JP4843748B1 - 給水ボトルの交換容易なウォーターサーバー - Google Patents

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Abstract

給水ボトル10が倒置状態の基本姿勢において、給水ボトル支持部110に支持された給水ボトル10の筒口11と給水接続具支持部130に支持された給水接続具120との距離が給水ボトル10の筒口11に対して給水接続具120が正常に取り付けられた状態の距離である。給水ボトル10の交換作業において、使用済みの給水ボトル10を前方に引き出す引出動作によって、給水ボトル支持部110に支持された給水ボトル10の筒口11と給水接続具支持部130に支持された給水接続具120との距離が次第に大きくなり、筒口11から給水接続具120が正常に取り外された状態の距離にまで至り、給水接続具120の取り外し作業が完了する。取り付け作業はその逆の動作となる。給水接続具脱着機構150によって、給水ボトル10の引き出し・押し戻し作業のみで給水接続具120の給水ボトル10の取り付け・取り外しが自動的に可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交換可能な構造を持つ給水ボトルを装着することにより水を供給し、利用者の操作により水または湯として簡単に取り出すことができるウォーターサーバーに関する。本発明の用途としては、業務用の給水に限らず一般家庭や会社等に設置される一般用の給水も含まれる。また、本発明のウォーターサーバーが供給できるものは液体であれば何でも適用でき、飲料水のほか、お湯、各種ドリンク類、コーヒー、紅茶、お茶、スープ・出汁類などであっても良い。
一般に、交換可能な構造を持つ給水ボトルを装着することにより水を供給し、利用者の操作により水または湯として簡単に取り出すことができるウォーターサーバーが好評を得て広く普及している。
従来から広く普及しているウォーターサーバーの構造は、給水ボトルを装置本体の最上部に配設し、この給水ボトル内の水を自然落下させて各系に導水するようになっていた。
例えば、特開2010−63799号公報に開示されたウォーターサーバーの構成は、図15に示すように、液体を貯蔵する給水ボトル22を上部に取り付け可能な液体供給ユニット20と、原料を貯蔵する原料貯蔵部50と、前記液体供給ユニットから供給された液体と該原料貯蔵部から供給された原料とを混合する混合部80とを有する飲料調製ユニット30とを備えたものとなっている。
このように、特開2010−63799号公報に開示されたウォーターサーバーでは、給水ボトル22が上部に取り付けられているため、給水ボトル22内の飲料水を飲料調製ユニット30に供給する際、液体の自重を利用することができるものとなっている。
しかしながら、上記した従来型のウォーターサーバーでは、平常使用時は水の流れが重力を用いたものであり装置内での消費電力などが小さくなるというメリットが得られるものの、給水ボトルの交換時にはかえって大変な労力を必要としていた。つまり、給水ボトルが装置本体の最上部に設けられているため、給水ボトルの交換時には装置本体の最上部から給水ボトルを取り外し、新しい給水ボトルを再び装置本体の最上部にセットするという給水ボトルの上げ下げ作業が必要になっていた。水が充填された水タンクは重く、装置本体の最上部まで持ち上げてセットするという作業には強い力が必要となり、力の弱い女性や子供、腰を痛めているお年寄り等にとっては負担が大きすぎるという問題があった。また、給水ボトルが装置本体の最上部に配設されているため、装置本体の重心が上方にあるため不安定であり装置の安全性にも問題があった。
上記した従来型のウォーターサーバーの問題点を改善するため、給水ボトルを下方に置く工夫を行っているものがある。
特開2001−153523号公報に開示されたウォーターサーバーは、給水ボトルを下方に置く工夫を行っている。特開2001−153523号公報には、図16に示すように、給水ボトル5(図中の付番)が装置本体の底部に着脱可能に配設され、この給水ボトル5から給水系にポンプにより送水する送水管62(図中の付番)が形成されている構成が開示されている。このように給水ボトル5を下方に置く工夫を行うことにより、給水ボトル5の交換時には装置本体の下部から給水ボトル5を取り外し、新しい給水ボトル5を再び装置本体の下部にセットすれば良く、特開2010−63799号公報に開示されたウォーターサーバーのように給水ボトルの上げ下げ作業は不要となる。また、装置本体の重心を下方に下げることで安定性を向上させ、地震時においても倒れ難いウォーターサーバーとなっている。
特開2010−63799号公報 特開2001−153523号公報
上記したように、ウォーターサーバーにおいて給水タンクを下方に置く工夫を行うことにより、給水タンク5の交換時においても給水タンクの上げ下げ作業は不要となり、また、装置本体の重心を下方に下げることができるため装置全体の安定性を向上させるというメリットが得られる。
しかし、特開2001−153523号公報に開示されたウォーターサーバーには以下に示す問題がある。
まず、衛生面の問題である。特開2001−153523号公報に開示されたウォーターサーバーでは、給水タンクを装置の下方部分に静置するのみ、つまり、給水タンクの開口部を上にして静置されるものであり、ポンプにより送水する送水管を開口部から突っ込んでいるものとなっている。給水タンクの開口部を上にして静置する場合、水を最後までポンプでくみ出すためには、送水管を長くして給水タンクの上面から下面まで通し入れる必要があった。そのため、金属などの送水管が給水タンク内の水中に深く入り込むこととなり、送水管が十分にメンテナンスされない限り、衛生面で問題がある。
