JP4845680B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、外部から入射する放射線を検出する放射線検出器に関する。
一般に、原子炉施設、使用済燃料再処理施設、放射性同位元素取扱施設、粒子線使用施設等においては、放射性物質の濃度を測定して管理するために放射線検出器が使用されている。
特に、希ガスに含まれる放射性物質の濃度を高感度で測定する場合には、1壊変当たりの放射線の放出割合が高いβ線を測定対象とすることが多く、このため、放射線検出器としては、β線を吸収して光に変換するプラスチックシンチレータが測定用シンチレータとして適用されている。すなわち、このプラスチックシンチレータは、β線に対する応答性が良いだけでなく、加工性に優れ、安価で容易に入手でき、かつ物理的に安定であるなどの利点がある。
そして、測定用シンチレータが測定対象の放射線に反応した結果として得られる光(以下、測定光という)をさらに電子に変換増幅して取り出すために光電子増倍管が使用され、続いて、この光電子増倍管から出力される電流パルスを電圧パルスに変換して出力するために前置増幅器が設けられている。
また、この光電子増倍管は測定用シンチレータに比べて高価であるので、当該シンチレータよりも口径の小さいものが使用される。したがって、測定用シンチレータからの測定光を光電子増倍管に効率良く導く必要があり、そのため、測定用シンチレータと光電子増倍管との間にはライトガイドが介在されている。
ところで、上記の光電子増倍管は、経年劣化や温度変化に伴ってドリフトを生じ易い。例えば経年劣化ではゲインが年間で10%変動することがあり、また、温度変化により測定対象となる放射線のパルス波高値が約−0.3%/℃程度変動することがある。
そこで、従来より、光電子増倍管の光電面に向けて検出器校正用の光を発する光源としてのライトパルサを設けている。このライトパルサは、指標線源と、この指標線源から放射された指標放射線を光に変換する指標用シンチレータとを有している。この場合の指標線源としては入手が容易で半減期が432年と長いAm−241のα線源が使用され、また、指標用シンチレータとしては、潮解性がなく、物理的にも安定で加工性の良く、さらにα線源に対する発光効率の高いCaF(Eu)シンチレータが適用されている。
そして、このライトパルサの指標用シンチレータが指標線源に反応した結果として得られる光を指標に、この光(以下、指標光という)に基づいて前置増幅器から出力される信号パルス(以下、指標パルスという)のパルス波高値が常に一定になるように、光電子増倍管のゲインや放射線検出器の後段に設けられている測定部の増幅器のゲインを調整して検出出力の安定化を図っている。
ここで、ライトパルサの指標用シンチレータからの指標光に基づいて前置増幅器から出力される指標パルスの波高分布スペクトルが、測定用シンチレータからの測定光に基づいて前置増幅器から出力される信号パルス(以下、測定パルスという)の波高分布スペクトルの測定範囲と過大に重複すると、測定パルスの波高分布スペクトルのバックグラウンドを押し上げ、測定対象となる放射線の検出精度が劣化する。
この不具合を無くすには、指標パルスの波高分布スペクトルのピーク位置におけるパルス波高値を確実に検出でき、かつ、測定パルスと指標パルスの各波高分布スペクトルができるだけ互いに干渉しないようにする必要がある。すなわち、指標パルスの波高分布スペクトルのピーク位置におけるパルス波高値が前置増幅器のダイナミックレンジ内に十分に収まり、かつ、指標パルスの波高分布スペクトルが、測定パルスの波高分布スペクトルから十分に離れるように調整する必要がある。
そこで、従来技術では、測定パルスと指標パルスの波高分布スペクトルの各ピーク位置が最適になるように、ライトガイドの上面に遮光膜を形成し、この遮光膜によりライトガイドから光電子増倍管に入射する測定光の光量調節を行うことにより、指標パルスの波高分布スペクトルのピーク位置におけるパルス波高値が前置増幅器のダイナミックレンジ内に十分に収まり、かつ、指標パルスの波高分布スペクトルのピーク位置が、測定パルスの波高分布スペクトルのピーク位置よりも十分に高くなるように調整している(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術では、ライトガイドから光電子増倍管に入射する光量を増加させて信号レベルとノイズレベルとの比(S/N比)を高めるために、ライトガイドと光電子増倍管との間を光結合オイルで接合することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2886027号公報 特許第3383101号公報
