JP4848142B2 - 膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープの凍結乾燥組成物 - Google Patents
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Description
(1)膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープと、蛋白質水解物、ロイシン、L-アルギニン酸および多糖類からなる群より選択される一つ以上の安定化剤と、を含有する凍結乾燥組成物。
(2)膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープが、パラミクソウイルス科、オルトミクソウイルス科、ヘルペスウイルス科、ヘパドナウイルス科、またはフラビウイルス科のウイルスの不活性化ウイルスエンベロープである上記(1)に記載の凍結乾燥組成物。
(3)安定化剤が、蛋白質水解物及び多糖類である、上記(1)又は(2)に記載の凍結乾燥組成物。
(4)(1)膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープ懸濁液と安定化剤とを混合する工程、および(2)(1)の工程により得られた混合物を凍結乾燥する工程、を含む工程により調製される上記(1)〜(3)のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
(5)(1)の工程により得られた混合物における不活性化ウイルスエンベロープの濃度がOD0.1〜7.0である上記(4)に記載の凍結乾燥組成物。
(6)(1)の工程により得られた混合物における蛋白質水解物、ロイシン又はL-アルギニン酸の濃度が0.1〜2.5%である上記(4)または(5)に記載の凍結乾燥組成物。
(7)(1)の工程により得られた混合物における多糖類の濃度が0.05〜0.5%である上記(4)〜(6)のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
(8)(1)の工程により得られた混合物の塩濃度が3mM以下である上記(4)〜(7)のいずれかに記載の凍結乾燥組成物。
(9)細胞または生体組織へ外来物質を導入する方法であって、
1)外来物質と水とを含有する混合物を用いて、膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープを含有する凍結乾燥組成物を再水和する工程と、
2)前記1)の工程により得られる組成物を細胞または生体組織と接触させる工程と、を含む外来物質導入方法。
(10)凍結乾燥組成物が、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の凍結乾燥組成物である、上記(9)に記載の外来物質導入方法。
(11)細胞融合の方法であって、
a)膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープを含有する凍結乾燥組成物を再水和する工程と、
b)前記a)の工程により得られる組成物を融合の対象となる細胞の懸濁液と混合する工程と、を含む細胞融合方法。
(12)凍結乾燥組成物が上記(1)〜(8)のいずれかに記載の凍結乾燥組成物である、上記(11)に記載の細胞融合方法。
望ましくは、前記蛋白質水解物及び前記多糖類の併用、前記アミノ酸及び前記多糖類の併用であり、より望ましくは前記蛋白質水解物及び前記多糖類の併用であり、具体的には、ポリペプトンまたはバクトペプトンにさらにメチルセルロースを併用するものである。
(A)膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープ及び安定化剤として、蛋白質水解物、ロイシン、L-アルギニン酸および多糖類からなる群より選択される一つ以上のものを含有する外来物質導入のための凍結乾燥組成物であって、
(1)該不活性化ウイルスエンベロープ懸濁液と該安定化剤とを混合する工程、および
(2)得られた混合物を凍結乾燥する工程、を含む工程により調製される凍結乾燥組成物。
(B)前記(A)(1)の工程において調製される不活性化ウイルスエンベロープと安定化剤の混合物を、不活性化ウイルスエンベロープの濃度がOD0.1〜7.0であり、蛋白質水解物の濃度が0.1%〜2.5%となるように調製する(A)に記載の凍結乾燥組成物。
