JP4846614B2 - 通信装置、中継装置、伝送経路決定方法、無線伝送方法および無線伝送システム - Google Patents

通信装置、中継装置、伝送経路決定方法、無線伝送方法および無線伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、リレー伝送技術に関するものであり、特に、フェージングが存在する状況下において最適な伝送経路を選択してリレー伝送を行う通信装置、受信信号をリレー伝送する中継装置、通信装置が最適な伝送経路を選択するための伝送経路決定方法、中継装置が受信信号を伝送する場合の無線伝送方法、および無線伝送システムに関するものである。
近年の高速無線通信方式では、伝送速度の高速化に伴い大きな送信電力が必要とされる。しかし、実際には送信機の送信電力には限界があり、限られた送信電力のもとでカバーエリアを確保できる技術が求められている。このような要求に対し、近年リレー伝送がその解決策として注目されている。リレー伝送では、送信機からの信号をリレー装置が増幅して受信機に送信する。リレー伝送を行うと、送信機が受信機へ直接信号伝送する場合よりも送信機での送信電力を小さく抑えられる。そのため、送信機の送信電力に制約のある環境においてカバレッジ問題を解決できる技術として期待されている。
従来のリレー伝送ではルーチング制御を行った後に、選定されたリレー経路に基づいて信号伝送を行う。例えば、下記非特許文献1においてリレー経路の選定方法が述べられており、それには距離減衰に基づいて適切なリレー経路を選定する方法が記載されている。通常、多くの経路の伝搬情報を一局で収集するには情報通知のために多くの制御量が必要となる。そのため、フェージングに追従する短時間周期での伝搬情報の収集は困難であるが、距離減衰など長時間伝搬路情報を長時間周期で収集することは現実的に可能である。そのため、距離減衰など長期的平均伝搬測定値に基づいて経路選定を行う方法が一般的である。
また、経路が決定した後、選定されたリレー装置では受信信号をリレー伝送する。例えば、下記非特許文献2において従来のリレー伝送の基本原理が述べられており、その原理を以下に説明する。
ここでは、端末(T:terminal)が基地局(BS:Base Station)へ送信した信号(パケット)をリレー装置(R:Relay)がリレー伝送する場合の例について説明する。なお、リレー伝送を行うために、2つの連続する時間スロットを使用する。以下の説明では、この2つの連続する時間スロットの1番目を時間スロット#1、2番目を時間スロット#2と記載する。
リレー伝送では、まず、送信元の端末が時間スロット#1において信号を送信し、基地局とリレー装置が信号を受信する。つぎに、リレー装置は、端末からの受信信号の電力をG倍に増幅して送信電力PRの信号を生成し、これを時間スロット#2において基地局へ送信する。基地局では時間スロット#1および#2で受信した信号(端末から直接受信した信号およびリレー装置でリレー伝送された信号)を合成し、信号品質を改善する。
ここで、端末から基地局,端末から装置,装置から基地局までの複素伝搬利得をそれぞれhTB,hTR,hRBと表した場合、端末がq番目のシンボルs(q)(E[|s(q)|2]=1)を電力PTで送信すると、基地局における時間スロット#1,#2でのq番目のシンボルに対応する受信信号x1(q),x2(q)は、次式(1)で与えられる。
Figure 0004846614
なお、Gはリレー装置での増幅率、n1(q),n2(q)は基地局における時間スロット#1,#2での雑音成分であり同一の雑音電力NBS(=E[|n2(q)|2]=E[|n1(q)|2])を持つ。また、nR(q)はリレー装置での雑音成分であり、雑音電力NR(=E[|nR(q)|2])を持つ。
基地局では信号s(q)に含まれるパイロット信号のパターンを事前に把握しておき、x1(q)とx2(q)の最大比合成ウエイトを算出する。最大比合成後の受信SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)Γは次式(2)で与えられる。
Figure 0004846614
リレー装置ではパケット受信時に、受信信号を一定の送信電力PRに増幅してリレー伝送する。このとき、増幅率Gは次式(3)で表される。
Figure 0004846614
なお、端末からのパケット内の信号s(q)にはデータシンボルとパイロットシンボルが含まれるが、データシンボルとパイロットシンボルの送信電力が異なる場合、PTはシンボルあたりの平均送信電力となる。
基地局では複数の受信信号を最大比合成することにより、上式(2)に示す受信SINRΓを得ることができる。このように、従来技術ではリレー経路を決定した後に、フェージング変動する多くの経路を通過することにより、ダイバーシチ効果を得る。
V.Sreng,H.Yanikomeroglu,and D.D.Falconer,"Relayer selection strategies in cellular networks with peer-to-peer relaying",Proc. of IEEE VTC '03 Fall,vol.3,pp.1949-1953,Oct.2003. J.Laneman,D.Tse,and G.Wornell,"Cooperative diversity in wireless networks:efficient protocols and outage behavior",IEEE Trans. Inform. Theory,vol.50,pp.3062-3080,Dec.2004.
上述したように、これまでのリレー伝送では、距離減衰などの長時間伝搬路情報に基づいてリレー経路を決定していた。しかし、理想的には、短時間周期でフェージングを考慮して最良の経路選定を行うことができれば、従来のリレー伝送よりもさらに良好な経路選定を行える。従って、現実的な制御量を維持しつつ、フェージング環境に応じて短時間周期で最良な経路選定を行うことが重要な課題となる。
また、従来のリレー伝送ではフェージング変動する多くの経路を通過することにより、ダイバーシチ効果を得ることを目指している。しかし、事前に経路のフェージング状態が把握できれば、最良の経路のみに全電力を注入することで、ダイバーシチ効果よりもさらに効率のよい信号伝送が実現できる。
また、従来のリレー伝送ではOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)などに見られるマルチキャリア伝送時のリレー伝送は検討されていない。OFDMA等のマルチキャリア伝送システムでは、帯域によって信号伝送を行う送信機は異なり、リレー伝送を必要とする信号と必要としない信号がある。しかし、全ての受信信号を一様に増幅中継する従来のリレー装置では、リレー伝送の必要の無い信号も増幅中継してしまう問題がある。
また、従来のリレー伝送ではリレー装置を介した場合に、エンドツーエンド(端末と基地局)での信号品質をフェージングより短い時間で効率的に測定する手法が十分確立されてない。従って、少ない制御量で、エンドツーエンドの受信信号品質を測定できる技術が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リレー伝送において、制御量が必要以上に増大するのを抑えつつフェージング状態に応じて経路選択を行う通信装置、当該通信装置による経路選択結果に従い受信信号をリレー伝送する中継装置、伝送経路決定方法、無線伝送方法、および無線伝送システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、受信信号を増幅してリレー伝送する複数の中継装置とともに無線伝送システムを構成し、通信相手となる通信装置である対向装置が自装置へ送信する信号の伝送経路を決定する機能を有する通信装置であって、各中継装置から個別に通知される他の通信装置との間の伝搬状態を示す伝搬状態情報に基づいて、前記対向装置が自装置へ送信する信号をリレー伝送する中継装置の候補を選定する候補選定手段と、前記対向装置との間の伝搬状態および前記候補それぞれとの間の伝搬状態を測定する伝搬状態測定手段と、前記伝搬状態測定手段による測定結果に基づいて前記対向装置が送信する信号の伝送経路を決定する伝送経路決定手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、基地局は、まず長周期経路選定動作を実行してリレー伝送を行うリレー装置の候補を選定し、つぎに、選定したリレー装置の候補を対象としてフェージングを含む伝送路の検証を行い最適な伝送経路とMCSを決定することとしたので、現実的な制御量でフェージング状態に応じた最良の経路を選択することができ、また、高いスループットを実現することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる無線伝送システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態では、リレー伝送方式における効率的な信号伝送方法に関して説明する。