本発明は車両用サスペンション装置、詳しくは、電磁作動機が発生する力に依拠して車輪と車体の相対移動に対する減衰力を発生させる電磁式アクチュエータを備えた車両用サスペンション装置に関する。
現在、電磁作動機としての電動モータ等を有して、その電動モータが発揮する力によって車輪と車体との相対移動に対する減衰力を発生するアクチュエータを備えた車両用サスペンション装置が検討されている。このようなサスペンション装置は、いわゆる電磁式サスペンション装置と呼ばれ、減衰力のアクティブ制御が効果的に実行できることから、近未来的なサスペンションシステムとして期待されている。下記特許文献に記載されているサスペンション装置は、電磁式サスペンション装置の一例である。
特開平8−197931号公報
上記特許文献に記載されている装置では、アクチュエータと車体とが弾性的に連結され、それらの相対移動に対する減衰力を発生させる減衰力発生装置としてのダンパが配備されている。そのダンパは、車輪からの衝撃的な荷重に対応するための機能部品として設けられている。電磁式サスペンション装置は、上記電動モータ等を制御することで適切な減衰力を発生させるように構成されるが、電動モータ等の作動が追従できない程の高周波的な振動に対しては、充分に機能せず、そのような高周波的な振動の車体への伝達を抑制することが困難となっている。上記ダンパは、上記高周波的な振動吸収においても有効に機能するものであり、そのような観点から、ダンパを設けることが検討されている。このようなダンパを設けたサスペンション装置は、種々の問題を抱え、実用性を改善する余地が多分に残されたものとなっている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い電磁式サスペンション装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両用サスペンション装置は、電磁式アクチュエータを備えたサスペンション装置であって、そのアクチュエータと、車体と車輪との一方とを弾性的に連結するとともに、それら車体と車輪との一方とアクチュエータとの相対接近離間に対しての減衰力を発生させる減衰力発生装置を、電磁式作動機を有してその電磁式作動機が発生する力に依拠する減衰力を発生するように構成したことを特徴とする。
従来の電磁式サスペンション装置では、電磁式アクチュエータと車体あるいは車輪との間に設けられるダンパは、液圧式(油圧式)のものとされている。それに対して、上記本発明の車両用サスペンション装置は、従来において採用されている液圧式のダンパに代え、電動モータ等である電磁式作動機が発生する力を利用したダンパ、いわゆる電磁式ダンパを採用している。したがって、作動液の液漏れ対策等の特別な配慮の必要がなく、本発明のサスペンション装置は、ダンパの構造の簡略化、ひいては、自身の構造の簡略化されたサスペンション装置となる。そのことにより、本発明の車両用サスペンション装置は、実用性の高いサスペンション装置となる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記(1)項は、請求可能発明の前提となる態様を示す項であり、(1)項を引用する(2)項以下の項が、請求可能発明の態様を示す項となる。ちなみに、以下の各項において、(1)項と(2)項とを合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(3)項および(4)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項(2)に、請求項2に(5)項の技術的特徴と(6)項の技術的特徴との一方による限定を加えたものが請求項3に、請求項2に(7)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項4に、請求項2ないし請求項4のいずれかに(10)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項5に、請求項2ないし請求項5のいずれかに(11)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項5に、請求項1ないし請求項6のいずれかに(12)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項7に、請求項1ないし請求項7のいずれかに「サスペンションスプリング」に係る限定を加えたものが請求項8に、請求項1ないし請求項8のいずれかに(14)項の技術的特徴を加えたものが請求項9に、それぞれ相当する。
(1)(a)車輪を保持する車輪保持部と車体に設けられたマウント部との一方である一方部と連結される一方側部材と、(b)前記車輪保持部と前記マウント部との他方である他方部と連結される他方側部材と、(c)第1電磁作動機を有し、その第1電磁作動機が発生する力に依拠して、車輪と車体の相対移動に伴う前記一方側部材と前記他方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させる第1減衰力発生装置とを含んで構成された電磁式アクチュエータと、
前記一方部と前記一方側部材とを弾性的に連結する弾性連結機構と、
前記一方部と前記一方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させる第2減衰力発生装置と
を備えた車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、先に述べたように、請求可能発明が適用される電磁式サスペンション装置の構成に関する態様である。本項に記載の電磁式アクチュエータは、いわゆる電磁式のショックアブソーバと呼ぶことのできるものであり、既に公知の構成を有するものを広く採用することが可能である。本項の態様における「第1減衰力発生装置」は、電磁式作動機の発生する力に依拠して車体と車輪との接近・離間に対する減衰力、言い換えれば抵抗力を発生させるものである。ここにいう「電磁作動機」は、電動モータ,発電機等を含む概念であり、「電磁作動機が発生する力」は、例えば、電磁作動機が発電機として機能する場合において、自身が外部力によって動作させられることによって生じる起電力に依拠する力であってもよく、また、電動モータとして機能する場合において、電源から供給される電気エネルギによって発揮される駆動力に依拠する力であってもよい。また、電磁作動機は、回転型のものに限定されず、例えば、リニアモータのような構造のものであってもよい。
上記電磁式アクチュエータでは、上記一方側部材と上記一方部との連結、上記他方側部材と上記他方部との連結は、直接的な連結であってよく、また、例えば、上記弾性連結機構等、他の構成要素を介した連結であってもよい。また、一方側部材と他方側部材とが、ねじ機構等、何らかの機構を介して係合するような構造のものとすることが可能である。さらに、電磁式アクチュエータは、専ら、一方側部材と他方側部材との相対移動に対する減衰力、言い換えれば、上記車輪保持部と上記マウント部との相対移動に対する減衰力させるものであってもよい。つまり、外部力に起因する車輪と車体の相対移動に関する抵抗力を発生させるという受動的な機能(ダンパとしての機能)を、主たる機能として有するものであってよく、受動的な機能のみならず、電磁作動機の駆動力によって、一方側部材と他方側部材とを相対移動させるような能動的な機能、つまり、上記車輪保持部と上記マウント部とを積極的に接近・離間させる機能(例えば、車高を変化させるような機能)を有するものであってもよい。
