JP4844181B2 - 寸法精度に優れた積層コアの製造方法および積層コア - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1をもってしても、寸法精度に優れた積層コアを生産性よく製造することは難しいのが現状である。
[1]所定の形状に打ち抜き加工して得られる板厚が0.2mm以下である軟磁性鋼板を、複数枚積層し積層体となし積層コアを製造する方法において、
前記打ち抜き加工する際に、リベット穴径:2〜10mmの位置決め用穴を板幅方向あるいは板長さ方向の中心線に対し左右対称となるよう2ヶ所、前記軟磁性鋼板に設け、
前記複数枚積層する際に、前記位置決め用穴のうち1カ所にリベットを差込み、該リベットを支点に積層体を回転させ、打ち抜き加工面に発生した鉄粉を除去した後、前記位置決め用穴のうちの残りの1カ所にリベットを差込み、次いで積層体を固定することを特徴とする寸法精度に優れた積層コアの製造方法。
[2]前記[1]において、リベットにより積層体を固定後、前記積層体積層部を接着剤で接着することを特徴とする寸法精度に優れた積層コアの製造方法。
[3]前記[1]または[2]において、前記軟磁性鋼板をSi量:4.0mass%以上の高けい素鋼板とすることを特徴とする寸法精度に優れた積層コアの製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層コアの製造方法により製造された積層コア。
特に、本発明の製造方法は板厚が0.2mm以下の薄い材料やSi量:4.0mass%以上の高けい素鋼板に対して非常に有効な方法である。
また、本発明では生産性の観点から、打ち抜き加工する際、リベットを差込むための位置決め用穴を軟磁性鋼板に設けることが好ましい。例えば、プレスによる打ち抜き加工工程において、鋼帯に位置決め用の穴を形成し、次いで所定形状に打ち抜くようにすればよく、具体的には、1台のプレス機に上記穴形成用金型と打ち抜き用の金型をセットし、軟磁性鋼板への穴形成、所定形状の打ち抜きを連続して行うようにすればよい。また、若干生産性は劣るが、所定形状に打ち抜き後、積層する前に別工程にて穴形成を行ってもよい。
このように、軟磁性鋼板に位置決め用の穴をあけ、そこにリベットを差し込み、積層体を固定することで、直角度精度に優れる積層コアが生産効率良く得られることになる。
リベット穴径は、磁路を阻害しないよう、可能な限り小さくすることが好ましい。例えば、板厚0.10mm、Si量:6.5mass%の高けい素鋼板を使用し、I型形状コアを製造しようとする場合、コアサイズにもよるが、リベット穴径は2〜10mm程度が好ましい。
リベット外径は、穴との公差を可能な限り小さくすることが好ましい。
また、穴あけ位置は、特に限定するものではないが、積層鋼板間に隙間ができずに積層体の形状が保てるように適宜設定すればよく、例えば、1ヶ所の場合は積層体中央、2ヶ所以上の場合は板幅方向あるいは板長さ方向の中心線に対し、左右対称となるなど、対称な配置となるように位置決めをすることが好ましい。
なお、このリベットで固定した段階で最終製品としても良いし、リベットで位置決めし仮固定した状態で、さらに接着剤を積層体全体に浸透させ、最終製品とすることもできる。
リベットで固定した段階で最終製品とする場合、積層体の積層部に対して接着剤を塗布し、乾燥、焼付を行うことが好ましい。積層部に接着剤を塗布することにより、より一層直角度精度が向上する。
この時、使用する接着剤の種類は特に限定されない。また、接着剤は乾燥、焼付工程までに硬化していることが好ましいが、必ずしも完全に硬化している必要はなく、ある程度の接着強度が得られるまで硬化していればよい。比較的短時間のうちにある程度の接着強度が得られるような接着剤を使用することもできる。塗布量は、コアの大きさ、積み厚により適量を加減する。乾燥、焼付温度は100℃〜200℃、10分以上、3時間以下が好ましい。接着剤に瞬間接着剤を使用する場合は、コア寸法の条件等により、焼付は省略することができる。
この時、使用する接着剤としては、熱硬化型接着剤が好ましい。特に、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂の熱硬化型接着剤とすることが好ましい。例えば、自動車用部品等で使用される場合は、零下から150℃程度までのヒートサイクルを受けながら使用されるため、温度変化に対する接着強度が必要であり、接着剤として、1液性のアクリル系接着剤やエポキシ系接着剤を使用することが好ましい。
次いで、接着剤含浸後の積層体に対して、乾燥、焼付処理をし、軟磁性鋼帯間が完全接着された積層コアを得る。乾燥、焼付処理は、例えば電気炉、熱風乾燥炉、誘導加熱炉等を用いることができる。この時の乾燥、焼付処理は、通常100〜200℃で10分以上行うことが好ましい。
本発明例の製作工程を表1に示す。
板厚0.1mm、材料幅60mm、の6.5%けい素鋼板を使用し、打ち抜き長さ(切断長さ)を30mmでプレスにより打ち抜き加工した。この時、図1に示すように、2ヶ所にリベットを差し込むための位置決め用穴を設けた。なお、穴を設けるにあたっては、穴径は4mm、リベット外径は3.6mm、穴あけの位置は板幅方向の中心線に対して左右対称となるよう、それぞれフープ幅の3分の1の位置(幅方向端部から20mm)とした。
