JP4846150B2 - 新規な2−デカルボキシ−2−ホスフィニコプロスタグランジンf類似体 - Google Patents

新規な2−デカルボキシ−2−ホスフィニコプロスタグランジンf類似体 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、天然に産するプロスタグランジンF2 αの新規な類似体に関する。特に、本発明は、新規な2−デカルボキシ−2−ホスフィニコプロスタグランジンF類似体に関する。本発明はさらに、この新規な2−デカルボキシ−2−ホスフィニコプロスタグランジンF類似体を使用する方法に関する。好ましい使用は骨疾患および緑内障の治療を含む。
【0002】
(発明の背景)
天然プロスタグランジンPGF2 αはアラキドン酸から誘導される炭素原子20個の(C−20)不飽和脂肪酸である。通常のプロスタグランジンの命名法によると、PGF2 αはシクロペンタン環のC9およびC11にα−ヒドロキシル基、C5とC6との間にシス二重結合およびC13とC14との間にトランス二重結合を有する。したがってPGF2 αは次の構造を有する。
【0003】
【化4】
Figure 0004846150
【0004】
PGF2 αの類似体は例えば、緑内障などの眼疾患;循環器疾患、胃腸疾患;受胎調整;および骨粗しょう症などの骨疾患を含むいくつかの医学的状態を治療するために有用である。プロスタグランジンF類似体の生物学的効果に関する情報は次の参考文献に開示されている:PCT国際公開WO99/12895号、1999年;PCT国際公開WO99/12896号、1999;PCT国際公開WO99/12898号;Chem.Abstr.1999、194116 ″Molecular mechanisms of diverse actions of prostanoid receptors″、Biochimica et Biophysica Acta、1259(1995)109〜120;米国特許3776938号(Bergstrom,S.およびSjovall,J.に1973年12月4日発行);米国特許3882241号(Pharriss,G.に1975年5月6日発行;英国特許1456512号(1976年、Pfizer Inc.、Bundy、G.L.に発行);Lincoln、F.H.、″Synthesis of 17−Phenyl−18,19,20−trinor prostaglandins I.The PG1 Series″,Prostaglandins Vol.9(1975)pp.1−4;CRC Handbook of Eicosanoids:Prostaglandins and Related Lipids Vol.1、Chemical and Biochemical Aspects,Parts A&B、A.L.Willis,Eds.,CRC Press(1987);Liljebris,C.;et.al.″Derivatives of 17−Phenyl−18,19,20−Trinorprostaglandin F2a Isopropyl Ester;Potential Antiglaucoma Agents″、Journal of Medicinal Chemistry Vol.38,(1995)、pp.289〜304;Collins,P.W.;Djuric,S.W.″Synthesis of Therapeutically Useful Prostaglandin and Prostacyclin Analogs″,Chemical Reviews93(1993)、pp.1533〜1564。
【0005】
PGF2 αを含む天然に産するプロスタグランジンは全てC1位にカルボン酸基を有する。カルボン酸基はベータ酸化の際に代謝分解する部位であり、これは天然プロスタグランジンの迅速な代謝に寄与する。1位のカルボン酸基をエステル部分、アミド部分、スルホンアミド部分およびテトラゾール部分として修飾することによりベータ酸化を防ぐ試みは、当該技術で公知である(例えばPCT国際公開WO99/12895号、1999;PCT国際公開WO99/12896号、1999;PCT国際公開WO99/12898号参照)。しかしながら、このような修飾は半減期のほんの僅かな延びをもたらすか(エステルなど)、または化合物の効力の低下をもたらす。
【0006】
1自体がヘテロ原子に置換されているプロスタグランジンF類似体も当該技術に記載されている。例えば、C1にスルホン酸部分を有するPGF類似体(The chemistry of prostaglandins containing the sulfo group.Iguchi,Y.;Kori,S.;Hayashi,M.J.Org.Chem.,40,pp.521〜523 1975)およびC1にホスホン酸部分を有するPGF類似体(The Synthesis of dimethylphosphonoprostaglandin analogs,Kluender,H.C.&Woessner,W.Prostaglandins and Medicine,2:pp.441〜444、1979)が開示されている。しかしながら、このような化合物は著しく減少した効力を有する。
【0007】
ヘテロ原子含有C1置換の分野での更なる研究は、C1を置換するための多数の変異体の迅速な製造を可能とする、進んだまたは鍵となる中間体への一般的な合成経路が無いことにより妨げられている。プロスタグランジンへのコーリー(Corey)経路はカルボン酸部分のために特異的に設計されており、比較的に酸性のプロトンを有する試薬を生ずる修飾はこの経路と両立しないか、またはそれぞれの新しいC1置換のための困難なステップの著しい最適化をもたらす。コーリー経路を介してのプロスタグランジンFの合成は次の参考文献に記載されている:Corey,E.J.;Weinshenker,N.M.;Schaaf,T.K.;Huber,W.J.Am.Chem.Soc.,1969,91,5675およびCorey,E.J.;Schaaf,T.K.;Huber.W;Koelliker,U.;Weinshenker,N.M.;J.Am.Chem.Soc.,1970,92,397。
【0008】
したがって、C1がヘテロ原子含有部分で置換されているプロスタグランジンF類似体は僅かしか開示されていないが、様々な疾患および状態を治療するための強力で選択的なプロスタグランジンF類似体をもたらす適切なC1置換への継続的な必要性が存在している。
【0009】
(発明の概要)
本発明は新規なプロスタグランジンF類似体を提供する。特に本発明は次の式で示される構造を有する化合物を対象とする。
【0010】
【化5】
Figure 0004846150
【0011】
式中、R1、R2、X、Y、V、a、b、WおよびZは以下で定義される。
【0012】
本発明はさらに、前記式の光学異性体、ジアステレオマーおよびエナンチオマーならびにその薬剤として許容される塩、生体加水分解可能なアミド、エステルおよびイミドを含む。
【0013】
本発明の化合物は骨疾患および緑内障のような様々な疾患および状態を治療するために役立つ。したがって本発明はさらに、これらの化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、これらの化合物またはこれらを含む組成物を使用して骨疾患および緑内障を治療するための方法を提供する。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は新規な2−デカルボキシ−2−ホスフィニコプロスタグランジンF類似体、これらの化合物を含む医薬組成物およびこれらの化合物を投与することによる様々な疾患の治療法に向けられている。
【0015】
用語の定義および使用