本項の態様における「弾性連結機構」は、いわゆるばね的に機能する部材を利用した上記一方部と上記一方側部材との相対支持機構と考えることもできる。この弾性連結機構は、一方部と一方側部材とを直接的に連結するような構造であってもよく、また、後に説明するように、一方部と一方側部材との相対移動を回転体の回転に変換するような動作変換機構を介在させ、その回転体を弾性的に支持することで、それら一方部と一方側部材とを弾性的に連結するような構造であってもよい。また、上記ばね的に機能する部材としては、コイルスプリング,板ばね,渦巻きばね等の各種のばね、ゴム等の弾性材、トーションバー等、種々のものの中から、弾性連結機構の構造に応じて、適切なものを採択することができる。なお、弾性連結機構は、マウント部(電磁式アクチュエータの車体の一部への取り付け部を意味する概念である)と電磁式アクチュエータの車体側部材とを連結するものであってもよく、サスペンションアーム等の車輪保持部と電磁式アクチュエータの車輪側部材との連結するものであってもよい。
本項の態様における「第2減衰力発生装置」は、上記一方部と上記一方側部材と相対移動に対する減衰力を発生させる装置であり、平たく言えば、一方部と電磁式アクチュエータの接近・離間に対する抵抗力を付与するダンパである。減衰力を発生させる構造が特に限定されるものではなく、第2減衰力発生装置は、作動液の粘性抵抗等を利用したいわゆる液圧式のダンパを有する装置であってもよく、また、電磁モータ,発電機等の電磁作動機の起電力に依拠する減衰力を発生させるような電磁式ダンパを有する装置であってもよい。また、第2減衰力発生装置は、一方部と一方側部材の相対移動に対して直接的に減衰力を作用させるような構造であってもよく、後に説明するように、一方部と一方側部材の相対移動を回転体の回転に変換する動作変換機構を有して、その回転体の回転に対して減衰力を作用させることによって、間接的に、一方部と一方側部材の相対移動に対して減衰力を作用させるような構造であってもよい。
上述したような電磁式アクチュエータと上記一方部との連結構造、つまり、弾性連結機構と第2減衰力発生装置とを採用した連結構造により、例えば、車輪から衝撃的な荷重が入力された場合であっても、その衝撃を効果的に吸収することが可能となる。また、本項に記載のサスペンション装置では、電磁式アクチュエータは、上記第1電磁作動機等を制御することで、車体と車輪との相対移動に対して適切な減衰力を発生させるように構成されるが、第1電磁作動機の作動が追従できない程の高周波的な振動に対しては、電磁式アクチュエータは充分に機能し得ない。本項の態様のサスペンション装置では、上記連結構造を採用することで、そのような高周波的な振動の車体への伝達を効果的に吸収することが可能となる。
(2)前記第2減衰力発生装置が、第2電磁式作動機を有し、そのその第2電磁式作動機が発生する力に依拠して、前記一方部と前記一方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させるものである(1)項に記載の車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、第2減衰力発生装置の減衰力発生源に、電動モータ,発電機等の電磁式作動機を採用した態様である。従来、電磁式アクチュエータと上記一方部との間に設けられるダンパは、液圧式のダンパとされていた。そのため、作動液を必要とし、また、作動液の液漏れ対策(シール等)等、液圧式ダンパ特有の配慮が必要とされ、そのことは、液圧式ダンパの構造の煩雑化、ひいては、サスペンション装置の構造の煩雑化の一因となっていた。本項に態様のサスペンション装置では、電磁式ダンパが採用されているため、本項のサスペンション装置によれば、液圧式ダンパの採用に起因する構造の煩雑化を解消することが可能である。つまり、その意味において、本項の態様のサスペンション装置は、実用性の高いサスペンション装置となる。
本項の態様における第2減衰力発生装置が発生させる減衰力は、第1減衰力発生装置の場合と同様、電磁作動機が発電機として機能する場合において、自身が外部力によって動作させられることによって生じる起電力に依拠する力であってもよく、また、電動モータとして機能する場合において、電源から供給される電気エネルギによって発揮される駆動力に依拠する力であってもよい。ただし、当該サスペンション装置の構成の単純化等の観点からすれば、第2電磁式作動機は、専ら発電機として機能するようなものであることが望ましい。また、第1電磁式作動機の作動が追従しないような高周波振動を吸収するという観点からすれば、第2電磁式作動機は、第1電磁式作動機に比較して、動作抵抗(摩擦抵抗,イナーシャ等を含む概念である)の小さいものであることが望ましい。
(3)前記第2電磁式作動機が、回転型の電磁式作動機とされた(2)項に記載の車両用サスペンション装置。
第2電磁式作動機は、リニアモータ等の直線的に動作するような電磁式作動機であってもよいが、電磁式作動機は、回転型のものが汎用されているため、本項に記載の態様のように、回転型の電磁作動機を採用すれば、その電磁式作動機の採択の幅を広くすることが可能である。なお、本項に記載の態様は、後述する動作変換機構を採用する態様のサスペンション装置に対して、特に有効となる。
(4)前記第2減衰力発生装置が、
回転体を有して前記一方部と前記一方側部材との相対移動をその回転体の回転に変換する動作変換機構を有し、その回転体の回転に対する減衰力を発生させることで、前記一方部と一方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させる構造とされた(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、簡単にいえば、上記動作変換機構を採用し、上記回転体の回転に対して抵抗力を作用させることで、間接的に、電磁式アクチュエータと一方部との接近・離間に対する減衰力を発生させる態様である。従来の電磁式サスペンション装置は、電磁式アクチュエータと一方部との相対移動に対して直接的に減衰力を発生させる構造のダンパが採用されていた。そのため、減衰力を作用させる方向、減衰力を作用させる対象の動作量等に対する自由度が低く、そのことは、サスペンション装置の設計に対する自由度を低くする一因となっていた。それに対して、本項に記載のサスペンション装置では、動作変換機構の構成に応じて、回転体の回転軸線の方向,電磁式アクチュエータと一方部との相対動作量に対する回転体の動作量の比(以下、「動作比」という場合がある)等を任意に設定することができるため、サスペンション装置の設計に対する自由度が高くなっている。その意味において、本項の態様のサスペンション装置は、実用性の高い装置となる。
本項の態様において、「動作変換機構」の具体的構造は、特に限定されるものではない。後に説明するように、目的に応じて、ねじ機構,ギヤ機構等、種々の機構を採用することが可能である。また、回転体の回転軸線方向,位置も、特に限定されるものではなく、その回転軸線が目的に応じた種々の方向で、種々の位置に位置するように、回転体を配置することが可能である。
(5)前記回転体が、それの回転軸線が当該サスペンション装置の軸線と平行でありかつその軸線とずれる状態となるように配設された(4)項に記載の車両用サスペンション装置。
(6)前記回転体が、それの回転軸線が当該サスペンション装置の軸線と交差する状態となるように配設された(4)項に記載の車両用サスペンション装置。
(7)前記回転体が、それの回転軸線が当該サスペンション装置の軸線と同軸的な状態となるように配設された(4)項に記載の車両用サスペンション装置。
