JP4849341B2 - フラットパネルディスプレイ用のガラス基板 - Google Patents

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板に係り、特に、表面側から裏面側に貫通して気体流通が可能な排気孔を有する当該ディスプレイ用のガラス基板に関する。
周知のように、フラットパネルディスプレイの一種であるプラズマディスプレイ(PDP)は、可視光を透過させる電極が形成された前面板としてのガラス基板と、電極及びリブ更には蛍光体が形成された背面板としてのガラス基板とを、空間を介在させて対向配置してなる。そして、この両板間の空間に電圧を印加することによりプラズマ放電を生じさせ、これに伴って発生する紫外線により背面板の蛍光体を発光させて画像を表示するように構成されている。この場合、プラズマ放電を生じさせるには、前面板と背面板との相互間の空間にXeやAr等のガスを封入する必要があることから、背面板には、空気を排気して当該ガスを充填するための直径数mm程度の排気孔が少なくとも一箇所に形成されるのが通例である。
また、フラットパネルディスプレイの他の例としてのフィールドエミッションディスプレイ(FED)は、電極や蛍光体が形成された前面板としてのガラス基板と、電極及び電子源が形成された背面板としてのガラス基板とを、空間を介在させて対向配置してなる。そして、この両板間の空間に電圧を印加することにより、電子源から放出された電子を蛍光体に衝突させ、これにより蛍光体を発光させて画像を表示するように構成されている。この場合にも、前面板と背面板との相互間の空間を高真空にする必要があることから、背面板には、PDP用のものと同様にして排気孔が形成される。
上述のPDP用及びFED用のガラス基板に対して電極等を形成するに際しては、焼成や乾燥等を行うべくガラス基板を加熱及び冷却する熱処理工程が実行されるが、この熱処理工程において、ガラス基板に微小クラックや微小傷が存在していると、加熱時または冷却時に発生する熱応力により微小クラック等の存在部位に応力集中が生じ、ガラス基板が破損するという事態を招き得る。
詳述すると、ガラス基板が加熱処理または冷却処理を受けると、当該ガラス基板の表面からの熱伝導に起因して、そのガラス基板の厚み方向に温度差が生じると共に、その温度差に起因してガラス基板の内部に歪みが生じ、これによりガラス基板の表面付近に引張応力が発生する。その場合、ガラス基板の表面に相当程度の大きさの微小クラック等が存在していると、それを引き裂くように引張応力が作用して、その微小クラック等の奥底部に応力が集中するため、当該微小クラック等が拡大してガラス基板を破損に至らしめる。
従って、PDP及びFEDの製造工程では、ガラス基板に透明電極を形成したり或いは蛍光体を形成する際に、加熱や冷却による熱処理が原因となって、ガラス基板の破損の発生を余儀なくされていた。そして、このようなガラス基板の破損は、ガラス基板のうちの背面板の排気孔を起点として発生している確率が高いのが実情である。
この種の問題に対処するものとして、下記の特許文献1には、PDP用のガラス基板(背面板)に形成された排気孔の開口縁に面取り加工を施すことが開示されている。すなわち、同文献に開示の対策は、排気孔を起点とするガラス基板の破損が、排気孔の開口縁に存在する微小な欠け等に起因するものであるとの推認から、面取り加工によって排気孔の開口縁における欠け等の存在部位を切除して、ガラス基板の熱処理工程における破損の発生確率を低減させようとするものである。
特開2000−311616号公報
ところで、本発明者等は、上述のように面取り加工を施す対策の採用を試みたが、その結果としては、PDP及びFEDの製造工程でガラス基板の破損が幾分かは減少したものの、依然として排気孔を起点とする破損の発生を招いているのが実情であり、その発生確率は無視し得ない極めて高いものとなっていることを確認した。
これと関連して、本発明者等は、排気孔を起点とするガラス基板の破損は、排気孔の開口縁部の性状に主たる原因があるのではなく、開口縁部以外の排気孔の内周面の面性状に大きく由来していることを知得した。そして、ガラス基板への排気孔の穿設加工は、ドリルによって行われるのが通例であることから、排気孔のドリルにより研磨された内周面には、微小クラックや微小傷が存在している。従って、既述のように、ガラス基板に破損が発生するのは、熱処理工程での熱応力に起因して当該ガラス基板に存在する微小クラックや微小傷に応力集中が生じることに依拠することを勘案すれば、排気孔の内周面に存在する微小クラックや微小傷が、排気孔を起点とするガラス基板の破損を引き起していることをも知得した。