また、以下の説明では上りリンクへの適用を想定し、情報信号の送信側の通信装置を端末(T:terminal)、受信側の通信装置を基地局(BS:Base Station)、端末からの受信信号を基地局へ中継(リレー伝送)する通信装置をリレー装置(R:Relay)と呼ぶ。なお、本発明は下りリンクにも同様に適用可能であり、下りリンクへ適用する場合については後述する実施の形態4において説明する。
図1は、実施の形態1のリレー制御手順を使用して行う信号伝送動作の一例を示す図である。この図1は、基地局(BS)10、端末(T)20および複数のリレー装置(R)31〜33により構成された無線伝送システムにおいて、端末20が基地局10へ向けて送信した情報信号をリレー装置31が中継伝送する場合の例を示している。以下、説明の便宜上リレー装置31〜33をR1〜R3と表現してこれらを区別する。なお、端末および各リレー装置(R1〜R3)は無線装置であれば移動端末、常時電源に接続された端末、パーソナルコンピュータのいずれであっでも構わない。また、図2は本実施の形態におけるリレー制御手順を示す図である。
まず、図1および図2に基づいて本実施の形態におけるリレー制御手順を簡単に説明する。図2に示したように、本実施の形態におけるリレー制御手順は大きく長周期経路選定手順、短周期経路選定手順およびパケット伝送手順の3つに分かれる。
本実施の形態のリレー制御手順においては、まず基地局は長時間平均伝搬情報に基づいて、通信端末(端末)が送信する信号のリレー経路の候補(送信信号を中継するリレー装置の候補、以下「候補装置」と呼ぶ)を選定し、選定した候補装置を端末へ通知する(ステップS11)。本発明ではこれを長周期経路選定と呼ぶ。次に、ステップS11において候補装置の通知を受けた端末は、候補装置を介して制御パイロット信号を基地局へリレー伝送し、基地局では受信した制御パイロット信号から各候補装置を用いた場合の受信信号品質を測定し、測定結果に基づいて決定した最適経路と利用する変調方式および符号化率(MCS:Modulation&Coding Scheme)を端末およびリレー装置へ通知する(ステップS12)。本発明ではこれを短周期経路選定と呼ぶ。短周期経路選定では受信信号品質がフェージング状態に応じて変化するような条件下においてもフェージング状態に応じて最適な伝送経路を適応的に選定する。そして、基地局から最適経路および利用するMCSを通知された端末およびリレー装置は、通知された経路およびMCSに従いデータパケットを基地局へ伝送する(ステップS13)。短周期経路を再選定する必要の無い時間範囲で端末はパケット伝送を繰り返し(ステップS14,No、ステップS13)、短周期経路選定が必要な場合には(ステップS14,Yes、ステップS15,No)、ステップS12に戻って再度短周期での経路選定を行う。また、さらに長い時間単位で長周期経路選定が必要な場合には(ステップS14,Yes、ステップS15,Yes)、ステップS11に戻って再度長周期での経路選定を行う。ここで、短周期とはフェージングにも追従可能な時間レベル、長周期とはフェージングへの追従を必要としない時間レベルを指す。
以上のように、本発明法では2段階で経路選定を行い、長周期経路選定動作では長時間伝搬情報に基づいてその後の短周期経路選定動作の対象とするリレー装置を限定し、短周期経路選定動作では限定されたリレー装置を経由する伝送経路に対してフェージング状態を含む伝送路の検証を行う。このように、限定された経路に対してのみ伝送路の検証を行うことにより、現実的な制御量でフェージング状態に応じて最良の経路を選択できるようにしている。
従来技術では、このような2段階での経路選定を行っておらず、フェージング状態を含む短時間の伝搬情報を多くの経路に対して収集することは制御量の面で困難であった。本発明では、長周期経路選定動作によって限定された経路に対してのみ短時間の伝搬情報を収集することで、短時間伝搬情報を必要とする経路数を大幅に減らし、現実的な制御量でフェージング状態に応じた経路選定を行うことを可能とする。本発明を用いると、信号は、従来と比較してフェージング状態がより良好な伝送路を常に選んで伝送でき、従来技術よりも高い伝送効率を実現できる。
つづいて、(1)長周期経路選定手順、(2)短周期経路選定手順、(3)パケット伝送手順について詳細に説明する。また、本実施の形態で新たに考案される各装置の特徴的な機能についても同時に説明する。
(1)長周期経路選定手順
リレー装置には固定リレー基地局、ノートパソコン、高性能端末などさまざまな形態がある。リレー装置は、電源起動すると、基地局の承認を得て動作中として登録される。各リレー装置は、周辺端末が送信するパイロット信号を利用し、周辺端末との間の伝搬状態を測定する。この際、リレー装置は、長時間での平均伝搬測定値が閾値以上の場合に、その端末のIDおよび平均伝搬測定値を基地局へ通知する。なお、リレー装置も端末IDを有しており、本制御により周辺のリレー装置との間の伝搬状態(IDおよび平均伝搬測定値)を測定し、基地局へ通知する。図3に伝搬情報通知フォーマットの一例を示す。リレー装置は閾値を超える平均伝搬情報(Average Propagation Loss Indicator)42と対応する端末ID(Terminal ID)41の組み合わせに加えて、上りリンクでの平均受信干渉電力(UL average interference)43および下りリンクでの平均受信干渉電力(DL average interference)44も基地局へ通知する。これらの伝搬情報通知は長時間周期で行われる。フェージングに追従する短時間での伝搬情報通知は多くの無線リソースを必要とするが、長時間周期での伝搬情報通知は無線リソースの面からも可能である。
また、長時間での平均伝搬測定値は上下リンクの全伝送帯域でほぼ同じであるため、平均伝搬測定値は上下リンクの全伝送帯域で共通に利用することもできる。このように、上下リンクあるいは全利用帯域で共通の長時間平均伝搬情報を用いることにより、制御量をさらに低減できる。なお、干渉電力に関しては上下リンクで異なる場合も多いため、上下リンク個別で通知する。
図4に本実施の形態の基地局の構成例を示す。この基地局は、LNA(Low Noise Amplifier)50と、A/D変換部(アナログ−デジタル変換部)51と、信号分離部52と、信号品質測定部53と、短周期経路・MCS決定部54と、経路・MCS通知部55と、長時間平均伝搬情報格納部56と、長周期経路決定部57と、経路候補通知部58と、データパケット受信部59と、信号統合部60と、D/A変換部(デジタル−アナログ変換部)61と、HPA(High Power Amplifier)62と、を備える。
信号分離部52は、A/D変換部51から受け取った信号を通信チャネルと制御チャネルに分離する。伝搬状態測定手段に相当する信号品質測定部53は、端末から受信した制御パイロット信号に基づいて受信信号の品質を測定する。伝送路決定手段に相当する短周期経路・MCS決定部54は、信号品質測定部53における信号品質測定結果に基づいて、長周期経路決定部57が選定した経路候補(候補装置を経由した伝送経路または端末と基地局を直接結んだ経路)の中から最適経路およびMCSを決定する。経路・MCS通知部55は、短周期経路・MCS決定部54により決定された最適経路およびMCSを端末およびリレー装置へ通知する。長時間平均伝搬情報格納部56は、端末およびリレー装置から通知された情報に基づいて生成した長時間平均伝搬情報を保持しておく。候補選定手段に相当する長周期経路決定部57は、長時間平均伝搬情報格納部56が保持している長時間平均伝搬情報に基づいて端末が送信した信号をリレー伝送する候補装置を選定する。経路候補通知部58は、長周期経路決定部57が選定した候補装置を端末へ通知する。データパケット受信部59は、受信信号に含まれるデータパケットの受信処理を行う。信号統合部60は、複数系統から入力された信号を統合し、基地局へ送信する信号を生成する。