上記3つの項に記載の態様は、いずれも、回転体の回転軸線の方向あるいは位置を規定した態様である。例えば、回転体の回転軸線をサスペンション装置の軸線(以下、「サスペンション軸線」という場合がある。電磁式アクチュエータの軸線と考えることができ、マウント部と車輪保持部とを繋ぐ線と考えることもできる)と平行に、あるいは、サスペンション軸線と交差するような態様では、サスペンション装置の当該装置の軸線方向の長さを短くすることができる。電磁式サスペンション装置は、電磁式アクチュエータが電磁式モータ等の磁式作動機を備え、その電磁式作動機がサスペンション軸線に一致して配設されることが多く、その場合、その電磁式作動機の分、サスペンション軸線方向の長さが長くなる。このとことは、電磁式サスペンション装置の1つの欠点である。そのことに鑑みれば、上記回転体の軸線がサスペンション軸線と平行あるいは交差するように回転体を配設した態様は、電磁式サスペンション装置において好適な態様であるといえる。また、回転体の回転軸線をサスペンション軸線と同軸的な状態とした態様、つまり、両者を一致させた態様によれば、サスペンション装置の当該装置の軸線と交差する方向の長さ、すなわち、横方向の幅,径等を小さくできることになり、その方向におけるサスペンション装置のコンパクト化が実現する。なお、ここでいう「交差」とは、回転体の回転軸線とサスペンション軸線が一平面内に位置して交差することをのみを意味するのではなく、それらの軸線が立体交差することをも含む概念である。
(8)前記動作変換機構が、前記一方部と前記一方側部材との一方にその一方と相対移動不能に設けられたラックを有し、前記回転体が、前記一方部と前記一方側部材の他方とその他方と相対移動不能かつ回転可能に設けられて前記ラックと噛合するピニオンを含んで構成された(4)項ないし(7)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
(9)前記動作変換機構が、前記一方部と前記一方側部材との一方にその一方と相対移動不能に設けられた雄ねじ部と、その雄ねじ部と噛合するとともに前記一方部と前記一方側部材との他方にその他方と相対移動不能に設けられた雌ねじ部とを含んで構成され、それら雄ねじ部と雌ねじ部との一方が、前記一方部と前記一方側部材との相対移動に伴って回転可能とされることで前記回転体として機能する(4)項ないし(7)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
上記2つの項に記載の態様は、それぞれ、動作変換機構の具体的構造を限定した態様である。例えば、ラックピニオン機構を採用する態様は、回転体の回転軸線とサスペンション軸線とを交差させる場合に好適であり、また、ねじ機構を採用する態様は、回転体の回転軸線とサスペンション軸線とを同軸的に、あるいは、平行な状態とする場合に好適である。
(10)前記動作変換機構が、前記回転体を回転可能かつ弾性的に支持するとともにその回転体の回転量に応じた弾性力を発生させる弾性支持体を有することで、前記弾性連結機構として機能する(4)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、電磁式アクチュエータの上記一方側部材と上記一方部とを直接的に弾性連結するのではなく、上記回転体を介して間接的に弾性連結する態様である。従来の電磁式サスペンション装置における弾性連結機構は、電磁式アクチュエータと一方部との間に、弾性力を発生させる要素(以下、「弾性力発生要素」という場合がある)としての圧縮あるいは引張コイルスプリングを介在させることによって構成されていた。そのような構成では、その弾性力発生要素の形状,配置位置に対する自由度が低いものとなっていた。本項に記載の態様では、上記弾性支持体は、回転体をそれの回転に対して弾性的に支持するための弾性力発生要素であるため、配置位置,形状等に関する自由度が高くなっている。したがって、本項の態様によれば、サスペンション装置の設計における自由度を高くすることができるのである。
(11)前記第2減衰力発生装置が、回転型の第2電磁式作動機を有し、そのその第2電磁式作動機が発生する力に依拠して、前記一方部と前記一方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させるものであり、
前記第2電磁式作動機が、それの力を発生させるために回転動作する概して筒状の回転動作軸を有する中空構造とされるとともに、その回転動作軸に前記弾性連結機構の少なくとも一部を挿通させた状態で配設された(4)項ないし(10)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、いわゆる中空モータと呼ばれるような電磁作動機を採用し、そのモータの主軸である回転動作軸内に、弾性連結機構の機能要素あるいはその機能要素一部を配設した態様である。本項の態様は、前述の弾性支持体を有する態様に適用する場合において、特に有効な態様となる。その場合、上記弾性支持体として、例えば、トーションバー,捩りコイルスプリング等を採用し、回転動作軸内に、それらトーションバー,捩りコイルスプリング等あるいはそれらの一部を配置するような態様が、本項の態様に相当する。本項の態様では、弾性連結機構の少なくとも一部を内蔵するため、その分、サスペンション装置のコンパクト化が図れ、特に、回転体の軸線方向におけるコンパクト化が図れることになる。
(12)前記第2減衰力発生装置が、第2電磁式作動機を有し、そのその第2電磁式作動機が発生する力に依拠して、前記一方部と前記一方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させるものであり、
前記第2電磁式作動機が、発電機として機能するものとされ、
当該サスペンション装置が、前記一方部と前記一方側部材の相対移動の運動エネルギを電気エネルギとして回生可能に構成された(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
本項の態様は、サスペンション装置に加わる振動のエネルギを電気エネルギとして回生する態様である。その回生したエネルギを、電磁式アクチュエータが備える上記第1電磁式作動機の駆動エネルギとして利用すれば、エネルギ効率の高いサスペンション装置が実現する。また、サスペンション装置以外の車載装置のためのエネルギとして利用する場合であっても、車両自体の省エネルギ化が図れる。このような利点は、液圧式ダンパを採用する従来の電磁式サスペンション装置では得られず、上記第2減衰力発生装置として電磁式のダンパを採用するが故に得られる利点である。
(13)前記電磁式アクチュエータが、
前記一方側部材と前記他方側部材との一方にその一方と相対移動不能に設けられたアクチュエータ雄ねじ部と、
前記一方側部材と前記他方側部材との他方にその他方と相対移動不能に設けられ、前記アクチュエータ雄ねじ部と噛合するとともに、前記一方側部材と前記他方側部材との他方との相対移動に伴って前記アクチュエータ雄ねじ部と相対回転するアクチュエータ雌ねじ部とを有し、
前記第1減衰力発生装置が、前記アクチュエータ雄ねじ部と前記アクチュエータ雌ねじ部との相対回転に対する減衰力を発生させることで、前記一方側部材と前記他方側部材との相対移動に対する減衰力を発生させる構造とされた(1)項ないし(12)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、電磁式アクチュエータの構造に関する限定を加えた態様である。ねじ機構を利用し、そのねじ機構を構成する雄ねじ部と雌ねじ部との相対回転に対する抵抗力を発生させることで、本項の態様によれば、車体と車輪との接近・離間に対する減衰力を効果的に発生させることができる。電磁式アクチュエータが備える車体側部材,車輪側部材(一方が一方側部材であり、他方が他方側部材である)のいずれに雄ねじ部を設け、いずれに雌ねじ部を設けるかは、任意である。また、車体側部材,車輪側部材自体が、雄ねじ部,雌ねじ部として機能するような構成としてもよい。さらに、雄ねじ部を回転不能とし、雌ねじ部を回転可能とするような構成としてもよく、逆に、雌ねじ部を回転不能とし、雄ねじ部を回転可能とするような構成としてもよい。
(14)前記一方部が車輪保持部であり、前記一方側部材がその車輪保持部に連結された(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
