JP4844189B2 - 測位装置、測位装置の制御方法、測位装置の制御プログラム、測位装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

測位装置、測位装置の制御方法、測位装置の制御プログラム、測位装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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本発明は、測位衛星からの電波を利用する測位装置、測位装置の制御方法、測位装置の制御プログラム、測位装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
このGPS受信機は、GPS衛星の軌道等を示す航法メッセージ(概略衛星軌道情報:アルマナック、精密衛星軌道情報:エフェメリス等を含む)に基づいて、GPS衛星からの電波(以後、衛星電波と呼ぶ)に乗せられている擬似雑音符号(以後、PN(Psuedo random noise code)符号と呼ぶ)の一つであるC/A(Clear and AcquisionまたはCoarse and Access)コードを受信する。C/Aコードは、測位の基礎となる符号である。C/Aコードは、各GPS衛星ごとに固有の符号である。
GPS受信機は、例えば、そのC/AコードがどのGPS衛星から発信されたものであるかを特定したうえで、受信したC/Aコードの位相に基づいて、GPS衛星とGPS受信機の距離(擬似距離)を算出する。すなわち、C/Aコードは、1.023Mbpsのビット率で、コードの長さは1023チップである。したがってC/Aコードは、1ミリ秒(ms)間に電波が進む距離である約300キロメートル(km)ごとに、並んで走っていると考えることができる。このため、衛星軌道上のGPS衛星の位置と、GPS受信機の概略位置から、GPS衛星とGPS受信機との間にC/Aコードがいくつあるか(正確には、整数部分と端数部分)を算出し、C/Aコードの位相(以下、「コードフェーズ」ともいう)を特定すれば、擬似距離を算出することができる。
そして、GPS受信機は、3個以上のGPS衛星についての擬似距離と、各GPS衛星の衛星軌道上の位置に基づいて、GPS受信機の位置を測位するようになっている。
受信したC/AコードとGPS受信機内部で発生するレプリカC/Aコードの位相を合致させるために、レプリカC/Aコードの位相と受信周波数をずらせながら相関処理が行われている。
ところが、本来のGPS衛星以外のレプリカC/Aコードを使用した場合であっても、受信周波数が近似していると、相関処理によって一定の相関値が出力される。例えば、実際にはGPS衛星1のC/Aコードを受信している場合に、他のGPS衛星2のレプリカC/Aコードを使用しても、一定の相関値が出力され、コードフェーズが算出される場合がある(以下、この現象を「相互相関」(cross−correlation)と呼ぶ)。この場合、GPS衛星2の衛星軌道上の位置はGPS衛星1の衛星軌道上の位置とは乖離しているため、正しい測位をすることができない(特表2004−507920等参照)。
これに対して、受信周波数差が所定範囲内の複数の衛星について、最大の相関ピーク値を呈した衛星を真の衛星とし、他の衛星を偽信号相互相関による虚像とみなす技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−98244号公報
しかし、上述の技術においては、実際に受信周波数が近似している場合に、本来測位に使用することができるGPS衛星を測位に使用することができない場合があるという問題がある。
また、すべての信号の信号強度が微弱であって、相関値に差がない場合には、相互相関を排除することができない場合があるという問題がある。
さらに、信号強度が微弱な信号を受信することができる高感度のGPS受信機の場合には、多数のGPS衛星からの信号を捕捉することができるため、複数の信号の受信周波数が近似し易い。この場合、本来測位に使用することができるGPS衛星を測位に使用しないのであれば、測位に使用するGPS衛星の数が減るため、測位精度を向上させることができない。
なお、本明細書においては、「信号強度」は「電波強度」と同義で使用する。
また、「ノイズ排除」には相互相関を生じている測位衛星を排除する処理を含む。
そこで、本発明は、信号強度が微弱な弱電界下において、ノイズではない測位基礎符号を確実に使用しつつ、ノイズを排除し、より多くの測位衛星を使用して測位することができる測位装置、測位装置の制御方法、測位装置の制御プログラム、測位装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
前記目的は、第1の発明によれば、測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置であって、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出手段と、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出手段と、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断手段と、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除手段と、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位手段と、を有することを特徴とする測位装置により達成される。
第1の発明の構成によれば、前記測位装置は、前記非対象判断手段を有するから、ノイズ判断の対象としない前記測位衛星を判断することができる。ここで、前記非対象判断手段は、各前記測位衛星ごとに、ノイズ判断の対象としない前記測位衛星であるか否かを判断する。すなわち、前記測位装置は、他の前記測位衛星についての実測周波数や相関値の影響を排除して、ノイズ判断の対象としない前記測位衛星を判断することができる。
このため、前記測位装置は、実測周波数が近似しているという理由によって、前記測位衛星をノイズ判断の対象とすることはない。
