JP4847078B2 - 厚肉光透過性樹脂板の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の好適な態様の1つは、(4)上記工程−iiおよび工程−iiiにおいて、樹脂に加える圧力は10〜35MPaの範囲であり、その加圧時間は成形品の肉厚をt(mm)としたとき、0.7t2〜2t2(秒)の範囲とする上記構成(1)〜(3)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(5)上記樹脂板を得るための成形品は、その1つの側面のみにゲートを有していることを特徴とする上記構成(1)〜(4)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(7)上記樹脂板は、その全光線透過率が15%以上であり、ヘーズが0.1〜20%の範囲である上記構成(1)〜(6)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(8)上記熱可塑性樹脂は、粘度平均分子量が13,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂である上記構成(1)〜(7)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(9)上記樹脂板は、輸送機用の樹脂製窓ガラス成形品である上記構成(1)〜(8)の製造方法である。
<工程−i>
(金型の中間型締め状態)
上述のとおり、本発明において可動側金型は、射出工程内において中間型締め状態と最終型締め状態との差である圧縮ストローク分だけ余分に開かれた中間型締め状態にある。ここで射出工程とは、溶融樹脂が製品に相当する金型キャビティ内へ充填されてから、該キャビティへの充填される樹脂の供給が完了するまでの工程をいう。本発明において可動側金型は、かかる射出工程の間に、最終型締め状態から圧縮ストローク分だけ後退した中間型締め状態にある。かかる可動側金型の後退は、予め余分に開かれた状態で金型キャビティ内に樹脂が充填される方法によってもよく、金型キャビティ内に充填された樹脂の圧力によって後退させる方法であってもよい。前者の方法による工程−i、即ち、予め圧縮ストローク分だけ余分に開かれ、金型同士が中間型締め状態に型締めされた金型キャビティ内へ溶融した熱可塑性樹脂を射出する工程が、工程−iとしてより好ましい。かかる工程は、圧縮ストロークおよび金型の平行度の精密な制御を可能とする。
溶融樹脂の充填はいかなる方式であってもよいが、インライン・スクリュー方式が装置の効率上最も好ましい。尚、本発明の射出成形は流動射出成形(Flow−Moulding)と称される充填方法を含む。本発明のゲートシールは機械的シールであることが好ましい。かかる機械的シールは、成形機のノズルであっても、金型内であってもよい。金型内の機械的シールとしては、バルブゲート型のホットランナー、およびゲート付近の金型駒をスライドさせてゲートシールおよびゲートカットするスライド駒などが例示される。またバルブゲートはピン構造が好ましい。成形機ノズルの機械的シールは、バルブピンやロータリーバルブなどの構造が好ましい。例えばDFCノズルと称される成形機ノズルの利用が可能である。
y’≦ 0.0004(x’)2+0.0002x’ (1)
(但し、y’は金型のキャビティ表面におけるJIS B0610に規定するろ波うねり曲線の平均振幅Wa’を表し、その単位はμmであり、x’は金型のキャビティ表面のろ波うねり曲線の平均波長WSm’を表し、その単位はmmである。)
(金型の最終型締め状態)
樹脂充填後の最終型締めは、閉鎖されたキャビティ中で行うことも、一部開放されたキャビティ中で行うこともできる。閉鎖されたキャビティとは、樹脂の流動する余地のない閉ざされた状態のキャビティをいう。かかるキャビティは、ホットランナーのバルブの閉鎖、および完全なゲートシールにより達成される。更にシリンダー側から付加する樹脂圧力と圧縮圧力との平衡が維持された状態が含まれる。一方、一部開放されたキャビティでは、樹脂の流動する余地がある開放されたキャビティをいう。例えば、オープンノズルで樹脂が大きくフローバックされる場合や、捨てキャビが設けられて樹脂が圧縮によって流入する場合などがある。成形品の品質を安定化させるためより好ましいのは閉鎖されたキャビティにおいて圧縮を行う方法である。
また樹脂への圧縮は、通常これらの可動側金型と樹脂とが直接に接触することにより行われるが、流体の如きの圧力伝達媒体がこれらの間に介在して行われてもよい。
本発明では、中間型締め状態から最終型締め状態への可動側金型の圧縮動作は、樹脂の供給完了以前に開始されてもよい。圧縮動作と樹脂の射出供給とが同時に行われている期間(tO(秒))は、通常オーバーラップ時間と称される。本発明の樹脂板は厚肉であることから、長いオーバーラップ時間は利点が少ない。オーバーラップ時間は好ましくは2秒以下、より好ましくは1秒以下である。
(圧縮時の圧力)
金型キャビティ内の樹脂に加える圧力は好ましくは10〜35MPaの範囲である。かかる圧力とすることにより、変形がなく高外観で、低歪み性の成形品が達成される。上記の圧力が10MPa未満では溶融樹脂の圧縮が不十分となり、樹脂板表面に面精度が不十分となりやすい。一方、35MPaを超える場合圧力は、成形品中の歪みを大きくしやすい。上記の圧力は15MPa以上が好ましく、18MPa以上が更に好ましい。上記の圧力は30MPa以下が好ましく、27MPa以下が更に好ましい。尚、かかる圧力は、型締め力を成形品の投影面積で除して算出される値である。