「アルキル」は飽和または不飽和炭化水素鎖である。特に記載のない限り(例えば下記の「C4アルキル」、「C1アルキル」、「Cmアルキル」および「Cpアルキル」参照)、アルキル鎖は1から18個の炭素原子、好ましくは1から12個、さらに好ましくは1から6個、さらに好ましくは1から4個の炭素原子を有する。アルキル鎖は直鎖または分枝鎖であってもよい。好ましい分枝鎖アルキルは1つまた2つの分枝、好ましくは1つの分枝を有する。不飽和アルキルは1つまたは複数の二重結合および/または1つまたは複数の三重結合を有する。好ましい不飽和アルキルは1つまたは2つの二重結合または1つの三重結合、さらに好ましくは1つの二重結合を有する。特に記載のない限りアルキル鎖は非置換であるか、または1から約4個の置換基で置換されていてよい。好ましい置換アルキルは一置換、二置換または三置換されている。好ましいアルキル置換基はシアノ、ハロ、ヒドロキシ、アリール(例えばフェニル、トリル、アルキルオキシフェニル、アルキルオキシカルボニルフェニル、ハロフェニル)、ヘテロサイクリルおよびへテロアリールを含む。
【0016】
「芳香族環」は芳香族炭化水素環系である。芳香族環は単環式または縮合二環式環系である。単環式芳香族環は約5から約10個の炭素原子、好ましくは5から7個の炭素原子、最も好ましくは5から6個の炭素原子を環中に含有する。二環式芳香族環は8から12個の炭素原子、好ましくは9または10個の炭素原子を環中に含有する。芳香族環は非置換であるか、または環上で1から約4個の置換基で置換されていてよい。好ましい芳香族環置換基はハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシまたはこれらの組合せを含む。さらに好ましい置換基は低級アルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。
【0017】
「生体加水分解可能なアミド」は化合物の治療活性を妨げないか、あるいはヒトまたは他の哺乳動物によって迅速に代謝されるアミド部分である。
【0018】
「生体加水分解可能なエステル」は化合物の治療活性を妨げないか、あるいはヒトまたは他の哺乳動物によって迅速に代謝されるエステル部分である。
【0019】
「生体加水分解可能なイミド」は化合物の治療活性を妨げないか、あるいはヒトまたは他の哺乳動物によって迅速に代謝されるイミド部分である。
【0020】
「C4アルキル」は炭素員原子4個を有するアルキル鎖である。C4アルキルは飽和であるか、または1つまたは2つの二重結合(シスまたはトランス)、1つの三重結合あるいは1つの二重結合(シスまたはトランス)および1つの三重結合で不飽和であってもよい。好ましい不飽和C4アルキルは1つの二重結合を有する。C4アルキルは非置換であるか、または1個または2個の置換基で置換されていてもよい。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。さらに好ましい置換基はシアノおよびハロである。
【0021】
「C1アルキル」は炭素員原子「l」個を有するアルキル鎖である。Clアルキルは飽和しているか、または1つのトランス二重結合または1つの三重結合で不飽和であってもよい。好ましいC1アルキルは飽和している。好ましい不飽和C1アルキルは1つのトランス二重結合を有する。C1アルキルは非置換であるか、または1から約3個の置換基で置換されていてよい。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。
【0022】
「Cmアルキル」は炭素員原子「m」個を有するアルキル鎖である。Cmアルキルは飽和しているか、またはトランス二重結合1つまたは三重結合1つで不飽和であってもよい。好ましい不飽和Cmアルキルは三重結合1つを有する。Cmアルキルは非置換であるか、または1個または2個の置換基で置換されていてもよい。好ましいCmアルキルは非置換である。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。
【0023】
「Cpアルキル」は炭素員原子「p」個を有するアルキル鎖である。Cpアルキルは飽和しているか、またはトランス二重結合1つまたは三重結合1つで不飽和であってもよい。好ましい不飽和Cpアルキルは三重結合1つを有する。不飽和Cpアルキルは非置換である。飽和Cpアルキルは非置換であるか、または置換基1個または2個で置換されていてよい。好ましいCpアルキルは非置換である。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。
【0024】
「炭素環式脂肪族環」は飽和または不飽和炭化水素環である。炭素環式脂肪族環は芳香族ではない。炭素環式脂肪族環は単環式または縮合、スピロまたは架橋二環式環系である。単環式炭素環式脂肪族環は約4から約10個の炭素原子、好ましくは4から7個の炭素原子、最も好ましくは5から6個の炭素原子を環中に含む。二環式炭素環式脂肪族環は8から12個の炭素原子、好ましくは9から10個の炭素原子を環中に含む。炭素環式脂肪族環は非置換であるか、または環上で1から約4個の置換基で置換されていてよい。好ましい炭素環式脂肪族環置換基は、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシまたはこれらの組合せを含む。さらに好ましい置換基はハロおよびハロアルキルを含む。好ましい炭素環式脂肪族環はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。
【0025】
「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。好ましいハロはフルオロ、クロロおよびブロモであり、さらに好ましいのはクロロおよびフルオロである。
【0026】
「ハロアルキル」は1つまたは複数のハロ置換基で置換された直鎖、分枝鎖または環式炭化水素である。好ましいハロアルキルはC1〜C12であり、さらに好ましいのはC1〜C6であり、さらに好ましいのはC1〜C3である。好ましいハロ置換基はフルオロおよびクロロである。最も好ましいハロアルキルはトリフルオロメチルである。
【0027】
「ヘテロアルキル」は炭素および少なくとも1つのヘテロ原子を含み、いずれの2つのヘテロ原子も隣り合っていない飽和または不飽和の鎖である。ヘテロアルキル鎖は1から18個、好ましくは1から12個の、さらに好ましくは1から6個、さらに好ましくは1から4個の員原子(炭素またはヘテロ原子)を鎖中に含む。ヘテロアルキル鎖は直鎖または分枝鎖であってもよい。好ましい分枝鎖へテロアルキルは分枝1つまたは2つ、好ましくは分枝1つを有する。好ましいヘテロアルキルは飽和している。不飽和へテロアルキルは二重結合1つまたは複数および/または三重結合1つまたは複数を有する。好ましい不飽和へテロアルキルは二重結合1つまたは2つまたは三重結合1つを、さらに好ましくは二重結合1つを有する。特に記載のない限りヘテロアルキル鎖は非置換であるか、または1から約4個の置換基で置換されていてよい。好ましいヘテロアルキルは非置換である。好ましいヘテロアルキル置換基はハロ、アリール(例えばフェニル、トリル、アルキルオキシフェニル、アルキルオキシカルボニルフェニル、ハロフェニル)、ヘテロサイクリル、ヘテロアリールを含む。例えば、次の置換基で置換されたアルキル鎖がヘテロアルキルである:アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ)、アリールオキシ(例えばフェノキシ、クロロフェノキシ、トリルオキシ、メトキシフェノキシ、ベンジルオキシ、アルキルオキシカルボニルフェノキシ、アシルオキシフェノキシ)、アシルオキシ(例えばプロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ、アセトキシ)、カルバモイルオキシ、カルボキシ、メルカプト、アルキルチオ、アシルチオ、アリールチオ(例えばフェニルチオ、クロロフェニルチオ、アルキルフェニルチオ、アルコキシフェニルチオ、ベンジルチオ、アルキルオキシカルボニルフェニルチオ)、アミノ(例えばアミノ、モノ−およびジ−C1〜C3アルカニルアミノ、メチルフェニルアミノ、メチルベンジルアミノ、C1〜C3アルカニルアミド、カルバマミド、ウレイド、グアニジノ)。