本項に記載の態様は、サスペンションアーム等の車輪保持部と電磁式アクチュエータの車輪側部材とを、上記弾性連結機構によって連結し、それらの相対移動に対する減衰力を上記第2減衰力発生装置によって発生させる態様である。平たく言えば、例えば、電磁式アクチュエータと車輪保持部との間で、衝撃,高周波的な振動等を吸収させるための態様である。それらの衝撃,高周波的な振動等は、車輪側から入力される場合が多く、本項の態様によれば、それら衝撃,高周波的振動等が電磁式アクチュエータに伝わり難いというメリットが得らることになる。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<第1実施例>
図1に、第1実施例の車両用サスペンション装置を示す。この車両用サスペンション装置は、独立懸架式のサスペンションシステムを構成する装置であり、前後左右の各車輪毎に設けられている。本サスペンション装置は、車輪を保持する車輪保持部として機能するサスペンションロアアーム(以下、「ロアアーム」と略する場合がある)12と、車体の一部(タイヤハウジングの上部)に設けられたマウント部14とを繋ぐアクチュエータシリンダ16を備えている。また、本サスペンション装置では、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との間に、ダンパ装置18が配設されており、ロアアーム12とマウント部14との間に、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング20が配設されている。なお、本サスペンション装置においては、サスペンションスプリングとしてコイルスプリングを採用しているが、エアスプリングを採用することも可能である。
アクチュエータシリンダ16は、アウタチューブ30と、そのアウタチューブ30に嵌入してアウタチューブ30の下端部から下方に突出するインナチューブ32とを含んで構成されている。インナチューブ32の下端部には、円板状のエンドプレート34が付設されており、このエンドプレート34が、ダンパ装置18を介してロアアーム12に連結されている。一方、アウタチューブ30は、その上端部がマウント部14に連結されている。したがって、本アクチュエータシリンダ16では、アウターチューブ30は、車体と車輪との相対移動において、車体とともに移動する部材であり、車体側部材を構成するものとされ、インナチューブ32は、車輪とともに移動する部材としての車輪側部材を構成するものとされている。
アクチュエータシリンダ16は、さらに、雄ねじが形成されたねじロッド40と、ベアリングボールを保持してねじロッド40と螺合するナット42と、モータ44(DCブラシレスモータであり、後述するもう1つのモータと区別すべく、以下、「第1モータ44」という場合がある)とを有している。第1モータ44は、モータケース46に固定して収容され、そのモータケース46の鍔部がマウント部14の上面側に固定されることでマウント部14に対して固定されている。なお、モータケース46の鍔部にはアウターチューブ30の上端部も固定されており、そのような構造によって、アウターチューブ30がマウント部14に対して連結されているのである。第1モータ44の回転軸であるモータ軸47は、ねじロッド40の上端部と一体的に接続されている。つまり、ねじロッド40は、モータ軸47をアクチュエータシリンダ16の軸線の延びる方向に延長する状態でアウタチューブ30内に位置し、第1モータ44によって回転させられるようにされている。一方、ナット42は、インナチューブ32の上端部に固定されており、その状態で、ねじロッド40と螺合されている。さらに、アウタチューブ30には、その内壁面に上記軸線と平行に延びる1対のガイド溝48が設けられ、それらのガイド溝48の各々には、ナット42の外周上部に付設された1対のキー49の各々が嵌まるようにされている。このような構造から、アウタチューブ30とインナチューブ32とは、相対回転不能に、かつ、上記軸線方向に相対移動可能とされている。なお、上記軸線、つまり、アクチュエータシリンダの16の軸線は、サスペンション装置の軸線と考えることができるため、以下、その軸線を「サスペンション軸線」と呼び、また、その軸線の延びる方向を、「サスペンション軸線方向」と呼ぶ場合がある。
上記構造により、車体と車輪とが相対移動する場合には、ねじロッド40とナット42とがサスペンション軸線方向に相対移動し、それに伴って、ねじロッド40はナット42に対し回転する。第1モータ44は、ねじロッド40に回転トルクを付与可能とされている。つまり、第1モータ44は、ねじロッド40とナット42とに相対回転トルクを付与することが可能であり、この相対回転トルクの向きおよび大きさを適切化することによって、上記車輪側部材と車体側部材との相対移動に対して、その相対移動を阻止する方向の適切な抵抗力を発生させることが可能である。この抵抗力が、車体の一部と車輪との相対移動に対する減衰力となるのである。すなわち、アクチュエータシリンダ16は、車体側部材に対して移動不能に設けられた雄ねじ部としてのねじロッド40と、車輪側部材に対して移動不能に設けられた雌ねじ部としてのナット42とを備え、それら雄ねじ部と雌ねじ部との相対回転に対しての減衰力を発生させることで、車輪側部材と車体側部材との相対移動に対する減衰力、つまり、車輪と車体との減衰力を発生する減衰力発生装置(後述するもう1つの減衰力発生装置と区別するため、以下、「第1減衰力発生装置」という場合がある)を有するものとされているのである。その減衰力発生装置は、電磁式作動機としての第1モータ44の発生する力に依拠する減衰力を発生させるものであることから、本アクチュエータシリンダ16は、電磁式のアクチュエータとされているのである。
なお、第1モータ44は、駆動回路としてのインバータ50を介して電源であるバッテリ52に接続され、このインバータ50は、当該サスペンション装置の制御ユニットであるサスペンション制御ユニット(サスペンションECU)54に接続されている。アクチュエータシリンダ16の発生させる減衰力は、サスペンションECU54が、インバータ50を制御することによって行われる。詳しく言えば、インバータ50のスイッチング素子の適切な切換えにより、車体と車輪との相対移動に伴って第1モータ44が回転させられることによって発生する起電力の回生量を制御したり、あるいは、バッテリ54からの電力の供給による回転力大きさを制御し、それによって、アクチュエータシリンダ16が適切な減衰力を発生するような制御が行われるのである。このようなアクチュエータシリンダ16の減衰力発生機能は受動的な機能と考えることができるが、アクチュエータシリンダ16は、能動的に機能させることも可能である。つまり、第1モータ44を回転させることによって、積極的に車輪側部材と車体側部材とを相対移動させて、車体の姿勢を安定化させるような機能,車高を調節するような機能を発揮させることも可能なのである。
次に、図1のAA’線における断面図である図2をも参照しつつ、ダンパ装置18について説明すれば、ダンパ装置18は、ロアアーム12に連結された2つの部材からなるカバーチューブ70と、サスペンション軸線に対し直角に立体交差して設けられたダンパシリンダ72と、ラックロッド76とを含んで構成されている。カバーチューブ70は、段付形状の筒部と、筒部の下端部を塞ぐ蓋部とを備える概して有底円筒状のものであり、ラックロッド76は、インナチューブ32に付設されたエンドプレート34に固定された状態で、カバーチューブ70内にサスペンション軸線方向に延びるように配設され、外周部に形成されたラックにおいて、ダンパシリンダ72が備えるピニオン軸74と噛合している。
