JP4847729B2 - 流動性改質剤及びこれを含む紙塗工液並びに塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、新規かつ改良された流動性改質剤、及びこれを含む紙塗工液、並びにこれを塗工した塗工紙に関し、特に詳しくは、B型粘度が低く、ハイシェア(HS)粘度が高く、さらにすぐれた流動性付与特性を有し、しかも良好な保水性付与特性を有する流動性改質剤、及びこれを含む紙塗工液、並びにこれを塗工した塗工紙に関する。
一般に、印刷用紙には、平滑性、光沢性、印刷適性等を改善する目的から、その表面に所定の紙塗工液が塗工される。この紙塗工液は、通常、クレー、重質炭酸カルシウム等の白色顔料と、ラテックス、澱粉等のバインダーとを水に分散させたスラリーとして調整され、これを適当な濃度に希釈し用いられる。実際の操業においては、該紙塗工液は、調整タンクから紙塗工機に供給された後、高速走行中の紙基材の表面上に連続的に塗工されるが、塗布された紙塗工液のうち、余剰分はブレード等の塗工ヘッドで除去される。
従って、紙基材上には薄膜状の塗工液からなる層が形成されるため、その後に乾燥することによって所望とする薄膜の塗工層が紙基材の表面上に形成された塗工紙を得ることができる。
また、紙基材から除去された余剰の塗工液は調整タンクに戻され、新たな紙塗工液と混合されて再使用に供されるのが一般的である。
近年、塗工紙の生産性向上の目的から、塗工の高速化が要求され、その1つとして紙基材の表面上への塗工液の高速塗工化が望まれている。
また、用途によって種々の顔料が使用され、使用される顔料によっては塗工操業性が大きく変化してくる。特に焼成クレイやプラスチックピグメント等、極端に流動性が乏しい顔料を使用する紙塗工液はそのレオロジーの影響で塗工が困難となり、また、ロールコーター等の塗工方式が異なると要求される流動性も変わり、適切なレオロジーが紙塗工液に求められてくる。このような塗工方式では通常のブレードコーター塗工とは反対に低せん断速度下においては粘度が低く、高せん断速度下では適度な粘度を有することが求められることがある。そのような場合にはO/W型の流動性改質剤では目的が達成できない。
同様に焼成クレイやプラスチックピグメント等の流動性の悪い顔料ではやはり塗工性能が落ち、通常のO/W型の流動性改質剤においては塗工性能を向上させることはできない。
更に紙塗工液は、充分な保水性を有するものであることが要求される。保水性が不充分である場合には、塗工液中の水分が紙基材へと急激に浸透、移行し易くなるため、紙基材上に形成された薄膜状の塗工液からなる層のうちの紙基材と接触する部分において濃度上昇が引き起こされる場合があり、得られる塗工紙に品質上の欠陥を生じたり、操業上の不具合を生じたりするという問題がある。
上記の問題を解決するため、従来の紙塗工液は、適度な保水力を保ちながらHS粘度を低く抑えることで対応してきた。しかし、ロールコーター等では塗工量が着きにくくなり、塗料の付着量が上がらないという問題を有する。さらに焼成クレイやプラスチックピグメント等の配合塗料では極端に保水力が低く、かつ、流動性が悪いため低濃度での塗工が行われている。そのため、同様に塗料の付着量が上がらず、塗工紙の品質や塗工操業性に問題を生じる。
具体的には、例えば、顔料、接着剤及びアクリルアミド類−不飽和カルボン酸共重合体からなる組成物を含有する紙塗工液(特許文献1参照)、(a)エチレン性不飽和カルボン酸(塩)、(b)(メタ)アクリロニトリル及び(c)その他の共重合可能な単量体の共重合体からなる紙塗被塗料用バインダー(特許文献2参照)等が提案されている。
しかしながら、特許文献1の紙塗工組成物では、B型粘度が高い上、ハイシェア粘度は低く、保水性を持たせることは困難であり、特にハイシェア粘度アップには限界がある。そのためロールコーター等では粘性の低い塗工カラーに対しては着量アップも困難である。
また、特許文献2の紙塗被塗料用バインダーを紙塗工液に用いた場合には、特許文献1と同じような問題があり、また本文献はバインダーに関するものであり、本発明のようにハイシェア粘度を上げるものではなく、本発明と本質的に異なるものである。
特開昭53−74117号公報 特開2001−279158号公報
本発明は、B型粘度が低く、ハイシェア粘度が高く、良好な流動性を付与することができ、しかも保水性付与特性にも優れた流動性改質剤、及びこの流動性改質剤を含む塗工の高速化が可能な紙塗工液を提供することを目的とする。
また本発明は、この紙塗工液を適用した嵩高で平滑性の高い、良好な品質を有する塗工紙を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のような効果を有する流動性改質剤、特に紙塗工液について鋭意検討した結果、これには上記したような特定のアクリル系共重合体のW/O型エマルジョンが有用であることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明の上記課題は、下記[1]、[2]により達成される。