【0028】
「ヘテロ原子」は窒素、イオウまたは酸素原子である。1個を超えるヘテロ原子を含む基は、異なるヘテロ原子を含んでもよい。本明細書において、ハロゲンはヘテロ原子ではない。
【0029】
「複素環式脂肪族環」は炭素原子およびへテロ原子1から約4個を環中に含み、ヘテロ原子2個が環中で隣接せず、結合しているヘテロ原子1個を有する環中の炭素が更にこれに結合するヒドロキシル、アミノまたはチオール基を有しない飽和または不飽和環である。複素環式脂肪族環は芳香族ではない。複素環式脂肪族環は単環式であるか、または縮合または架橋二環式環系である。単環式複素環式脂肪族環は約4から約10個の員原子(炭素またはヘテロ原子)、好ましくは4から7個、最も好ましくは5から6個の員原子を環中に含む。二環式複素環式脂肪族環は8から12個の員原子、好ましくは9または10個の員原子を環中に含む。複素環式脂肪族環は非置換であるか、または環上で1から約4個の置換基で置換されていてよい。好ましい複素環式脂肪族環置換基は、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシまたはこれらの組合せを含む。さらに好ましい置換基はハロおよびハロアルキルを含む。好ましい複素環式脂肪族環はピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピペリジニルを含む。
【0030】
「複素環式芳香族環」は炭素および1から約4個のヘテロ原子を環中に含有する芳香族環系である。複素環式芳香族環は単環式または縮合二環式環系である。単環式複素環式芳香族環は約5から約10個の員原子(炭素およびへテロ原子)、好ましくは5から7個、最も好ましくは5から6個を環中に含む。二環式複素環式芳香族環は8から12個の員原子、好ましくは9または10個の員原子を環中に含む。複素環式芳香族環は非置換であるか、または環上で1から約4個の置換基で置換されていてよい。好ましい複素環式芳香族環の置換基は、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシまたはこれらの組合せである。さらに好ましい置換基はハロ、ハロアルキルおよびフェニルを含む。好ましい複素環式芳香族環はチエニル、チアゾロ、プリニル、ピリミジル、ピリジルおよびフラニルを含む。さらに好ましい複素環式芳香族環はチエニル、フラニルおよびピリジルを含む。最も好ましい複素環式芳香族環はチエニルである。
【0031】
「低級アルキル」は1から4個、好ましくは1から3個の炭素員原子を、さらに好ましくは1また2個の炭素員原子を含むアルキル鎖である。低級アルキルは飽和または不飽和であってもよい。好ましい低級アルキルは飽和である。低級アルキルは非置換であるか、または1または約2個の置換基で置換されていてもよい。低級アルキル上の好ましい置換基はシアノ、ハロ、トリフルオロメチルおよびヒドロキシを含む。
【0032】
「低級へテロアルキル」は1から4個、好ましくは1から3個の員原子、さらに好ましくは1から2個の員原子を含むヘテロアルキル鎖である。低級へテロアルキルは1または2個のヘテロ原子員原子を含む。好ましい低級へテロアルキルは1個のヘテロ原子員原子を含む。低級へテロアルキルは飽和または不飽和であってもよい。好ましい低級へテロアルキルは飽和している。低級へテロアルキルは非置換であるか、または1または約2個の置換基で置換されていてよい。低級へテロアルキル上の好ましい置換基はシアノ、ハロ、トリフルオロメチルおよびヒドロキシを含む。
【0033】
「M4ヘテロアルキル」は4個の員原子を有するヘテロアルキル鎖である。M4ヘテロアルキルは1または2個のヘテロ原子員原子を含む。1個のヘテロ原子員原子を含むM4ヘテロアルキルは飽和しているか、または二重結合(シスまたはトランス)1つまたは三重結合1つで不飽和であってもよい。2個のヘテロ原子員原子を含む好ましいM4ヘテロアルキルは飽和している。好ましい不飽和M4ヘテロアルキルは二重結合1つを有する。M4ヘテロアルキルは非置換であるか、または1または2個の置換基で置換されていてよい。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。
【0034】
「Mlヘテロアルキル」は「l」個の員原子を有するヘテロアルキル鎖である。Mlヘテロアルキルは1または2個のヘテロ原子員原子を含む。好ましいMlヘテロアルキルは1個のヘテロ原子員原子を有する。Mlヘテロアルキルは飽和しているか、またはトランス二重結合1つまたは三重結合1つで不飽和であってもよい。好ましいMlヘテロアルキルは飽和している。Mlヘテロアルキルは非置換であるか、または1から約3個の置換基で置換されていてよい。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキルおよびハロアルキルを含む。
【0035】
「Mnヘテロアルキル」は「n」個の員原子を有するヘテロアルキル鎖である。Mnヘテロアルキルは1個のヘテロ原子員原子を含む。Mnヘテロアルキルは飽和しているか、または三重結合1つで不飽和であってもよい。好ましいMnヘテロアルキルは飽和している。Mnヘテロアルキルは非置換であるか、または1または2個の置換基で置換されていてよい。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキルおよびハロアルキルを含む。
【0036】
「Mqヘテロアルキル」は「q」個の員原子を有するヘテロアルキル鎖である。Mqヘテロアルキルは1個のヘテロ原子員原子を含有する。Mqヘテロアルキルは飽和している。Mqヘテロアルキルは非置換であるか、または1または2個の置換基で置換されていてよい。好ましい置換基は低級アルキル、低級へテロアルキル、シアノ、ハロおよびハロアルキルを含む。
【0037】
「員原子」とは鎖または環系を延長させる鎖または環系中の多価原子(C、O、NまたはS原子)を意味する。例えばベンゼンでは、6個の炭素原子が員原子であり、6個の水素原子が員原子ではない。
【0038】
「薬剤として許容される塩」とは酸性(例えばヒドロキサム酸)基で形成されるカチオン塩または塩基性(例えばアミノ)基で形成されるアニオン塩を意味する。このような塩は当該技術では周知である。例えば、参照により援用することができる国際公開WO87/05297号、Johnston et al.(1987年9月11日発行)を参照のこと。このような塩は当業者に公知の方法で製造される。当業者は改善された可溶性、安定性、処方の容易さ、価格等に関して他を上回る1種の塩を選択することができることは理解されよう。このような塩の決定および最適化は当業者の実施の範囲内である。好ましいカチオン塩はアルカリ金属塩(ナトリウムおよびカリウムなど)およびアルカリ土類金属塩(マグネシウムおよびカルシウムなど)および有機塩を含む。好ましいアニオン塩はハロゲン化物(塩化物塩など)、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩等を含む。かつては存在しなかった光学中心をもたらす付加塩がこのような塩では明らかに予想される。例えばキラルな酒石酸塩を本発明の化合物から調製することができる。この定義にはこのようなキラル塩も含む。
【0039】
「フェニル」は約1から約4個の置換基で置換されているか、またはされていなくてよい6員単環式芳香族環である。置換基はフェニル環のオルト、メタまたはパラ位、あるいはこれらの組合せで置換されていてよい。好ましいフェニル置換基はハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシまたはこれらの組合せを含む。フェニル環のさらに好ましい置換基はハロおよびハロアルキルである。最も好ましい置換基はハロである。