ダンパシリンダ72は、カバーチューブ70に固定された概して円筒状のシリンダハウジング77と、シリンダハウジング77に回転可能に設けられたピニオン軸74と、ピニオン軸74を弾性的に支持するトーションバー80と、第2モータ82とを有している。シリンダハウジング77は、自身の両端の各々をを塞ぐ第1蓋部84,第2蓋部86を有しており、ピニオン軸74は、両端部の各々において、それら第1蓋部84,第2蓋部86の各々に、ベアリング88,90を介して回転可能に支持され、ピニオンが形成された部分において、ラックロッド76と噛合している。
第2モータ82は、ピニオン軸74のピニオンが形成された部分と隣接する部分がモータ軸、つまり、回転動作軸となるように構成されたものであり、そのモータ軸となる部分(以下、「モータ軸部」という場合がある)の外周に固定されて配設された複数の永久磁石92と、それら永久磁石92と向かい合うようにしてシリンダハウジング77の周壁の内面に固定的に設けられた複数のステータコイル94とを有している。この第2モータ82は、永久磁石92がロータとして、ステータコイル94がステータとして機能するDCブラシレスモータとして構成されている。
なお、ピニオン軸74は、上記モータ軸部が中空構造とされており、その内部にトーションバー80を収容している。トーションバー80の一端部は、モータ軸部の底壁に固定され、他端部が第2蓋部86に固定されている。このような構造によって、ピニオン軸74はシリンダハウジング77に弾性的に支持されている。
カバーチューブ70の下端部には、取付部材96が付設されており、この取付部材96がロアアーム12に取り付けられることによって、ダンパ装置18がロアアーム12に取り付けられる。カバーチューブ70の上端部には環状のガイド部材100が固定され、ガイド部材100はアウタチューブ30の外周部と接するように設けられており、ガイド部材100とアウタチューブ30とはサスペンション軸線方向に相対移動可能とされている。なお、カバーチューブ70には、その外周部に環状の下部リテーナ102が設けられ、この下部リテーナ102と、マウント部14の下面側に付設された環状の上部リテーナ104とによって、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング20が挟まれる状態で支持されている。つまり、コイルスプリング20は、ロアアーム12とマウント部14とを弾性的に連結しているのである。
カバーチューブ70には、係止ピン106が挿入されており、さらに、インナチューブ32に付設されたエンドプレート34の上面に緩衝ゴム108が貼着されている。また、カバーチューブ70の内部底壁面にも緩衝ゴム110が貼着されている。アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動の際、それらがある程度離間した場合には、エンドプレート34が緩衝ゴム108を介して係止ピン106に当接し、逆に、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とがある程度接近した場合には、ラックロッド76の下端が緩衝ゴム110を介してカバーチューブ70の内部底壁面に当接するようになっている。つまり、本サスペンション装置では、このような構造によって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動範囲が制限されているのである。
さらに、カバーチューブ70には、ラックロッド76とピニオン軸74とを確実に噛合するためのラックロッド押付機構112が設けられている。具体的に言えば、カバーチューブ70にはガイド筒114が設けられるとともにガイド筒114内には付勢部材116が配設されており、その付勢部材116が、筒蓋118に支持されたコイルスプリング120の弾性力によってラックロッド76をピニオン軸74に向かって付勢する構造とされている。
上述の構造により、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に伴うラックロッド76のサスペンション軸線方向への移動が、ラックアンドピニオン機構によって、ピニオン軸74の回転に変換される。つまり、そのような構造によって、ダンパ装置18は、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動を、回転体としてのピニオン軸74の回転に変換する動作変換機構を有しているのである。また、上述したように、ピニオン軸74は、弾性支持体として機能するトーションバー80によって弾性的に支持されている。詳しく言えば、ピニオン軸74の回転は、トーションバー80の発生する弾性力を受けた状態とされている。したがって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に対してもその弾性力が付与される構造とされており、本ダンパ装置18は、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とを、詳しく言えば、車輪側部材を構成するインナチューブ32とロアアーム12とを弾性的に連結する弾性連結機構を含んで構成されるものとなっているのである。なお、本サスペンション装置では、第2モータ82が中空構造とされ、トーションバー80が、ピニオン軸74のモータ軸部内に収容される構造とされていることから、コンパクトな弾性連結機構となっている。
また、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とが相対移動して、ピニオン軸74が回転する場合、第2モータ82が電磁式作動機として、詳しく言えば、発電機として機能し、モータ軸であるピニオン軸74の回転によって起電力が発生する。つまり、この起電力に依拠して、ピニオン軸74の回転に対する抵抗力、すなわち、減衰力が発生させられるのである。本ダンパ装置18は、このような作用を奏する構造により、ラックロッド76のサスペンション軸線方向への移動に対する減衰力、つまり、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に対する減衰力を発生する電磁式の減衰力発生装置(以下、「第2減衰力発生装置」という場合がある)として機能するものとなっており、その減衰力発生装置は、第2モータ82の力に依拠する減衰力を発生する装置であることから、電磁式ダンパとされている
なお、第2モータ82も、インバータ128を介してバッテリ52に接続され、このインバータ128も、サスペンションECU54に接続されて、それによって制御される。本サスペンション装置では、第2モータ82は、専ら発電機として機能するものとされており、起電力の回生量を制御することによって、ダンパ装置18が発生させる減衰力を調整可能とされている。ちなみに、この回生された起電力、すなわち電気エネルギは、前述した第1モータ44、すなわち、アクチュエータシリンダ16への供給電力として利用されるため、本サスペンション装置は、エネルギ効率の高いサスペンション装置となっている。
本サスペンション装置においてアクチュエータシリンダ16は、車体と車輪とをとを繋ぐショックアブソーバとして機能する。したがって、車体と車輪との相対振動は、主に、このアクチュエータシリンダ16によって吸収される。詳しく言えば、ローリング振動,ピッチング振動,バウンシング振動等の比較的低周波的な振動に関して、アクチュエータシリンダ16は効果的にそれらの振動吸収が可能とされている。ところが、その振動の周波数がある程度高くなると、制御応答性(レスポンス)の関係から、アクチュエータシリンダ16の動作、具体的には、例えば第1モータ44の動作が追従せず、充分な振動吸収効果が得られないことになる。本サスペンション装置においては、上記の高周波的な振動、具体的には、ばね下共振周波数あるいはそれよりも高い周波数を超える振動の吸収を目的として、上記ダンパ装置18が設けられている。このようなダンパ装置18の機能から、第2モータ82は、比較的、フリクション,イナーシャ等の抵抗の小さなモータとされている。