上記のように、特許文献1記載の従来技術では、ライトガイドの上面に形成した遮光膜を取り替えながら適合するものを選択して、ライトガイドから光電子増倍管に入射する測定光の光量調節を行っているが、この場合には、本来、測定に必要な放射線(ここではβ線)に基づく測定光が光電子増倍管に入射する光量が少なくなるので、これに伴い、光電子増倍管から出力される測定パルスの信号レベルも相対的に低下してS/N比が劣化する。このため、放射線に基づく測定パルスの弁別レベルを上げざるを得なくなり、その結果、低エネルギの放射線の感度が低下したり、あるいは低エネルギの放射線が測定できないといった問題がある。
また、特許文献2記載の従来技術のように、S/N比を良好に維持するために、ライトガイドと光電子増倍管を光結合オイルで接合する構成にすると、光量調整の度に光結合オイルで接合しなければならず、調整のために手間がかかるという問題がある。
さらに、ライトパルサを構成する指標用シンチレータがCaF(Eu)シンチレータの場合、α線源のα線に反応して発する光量の温度特性が約−0.3%/℃であるのに対して、測定対象のβ線を検出するプラスチックシンチレータが測定対象の放射線を検出して発する光量の温度特性は約−0.1%/℃であり、両者の温度特性に差がある。このため、光電子増倍管のドリフトをライトパルサによって高精度で補償しても、両シンチレータ相互間には温度特性に差があるため、放射線検出器全体のドリフト補償精度が低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、測定対象の放射線を低エネルギまで高感度で、かつ安定した放射線計測が可能な放射線検出器を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、外部から入射した放射線を吸収して光に変換する測定用シンチレータと、この測定用シンチレータからの光を電子に変換増幅する光電子増倍管と、上記測定用シンチレータからの光を上記光電子増倍管に導くライトガイドと、上記光電子増倍管から出力される電流パルスを電圧パルスに変換して出力する前置増幅器と、検出器校正用の光源としてのライトパルサとを備え、上記ライトパルサは、指標線源と、この指標線源から放射された指標放射線を光に変換する指標用シンチレータとを有する放射線検出器において、次の構成を採用している。
すなわち、本発明において、上記指標用シンチレータは、上記測定用シンチレータよりも、α線の単位エネルギを光量に変換する効率とβ線の単位エネルギを光量に変換する効率の比であるα/βレシオが大きく、かつ、上記測定用シンチレータと同じ温度特性を有するものであり、また上記ライトパルサには上記指標用シンチレータから上記光電子増倍管に向かう放射光の光量を調整する光学フィルタが設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、指標用シンチレータとして、上記測定用シンチレータよりも、α線の単位エネルギを光量に変換する効率とβ線の単位エネルギを光量に変換する効率の比であるα/βレシオが大きく、かつ、上記測定用シンチレータと同じ温度特性を有するものを使用するとともに、放射線検出器毎に適合する光学フィルタを選定して光電子増倍管に入射する指標光パルスの光量を調節するようにしたので、両シンチレータの温度特性の影響が少なくなるとともに、測定対象となる放射線の信号レベルを低下させることがない。このため、測定対象の放射線を低エネルギまで高感度で、かつ安定した測定が可能な放射線検出器を提供することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における放射線検出器の構成を示す断面図、図2は同放射線検出器のライトパルサの構成を示す断面図である。
この実施の形態1の放射線検出器は、外部から入射した放射線を吸収して光に変換する測定用シンチレータ1と、この測定用シンチレータ1からの放射光を電子に変換増幅して電気信号として取り出すための光電子増倍管2と、測定用シンチレータ1からの測定光を光電子増倍管2に導くライトガイド3と、光電子増倍管2から出力される電流パルスを電圧パルスに変換して出力する前置増幅器4と、検出器校正用の光源としてのライトパルサ5とを主体に構成されている。