【0040】
化合物
本発明は次の構造を有する化合物を含む。
【0041】
【化6】
Figure 0004846150
【0042】
上記式I中、R1はHまたは低級アルキルである。好ましいR1は低級アルキルである。さらに好ましいR1はメチルおよびエチルである。最も好ましいR1はメチルである。
【0043】
上記式I中、R2はH、アルキル、ヘテロアルキル、炭素環式脂肪族環、複素環式脂肪族環、芳香族環または複素環式芳香族環である。好ましいR2はHおよびアルキルである。さらに好ましいR2はHおよび低級アルキルである。
【0044】
上記式I中、XはOまたはSである。好ましいXはOである。
【0045】
上記式I中、YはO、SまたはNHである。好ましいYはOおよびNHである。最も好ましいYはOである。
【0046】
上記式I中、VはC4アルキルまたはM4ヘテロアルキルである。好ましいVはC4アルキルである。さらに好ましいVは非置換C4アルキルである。
【0047】
上記式I中、aは単結合、シス二重結合またはトランス二重結合である。
【0048】
上記式I中、bは単結合、トランス二重結合または三重結合である。
【0049】
上記式I中、aが単結合である場合、WはOHまたはN(R3)(OR4)であり、ここでR3はH、低級アルキルまたは低級へテロアルキルであり、R4はH、低級アルキルまたは低級へテロアルキルである。好ましいR3はHおよび低級アルキルである。さらに好ましいR3はHおよびメチルである。好ましいR4はHおよび低級アルキルである。さらに好ましいR4はHおよびメチルである。最も好ましいR4はHである。
【0050】
上記式I中、aがシス二重結合またはトランス二重結合である場合、WはN(OR4)であり、ここでR4は上記定義と同様である。
【0051】
上記式I中、ZはClアルキル、Mlヘテロアルキル、Cmアルキル−G′、Mnヘテロアルキル−G′、Cpアルキル−G″またはMqヘテロアルキル−G″であり、ここでlは約3から約7、好ましくは約4から約7の整数であり、mは0から約5、好ましくは約1から約4の整数、さらに好ましくは約2または3、最も好ましくは2であり、nは約2から約5の整数、好ましくは約2または3であり、pは0から約3、好ましくは0から約2の整数であり、さらに好ましくは0または約1であり、qは2または3、好ましくは2であり、G′は単環式炭素環式脂肪族環、単環式複素環式脂肪族環、単環式芳香族環または単環式複素環式芳香族環であり、G″は二環式炭素環式脂肪族環、二環式複素環式脂肪族環、二環式芳香族環または二環式複素環式芳香族環である。好ましいG′は単環式芳香族環または単環式複素環式芳香族環である。好ましいG″は二環式芳香族環または二環式複素環式芳香族環である。
【0052】
本発明は上記構造の薬剤として許容される塩あるいは生体加水分解可能なアミド、エステルまたはイミドを含む。本発明はさらに前記構造の光学異性体、ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含む。したがって、立体化学で規定されていない全てのステレオ中心で(例えばC11およびC15)で両エピマーが予見される。C11およびC15での好ましい立体化学は天然PGF2aのそれに良く似ている。
【0053】
本発明の新規なPGF類似体は骨疾患、ことに骨質量、骨体積または骨強度の有意な増加を必要とする疾患を治療するために有効であることが判明した。驚くべきことに、本発明の化合物は公知の骨疾患治療を超える次の利点をもたらすことが発見された。(1)新しい小柱の形成による小柱数の増加、(2)より正常な骨ターンオーバーの維持下での、骨質量および骨体積の増加、および/または(3)皮質多孔性の増加を伴うことのない、骨内膜表面での骨形成の増加。
【0054】
薬理活性を決定および評価するために、動物での本化合物の試験を、当業者に公知の様々なアッセイを使用して実施する。例えば本化合物の骨活性は、骨体積、質量または密度を高める本化合物の能力を試験するためにデザインされたアッセイを使用して簡単に証明することができる。このようなアッセイの例は卵巣切除ラットアッセイである。
【0055】
卵巣切除ラットアッセイで6カ月齢ラットを卵巣切除し、2カ月加齢させ、ついで1日1回、試験化合物を皮下投与する。研究の完了後、骨質量および/または密度をデュアルエネルギーX線光吸収分析(DXA)または周辺定量コンピューター断層撮影法(pQCT)またはマイクロコンピューター断層撮影法(mCT)により測定することができる。もしくは骨体積または形成の増加を測定するために静止および動的組織形態分析を用いることができる。
【0056】
緑内障に関する薬理活性を、眼内圧を低減する本化合物の能力を試験するためにデザインされたアッセイを使用して証明することができる。このようなアッセイの例は次の参考文献に記載されていて、これを援用することができる:C.liljebris,G.Selen,B.Resul,J.SternschantzおよびU.Hacksell,″Derivatives of 17−Phenyl−18,19,20−trinorprostaglandin F2α Isopropyl Ester:Potential Antiglaucoma Agents″,Journal of Medicinal Chemistry,Vol.38No.2(1995),pp.289−304。
【0057】
本発明で使用される化合物は慣用の有機合成を用いて製造することができる。本発明の化合物を調製するための特に好ましい合成は次の同時係属出願に記載されており、これは参照して援用することができる:米国出願番号 、発明の名称「新規な2−デカルボキシ−2−ハロ中間体を調製する方法」(deLong,M.A.(P&G ケースナンバー )。
【0058】
次の非限定的実施例で本発明の化合物を詳述する。
【0059】
実施例1
5−(3−ヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニル)ペント−1−エニル)−4−(6−メチル(ヒドロキシホスホリル))−ヘキス−2−エニル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E1f)の調製:
【0060】
【化7】
Figure 0004846150
【0061】
a.6−(5−(2−フルオロフェニル)−3−オキソペント−1−エニル)−7−ベンジルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(E1b): 磁気攪拌棒を備えた火炎乾燥された丸底フラスコ中で、ジメチル−4−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−ブチルホスホネート(1.43当量)をジメトキシエタン(DME)および水に添加する。この溶液に臭化リチウム(1.65当量)、トリエチルアミン(1.65当量)および市販のコーリーアルデヒド(E1a)(1.0当量)を添加する。この溶液を48時間室温で攪拌する。この時点で付加的なトリエチルアミンおよび水を添加し、溶液をさらに1時間攪拌する。溶液をブラインに注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機相を一緒にし、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧下に濃縮させる。精製をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール 19/1)で行うと、6−(5−(2−フルオロフェニル)−3−オキソペント−1−エニル)−7−ベンジルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(E1b)が得られる。
【0062】