これは、実測周波数が近似しているという理由によって、本来測位に使用可能な前記測位衛星を測位から排除することはないことを意味する。すなわち、他の前記測位衛星の影響を受けて、本来測位に使用可能な前記測位衛星を、前記ノイズ判断の対象とすることはない。
また、前記測位装置は、前記ノイズ排除手段を有するから、相互相関を含むノイズに基づいて算出された前記実測コードフェーズを排除することができる。ここで、前記ノイズ排除手段は、各前記実測コードフェーズごとにノイズに基づいて算出されたものであるか否かを判断する。すなわち、前記測位装置は、他の前記実測コードフェーズについての信号強度や相関値の影響を受けることなく、ノイズに基づいて算出されたものであるか否かを判断することができる。これは、信号強度が微弱な弱電界下においても、他の前記実測コードフェーズについての信号強度や相関値の影響を受けることなく、ノイズに基づいて算出された前記実測コードフェーズを確実に排除することができることを意味する。
これにより、信号強度が微弱な弱電界下において、ノイズではない測位基礎符号を確実に使用しつつ、ノイズを排除し、より多くの測位衛星を使用して測位することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記非対象判断手段は、前記測位衛星の衛星軌道情報と前記基準位置とに基づいて、前記電波の予測受信周波数を算出する予測受信周波数算出手段と、前記予測受信周波数と前記実測周波数の差分である周波数差分を算出する周波数差分算出手段と、前記周波数差分が予め規定された周波数許容範囲内か否かを判断する周波数差分評価手段と、を有し、前記周波数差分が前記周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する構成となっていることを特徴とする測位装置である。
第2の発明の構成によれば、前記非対象判断手段は、前記周波数差分評価手段を有するから、前記周波数差分が予め規定した周波数許容範囲内か否かを判断することができる。ここで、前記周波数差分は、各前記測位衛星ごとの前記予測受信周波数と前記実測周波数の差分である。このため、他の前記測位衛星の前記実測周波数の影響を受けない。
このため、前記非対象判断手段は、複数の前記測位衛星の前記実測周波数が近似していたとしても、その影響を受けずに、前記ノイズ排除の対象とするか否かを判断することができる。
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記ノイズ排除手段は、前記周波数差分が、測位から排除する前記測位衛星を決定するために前記周波数許容範囲外において予め規定した排除対象範囲内か否かを判断する排除対象判断手段を有することを特徴とする測位装置である。
第3の発明の構成によれば、前記測位装置は、前記排除対象判断手段を有するから、前記周波数差分が、前記排除対象範囲内か否かを判断することができる。
上述のように、前記周波数差分は、各前記測位衛星ごとの前記予測受信周波数と前記実測周波数の差分であるから、他の前記測位衛星の前記実測周波数の影響を受けない。
このため、前記排除対象判断手段は、複数の前記測位衛星の前記実測周波数が近似していたとしても、その影響を受けずに、排除対象か否かを判断することができる。
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明の構成において、前記ノイズ排除手段は、前記測位衛星の位置と前記基準位置とに基づいて、予測コードフェーズを算出する予測コードフェーズ算出手段と、前記予測コードフェーズと前記実測コードフェーズの差分であるコードフェーズ差分を算出するコードフェーズ差分算出手段と、前記コードフェーズ差分が予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内か否かを判断するコードフェーズ差分評価手段と、を有し、前記コードフェーズ差分が前記コードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する構成となっていることを特徴とする測位装置である。
第4の発明の構成によれば、前記ノイズ排除手段は、前記コードフェーズ差分評価手段を有するから、前記コードフェーズ差分許容範囲内か否かによって、相互相関の結果として算出された前記実測コードフェーズを判断することができる。
ここで、前記コードフェーズ差分は、各前記測位衛星ごとの前記予測コードフェーズと前記実測コードフェーズの差分であるから、他の前記測位衛星の前記実測コードフェーズの影響を受けない。
そして、前記ノイズ排除手段は、受信周波数に基づいて、ノイズに基づいて算出された前記実測コードフェーズを判断するのではないから、複数の前記測位衛星の前記実測周波数が近似していたとしても、その影響を受けない。
このため、前記ノイズ排除手段は、他の前記測位衛星の影響を受けずに、各前記測位衛星について、ノイズに基づいて算出された前記実測コードフェーズか否かを判断することができる。
前記目的は、第5の発明によれば、測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置が、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出ステップと、前記測位装置が、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出ステップと、前記測位装置が、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断ステップと、前記測位装置が、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除ステップと、前記測位装置が、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位ステップと、を有することを特徴とする測位装置の制御方法によって達成される。