そこで、排気孔の内周面に存在している微小クラック等と、排気孔を起点とするガラス基板の破損との関連性を的確に把握して、当該ガラス基板の破損の発生確率を可及的に低減するには、排気孔の内周面の面性状を正確に評価した上で適正化する必要がある。それにも拘わらず、従来においては、その面性状を適切に評価するための具体的手段については、最適なものが見出されていないのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑み、PDP用やFED用に代表されるフラットパネルディスプレイ用のガラス基板に形成される排気孔の内周面の面性状を好適に評価した上で適正化して、熱処理工程を実行する際における排気孔を起点とするガラス基板の破損の発生確率を可及的に低減させることを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意努力を重ねた結果、ガラス基板に形成された排気孔の内周面に存在する微小クラックや微小傷に、熱応力が集中しないようにするには、第1に、排気孔の内周面の面性状を、算術平均粗さRaで評価して設定することが必要不可欠であることを見出し、これを試みた。しかし、算術平均粗さRaを相当程度と思われる値に十分小さく設定しても、排気孔を起点とするガラス基板の破損の発生確率を適切に低減させることができなかった。これは、脆性材料からなるガラス基板に排気孔が形成されていること等に起因して、その内周面には比較的深い微小クラック等が存在しているにも拘わらず、その内周面を全体的に捉えた場合には面性状が比較的平滑であり、破損を引き起こす程度の比較的深い微小クラック等が、算術平均粗さRaの値に直接的な影響を及ぼさないことに由来しているものと想到するに至った。
このような事項を勘案して検討した結果、本発明者等は、算術平均粗さRaを、当該面性状の評価設定に使用しつつも、その算術平均粗さRaのみでは当該面性状の評価設定に不足していると考えられる要素を補うことができる具体的手段を案出するに至った。
以上のような思案経過を経て、上記技術的課題を解決するために創案された本発明は、表面側から裏面側に貫通して気体流通が可能な排気孔を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板であって、前記排気孔の内周面は、算術平均粗さRaが0.5μm以下であり且つ突出谷部深さRvkが1μm以下であることに特徴づけられる。ここで、上記の「算術平均粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠し、また上記の「突出谷部深さRvk」は、JIS B0671:2002に準拠しており、何れも、カットオフ値λc=0.25mm、カットオフ比λc/λs=100の条件で測定している。尚、上記の「排気孔の内周面」には、排気孔の開口縁部に面取り加工が施されている場合においてはその面取り加工が施されている部分も含まれる。
このような構成によれば、排気孔の内周面における面性状の評価設定要素として、算術平均粗さRaに加えて、突出谷部深さRvkが使用される。このように、当該面性状の評価設定要素として突出谷部深さRvkを使用する理由は、一般的には突出谷部深さRvkはプラトー構造表面の特性評価に用いるパラメータであり、ガラス基板の排気孔の内周面における面性状が、そのプラトー構造表面の性状に類似していることを、本発明者等が知見したことに由来するものである。加えて、このRvkの値が大きい場合には、排気孔を起点とする破損に至らしめるような鋭く且つ深い谷部(微小クラックや微小傷)が多いのに対して、このRvkの値が小さい場合には、そのような破損に至らしめるような谷部が少ないものと、本発明者等が判断したことにも由来するものである。