一方、特開2010−63799号公報に開示された従来型ウォーターサーバーのように、装置本体の最上部に給水タンクを倒置状態にて支持するタイプであれば、倒置した給水タンクの開口部に直接接続する給水接続具により適量が汲みだされるために、給水タンク内の水中に治具などが深く入り込まず衛生面において優れている。
しかし、単に、特開2001−153523号公報に開示された給水タンクを装置の下方部分に配設するウォーターサーバーの構成において、特開2010−63799号公報に開示された給水タンクを倒置状態にて支持する構成を組み合わせた構成を想定したとしても、そのようなウォーターサーバーの構成では、給水タンクの交換作業が極めて難しくなるという問題がある。つまり、給水タンクを装置下方に設置し、かつ、給水タンクを倒置姿勢として給水接続具と接続させてセットすることは構造上難しいという問題である。
つまり、給水タンクを装置の下方部分に配設するタイプであれば、給水タンクの交換作業時に給水タンクを大きく持ち上げる必要がなく、給水タンクの上げ下げという観点からは楽ではあるが、給水タンクを倒置姿勢とすると給水タンクの開口部が最下点に位置することとなり、かつ、給水タンク自体が視界を遮ってしまうため、給水タンクの開口部と給水接続具との接続を目視しながら行うことができない。また、給水タンクの配設場所が装置内部下方であれば、装置の筐体自体が視界を遮ってしまう上に、装置の奥の方には手を入れにくいため、作業性を阻害するという問題が生じてしまう。
特開2001−153523号公報には、給水タンクの下に荷台を設置して給水タンクを引き出すという工夫が開示されているが、給水タンクを倒置姿勢で給水接続具に接続するタイプでは給水接続具は装置内部の給水系に接続されているために簡単には大きく引き出すことができない。荷台によってわずかに給水タンクを引き出す程度では、倒置姿勢にある給水タンクの接続箇所は奥に隠れたままであり給水タンクの交換作業効率が阻害された状態であることには変わりがない。
上記問題に鑑み、本発明は、給水タンクを装置下方部分に配設することにより給水タンクの上げ下げ作業を不要とするメリットと、給水タンクを倒置姿勢にて給水接続具に直接接続することにより衛生面でのメリットを得つつ、さらに、給水タンクの交換作業が極めて容易な構造を採用することにより、給水タンクの交換作業効率を向上させたウォーターサーバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のウォーターサーバーは、交換自在に指示された給水ボトルから飲料水を取り出して貯蔵し、利用者の操作により前記飲料水を供給するウォーターサーバーにおいて、前記給水ボトルを倒置状態にて支持する給水ボトル支持部と、前記給水ボトルの筒口を介して前記給水ボトル内と導通して前記飲料水を取り出す給水接続具を支持する給水接続具支持部と、前記給水ボトル支持部に支持された前記給水ボトルの筒口と前記給水接続具支持部に支持された前記給水接続具との相対距離を制御して両者の脱着を制御する給水接続具脱着機構を備え、前記給水ボトルを前方に回転傾斜して引き出す回転傾斜引き出し動作および後方に回転傾斜して押し戻す回転傾斜押し戻し動作と、前記給水接続具脱着機構による前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部との脱着制御とを連動させ、前記引き出し動作および前記押し戻し動作に連動した前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能としたウォーターサーバーである。
上記構成において、前記給水接続具脱着機構が、前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部を含むユニットを回転支軸を中心に回転させるユニット回転機構と、前記ユニット回転機構により回転する前記給水ボトルと前記給水接続具が正対し合ったまま接近・離隔するように両者を相対移動させる脱着スライド機構を備え、前記ユニット回転機構による回転傾斜移動と前記脱着スライド機構による前記給水接続具と前記給水ボトルの脱着とを連動させ、前記給水ボトルの前後への回転傾斜移動に併せて前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能としたものである。
ここで、前記給水接続具脱着機構が、前記ユニット回転機構による回転傾斜移動する前記給水ボトル支持部または前記給水接続具支持部のいずれか一方を前記ユニット回転機構による回転軌跡より外側に外れた軌跡に沿って移動させる非回転傾斜移動機構を備え、前記非回転傾斜移動機構を介して前記ユニット回転機構と前記脱着スライド機構とを連動させることが好ましい。
上記構成により、前記給水ボトル交換時の前記回転傾斜動作において、前記ユニット回転機構に沿った前記給水接続具または前記給水接続具支持部のいずれか一方の前記回転傾斜移動と、前記非回転傾斜移動機構に沿った他方の前記非回転傾斜移動の違いにより、前記脱着スライド機構に沿った両者の接近・離隔運動が引き起こされるものとなる。
例えば、前記ユニット回転機構の前記回転運動の起端において、前記給水ボトルが装置内で倒置状態でありかつ前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部の相対的距離が最も小さく前記給水ボトルと前記給水接続具が接続状態にあり、前記ユニット回転機構の前記回転運動の終端に向かうほど前記給水ボトルが前方に傾いて引き出されかつ前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部の相対的距離が大きくなり、前記給水ボトルと前記給水接続具の接続が開放される状態となる。