基地局において、長時間平均伝搬情報格納部56は、端末および各リレー装置から通知された平均伝搬測定値に基づいて、図5に示したような経路テーブルを端末ごとに作成し、長時間平均伝搬情報として保持しておく。この経路テーブルでは、端末、リレー装置(R1,R2,R3,…)、基地局および各経路における平均伝搬測定値AT1,AT2,AT3,…,A1B,A2B,…が示されている。長周期経路選定を行う場合、長周期経路決定部57が経路テーブルに基づいて候補装置を選定し、長周期経路候補通知部58が選定結果を示す経路情報を規定のフォーマットに変換して端末へ通知する。図6にリレー伝送を行うリレー装置候補の通知フォーマットの一例を示す。本フォーマットでは、想定する最大リレー回数N、リレーごとのリレー装置候補数C、n(=1,2,…,N)回目のリレーを行う候補のリレー装置のID(RSID)を設定して、下りリンクで端末およびリレー装置へ通知する。これらの制御は短時間周期で行うと大きな制御負荷となるが、長時間周期(例えば、1秒〜数分程度)で行う場合、システムの制御負荷は小さい。
(2)短周期経路選定手順
つぎに、短周期経路選定手順について説明する。短周期経路選定手順において、端末は、基地局から通知された情報に従い制御パイロット信号を基地局へ送信する。このとき、各伝送経路候補上のリレー装置は、端末から受信した制御パイロット信号を基地局へ中継伝送する。基地局は、受信した制御パイロット信号を使用して各伝送経路候補におけるフェージング状態を測定する。そして、基地局はフェージング状態に応じて最適な伝送経路およびMCSを適応的に決定し、端末およびリレー装置へ通知する。以下、本制御の詳細を項目(2−1)〜(2−3)に分けて説明する。
(2−1)瞬時伝搬測定と制御パイロット信号の割当て
瞬時伝搬測定と制御パイロット信号の割当て制御について説明する。図7に本実施の形態の端末の構成例を示す。この端末は、LNA70と、A/D変換部71と、信号分離部72と、短周期経路・MCS情報受信部73と、データパケット生成部74と、長周期経路情報・制御パケット割当情報受信部75と、制御パイロット信号生成部76と、信号統合部77と、D/A変換部78と、HPA79と、を備える。
信号分離部72は、A/D変換部71から受け取った信号から制御信号を抽出する。短周期経路・MCS情報受信部73は、基地局から通知された短周期経路およびMCSを認識する。データパケット生成部74は、データパケットの生成および送信を行う。長周期経路情報・制御パケット割当情報受信部75は、基地局から通知された伝送経路候補上のリレー装置を認識する。制御パイロット信号生成部76は、制御パイロット信号の生成および送信を行う。信号統合部77は、複数系統から入力された信号を統合して送信信号を生成する。
端末において、長周期経路情報・制御パイロット割当情報受信部75が基地局から通知されたリレー装置の候補(候補装置)を認識すると、制御パイロット信号生成部76は、制御パイロット信号を生成し、生成された制御パイロット信号は、制御チャネルにおいて送信される。そして、端末から送信された制御パイロット信号は、直接または上記通知された候補装置によりリレー伝送されて基地局へ到達する。図8に制御チャネルとデータパケットの伝送に用いる通信チャネルとの時間的な関係の一例を示す。制御チャネルは通信チャネルと同じ伝送帯域および時間スロット内で伝送される。但し、同じ時間スロットにおいて制御チャネルの送信端末と通信チャネルの送信端末は一般に異なる。当該端末は制御チャネルにおいて制御パイロット信号を用いて、データパケットを伝送した状態を模擬する。
制御パイロット信号を受信した基地局は、受信した制御パイロット信号から経路候補ごとの受信信号品質を予測し、予測した受信信号品質に基づいてデータパケットの伝送経路およびMCSを決定して端末およびリレー装置へ通知する。通知を受けた端末およびリレー装置はその指示に従いデータパケットをリレー伝送する。
図8に示した例では制御パイロット信号およびデータパケットのリレー伝送にそれぞれ時間スロット2つを必要とする。現実的な値の一例として、1つの時間スロットが0.5〜1msを有し、上りリンクにおいて基地局が制御パイロット信号を受信してから下りリンクにおいて端末およびリレー装置へ伝送経路およびMCSの情報を通知するまでに1〜2msを要するとすると、制御パイロット信号の送信開始からデータパケット伝送終了までに3〜6ms程度が必要となる。端末およびリレー装置が静止に近い状態であれば、その時間内で伝搬路変動は小さく、制御パイロット信号を用いてパケット伝送時の受信信号品質を予測できる。
本実施の形態の制御では、まず基地局は時間スロット#1および#2において経路ごとに制御パイロット信号を割り当て、その割当情報を端末およびリレー装置へ通知する。図9に最大リレー回数N=1,リレー装置候補数C=1の場合に、経路ごとに直交パターンをもつ制御パイロット信号を割当てた例を示す。また、図10にN=1,C=2の場合に経路ごとに直交制御パイロット信号を割当てた例を示す。これらの直交制御パイロット信号は同じ時間スロットの制御チャネルにおいて、同時に直交符号多重伝送される。なお、別の例として、異なる時間または周波数領域のシンボルを用いて異なる制御パイロット信号を伝送する構成も可能である。ただし、直交符号多重伝送を行なった場合には少ないシンボル数で多くのチャネルを測定できる。基地局から制御パイロット信号を割り当てられた各リレー装置は、端末から制御パイロット信号を受信すると、その受信信号を信号変換した後に増幅して基地局へ送信する。リレー装置における信号処理の詳細は後述する。
(2−2)本発明にかかる中継装置に相当するリレー装置における制御
つづいて、瞬時伝搬測定と制御パイロット信号の割当て制御について説明する。図11に本実施の形態におけるリレー装置の構成例を示す。また、図12にリレー装置における信号処理のフローチャートを示す。このリレー装置は、LNA80と、A/D変換部81と、信号分離部82と、通信チャネル処理部83と、信号変換部84と、増幅率GD制御部85と、信号統合部86と、D/A変換部87と、HPA88と、増幅率GA制御部89と、乗算部90と、通知情報解析部91と、を備える。
信号分離部82は、A/D変換部81から受け取った信号を通信チャネルと制御チャネルに分離する。通信チャネル処理部83は、通信チャネルを保持しておき受信信号をリレー伝送する必要がある場合に、保持しておいた通信チャネルを信号統合部86へ出力する。パイロット信号生成手段に相当する信号変換部84は、信号分離部82から受け取った制御チャネルでの受信信号から必要な成分の抽出、変換などを行い上記保持しておいた通信チャネルに付与する信号パターンのパイロット信号を生成する。増幅率GD制御部85は、信号変換部84からの入力および増幅率GA制御部89からの入力に基づいてデジタル領域での制御チャネルの信号増幅率GDを制御する。信号統合部86は、複数系統から入力された信号を統合して送信信号を生成する。増幅率GA制御部89は、通信チャネル処理部83から通知された通信チャネルの受信電力に基づいて制御チャネルのアナログ領域での増幅率GAを制御する。通知情報解析部91は、基地局から通知された経路情報を解析し、受信信号をリレーする必要があるかどうかを判断する。なお、通信チャネル処理部83および信号統合部86が伝送信号生成手段を構成し、増幅率GD制御部85および乗算部90がパイロット信号増幅手段を構成する。また、HPA88が伝送信号増幅手段に相当する。
リレー装置において、A/D変換器81が受信信号をデジタルへ変換し、信号分離部82は入力された変換後の信号を通信チャネルと制御チャネルに分離する(ステップS21)。通信チャネルは通信チャネル処理部83に一旦蓄えられ、また、制御チャネルに対しては、信号変換部84において以下の処理が実行される。