(C)前記(A)(1)の工程において調製される不活性化ウイルスエンベロープと安定化剤の混合物を、不活性化ウイルスエンベロープの濃度がOD0.1〜7.0であり、多糖類の濃度が0.05%〜0.5%となるように調製される前記(A)に記載の凍結乾燥組成物。
(D)前記(A)(1)の工程において調製される不活性化ウイルスエンベロープと安定化剤の混合物を、不活性化ウイルスエンベロープの濃度がOD0.1〜7.0であり、蛋白質水解物の濃度が0.1%〜2.5%であり、多糖類の濃度が0.05%〜0.5%となるように調製される前記(A)に記載の凍結乾燥組成物。
(E)前記(1)の工程の不活性化ウイルスエンベロープ懸濁液の塩濃度が3mM以下である前記(A)〜(D)のいずれか一つに記載の凍結乾燥組成物。
本発明において細胞融合の際の対象細胞の濃度は、1×104個/ml〜1×1010個/mlであり、好ましくは1×106個/ml〜1×108個/mlである。また、Ca濃度は、0.1〜10mMであり、好ましくは1〜5mMである。
不活性化HVJエンベロープとして、GenomOne(登録商標、石原産業社製)120μl(OD:0.25 総量:6000HAU)を取り、バイアルに移し、10,000rpm、30分間遠心し、上清を除去した。洗浄のため、得られた沈殿物を蒸留水40μlで懸濁した後、再度10,000rpm、30分間遠心し、上清を除去した。洗浄された該沈殿物に、60μlの0.2%ポリペプトン/蒸留水溶液(これを添加し、沈殿物を懸濁させたものを試料1とする。以下同様)、0.2%マンニトール/蒸留水溶液(試料2)、0.2%メチルセルロース/蒸留水溶液(試料3)、または0.2%トレハロース/蒸留水溶液(試料4)をそれぞれ添加し、懸濁した後、液体窒素中で急速凍結した。
これらの試料1から4の凍結物を、真空度0.1mmHg以下、トラップ温度−70℃以下の条件下、−15℃に設定したクールバスに浸して温度調整した真空デシケーター内で5時間凍結乾燥を行なった。クールバスの設定温度を4℃に昇温し、更に1時間二次乾燥を行った後、真空チャンバー内に乾燥窒素を導入して真空破壊し、密栓し、試料の凍結乾燥組成物を得た。
メチルセルロース或いはトレハロースを添加せず、凍結乾燥を実施すると、おそらく静電気を帯びたと思われる粉立ちが発生し、バイアルでの密栓時或いは開封時に凍結乾燥物が飛散するため、取扱操作を慎重に行う必要があった。メチルセルロース或いはトレハロースを添加すると、この粉立ちが抑制された。
実施例1と同様の方法で、GenomOne(登録商標、石原産業社製)120μl(OD:0.25 総量:6000HAU)の沈殿物を得た。この沈殿物に、以下それぞれに60μlの、0.5%ポリペプトン蒸留水溶液(これを添加し、懸濁したものを試料5とする。以下同様)、0.1%のメチルセルロースを含む0.5%ポリペプトン蒸留水溶液(試料6)、1.0%ポリペプトン蒸留水溶液(試料7)、1.5%ポリペプトン蒸留水溶液(試料8)、2.5%ポリペプトン蒸留水溶液(試料9)を添加し、懸濁した後、液体窒素中で急速凍結した。以後は実施例1と同様の方法で試料5から9の凍結乾燥組成物を得た。
実施例1と同様の方法で、GenomOne(登録商標、石原産業(株)製)120μl(OD:0.25 総量:6000HAU)の沈殿物を得た。 この沈殿物に、以下それぞれに60μlの、0.1%のメチルセルロースを含む1.0%ポリペプトン蒸留水溶液(これを添加し、懸濁したものを試料10とする。以下同様)、1.0%バクトペプトン蒸留水溶液(試料11)、1.0%バクトトリプトン蒸留水溶液(試料12)、1.0%カゼイン酸加水分解物蒸留水溶液(試料13)、0.3%L−ロイシン蒸留水溶液(試料14)、1.0%β−アラニン蒸留水溶液(試料15)、0.3%L−アルギニン一塩酸塩蒸留水溶液(試料16)、1.0%L−アスパラギン酸蒸留水溶液(試料17)を添加し、懸濁した後、液体窒素中で急速凍結した。以後は実施例1と同様の方法で試料10から17の凍結乾燥組成物を得た。
改良型ホタルルシフェラーゼ蛋白質をコードするpGL3−CONTROL VECTOR(Promega社)プラスミドDNAをHindIII,XbaIで切断し、電気泳動(1%アガロース)し、ルシフェラーゼを含む断片をGel−M Gel Extraction System(VIOGENE社)で精製した。CMVプロモーターを含むpcDNA3.1(+)ベクター(Invitrogene社)も同じ手順で切断、精製しCMVプロモーター領域を含む断片を得た。両断片をDNA Ligation Kit(TaKaRa社)でライゲーション、大腸菌(DH5α)に形質転換(45℃、45分)し、CMVプロモーター制御でルシフェラーゼを発現できるpCMV−GL3プラスミドDNAを含むアンピシリン耐性菌を選抜した。