つまり、給水ボトルを装置前方方向に回転させて傾かせるという運動が、給水ボトル支持部と給水接続具支持部とを相対的に正対した状態で接近・離隔するという運動と連動させることができ、簡単に給水接続具支持部と給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しが可能となる。
上記構成により、前記ユニット回転機構の前記回転運動の前記起端において、前記給水ボトル支持部に支持された前記給水ボトルの筒口と前記給水接続具支持部に支持された前記給水接続具との距離が、前記給水ボトルの筒口に対して前記給水接続具が正常に取り付けられた状態の距離であり、前記ユニット回転機構の前記回転運動の前記起端に向かうにつれ、前記ユニット回転機構に沿った前記給水接続具支持部の回転運動と、前記非回転傾斜移動機構に沿った前記給水ボトル支持部の運動に付随して、前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り付け作業が完了する。
また、上記構成により、前記ユニット回転機構の前記回転運動の前記起端から前記終端に向かうにつれ、前記給水ボトル支持部に支持された前記給水ボトルの筒口と前記給水接続具支持部に支持された前記給水接続具との距離が次第に大きくなり、そのうち前記給水ボトルの筒口から前記給水接続具が正常に取り外された状態の距離にまで至り、前記ユニット回転機構に沿った前記給水接続具支持部の回転運動と前記非回転傾斜移動機構に沿った前記給水ボトル支持部の運動に付随して、前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り外し作業が完了する。
ここで、前記非回転傾斜移動機構の構成例としては、装置筐体壁面に設けられた摺動溝と前記摺動溝に摺動する摺動コマと前記摺動コマと前記給水ボトル支持部とを連結した連結子を備え、前記摺動溝の起端において、前記回転支軸と前記摺動機構との距離が最も近く、前記摺動溝の終端に向かうほど前記回転支軸と前記摺動機構との距離が大きくなって行くように、前記回転支軸の位置と前記摺動溝の形状が調整されているものを挙げることができる。
ここで、給水ボトル交換機構において、摺動溝の形状や角度を調整することにより、給水ボトルの回転運動に対する給水ボトルの筒口と給水接続具支持部に支持された給水接続具との接近・離隔の速度を調整することができる。
次に、上記構成において、給水ボトルの重心の位置をあまり前方に偏らないように以下の工夫を行うことができる。つまり、前記給水ボトル支持部における前記回転支軸の位置が、前記給水ボトルの筒口が固定されている位置よりも、前記ユニット回転機構による回転運動の終端側へ偏心するように工夫することが好ましい。
また、前記ウォーターサーバーの筐体の開閉扉が正面に設けられ、給水ボトル交換機構の前記ユニット回転機構による回転運動の前記起端が前記ウォーターサーバーの筐体の奥側、前記ユニット回転機構による回転運動の前記終端が前記ウォーターサーバーの筐体の正面側となるように設ける構造とすることができる。
次に、給水ボトルを給水接続具支持部から引き抜く動作において、確実に引き抜くためには給水ボトルが給水ボトル支持部に対してしっかりと固定されていることが好ましい。そこで、前記給水ボトルの筒口が鍔を備え、前記給水ボトル支持部が前記給水ボトルの筒口の前記鍔と嵌合し合い、前記給水ボトルが前記鍔に対する垂直成分の移動を制止する嵌合形状を備えたものとする。前記給水ボトルを前方に引き出す引出動作において、前記給水接続具脱着機構によって制御される前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部との相対距離が、前記給水ボトルと前記給水接続具が接合状態の距離である間、前記給水ボトル支持部の前記嵌合形状と前記給水ボトルの筒口の前記鍔が嵌合された状態となる。
例えば、前記嵌合形状が、前記ユニット回転機構の前記回転運動の前記起端から前記終端方向に向かって前記給水ボトルの前記筒口の外径より大きくかつ前記鍔の径より小さい幅で開放された形状であることが好ましい。
上記形状であれば、前記開放方向に沿って前記給水ボトルの前記筒口が前記嵌合形状に対して移動することにより前記鍔と水平成分の運動を可能とし、前記鍔と垂直成分の運動は前記鍔と前記嵌合形状の嵌合により制止されるものとなる。
本発明のウォーターサーバーにおいて、上記の給水ボトル交換機構を装置全体において以下のように組み込むことが好ましい。
まず、給水ボトル交換機構の前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部は、前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近に配置されており、前記給水ボトルの装着位置が前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近となるように配設する。