金型キャビティ内の溶融樹脂は、最終型締め状態後も取り出し可能になるまでの間、所定の加圧がなされ、樹脂板を得るための成形品に形成される。かかる加圧の適正な保持時間は、成形品の厚みに依存し厚みが厚くなるほど適正な時間は長くなる。かかる保持時間は、基本的に樹脂の厚みの2乗に比例する。本発明において好適な時間は、上述のとおり、成形品の肉厚をt(mm)としたとき、0.7t2〜2t2(秒)の範囲である。かかる時間はより好ましくは0.75t2〜1.95t2(秒)の範囲であり、最も好ましくは0.8t2〜1.9t2(秒)の範囲である。
上述のとおり、本発明の上記工程−i〜工程−iiiは、固定側金型と可動側金型との間の平行度が平行度制御手段を用いて制御されることが好ましい。本発明の製造方法では、上述のとおり、固定側金型と可動側金型を完全に型締めしない中間型締め状態において樹脂が金型キャビティ内に充填されることから、これら金型間の平行は、内部の樹脂圧力や金型自重などの影響で容易に崩れてしまう。特に本発明の樹脂板は厚肉であり比較的長い時間圧縮をする必要があることから、最終的な平行からのずれが大きくなりやすい。かかる理由によって、上記の如く固定側金型と可動側金型との間の平行度が平行度制御手段を用いて制御されることが好ましい。またかかる平行度の制御によって固定側金型と移動側金型との間のかじりの防止も達成される。かかるかじりの防止は、特に大型の樹脂板を製造する場合に必要とされる。
平行度の基準は、その成形で採用された平行度制御の基準に基づくが、好ましくは次の2点のいずれかが採用され得る。
本発明の平行度制御手段は、従来公知のものが使用可能であるが、本発明の好適な態様は、構成−a:金型取付け盤に配設された複数の型締め機構の伸縮を調整することにより平行度を制御する手段、または構成−b:型締め機構による型締め力に対抗して矯正力を金型の取付け面に対して付与する複数の矯正力付与機構の伸縮を調整することにより平行度を制御する手段である。
(成形品の取り出し)
キャビティ内の成形品は、キャビティ内から取り出し可能な温度となるまで冷却後、取り出される。取り出しのため型開きする際には、所定の中間位置まで上記の平行制御がなされる。かかる中間位置は通常上記の中間型締め位置である。荷重たわみ温度以下であれば取り出しが可能といえるが、樹脂板の自重によりたわみが生ずる場合があるため、取り出した際の樹脂板の表面温度が、樹脂板を構成する熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度から30〜60℃低い温度であるように取り出すことが生産効率上好ましい。例えばビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂の場合、75〜105℃の範囲が好適であり、80〜100℃の範囲が更に好ましい。かかる冷却の工程中は、上記の好ましい圧縮圧力(10〜35MPa)を保持したままでもよいし、圧力を好ましい範囲から低下させた状態で残りの冷却時間を消費してもよい。
工程−vは、成形品の周縁部を除去することにより成形品の平面度を向上させる工程である。上述のとおり上記工程−i〜工程−ivによって周縁部の密度が高く、それ以外の中央部の密度が低く、その結果該中央部に少なからずヒケを生じた成形品が得られる。周縁部により成形品の平面度は十分なものとはならない。工程−vは、かかる周縁部を除去することにより、中央部の均一に収縮され良好な平面度と低歪み性を有する部分を樹脂製窓ガラスに代表される用途に使用する。
除去すべき周縁部のおよその目安としては、周縁部の幅を成形品端部から好ましくは10〜80mmの範囲、より好ましくは20〜50mmの範囲に設定するとよい。
(ハードコートの方法)
工程−viは成形品にハードコート層を設ける工程である。本発明の樹脂板は特に輸送機の樹脂製窓ガラス用に要求される特性を十分に有しており、更にハードコート層が設けられた樹脂板はより実用性に優れるようになる。ハードコート層はいずれの段階で設けられてもよい。例えば、(a)インモールドコート法もしくはハードコート層を有するシート成形品のインサート成形法などを用いて射出圧縮成形時にハードコート層を設ける方法(即ち成形品の取り出し工程において既にハードコート層が設けられている方法)、(b)キャビティより取り出された成形品にハードコート層を設け、その後周縁部の除去を行う方法、および(c)周縁部の除去が行われた後ハードコート層を設ける方法のいずれかの方法が代表的に例示される。
次に本発明のハードコート層について説明する。本発明では各種のハードコート剤が使用可能である。例えば、シリコーン樹脂系ハードコート剤や有機樹脂系ハードコート剤などが例示される。
本発明のハードコート層は、紫外線吸収剤を含有することが、良好な耐久性(殊に密着性に対する耐久性)を有することから好適である。
(但し、式中R1、R2はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、m、nはそれぞれ0、1、2のいずれかの整数であり、m+nは0、1、2のいずれかの整数である。)
WpSi(OR’)4−p (II)
(但し、式中Wは紫外線吸収性基含有残基であり、R’は炭素数1〜4のアルキル基であり、pは1または2の整数を表わす。)