ここで、端末が制御パイロット信号のq番目のシンボルs'(q)(E[|s'(q)|2]=1)を送信電力P'Tで送信すると、リレー装置での受信信号x'R(q)は次式(4)で表される。
Figure 0004846614
なお、n'R(q)はリレー装置の制御チャネルにおける雑音成分を表し、E[|n'R(q)|2]=NRである。
そして、リレー装置の信号変換部84は、制御チャネルでの受信信号x'R(q)を次式(5)で示す信号u'(q)へ変換する(ステップS22)。
Figure 0004846614
なお、u(s)(q),u(n)(q)は、それぞれ信号電力通知用,雑音電力通知用に割り当てられた直交パイロット信号を表し、Sは受信信号x'R(q)に含まれるパイロット信号電力、NRはリレー装置での雑音電力を表す。たとえば、実環境では、制御パイロット信号のシンボル数q0を用いて、S,NRは次式(6)で推定される。
Figure 0004846614
なお、*は複素共役を表す。以上のような推定処理により理想値S(=P'T|hTR2),NRに近い値を得る。
本発明では、受信信号x'R(q)をu'(q)へ変換することにより、図9,10で示した端末からリレー装置への伝送に割り当てられた制御パイロット信号をリレー装置から基地局への伝送に割り当てられた制御パイロット信号へ変換する。このような信号変換を行うことにより、経路によって異なるパイロット信号を割り当てることも可能となる。また、雑音成分を同じ電力の制御パイロット信号へ変換することにより、他の制御パイロット信号との直交性を維持する。
仮に、雑音成分n'R(q)をそのまま増幅して基地局へ送信すると、基地局において雑音n'R(q)は他の制御パイロット信号と直交性が保たれない。たとえば、図10に示すように複数経路のチャネル状態を測定する場合、異なるリレー装置が雑音をそのまま増幅して送信すると、基地局では増幅された雑音が制御パイロット信号に基づくチャネル測定の劣化要因となる。しかしながら、本発明を用いると、雑音n'R(q)が他の制御パイロット信号に及ぼす悪影響を解消できる。
このように、本発明では希望信号のチャネル状態を通知するのみでなく、リレー装置で発生する雑音電力規模についても異なる制御パイロット信号を用いて基地局へ通知する。この際、雑音成分を制御パイロット信号に変換することにより、他の制御パイロット信号との時間的な直交関係を維持する。本信号変換の適用範囲は広く、本実施の形態の制御パイロット信号以外に対しても広く適用できる、異なる適用例については、後述する他の実施の形態において説明する。
上記信号変換部84における信号変換処理につづいて、増幅率GD制御部85および乗算部90は、次式(7)を用いて制御パイロット信号u'(q)をデジタル領域で変換する(ステップS23)。
Figure 0004846614
そして、信号統合部86は、上記ステップS23を実行して得られた信号を、上記通信チャネル処理部83へ蓄積しておいた対応する通信チャネルと統合する(ステップS24)。なお、通信チャネル処理部83が通信チャネルを保持しておくのではなく信号統合部86が通信チャネルを保持するようにしてもよい。ステップS24を実行して得られた信号は、アナログ領域において増幅率GAのHPA(高出力増幅器)88により増幅された後送信される(ステップS25)。このステップS25において送信される信号は、次式(8)で示される。
Figure 0004846614
なお、GDおよびGAは、それぞれデジタル領域およびアナログ領域での増幅率を表す。制御パイロット信号はデータパケットの伝送状態を模擬することを目的としており、GDAは上式(3)で表したGと同じ増幅率とすることが求められる。すなわち、次式(9)が成り立つことが求められる。
Figure 0004846614
なお、r=PT/P'Tであり、rは事前にシステムで決定される。
通常、HPAの増幅率GAは通信チャネルの受信電力に基づいて増幅率GA制御部89において決定される。通信チャネルは制御チャネルとは異なる端末から送信される場合もあり、通信チャネルの受信電力に応じてHPAの増幅率GAはさまざまな値となる。増幅率GA制御部89においてGAが決定されると、増幅率GD制御部85ではGAにかかわらず上式(3)を満たすため、制御チャネルのデジタル領域での増幅率GDを次式(10)により決定する。
Figure 0004846614
このように、制御チャネルを分離させてデジタル領域で増幅することで、通信チャネルと制御チャネルを異なる増幅率で増幅する。その結果、端末がデータパケットを伝送する状態を、制御チャネルを用いて模擬できる。
本発明では、リレー装置が信号変換を行うことにより、他の直交制御パイロット信号が利用されている場合にも互いの直交性を維持しつつ、端末がデータパケットを伝送した状態を模擬できる。また、リレー装置が制御チャネルと通信チャネルを一旦分離し、制御チャネルのみをデジタル領域で増幅することにより、通信チャネルと制御チャネルを異なる増幅率で増幅する。その結果、他の端末が通信チャネルを伝送している場合にも、端末がデータパケットを伝送した状態を模擬できる。
(2−3)基地局におけるチャネル測定および短周期経路選定
つづいて、基地局におけるチャネル測定および短周期経路選定について説明する。ここでは、図4に示した基地局の構成図および図13に示したフローチャートに基づいて、基地局が行うチャネル測定および短周期経路選定について説明する。
基地局は、連続する2つの時間スロット(Slot)#1,#2の制御チャネルにおいて、それぞれ次式(11)で表される信号x1(q),x2(q)を受信する(ステップS31)。
Figure 0004846614
なお、n'1(q),n'2(q)は、それぞれ基地局における時間スロット#1,#2での雑音成分を表す(NBS=E[|n'1(q)|2]=E[|n'2(q)|2])。
信号x1(q),x2(q)を受信すると、信号分離部52は受信信号から制御信号を抽出し、信号品質測定部53は抽出された制御信号を使用して信号品質を測定する。具体的には、受信信号s'(q)と制御パイロット信号u(s)(q),u(n)(q)との相関演算から、次式(12)を用いてc1,c2,c3を推定する(ステップS32)。
Figure 0004846614
また、c1,c2,c3を用いて各経路を選択して信号伝送を行った場合の受信SINRを予測する(ステップS33)。例えば、リレー伝送時の受信SINRをΓrelayと表すとこれは、上式(2)およびGDA=Gより次式(13)で予測される。
Figure 0004846614
なお、複数のリレー装置候補がある場合も同様に受信SINRを予測できる。また、上式(13)ではリレー装置からの雑音電力通知用パイロット信号の電力|c32を測定することで、基地局においてリレー装置から伝送される雑音電力の影響を考慮できる。その結果、受信品質を高精度で予測することができる。また、リレー伝送を行わず、端末が連続する2つの時間スロット(Slot#1および#2)で独立にパケットを直接伝送する場合には、受信SINR(Γdirect)は次式(14)で予測される。
Figure 0004846614
次に、信号品質測定部53が経路候補ごとの受信SINRを予測し、短周期経路・MCS決定部54は、当該予測した受信SINRに基づいてパケット伝送に適したMCSとその際に得られるスループットを予測する(ステップS34)。ここで、スループットQをパケットあたりで受信できるデータ量と定義すると、Qは次式(15)で表される。
Figure 0004846614
ここで、ξ(Γ)は基地局が受信SINRΓである1つのデータパケットからパケットあたりに得られるデータ量を表す。
短周期経路・MCS決定部54は経路候補の中から最も高いスループットQを実現できる経路を選定し、経路・MCS通知部55は選定された経路と対応するMCSを規定フォーマットに変換した後、端末およびリレー装置へ通知する(ステップS35)。図14に基地局がリレー装置および端末に対して伝送経路とMCSを通知する際の情報フォーマットの一例を示す。この通知フォーマットでは、1ビット目が「0」であればリレー伝送を行わずに端末が基地局に直接送信する。「1」であれば、リレー伝送を行う。また、1ビット目が「1」であり、かつ2ビット目が「0」であれば1番目のリレー装置を介してリレー伝送を行い、2ビット目が「1」であれば2番目のリレー装置を介してリレー伝送を行う。たとえば、図10で示したようにリレー伝送を行うリレー装置の候補が2つある場合には、その一方を1ビットで指定できる。