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置が、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出ステップと、前記測位装置が、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出ステップと、前記測位装置が、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断ステップと、前記測位装置が、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除ステップと、前記測位装置が、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位ステップと、を実行させることを特徴とする測位装置の制御プログラムによって達成される。
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置が、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出ステップと、前記測位装置が、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出ステップと、前記測位装置が、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断ステップと、前記測位装置が、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除ステップと、前記測位装置が、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位ステップと、を実行させることを特徴とする測位装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の実施の形態の端末20等を示す概略図である。
図1に示すように、端末20は、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dから、電波S1,S2,S3及びS4を受信することができる。
電波S1等には各種のコード(符号)が乗せられている。そのうちの一つがC/AコードScaである。このC/AコードScaは、1.023Mbpsのビット率、1,023bit(=1msec)のビット長の信号である。C/AコードScaは、1,023チップ(chip)で構成されている。端末20は、現在位置を測位する測位装置の一例であり、このC/Aコードを使用して現在位置の測位を行う。このC/AコードScaは、測位基礎符号の一例である。
また、電波S1等に乗せられる情報として、アルマナックSal及びエフェメリスSehがある。アルマナックSalはすべてのGPS衛星12a等の概略の衛星軌道を示す情報であり、エフェメリスSehは各GPS衛星12a等の精密な衛星軌道を示す情報である。アルマナックSal及びエフェメリスSehを総称して航法メッセージと呼ぶ。
端末20は、例えば、3個以上の異なるGPS衛星12a等からのC/Aコードを受信して、現在位置を測位することができるようになっている。
端末20は、まず、受信したC/AコードがどのGPS衛星に対応するものかを特定する。次に、C/Aコードの位相を特定することによって、各GPS衛星12a等と端末20との距離(以後、「擬似距離」と呼ぶ)を算出する。続いて、現在時刻における各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置と、上述の擬似距離に基づいて、現在位置の測位演算を行うことができるように構成されている。
端末20は、上述のC/Aコードの位相を特定するために、相関処理(後述のコヒーレント処理及びインコヒーレント処理とからなる)を行う。
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は、端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有し、コンピュータは、バス22を有する。バス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
また、バス22には、入力装置28、電源装置30、GPS装置32、表示装置34、通信装置36及び時計38が接続されている。
(GPS装置32の構成について)
図3は、GPS装置32の構成を示す概略図である。
図3に示すように、GPS装置32は、RF部32aとベースバンド部32bで構成される。
RF部32aは、アンテナ33aで電波S1等を受信する。そして、増幅器であるLNA33bが、電波S1に乗せられているC/Aコード等の信号を増幅する。そして、ミキサ33cが、信号の周波数をダウンコンバートする。そして、直交(IQ)検波器33dが信号をIQ分離する。続いて、ADコンバータ33e1及び33e2が、IQ分離された信号をそれぞれデジタル信号に変換するように構成されている。
ベースバンド部32bは、RF部32aからデジタル信号に変換された信号を受信し、信号の各チップ(図示せず)をサンプリングして積算し、ベースバンド部32bが保持しているC/Aコードとの相関をとるように構成されている。ベースバンド部32bは、例えば、128個の相関器(図示せず)及び積算器(図示せず)を有し、同時に128の位相において、相関処理を行うことができるようになっている。相関器は後述のコヒーレント処理を行うための構成である。積算器は後述のインコヒーレント処理を行うための構成である。
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図4は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、端末20は、各部を制御する制御部100、図2のGPS装置32に対応するGPS部102、時計38に対応する計時部104等を有している。
端末20は、また、各種プログラムを格納する第1記憶部110、各種情報を格納する第2記憶部150を有する。
図4に示すように、端末20は、第2記憶部150に、航法メッセージ152を格納している。航法メッセージ152は、アルマナック152a及びエフェメリス152bを含む。
