜「06H」である変動パターンである場合)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、リーチを伴う変動であると判定する。なお、ステップS1851で第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなかった場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのまま処理を終了する。
リーチを伴う変動であると判定した場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、予告演出実行決定用乱数(ランダム1)にもとづいて、予告演出を行うか否かを決定する(ステップS1853)。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランダム1が所定値と一致すると、第1可変表示装置9aを用いた予告演出を行うと決定する。なお、ステップS1852でリーチを伴う変動でなかった場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1857に移行する。
ステップS1854で予告演出を行わないと決定した場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターンコマンドを受信しているとともに第1表示結果指定コマンドを受信している場合には、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信または転送し、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1可変表示装置9aを用いた第1飾り図柄の可変表示および遊技演出を実行することになる。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1854で予告演出を行わないと決定すると、予告演出を行わない旨を指定する通知コマンドを生成し、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信する(ステップS1857)。
予告演出を行うと決定すると(ステップS1854)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、予告演出種類決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、第1可変表示装置9aを用いて行わせる予告演出の種類を決定する(ステップS1855)。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランダム2にもとづいて、予告演出において、第1飾り図柄をどの程度の速度で変動させるかや、第1飾り図柄をいずれの回転方向に変動させるか、第1可変表示装置9aにいずれのキャラクタを登場させるかを決定する。
なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドにもとづいて演出内容を決定する場合を説明するが、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した表示結果指定コマンドにもとづいて、非確変大当りまたは確変大当りであることを特定して、演出内容を決定してもよい。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、図柄ずれ数指定コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信し、受信した図柄ずれ数指定コマンドにもとづいて、停止図柄がリーチを伴うはずれ図柄であるか否かを特定して、演出内容を決定してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301参照)で飾り図柄の停止図柄を決定する際に、停止図柄をリーチ/はずれ図柄に決定した場合には、飾り図柄の停止図柄のずれ数を求める。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、求めたずれ数を特定可能な値を含む図柄ずれ数指定コマンドを生成し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄ずれ数コマンドを受信したことにもとづいて停止図柄がリーチ/はずれ図柄であると特定し、演出内容を決定する。
さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、上記に示した全てのコマンド(変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および図柄ずれ数指定コマンド)にもとづいて、演出内容を決定してもよい。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、上記に示した各コマンド(変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および図柄ずれ数指定コマンド)のうちのいずれか2つにもとづいて、演出内容を決定してもよい。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を示す演出内容指定コマンド(第1演出内容指定コマンド)を生成する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、生成した第1演出内容指定コマンドを、図柄制御基板80aに対して送信する処理を行う(ステップS1856)。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容指定コマンドとともに、表示結果指定コマンドおよび変動パターンコマンドを図柄制御基板80aに転送または送信する。そして、図柄制御基板80aの図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから受信した演出内容指定コマンド、表示結果指定コマンドおよび変動パターンコマンドにもとづいて、後述する第1図柄制御プロセス処理(ステップS705A参照)において、第1飾り図柄の可変変動および遊技演出を行う。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した演出内容指定コマンドにもとづいて、VDP109に、第1可変表示装置9aを用いた予告演出を行わせる。
なお、ステップS1856において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容指定コマンドを生成するのでなく、決定した演出内容を、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドに付加してもよい。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、コマンドのヘッダ部分に演出内容を示す値を付加することによって、演出内容を変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドに付加する。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、変動パターンコマンドのみのヘッダ部分に演出内容を示す値を付加してもよく、表示結果指定コマンドのみのヘッダ部分に演出内容を示す値を付加してもよい。さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドの両方のヘッダ部分に演出内容を示す値を付加してもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容を付加した変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドを、図柄制御基板80aに対して送信する処理を行ってもよい。なお、予告演出を行わない場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した表示結果指定コマンドを、そのまま図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送することになる。