そして、排気孔の内周面における算術平均粗さRaが0.5μm以下で且つ突出谷部深さRvkが1μm以下であれば、排気孔を起点とするガラス基板の破損の発生確率が極めて低くなる。換言すれば、算術平均粗さRaと突出谷部深さRvkとの両値が、上記の数値範囲内にある場合に限って、当該破損の発生確率が極めて小さくなるのであって、何れか一方の値でも上記の数値範囲を逸脱すればこのような利点を得ることができない。これは、排気孔の内周面に微小クラックや微小傷が存在し、それらに熱応力が集中するような事態となっても、排気孔の内周面における算術平均粗さRaと突出谷部深さRvkとの両値が上記の数値範囲内にあれば、その微小クラック等が伸展する程度の応力集中には至らないことから、ガラス基板の破損を阻止できるものと考えられることによる。このような観点から、算術平均粗さRaは0.3μm以下であることがより好ましく、また突出谷部深さRvkは0.7μm以下であることがより好ましい。
この場合において、前記排気孔は、ガラス基板の表面側からのドリルの進入と、裏面側からのドリルの進入とによって形成されたものであれば、より効果的である。
このようにすれば、排気孔の内周面は、その孔中心線に沿う方向の全領域または一部領域がドリルにより2回に亘って研磨を受けることになり、その領域の面性状が既述のプラトー構造表面の性状により類似することになると考えられる。従って、突出谷部深さRvkを排気孔の内周面における面性状を決めるパラメータとすることについて、より大きな意義があると考えられる。尚、ガラス基板に対する1回目のドリルの進入は、表面側または裏面側の何れか一方側からガラス基板にその板厚の1/2以上(好ましくは2/3以上)であって且つ非貫通の孔が形成されるように行わせ、2回目のドリルの進入は、ガラス基板の他方側から上記非貫通の孔と中心線を一致させ且つ該孔の内周面全域を再研磨するように行わせることが好ましい。
また、前記排気孔の直径は、0.5mm以上で且つ5mm以下であることが好ましい。
このようにすれば、ガラス基板の機械的強度を低下させることなく、排気孔を介して排気等の作業を容易且つ円滑に進行することが可能となる。すなわち、排気孔の直径が5mmを超えると、ガラス基板自体の機械的強度や熱的強度が低下するおそれがある。一方、排気孔の直径が0.5mm未満であると、排気孔から単位時間当たりに排気可能な気体量が低下するため、排気作業の作業効率の悪化を招くおそれがある。したがって、排気孔の直径が上記の数値範囲にあれば、このような不具合が好適に回避される。
なお、ガラス基板の板厚は、3mm以下とすることが好ましい。

すなわち、上述のように排気孔の内周面の面性状を規定することにより、近年においてフラットパネルディスプレイ用のガラス基板において推進されている薄板化の要請にも的確に応じつつ、ガラス基板の破損の発生確率を大幅に低減することができる。
そして、以上の構成を備えたガラス基板は、プラズマディスプレイ用やフィールドエミッションディスプレイ用のガラス基板として使用すれば、上述の有用な利点を的確に得ることができる。
以上のように本発明によれば、PDP用やFED用に代表されるフラットパネルディスプレイ用のガラス基板における排気孔の内周面の面性状が、算術平均粗さRaと突出谷部深さRvkとからなる最適な評価設定要素を用いて適正化されることから、この種のパネルを製造する上で必要不可欠となる焼成工程や乾燥工程などの熱処理工程において、排気孔を起点とするガラス基板の破損の発生確率を的確に低減させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネル用のガラス基板の全体構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、このフラットパネルディスプレイ(PDPまたはFED)用のガラス基板1は、板厚が0.5mm〜5mmであって、表面側から裏面側に貫通して気体の流通が可能な排気孔2が形成されている。この排気孔2は、直径が0.5mm〜5mmであって、ガラス基板1の側辺から2mm〜50mmの範囲に設けられる。なお、図示例では、排気孔2がガラス基板1のコーナー部の一箇所に形成されているが、その形成部位や個数はこれに限定されるわけではない。
そして、排気孔2の内周面の面性状は、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる焼成工程や乾燥工程などの熱処理工程において、排気孔2を起点とするガラス基板1の破損の有無を左右するため、その算術平均粗さRaが0.5μm以下で且つ突出谷部深さRvkが1μm以下に設定されている。このように、排気孔2の内周面の面性状を設定すれば、その内周面が、不当に深い微小クラックや微小傷のない平滑面となり、熱処理工程において破損原因にならない程度の面性状となる。