得られた選抜菌をLB培地(アンピシリン含)で培養し、培養液をEndoFree Plasmid Giga Kit(QIAGEN社)で精製、TE緩衝液に溶解しpCMV−GL3/TE溶液とした。
前記実施例1〜3で得られた試料1〜試料17の各凍結乾燥組成物に緩衝液(PBS(−))120μlを加えて分散した。これらの液20μlをそれぞれエッペンドルフチューブに取り、10,000rpm、5分遠心した。上清を除去し、沈殿物をPBS(−)5μlで懸濁した後、4μg/μl濃度のpGL3/TE溶液5μlを加えた。2%トライトンX−100/PBS(−)溶液1μlを加え、10,000rpm、5分間遠心した。上清を除去し、沈殿物をPBS(−)15μlで懸濁した後、10mg/ml濃度の硫酸プロタミン/PBS(−)溶液2.5μlを加え混合した。この溶液8μlをHeLa S3細胞(24ウェルディッシュ、6×104細胞/ディッシュ、0.5ml DMEM、10%FCS)の培地に添加し、37℃、5%CO2にて24時間培養した。
培養後に、培地を除去し、PBS(−)100μlを加え、ルシフェラーゼアッセイキットLuclite(Perkin Elmer社)のLyophilized Substrate Solution 100μlを加えて細胞を溶解し、蛍光/発光/吸光マルチファンクションリーダーGENios(TECAN社)でルシフェラーゼ活性(発光強度)を測定した。 試験結果は、表1に示す。
不活性化HVJウイルスエンベロープは、WO03/014338の実施例1の(1)、及び実施例7の(1)〜(4)に準ずる方法で得られた緩衝液交換後の不活性化HVJエンベロープ懸濁液を使用した。手短には、受精鶏卵を用いて増殖させたHVJをβ−プロピオラクトンで処理することにより不活性化したのち、前処理工程(フィルター濾過)、濃縮工程を経て、次いでカラムクロマトグラフィー(Q Sepharose FF)で得られた不活性化HVJエンベロープのカラム分画10Lをタンジェンシャルフローフィルター(TFF)モジュールを用いて100mlまで濃縮した。濃縮液100mlに緩衝液(20mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM NaCl、1mM MgCl2)100mlを添加し、更に100mlまで濃縮した。更にこの操作(緩衝液交換)を2回行った。
緩衝液交換後の不活性化HVJエンベロープ液に滅菌水を加えて500mlに希釈した後、更にTFFモジュールで100mlまで濃縮した。滅菌水で希釈〜TFF濃縮を5回繰り返した後、60mlまで濃縮した。この濃縮液に、別途調製し滅菌した4.0%のポリペプトンと0.4%のメチルセルロースを含む水溶液25mlを加えた。この安定化剤を含む不活性化HVJエンベロープ懸濁液の濃度は、OD 0.6であった。 また、この濃縮により、緩衝液濃度は、0.03mM以下になる。1.5ml容スクリューキャップチューブに65μlずつ分注し、液体窒素で急速凍結した。凍結した不活性化HVJエンベロープ懸濁液を、真空度0.1mmHg以下、トラップ温度−70℃以下の条件下、−15℃に設定した真空チャンバー内で15時間凍結乾燥を行なった。真空チャンバーの設定温度を4℃に昇温し、更に1時間二次乾燥を行った後、真空チャンバー内に乾燥窒素を導入して真空破壊し、密栓した。
実施例6で得られた不活性化HVJエンベロープの凍結乾燥組成物(凍結乾燥品)に、実施例4に記載の方法で調製した4μg/μl濃度のpCMV−GL3/TE溶液30μl、1μg/μl濃度のpGL3/TE溶液120μl、あるいは0.25μg/μl濃度のpGL3/TE溶液480μlで分散し、5分間氷上に静置した。緩衝液(PBS(−))450μl、あるいは360μlを加えて総量を480μlとし、10mg/ml濃度の硫酸プロタミン/PBS(−)溶液15μlを加え混合した。この溶液40μlをCHO−K1細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞、ATCC NO.CCL−61、大日本製薬より購入)を培養した24ウェルプレート(2.5×104細胞/ウェル、Ham's F12+10%FCS 0.5ml/ウェル、37℃、5%CO2で一夜培養)の培地に添加し、37℃、5%CO2にて24時間培養した。