上記目的からすれば、ダンパ装置18は、少なくとも、ロアアーム12とマウント部14との一方とアクチュエータシリンダ16との間に配設されればよいため、本サスペンション装置では、ロアアーム12とマウント部14との一方であるロアアーム12を一方部とし、その一方部と連結されるアクチュエータシリンダ16の一方側部材としての車輪側部材であるインナチューブ32と、一方部であるロアアーム12との間に配設されている。このような態様に代え、マウント部14を一方部とし、その場合の一方側部材であるアウタチューブ30とマウント部との間に、電磁式のダンパ装置が配設されたような態様とすることも可能である。
次に、本サスペンション装置と、従来のサスペンション装置との対比を、図3を参照しつつ説明する。なお、図3(a)が、液圧式ダンパを用いた従来のサスペンション装置であり、図3(b)が本サスペンション装置である。図3(a)に示すサスペンション装置は、上記第2減衰力発生装置として機能する液圧式ダンパ130と、2つのコイルスプリング132,134を含んで構成される上記弾性連結機構とを備えており、それらを除いて、上述のサスペンション装置と略同様の構成とされている。そのため、上記サスペンション装置と同じ機能の構成要素については、同じ符号を用い、それらの説明は省略あるいは簡略に行うものとする。
液圧式ダンパ130は、略円筒状をなして作動液を収容するハウジング140と、ハウジング140内において液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン142と、ピストン142に下端部が連結されて上端部がハウジング140の上方から延び出すピストンロッド144とを含んで構成されている。ハウジング140はカバーチューブ146に固定的に嵌め合わされている。ハウジング140内は、ピストン142によって、上室148と下室150とに区画されている。ピストン142には、作動液が上室148と下室150とを流通可能となるように図示していない接続通路が設けらている。また、図示を省略するがハウジング140は二重管構造とされてバッファ室を有し、そのバッファ室と下室150との流通可能となるようにもう1つの接続通路が設けられている。そして、ピストンロッド144の上端部がインナチューブ32に連結されるとともに、ハウジング140の下端部がロアアーム12に連結される構造となっている。このような構造によって、液圧式ダンパ130は、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に対する減衰力を発生させる。2つのスプリング132,134は、カバーチューブ146内に配設され、スプリング132が、カバーチューブ146の上端部に付設されたガイド部材152と、有底円筒状をなすインナチューブ32の端末部材154の鍔部とによって挟持され、スプリング134は、その鍔部とハウジング140の上端面とによって挟持されている。それらのスプリング132,134の弾性力によって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とが弾性的に連結されている。
図3から解るように、図3(a)の従来のサスペンション装置と比較して、図3(b)の本サスペンション装置は、長さ寸法、詳しく言えば、サスペンション軸線方向の長さ寸法が小さくなっている。これは、上述した動作変換機構を採用し、それが有する回転体であるピニオン軸74の軸線をサスペンション軸線と直角に立体交差するような構成としたことの成果であり、また、その動作変換機構を利用して、そのピニオン軸74を弾性支持する構造の弾性連結機構を採用したことによる成果である。ロアアーム12とアクチュエータシリンダ16との相対移動を回転体の回転に変換するような動作変換機構を採用すれば、第2減衰力発生装置の構造,配設姿勢等についての自由度が高く、上記のようなサスペンション装置のコンパクト化が実現するのである。また、本サスペンション装置では、電磁式ダンパを採用することにより、作動液の液漏れ等に対する配慮を要せず、サスペンション装置の構造の煩雑化が解消されている。
<第2実施例>
第2実施例の車両用サスペンション装置は、上記第1実施例の車両用サスペンション装置が備えるダンパ装置18とは構造の異なるダンパ装置、詳しく言えば、先のダンパシリンダ72とは構造の異なるダンパシリンダを備えたサスペンション装置である。このダンパシリンダを除き、第1実施例の車両用サスペンション装置と同様の構成とされているため、本実施例のサスペンション装置については、ダンパシリンダに関する部分のみを図示し、全体の図面を省略することとする。また、本実施例の説明においては、第1実施例と同じ機能の構成要素については、同じ符号を用い、それらの説明は省略あるいは簡略に行うものとする。
図4に示すように、本実施例のサスペンション装置が備えるダンパ装置160は、ダンパシリンダ161を備える。ダンパシリンダ161は、先のダンパシリンダ72と同様、カバーチューブ70に固定された概して円筒状のシリンダハウジング162と、シリンダハウジング162に回転可能に設けられたピニオン軸164と、第2モータ82とを有している。ただし、先のシリンダハウジング72の場合と異なり、ピニオン軸164は、モータ軸部から、ピニオンが形成されている部分(以下、「ピニオン部」という場合がある)とは反対側に延長され、その延長された部分を弾性的に支持する弾性支持機構166が設けられている。詳しく言えば、ピニオン軸164は、両端部が、シリンダハウジング162の両端の各々をを塞ぐ第1蓋部168,第2蓋部170においてベアリング172,174を介して支持されるとともに、ピニオン側とは反対の側において第2モータ82に隣接する位置が、シリンダハウジング162の中間支持部176に、ベアリング178を介して支持され、回転可能とされている。上記延長された部分は、ねじ溝が形成されたねじ部とされて、そのねじ部には、ナット180が、ベアリングボールを介して螺合している。ナット180は、フランジ部182を有する形状とされ、そのフランジ部182が、それぞれ一端部が第2蓋部170,中間支持部176の各々に支持された圧縮コイルスプリング184,186に挟まれるようにして支持されている。なお、ナット180は、フランジ部182に設けられたキー188が、シリンダハウジング162に設けられたキー溝190と係合しており、ピニオン軸164の軸線方向には移動可能であるが、シリンダハウジング162に対して回転不能とされている。
弾性支持機構166は、上記のような構造とされており、ピニオン軸164は、その弾性支持機構166によって、回転に対して弾性力が付与されるようにして、弾性的に支持されているのである。したがって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に対して、間接的に、その弾性力が付与されることで、それらが弾性的に連結されているのである。本実施例においては、上記弾性支持機構166が、第2減衰力発生装置を構成する回転体であるピニオン軸164を回転可能に弾性的に支持する弾性支持体として機能し、その弾性支持機構166と、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動をピニオン軸74の回転に変換する前述の動作変換機構とを含んで、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とを弾性的に支持する弾性連結機構が構成されているのである。また、第2電磁式作動機として機能する第2モータ82によって、回転体としてのピニオン軸164の回転に対する抵抗力が付与され、その結果としてアクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に対する減衰力が付与されることになり、本ダンパ装置160も、第1実施例におけるダンパ装置18と同様、第2減衰力発生装置として機能するものとされている。