上記の測定用シンチレータ1は、本例では、β線に対する応答性に優れるとともに加工性が良く、安価で容易に入手できかつ物理的に安定であるプラスチックシンチレータが適用されている。光電子増倍管2は、ライトガイド3との間に配置されたリング状のスペーサ8により空気層を介してライトガイド3と光学的に接合されている。ライトガイド3は、例えばアクリル樹脂を機械加工して成形されたもので、その周側面にはTiO微粉末を含む反射材を塗布してなる反射層(図示せず)が形成されている。前置増幅器4は、光電子増倍管2から出力される電流パルスをソケット9を経由して入力し、電圧パルスに変換してコネクタ10から出力するようになっている。ライトパルサ5は、ライトガイド3の光電子増倍管2との対向面上に形成された穴に埋め込まれて接着固定されており、これにより、光電子増倍管2の光入射面に向けて指標光を放射する。そして、上記の各部1〜9は、検出器ケース11内に収納されており、この検出器ケース11によって各部1〜9が電気的にシールドされるとともに、外部からの光の進入が遮断されている。
上記のライトパルサ5は、図2に示すように、指標線源51と、この指標線源51から放射される指標放射線のエネルギを吸収して指標光に変換する指標用シンチレータ52と、この指標用シンチレータ52からの指標光を集光して透過させる光学窓53とを有し、指標線源51と指標用シンチレータ52とは線源容器54内に収納されて光学窓53で蓋をすることで内部が密閉されている。また、この実施の形態1の特徴として、光学窓53の上には、これを覆うように光学フィルタ55が接合されている。
ここに、指標線源51としては、入手が容易で半減期が432年と長いAm−241のα線源が使用されている。なお、Am−241から放射されるα線のエネルギは約5.5MeVである。また、指標用シンチレータ52としては、潮解性がなく、物理的にも安定で加工性が良く、さらにα線源に対する発光効率が高いことが望ましく、このため本例ではCaF(Eu)シンチレータが適用されている。光学フィルタ55は、指標用シンチレータ52から光電子増倍管2に向かう指標光の光量を調整する一種の曇りガラスであって、透過率が5%刻みのものを容易に入手することが可能である。
図3は測定対象の放射線に基づいて得られる測定パルスの波高分布スペクトル、およびライトパルサ5の指標光に基づいて得られる指標パルスの波高分布スペクトルを示したものである。
測定パルスの波高分布スペクトルSmのピーク位置のパルス波高値はVmにあり、パルス波高値の低い領域のノイズを除くために、波高分布スペクトルSmの測定範囲(ウィンドウ幅)は符号ΔV1に示す領域に設定されている。
一方、指標パルスの波高分布スペクトルSiは、光学フィルタ55の指標光に対する光透過率によって変化する。例えば、光学フィルタ55の光透過率を下げて図中破線で示すように波高分布スペクトルSiが測定パルスの波高分布スペクトルSmに近付くようにし過ぎると、測定パルスの波高分布スペクトルSmの測定範囲ΔV1に指標パルスの波高分布スペクトルSiが干渉するようになり、測定パルスの波高分布スペクトルSmのバックグラウンドを押し上げて測定対象となる放射線の検出精度が劣化する。
これとは逆に、測定パルスの波高分布スペクトルSmの測定範囲に指標パルスの波高分布スペクトルSiが干渉しないようにするため、光学フィルタ55の光透過率を上げ過ぎると、指標パルスの波高分布スペクトルSiのピーク位置のパルス波高値Viが前置増幅器4のダイナミックレンジΔV3内に収まり切らなくなってピーク位置を特定できず、検出器の校正が不能になる。
したがって、指標パルスの波高分布スペクトルSiについては、そのピーク位置におけるパルス波高値Viが前置増幅器4のダイナミックレンジΔV3内に十分に収まり、かつ、パルス波高値Viが、測定パルスの波高分布スペクトルSmのピーク位置におけるパルス波高値Vmよりも十分に高いという条件を満たす必要がある。
そこで、この実施の形態1では、測定パルスの波高分布スペクトルSmのピーク位置のパルス波高値Vmに対する指標パルスの波高分布スペクトルSiのピーク位置のパルス波高値Viの比が“3”〜“8”の範囲になるように、光学フィルタ55を透過する指標光の光量を調整している。すなわち、図3において、3Vm〜8Vmの範囲、すなわち図中符号ΔV2で示す範囲に指標パルスの波高分布スペクトルSiのパルス波高値Viが位置するように指標光の光量を光学フィルタ55で調整する。