プライマー層の膜厚は、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは1〜10μmであり、トップ層の膜厚は、好ましくは1〜10μm、より好ましくは3〜8μmである。
(樹脂板の形状)
本発明の樹脂板を得るための成形品は、その1つの側面のみにゲートを有していることが好ましい。単一かつ側面に配置されたゲートは、樹脂板中の樹脂流動が複雑化することを抑制でき、樹脂板を低歪みとするのに好適である。またウエルド部の形成によって生じる樹脂の疎密がないので低歪みの成形品が得られる。かかる疎密は、成形条件内では解消し難く樹脂板の歪みを大きくしやすい。通常かかるゲートを有する成形品は大きな樹脂流動長のために成形品の歪みが大きくなり易いが、本発明は樹脂板が厚肉であってかつ射出圧縮成形法を用いることにより、かかる歪みを低減することができる。
本発明の光透過性の樹脂板は、その全光線透過率が15%以上であり、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上である樹脂板である。樹脂板の透明性は高いほど好ましい場合が多いが、一方で本発明の樹脂板は厚肉であることから、実質上の上限は88%である。樹脂板の全光線透過率はJIS K7105に準拠する方法で測定される値である。樹脂板のヘーズは好ましくは0.1〜20%の範囲である。ヘーズの上限は好ましくは10%、より好ましくは5%である。
本発明の樹脂板を構成する熱可塑性樹脂は、各種の重合体または共重合体、およびこれらに各種の添加剤を配合した樹脂組成物を含む。本発明における熱可塑性樹脂としては、非晶性の熱可塑性樹脂組成物が好ましい。また結晶性熱可塑性樹脂であっても、上記構成(1)の射出成形で十分な透明性を確保できるものであれば、本発明の熱可塑性樹脂として使用できる。かかる結晶性熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、および結晶性を低下させた共重合ポリエステル樹脂などが例示される。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称)成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつ9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称)成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、ビスフェノールA成分が10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCF成分が5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
本発明の樹脂板は、上述のとおり輸送機の窓に好適であることから、上記の中でも特に熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および赤外線吸収剤などを含有することが好ましい。
熱安定剤としては、リン系安定剤が好適に例示される。リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。かかるリン安定剤のうちホスファイトの具体例としては、(a-1)トリス(イソデシル)ホスファイトの如きトリアルキルホスファイト、(a-2)フェニルジイソデシルホスファイトの如きアリールジアルキルホスファイト、(a-3)ジフェニルモノ(イソデシル)ホスファイトの如きジアリールモノアルキルホスファイト、(a-4)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの如きトリアリールホスファイト、(b)ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイトなどのペンタエリスリトール型ホスファイト、並びに(c)2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトの如き二価フェノール類と反応し環状構造を有するホスファイトなどが好適に例示される。リン安定剤のうちホスフェートの具体例としては、トリメチルホスフェートおよびトリフェニルホスフェートなどが好適に例示される。ホスホナイト化合物の具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトなどが好適に例示される。第3級ホスフィンの具体例としては、トリフェニルホスフィンが好適に例示される。
上記熱安定剤および酸化防止剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量%中0.0001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%である。但しラクトン系安定剤は、その上限を0.03重量%とするのがよい。