b.6−(5−(2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシペント−1−エニル)−7−ベンジルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(E1c): 攪拌棒を備えた火炎乾燥された丸底フラスコ中でE1b(1.0当量)および三塩化セリウム(1.05当量)をメタノールに添加する。溶液を5分間、室温で攪拌する。ついで溶液を−10℃に冷却し、メタノール中の水素化ホウ素ナトリウム(1.02当量)をゆっくりと添加する。溶液を3時間、−10℃で攪拌する。混合物を水で処理し、pHを1N塩酸を用いて6から7の間にする。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を一緒にして、無水MgSO4上で乾燥させ、ろ過し、かつ減圧下に濃縮させる。精製をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン中メタノール3〜5%)で実施すると、6−(5−(2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシペント−1−エニル)−7−ベンジルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(E1c)の15(R)エピマーおよび15(S)エピマーが得られる。
【0063】
c.2−デカルボキシ−2−ブロモ11−ベンゾイル,−15−t−ブチルジメチルシリル17−トリノル−17−(2−フルオロフェニル)PGF2 α(E1d): 磁気攪拌棒を備えた丸底フラスコ中でE1c(1当量)の溶液をCH2Cl2中で攪拌する。この溶液に2,6−ルチジン(1.9当量)を−78℃で滴加し、続いてt−ブチルジメチルシリルトリフレート(TBDMSOTf)(1.8当量)を滴加する。反応物を−78℃で30分間攪拌し、次いで一晩、25℃に加温する。次いで反応物を水でクエンチする。有機相を水で洗い、MgSO4上で乾燥させ、かつ真空中で濃縮させると、生成物が得られるが、これをシリカゲルで、ヘキサン、次いでCH2Cl2中のMeOH1%で溶離してフラッシュクロマトグラフィーにかける。次いで生成物を0.1N HCl、水およびブラインで洗い、次いで十分に乾燥させる。別に、THF中の(4−ブロモブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(2.2当量)の懸濁液に0℃、N2下に、KHMDS(4.4当量)の溶液を滴加する。生じた反応混合物を25℃で1時間攪拌する。上記反応混合物に−78℃で、THF中の乾燥させたシリル保護された生成物(1当量)の溶液を添加する。反応混合物を一晩、25℃に加温する。反応物を0℃で水でクエンチし、pHを1N HClを用いて3.5〜4.0に調整する。水相をEtOAcで抽出し、一緒にした有機相をMgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮させると、粗製アルケンが得られ、これをシリカゲル上、ヘキサン中のEtOAc30%で溶離して、フラッシュクロマトグラフィーにかけると、2−デカルボキシ−2−ブロモ11−ベンゾイル,−15−t−ブチルジメチルシリル−17−トリノル−17−(2−フルオロフェニル)PGF2 α(E1d)が取られる。
【0064】
d.5−(3−シリルオキシ−5−(2−フルオロフェニル)ペント−1−エニル)−4−(6−(メチル(エトキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)−1−ベンゾイルオキシ−3−ヒドロキシ−シクロペンタン(E1e): E1d、ジエチルメチルホスホナイトおよびトルエンの混合物を6時間、100℃で攪拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をドライフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO2、20%ジクロロメタン−ヘキサン中2−プロパノール5〜25%)で精製する。適切なフラクションを濃縮させ、水で希釈し、エーテルで3回、抽出する。一緒にした抽出物を水で洗い、乾燥させ(ブライン、次いでNa2SO4上でろ過)、蒸発させると、5−(3−シリルオキシ−5−(2−フルオロフェニル)ペント−1−エニル)−4−(6−(メチル(エトキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)−1−ベンゾイルオキシ−3−ヒドロキシ−シクロペンタン(E1e)が得られる。
【0065】
e.5−(3−ヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニル)ペント−1−エニル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E1f): さらに精製することなく、2−デカルボキシ−2−(O−エチル−P−メチルホスフィニコ)プロスタグランジン誘導体E1eの粗製反応混合物に、アセトニトリル3mlおよびHF/ピリジン1.1当量を添加するが、その間、フラスコを0℃に維持する。0℃で3時間の後に、反応を飽和NaCl水溶液でクエンチする。水性相をCH2Cl2で3回、抽出する。有機相を一緒にし、1N HCl、ブラインで3回洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。カラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル 7:3)の後にシリル不含生成物が得られる。これに95%エタノールおよび2.5M水酸化ナトリウム水溶液を添加し、還流下に3時間攪拌する。エタノールを蒸発させ、残渣を水で希釈し、酢酸エチルで2回、洗う。一緒にした洗浄物を水で抽出し、次いで、一緒にした水性相を2.5M塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで5回、抽出する。一緒にした抽出物を乾燥させ(ブライン、Na2SO4)、蒸発させると、5−(3−ヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニル)ペント−1−エニル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E1f)が得られる。
【0066】
実施例2〜9
実施例2〜9を実施例1の記載とほぼ同様の方法を使用して調製するが、その際、適切な出発物質に代える。当業者であれば、温度、圧力、雰囲気、溶媒または反応の順序を適切に変更することができる。加えて、当業者であれば、副反応をブロックするか、または収率を増加させるために適宜保護基を使用することができる。有機化学の当業者によってこのような変更の全ては簡単に実施されうるので、本発明の範囲内である。
【0067】
【化8】
Figure 0004846150
【0068】
実施例10
5−(3−ヒドロキシ−4−フェノキシブテ−1−エニル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E10e)の調製:
【0069】
【化9】
Figure 0004846150
【0070】
a.16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 αトリアセテート(E10b): 16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 α(E2a)(Cayman Chemical Companyから市場で入手可能)、DMAP、ジクロロメタン、トリエチルアミンおよび無水酢酸(0.70ml、7.3ミリモル)の混合物を室温で10時間攪拌し、次いでフリーザーに一晩貯蔵する。混合物を濃縮させ、残渣を飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、室温で3時間攪拌する。1M塩酸水溶液で混合物を酸性化し、次いで酢酸エチルで5回、抽出する。一緒にした抽出物を乾燥させ(ブライン、Na2SO4)、蒸発させると16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 αトリアセテート(E10b)が得られる。