端末20は、アルマナック152a及びエフェメリス152bを、測位のために使用する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、観測可能衛星算出プログラム112を格納している。観測可能衛星算出プログラム112は、制御部100が、初期位置情報154に示される初期位置Q0を基準として、観測可能なGPS衛星12a等を算出するためのプログラムである。
具体的には、制御部100は、アルマナック152aを参照して、計時部104によって計測した現在時刻において観測可能なGPS衛星12a等を判断する。初期位置Q0は、例えば、前回の測位位置である。
制御部100は、観測可能なGPS衛星12a等を示す観測可能衛星情報156を第2記憶部150に格納する。
例えば、観測可能なGPS衛星は、GPS衛星12a乃至12fである。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、第1測位プログラム114を格納している。第1測位プログラム114は、制御部100が、予備測位を行って第1測位位置Q1を算出するためのプログラムである。第1測位位置Q1は基準位置の一例である。そして、第1測位プログラム114と制御部100は、基準位置算出手段の一例である。
図5及び図6は、第1測位プログラム114の説明図である。
図5(a)に示すように、制御部100は、GPS衛星12a等からの発信周波数H1にドップラー偏移H2を加えて、推定周波数Faを算出する。GPS衛星12a等からの発信周波数H1は既知であり、例えば、1,575.42MHzである。
ドップラー偏移H2は、各GPS衛星12a等と端末20との相対移動によって生じる。制御部100は、エフェメリス152bによって現在時刻における各GPS衛星12a等の視線速度(端末20の方向に対する速度)を算出する。そして、その視線速度に基づいて、ドップラー偏移H2を算出する。
制御部100は、各GPS衛星12a等ごとに、推定周波数Faを算出する。
なお、推定周波数Faには、端末20のクロック(基準発振器:図示せず)のドリフト分の誤差を含む。ドリフトとは、温度変化による発振周波数の変化である。
図5(b)に示すように、制御部100はベースバンド部32bによって、C/Aコードの1チップを例えば、等間隔で分割して、相関処理を行う。C/Aコードの1チップは、例えば、32等分される。すなわち、32分の1チップの位相幅(第1位相幅W1)間隔で相関処理を行う。制御部100が相関処理を行うときの第1位相幅W1間隔の位相を第1サンプリング位相SC1と呼ぶ。
第1位相幅W1は、信号強度が−155dBm以上である場合に、相関最大値Pmaxを検出することができる位相幅として規定されている。32分の1チップの位相幅であれば、信号強度が−155dBm以上であれば弱電界であっても、相関最大値Pmaxを検出することができることがシミュレーションによって明らかになっている。
図6(a)に示すように、制御部100は、例えば、C/Aコードの第1チップから第1023チップまでをサーチする。
このとき、制御部100は、推定周波数Faを中心として、所定の幅の周波数において電波S1等をサーチする。例えば、(Fa−100)Hzの周波数から(Fa+100)Hzの周波数の範囲を、100Hzごとの周波数ステップで電波S1等をサーチする。
図6(b)に示すように、ベースバンド部32bからは、2チップ分の位相C1乃至C64に対応する相関値Pが出力される。各位相C1乃至C64が、第1サンプリング位相SC1である。相関値Pは、例えば、図6(b)に示すグラフ(以下、「相関グラフ」という)で現される。
相関処理は、コヒーレントと、インコヒーレントから構成される。
コヒーレントは、ベースバンド部32bが、受信したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関をとる処理である。
例えば、コヒーレント時間が20msecであれば、20msecの時間において同期積算したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関値等を算出する。コヒーレント処理の結果、相関をとった位相と、相関値が出力される。
インコヒーレントは、コヒーレント結果の相関値を積算することによって、インコヒーレント値を算出する処理である。
相関処理の結果、コヒーレント処理で出力された位相と、インコヒーレント値が出力される。相関値Pはインコヒーレント値である。
制御部100は、最大の相関値Pmaxに対応する位相である第1測位位相CP1を特定する。
制御部100は、第1測位位相CP1を算出すると、その第1測位位相CP1を中心に、サーチを行う。
例えば、制御部100は、既に算出している第1測位位相CP1を中心に、±256チップの範囲をサーチする。
また、周波数については、最大の相関値Pmaxを算出したときの周波数を中心に、±1.0kHzの範囲を100Hzステップでサーチする。
そして、制御部100は、3個以上のGPS衛星12a等に対応する第1測位位相CP1に基づいて、現在位置を測位して測位位置Q1を算出する。端末20は、この測位位置Q1を表示しない。
図7は、測位方法を示す概念図である。
図7に示すように、例えば、GPS衛星12aと端末20との間には、n(nは整数)個のC/Aコードが連続的に並んでいると観念することができる。そして、GPS衛星12aと端末20との間の距離は、C/Aコードの長さの整数倍とは限らないから、コード端数C/Aaが存在する。つまり、GPS衛星12aと端末20との間には、C/Aコードの整数倍の部分と、端数部分が存在する。C/Aコードの整数倍の部分と端数部分の合計の長さが擬似距離である。端末20は、この擬似距離を使用して測位を行う。
GPS衛星12aの軌道上の位置はエフェメリス152bを使用して算出可能である。そして、GPS衛星12aの軌道上の位置と初期位置Q0との距離を算出すれば、C/Aコードの整数倍の部分を特定することができる。
そして、図7に示すように、レプリカC/Aコードの位相を例えば、矢印X1方向に移動させながら、相関処理を行を行う。