また、この実施の形態では、ステップS1856で送信テーブルのアドレスがセットされたことにもとづいて、音/ランプ制御メイン処理におけるコマンド制御処理(ステップS790参照)が実行されることによって、演出内容指定コマンドが図柄制御基板80aに送信される。
また、この実施の形態では、ランプ制御実行データを含む音/ランプ制御側プロセスデータが、音/ランプ制御基板80bにおけるROMに格納されている。また、表示制御実行データを含む図柄制御側プロセスデータが、図柄制御基板80aにおけるROMに格納されている。この実施の形態では、ステップS1856において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容に応じて生成した演出内容指定コマンドを図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信する。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した演出内容指定コマンドにもとづいてROMから表示制御実行データを読み出し、読み出した表示制御実行データにもとづいて第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bを用いて演出を行う。
また、ステップS1856で決定した演出内容を変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドに付加する場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(例えば、背景色や登場するキャラクタ)を付加した変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドを、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信してもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドにもとづいてROMから表示制御実行データを読み出し、読み出した表示制御実行データにもとづいて第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bを用いて演出を行ってもよい。
また、表示制御実行データおよびランプ制御実行データの両方を含むプロセスデータが、音/ランプ制御基板80bにおけるROMに格納されていてもよい。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容に応じた表示制御実行データをROMから抽出し、生成した演出内容指定コマンドとともに、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信してもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した表示制御実行データにもとづいて、第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bを用いて演出を行ってもよい。
また、表示制御実行データおよびランプ制御実行データの両方を含むプロセスデータが、音/ランプ制御基板80bにおけるROMに格納する場合に、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容に応じた表示制御実行データをROMから抽出し、決定した演出内容を付加した変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドとともに、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信してもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した表示制御実行データにもとづいて、第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bを用いて演出を行ってもよい。
次に、図柄制御手段の動作を説明する。図31は、図柄制御基板80aに搭載されている図柄制御用マイクロコンピュータ100a(具体的には、図柄制御用CPU101a)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。図柄制御用CPU101aは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また図柄制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、図柄制御用CPU101aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、図柄制御用CPU101aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、図柄制御用CPU101aは、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の図柄制御処理を実行する。
図柄制御処理において、図柄制御用CPU101aは、まず、音/ランプ制御基板80bから受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、図柄制御用CPU101aは、第1図柄制御プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1図柄制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1図柄制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示装置9aの表示制御を実行する。また、第2図柄制御プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2図柄制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2図柄制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示装置9bの表示制御を実行する。さらに、各種乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図32は、図31に示されたメイン処理における第1図柄制御プロセス処理(ステップS705A)を示すフローチャートである。第1図柄制御プロセス処理では、図柄制御用CPU101aは、第2図柄制御プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理に応じた値である場合には、処理を終了する(ステップS811)。そうでない場合には、第1図柄制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2図柄制御プロセス処理(ステップS705B)も、制御対象が第2可変表示装置9bであるという違いはあるが、第1図柄制御プロセス処理と同様に構成される。