<第3実施例>
図5に、第3実施例の車両用サスペンション装置を示す。なお、本実施例の車両用サスペンション装置は、第1実施例のサスペンション装置と比較して、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とを弾性的に連結するための弾性連結機構およびダンパ装置200を除き、第1実施例のものと略同様の構成であるため、それらを中心に説明し、同様の機能の構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略あるいは簡略に行うものとする。
ダンパ装置200は、図6に示すように、第1実施例におけるダンパ装置18と異なり、ピニオン軸202が、弾性支持されていない。つまり、ピニオン軸202のモータ軸部は中空とされておらず、ダンパ装置18において採用されていたトーションバーも、本ダンパ装置200においては採用されていない。その代わりに、本サスペンション装置では、カバーチューブ70内に、弾性連結機構を有している。具体的には、アクチュエータシリンダ16のインナチューブ32の下端部には、第1実施例の場合におけるエンドプレート34の代わりに、有底円筒状の端末部材204が付設されており、その端末部材204のフランジ部206が、カバーチューブ70内に配設された2つの圧縮コイルスプリング208,210によって支持されている。さらに詳しく言えば、カバーチューブ70の上部に設けられたガイド部材100に上端部を支持されたスプリング208と、カバーチューブ70の軸線方向における中間部内周に付設された環状の支持部材212に下端部を支持されたスプリング210とによって、フランジ部206が挟まれるようにされており、そそれらのスプリング208,210の弾性力によって、車輪側部材であるインナチューブ32がカバーチューブ70によって弾性的に支持される構造とされている。つまり、本サスペンション装置では、このような構造によって、上記弾性連結機構が構成されているのである。なお、本ダンパ装置200も、第1実施例のダンパ装置18と同様、第2減衰力発生装置として機能するものとされている。
なお、本サスペンション装置においては、ラックロッド76の下端部に、円板状をなす被係止板214が固定的に取り付けられており、この被係止板214の下面が、緩衝ゴム110を介してカバーチューブ70の内部底壁面に当接することによって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との接近方向の相対移動範囲が規制され、また、この係止板214の上面が、それの上面に貼着された環状の緩衝ゴム216を介して、カバーチューブ70の内面に付設された管状の係止部材218に当接することによって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との離間方向の相対移動範囲が規制される。
<第4実施例>
図7に、第4実施例の車両用サスペンション装置を示す。なお、本実施例の車両用サスペンション装置は、第1実施例のサスペンション装置と比較すれば、概して、ダンパ装置230のみが異なるものとされている。したがって、本実施例の説明は、ダンパ装置230を中心に行うものとし、ダンパ装置230を除く他の構成要素については、第1実施例のものと同じ符号を用い、それらの説明は省略あるいは簡略に行うものとする。
ダンパ装置230は、ロアアーム12に連結された2つの部材からなる有底円筒状の下部カバーチューブ232と、概して円筒状をなす上部カバーチューブ234と、それら上部,下部カバーチューブを232,234を固定的に連結する2つの部材からなるギヤケーシング236と、ギヤケーシング236に固定された円筒状のモータハウジング238とを、外装部材として有する。アクチュエータシリンダ16のインナチューブ32の下端部のエンドプレート34の下部には、サスペンション軸線方向に延びるねじロッド240が固定的に取り付けられている。このねじロッド240は、ギヤケーシング236および上部カバーチューブ234にベアリング242,244を介して回転可能かつ軸線方向に移動不能に支持されるとともにベアリングボールを保持するナット246と螺合させられている。一方、モータハウジング238内には、それの内周面に固定されたステータコイル248と、モータハウジング238の下端部を塞ぐ蓋部249およびギヤケーシング236にベアリング250,252を介して回転可能に保持されたモータ軸254と、モータ軸254の外周に固定されてステータコイル248と向かい合うロータとしての永久磁石256とを含んでDCブラシレスモータとして構成された第2モータ258が配設されている。この第2モータ258は、モータ軸254の軸線(以下、「モータ軸線」という場合がある)は、サスペンション軸線と平行とされている。上記ナット246は、そのフランジ状に形成されたギヤ部260を有し、モータ軸254にそれと同軸的に固定されたギヤ262が、そのギヤ部260と噛合している。また、モータ軸254は、下方に向かって開口する中空軸とされ、そのモータ軸254の内部には、上端部がモータ軸254に固定されるとともに下端部が蓋部249に固定されたトーションバー264が配設され、そのトーションバー264は、モータ軸254を弾性的に支持する弾性支持体とされている。
上記ような構造から、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とが相対移動する場合、ねじロッド240とそれと螺合するナット246とによって構成されるねじ機構によってナット246が回転し、それに伴い、ギヤ部260とギヤ262とによって構成されるギヤ機構によって、モータ軸254が回転する。つまり、本サスペンション装置では、それらねじ機構およびギヤ機構を含んで、モータ軸254あるいはギヤ262を回転体とする動作変換機構を備えるものとされており、また、第2電磁式作動機として機能する第2モータ258の発生する力によってその回転体の回転に対する抵抗力が付与され、その結果として、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とが相対移動に対する減衰力が発生することから、本ダンパ装置230も、第2減衰力発生装置として機能するものとされている。なお、モータ軸254およびギヤ262の回転軸線は、サスペンション軸線に対して平行であり、かつ、その軸線からずれる位置に位置しており、そのことが、本ダンパ装置230の1つの特徴とされている。また、上記モータ軸254は、トーションバー264によって弾性支持され、そのことによって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12とが弾性的に連結されることとなるため、本ダンパ装置230は、弾性連結機構を含んで構成されたものとなっている。この弾性連結機構においては、第1実施例のサスペンション装置と同様、弾性支持体であるトーションバー264がモータ軸254内に内蔵されており、そのことは、サスペンション装置のコンパクト化に寄与している。ちなみに、本ダンパ装置230では、ナット246自体が回転体であると考えることができる。つまり、ねじロッド240を雄ねじ部とし、ナット246をその雄ねじと螺合する雌ねじ部とする動作変換機構が構成されていると考えることができるのである。
<第5実施例>