相関値が最大になった位相がコード端数C/Aaである。そして、このコード端数C/Aaが、第1測位位相CP1である。
制御部100は、3個以上のGPS衛星12a等に対応する第1測位位相CP1に基づいて、各GPS衛星12a等と端末20との擬似距離を算出する。そして、各GPS衛星12a等の軌道上の位置はエフェリス152bによって算出する。そして、3個以上のGPS衛星12a等の軌道上の位置と、擬似距離に基づいて、現在位置を測位して測位位置Q1を算出する。
制御部100は、測位位置Q1を示す第1測位位置情報160を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、第2測位使用候補衛星算出プログラム116を格納している。第2測位使用候補衛星算出プログラム116は、制御部100が、第2測位のための実測周波数Fr及び第2測位に使用する候補としての第2コードフェーズCP2を算出するためのプログラムである。実測周波数Frは実測周波数の一例である。第2コードフェーズCP2は実測コードフェーズの一例である。第2測位使用候補衛星算出プログラム116と制御部100は、準備情報算出手段の一例である。
図8は、第2測位使用候補衛星算出プログラム116の説明図である。
図8に示すように、制御部100は、上述の第1測位プログラム114に基づく制御と同様に、受信したC/AコードとレプリカC/Aコードとの相関をとる。
そして、相関最大値Pmaxに対応するコードフェーズCP2を算出する。
制御部100は、コードフェーズCP2を示す第2コードフェーズ情報164を第2記憶部150に格納する。
また、制御部100は、相関最大値Pmaxを算出したときの周波数である実測周波数Frを算出する。
制御部100は、実測周波数Frを示す実測周波数情報166を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、衛星選択実施条件判断プログラム118を格納している。衛星選択実施条件判断プログラム118は、制御部100が、第2測位使用候補衛星情報162に含まれるGPS衛星12a等について、衛星選択の対象にするか否かを決定するためのプログラムである。
図9は、衛星選択実施条件判断プログラム118の説明図である。
図9に示すように、制御部100は、衛星選択実施条件Aをすべて満たす場合に、衛星選択の対象とする。制御部100は、各GPS衛星12a等ごとに、衛星選択実施条件Aを満たすか否かを判断する。ここで、「衛星選択」は、ノイズ判断の対象とするか否かの判断である。
衛星選択実施条件Aは、まず、各GPS衛星12a等ごとに、エフェメリスがあるという条件aを含む。
また、衛星選択実施条件Aは、測位位置Q1があるという条件bを含む。
また、衛星選択実施条件Aは、計時部104の時間精度が1秒(s)未満であるという条件cを含む。時間精度が1秒未満であれば、衛星軌道上の各GPS衛星12a等の位置を精度よく算出することができる。
また、衛星選択実施条件Aは、測位位置Q1の精度が10km未満であるという条件dを含む。測位位置Q1の精度が10km未満であれば、電波S1等のドップラー偏移を精度良く算出することができる。
また、衛星選択実施条件Aは、端末20の基本クロックのドリフトが10m/s未満であるという条件dを含む。基本クロックのドリフトが10m/s未満であれば、実測周波数Frを精度良く算出することができる。
衛星選択実施条件Aを満たす場合には、端末20は候補衛星を衛星選択の対象とするようになっている。これに対して、衛星選択実施条件Aを満たさない場合には、端末20は候補衛星を衛星選択の対象としない構成になっている。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、予測周波数算出プログラム120を格納している。予測周波数算出プログラム120は、制御部100が、各GPS衛星12a等について、そのエフェメリス152bと第1測位位置Q1とに基づいて、各信号S1等の予測周波数Feを算出するためのプログラムである。予測周波数Feは、予測受信周波数の一例である。予測周波数算出プログラム120と制御部100は、予測受信周波数算出手段の一例である。
図10は、予測周波数算出プログラム120の説明図である。
制御部100は、各GPS衛星12a等について、その衛星軌道上の位置Qgを算出し、位置Qgから第1測位位置Q1へ向かう方向(視線方向)の速度Vを算出する。この速度Vからドップラー偏移H2を算出する。そして、制御部100は、図10に示すように、発信周波数H1にドップラー周波数H2及びドリフトを加えることによって、予測周波数Feを算出する。ドップラー周波数H2は例えば、2kHzである。ドリフトは例えば、500Hzである。
制御部100は、算出した予測周波数Feを示す予測周波数情報168を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、予測コードフェーズ算出プログラム122を格納している。予測コードフェーズ算出プログラム122は、制御部100が、各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置Qgと第1測位位置Q1とに基づいて、各信号S1等に乗せられたC/Aコードの予測コードフェーズCPeを算出するためのプログラムである。予測コードフェーズCPeは予測コードフェーズの一例である。そして、予測コードフェーズ算出プログラム122と制御部100は、予測コードフェーズ算出手段の一例である。
図11は、予測コードフェーズ算出プログラム122の説明図である。
図11に示すように制御部100は、衛星軌道上の位置Qgと第1測位位置Q1との距離d1から、C/Aコードの整数部分(C/Aコード×n)を減じることによって、予測コードフェーズCPeを算出する。
制御部100は、予測コードフェーズCPeを示す予測コードフェーズ情報170を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、周波数差分算出プログラム124を格納している。周波数差分算出プログラム124は、制御部100が、予測周波数Feと実測周波数Frとの周波数差分Fdを算出するためのプログラムである。周波数差分Fdは、周波数差分の一例である。そして、周波数差分算出プログラム124と制御部100は、周波数差分算出手段の一例である。