第2飾り図柄の変動時間(第2特別図柄の変動時間でもある。)が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、第1飾り図柄の変動が停止して停止図柄が導出表示されることが防止される。なぜなら、大当り図柄が第2飾り図柄の停止図柄として導出表示されるときには第2図柄制御プロセスフラグの値は第2大当り図柄停止処理に応じた値であり(後述するステップS805,S806の処理参照。ステップS805,S806の処理は第1図柄制御プロセス処理における処理であるが、第2図柄制御プロセス処理でも同様の処理が実行される。)、ステップS811の処理によって、ステップS800〜S807の処理(特に、ステップS803の処理)が実行されず、処理が中断されるからである。なお、遊技制御手段の場合と同様に、第2図柄制御プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り遊技中処理のいずれかに応じた値である場合に、ステップS800〜S807の処理を実行しないようにしてもよい。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、音/ランプ制御基板80bから変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、図柄制御用CPU101aが実行するコマンド解析処理で、第1音/ランプ制御側変動パターンコマンドのいずれか(図29に示す変動パターンコマンドのいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターンコマンドを受信した場合には、第1飾り図柄の変動態様(変動期間中の飾り図柄の変動速度や、背景,キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期など)を、それぞれの変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する。なお、それぞれの変動パターンについて、あらかじめ1種類の変動態様が決められている場合には、受信した変動パターンに応じた変動態様を使用することに決定する。そして、図柄制御プロセスフラグの値を第1予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1予告選択処理(ステップS801):例えばキャラクタ画像を用いた予告演出(特別図柄の停止図柄が大当り図柄となること、またはリーチが発生することを事前に報知するための演出)を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を特定する。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bから受信した第1演出内容指定コマンドにもとづいて、第1可変表示装置9aを用いて行う予告演出が特定される。そして、図柄制御プロセスフラグの値を第1全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
なお、この実施の形態では、第1図柄についての予告演出は、第1可変表示装置9aで実行されるが、遊技の興趣をさらに向上させるために、例えば第2可変表示装置9bの表示結果が大当り図柄になることを第1可変表示装置9aでの演出によって予告するようにしてもよい。
第1全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右の飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、図柄制御プロセスフラグの値を第1図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンに応じて決められている変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。変動時間が終了したら、大当りとすることに決定されている場合には、図柄制御プロセスフラグの値を第1大当たり図柄停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。大当りとしないことに決定されている場合には、図柄制御プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS805)に対応した値に更新する。なお、第1図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御も行う。
第1大当り図柄停止処理(ステップS804):飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。そして、図柄制御プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS806)に対応した値に更新する。なお、この処理において、図柄制御用CPU101aは、第1可変表示装置9aに飾り図柄の大当り図柄を停止表示させるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御と同様に、図柄制御プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理である時間を所定時間継続させることが好ましい。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS805):飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。そして、図柄制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。なお、この処理において、図柄制御用CPU101aは、第1可変表示装置9aに飾り図柄のはずれ図柄を停止表示させる。
第1大当り表示処理(ステップS806):大当り表示の制御を行う。そして、図柄制御プロセスフラグの値を第1大当たり遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
第1大当り遊技中処理(ステップS807):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、図柄制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
以上のように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、第2可変表示装置の表示結果を特定表示結果にすると決定したことにもとづいて第2可変表示装置で識別情報の可変表示が実行されているときには、第1可変表示装置の識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないことに決定するように構成されているので、第1可変表示装置において特定表示結果が導出表示されることと、第2可変表示装置において特定表示結果が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができる。