本発明における紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤として公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、環状イミノエステル系化合物、およびシアノアクリレート系化合物などが例示される。より具体的には、例えばベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、および2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]などが好適に例示される。例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノールが好適に例示される。例えば、環状イミノエステル系化合物としては2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適に例示される。更に例えば、シアノアクリレート系化合物としては1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパンが好適に例示される。
本発明の赤外線吸収剤としては、フタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウムなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、並びに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR−362や日本触媒(株)製HA−1、金属ホウ化物と金属酸化物の混合系赤外線吸収剤としては例えば住友金属鉱山(株)製KHCS−06等が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含み、さらにウイスカーも含む)、カーボンファイバー(気相成長法によるものを含む)、カーボンナノチューブ、およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して0.0005〜0.2重量部が好ましく、0.0008〜0.1重量部がより好ましく、0.001〜0.07重量部がさらに好ましい。金属酸化物系近赤外線吸収剤、金属ホウ化物系近赤外線吸収剤および炭素フィラーは熱可塑性樹脂100重量%中、重量割合で0.1〜200ppmの範囲が好ましく、0.5〜100ppmの範囲がより好ましい。
樹脂材料は、通常必要な添加剤を原料樹脂と溶融混練したペレットの形状で、射出成形機に供給される。かかる供給時は水分含有量を十分に低減されることが必要である。ポリカーボネート樹脂の如き水分吸収性の高い熱可塑性樹脂は、十分に乾燥され射出成形機に供給されることが必要である。溶融混練は、従来公知の溶融混練機が利用でき、特にベント式二軸押出機が好適である。また押出中に生じた異物を除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置することが好ましい。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。更にペレットの製造場所から、射出成形機への製造場所への運搬には、従来光情報記録媒体の基板製造用ペレットに利用される、各種の防塵コンテナが利用できる。
本発明の樹脂板は、その表面に上記のハードコート層以外にも各種の機能層を設けることができる。かかる機能層としては、図柄層、導電層(発熱層、電磁波吸収層、帯電防止層)、撥水・撥油層、親水層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、割れ防止層、並びに金属層(メタライジング層)などが例示される。これらの機能層は、ハードコート層の表面、ハードコート層とは反対側の成形品表面、成形品層が複数層ある場合の成形品層と成形品層との間、プライマー層と成形品表面との間の一部分、並びにプライマー層とハードコートのトップ層との間の一部分などにおいて設けることが可能である。
[参考例1]
(第1層用アクリル樹脂塗料HP−1の調製)
還流冷却器及び撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート(以下EMAと省略する) 74.2部、シクロヘキシルメタクリレート(以下CHMAと省略する) 33.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと省略する) 13.0部、LA−82(旭電化工業(株)製ヒンダードアミン系光安定性基含有メタクリレート;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート12.0部、メチルイソブチルケトン(以下MIBKと省略する) 132.8部および2−ブタノール(以下2−BuOHと省略する)66.4部を添加混合した。混合物に窒素ガスを15分間通気して脱酸素した後、窒素ガス気流下にて70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと省略する)0.33部を加え、窒素ガス気流中、70℃で5時間攪拌下に反応させた。さらにAIBN 0.08部を加えて80℃に昇温し3時間反応させ、不揮発分濃度が39.7%のアクリル共重合体溶液(A)を得た。アクリル共重合体の重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算で115000であった。アクリル共重合体溶液(A)100部に、MIBK42.9部、2−BuOH21.4部、1−メトキシ−2−プロパノール83.1部を加えて混合し、チヌビン400(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製トリアジン系紫外線吸収剤) 5.3部、アクリル共重合体溶液(A)中のアクリル共重合体のヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1.0当量になるようにVESTANAT B1358/100(デグサ・ジャパン(株)製ブロック化されたポリイソシアネート化合物) 10.1部を添加し、さらにジメチルチンジネオデカノエート0.015部を加えて25℃で1時間攪拌し、アクリル樹脂塗料(HP−1)を得た。