次いで、位置決め用穴にリベットを差込み、所定の枚数積層して積層体として直角度精度を整え固定し図1に示す積層コア(幅60mm、長さ30mm、積み厚40mm)を製作した。なお、リベットとしてはアルミ製リベットを用いた。
上記本発明例と同様の材料を用いて、同様に打ち抜き加工を行った。次いで、表1に示す工程により、積層コアを製作した。なお、製作するにあたって、接着剤としては、アクリル系接着剤を用い、乾燥・焼き付けは150℃、90分間とした。
上記により得られた本発明例および比較例の積層コアに対して、コア検査として寸法精度を測定したところ、比較例と本発明例は同等の直角度1%以下寸法精度を示した。なお、寸法精度は、図2に示すように、積層体の積層方向の厚みaと積層体の側面と直角度ゲージ垂直面の最大すき間bを用いて直角度をa/bを求め、このa/bの値(100倍して%表示)で評価した。
本発明例の製作工程を表2に示す。
板厚0.1mm、材料幅80mmの6.5%けい素鋼板を使用し、総抜きで、U型形状の打ち抜き加工を行った。この時、図3に示すように、2ヶ所にリベットを差し込むための位置決め用穴を設けた。なお、穴を設けるにあたっては、穴径は5mm、リベット外径は4.6mm、穴あけの位置は図3の位置とした。
次いで、位置決め用穴にリベットを差込み、所定の枚数積層して積層体として仮固定した後、アクリル系接着剤を用いて真空含浸し、150℃×2時間の条件で乾燥・焼き付けを行い、図3に示す積層コアを製作した。なお、リベットとしてはアルミ製リベットを用いた。
比較例として、上記実施例2、本発明例と同様の材料を用いて、同様に打ち抜き加工を行った。次いで、表2に示す工程により、積層コアを製作した。なお、製作するにあたって、接着剤としては、アクリル系接着剤を用い、乾燥・焼き付けは150℃、2時間とした。
上記により得られた本発明例および比較例の積層コアに対して、コア検査として寸法精度を測定したところ、比較例と本発明例は同等の直角度1%以下の寸法精度を示した。なお、寸法精度は実施例1と同様の方法で行った。
板厚0.1mm、材料幅80mmの6.5%けい素鋼板を使用し、図3に示すように、総抜きで、U型形状の打ち抜き加工を行った。この時、図3に示すように、2ヶ所にリベットを差し込むための位置決め用穴を設けた。なお、穴を設けるにあたっては、穴径は5mm、リベット外径は4.6mm、穴あけの位置は図3の位置とした。
次いで、位置決め用穴のうち1ヶ所にリベットを差込み、所定の枚数積層して積層体とした後、このリベットを支点に積層体を回転させ、遠心力でプレス加工面にある鉄粉を除去した。その後、位置決め用穴のうちの残りの1ヶ所にもリベットを差込み直角度精度を整え仮固定し、次いで、アクリル系接着剤を真空含浸し、150℃×2時間の条件で乾燥・焼き付けを行い、積層コアを製作した。なお、リベットとしてはアルミ製リベットを用いた。
比較例としては、上記実施例3、本発明例において、リベットを支点に積層体を回転させることなしに(遠心力による鉄粉除去を実施せず)、それ以外を実施例3本発明例と同様の方法にて行い積層、コアを製作した。
上記により得られた本発明例および比較例の積層コアに対して、積層コア間にすき間が発生しているかどうかの検査を目視にて行った。なお、積層コア間の積層面にできたすきま長さが5mm以上の場合をすき間発生ありとした。
その結果、本発明例ではすき間は発生しておらず、比較例ではすき間が発生していた。このように、本発明例では、鉄粉を除去することにより、積層コア間のすきま発生を防止し、これにより、後工程の接着やポッティングでのコア割れを防止することができた。
Claims (4)
- 所定の形状に打ち抜き加工して得られる板厚が0.2mm以下である軟磁性鋼板を、複数枚積層し積層体となし積層コアを製造する方法において、
前記打ち抜き加工する際に、リベット穴径:2〜10mmの位置決め用穴を板幅方向あるいは板長さ方向の中心線に対し左右対称となるよう2ヶ所、前記軟磁性鋼板に設け、
前記複数枚積層する際に、前記位置決め用穴のうち1カ所にリベットを差込み、該リベットを支点に積層体を回転させ、打ち抜き加工面に発生した鉄粉を除去した後、前記位置決め用穴のうちの残りの1カ所にリベットを差込み、次いで積層体を固定することを特徴とする寸法精度に優れた積層コアの製造方法。 - リベットにより積層体を固定後、前記積層体積層部を接着剤で接着することを特徴とする請求項1に記載の寸法精度に優れた積層コアの製造方法。
- 前記軟磁性鋼板をSi量:4.0mass%以上の高けい素鋼板とすることを特徴とする請求項1または2に記載の寸法精度に優れた積層コアの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層コアの製造方法により製造された積層コア。
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