また、CPU56は、そのような制御を、大当り判定の処理(ステップS61,S62,S63)をスキップするだけで実現しているので(図15におけるステップS60参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560のプログラム容量はさほど増大しない。
また、大当り判定の処理をスキップした場合でも、大当り判定の結果はずれに決定された場合でも、同様の処理で変動パターンが決定される(図17におけるステップS103,S104参照)。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560のプログラム容量はさほど増大しない。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、変動パターンを決定する処理を実行するためのプログラムを同じにできるので、すなわち、1つの変動パターンを決定する処理を実行するためのプログラムを用いることができるので、プログラム容量を増大させない。また、大当り判定の処理をスキップした場合と大当り判定の結果はずれに決定された場合とで変動パターンを異ならせると、大当り判定の処理をスキップした場合の変動パターンが現れることによって他方の可変表示装置の表示結果が大当り図柄になることが遊技者に把握される可能性がある。しかし、上記の実施の形態では、そのようなことはない。
また、この実施の形態では、飾り図柄の表示態様をリーチ態様としたあとに大当りとしないと決定された場合に、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、表示結果指定コマンドにもとづいて飾り図柄のずれ数を特定する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、特定したずれ数と変動パターンコマンドに示される基本時間とにもとづいて、飾り図柄の変動時間を特定する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンコマンドの送信後に停止準備コマンドや確定コマンドを送信しなくても、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが飾り図柄の可変表示を実行することができる。そのため、可変表示を実行するためのコマンド数を低減することができる。また、同一の変動パターンコマンドを用いる場合であっても、表示結果に応じて異なった変動時間で可変表示を実行できるので、少ないコマンド数で可変表示のバリエーションを増やすことができる。
また、この実施の形態では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、変動パターンコマンドにもとづいて、演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を独自に決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bによって決定された演出内容に従って、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが第1可変表示装置9aや第2可変表示装置9bを用いて遊技演出を実行する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560が演出内容を決定しなくて済む。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、大当り判定の処理をスキップして第2可変表示装置で識別情報の可変表示が実行されているときには第1可変表示装置の識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないようにしたが、第1可変表示装置の識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にしないようにするための手段は、そのようなものに限られない。例えば、大当り判定の処理を常に実行するが、大当り判定によって大当りと判定された場合に、第2大当りフラグがセットされているときには、判定結果をはずれに変更するようにしてもよい。また、大当り判定の処理を常に実行するが、第2大当りフラグがセットされているときには、大当り判定の処理を実行する前に、乱数バッファに格納されている大当り判定用乱数の値をはずれに相当する値に変更するようにしてもよい。なお、いずれの場合にも、変動パターンを決定する処理を実行するためのプログラムは1つでよく、プログラム容量を増大させない。
さらに、大当り判定の処理をスキップした場合等でも、大当り判定の結果はずれに決定された場合(第2大当りフラグがセットされていないとき、または、第2特別図柄が変動中でないときに大当り判定を行った場合)でも、同様の処理で変動パターンを決定することによって、変動パターンが変更されないようにするのではなく、大当り判定の処理をスキップした場合等と大当り判定の結果はずれに決定された場合とで、変動パターンを異ならせるようにしてもよい。その場合、例えば、大当り判定の処理をスキップした場合等と、大当り判定の結果はずれに決定された場合とで、変動パターンを決定するためのテーブルを異ならせればよい。その場合でも、使用するテーブルが異なるだけで、変動パターンを決定する処理自体は共通化可能である。すなわち、いずれの場合でも、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、変動パターンを決定する処理を実行するためのプログラムを同じにできるので、すなわち、1つの変動パターンを決定する処理を実行するためのプログラムを用いることができるので、プログラム容量を増大させない。また、大当り判定の処理をスキップした場合等と大当り判定の結果はずれに決定された場合とで変動パターンを異ならせる場合には、大当り判定の処理をスキップした場合の変動パターンが現れることによって他方の可変表示装置の表示結果が大当り図柄になることを遊技者に予告できるという効果が生ずる。
なお、この実施の形態では、2つの大入賞口が設けられていたが、大入賞口は1つであってもよい。大入賞口は1つである場合には、いずれの可変表示装置において表示結果が大当り図柄になったときでも、その大入賞口が開放される。また、上記の実施の形態では、2つの可変表示装置(第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9b)を設けたが、1つの可変表示装置を設け、表示領域を第1飾り図柄用の表示領域と第1飾り図柄用の表示領域とに分けてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態を確変状態と通常状態とに分けたが、さらに他の状態が存在してもよい。例えば、この実施の形態では特別状態終了条件が成立すると遊技状態を確変状態から通常状態に移行させたが、特別状態終了条件が成立すると遊技状態を確変状態から時短状態(大当りが発生する確率は通常状態と同じであるが、特別図柄および飾り図柄の平均の変動時間は通常時の平均の変動時間よりも短い、または特別図柄および飾り図柄の変動時間が短い変動パターンがより多く選択される)に移行させる遊技機であっても本発明を適用することができる。すなわち、確変状態で選択される変動パターンと時短状態で選択される変動パターンとが異なる場合に、確変状態において可変表示の表示結果を通常大当りとすることに決定したり確変回数カウンタが0になった場合に、その時点で確変フラグをリセットして時短状態であることを示す時短フラグをセットするが、そのときに実行される可変表示については確変状態で選択される変動パターンを用いるようにして、大当りが発生することを遊技者に悟られないようにすることができる。