培地を除去し、PBS(+)125μlを加え、ルシフェラーゼアッセイキットLuclite(Perkin Elmer社)のSubstrate Solution 125μlを加えて細胞を溶解し、溶解液50μlのルシフェラーゼ活性(発光強度)をMICROPLATE SCINTILLATION & LUMINESCENCE COUNTERトップカウント(PACKARD社)で測定した。
比較として従来技術により製造、界面活性剤を用いる従来方法で調製した不活性化HVJエンベロープベクターを用いた実験を実施した。WO03/013348の実施例1の(1)及び実施例7の(1)〜(5)に記載の方法で得られた凍結された不活性化HVJエンベロープ懸濁液40μl(実施例6で得られた凍結乾燥品の1/3の不活性化HVJエンベロープ量に相当)を1.5mL容マイクロチューブに取り(従来品とよぶ)、10,000G、5分遠心した。上清を除去し、沈殿物をPBS(−)10μlで懸濁した後、4μg/μl濃度のpCMV−GL3/TE溶液10μlを加えた。2%トライトンX−100/PBS(−)溶液2μlを加え、10,000G、5分遠心した。上清を除去し、沈殿物をPBS(−)30μlで懸濁した後、10mg/ml濃度の硫酸プロタミン/PBS(−)溶液5μlを加え混合した。この溶液8μlをCHO−K1細胞の培地に添加し、24時間培養後、同じ手順でルシフェラーゼ活性を測定した。
結果を表2に示した(全て3ウェルの測定値の平均である)。本発明の凍結乾燥組成物(表2で凍結乾燥品とした)は外来遺伝子の溶液で分散するだけで、従来技術により製造した不活性化HVJエンベロープに界面活性剤を用いて外来遺伝子を封入したとき(表2では従来品とした)の凡そ10倍の導入活性を示した。
不活性化ウイルスエンベロープは、WO03/014338の実施例1の(1)、及び実施例7の(1)〜(4)に準ずる方法で得られた緩衝液交換後の不活性化HVJエンベロープ懸濁液を使用した。手短には、受精鶏卵を用いて増殖させたHVJをβ−プロピオラクトンで処理することにより不活性化したのち、前処理工程(フィルター濾過)、濃縮工程を経て、次いでカラムクロマトグラフィー(Q Sepharose FF)で得られた不活性化HVJエンベロープのカラム分画5Lをタンジェンシャルフローフィルター(TFF)モジュールを用いて200mlまで濃縮した。濃縮液200mlに緩衝液(20mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM NaCl、1mM MgCl2)200mlを添加し、更に200mlまで濃縮した。更にこの操作(緩衝液交換)を2回行い、フィルター(Millipore MILLIPAK 200、0.45μm)で濾過した。
緩衝液交換後の不活性化HVJエンベロープ液に滅菌水を加えて600mlに希釈した後、更にTFFモジュールで200mlまで濃縮した。滅菌水で希釈〜TFF濃縮を8回回繰り返した後、100mlまで濃縮した。この濃縮液に、別途調製し滅菌した5.0%のポリペプトンと0.5%のメチルセルロースを含む水溶液26mlを加えた。この不活性化HVJエンベロープ懸濁液の濃度は、OD 0.6であった。 また、この濃縮により、緩衝液濃度は、0.03mM以下になる。1.5ml容スクリューキャップチューブに210μlずつ分注し、液体窒素で急速凍結した。凍結不活性化HVJエンベロープ懸濁液を、真空度0.1mmHg以下、トラップ温度−70℃以下の条件下、−5℃に設定した真空チャンバー内で15時間凍結乾燥を行なった。真空チャンバーの設定温度を5℃に昇温し、更に1時間二次乾燥を行った後、真空チャンバー内に乾燥窒素を導入して真空破壊し、密栓した。
不活性化HVJエンベロープ懸濁液として、前記実施例8と同様にして得られた本発明の凍結乾燥組成物と、比較例として前記WO03/013348の実施例1に記載の方法と同様にして得られた凍結された不活性化HVJエンベロープとを用いて両者の細胞融合活性を測定した。細胞融合活性の測定は、K.Hiraokaらの方法(The Journal of Immunology、173巻、4297〜4307頁)を参考に行った。即ち、蛍光染色用キットPKH26(SIGMA、No.PKH−26−GL、赤色蛍光)又はPKH67(SIGMA、No.PKH−67−GL、緑色蛍光)にて、それぞれ染色したシリアンハムスター仔腎由来細胞株BHK−21(大日本製薬より購入)を細胞融合用緩衝液[10mM Tris−HCL(pH7.5)、137mM NaCl、5.5mM KCl、2mM CaCl2]用いて8×106個/mlに調製した。