次に、本発明のウォーターサーバーの交換作業は、ウォーターサーバーの筐体の開閉扉を開け、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記交換状態となるよう、前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部を操作して前記給水ボトルの筒口からの前記給水接続具の取り外し作業を完了し、前記給水ボトルを新しい前記給水ボトルに取り替えた後、前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部を操作して前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り付け作業を完了し、前記基本状態に戻すというものとなり、極めて簡単に給水ボトルの交換作業が完了できるものとなっている。
前記ウォーターサーバーの筐体内の前記給水ボトルの基本状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部上に略鉛直方向に倒立し、前記給水ボトルの筒口に対して前記給水接続具が取り付けされた状態にあり、前記給水ボトルの交換状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部とともに正面手前斜め方向に傾いて交換しやすい状態となるように配設する。
本発明のウォーターサーバーの交換作業は、ウォーターサーバーの筐体の開閉扉を開け、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記交換状態となるよう、前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部を操作して前記給水ボトルの筒口からの前記給水接続具の取り外し作業を完了し、前記給水ボトルを新しい前記給水ボトルに取り替えた後、前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部を操作して前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り付け作業を完了し、前記基本状態に戻すというものとなり、極めて簡単に給水ボトルの交換作業が完了できるものとなっている。
本発明のウォーターサーバーによれば、給水タンクを装置下方部分に配設することによる給水タンクの上げ下げ作業を不要とするメリットと、給水タンクを倒置姿勢にて給水接続具に直接接続することによる衛生面でのメリットが得られており、されに、本発明の給水タンク交換機構により、給水ボトルの交換作業が極めて容易なものとなり給水タンクの交換作業効率が極めて高いものとなっている。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、図面を参照しつつ、本発明のウォーターサーバーの実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例1に係るウォーターサーバー100について説明する。
ここでは、ウォーターサーバー100は、冷水と温水を選択して給水できるタイプのものとして説明する。
また、給水ボトル交換機構全体がウォーターサーバーの筐体の中の下方付近に配置され、給水ボトルの装着位置がウォーターサーバーの筐体の中の下方付近となっている構成例を説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るウォーターサーバー100aの給水ボトル交換機構を中心とした構成例を模式的に示す図である。図1(A)はウォーターサーバー100aの正面図、図1(B)はウォーターサーバー100aの右側面図を示している。なお、図1(A)において、装置の中身の構成が分かりやすいように、正面の扉などの筐体は図示せずに装置内の構成を簡単に示している。また、図1(B)において、装置の中身の構成が分かりやすいように、側面の筐体190の壁面は詳しくは図示せずに側面に存在する非回転傾斜移動機構180のみを点線で示し、その他の装置内の構成を簡単に示している。
本発明のウォーターサーバー100aは、給水ボトル支持部110、給水接続具120a、給水接続具支持部130a、ユニット回転機構160、脱着スライド機構170、非回転傾斜移動機構180を備えたものとなっている。後述するように、ユニット回転機構160と脱着スライド機構170と非回転傾斜移動機構180により給水接続具脱着機構が構成されている。
筐体190は簡略化して図示している。なお、ウォーターサーバー100には、温熱ユニット・注水ユニット101、給水系102などその他の構成要素があるが、ここでは簡単に示すか図示を省略するものとし、給水ボトル交換機構に関する構成要素を中心に説明をする。
以下、各構成要素を説明する。
まず、給水ボトル10について説明する。図2は、給水ボトル10を取り出して示した図である。
給水ボトル10は、飲料水などが貯蔵された大型のボトルであり、例えばプラスチック製のものなどで良い。筒口11があり、後述するように給水接続具120aの接続管121がちょうど嵌り込む内径の小孔12を持っている。なお、小孔12の開口は栓13により蓋がされている。
図2(B)は、この構成例において、給水ボトル10内部と導通する方法を説明する図である。後述するように、給水接続具120aとの接続の際、給水ボトル10を上から給水接続具120aに接近させ、接続管121に対して筒口11の小孔12を挿入してゆくが、まず、図2(B)左図のように棒状の接続管121の先端部分が栓13に当接し、そのまま給水ボトル10が下方に移動すると接続管121が栓13を上方に押し上げ、ついには栓13の先端部分が給水ボトル10の内部にまで到達する。棒状の接続管121は中空であり、その先端部分には小孔122が開けられており、この小孔122を介して給水ボトル10の内部と接続管121が導通し、給水ボトル10内部の水を給水接続具120aを介して外部に取り出すことができるようになる。