【0071】
b.2−デカルボキシ−2−ヨード−16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 αトリアセテート(E10c): 塩化オキサリルをジクロロメタン中の16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 αトリアセテート(E10b)およびジメチルホルムアミドの溶液に添加する。混合物を室温で30分放置し、次いで濃縮させる。残渣をジクロロメタン中に溶解させる。別に、N−ヒドロキシピリジン−2−チオンのナトリウム塩、DMAPおよびジクロロメタンの混合物をアルゴン下に、250ワットのゼネラルエレクトリック社フラッドランプでの照射により還流させる。この混合物に1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタンを、続いて酸塩化物の溶液を添加するが、これを15分間に亙り添加する。照射を45分間継続し、次いで混合物を濃縮させ、ドライフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO2、酢酸エチル5〜45%−ヘキサン)で精製すると、2−デカルボキシ−2−ヨード−16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 αトリアセテート(E10c)が得られる。
【0072】
c.2−デカルボキシ−2−(O−エチル−P−メチルホスフィニコ)−16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 α(E10d): E10c、ジエチルメチルホスホナイトおよびトルエンの混合物を100℃で7時間攪拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をSiO2カラムクロマトグラフィ(ジクロロメタンヘキサン20%中2−プロパノール5〜25%)で精製する。適切なフラクションを濃縮させ、水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした抽出物を水で洗い、乾燥させ(ブライン、Na2SO4)、蒸発させると、2−デカルボキシ−2−(O−エチル−P−メチルホスフィニコ)−16−フェノキシ−16−テトラノル−PGF2 αトリアセテート(E10d)が得られる。
【0073】
d.5−(3−ヒドロキシ−4−フェノキシブテ−1−エニル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E10e): E10d、エタノール95%および2.5M水酸化ナトリウム水溶液の混合物を3時間還流下に攪拌する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回洗う。一緒にした洗浄物を水で抽出する。一緒にした水性相を1M塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで4回抽出する。一緒にした抽出物を乾燥させ(ブライン、Na2SO4)、蒸発させる。残渣をメタノールに溶解し、アンバーライトCG−50(Na+型)と共に15分間、攪拌する。樹脂をろ過により除去し、ろ液を濃縮すると、5−(3−ヒドロキシ−4−フェノキシブテ−1−エニル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキス−2−エニル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E10e)が得られる。
【0074】
実施例11〜20
実施例11〜20を実施例10の記載とほぼ同様の方法を使用して調製するが、その際、適切な出発物質に代える。当業者であれば、温度、圧力、雰囲気、溶媒または反応の順序を適切に変更することができる。加えて、当業者であれば、副反応をブロックするか、または収率を増加させるために保護基を適宜使用することができる。有機化学の当業者によってこのような変更の全ては簡単に実施されうるので、本発明の範囲内である。
【0075】
いくつかの構造では、公知の方法を使用して完全なプロスタグランジンを組み立て、次いで実施例10の記載とほぼ同様の方法を使用して完成したプロスタグランジンをホスフィン酸に変えるのが有利である。当業者には、妨害官能基によって、こうすることが望ましくなる場合が理解されるであろう。
【0076】
【化10】
Figure 0004846150
【0077】
実施例21
5−(3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキシル)−シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩の調製:
【0078】
【化11】
Figure 0004846150
【0079】
E3aを室温でエタノール中、水素ガスおよびPd/C(5質量%)の存在下に攪拌する。混合物を2回濾過してPd/C触媒を除去し、NaOH水溶液で希釈する。これを、薄膜クロマトグラフィにより生成物の存在が明らかにされるまで還流する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで洗う(2回)。一緒にした洗浄物を水で抽出する。一緒にした水性相を1M塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出する(4回)。一緒にした抽出物を乾燥させ(ブライン、Na2SO4)、蒸発させる。残渣をメタノールに溶解し、アンバーライトCG−50(Na+型)と共に15分間攪拌する。樹脂をろ過により除去し、ろ液を濃縮させると、ナトリウム塩5−(3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキシル)シクロペンタン−1,3−ジオールナトリウム塩(E21a)が得られる。
【0080】
実施例22〜31
実施例22〜31を実施例21の記載とほぼ同様の方法を使用して調製するが、その際、適切な出発物質に代える。当業者であれば、温度、圧力、雰囲気、溶媒または反応の順序を適切に変更することができる。加えて、当業者であれば、副反応をブロックするか、または収率を増加させるために保護基を適宜使用することができる。有機化学の当業者によってこのような変更の全ては簡単に実施されうるので、本発明の範囲内である。
【0081】
【化12】
Figure 0004846150
【0082】
実施例32
5−(3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキシル)−1−オキシミル−シクロペンタン−3−オールナトリウム塩(E32a)の調製:
【0083】
【化13】
Figure 0004846150
【0084】