なお、この短周期経路選定に先立って、長周期経路選定では図6に示したフォーマットを使用して伝送経路候補のリレー装置のIDを通知している。従って、端末およびリレー装置は既にリレー伝送を行う候補を認識しており、2つの候補のどちらが選定されたのかを基地局から通知されれば十分である。すなわち、多くのビット数を用いてリレー伝送を行うリレー装置のIDをあらためて通知する必要はなく、リレー伝送経路に関する情報を少ない制御量で通知できる。たとえば、複数の伝送経路候補のリレー装置のうち1番目を「0」2番目を「1」とあらかじめ定義しておき、基地局は、選定したリレー装置が何番目のものかを示す情報のみを通知すればよい。候補が3以上ある場合にはその数に応じてビット数を増やせばよい。このように、長周期経路選定処理と短周期経路選定処理を効率的に組み合わせることにより、経路通知に要する制御量を低減できる。
(3)パケット伝送
端末およびリレー装置は、図14のフォーマットを使用して基地局から通知された内容に従い、データパケットを伝送する。端末(図7参照)は、短周期経路・MCS情報受信部73が基地局からの経路・MCSの通知を受けると、その通知内容に従い、データパケット生成部74がデータパケットを生成し送信する。
また、リレー装置(図11参照)においては、通知情報解析部91が基地局から通知された経路情報を分析し、リレーが必要な場合にはリレー伝送を行うよう通信チャネル処理部83に指示する。リレー伝送を行うよう指示を受けた場合、通信チャネル処理部83は受信信号を信号統合部86へ出力する。増幅率GA制御部89は通信チャネルの受信電力に基づいて適切な増幅率を決定し、決定した増幅率をHPA88へ指示(通知)する。HPA88は指示された増幅率に従ってD/A変換部87からの入力信号を増幅して送信する。基地局(図4参照)では、指定した経路を介して伝送されたデータパケットをデータパケット受信部62が受信する。
このように、本発明によれば、フェージング状態の良好な経路を用いてパケット伝送が行われ、基地局では良好な受信品質でデータパケットを受信できる。従来技術では、多くの経路を通過することによるダイバーシチ効果を目指したが、本発明では最良の経路を選定することにより従来技術よりも良好な伝送特性を得ることができる。
また、本実施の形態においては、まず上述した長周期経路選定動作を実行し、長時間平均伝搬情報に基づいてリレー伝送を行うリレー装置の候補を選定し、つぎに、選定した候補のリレー装置を対象としてフェージングを含む伝送路の検証を行い、最適な伝送経路とMCSを決定することとした。これにより、現実的な制御量でフェージング状態に応じた最良の経路を選択することができる。また、このような2段階で経路選定を行うことにより、高いスループットを実現することができる。
ここで、本発明の有効性を評価するために具体的な環境を設定して行ったシミュレーション結果を示し、本発明の性能について説明する。本シミュレーションは、図15に示したように1つの基地局(BS)と複数のリレー装置(R)が存在し、基地局が無指向性の1アンテナを有する環境を想定して行ったものである。図15に示した環境では、半径L=1kmのセル内に6つのリレー装置が基地局から2L/3の距離に60°間隔で配置されている。端末(T)は1アンテナを有する。また、基地局、端末、各リレー装置の間の任意の伝搬利得hは次式(16)に従うものとする。
Figure 0004846614
なお、Aは定数、lは送受信間距離(km)、αは距離減衰指数、aは平均電力1のレイリー分布、βはシャドーイングによる伝搬損失であり、βは標準偏差8dBのガウス分布に従うものとした。また、今回のシミュレーションではα=3.5とした。リレー装置は2アンテナを有し、2アンテナにおいて距離減衰とシャドーイングは同一であり、レイリーフェージングは独立とした。リレー装置では信号の送受信時に最大比合成に従いビーム形成を行うものとする。
また、本シミュレーションでは、端末が以下のパケット伝送を行う場合を想定して行った。
(方式1)常に1時間スロット単位で基地局へ直接信号伝送する。
(方式2)常に2時間スロットを用いて最も近いリレー装置を介して信号伝送する。
(方式3)最も近いリレー装置を候補として、本発明に基づき伝搬状態に応じて適応的に経路選択を行う。
(方式4)距離の近い2つのリレー装置を候補として、本発明に基づき伝搬状態に応じて適応的に経路選択を行う。
上記全方式において、端末とリレー装置は同じ送信電力でデータパケットを送信する(PT=PR)ものとし、また、基地局とリレー装置は同じ雑音電力を有する(NBS=NR)ものとする。また、端末の送信電力と基地局の雑音電力の比はPT/NBS=A/JBSとする。
図16に端末と基地局の距離LTBに応じて周波数利用効率を評価した結果を示す。ここで、図15に示したセル構成において、端末は基地局と地点Fの直線上に位置するものとした。図16に示したシミュレーション結果は、端末の位置に応じて方式1(直接伝送方式)と方式2(従来のリレー伝送方式)の優劣は変化するが、本発明の方式は常に従来方式1、2の性能を上回ることを示している。これは本発明の方式では、経路の伝搬状態に応じて直接伝送とリレー伝送を短周期で切り替えることにより良好な伝搬状態を維持できるためである。図16では周波数利用効率の改善を示したが、同じ周波数利用効率のもとでは端末の送信電力を低減することもできる。したがって、本発明を用いると、従来の伝送方式と比較して大きな性能改善が得られる。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2のリレー伝送について説明する。本実施の形態では、近年多く用いられているOFDMA(orthogonal frequency division multiplexing access)などのマルチキャリア伝送に対して本発明にかかるリレー伝送(無線伝送方法)を適用する場合について説明する。マルチキャリア伝送では、複数のユーザが異なる帯域を用い、周波数多重により信号伝送するが、従来のリレー伝送を行う装置では、受信信号をそのまま増幅して送信するため、リレー伝送の不要な帯域も同時に増幅して送信してしまう問題がある。そこで、本実施の形態では、OFDMA方式を適用したシステムにおいて必要な帯域のみを増幅して送信する動作について説明する。
図17に実施の形態2におけるリレー装置の構成例を示す。実施の形態1で示したリレー装置(図11参照)と比較して、本構成ではマルチキャリア信号をサブキャリア単位の受信信号に変換するためのFFT部92、サブキャリアをまとめて送信するためのIFFT部93が追加された点が大きく異なる。複数のサブキャリアに対して実施の形態1において示した処理と同様の処理を行うために、実施の形態1のリレー装置の信号分離部82、通信チャネル処理部83、信号変換部84、増幅率GD制御部85、信号統合部86、増幅率GA制御部89、乗算部90および通知情報解析部91に代えて、信号分離部82a、通信チャネル処理部83a、信号変換部84a、増幅率GD制御部85a、信号統合部86a、増幅率GA制御部89a、乗算部90aおよび通知情報解析部91aを備える。通知情報解析部91aは、各サブキャリアで受信する信号をリレー伝送するか否かの情報を基地局から受信して認識し、通信チャネル処理部83aに対して認識結果を通知する。
以下、本実施の形態の制御動作について説明する。実施の形態1で説明したように、基地局は端末の状態に応じて経路を選定し、その内容を端末および選定したリレー装置に通知する。リレー装置では通知情報解析部91aがその通知情報を認識し、各サブキャリアにおいて伝送される信号をリレー伝送すべきか否か判断する。通信チャネル処理部83aは、通知情報解析部91aにおける判断結果に従い、リレー伝送するサブキャリアの信号を信号統合部86aへ送信する。一方、リレー伝送が不要なサブキャリアの信号は信号統合部86aへ送信しない。なお、信号変換部84a、増幅率GD制御部85a、信号統合部86a、増幅率GA制御部89a、乗算部90aおよび通知情報解析部91aは複数の信号に対して処理を実行する点が実施の形態1のリレー装置の各部と異なる。ただし、個々の信号に対して実際に行う処理そのものは実施の形態1で示した処理と同様である。