なお、排気孔2の開口縁部には、面取り加工を施してもよいが、作業の簡素化の観点から面取り加工を施さなくてもよい。すなわち、面取り加工を施さない場合であっても、排気孔の内周面を、上記数値範囲の面性状に設定すれば実用上問題とはならない。
上記の排気孔2は、図2(a),(b)に示すドリル3を用いてガラス基板1の所定位置を穿孔することにより形成される。このドリル3は、先端が半球状とされた円柱状本体3aの外表面に、所定の粒子径を有するダイヤモンド砥粒をメタルボンドにより付着させてなると共に、円柱状本体3aの180°隔てた部位に、断面V字状で且つ軸心と平行に延びる溝3xが形成されている。
具体的な穿孔作業は、水平姿勢に保持されたガラス基板1の上面側及び下面側に、上記構成からなるドリル3を対向させて配設し、上面側に存するドリル3によりガラス基板1の中間位置(板厚の4/5程度の位置)まで穿孔し、然る後、下面側に存するドリル3によりガラス基板1を穿孔することによって、ガラス基板1の厚み方向に貫通した排気孔2が形成される。更に、穿孔作業に際しては、ドリルの回転数を大きくすると共に、ドリル3のガラス基板1に対する進行速度を遅くすることが肝要である。具体的には、例えば、ドリル3の回転数は1000rpm〜50000rpmの範囲内、その進行速度は0.1mm/s〜5mm/sの範囲内にそれぞれ設定される。
以上のように、本実施形態に係るフラットパネルディスプレイ用のガラス基板1によれば、その排気孔2の内周面の面性状が、算術平均粗さRaと突出谷部深さRvkとを評価要素として適正化されることから、フラットパネルディスプレイを製造する上で必要不可欠となる焼成工程や乾燥工程などの熱処理工程において、排気孔2を起点としてガラス基板1に割れやひび等の破損が生じる確率を的確に低減させることが可能となる。
本発明の実施例1〜3として、排気孔の内周面の算術平均粗さRaが0.5μm以下で且つ突出谷部深さRvkが1μm以下の範囲内にあるPDP用のガラス基板をそれぞれ510枚作製し、比較例1〜4として、排気孔の内周面の算術平均粗さRa及び突出谷部深さRvkの何れか一方の値または両者の値が上記の数値範囲を逸脱したPDP用のガラス基板をそれぞれ510枚作製した。具体的には、表1に示すように、本発明の実施例1は、排気孔の内周面について、Raが0.3μm、Rvkが0.5μm、実施例2は、Raが0.5μm、Rvkが0.7μm、実施例3は、Raが0.5μm、Rvkが1.0μmであり、また比較例1は、Raが1.0μm、Rvkが1.0μm、比較例2は、Raが0.5μm、Rvkが1.2μm、比較例3は、Raが1.0μm、Rvkが0.5μm、比較例4は、Raが1.0μm、Rvkが0.7μmである。
以上の本発明の実施例1〜3及び比較例1〜4に係るガラス基板は、以下に示す条件で製作し且つ測定を行った。すなわち、縦100mm、横100mm、厚さ1.8mmのPDP用のガラス基板を、各実施例及び各比較例についてそれぞれ510枚用意し、図2に示すドリルを用いて各ガラス基板の略中央部に貫通孔(排気孔)を形成した。この場合のドリルによる孔形成手法は、水平姿勢に保持したガラス基板の上面側から1本目のドリルを進入させて、略1.5mmの深さに穿孔した後、そのドリルを後退させてガラス基板から抜き出し、然る後、下面側から2本目のドリルをガラス基板の上記穿孔箇所と同一箇所に進入させて貫通孔を形成することにより行った。そして、この場合にガラス基板の両面側から進入するドリルの回転速度は、各実施例及び各比較例の全てについて同一とし、Rvkについては、ドリルの進入速度を各実施例及び各比較例で異ならせて研磨時間を変えることを主たる要因として調整し、Raについては、ドリルのダイヤモンド砥粒の平均粒子径を異ならせることを主たる要因として調整した。