THF中の実施例22の溶液(1当量)にオルト−2−ブロモ−ベンジルブロミド(0.9当量)および水素化ナトリウムを添加する。TLCによって示されるように臭化ベンジルの完全な消費が達成されるまで、この混合物を還流させる。反応物をNH4OAc溶液でクエンチし、生成物をEtOAcで抽出する。溶媒を真空下に濃縮させ、残渣をエタノールに溶解させる。NaOHの水溶液を添加し、混合物を還流させる。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回洗う。一緒にした洗浄物を水で抽出する。合わせた水性相を1M塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで4回、抽出する。一緒にした抽出物を乾燥させ(ブライン、Na2SO4)、蒸発させる。次いでこの原料をトルエンに溶解させ、水素化スズトリ−n−ブチルと共に還流まで加熱する。反応をTLCで監視して、出発物質が無くなったら反応物を室温まで冷却し、溶媒を除去する。有機抽出物を一緒にし、クロマトグラフィーにかけ、粗製生成物をp−ジオキサン:水:メタノール 1:1:3中でヒドロキシルアミンおよび酢酸ナトリウム(1:9)と共に一晩攪拌する。残渣をメタノールに溶解し、アンバーライトCG−50(Na+型)と共に15分間攪拌する。ろ過により樹脂を除去し、ろ液を濃縮させると、3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル)−4−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキシル)−1−オキシミル−シクロペンタン−3−オールナトリウム塩(32b)が得られる。
【0085】
実施例33〜37
実施例33〜37を実施例32の記載とほぼ同様の方法を使用して調製するが、その際、適切な出発物質に代える。当業者であれば、温度、圧力、雰囲気、溶媒または反応の順序を適切に変更することができる。加えて、当業者であれば、副反応をブロックするか、または収率を増加させるために保護基を適宜使用することができる。有機化学の当業者によってこのような変更の全ては簡単に実施されうるので、本発明の範囲内である。
【0086】
【化14】
Figure 0004846150
【0087】
実施例38
3−(3−ヒドロキシ−4−(2−フルオロフェノキシ)ブチル)−2−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキシル)−4−(ヒドロキシアミノ)−シクロペンタン−1−オールナトリウム塩(E38a)の調製:
【0088】
【化15】
Figure 0004846150
【0089】
化合物E32bをTHF:酢酸(1:1)中でシアノホウ水素化ナトリウムで処理し、2時間攪拌する。混合物を0.1N HClでクエンチし、ブラインで2回、洗う。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮する。生じた油状物をクロマトグラフィーにかける(ヘキサン中酢酸エチル30%)。適切なフラクションを一緒にし、濃縮させると、ヒドロキシルアミンが得られる。塩形成を前記方法で実施すると、3−(3−ヒドロキシ−4−(2−フルオロフェノキシ)ブチル)−2−(6−(メチル(ヒドロキシホスホリル))ヘキシル)−4−(ヒドロキシアミノ)−シクロペンタン−1−オールナトリウム塩(E38a)が得られる。
【0090】
実施例39〜44
実施例39〜44を実施例38の記載とほぼ同様の方法を使用して調製するが、その際、適切な出発物質に代える。当業者であれば、温度、圧力、雰囲気、溶媒または反応の順序を適切に変更することができる。加えて、当業者であれば、副反応をブロックするか、または収率を増加させるために保護基を適宜使用することができる。有機化学の当業者によってこのような変更の全ては簡単に実施されうるので、本発明の範囲内である。
【0091】
【化16】
Figure 0004846150
【0092】
組成物
本発明の組成物は安全かつ有効な量の本発明の化合物および薬剤として許容される担体を含む。ここで使用するように「安全かつ有効な量」とは妥当な医学的判断の範囲内で、治療すべき状態にプラスの変更を顕著にもたらすために十分ではあるが、深刻な副作用が回避される程度に十分に少ない化合物量を意味する(正当な損益比で)。化合物の安全かつ有効な量は治療されるべき特定の状態、治療される患者の年齢および身体的状態、状態の重症度、治療の期間、併用治療の性質、使用される薬剤として許容される特定の担体等の要因により、担当医師の知識および専門的技術範囲内で変動する。
【0093】
化合物に加えて、本発明の組成物は薬剤として許容される担体を含む。「薬剤として許容される担体」との用語はここで使用されているように、患者に投与するために好適な1種または複数の相容性の固体または液体付形希釈剤または被包物質を意味する。「相容性」との用語はここで使用されているように、通常の使用状況下に組成物の薬剤学的有効性を著しく低減する相互作用が存在しないように、組成物の成分がこの化合物と、かつ相互に混合することができる組成物の成分を意味する。薬剤学的に認容される担体は勿論、治療されるべき患者に投与するために好適であるように十分に高い純度および十分に低い毒性を有するべきである。
【0094】
薬剤として許容される担体またはその成分として役立つ物質の幾つかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;コーンスターチおよび馬鈴薯デンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、セルロースアセテートなどのセルロースおよびその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなどの固体潤滑剤;硫酸カルシウム;ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオの油などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;Tweens(登録商標)などの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;着香剤、添加剤;錠剤化剤;安定剤;抗酸化剤;防腐剤;発熱物質不含水;等張生理食塩水;およびリン酸緩衝液である。
【0095】
化合物と組合せて使用される薬剤として許容されるキャリアの選択は基本的に、化合物が投与される方法により決定される。本発明の化合物は全身に投与することができる。投与経路は経皮;経口;皮下および静脈内注射を含む非経口;局所;および/または鼻腔内を含む。
【0096】
使用される化合物の適切な量を動物モデルでの通常の実験により決定することができる。このようなモデルは、無傷および卵巣切除ラットモデルに限らず、フェレット、イヌおよびヒト以外の霊長類モデルを含み、さらにモデルの不使用も含む。
【0097】
注射のための好ましい単位剤形は水、生理食塩水またはこれらの混合物の無菌溶液を含む。前記溶液のpHは約7.4に調整されるべきである。注射または外科的インプラントのための適切な担体はヒドロゲル、制御放出される、または除放性デバイス、ポリ乳酸およびコラーゲン基質を含む。
【0098】
局所投与のための適切な薬剤として許容される担体はローション、クリーム、ゲル等で使用するために適したものが含まれる。化合物を経口投与する場合に、好ましい単位用量形は錠剤、カプセル等である。経口投与のための単位用量形を調製するために適切な薬剤として許容されるキャリアは当該技術で周知である。これらの選択は、本発明の目的には重要ではない味、費用および貯蔵安定性のような二次的考慮に依存し、当業者によって難なく決定されうる。
【0099】
使用法
本発明の化合物は、例えば骨疾患および眼疾患を含む、多くの医学的疾患を治療する際に有用である。
【0100】
本発明の化合物は、新しい小柱の形成による骨体積および小柱数の増加、正常化した骨ターンオーバー率の維持下での骨質量の増加、および存在する皮質から骨を除去することなく、骨内膜表面での骨形成に役立つと考えられる。したがってさらに、これらの化合物は骨疾患の治療および予防に役立つと考えられる。
【0101】
骨疾患を治療するための好ましい投与経路は経口、経皮および経鼻腔である。他の好ましい投与経路は直腸および舌下を含む。
【0102】