このように、本実施の形態のリレー装置は、増幅して送信すべきサブキャリアのみをリレー伝送し、リレー伝送の不要なサブキャリアをリレー伝送しないようにしたので、不要な電波の放射を削減できる。これにより、全ての信号を一様に増幅していた従来のリレー装置と比較して、送信電力を有効に利用でき、周辺機器への不要な干渉を抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、基地局からの通知情報に従い信号増幅すべきサブキャリアを認識する方法について説明したが、この他にもサブキャリアごとの受信信号に含まれるパイロット信号電力からパケットが伝送されているか否かを判定してもよい。すなわち、パイロット信号の受信電力レベルが閾値以下のサブキャリアではパケットが伝送されていないと判断してリレー伝送を行わないようにする。このように、サブキャリアまたはパケット伝送するサブキャリア群の単位でその受信電力レベルによってパケットの到来を判定することで、必要なサブキャリアの信号のみをリレー伝送することもできる。以上のことからもわかるように、本実施の形態で示したリレー伝送は、基地局から通知情報(信号を増幅すべきサブキャリアの情報)を受け取る場合に限定されるものではなく、さまざまな検出法に基づいてサブキャリアまたはパケット伝送するサブキャリア群の単位でリレー伝送するか否かを判定し、判定結果に基づいてサブキャリアごとのリレー伝送を実現することができる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3のリレー伝送について説明する。実施の形態1では、リレー装置において雑音成分を信号変換する処理について説明したが、この処理は制御パイロット信号のリレー伝送以外に対しても適用できる。
図18は、実施の形態3におけるリレー伝送方式を示した図であり、2つの端末(T1およびT2)がそれぞれ異なるリレー装置(R1およびR2)に対して、連続する時間スロットの1番目の時間スロット(以下、時間スロット#1と呼ぶ)でデータパケットを送信し、これに続く2番目の時間スロット(以下、時間スロット#2と呼ぶ)において各リレー装置(R1およびR2)が、増幅したデータパケットを同時に基地局へ送信する。また、時間スロット#2において、基地局は、各リレー装置から送信された信号を複数のアンテナを用いて空間分離して受信する。この際、基地局は、時間スロット#2の受信信号に含まれるデータパケットに付随するパイロット信号を用いて複数アンテナ間での適切な受信ウエイトを決定する。
図19−1は、端末T1からリレー装置R1へ伝送するデータパケットおよび端末T2からリレー装置R2へ伝送するデータパケットと、リレー装置R1から基地局へ送信するデータパケットおよびリレー装置R2から基地局へ送信するデータパケットと、を示している。各パケットはパイロット信号を含んでおり、通常異なる端末から送信するパケットへは互いに直交したパイロット信号が与えられる。
ここで、リレー装置R1およびR2は、端末からの受信信号を増幅するが、受信信号をそのまま増幅して送信すると、リレー装置R1から基地局へ送信される信号(増幅された受信信号)はリレー装置R1で増幅された雑音成分105を含む。同様にリレー装置R2から基地局へ送信される信号もリレー装置R2で増幅された雑音成分106を含む。この際、増幅された雑音成分105はリレー装置R2から送信されたパイロット102と非直交な関係にあり、基地局においてパイロット信号102を用いて受信ビームウエイトを生成する際の劣化要因となる。また、基地局においてパイロット信号102を用いて伝搬路推定を行う際にも劣化要因となり、受信性能に悪影響を及ぼす。同様に、雑音成分106もリレー装置R1から送信されたパイロット信号101と非直交な関係にあり、基地局におけるデータパケット受信性能に悪影響を及ぼす。
そのため、リレー装置R1は、データパケットのリレー伝送において、実施の形態1で示した手順((2−2)リレー装置における制御を参照)と同様の手順を実行することにより受信信号から雑音電力を推定し、雑音成分を同じ電力を持つ他の直交パイロット信号に変換する。また、受信信号を用いて端末T1からのパイロット信号電力を推定し、信号のパイロット信号と雑音電力通知用のパイロット信号を多重化した後、増幅して基地局へ送信する。リレー装置R2においても同様に端末T2からの受信信号に含まれる雑音成分をパイロット信号に変換する。なお、図19−2は、リレー装置において雑音成分を直交パイロット信号に変換し、基地局へ伝送する場合の信号波形を示す図である。本図に示すように、雑音成分の変換を行ったパイロット信号107は他のパイロット信号102と直交関係にある。従って、基地局が受信ビームを形成して他のリレー装置から送信されたパケットを受信する際にも劣化要因とならない。
このように、データパケット伝送時のパイロット信号に対しても、上述した実施の形態1と同様の雑音成分変換処理を適用することができる。すなわち、リレー装置で増幅された雑音によって空間多重伝送されるパケットのパイロット信号が悪影響を受けるのを防止できる。
なお、本実施の形態では、雑音成分を同じ電力の直交パイロット信号に変換して送信したが、この他の方法としてリレー装置が、雑音成分から生成した直交パイロット信号を送信しない方法もある。すなわち、リレー装置は、端末からの受信信号に含まれるパイロット信号のみを基地局へ伝送する。この場合も、他のリレー装置が送信するパイロット信号と非直交な関係にある雑音成分は消去されるため、増幅された雑音成分が他のパイロット信号に与える悪影響を排除できる。このように、雑音成分を抑圧することによって、基地局での受信特性を維持することができる。
また、本実施の形態では直交パイロット信号に関して述べたが、直交パイロット信号パターンにはさまざまな組み合わせがある。図20に直交信号グループの例を示す。図20に示した直交信号グループ#1はウォルシュ符号により構成される直交信号である。また、この他にも、直交信号グループ#2で示される組合せもある。直交信号グループ#2では、信号#1は1番目の時間シンボルのみで送信され、他の2〜4番目のシンボルは電力0であり送信されない。このように、異なる時間シンボルで信号を送信することにより、直交パイロット信号を構成する方法もある。直交信号グループ#2を本実施の形態で用いると、リレー装置からの雑音電力用パイロット信号は1シンボルで送信される。このように、本実施の形態において使用可能な直交パイロット信号は、全ての時間シンボルで電力の存在する信号に限定されるものではなく、ある時間シンボルでの電力が0となる直交パイロット信号も含む。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4のリレー伝送について説明する。上述した実施の形態1〜4では、上りリンクに対してリレー伝送を適用する場合について説明したが、本発明は下りリンクに対しても適用可能である。そのため、本実施の形態においては、下りリンクに対して本発明を適用する場合について説明する。
図21は、下りリンクに本発明のリレー伝送を適用した場合の信号伝送動作の一例を示す図である。長周期経路選定手順に関しては実施の形態1において示した「(1)長周期経路選定手順」と同様であり、基地局が長時間平均伝搬情報を管理し、端末およびリレー装置に対して図6に示したフォーマットに従いリレー経路候補を通知する。
リレー経路候補を選定すると、短周期経路選定手順では、基地局が下りリンク制御チャネルにおいて制御パイロット信号を割り当てた後、制御パイロット信号を経路候補のリレー装置を介してリレー伝送する。端末は、各経路候補のリレー装置を用いて信号伝送を行った場合の受信信号品質を制御パイロット信号をの受信状態から予測し、利用する伝送経路およびMCSを決定する。また、端末は、決定した伝送経路およびMCSに関する情報を上りリンクでリレー装置および基地局へ通知する。端末から通知を受けた基地局は、通信チャネルにおいて、通知された情報が示す伝送経路を使用してデータパケットを端末へ送信する。リレー装置は、端末から通知された情報に従い、必要であればデータパケットを端末へリレー伝送する。端末は、上記決定した伝送経路を使用して基地局から送信されたデータパケットを受信する。なお、基地局、リレー装置および端末の構成および制御の詳細は、実施の形態1〜4で述べたものと同様であるため、その説明は省略する。