このようして貫通孔が形成された各実施例及び各比較例に係るガラス基板のうち、それぞれの10枚のガラス基板については割断により貫通孔の内周面を露出させ、その内周面の算術平均粗さRa及び突出谷部深さRvkを、株式会社東京精密製のサーフコム1400で測定し、その平均値を算出した。この場合の測定条件は、カットオフ値λc=0.25mm、カットオフ比λc/λs=100、触針子先端の径2μm、測定速度0.03mm/秒、フィルタはガウシアン、評価長さは厚み方向両端部を除く1.4mmとした。また、それぞれの残り500枚のガラス基板については、電気炉で160℃まで加熱した後、20℃の水を貫通孔に掛けて急冷するサーマルショックテストを行い、貫通孔を起点とするガラス基板の破損状況を観察した。この場合、ガラス基板の破損枚数が10枚以下であれば、破損の発生確率が従来に比して十分に低減され、実用に耐え得るものになっていると判断することができる。更に、サーマルショックテストが完了したガラス基板のうち、破損したガラス基板について、その厚み方向における破損の発生位置(ガラス基板の両面から破損起点部までの短い方の位置)を測定した。以上の結果を表1に示す。
Figure 0004849341
表1から明らかなように、ガラス基板に形成した貫通孔(排気孔)の内周面について、算術平均粗さRaが0.5μm以下であり、且つ突出谷部深さRvkが1.0μm以下であれば、熱応力に対して実用に供する強度を維持することができ、貫通孔を起点とするガラス基板の破損の発生確率が、従来に比して十分に低減されていることを把握できる。更に、算術平均粗さRaが0.5μm以下であっても、突出谷部深さRvkが1μmを超えると、ガラス基板の破損の発生確率が高く、また突出谷部深さRvkが1μm以下であっても、算術平均粗さRaが0.5μmを超えると、ガラス基板の破損の発生確率が高くなることを把握できる。従って、Ra値とRvk値との両値がそれぞれ0.5μm以下及び1.0μm以下である場合に限り、ガラス基板の破損の発生確率を十分に低減できるのであって、何れか一方のみの値が上記数値範囲内にあっても、ガラス基板の破損の発生確率を低減できるものではないことを認識できる。尚、表1によれば、算術平均粗さRaは0.3μm以下であることがより好ましく、また突出谷部深さRvkは0.7μm以下、更には0.5μm以下であることがより好ましいことも把握できる。
上記の実施例においては、ガラス基板の両面から進入する2本のドリルのうち、先行する1本面のドリルのダイヤモンド砥粒の平均粒子径よりも、2本目のドリルのそれの方が細径であれば、算術平均粗さRaの値を小さくする上で有利となる。また、2本のドリルによるそれぞれの研磨時間を長くすれば、突出谷部深さRvkの値を小さくする上で有利となる。
本発明の実施形態に係るフラットパネルディスプレイ用のガラス基板を模式的に示す斜視図である。 図2(a)は、前記ガラス基板に排気孔を形成する際に使用されるドリルの概略側面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。
符号の説明
1 フラットパネルディスプレイ用のガラス基板
2 排気孔
3 ドリル

Claims (5)

  1. 表面側から裏面側に貫通して気体流通が可能な排気孔を有するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板であって、
    前記排気孔の内周面は、算術平均粗さRaが0.5μm以下であり且つ突出谷部深さRvkが1μm以下であることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  2. 前記排気孔は、ガラス基板の表面側からのドリルの進入と、裏面側からのドリルの進入とによって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  3. 前記排気孔の直径が、0.5mm以上で且つ5mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  4. 前記ガラス基板が、プラズマディスプレイ用であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  5. 前記ガラス基板が、フィールドエミッションディスプレイ用であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
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