(第1層用アクリル樹脂塗料HP−2の調製)
還流冷却器及び撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート(以下EMAと略称する) 102.7部、HEMA 13.0部、MIBK 115.7部および2−BuOH 57.9部を添加混合した。混合物に窒素ガスを15分間通気して脱酸素した後、窒素ガス気流下にて70℃に昇温し、AIBN0.33部を加え、窒素ガス気流中、70℃で5時間攪拌下に反応させた。さらにAIBN0.08部を加えて80℃に昇温し3時間反応させ、不揮発分濃度が39.6%のアクリル共重合体溶液(B)を得た。アクリル共重合体の重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算で115000であった。
(第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物塗料HT−1の調製)
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製 カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)133部に1Mの塩酸1.3部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン162部を滴下して加えた。メチルトリメトキシシランの滴下直後から反応熱で混合液の温度は上昇を開始し、滴下開始から5分後に60℃まで温度上昇した後、冷却の効果で徐々に混合液温度が低下した。混合液の温度が30℃になった段階でこの温度を維持するようにして30℃で10時間攪拌し、これに、硬化触媒としてコリン濃度45重量%のメタノール溶液0.8部、pH調整剤として酢酸5部、希釈溶剤としてイソプロピルアルコール200部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物塗料(HT−1)を得た。
(第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物塗料HT−2の調製)
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に1Mの塩酸1部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン149部、ジメチルジメトキシシラン10.7部および2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)ジフェニルケトン3.4部の混合試薬を滴下して加えた。その混合試薬添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、混合試薬添加開始から5分後に60℃まで温度上昇した後冷却の効果で徐々に反応液温度が低下した。反応液の温度が30℃になった段階でこの温度を維持するようにして30℃で7時間攪拌し、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液0.8部、pH調整剤として酢酸5部、金属酸化物として酸化チタンスラリー(テイカ(株)製710T、固形分濃度40〜45重量%)11部を添加後、希釈溶剤として2−プロパノール200部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物塗料(HT−2)を得た。
以下の(I)〜(VI)の工程に従い、周縁部が除去され、表面にハードコートが積層された樹脂板を作成した。
下記の原料表記に従い、樹脂原料の製造方法について説明する。
9重量部のPC、0.1重量部のEW、0.03重量部のPEPQ、0.03重量部のIRGF、0.05重量部のIRGN、0.25重量部のUV1577、0.37重量部のKHCS−06をスーパーミキサーで均一混合した。かかる9.83重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合し、押出機に供給するための予備混合物を得た。
上記(I)で記号表記の各成分は下記の通りである。
PC: ビスフェノールAとホスゲンから界面縮重合法により製造された粘度平均分子量23,700のポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1250WP(商品名))
EW:ペンタエリスリトールと脂肪族カルボン酸(ステアリン酸およびパルミチン酸を主成分とする)とのフルエステル(理研ビタミン(株)製:リケスターEW−400)
VPG:ペンタエリスリトールと脂肪族カルボン酸(ステアリン酸およびパルミチン酸を主成分とする)とのフルエステル(コグニスジャパン(株)製:ロキシオールVPG861)