それぞれの色素で染色された細胞懸濁液を25μLずつ取り、2mL用マイクロチューブ内で混合した。この混合液中に、緩衝液(PBS(−))にて所定の濃度(OD560nm)に調製した不活性化HVJエンベロープ懸濁液3μLを添加し、氷上で5分間静置した後、37℃恒温槽内で15分間(途中、5分間隔でタッピング)融合処理を行った。引続き、氷冷した1%BSA含有PBS(+)緩衝液300μLを添加し、フローサイトメーター(ベクトンディッキンソン製FACSCaliburTM)にて、赤色および緑色蛍光の両陽性を示す細胞の割合を測定した。バックグランドを測定するため、不活性エンベロープ懸濁液に替えて緩衝液(PBS(−))のみを添加すること以外は処理区と同様に操作した対照区について、同様に測定し、各処理区の測定値を補正した。尚、融合効率は、以下の式により算出した。
融合効率(%)=
(処理区の赤色および緑色蛍光の両陽性の細胞数)/(処理区の全細胞数)×100−(対照区の赤色および緑色蛍光の両陽性の細胞数)/(対照区の全細胞数)×100
結果を表3に示した(本発明の凍結乾燥組成物、比較例とも異なる2ロットの測定値の平均である)。比較例に比し、本発明の凍結乾燥組成物による処理区では、高い融合効率が見られた。
Claims (8)
- (1)タンジェンシャルフローフィルター(TFF)モジュールで透析濃縮した膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープ懸濁液と安定化剤とを混合する工程、および(2)(1)の工程により得られた混合物を凍結乾燥する工程、を含む工程により調製され、(1)の工程の混合物中の緩衝液の塩濃度が0.03mM以下であって、膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープと、蛋白質水解物、ロイシン、L-アルギニン酸および多糖類からなる群より選択される一つ以上の安定化剤と、を含有する凍結乾燥組成物。
- 膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープが、パラミクソウイルス科、オルトミクソウイルス科、ヘルペスウイルス科、ヘパドナウイルス科、またはフラビウイルス科のウイルスの不活性化ウイルスエンベロープである、請求項1に記載の凍結乾燥組成物。
- 安定化剤が、蛋白質水解物及び多糖類である、請求項1又は2に記載の凍結乾燥組成物。
- (1)の工程により得られた混合物における不活性化ウイルスエンベロープの濃度が558nmにおけるOD0.1〜7.0である請求項1に記載の凍結乾燥組成物。
- 細胞または生体組織へ外来物質を導入する方法であって、
(1)外来物質と水とを含有する混合物を用いて、請求項1〜4のいずれかに記載の凍結乾燥組成物を再水和する工程と、
(2)前記(1)の工程により得られる組成物を細胞または生体組織と接触させる工程と、を含む外来物質導入方法(但し、人体に適用する場合を除く)。 - 細胞融合の方法であって、
a)請求項1〜4のいずれかに記載の凍結乾燥組成物を再水和する工程と、
b)前記a)の工程により得られる組成物を融合の対象となる細胞の懸濁液と混合する工程と、を含む細胞融合方法(但し、人体に適用する場合を除く)。 - タンジェンシャルフローフィルター(TFF)モジュールで透析濃縮をした膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープと、蛋白質水解物、ロイシン、L-アルギニン酸および多糖類からなる群より選択される一つ以上の安定化剤と、を含有する凍結乾燥組成物を製造する方法であって、
(1)膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープ懸濁液と安定化剤とを混合する工程、および
(2)(1)の工程により得られた混合物を凍結乾燥する工程、を含み、
(1)の工程の混合物中の緩衝液の塩濃度が0.03mM以下である、凍結乾燥組成物の製造方法。 - 膜融合活性のある不活性化ウイルスエンベロープが、タンジェンシャルフローフィルター(TFF)モジュールで透析濃縮を繰り返したものである請求項1に記載の凍結乾燥組成物。
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