また、時短状態の終了条件(時短状態から通常状態にする条件)が通常大当りとすることに決定された場合を含むように構成されている場合に、時短状態から通常状態に移行する場合にも、そのときに実行される可変表示については時短状態で選択される変動パターンを用いるようにして、大当りが発生することを遊技者に悟られないようにすることができる。
また、この実施の形態では、主基板31からの演出制御コマンドを、まず音/ランプ制御基板80bで受信し、さらに音/ランプ制御基板80bから図柄制御基板80aに変動パターンコマンドや演出内容指定コマンドが送出される場合を説明したが、主基板31からの演出制御コマンドを、まず図柄制御基板80aで受信するようにしてもよい。
図33は、中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの他の回路構成例を示すブロック図である。図33に示す回路構成を用いる場合、例えば、図柄制御基板80aが搭載する図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、ステップS1861〜S1872と同様の処理に従って、表示結果指定コマンドにもとづいて、飾り図柄のずれ数を特定し、飾り図柄の変動時間を特定する。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、特定した変動時間に従って、VDP109に第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いた飾り図柄の可変表示を行わせる。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、ステップS1851〜S1856と同様の処理に従って、変動パターンコマンドにもとづいて、演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、決定した演出内容に従って、VDP109に、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いた予告演出を行わせる。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、決定した演出内容を示す演出内容指定コマンドを生成して、音/ランプ制御基板80bに送信するようにしてもよい。そして、音/ランプ制御基板80bが搭載する音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した演出内容指定コマンドに示される演出内容に従って、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行ったり、音出力装置27の音出力制御を行ってもよい。
また、この実施の形態では、各演出手段を別々の制御基板を用いて制御する場合として、音/ランプ制御基板80bと図柄制御基板80aとを用いる場合を説明したが、他の制御基板の組合せを用いて各演出手段を制御してもよい。例えば、音出力装置27を制御する音制御基板と、各ランプを制御するランプ制御基板と、第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bを制御する図柄制御基板とを用いて、各演出手段を制御してもよい。この場合、例えば、主基板31からの演出制御コマンドを、まず音制御基板で受信し、音制御基板が搭載する音制御用マイクロコンピュータが、受信した変動パターンコマンドにもとづいて演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定してもよい。また、音制御用マイクロコンピュータが、表示結果指定コマンドにもとづいて飾り図柄のずれ数を特定し、変動パターンコマンドに示される基本時間と、飾り図柄のずれ数とにもとづいて、飾り図柄の変動時間を特定してもよい。そして、音制御用マイクロコンピュータは、決定した演出内容や変動時間を含むコマンドを生成し(または演出制御コマンドに付加し)、ランプ制御基板や図柄制御基板に送信してもよい。なお、主基板31からの演出制御コマンドを、まずランプ制御基板や図柄制御基板で受信し、ランプ制御基板や図柄制御基板が搭載するマイクロコンピュータが、演出内容を決定したり変動時間を特定してもよい。
また、この実施の形態では、各演出制御基板を別々の制御基板を用いて実現する場合を説明したが、1枚の制御基板を用いて実現してもよい。この場合、例えば、音出力装置27の音出力制御、各ランプの表示制御および第1可変表示装置9aおよび第2可変表示装置9bの表示制御を行う演出制御基板を用いて、各演出手段を制御してもよい。
図34は、各演出制御手段を1枚の制御基板を用いて制御する場合における中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。図34に示す回路構成を用いる場合、例えば、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1861〜S1872と同様の処理に従って、表示結果指定コマンドにもとづいて、飾り図柄のずれ数を特定し、飾り図柄の変動時間を特定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定した変動時間に従って、VDP109に第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いた飾り図柄の可変表示を行わせる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1851〜S1856と同様の処理に従って、変動パターンコマンドにもとづいて、演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した演出内容に従って、VDP109に、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いた予告演出を行わせる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、音/ランプ制御基板80bに表示結果指定コマンドを送信する場合を説明したが、決定した飾り図柄の停止図柄の全ての図柄を指定する表示結果指定コマンドを送信するのでなく、決定した飾り図柄の停止図柄のずれ数を指定する図柄ずれ数指定コマンドを音/ランプ制御基板80bに送信するようにしてもよい。以下、図柄ずれ数指定コマンドを音/ランプ制御基板80bに送信し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、図柄ずれ数指定コマンドおよび変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の変動時間を特定する第2の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、遊技制御手段の動作を説明する。図35は、第2の実施の形態における音/ランプ制御基板80bに送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図35に示す例において、コマンド97XX(H)は、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を指定する演出制御コマンド(図柄ずれ数指定コマンド)である。また、コマンド98XX(H)は、第2飾り図柄の停止図柄のずれ数を指定する演出制御コマンド(図柄ずれ数指定コマンド)である。また、コマンド97XX(H),98XX(H)のEXTデータ「XX」には、それぞれ飾り図柄の停止図柄のずれ数を特定可能な値が指定される。以下、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を指定する演出制御コマンドを第1図柄ずれ数指定コマンドといい、第2飾り図柄の停止図柄のずれ数を指定する演出制御コマンドを第2図柄ずれ数指定コマンドということがある。また、第1図柄ずれ数指定コマンドと第2図柄ずれ数指定コマンドとを、図柄ずれ数指定コマンドと総称することがある。