[1]少なくとも顔料及びバインダーを含む混合原料に対して、流動性改質剤を添加してなる紙塗工液であって、該流動性改質剤が、下記式(1)で示され重量平均分子量が4.0×10 〜5.0×10 であるアクリル系共重合体のW/O型エマルジョンからなる流動性改質剤であることを特徴とする、紙塗工液。
Figure 0004847729

(式中、m、nはそれぞれ正の整数を表わし、mとnの比率は95:5〜50:50である。)
]紙基材に、前記第[]項に記載の紙塗工液を塗工したことを特徴とする塗工紙。

本発明の流動性改質剤は、低いB型粘度、高いハイシェア粘度、さらにすぐれた流動性付与特性を有し、しかも優れた保水性を付与することができる。
また、本発明の紙塗工液は、上記流動性改質剤を含有することにより、B型粘度が低く、ハイシェア粘度が高く、かつ、流動性および保水性に優れたものである。
そして、本発明の紙塗工液を用いることによって、塗工の高速化が達成でき、塗工紙の生産性が向上すると共に、得られた塗工紙は嵩高で平滑性に優れた高品質のものである。
(流動性改質剤)
本発明の流動性改質剤は、下記式(1)で示されるアクリル系共重合体のW/O型エマルジョンからなるものである。
Figure 0004847729
(式中、m、nはそれぞれ正の整数を表わす。)
上記アクリル系共重合体の構造は、ランダム、ブロック等いずれでもよい。
上記アクリル系共重合体のmとnの比率は、95:5〜50:50が好ましい。これは、m、nが上記範囲外では、目的とするW/O型エマルジョンが得られ難く、B型粘度、ハイシェア粘度、流動性、保水性も、目的とするものに達成することが容易でない。
また、該アクリル系共重合体の重量平均分子量は、4.0×10〜5.0×10の範囲のものである。これは、重量平均分子量が4.0×10より低いと、ハイシェア粘度が低くなるという問題があり、逆に5.0×10より高いとB型粘度が高くなるという不利がみられる。
該アクリル系共重合体の好ましい重量平均分子量は、8.0×10〜3.0×10である。
本発明の流動性改質剤における重要な特徴の1つはアクリル系共重合体をW/O型エマルジョンの形とすることである。
このW/O型エマルジョンの製造は、例えば有機溶剤に、活性剤を室温にて添加し均一混合した後、これに水に溶解させたアクリル酸ナトリウムとアクリルアミドとを加えプレエマルジョンを合成し、次にこのプレエマルジョンの一部に重合開始剤の一部を加え温度50〜55℃に維持し、数分間ないし数10分間攪拌する。ついでこのプレエマルジョンを攪拌下、温度60℃未満に維持しつつ残りのプレエマルジョンと残りの重合開始剤を少量ずつ連続的に添加し、その後80℃付近まで加熱し、その状態で約30分間熟成することにより合成することができる。固形分としては20〜60質量%である。
本発明では、W/O型エマルジョンとすることが重要であり、これがO/W型の場合には、前記したような効果を得ることができない。
本発明において使用する有機溶剤としては、具体的にはトルエン、キシレン、鉱物油、ケロシン、イソパラフィン等を挙げることができる。
また、活性剤としては、具体的にはソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、アルキロースアミド系界面活性剤等を挙げることができる。
さらに、重合開始剤としては、具体的にはアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等を挙げることができる。
(紙塗工液)
本発明に係る流動性改質剤を紙塗工液に適用するに際しては、少なくとも顔料及びバインダーを含む混合原料に対して、該流動性改質剤を添加すればよく、また必要に応じてその他の添加剤等の各種成分を含有させてもよい。
これらの成分は、通常、紙塗工液に用いられている中から任意に選択使用でき、特に制限はない。
本発明の流動性改質剤の使用量は、顔料100質量部当り0.005〜1.0質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量部、さらに好ましくは0.05〜0.3質量部である。
顔料としては、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、白土、レーキ、合成樹脂顔料から選択される1種もしくは2種以上が使用できる。
また、バインダーとしては、スチレン−ブタジエン系共重合体、酢酸ビニル−ブタジエン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系共重合体、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、イソブテン−無水マレイン酸系共重合体、アクリル酸−メチルメタクリレート系共重合体、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、カゼイン、大豆蛋白等から選択される1種もしくは2種以上が使用できる。