図12は、周波数差分算出プログラム124の説明図である。
図12に示すように、制御部100は、予測周波数Feから実測周波数Frを減じることによって、その差分の絶対値である周波数差分Fdを算出する。
制御部100は、算出した周波数差分Fdを示す周波数差分情報172を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、周波数差分第1評価プログラム126を格納している。周波数差分第1評価プログラム126は、制御部100が、周波数差分Fdが20ヘルツ(Hz)以内か否かを判断するためのプログラムである。20ヘルツ(Hz)以内の範囲は、予め規定されている周波数許容範囲内の一例である。周波数差分第1評価プログラム126と制御部100は、周波数差分評価手段の一例である。
制御部100は、周波数差分Fdが20ヘルツ以内であれば、対応するC/Aコードは、相互相関の結果の偽信号等のノイズではなくて、本来の信号であると判断する。そして、対応するGPS衛星を候補衛星として維持する。
なお、上述の予測周波数算出プログラム120、周波数差分算出プログラム124、周波数差分第1評価プログラム126及び制御部100は、非対象判断手段の一例である。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、周波数差分第2評価プログラム128を格納している。周波数差分第2評価プログラム128は、制御部100が、周波数差分Fdが40ヘルツ(Hz)以上か否かを判断するためのプログラムである。40ヘルツ(Hz)以上の範囲は、測位から排除するGPS衛星を決定するために予め規定されている排除対象範囲内の一例である。周波数差分第2評価プログラム128と制御部100は、排除対象判断手段の一例である。
制御部100は、周波数差分Fdが40ヘルツ以上であれば、対応するC/Aコードは、相互相関の結果の偽信号等のノイズであると判断する。
そして、対応するGPS衛星を候補衛星から排除する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、コードフェーズ差分算出プログラム130を格納している。コードフェーズ差分算出プログラム130は、制御部100が、予測コードフェーズCPeと第2コードフェーズCP2とのコードフェーズ差分CPdを算出するためのプログラムである。コードフェーズ差分CPdはコードフェーズ差分の一例である。コードフェーズ差分算出プログラム130と制御部100は、コードフェーズ差分算出手段の一例である。
図13は、コードフェーズ差分算出プログラム130の説明図である。
図13に示すように、制御部100は、予測コードフェーズCPeから第2コードフェーズCP2を減じることによって、その差分の絶対値を示すコードフェーズ差分CPdを算出する。なお、制御部100は、予測コードフェーズCPe及び第2コードフェーズCP2を長さに換算してコードフェーズ差分CPdを算出する。
制御部100は、コードフェーズ差分CPdを示すコードフェーズ差分情報174を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、コードフェーズ差分評価プログラム132を格納している。コードフェーズ差分評価プログラム132は、制御部100が、コードフェーズ差分Fdが閾値α以下か否かを判断するためのプログラムである。閾値α以下の範囲は、予め規定したコードフェーズ許容範囲内の一例である。そして、コードフェーズ差分評価プログラム132と制御部100は、コードフェーズ差分評価手段の一例である。
閾値αは、例えば、250メートル(m)である。
制御部100は、コードフェーズ差分Fdが閾値αより大きい場合には、対応するC/Aコードは相互相関等のノイズであると判断する。
そして、対応するGPS衛星を候補衛星から排除する。
上述の周波数差分第2評価プログラム128、コードフェーズ差分算出プログラム130、コードフェーズ差分評価プログラム及び制御部100は、ノイズ排除手段の一例である。
上述の構成によって、制御部100は、第2測位使用候補衛星情報162に示される候補衛星について、ノイズではないGPS衛星を確実に保持しつつ、ノイズであるGPS衛星を排除することができる。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、第2測位プログラム134を格納している。第2測位プログラム134は、制御部100が、上述の周波数差分第1評価プログラム124、周波数差分第2評価プログラム128及びコードフェーズ差分評価プログラム132によって当初の候補衛星が取捨選択(以下、「フィルタリング」という)された結果として、第2測位使用候補衛星情報162に残存している候補衛星を使用して、第2測位位置を算出するためのプログラムである。
言い換えると、フィルタリングの後の候補衛星に対応する第2コードフェーズCP2を使用して本測位を行い、第2測位位置Q2を算出するためのプログラムである。この第2測位プログラム134と制御部100は、本測位手段の一例である。
フィルタリングの結果、例えば、当初の候補衛星であるGPS衛星12a乃至12fのうち、GPS衛星12a、12b、12c及び12dが残存する。
制御部100は、第2測位位置Q2を示す第2測位位置情報176を第2記憶部150に格納する。
図4に示すように、端末20は、第1記憶部110に、測位位置出力プログラム136を格納している。測位位置出力プログラム136は、制御部100が、第2測位位置Q2を表示装置34に表示するためのプログラムである。
端末20は、上述のように構成されている。
端末20は、周波数差分第1評価プログラム126に基づく制御部100による制御によって、ノイズ判断の対象としないGPS衛星を判断することができる。ここで、端末20は、各GPS衛星12a等ごとに、ノイズ判断の対象としないGPS衛星であるか否かを判断する。すなわち、端末20は、他のGPS衛星についての実測周波数Frや相関値の影響を排除して、ノイズ判断の対象としないGPS衛星を判断することができる。このため、他のGPS衛星の影響を受けて、本来測位に使用可能なGPS衛星を、ノイズ判断の対象とすることはない。