PEPQ:ホスホナイト系熱安定剤(Sandoz社製:サンドスタブP−EPQ)
IRGF:ホスファイト系熱安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:Irgafos168)
IRGN:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:Irganox1076)
UV1577:2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:Tinuvin1577)
KHCS−06:金属ホウ化物と金属酸化物混合系赤外線吸収剤(住友金属鉱山(株)製:赤外線吸収剤成分が0.3重量%のポリカーボネート樹脂マスター)
ATO:アンチモンドープ酸化スズ(石原産業(株)製:SN−100P)
ITO:スズドープ酸化インジウム(富士チタン工業(株)製:ITO)
上記(I)の方法で製造された樹脂原料であるペレットをプラテンの4軸平行制御機構を備えた射出プレス成形可能な大型成形機((株)名機製作所製:MDIP2100、最大型締め力33540kN)を用いて射出プレス成形し、図3に示す厚み18mmで長さ×幅が700mm×800mmの樹脂板成形品を製造した。かかる成形機は、樹脂原料を十分に乾燥可能なホッパードライヤー設備を付帯しており、かかる乾燥後のペレットが圧空輸送により成形機供給口に供給され成形に使用された。
次に、周縁部から20mmの部分を除去した。さらに図4に示すように角部を丸めた周縁部から50mmの部分を接着代とし、(即ち接着代はほぼ30mm幅)接着代を除いた部分を視認部とした。
上記で製造された樹脂板成形品を温度130℃クリーンオーブン中に1時間保管することでアニール処理した。その後参考例1で調整された第1層用アクリル樹脂塗料(HP−1)を液だまりができないようディップコート法によって両面塗布し、25℃のクリーンルーム内で20分間静置した。その後、125℃の熱風循環オーブン中で1時間保管して熱硬化させることにより、8μmの膜厚の硬化膜を積層させた。次いで該成形品の被膜表面上に参考例3で調整された第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物塗料(HT−1)をディップコート法によって両面塗布し、25℃のクリーンルーム内で20分間静置した。その後、120℃の熱風循環オーブン中で1時間保管して熱硬化させ、更に4μmの膜厚の硬化膜を積層させた。
上記(IV)のハードコート処理がされた樹脂板成形品を、ルーターを用いて切削加工した。かかる切削加工により図4に示すように周縁部の除去および接着代の形成がなされた窓部厚み18mmで長さ×幅が558mm×574mm、固定用周縁部の厚み11.5mmで窓部の長さ×幅500mm×520mm、窓部のコーナー部100mmRの樹脂板を作成した。
実施例1と同様に成形し、上記(IV)のハードコート処理において、第1層用アクリル樹脂塗料として参考例2で調製された(HP−2)を、第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物塗料として参考例4で調整された(HT−2)を用いる以外は実施例1と同様にハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(III)の射出プレス成形において、圧縮時の圧力を50MPaとする以外は実施例1と同様に成形した。その後、実施例1と同じハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(III)の射出プレス成形において、厚みを15mmとする以外は実施例1と同様に成形した。その後、実施例1と同じハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.37重量部のKHCS−06をスーパーミキサーで均一混合し、かかる9.8重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.7重量部のKHCS−06をスーパーミキサーで均一混合し、かかる10.13重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.1重量部のKHCS−06をスーパーミキサーで均一混合し、かかる9.53重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.3重量部のKHCS−06、0.1重量部のATOをスーパーミキサーで均一混合し、かかる9.83重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.3重量部のKHCS−06、0.1重量部のITOをスーパーミキサーで均一混合し、かかる9.83重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.1重量部のATOをスーパーミキサーで均一混合し、かかる9.53重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(I)において9重量部のPC、0.1重量部のVPG、0.03重量部のPEPQ、0.3重量部のUV1577、0.1重量部のITOをスーパーミキサーで均一混合し、かかる9.53重量部の混合物と、90重量部のPCとをV型ブレンダーで均一に混合する以外は、実施例1と同様に樹脂原料を製造した。