本発明の紙塗工液には、本発明の目的、効果が損なわれない範囲で、必要に応じて分散剤、増粘剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等の添加剤、改質剤等の通常、紙塗工液に用いられているものを適宜、配合添加してもよく、分散剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、アクリル酸−マレイン酸系共重合体のナトリウム塩等を挙げることができる。
(紙塗工液の特性)
本発明の紙塗工液は、添加剤として、前記したW/O型エマルジョンからなる流動性改質剤を配合しているため、保水性、流動性が向上している。
この保水性は、加圧脱水法によって測定した脱水量(加圧脱水量)の値に基づき評価することができる。
具体的には、リテンションメーターAA−GWA(カルテック・サイエンティフッィク社製)等を使用し、紙塗工液10ml、圧力150kPa、加圧時間15秒、温度20℃の条件でろ紙に対する紙塗工液の脱水量(加圧脱水量(g/m))を測定し、その測定値が小さいほど保水性が良好であると評価することができる。脱水量は用いる顔料、バインダーによって大きく異なり最適な数値を一義的に決めることはできない。
また、ハイシェア(HS)条件下における紙塗工液の流動性は、HS粘度の測定値に基づき、評価することができる。
具体的には、ハイシェア(HS)粘度計を使用し、2200rpmの回転数で、20℃におけるHS粘度(mPa・S)を測定する。一般的にはその測定値が小さいほど流動性が高いと評価することができるが、本発明のものはHS粘度が高くても流動性が良い状態に維持できる。
本発明の紙塗工液においては、HS粘度は25mPa・S以上が好ましい。特に感熱紙や感圧紙用塗工紙を得るために用いられる場合には、HS粘度は高いことが好ましいが、余り高いとストリーク、スクラッチ等の欠陥が生じやすくなるという問題もあり、該HS粘度は40mPa・S以下であることが好ましい。
一方、紙塗工液の粘性は、B型粘度計の測定値に基づき評価することができ、具体的には、TAPPI基準T648 Su−72に従って、60rpmの回転で、20℃におけるB型粘度(mPa・S)を測定し、その測定値が大きいほど粘性が高いと評価することができる。
本発明の紙塗工液においては、B型粘度(60rpm)が、低いことが好ましい。
本発明の前記特定の流動性改質剤を配合してなる紙塗工液はB型粘度が低く、ハイシェア粘度が高いという流動特性を有するものであるが、B型粘度が低いということは高速塗工が可能であることを意味し、またハイシェア粘度が高いということは紙基材に対する着量がアップし結果的に良好な品質の塗工紙が得られることを意味し、紙基材への紙塗工液の塗布において操業性及び塗工紙の品質の両面で好ましいものである。
本発明の紙塗工液を適用してなる塗工紙は、紙基材の少なくとも片面に、上記紙塗工液を塗工することにより得ることができる。
ここで得られる塗工紙は、保水性と流動性が維持され、高速塗工可能な紙塗工液(本発明の流動性改質剤含有)を用いてなるものであり、ストリーク、スクラッチ等の欠陥が生じることなく、白紙光沢、印刷光沢、ドライ及びウェットピック表面強度、耐ブリスター性、平滑性、インク受理性、網点再現性等にすぐれ、良好な表面特性を有する塗工紙である。
本発明の塗工紙を構成する紙基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、上質紙、中質紙、板紙等を挙げることができる。また、紙塗工液の塗工とは、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター等を用いる通常の方法により、紙基材の片面または両面に紙塗工液を薄膜状に塗布した後に乾燥処理して、所定の固形分付着量の塗工層を形成する操作をいう。形成される塗工層の固形分付着量は特に限定されないが2〜30g/mであることが好ましい。特に本発明においては、感熱紙や感圧紙といった特殊紙用に好適に用いることができる。
以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各物性は下記のようにして測定したものである。
なお、「部」は「質量部」を示す。
[B型粘度]
TAPPI基準T648 Su−72に従って、6rpm及び60rpmの回転数で、20℃におけるB型粘度(mPa・s)を測定した。
[HS粘度]
ハイシェア粘度計(日本精機(株)製)を使用し、2200rpmの回転で、20℃におけるハイシェア粘度(mPa・s)を測定した。
[加圧脱水量(保水性)]
加圧脱水法に従い、リテンションメーター AA−GWR(カルテック・サイエンティフィック(Kaltec Scientific)社製)を使用し、紙塗工液10ml、圧力150kPa、加圧時間15秒、温度20℃の各条件で濾紙に対する紙塗工液の脱水量(加圧脱水量(g/m))を測定した。
なお、加圧脱水量の測定値が小さいほど保水性が良好であることを示す。
(本発明の流動性改質剤のW/O型エマルジョンの合成)
室温下で、内容積300ccのフラスコに、鉱物油(製品名:アイソパー、エクソン化学(株)製、一般化学名:イソパラフィン系炭化水素)76.13部と活性剤(アミゾールODE3.0部、アデカトールDB−1080、5.46部、ソルゲン40、5.41部)を仕込み、均一に混合し窒素置換した。