逆に、給水ボトル10を上方へ引き抜けば、給水接続具120の接続管121が給水ボトル10の小孔12から引き抜かれることとなる。
なお、図2(A)に示すように、給水ボトル10の筒口11の外壁面には鍔14が設けられている。この鍔14は給水ボトル支持部110の嵌合形状112と嵌合し合うものとなる。この鍔14と嵌合形状112との嵌合については後述する。
上記の給水ボトル10の構成例は一例であり、他の給水ボトルの構成であっても良い。
次に、本実施例の給水ボトル支持部110を説明する。
給水ボトル支持部110は、給水ボトル10を支える部材であり、ここではプレート状のものとなっている。図3(A)に示す例では、給水ボトル支持部110には給水ボトル受部111の孔が開いており、給水ボトル10の筒口11が収まるようになっており、給水ボトル受部111に筒口11を立てて給水ボトル10全体が倒置状態で給水ボトル支持部110上に支えられるようになる。この例では、給水ボトル受部111の孔は筒口11の径に応じた円形のものとして設けられている。
給水ボトル支持部110には嵌合部112が設けられており内部にピン113が仕込まれている。この内部に仕込まれているピン113は、図3(B)に示すように、ボタン押下やワイヤー操作などによりバネやアクチュエータ(図示せず)により繰り出される仕掛けとなっており、ピン113が給水ボトル10の鍔14と嵌合し合う構造となっている。このように嵌合部112によって固定されており、給水ボトル10は給水ボトル支持部110に単に載せ置かれている状態ではなく、両者をしっかりと一体的に接合させる働きを果たす。
図3の例では、嵌合形状112は、2片のピンであり、2片の間隔は、給水ボトル10の筒口11の外径より大きくかつ鍔14の径より小さい幅となっている。つまり、図3(B)に示したように、給水ボトル10の筒口11がこの2片のピンで挟持され、給水ボトル10の垂直成分の移動は嵌合部112のピン113により制止されるものとなっている。つまり、図3の紙面と直交する垂直成分の移動は鍔14と給水ボトル支持部110の嵌合部112のピン113との嵌合により制止され、給水ボトル支持部110と給水ボトル10とが上下方向にしっかりと一体化したものとなる。
このような嵌合には以下の効果がある。図2(B)に示したように、給水ボトル10の小孔12には給水接続具120aの接続管121が挿入され、大きな摩擦力を持って接合するため、給水ボトル10を給水接続具120から引き抜く際には大きなテンションが発生する場合がある。後述するように、給水ボトル支持部110に固定された給水ボトル10が給水接続具支持部130に固定された給水接続具120から脱着するが、給水ボトル支持部110と給水ボトル10がしっかりと一体に移動するよう、給水ボトル10の給水ボトル支持部110に対する垂直成分の移動を制止する役割を果たす。つまり、嵌合部112のピン113と鍔14との嵌合により、給水ボトル10を給水接続具120から引き抜く際にかかるテンションに負けないように、給水ボトル支持部110と給水ボトル10とをしっかりと一体化するという効果が得られる。
給水ボトル支持部の他の構成としては、以下の図4に示す給水ボトル支持部110aでも良い。
図4に示した給水ボトル支持部110aは給水ボトル10を支える部材であり、ここではプレート状のものとなっている。給水ボトル支持部110aには給水ボトル受部111aの孔が開いており、給水ボトル10の筒口11が収まるようになっており、この給水ボトル受部111aに筒口11を立てて給水ボトル10全体が倒置状態で給水ボトル支持部110上に支えられるようになる。この例では、給水ボトル受部111aの孔は横長に設けられ、後述する図4(B)に示すように、給水ボトル10の筒口11を給水ボトル受部111aに入れた後にスライドさせて鍔14を嵌合形状112a内に嵌合させることができるようになっている。
給水ボトル支持部110aには嵌合形状112aが設けられており、給水ボトル10の鍔14と嵌合し合う工夫を行っている。給水ボトル支持部110aの受部111aに単に給水ボトル10が載せ置かれている状態ではなく、図4(B)に示すように、両者をしっかりと一体的に接合させる働きを果たす。
図4(A)は嵌合形状112aの一例を示した図である。この構成例では、嵌合形状112aは、図4(A)に示したように、装置前方方向(図中左側)に馬蹄形に開放された形状を持っており、その馬蹄形の爪の間隔は、給水ボトル10の筒口11の外径より大きくかつ鍔14の径より小さい幅となっている。つまり、図4(B)に示したように、給水ボトル10の筒口11がこの馬蹄形の開放方向に沿って嵌合形状に対して出入りすることができ、図4(B)に示したように鍔14と水平成分の運動が可能となっているが、垂直成分の運動は鍔14と給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aとの嵌合により制止されるものとなっている。つまり、図4の紙面上、嵌合形状112aが左側方向には馬蹄形に開放されており、給水ボトル10の筒口は水平移動が可能となっているが、図4の紙面と直交する垂直成分の運動は鍔14と給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aの嵌合により制止され、給水ボトル支持部110aと給水ボトル10とが上下方向にはしっかりと一体化したものとなる。
次に、給水接続具120aを説明する。給水接続具120aは、給水ボトル10の筒口11と接続され、給水ボトル10の内部と導通することにより、給水ボトル10内部の水を取り出す器具である。