コマンドA000(H)は、変動パターンコマンドで指定した飾り図柄の可変表示の表示結果を確変図柄とすることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、変動パターンコマンドで指定した飾り図柄の可変表示の表示結果を非確変大当り図柄とすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、変動パターンコマンドで指定した飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。
なお、図35において、コマンド8000(H)〜8013(H)、コマンドA003(H),A004(H)、コマンドBXXX(H)およびコマンドD000(H)は、第1の実施の形態で示したそれらの演出制御コマンドと同様である。
図36は、第2の実施の形態における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。なお、第2変動パターン設定処理のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2変動パターン決定処理が説明されることになる。
図36において、ステップS391a〜S392の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ステップS392で変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットすると、CPU56は、特別図柄停止図柄設定処理においてランダム10−1〜10−3を用いて決定した第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を示す図柄ずれ数指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS393b)。すなわち、この実施の形態では、遊技制御手段は、表示結果指定コマンドを送信するのでなく、図柄ずれ数指定コマンドを音/ランプ制御手段に送信する。また、ステップS393bで送信テーブルのアドレスがセットされたことにもとづいて、タイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28参照)が実行されることによって、演出制御コマンド(第1図柄ずれ数指定コマンド)が音/ランプ制御基板80bに送信される。なお、ステップS393a〜S396の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次に、音/ランプ制御手段の動作を説明する。図37は、第2の実施の形態における音/ランプ制御メイン処理における第1変動パターン決定処理(ステップS784a)を示すフローチャートである。なお、第2変動パターン決定処理(ステップS784b)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2変動パターン決定処理が説明されることになる。
第1変動パターン決定処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した第1図柄ずれ数指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の停止図柄のずれ数を特定する(ステップS1863a)。なお、第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合やリーチを伴わないはずれ図柄である場合、例えば、遊技制御手段から図柄ずれ数「0」を指定する図柄ずれ数指定コマンドが音/ランプ制御手段に送信される。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合やリーチを伴わないはずれ図柄である場合、受信した第1図柄ずれ数指定コマンドにもとづいて、図柄のずれ数を「0」と特定する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、受信した第1変動パターンコマンド(遊技制御側変動パターンコマンド)と、ステップS1863aで特定したはずれ図柄のずれ数とにもとづいて、第1飾り図柄の変動時間を特定する(ステップS1864a)。
なお、ステップS1866〜S1872の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ただし、この実施の形態では、ステップS1869において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から確変大当り指定コマンド(図35に示すコマンドA000(H))を受信したか否かにもとづいて、第1飾り図柄の表示結果が確変図柄であるか否かを確認する。
以上のように、この実施の形態によれば、飾り図柄の可変表示の基本時間を特定可能な変動パターンコマンドと、飾り図柄の停止図柄として決定された図柄のずれ数を特定可能な図柄ずれ数指定コマンドとにもとづいて、変動時間を特定する。そのため、飾り図柄の停止図柄として決定された全ての図柄を特定するための表示結果指定コマンドを送信しなくても、変動パターンコマンドおよび図柄ずれ数指定コマンドさえ送信すれば、音/ランプ制御手段が変動時間を特定できる。従って、遊技制御手段から音/ランプ制御手段へのコマンドの送信回数を低減することができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が飾り図柄の停止図柄を決定し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに表示結果指定コマンドを送信する場合を説明したが、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。以下、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが飾り図柄の停止図柄を決定する第3の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
まず、遊技制御手段の動作を説明する。図38は、第3の実施の形態における音/ランプ制御基板80bに送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図38に示すように、この実施の形態では、第1飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンド91XX(H)〜93XX(H)、および第2飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンド94XX(H)〜96XX(H)が存在しない点で、第1の実施の形態と異なる。