この混合物に、水に溶解させたアクリル酸ナトリウムとアクリルアミド(アクリル酸ナトリウム43.44部、アクリルアミド76.65部、水90部)を添加、攪拌しプレエマルジョンを合成した。
このプレエマルジョン生成物の1/5量を窒素雰囲気下、内容積500ccの反応容器に入れ、これに重合開始剤の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル0.01部を添加し、温度50〜55℃、回転数100rpmで10分間攪拌した。
次に、プレエマルジョン生成物の4/5量と重合開始剤の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル0.03部を温度50〜55℃、攪拌下(300rpm)にて少量ずつ連続的に2時間を要して添加した。
系内の温度を60℃未満(58℃)に維持し、30分間攪拌した後、80℃まで昇温し、30分間熟成を行なった。
このようにして得られた反応生成物は、前記した式(1)で示されるアクリル系共重合体(重量平均分子量1.5×10、m=70、n=30)のW/O型エマルジョンであることを極限粘度測定、およびアニオン要求量、およびIRにより確認した。
実施例1〜2
クレー70部、重質炭酸カルシウム30部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10部(固形分)、リン酸化デンプン1部、分散剤(ソマール(株)製、製品名SDA−40K)0.1部(固形分)を混合し、全体の固形分が約62質量%になるように水を加えたのち、これに上記で合成したアクリル系共重合体のW/O型エマルジョンよりなる流動性改質剤を0.04部(固形分)、または0.08部(固形分)となるように加え均一に混合することにより、塗工液を調製した。
これらの塗工液の物性を表1に示す。
比較例1〜2
実施例1において、W/O型エマルジョンの代りに、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(モル比60:40、重量平均分子量2,500,000)のO/W型エマルジョンを表1に示すような量を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗工液を調製した。これらの塗工液の物性を表1に示す。
比較例3〜4
実施例1において、W/O型エマルジョンの代りに、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(モル比50:50、重量平均分子量3,000,000)のO/W型エマルジョンを表1に示すような量を用いた以外は、実施例1と同様にして、塗工液を調製した。これらの塗工液の物性を表1に示す。
比較例5〜6
実施例1において、W/O型エマルジョンの代りに、水で希釈することにより転相し水溶液に変えた以外は、実施例1と同様にして、塗工液を調製した。これらの塗工液の物性を表1に示す。
Figure 0004847729
表2に各実施例及び比較例の紙塗工液の処方についてまとめて示す。
Figure 0004847729

上記処方の固形分:約62質量%
これに流動性改質剤を添加
流動性改質剤の添加量(部):
顔料(クレーと重炭酸カルシウム)100部に対する固形分量
表1に示すように、流動性改質剤を同じ量用いた実施例2と比較例1、3との対比により、本発明の流動性改質剤を用いた紙塗工液は、比較例1、3のそれに比べてB型粘度が低く、HS粘度が高いという流動性に優れていることが分かる。また実施例2における流動性改質剤の使用量を半分にした実施例1においても、その優れた流動性は十分に保持されていることが分かる。さらにHS粘度を高くするための流動性改質剤の量を比較例1、3の2倍用いた比較例2、4はB型粘度が著しく上昇してしまい、HS粘度も高くなるものの不十分であった。さらに、実施例1、2で用いた流動性改質剤を転相した水溶液からなる流動性改質剤を用いた比較例5、6の紙塗工液は、B型粘度は低くなるが、HS粘度においては高くなるものの満足し得るものではなかった。
このことから、本発明の流動性改質剤は少量においても紙基材に塗工液を塗布する際にはロールコーターでの塗工において本発明の紙塗工液を用いることによって、塗工の高速化が達成でき、塗工紙の生産性が向上すると共に、得られた塗工紙は嵩高で平滑性に優れた高品質のものであることが分かる。

Claims (2)

  1. 少なくとも顔料及びバインダーを含む混合原料に対して、流動性改質剤を添加してなる紙塗工液であって、該流動性改質剤が、下記式(1)で示され重量平均分子量が4.0×10 〜5.0×10 であるアクリル系共重合体のW/O型エマルジョンからなる流動性改質剤であることを特徴とする、紙塗工液。
    Figure 0004847729
    (式中、m、nはそれぞれ正の整数を表わし、mとnの比率は95:5〜50:50である。)
  2. 紙基材に、請求項に記載の紙塗工液を塗工したことを特徴とする塗工紙。
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