図5(A)および図5(B)は給水接続具120aの構成例を示す図である。図5(A)は斜視図、図5(B)は断面図となっている。この構成例では中央に中空の接続管121が立っており、その周囲を小カップ123が囲んだものとなっている。この接続管121が図2(B)に示したように、給水ボトル10の筒口11に対して挿入されることにより給水ボトル10と給水接続具120aが接続される。接続管121の側面には小孔122が穿たれており、この小孔122が給水ボトル10の筒口11から給水ボトル10の内部に入り込むことで給水ボトル10の内部と給水接続具120aが導通することとなる。また、給水接続具120aにはパイプ管124が設けられており、接続管121を介して取り出した水を装置内の給水系につなぐ役割を果たしている。
次に、給水接続具支持部130aを説明する。
給水接続具支持部130aは、給水接続具120aを取り付けるベースとなる部材である。図5(C)は、給水接続具120aが取り付けられた状態の給水接続具支持部130aを示している。後述するように、給水接続具支持部130aと給水ボトル支持部110aとが相対的に移動することにより、給水ボトル10と給水接続具120aとが相対的に移動することとなる。ここでは、略中央に設けられた給水接続具装着部分に給水接続具120aが取り付けられている。
給水接続具支持部130aではユニット回転機構160の回転支軸161が設けられている。給水接続具支持部130aは後述するユニット回転機構160の働きにより回転支軸161を中心に回動する。
次に、給水接続具脱着機構について説明する。
給水接続具脱着機構は、給水ボトル支持部110aに支持された給水ボトル10の筒口11と、給水接続具支持部130aに支持された給水接続具120とを対向し合う状態に維持しつつ両者の相対距離を制御する機構である。給水接続具脱着機構は、給水ボトル10aを装置の扉を開けて前方に傾けて引き出す引出動作において、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの相対距離の制御動作と連動させ、給水接続具の給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能としている。
給水接続具脱着機構の具体例としては、ユニット回転機構160と脱着スライド機構170と非回転傾斜移動機構180の3つの機構の組み合わせとなっている。
まず、ユニット回転機構160について説明する。
ユニット回転機構160は、回転支軸161を中心に給水接続具支持部130aを回転させるユニット回転機構である。この例では、筐体190の側面に回転軸受(図示せず)を設け、そこに回転支軸161を渡して設けた構造となっている。回転支軸161は給水接続具支持部130aを回動可能に貫いている。
ここで、回転支軸161が給水接続具支持部130aを貫く位置、つまり、回転支軸161の位置について、給水接続具支持部130aの略中央部分(給水ボトル10の筒口11が固定されている給水接続具装着部131の位置)よりも、ユニット回転機構160による回転運動の終端側へ偏心させるという工夫を加えることができる。
図6は、給水接続具支持部130aにおける回転支軸161が貫く位置を側面視において簡単に示す図である。動きが分かりやすいように、回転支軸161と給水接続具支持部130aと給水接続部130aのみを示している。後述する脱着スライド機構170や非回転傾斜移動機構180による運動は加味していない。
図6(A)は、回転支軸161が給水接続具支持部130aを貫く位置が略中央である場合において、給水接続具支持部130aが回転支軸161を中心に回転した場合の動きの概略を示している。一方、図6(B)は、回転支軸161が給水接続具支持部130aを貫く位置がユニット回転機構160による回転運動の終端側(図中左側)へ偏心している場合において、給水接続具支持部130aが回転支軸161を中心に回転した場合の動きの概略を示している。
図6(A)に示すように、回転支軸161が給水接続具支持部130aを貫く位置が略中央である場合は、給水接続具支持部130aが中央付近にある回転支軸161を中心に回るので、その上に倒置固定されている給水ボトル10は底部を前方(図中左側)に傾けて取り出しやすくなるが依然装置の筐体190の内部にある。一方、図6(B)に示すように、回転支軸が給水接続具支持部130aを貫く位置がユニット回転機構160による回転運動の終端側(図中左側)へ偏心している場合は、給水接続具支持部130aが偏心した位置にある回転支軸161を中心に回るので、その上に倒置固定されている給水ボトル10は底部を前方(図中左側)にせり出すように傾いて装置の筐体190から取り出しやすくなることが分かる。このように回転支軸が給水接続具支持部130aを貫く位置がユニット回転機構170による回転運動の終端側(図中左側)へ偏心させることにより、利用者による給水ボトル10の交換作業が一層楽に行えるようになるという効果が得られる。
次に、脱着スライド機構170について説明する。
脱着スライド機構170は、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとが正対し合ったまま接近・離隔する平行運動となるように両者を連結する機構である。つまり、給水ボトル支持部110aの相対的運動は、脱着スライド機構170を介して給水接続具支持部130aに対して正対し合ったまま接近・離隔する平行運動となるように制動される。ここで、上記したようにユニット回転機構160により給水接続具支持部130aが回転する場合は、給水ボトル支持部110aは、脱着スライド機構170を介して、給水ボトル支持部110aの回転に合わせて回転しつつ相対的に給水接続具支持部130aに対して正対したまま接近・離隔する平行運動することとなる。