その後、実施例1と同じ成形方法、ハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記(III)の射出プレス成形に代えて、完全型締めされた金型内に樹脂を充填する通常の射出成形とした以外は、実施例1と同様に成形した。かかる成形では、充填後もホットランナーのバルブは開放とし、150MPaの保圧を15秒間掛けて保持した後、バルブを閉じて冷却工程に入った。その後、実施例1と同じハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記比較例1の射出成形において、150MPaの保圧を45秒間掛けて保持した以外は比較例1と同様に成形した。その後、実施例1と同じハードコートおよび切削処理を行い、樹脂板を製造した。
上記実施例および比較例で製造された樹脂板について、下記の項目で評価した。
(i−1)透視ひずみ量
樹脂板の視認部分(即ちハードコート層を有する部分)における透視ひずみ量を測定した。2分以上の部分が存在する場合を×、すべてが2分以内の場合を○とした。なお、透視ひずみ量の測定は下記の方法で実施した。
JIS R3212に準拠し図1に示す透視ひずみ量の測定装置を用いて測定した。スライド投影機はキャビン工業(株)社製AF−250を用いた。傾きが45°となるようサンプルを設置し、投影機からサンプルを通してスクリーン(13)に投影された円形状(22)の最大直径(23)をデジタルノギスで計測して透視ひずみ量を下記の換算式により算出した。
Δα=Δd/(0.29×R2)
(ここで、Δαは透視ひずみ量(分)、Δdは最大直径(mm)、R2はサンプルとスクリーンとの距離(m)を表す。)
ストレインオプティクテクノロジーズインク製 複屈折測定装置SCA−1500を用い、樹脂板の視認部における残留応力を測定した。2MPa以上の部分が存在する場合を×、すべてが2MPa以内の場合を○とした。
ハードコート後の樹脂板の視認部の外観を目視評価した。樹脂板表面のクラックの有無で比較を行い、クラックが発生する場合を×、クラックが発生しない場合を○とした。
11 成形品
12 スライドの絵柄
13 スクリーン
21 スクリーンに投影された円の基準直径
22 成形品を透過してスクリーンに投影された歪んだ円
23 成形品を透過してスクリーンに投影された歪んだ円の最大直径
31 樹脂板成形品本体
32 成形品の製品相当部分
33 成形品のゲート部分
34 樹脂充填部の突起
35 対象軸
41 樹脂板製品の窓部
42 固定用の周縁部(切削加工あり)
43 製品上下方向の対称軸
44 窓部のコーナー部(100R)
45 製品左右方向の対称軸
Claims (9)
- 10〜50mmの肉厚を有する光透過性の熱可塑性樹脂からなる樹脂板の製造方法であって、該製造方法は、(i)金型キャビティ内へ溶融した熱可塑性樹脂を射出する工程であって該工程内において可動側金型は圧縮ストローク分だけ余分に開かれた中間型締め状態にある工程(工程−i)、(ii)射出後に樹脂を圧縮して最終型締めを行う工程(工程−ii)、(iii)最終型締め後更に樹脂を圧縮する工程(工程−iii)、(iv)樹脂を金型キャビティ内より取り出し可能となる温度まで冷却させ成形品を取り出す工程(工程−iv)、(vi)成形品にハードコート層を設ける工程(工程−vi)、および(v)かかる成形品の周縁部を除去することにより成形品の平面度を向上させると同時に、樹脂板周縁部にハードコートのない接着代を設ける工程(工程−v)からなることを特徴とする厚肉光透過性樹脂板の製造方法。
- 上記工程−i〜工程−iiiは、固定側金型と可動側金型との間の平行度が平行度制御手段を用いて制御されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 上記工程−iにおいて、中間型締め状態における圧縮ストロークと樹脂板の厚みとの合計量は、樹脂板の厚みに対して1.001〜1.08倍の範囲である請求項1〜請求項2に記載の製造方法。
- 上記工程−iiおよび工程−iiiにおいて、樹脂に加える圧力は10〜35MPaの範囲であり、その加圧時間は成形品の肉厚をt(mm)としたとき、0.7t2〜2t2(秒)の範囲とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記樹脂板を得るための成形品は、その1つの側面のみにゲートを有していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記樹脂板は、その最大投影面積が900〜18,000cm2である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記樹脂板は、その全光線透過率が15%以上であり、ヘーズが0.1〜20%の範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂は、粘度平均分子量が13,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 上記樹脂板は、輸送機用の樹脂製窓ガラス成形品である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法。
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