具体例として、本例のように、測定用シンチレータ1がプラスチックシンチレータ、指標用シンチレータ52がCaF(Eu)シンチレータの場合、β線の単位エネルギを光量に変換する効率の前者に対する後者の比は約2.2である。また、プラスチックシンチレータからの測定光の光電子増倍管2への収集率と、CaF(Eu)シンチレータからの指標光の光電子増倍管2への収集率との比が0.7の場合、プラスチックシンチレータの厚みを飛程400keV相当として、これを前置増幅器4の出力で0.4Vとなるようにすると、指標線源51であるAm−241から放射されるα線のエネルギ約5.5MeVは、前置増幅器45の出力で次式に示すように3.5Vとなる。
5.5MeV×0.4V/0.4MeV×2.2×0.2÷0.7=3.5V
なお、上式の0.2は後述のCaF (Eu)のα/βレシオである。
したがって、前置増幅器4のダイナミックレンジΔV3が0〜2.5Vで、ライトパルサ5で得られる指標パルスのパルス波高値Viがダイナミックレンジ内の1.8V程度にするためには、光学フィルタ55により指標光に基づいて得られるパルス波高値を50%程度減衰させればよい。
以上のように、この実施の形態1では、ライトパルサ5に設けた光学フィルタ55によって指標光の光量を調節するようにしたので、従来のように測定用シンチレータ1の測定光の光量を低下させるといった不具合がなくなり、光量調整によってS/N比が劣化することがない。これにより、低エネルギの放射線まで高感度で測定することが可能な放射線検出器を提供することができる。
特に、ここでは、図3に示したように、測定パルスの波高分布スペクトルSmのピーク位置の波高値Vmに対する指標パルスの波高分布スペクトルSiのピーク位置の波高値Viの比が3〜8倍の範囲となるように、光学フィルタ55を透過する光量を調整しているので、指標パルスの波高分布スペクトルSiのテール(尾)が測定パルスの波高分布スペクトルSmの測定範囲ΔV1内と重複してバックグラウンドを押し上げるのを抑制することができ、その結果、両者Sm,Siは好適なパルス波高配置になるため、電源電圧の変動や温度変化に伴う影響を低減することができ、測定対象となる放射線を高精度で測定することができる。
また、上記のように、ライトパルサ5を取り付けるライトガイド3と光電子増倍管2はスペーサ8を介して空気層で光学接合し、従来のような光結合オイルを使用しない構成としたので、個々の検出器毎の光量調整を容易に行うことができる。
なお、この実施の形態1の特徴は、測定対象の放射線に基づく光量と指標線源51の放射線に基づく光量とを相対的に調整するために、ライトパルサ5に光学フィルタ55を設けたことであり、測定対象となる放射線や、指標線源51は上記のものに限定されるものではなく、また、測定用シンチレータ1はプラスチックシンチレータに限定されるものではなく、さらにライトパルサ5の指標用シンチレータ52もCaF(Eu)シンチレータに限定されるものでないことは勿論である。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2における放射線検出器の構成を示す断面図であり、図1および図2に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態2の放射線検出器の特徴は、図1に示した実施の形態1におけるリング状のスペーサ8の代わりに、硬化後に円板状となる透明ゲル状接合剤12を設けたことである。この場合の透明ゲル状接合剤12としては、2液型RTVゴムで用途が透明用ゲルとして、例えば信越化学工業(株)から市販されており容易に入手することができる。
その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
このように、透明ゲル状接合剤12を適用すると空気の混入が殆どなくてライトガイド3を介して伝達された測定用シンチレータ1の測定光に対する散乱が少なくなり、測定光を効率よく光電子増倍管2に伝達することができる。その結果、S/N比を向上させることができ、測定対象の放射線を高感度で低エネルギ領域まで測定することができる。
実施の形態3.