このように、上述した実施の形態1〜4と同様に、下りリンクに対しても本発明にかかるリレー伝送を適用できる。従って、本発明は上りリンクに限定されるものではなく、また、無線LAN、UWB(Ultra Wide Band)など、さまざまな無線システムに対して適用可能である。
以上のように、本発明にかかる通信装置、中継装置、伝送経路決定方法、無線伝送方法および無線伝送システムは、無線通信に有用であり、特に、通信端末と基地局など、特定の通信装置が送信した無線信号をその送信相手先以外の通信装置が必要に応じてリレー伝送を行う無線通信方式に有用である。
実施の形態1のリレー制御手順を使用して行う信号伝送動作の一例を示す図である。 実施の形態1の信号伝送動作を示すフローチャートである。 伝搬情報の通知フォーマットの一例を示す図である。 実施の形態1の基地局の構成例を示す図である。 経路テーブルの一例を示す図である。 伝送経路候補の通知フォーマットの一例を示す図である。 実施の形態1の端末の構成例を示す図である。 制御チャネルとデータパケットの伝送に用いる通信チャネルとの時間的な関係の一例を示す図である。 時間スロットおよびこれに割り当てられるパイロットパターンの関係を示す図である。 時間スロットおよびこれに割り当てられるパイロットパターンの関係を示す図である。 実施の形態1のリレー装置の構成例を示す図である。 リレー装置における信号処理を示すフローチャートである。 基地局におけるチャネル測定処理および短周期経路選定処理を示すフローチャートである。 基地局が伝送経路およびMCSを通知する際の情報フォーマットの一例を示す図である。 実施の形態2の無線伝送システムの構成を示す図である。 端末と基地局の距離に応じた周波数利用効率の評価結果を示す図である。 実施の形態2のリレー装置の構成例を示す図である。 実施の形態3におけるリレー伝送処理を説明するための図である。 端末からリレー装置へ伝送するデータパケットおよびリレー装置から基地局へ送信するデータパケットの一例を示す図である。 端末からリレー装置へ伝送するデータパケットおよびリレー装置から基地局へ送信するデータパケットの一例を示す図である。 直交パイロット信号として使用する直交信号グループの例を示す図である。 下りリンクに本発明のリレー伝送を適用した場合の信号伝送動作の一例を示す図である。
符号の説明
10 基地局(BS)
20 端末(T)
31、32、33 リレー装置
41 端末ID(Terminal ID)
42 平均伝搬情報(Average Propagation Loss Indicator)
43 上り平均受信干渉電力(UL average interference)
44 下り平均受信干渉電力(DL average interference)
50、70、80 LNA(Low Noise Amplifier)
51、71、81 A/D変換部
52、72、82、82a 信号分離部
53 信号品質測定部
54 短周期経路・MCS決定部
55 経路・MCS通知部
56 長時間平均伝搬情報格納部
57 長周期経路決定部
58 経路候補通知部
59 データパケット受信部
60、77、86、86a 信号統合部
61、78、87 D/A変換部
62、79、88 HPA(High Power Amplifier)
73 短周期経路・MCS情報受信部
74 データパケット生成部
75 長周期経路情報・制御パケット割当情報受信部
76 制御パイロット信号生成部
83、83a 通信チャネル処理部
84、84a 信号変換部
85、85a 増幅率GD制御部
89 増幅率GA制御部
90、90a 乗算部
91、91a 通知情報解析部
92 FFT部
93 IFFT部

Claims (27)

  1. 受信信号を増幅してリレー伝送する複数の中継装置とともに無線伝送システムを構成し、通信相手となる通信装置である対向装置が自装置へ送信する信号の伝送経路を決定する機能を有する通信装置であって、
    各中継装置から個別に通知される、長時間で測定された他の通信装置との間の伝搬状態を示す伝搬状態情報に基づいて、前記対向装置が自装置へ送信する信号をリレー伝送する中継装置の候補を選定する候補選定手段と、
    前記対向装置との間の伝搬状態および前記候補それぞれとの間の伝搬状態を、前記他の通信装置との間の伝搬状態の測定時間よりも短い時間でそれぞれ測定する伝搬状態測定手段と、
    前記伝搬状態測定手段による測定結果に基づいて前記対向装置が送信する信号の伝送経路を決定する伝送経路決定手段と、
    を備えることを特徴とする通信装置。
  2. 前記他の通信装置との間の伝搬状態は、フェージングに追従不可能な周期での伝搬状態測定結果であり、
    前記対向装置との間の伝搬状態および前記候補それぞれとの間の伝搬状態は、フェージングに追従可能な周期での伝搬状態測定結果であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記伝送経路決定手段は、前記測定結果に基づいて前記信号のリレー伝送を行うかどうかを決定し、リレー伝送を行う場合には、リレー伝送を行う中継装置を前記候補の中から選択することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 前記候補選定手段は、互いに直交するパイロット信号を前記各候補が使用するパイロット信号として個別に割り当て、
    前記伝搬状態測定手段は、前記候補が同じタイミングでそれぞれ送信したパイロット信号を使用して各伝送路の伝搬状態を測定することを特徴とする請求項1、2またはに記載の通信装置。
  5. 前記候補が、前記対向装置からの受信信号に含まれる雑音成分を当該雑音成分と同一電力のパイロット信号(雑音電力推定用パイロット信号)へ変換して伝送する場合、
    前記伝搬状態測定手段は、前記雑音電力推定用パイロット信号を使用して前記候補がリレー伝送した信号に含まれる雑音電力を推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の通信装置。
  6. 前記候補選定手段は、選定した候補を示す装置固有の識別情報を前記対向装置および当該候補へ所定のフォーマットで通知し、
    前記伝送経路決定手段は、前記候補選定手段により選定された候補の数をnとすると、決定した伝送経路上でリレー伝送を行う中継装置を当該中継装置および前記対向装置に通知する場合に、当該中継装置1台あたりを、n−1以上の値を表すことが可能な最小ビット数の情報量で通知することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の通信装置。
  7. 前記伝送経路決定手段は、前記伝搬状態測定手段による測定結果に基づいて、それぞれの伝送経路を使用した場合のSINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)またはスループットを予測し、予測結果が最良となる伝送経路を選択することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の通信装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の通信装置とともに無線伝送システムを構成し、当該通信装置の通信相手となる対向装置から送信された信号を一旦受信し、当該受信信号を増幅して当該通信装置へリレー伝送する中継装置であって、
    前記受信信号から第1のパイロット信号を抽出する信号分離手段と、
    前記第1のパイロット信号および前記通信装置から指定された信号パターンに基づいて、第2のパイロット信号を生成して出力するパイロット信号生成手段と、
    前記第1のパイロット信号が抽出された後の受信信号および前記パイロット信号生成手段の出力信号に基づいて、前記通信装置へ送信する伝送信号を生成する伝送信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする中継装置。
  9. さらに、
    前記受信信号の電力に基づいて増幅率を決定し、当該増幅率にしたがって前記パイロット信号生成手段の出力信号を増幅するパイロット信号増幅手段、