コマンドA000(H)は、変動パターンコマンドで指定した飾り図柄の可変表示の表示結果を確変図柄とすることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、変動パターンコマンドで指定した飾り図柄の可変表示の表示結果を非確変大当り図柄とすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、変動パターンコマンドで指定した飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。
なお、図38において、コマンド8000(H)〜8013(H)、コマンドA003(H),A004(H)、コマンドBXXX(H)およびコマンドD000(H)は、第1の実施の形態で示したそれらの演出制御コマンドと同様である。
図39および図40は、第3の実施の形態における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。なお、第2特別図柄停止図柄設定処理のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄停止図柄設定処理が説明されることになる。
この実施の形態では、図39および図40に示すように、第1特別停止図柄設定処理において、第1飾り図柄の停止図柄の決定処理(ステップS64b,S65b,S82b,S83b参照)が行われない点で、第1の実施の形態と異なる。すなわち、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、飾り図柄の停止図柄の決定を行わない。なお、飾り図柄の停止図柄の決定する処理以外の処理については、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図41は、第3の実施の形態における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。なお、第2変動パターン設定処理のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2変動パターン決定処理が説明されることになる。
この実施の形態では、第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS392a)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動中の表示態様(例えば、キャラクタの種類や表示タイミング、図柄およびキャラクタ以外の可変表示装置における背景の表示の仕方)や変動時間を対応付けた複数の変動パターンを含む変動パターンテーブルをROM54に記憶している。そして、CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に応じて変動パターンテーブルから変動パターンを選択し、第1特別図柄および第2飾り図柄の変動に用いる変動パターンとして決定する。
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS392)。なお、この実施の形態では、CPU56は、第1飾り図柄の表示結果を示す表示結果指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理(ステップS393参照)は行わない。すなわち、この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄を決定する処理は行われないので、CPU56は、表示結果指定コマンドを送信する処理を行わない。
なお、第1変動パターン設定処理のその他の処理(ステップS393a〜S396)は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次に、音/ランプ制御手段の動作を説明する。図42は、第3の実施の形態における音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理において、ステップS781〜S784の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。コマンド解析処理を実行すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1飾り図柄決定処理を行う(ステップS784a)。第1飾り図柄決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1飾り図柄の停止図柄を決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した第1飾り図柄の停止図柄を特定可能なコマンド(飾り図柄指定コマンド)を生成する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2飾り図柄決定処理を行う(ステップS784b)。第2飾り図柄決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第2飾り図柄の停止図柄を決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した第2飾り図柄の停止図柄を特定可能なコマンド(飾り図柄指定コマンド)を生成する。
なお、メイン処理のその他の処理(ステップS786a〜S790)は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図43は、第3の実施の形態における音/ランプ制御処理で用いる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:予告演出を実行するか否かを決定する(予告演出実行決定用)。この実施の形態では、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bにおいてリーチ態様の飾り図柄の可変表示を行う際に、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、例えば、ランダム1があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、予告演出を行うと決定する。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、リーチ態様の可変表示を行うか否かに関わらず、ランダム1を用いて予告演出を行うか否かを決定してもよい。
(2)ランダム2:予告演出を行う場合に、第1可変表示装置9aまたは第2可変表示装置9bを用いて行う予告演出の種類を決定する(予告演出種類決定用)
(3)ランダム3:飾り図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4−1〜4−3(ランダム4):飾り図柄の左中右のはずれ図柄決定用(飾り図柄左中右)
(5)ランダム5:大当りを発生させる飾り図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
図44は、図42に示された第1飾り図柄決定処理(ステップS784a)を示すフローチャートである。なお、第2飾り図柄決定処理(ステップS784b)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2飾り図柄決定処理が説明されることになる。