図7は、脱着スライド機構170による給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの相対的運動を簡単に示す図である。
図7(A)に示すように、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aが脱着スライド機構170の接続によって正対し合ったまま接近・離隔する平行運動となることが分かる。
ここで、図7(B)に示すように、図7(A)の状態からユニット回転機構160により給水接続具支持部130aが図7(B)の状態に回転する場合も、給水ボトル支持部110aは給水接続具支持部130aに対して正対し合ったまま接近・離隔する相対的に平行運動となることが分かる。
次に、非回転傾斜移動機構180について説明する。
非回転傾斜移動機構180は、給水ボトル支持部110aに連結され給水ボトル支持部110aを移動させる機構である。非回転傾斜移動機構180は給水ボトル支持部110aを移動させることのできる機構であれば特に限定されない。
図8は、非回転傾斜移動機構180の構成例を示した図である。この構成例では装置筐体190の側面に設けられた摺動溝181と、摺動コマ182と、摺動コマ182と給水ボトル支持部110aとを連結した連結子183を備えた構成となっている。
特に、図8(A)では、摺動溝181は装置筐体190の側面に対して水平に設けられている。つまり、摺動溝181の一端が装置筐体190の奥側、摺動溝181の他端が装置筐体190の正面側に位置し、水平に溝が設けられている。このように、摺動溝181が水平に設けられた構成であれば、図8(A)に示すように、この摺動溝181に沿って摺動コマ182が水平移動し、非回転傾斜移動機構180は水平方向に平行移動する動きとなり、給水ボトル支持部110aは連結子183によって摺動コマ182と連結されているため、給水ボトル支持部110aが摺動コマ182の摺動運動に合わせて運動することとなる。回転運動するユニット回転機構160に連動した回転運動とは異なる運動となっている。
非回転傾斜移動機構180の構成において、摺動溝181の軌跡はかならずしも水平方向には限定されない。摺動コマ182の動きを阻害しない限り多様な摺動溝181が可能である。図8(B)は摺動溝181が装置筐体190の側面において前方(図中左方向)に向かって斜め上方に上がるように設けられている。図8(B)に示すように、この摺動溝181に沿って摺動コマ182が斜め上方に移動して行くこととなり、非回転傾斜移動機構180は前方へ向かうにつれ、徐々に上方に上がってゆく動きとなり、給水ボトル支持部110aは連結子183によって摺動コマ182と連結されているため、給水ボトル支持部110aが摺動コマ182の摺動運動に合わせて動き、図8(A)の場合の運動よりも図8(B)の場合の運動の方がより上方へ向かう運動となる。
以上、第2の給水接続具脱着機構を構成する各構成要素ごとの機能の説明を行ったが、第2の給水接続具脱着機構としての全体としては、上記3つのユニット回転機構160、脱着スライド機構170、非回転傾斜移動機構180の連動による動きとなる。以下、第2の給水接続具脱着機構としての全体としての動きを説明する。
図9は、ユニット回転機構160と、脱着スライド機構170と、非回転傾斜移動機構180の3つの機構の連動による第2の給水接続具脱着機構としての全体の動きを説明する図である。
給水ボトル10の交換時に給水ボトル10を前方に傾けて引き出す引出動作において、まず、給水ボトル10が給水接続具120aに接続されているので給水接続具支持部130aがユニット回転機構160に沿って回転する。
給水ボトル支持部110aは、後述するように、給水ボトル支持部110aは、ユニット回転機構160に連動した回転運動と、非回転傾斜移動機構180に連動した平行移動の合成された動きとなる。
まず、ユニット回転機構160により給水接続具支持部130aが回転すると、給水ボトル支持部110aは脱着スライド機構170により給水接続具支持部130aに対して相対的に正対した状態に維持されるので、給水ボトル支持部110aが給水接続具支持部130aに合わせて回動しようとする。
ここで、他方、給水ボトル支持部110は連結子183を介して非回転傾斜移動機構180に連結されているので、非回転傾斜移動機構180に応じた動きも同時に行うこととなる。つまり、給水接続具支持部130aと連動した回転運動と、非回転傾斜移動機構180に応じた運動を同時に満たすような運動を行う。この構成例においては、図9に示すように、給水ボトル支持部110aは給水接続具支持部130aに連動して回転しつつ給水接続具支持部130aから離隔するような運動となる。
給水ボトル支持部110aが図9に示す運動となる理由は、摺動溝181の起端(給水ボトル10を装置筐体内において倒置状態にて設置している状態)において、回転支軸と摺動溝181との距離が最も近く、摺動溝181の終端(給水ボトル10を前方に引き出した状態)に向かうほど回転支軸と摺動溝181との距離が大きくなって行くように、回転支軸の位置と摺動溝181の形状が調整されているからである。つまり、摺動溝181の起端において給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの距離が最も小さくなり、摺動溝181の終端に向かうほど給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aの距離が大きくなってゆく。