また、端末20は、周波数差分第2評価プログラム128及びコードフェーズ差分評価プログラム132によって、ノイズに基づいて算出された第2コードフェーズCP2を排除することができる。ここで、端末20は、各第2コードフェーズCP2ごとにノイズに基づいて算出されたものであるか否かを判断する。すなわち、端末20は、他の第2コードフェーズCP2についての信号強度や相関値の影響を受けることなく、ノイズに基づいて算出されたものであるか否かを判断することができる。これは、信号強度が微弱な弱電界下においても、他の第2コードフェーズCP2についての信号強度や相関値の影響を受けることなく、ノイズに基づいて算出された第2コードフェーズCP2を確実に排除することができることを意味する。
これにより、信号強度が微弱な弱電界下において、ノイズではない測位基礎符号を確実に使用しつつ、ノイズを排除し、より多くの測位衛星を使用して測位することができる。
以上が本実施の形態に係る端末20の構成であるが、以下、その動作例を主に図14及び図15を使用して説明する。
図14及び図15は端末20の動作例を示す概略フローチャートである。
まず、端末20は、第1測位を行い、第1測位位置Q1(図4参照)を算出する(図14のステップST1)。このステップST1は、基準位置算出ステップの一例である。
続いて、端末20は、第2コードフェーズCP2及び実測周波数Frを算出する(ステップST2)。このステップST2は、準備情報算出ステップの一例である。
続いて、端末20は、各GPS衛星12a等ごとに、衛星選択実施条件A(図9参照)を満たすか否かを判断する(ステップST3)。
端末20は、衛星選択実施条件A(図9参照)を満たさないと判断したGPS衛星については、候補衛星として維持する。
これに対して、端末20は、衛星選択実施条件A(図9参照)を満たすと判断したGPS衛星について、ステップST4を実施する。
端末20は、ステップST4において、エフェメリス、第1測位位置Q1に基づいて、予測周波数Fe及び予測コードフェーズCPeを算出する(ステップST4)。
続いて、端末20は、予測周波数Feと実測周波数Frとの周波数差分Fdを算出する(ステップST5)。
続いて、端末20は、周波数差分Fdが20ヘルツ未満か否かを判断する(図15のステップST6)。このステップST6は、非対象判断ステップの一例である。
端末20は、周波数差分Fdが20ヘルツ未満であると判断したGPS衛星を候補衛星として維持する。
これに対して、周波数差分Fdが20ヘルツ未満ではないと判断したGPS衛星について、周波数差分Fdが40ヘルツより大きいか否かを判断する(ステップST7)。
端末20は、周波数差分Fdが40ヘルツより大きいと判断した場合には、候補衛星から除外する(ステップST101)。ステップST7及びステップST101は、ノイズ排除ステップの一例である。
ステップST5において、端末20は、周波数差分Fdが40ヘルツ以下であると判断したGPS衛星について、予測コードフェーズCPeと第2コードフェーズCP2とのコードフェーズ差分CPdを算出する(ステップST8)。
続いて、端末20は、コードフェーズ差分CPdが閾値αよりも大きいか否かを判断する(ステップST9)。
端末20は、コードフェーズ差分CPdが閾値αよりも大きいと判断した場合には、候補衛星から除外する(ステップST102)
ステップST9及びステップST102もまた、ノイズ排除ステップの一例である。
続いて、端末20は、第2測位を行い、第2測位位置Q2を算出する(ステップST10)。このステップST10は、本測位ステップの一例である。
上述のステップによって、信号強度が微弱な弱電界下において、ノイズではない測位基礎符号を確実に使用しつつ、ノイズを排除し、より多くの測位衛星を使用して測位することができる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
本発明の実施の形態の端末等を示す概略図である。 端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。 GPS装置の構成を示す概略図である。 端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。 第1測位プログラムの説明図である。 第1測位プログラムの説明図である。 測位方法を示す概念図である。 第2測位使用候補衛星算出プログラムの説明図である。 衛星選択実施条件判断プログラムの説明図である。 予測周波数算出プログラムの説明図である。 予測コードフェーズ算出プログラムの説明図である。 周波数差分算出プログラムの説明図である。 コードフェーズ差分算出プログラムの説明図である。 端末の動作例を示す概略フローチャートである。 端末の動作例を示す概略フローチャートである。
符号の説明
12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20・・・端末、32・・・GPS装置、112・・・観測可能衛星算出プログラム、114・・・第1測位プログラム、116・・・第2測位使用候補衛星算出プログラム、118・・・衛星選択実施条件判断プログラム、120・・・予測周波数算出プログラム、122・・・予測コードフェーズ算出プログラム、124・・・周波数差分算出プログラム、126・・・周波数差分第1評価プログラム、128・・周波数差分第2評価プログラム、130・・・コードフェーズ差分算出プログラム、132・・・コードフェーズ差分評価プログラム、134・・・第2測位プログラム、136・・・測位位置出力プログラム

Claims (7)

  1. 測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置であって、
    予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出手段と、
    前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出手段と、