第1飾り図柄決定処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1880)。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、第1変動パターンコマンド受信フラグをリセットするとともに、大当り指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1881)。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄および飾り図柄を大当り図柄とすると決定すると、大当り指定コマンド(図38に示す確変大当り指定コマンドA000(H)または通常大当り指定コマンドA001(H)を、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理のコマンド解析処理(ステップS784参照)で、大当り指定コマンドを受信したことにもとづいて、大当り指定コマンド受信フラグをセットする。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1881で大当り指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り指定コマンドを受信しているか否かを確認する。
大当り指定コマンド受信フラグがセットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、大当り指定コマンド受信フラグをリセットする。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数バッファ領域から飾り図柄大当り図柄決定用乱数(ランダム5)を読み出し、飾り図柄大当り図柄決定用乱数にもとづいて、第1飾り図柄の大当り図柄を決定する(ステップS1882)。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、はずれ指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1883)。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄および飾り図柄をはずれ図柄とすると決定すると、はずれ指定コマンド(図38に示すはずれ指定コマンドA002(H)または強制はずれ指定コマンドA003(H),A004(H)を、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理のコマンド解析処理(ステップS784参照)で、はずれ指定コマンドを受信したことにもとづいて、はずれ指定コマンド受信フラグをセットする。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1883ではずれ指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560からはずれ指定コマンドを受信しているか否かを確認する。
はずれ指定コマンド受信フラグがセットされていれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、はずれ指定コマンド受信フラグをリセットする。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数バッファ領域から飾り図柄はずれ図柄決定用乱数(ランダム4)を読み出し、飾り図柄はずれ図柄決定用乱数にもとづいて、第1飾り図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS1884)。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ステップS1882,S1884で決定した第1飾り図柄の停止図柄を特定可能な値を含む飾り図柄指定コマンド(第1飾り図柄指定コマンド)を生成する。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、生成した第1飾り図柄指定コマンドを、図柄制御基板80aに対して送信する処理を行う(ステップS1885)。なお、図柄制御基板80aに搭載された図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから受信した第1飾り図柄指定コマンドにもとづいて、第1図柄制御プロセス処理(ステップS705A)において、第1可変表示装置9aを用いて第1飾り図柄の停止図柄を表示する。
以上のように、この実施の形態では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bに表示させる飾り図柄を独自に決定し、決定した飾り図柄を特定可能な飾り図柄指定コマンドを図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bに表示させる飾り図柄を決定しなくて済む。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、上記の各実施の形態では、大当り遊技の終了後に確変状態の終了条件が成立した場合に確変フラグをリセットしたが、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するときに確変フラグをリセットするようにしてもよい。すなわち、下記(1)のように構成してもよい。
(1)遊技状態が通常遊技状態(例えば、確変状態ではない状態である通常状態)であるときに比べて識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となりやすい特別遊技状態(例えば、確変状態)への移行条件(例えば、大当り図柄として確変図柄が決定されたこと)が成立すると、遊技状態を通常遊技状態から特別遊技状態に移行させる遊技機であって、第1事前決定手段により特定表示結果のうちの特別表示結果とすることが決定されたときに(例えば、ステップS83で決定した大当り図柄が確変図柄であるとき)、遊技状態が特別遊技状態であることを示す状態データ(例えば、確変フラグ)を記憶手段にセットし、所定の特別遊技状態の終了条件が成立したとき(例えば、確変状態において100回目の変動が実行されるとき)に識別情報の可変表示の開始時に状態データをリセットする特別遊技状態制御手段を備えていてもよい。そのような構成によれば、第1事前決定手段により特定表示結果のうちの特別表示結果とすることが決定されたときに、遊技状態が特別遊技状態であることを示す状態データを記憶手段にセットし、所定の特別遊技状態の終了条件が成立したときに識別情報の可変表示の開始時に状態データをリセットするように構成されているので、遊技状態を変更する必要が生じたときに、直ちに遊技状態を示す状態データのセットまたはリセットすることによって遊技状態の開始および終了を制御することになって、変更された遊技状態を他方の可変表示装置に関する遊技制御に直ちに反映させることができ、その結果、公平な遊技機を提供することができる。
さらに、下記のように構成されていてもよい。
(2)通常遊技状態における識別情報の可変表示の可変表示態様と特別遊技状態における識別情報の可変表示の可変表示態様とを異ならせる遊技機であって(図8参照)、所定の特別遊技状態の終了条件が成立したときに開始される識別情報の可変表示の表示態様を、特別遊技状態における識別情報の可変表示の可変表示態様に決定する可変表示態様決定手段を備えていてもよい。そのような構成によれば、所定の特別遊技状態の終了条件が成立したときに開始される識別情報の可変表示の表示態様を、特別遊技状態における識別情報の可変表示の可変表示態様に決定するので、所定の特別遊技状態の終了条件の成立と識別情報の可変表示の表示態様とを整合させることができる。