    を備え、
    前記伝送信号生成手段は、前記第1のパイロット信号が抽出された後の受信信号および前記パイロット信号増幅手段の出力信号に基づいて、伝送信号を生成することを特徴とする請求項に記載の中継装置。
  10. さらに、
    前記パイロット信号増幅手段が使用する増幅率に基づいて前記伝送信号の電力が所望の値となるような増幅率を決定し、当該増幅率にしたがって前記伝送信号を増幅する伝送信号増幅手段、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の中継装置。
  11. 前記パイロット信号生成手段は、前記第1のパイロット信号から雑音成分を除去した後信号を前記第2のパイロット信号とすることを特徴とする請求項または10に記載の中継装置。
  12. 前記パイロット信号生成手段は、前記第1のパイロット信号から雑音成分を抽出し、雑音成分抽出後の第1のパイロット信号と同じ電力の前記第2のパイロット信号を生成して出力し、さらに、受信側の通信装置から指定された信号パターンに基づいて、前記雑音成分と同じ電力を有しかつ当該第2のパイロット信号と直交する第3のパイロット信号を生成して出力することを特徴とする請求項または10に記載の中継装置。
  13. 前記受信信号としてマルチキャリア信号を受信した場合、前記伝送信号生成手段は、前記パイロット信号生成手段が出力した信号と、前記第1のパイロット信号が抽出された後の受信信号に含まれる前記通信装置から指定された帯域の信号と、を使用して伝送信号を生成することを特徴とする請求項12のいずれか一つに記載の中継装置。
  14. 複数の通信装置と、当該複数の通信装置に含まれるいずれか2つの通信装置の間で送受信される信号を一旦受信し、当該受信信号を増幅してその相手先へリレー伝送する複数の中継装置と、により構成された無線伝送システムにおいて、特定の通信装置が送信する信号の伝送経路を当該信号の受信側の通信装置が決定する伝送経路決定方法であって、
    各中継装置から個別に通知される、長時間で測定された他の通信装置との間の伝搬状態を示す伝搬状態情報に基づいて、前記対向装置が自装置へ送信する信号をリレー伝送する中継装置の候補を選定する候補選定ステップと、
    前記対向装置との間の伝搬状態および前記候補それぞれとの間の伝搬状態を、前記他の通信装置との間の伝搬状態の測定時間よりも短い時間で測定し、当該測定結果に基づいて当該対向装置が送信する信号の伝送経路を決定する伝送経路決定ステップと、
    を含むことを特徴とする伝送経路決定方法。
  15. 前記他の通信装置との間の伝搬状態は、フェージングに追従不可能な周期での伝搬状態測定結果であり、
    前記対向装置との間の伝搬状態および前記候補それぞれとの間の伝搬状態は、フェージングに追従可能な周期での伝搬状態測定結果であることを特徴とする請求項14に記載の伝送経路決定方法。
  16. 前記伝送経路決定ステップでは、前記測定結果に基づいて前記信号のリレー伝送を行うかどうかを決定し、リレー伝送を行う場合には、リレー伝送を行う中継装置を前記候補の中から選択することを特徴とする請求項14または15に記載の伝送経路決定方法。
  17. 前記候補選定ステップでは、互いに直交するパイロット信号を前記各候補が使用するパイロット信号として個別に割り当て、
    前記伝送経路決定ステップでは、前記候補が同じタイミングでそれぞれ送信したパイロット信号を使用して各伝送経路の伝搬状態を測定することを特徴とする請求項14、15または1に記載の伝送経路決定方法。
  18. 前記候補が、前記対向装置からの受信信号に含まれる雑音成分を当該雑音成分と同一電力のパイロット信号(雑音電力推定用パイロット信号)へ変換して伝送する場合、
    前記伝送経路決定ステップでは、前記雑音電力推定用パイロット信号を使用して前記候補がリレー伝送した信号に含まれる雑音電力を推定することを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の伝送経路決定方法。
  19. 前記候補選定ステップでは、選定した候補を示す装置固有の識別情報を前記対向装置および当該候補へ所定のフォーマットで通知し、
    前記伝送経路決定ステップでは、前記候補選定ステップで選定した候補の数をnとすると、決定した伝送経路上でリレー伝送を行う中継装置を当該中継装置および前記対向装置に通知する場合に、当該中継装置1台あたりを、n−1以上の値を表すことが可能な最小ビット数の情報量で通知することを特徴とする請求項1〜1のいずれか一つに記載の伝送経路決定方法。
  20. 前記伝送経路決定ステップでは、前記伝搬状態測定結果に基づいて、それぞれの伝送経路を使用した場合のSINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)またはスループットを予測し、予測結果が最良となる伝送経路を選択することを特徴とする請求項1〜1のいずれか一つに記載の伝送経路決定方法。
  21. 請求項14〜20のいずれか一つに記載の伝送経路決定方法を実行する通信装置とともに無線伝送システムを構成する中継装置が、当該通信装置の通信相手となる対向装置から送信された信号を一旦受信し、当該受信信号を増幅して当該通信装置へリレー伝送する場合の無線伝送方法であって、
    前記受信信号から第1のパイロット信号を抽出するパイロット信号抽出ステップと、
    前記第1のパイロット信号および前記通信装置から指定された信号パターンに基づいて、第2のパイロット信号を生成して出力するパイロット信号生成ステップと、
    前記第1のパイロット信号が抽出された後の受信信号および前記パイロット信号生成ステップにおいて生成された信号に基づいて、前記通信装置へ送信する伝送信号を生成する伝送信号生成ステップと、
    を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  22. さらに、
    前記受信信号の電力に基づいて増幅率を決定し、当該増幅率にしたがって前記パイロット信号生成ステップにおいて生成された信号を増幅するパイロット信号増幅ステップ、
    を含み、
    前記伝送信号生成ステップでは、前記第1のパイロット信号が抽出された後の受信信号および前記パイロット信号増幅ステップにおいて増幅された後の信号に基づいて、伝送信号を生成することを特徴とする請求項21に記載の無線伝送方法。
  23. さらに、
    前記パイロット信号増幅ステップにおいて使用する増幅率に基づいて前記伝送信号の電力が所望の値となるような増幅率を決定し、当該増幅率にしたがって前記伝送信号を増幅する伝送信号増幅ステップ、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の無線伝送方法。
  24. 前記パイロット信号生成ステップでは、前記第1のパイロット信号から雑音成分を除去した後信号を前記第2のパイロット信号とすることを特徴とする請求項21、2または2に記載の無線伝送方法。
  25. 前記パイロット信号生成ステップでは、前記第1のパイロット信号から雑音成分を抽出し、雑音成分抽出後の第1のパイロット信号と同じ電力の前記第2のパイロット信号を生成して出力し、さらに、前記通信装置から指定された信号パターンに基づいて、前記雑音成分と同じ電力を有しかつ当該第2のパイロット信号と直交する第3のパイロット信号を生成して出力することを特徴とする請求項21、2または2に記載の無線伝送方法。
  26. 前記受信信号としてマルチキャリア信号を受信した場合、前記伝送信号生成ステップでは、前記パイロット信号生成ステップにおいて生成された信号と、前記第1のパイロット信号が抽出された後の受信信号に含まれる前記通信装置から指定された帯域の信号と、を使用して伝送信号を生成することを特徴とする請求項21〜2のいずれか一つに記載の無線伝送方法。
  27. 請求項1〜のいずれか一つに記載の通信装置と、
    請求項〜1のいずれか一つに記載の中継装置と、
    を備えることを特徴とする無線伝送システム。
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