この実施の形態3における放射線検出器の特徴は、ライトパルサ5の指標用シンチレータ52として、実施の形態1で使用したCaF(Eu)シンチレータに代えてYAlO (Ce)シンチレータを使用したことである。
シンチレータが放射線の単位エネルギを光量に変換する効率は、一般にβ線よりα線の方が低く、両者の比はα/βレシオと言われている。この実施の形態3において、指標用シンチレータ52として今回使用するYAlO (Ce)シンチレータは、そのα/βレシオが従来から使用されているCaF(Eu)シンチレータと同等で、α線用シンチレータとして優れている。また、潮解性がなく、物理的にも安定で加工性が良く、ライトパルサ5用シンチレータとして好適である。
その他の構成は、実施の形態1と同様であるからここでは詳しい説明は省略する。
図5はシンチレータに放射線が入射して生成される光量の温度特性を概念的に示すもので、符号hはCaF(Eu)シンチレータの温度特性を、符号iはYAlO (Ce)シンチレータの温度特性を、符号jはプラスチックシンチレータの温度特性を示す。使用温度範囲の0〜50℃において、プラスチックシンチレータ(符号j)とYAlO (Ce)シンチレータ(符号i)の温度特性は約−0.1%/℃で良く一致しており温度特性の差は小さい。これに対して、CaF(Eu)シンチレータ(符号h)の温度特性は約−0.3%/℃と大きい。
このように、測定用シンチレータ1としてプラスチックシンチレータを使用する際には、ライトパルサ5を構成する指標用シンチレータ52としてYAlO (Ce)シンチレータを適用することにより、両方のシンチレータ1,52の温度特性の差はほとんどなくなり、ライトパルサ5によるゲイン安定化制御においてシンチレータの温度特性が影響することがなくなる。しかも、上記のように、YAlO (Ce)シンチレータは、そのα/βレシオが従来から使用されているCaF(Eu)シンチレータと同等で、α線用シンチレータとして優れている。このため、測定対象の放射線を高精度で連続して測定できる放射線検出器を提供することが可能となる。
なお、ライトパルサ5の指標用シンチレータ52として測定用シンチレータ1と同じプラスチックシンチレータを適用すると、両シンチレータ1,52の温度特性は一致するものの、CaF(Eu)やYAlO (Ce)シンチレータのα/βレシオは約0.2であるのに対して、プラスチックシンチレータのα/βレシオは0.02で、α線に対する発光効率が低い。したがって、プラスチックシンチレータは指標用シンチレータ52としては適用し難い。
本発明は上記の各実施の形態1〜3の構成のみに限定されるものではなく、各実施の形態1〜3の構成を適宜組み合わせることも可能である。
本発明の実施の形態1における放射線検出器の構成を示す断面図である。 同放射線検出器のライトパルサの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における放射線検出器で得られる波高分布スペクトルの特性図である。 本発明の実施の形態2における放射線検出器の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3における放射線検出器のシンチレータの温度特性を示す図である。
符号の説明
1 測定用シンチレータ、2 光電子増倍管、3 ライトガイド、4 前置増幅器、
5 ライトパルサ、12 透明ゲル状接合剤、51 指標線源、
52 指標用シンチレータ、55 光学フィルタ。

Claims (2)

  1. 外部から入射した放射線を吸収して光に変換する測定用シンチレータと、この測定用シンチレータからの光を電子に変換増幅する光電子増倍管と、上記測定用シンチレータからの光を上記光電子増倍管に導くライトガイドと、上記光電子増倍管から出力される電流パルスを電圧パルスに変換して出力する前置増幅器と、検出器校正用の光源としてのライトパルサとを備え、上記ライトパルサは、指標線源と、この指標線源から放射された指標放射線を光に変換する指標用シンチレータとを有する放射線検出器において、
    上記指標用シンチレータは、上記測定用シンチレータよりも、α線の単位エネルギを光量に変換する効率とβ線の単位エネルギを光量に変換する効率の比であるα/βレシオが大きく、かつ、上記測定用シンチレータと同じ温度特性を有するものであり、また上記ライトパルサには上記指標用シンチレータから上記光電子増倍管に向かう放射光の光量を調整する光学フィルタが設けられていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 上記指標用シンチレータは、YAlO(Ce)シンチレータであることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
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