第5実施例のサスペンション装置を、図8に示す。本実施例のサスペンション装置のダンパ装置270は、第4実施例のサスペンション装置におけるモータ軸254の弾性支持構造に代え、その支持構造として、第2実施例において採用されているピニオン軸164の弾性支持機構166と同様の弾性支持機構272を採用している。この弾性支持機構272では、モータ軸274が、ギヤケーシング236から上方に延び出しており、その延長された部分の先端部が、ギヤケーシング236に固定された支持機構ハウジング276の上端部を塞ぐ蓋部277にベアリング278を介して回転可能に支持されるとともに、その延び出した部分がねじ部とされている。このねじ部は、ベアリングボールを保持するナット280と螺合させられている。そのナット280のフランジ部282を挟持する2つの圧縮コイルスプリング284,286、キー288とキー溝290との係合等、弾性支持機構272に関する構成、および、それの機能は、第2実施例における弾性支持機構166と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、このダンパ装置270を除く他の構成要素は、第4実施例と同様であるため、それらの構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略する。さらに、本ダンパ装置270の機能に関しても、先の説明と重複するため、説明は省略する。
<第6実施例>
図9に、第6実施例のサスペンション装置を示す。本実施例のサスペンション装置のダンパ装置300では、第4実施例のサスペンション装置において採用されているアクチュエータシリンダ16とロアアーム12との弾性連結機構、つまり、モータ軸254の弾性支持構造を含んで構成される弾性連結機構が採用されておらず、本サスペンション装置は、その弾性連結機構に代え、第3実施例において採用されている弾性連結機構を採用している。したがって、ダンパ装置300では、モータ軸302は弾性支持されておらず、上部カバーチューブ234内に、弾性連結機構を有している。この弾性連結機構では、第3実施例のサスペンション装置と同様、アクチュエータシリンダ16のインナチューブ32の下端部に有底円筒状の端末部材304が付設されており、それのフランジ部306が、ガイド部材100,環状の支持部材308の各々によってそれぞれの一端部が支持された2つの圧縮コイルスプリング310,312のそれぞれによって挟持されている。この弾性連結機構の構成,機能は、第3実施例における弾性連結機構と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、他の構成要素は、第4実施例と同様であるため、それらの構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略する。さらに、本ダンパ装置300の機能に関しても、先の説明と重複するため、説明は省略する。
<第7実施例>
図10に、第7実施例の車両用サスペンション装置を示す。なお、本実施例の車両用サスペンション装置は、ダンパ装置330を除いて、第3実施例の車両用サスペンション装置と略同様の構成とされている。そのため、本実施例の説明においては、第3実施例と同じ機能の構成要素については、同じ符号を用い、それらの説明は省略あるいは簡略に行うものとする。
ダンパ装置330は、車輪保持部としてのロアアーム12に連結された2つの部材からなるカバーチューブ332と、ねじ溝が形成されたねじロッド334と、ベアリングボールを保持してそのねじロッド334と螺合するナット336と、カバーチューブ332内に配設される第2モータ338とを有している。カバーチューブ332は、段付形状の筒部と、筒部の下端部を塞ぐ蓋部とを備える有底円筒状のものであり、ねじロッド334は上端部が端末部材204に固定された状態で、カバーチューブ332内にサスペンション軸線方向に延びるように配設されている。ナット336は、両端部の各々において、カバーチューブ332の内周に付設された環状のナット保持部材340,342の各々に、ベアリング344,346を介して保持され、サスペンション軸線方向への移動不能、かつ回転可能とされている。このような構造により、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動が、ねじロッド334とナット336とを含んで構成されるねじ機構によって、そのナット336の回転に変換される。つまり、ダンパ装置330は、そのねじ機構によって構成された動作変換機構を有し、ナット336が、動作変換機構によって回転させられる回転体、詳しく言えば、サスペンション軸線と自身の回転軸線が同軸的に配設された回転体として機能する。
第2モータ338は、ナット336をモータ軸とし、そのナット336の外周に固定されてロータとして機能する複数の永久磁石348と、それら永久磁石348と向かい合うようにしてカバーチューブ332の周壁の内面に固定的に設けられた複数のステータコイル350とを有しており、DCブラシレスモータとして構成されている。この第2モータ338は、自身の発生する力に依拠する抵抗力をナット336の回転に対して付与し、それによって、アクチュエータシリンダ16とロアアーム12との相対移動に対する減衰力を発生させる。つまり、本ダンパ装置330も、上述した第2減衰力発生装置として機能するものとされているのである。
第1実施例の車両用サスペンション装置の正面断面図である。
図1に示すAA’線における断面図である。
従来の車両用サスペンション装置と第1実施例の車両用サスペンション装置との対比図である。
第2実施例の車両用サスペンション装置の備えるダンパシリンダの断面図である。
第3実施例の車両用サスペンション装置の正面断面図である。
図5に示すBB’線における断面図である。
第4実施例の車両用サスペンション装置の正面断面図である。
第5実施例の車両用サスペンション装置の正面断面図である。
第6実施例の車両用サスペンション装置の正面断面図である。
第7実施例の車両用サスペンション装置の正面断面図である。
符号の説明
12:サスペンションロアアーム(車輪保持部) 14:マウント部 16:アクチュエータシリンダ(電磁式アクチュエータ) 18:ダンパ装置(弾性連結機構)(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 40:ねじロッド(アクチュエータ雄ねじ部) 42:ナット(アクチュエータ雌ねじ部) 44:モータ(第1電磁式作動機) 74:ピニオン軸(回転動作軸)(回転体)(ピニオン) 76:ラックロッド(ラック) 80:トーションバー(弾性支持体) 82:第2モータ(第2電磁式作動機) 160:ダンパ装置(弾性連結機構)(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 164:ピニオン軸(回転動作軸)(回転体)(ピニオン) 166:弾性支持機構(弾性支持体) 200:ダンパ装置(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 202:ピニオン軸(回転動作軸)(ピニオン) 230:ダンパ装置(弾性連結機構)(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 240:ねじロッド(雄ねじ部) 246:ナット(雌ねじ部) 254:モータ軸(回転動作軸)(回転体) 258:第2モータ(第2電磁式作動機) 264:トーションバー(弾性支持体) 270:ダンパ装置(弾性連結機構)(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 272:弾性支持機構(弾性支持体) 274:モータ軸(回転動作軸)(回転体) 300:ダンパ装置(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 302:モータ軸(回転動作軸)(回転体) 330:ダンパ装置(第2減衰力発生装置)(動作変換機構) 334:ねじロッド(雄ねじ部) 336:ナット(雌ねじ部)(回転動作軸)(回転体) 338:第2モータ(第2電磁式作動機)