全身投与のための化合物の用量範囲は1日当たり、約0.01から約1000μg/体重kg、好ましくは約0.1から約100μg/体重kg、最も好ましくは約1から約50μg/体重1kgである。経皮吸収用量は、薬物動力学および経皮吸収処方物の分野の当業者に公知の技術に基づき、同様の血清または血漿レベルを達成するように設計する。全身投与の血漿レベルは0.01から100ng/ml、さらに好ましくは0.05から50ng/mlおよび最も好ましくは0.1から10ng/mlの範囲であると予想される。これらの用量は1日投与割合のベースであるが、一週間または1カ月に蓄積される用量も、臨床的要求を算出するために使用することもできる。
【0103】
用量を、治療すべき患者、治療すべき状態、治療すべき状態の重症度、投与経路等に応じて、所望の効果が達成されるように変動させることができる。
【0104】
本発明の化合物は眼内圧の低下にも有用である。したがってこれらの化合物は緑内障の治療に役立つ。緑内障を治療するための好ましい投与経路は局所投与である。
【0105】
組成物および方法の実施例
以下の非限定的な実施例で本発明の組成物および方法を説明する。以下の組成物および方法の実施例は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明の化合物、組成物および方法を調製および使用するためのガイダンスを提供するものである。それぞれの場合に、本発明の範囲内の他の化合物を、同様の結果を伴って、下記に示した実施例化合物に代えることができる。当業者であれば、これらの実施例がガイダンスを提示しており、治療すべき状態および患者に応じて変動させることができることを認識するであろう。
【0106】
実施例A
錠剤の形の薬剤組成物を、混合および直接圧縮などの慣用の方法により次の処方で調製する:
成 分 量(錠剤あたりのmg)
実施例1の化合物 5
微結晶性セルロース 100
デンプングリコール酸ナトリウム 30
ステアリン酸マグネシウム 3
【0107】
1日1回、経口投与する場合、上記の組成物は骨粗しょう症の患者の骨体積を大いに増加させる。
【0108】
実施例B
液体形の薬剤組成物を慣用の方法で次の処方で調製する:
成 分
実施例1の化合物 5mg
リン酸緩衝生理食塩水 10ml
メチルパラベン 0.05ml
【0109】
上記の組成物1.0mlを1日1回、皮下投与すると、上記の組成物は骨粗しょう症の患者の骨体積を大いに増加させる。
【0110】
実施例C
眼内圧を低くするための局所用薬剤組成物を慣用の方法で、次に記載の処方で調製する:
成 分 量(質量%)
実施例14の化合物 0.004
デキストラン70 0.1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3
塩化ナトリウム 0.77
塩化カリウム 0.12
EDTA二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム) 0.05
塩化ベンザルコニウム 0.01
HClおよび/またはNaOH pH7.2〜7.5
精製水 100%まで
【0111】
上記の組成物を1滴、1日2回、病気の目に投与すると、上記の組成物は緑内障の患者の眼内圧を大いに低下させる。
【0112】
本発明の特定の実施形態を記載したが、本発明の精神および範囲を外れることなくここに記載の組成物の様々な変更および修正を行うことができることは当業者には明白である。添付の特許請求の範囲では、本発明の範囲内であるこのような修正形態の全てを含むことを意図している。

Claims (11)

  1. 次の構造を有する化合物であって
    Figure 0004846150
    式中、
    1はHまたは1から4個の炭素員原子を含むアルキル鎖であり、
    2はH、アルキル、ヘテロアルキル、炭素環式脂肪族環、複素環式脂肪族環、芳香族環または複素環式芳香族環であり、
    XはOまたはSであり、
    YはO、SまたはNHであり、
    VはC4アルキルまたはM4ヘテロアルキルであり、
    aは単結合、シス二重結合またはトランス二重結合であり、
    bは単結合、トランス二重結合または三重結合であり、
    aが単結合である場合、WはOHまたはN(R3)(OR4)であり、ここで、R3はH、1から4個の炭素員原子を含むアルキル鎖または1から4個の員原子を含むヘテロアルキル鎖から選択され、前記1から4個の炭素員原子を含むアルキル鎖は非置換であるか、またはヒドロキシル、ハロ、チオールおよびニトリルからなる群から選択される置換基1から3個で置換され、前記1から4個の員原子を含むヘテロアルキル鎖は非置換であるか、またはヒドロキシル、ハロ、チオールおよびニトリルからなる群から選択される置換基1から3個で置換され、R4はH、1から4個の炭素員原子を含むアルキル鎖または1から4個の員原子を含むヘテロアルキル鎖であり、
    aがシス二重結合またはトランス二重結合である場合、WはN(OR4)であり、ここでR4は上記と同様に定義され、
    ZはC1アルキル、Mlヘテロアルキル、Cmアルキル−G′、MnヘテロアルキルG′、Cpアルキル−G″またはMqヘテロアルキルG″であり、ここでlは3から7の整数であり、mは0から5の整数であり、nは2から5の整数であり、pは0から3の整数であり、qは2または3であり、G′は単環式炭素環式脂肪族環、単環式複素環式脂肪族環、単環式芳香族環または単環式複素環式芳香族環であり、G″は二環式炭素環式脂肪族環、二環式複素環式脂肪族環、二環式芳香族環または二環式複素環式芳香族環であり、
    4ヘテロアルキルは4個の員原子を有するヘテロアルキル鎖であり、
    lヘテロアルキルはl個の員原子を有するヘテロアルキル鎖であり、
    nヘテロアルキルはn個の員原子を有するヘテロアルキル鎖であり、
    qヘテロアルキルはq個の員原子を有するヘテロアルキル鎖であり、
    ヘテロアルキルは炭素および少なくとも1つのヘテロ原子を含み、いずれの2つのヘテロ原子も隣り合っていない飽和または不飽和の鎖である
    ことを特徴とする化合物およびその薬剤として許容される塩あるいは化合物中の−NH 2 から形成される生体加水分解可能なアミドもしくはイミド、または化合物中の−OHから形成される生体加水分解可能なエステル
  2. 1がメチルまたはエチルであり、R2がHまたは1から4個の炭素員原子を含むアルキル鎖であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. XがOであり、YがOまたはNHであり、VがC4アルキルであることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
  4. ZがCmアルキル−G′またはMnヘテロアルキルG′であり、前記G′が単環式芳香族環または単環式複素環式芳香族環であることを特徴とする請求項3に記載の化合物。
  5. ZがCpアルキル−G″またはMqヘテロアルキルG″であり、前記G″が二環式芳香族環または二環式複素環式芳香族環であることを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物および薬剤として許容される担体を含むことを特徴とする医薬組成物。
  7. 骨疾患を有するヒトまたは他の動物患者を治療するための請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記骨疾患が骨粗しょう症であることを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 経口投与することを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
  10. 緑内障を治療するための請求項6に記載の医薬組成物。
  11. 局所投与することを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
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