    前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断手段と、
    前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、
    前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除手段と、
    前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位手段と、
    を有することを特徴とする測位装置。
  2. 前記非対象判断手段は、
    前記測位衛星の衛星軌道情報と前記基準位置とに基づいて、前記電波の予測受信周波数を算出する予測受信周波数算出手段と、
    前記予測受信周波数と前記実測周波数の差分である周波数差分を算出する周波数差分算
    出手段と、
    前記周波数差分が予め規定された周波数許容範囲内か否かを判断する周波数差分評価手段
    と、
    を有し、
    前記周波数差分が前記周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の測位装置。
  3. 前記ノイズ排除手段は、
    前記周波数差分が、測位から排除する前記測位衛星を決定するために前記周波数許容範囲外において予め規定された排除対象範囲内か否かを判断する排除対象判断手段を有することを特徴とする請求項2に記載の測位装置。
  4. 前記ノイズ排除手段は、
    前記測位衛星の位置と前記基準位置とに基づいて、予測コードフェーズを算出する予測コードフェーズ算出手段と、
    前記予測コードフェーズと前記実測コードフェーズの差分であるコードフェーズ差分を算出するコードフェーズ差分算出手段と、
    前記コードフェーズ差分が予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内か否かを判断するコードフェーズ差分評価手段と、
    を有し、
    前記コードフェーズ差分が前記コードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の測位装置。
  5. 測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置が、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出ステップと、
    前記測位装置が、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出ステップと、
    前記測位装置が、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断ステップと、
    前記測位装置が、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、
    前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除ステップと、
    前記測位装置が、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位ステップと、
    を有することを特徴とする測位装置の制御方法。
  6. コンピュータに、
    測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置が、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出ステップと、
    前記測位装置が、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出ステップと、
    前記測位装置が、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断ステップと、
    前記測位装置が、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、
    前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除ステップと、
    前記測位装置が、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位ステップと、
    を実行させることを特徴とする測位装置の制御プログラム。
  7. コンピュータに、
    測位衛星からの電波に乗せられた測位基礎符号を受信して、現在位置を測位する測位装置が、予備測位を行って基準位置を算出する基準位置算出ステップと、
    前記測位装置が、前記測位基礎符号を受信して、実測周波数及び本測位に使用する候補としての実測コードフェーズを算出する準備情報算出ステップと、
    前記測位装置が、前記測位衛星の衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測受信周波数と、前記実測周波数との周波数差分が、予め規定された周波数許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断する非対象判断ステップと、
    前記測位装置が、前記周波数差分が、前記周波数許容範囲外であり、予め規定された排除対象範囲内である測位衛星であり、かつ、
    前記衛星軌道情報及び前記基準位置に基づいて算出された予測コードフェーズと、前記実測コードフェーズとのコードフェーズ差分が、予め規定されたコードフェーズ差分許容範囲内である測位衛星を本測位で使用する測位衛星であると判断するノイズ排除ステップと、
    前記測位装置が、前記本測位で使用する測位衛星の実測コードフェーズを使用して本測位を行う本測位ステップと、
    を実行させることを特徴とする測位装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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