このように、ユニット回転機構160の動きに連動した給水ボトル支持部110aの動きと非回転傾斜移動機構180に沿った給水ボトル支持部110aの運動の違いが、脱着スライド機構170に沿った両者の接近・離隔運動に変換されるものとなっている。なお、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの相対的距離について給水ボトル10と給水接続具120aとの接続・離脱が制御できるような条件に設定しておく必要がある。
次に、本発明のウォーターサーバー100aを用いた給水ボトル10の交換作業について手順を追って説明する。
図10から図14は、給水ボトル10の交換の流れを簡単に示した図である。図15は給水ボトル10の交換作業手順を示したフローチャートである。
図10は基本姿勢を示す図である。現在使用中の給水ボトル10がウォーターサーバー100a内に倒置状態で設置され、その筒口11は給水ボトル支持部110aの給水ボトル受部111aに収まり、給水ボトル10全体が倒置状態で給水ボトル支持部110a上に支えられている。ここで、給水ボトル10の鍔14は給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aに嵌合されて固定されている。ここでは、給水ボトル10が空になった状態で交換する必要が生じているものとする。
次に、図11は、利用者が給水ボトル10を手前に傾けて引き出す過程を示している。給水ボトル10を手前に傾けて引き出せば、自然と給水ボトル10が少し傾き、第2の給水接続具脱着機構の働きにより、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの相対的距離がある程度離隔し、給水ボトル10の筒口11が給水接続具120aの接続管121aから正常に取り外された姿勢の状態となる。
まず、装置筐体190の前面に設けられている開閉扉を開けると(図15ステップS1)(図示せず)、利用者の膝のあたりに給水ボトル10が倒置状態にて前面に見える位置にて据え付けられている。図11に示すように、この倒置状態にある給水ボトル10の底部を手で利用者の手前に傾けるように引き出す(図15ステップS2)。
利用者が給水ボトル10を手前に傾けてゆくと、給水ボトル支持部110aおよび給水接続具支持部130aに力が印加された状態で給水ボトル10の動きに合わせて第2の給水接続具脱着機構が働く。
つまり、ユニット回転機構160による回転運動とともに非回転傾斜移動機構180の摺動溝181に沿った移動運動が合わさるため、給水接続具支持部130aに対して給水ボトル支持部110aが相対的に離隔して行く。給水ボトル10の鍔14が給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aと嵌合しているため、給水ボトル10は給水ボトル支持部110aに対してしっかりと固定されている。その一方、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aが離隔して給水ボトル10と給水接続具120aとの距離が離隔してゆくため、給水ボトル10の筒口11と給水接続具120aの接続管121aが離れて行く運動となる。接続管121aが小孔12から抜け出れば、給水ボトル10が給水接続具120aから抜け出た状態が得られることとなる(図15ステップS3)。
つまり、図11に示すように、給水ボトル10の手前への引き出しが完了すると、自然と給水ボトル10が給水接続具120aから抜け出た状態となり、給水ボトル10を交換するために取り出す際の姿勢となる。
図12から図13は、空になった使用済みの給水ボトル10を給水ボトル支持部110aから取り外し、新しい満水の給水ボトル10を給水ボトル支持部110aに取り付けて交換する手順を示した図である。
なお、給水ボトル10は前方に傾いて利用者の膝付近にあり、取り出しやすくなっている。また、図6で説明したように、回転支軸161が前方に偏心しているために、給水ボトル10が装置筐体190から前方にせり出すように前に出ており、一層取り出しやすくなっている。
図12に示すように、まず、空になった使用済みの給水ボトル10を給水ボトル支持部110aから取り外しの際には、嵌合形状112aに対して嵌合している鍔14を外す必要がある。給水ボトル10の鍔14を嵌合形状112aの開放された方向に対してずらせば鍔14が嵌合形状112aから簡単に抜け出る。この構成では、空の給水ボトル10を少し斜め上に持ち上げるようにして馬蹄形の嵌合形状112aから鍔14を抜き出すこととなる。嵌合を外せば、簡単に空の給水ボトル10を取り出すことができる(図15ステップS4)。
次に、図13は、満水状態の新しい給水ボトル10に交換して満水状態の新しい給水ボトル10を給水ボトル支持部110aに載せ置いた状態を示している。利用者は給水ボトル10を単に載せ替えるのみで良く、何ら給水ボトル10と給水接続具120aとの接続作業については直接作業する必要はない。
なお、新しい給水ボトル10の鍔14を給水ボトル支持部110aの嵌合形状112aに嵌合させる必要があるが、この構成例では馬蹄形の嵌合形状112aの開放方向から載せ入れるだけで給水ボトル10の自重により嵌合形状112aに対して嵌り込む(図15ステップS5)。
交換した給水ボトル10は前方に傾いた状態となっている。
次に、図14は、交換した給水ボトル10を給水ボトル支持部110aに載せ置いたまま、交換した給水ボトル10を装置筐体190の内部に押し戻す様子を示している。図11に示した運動の逆の運動となる。
図14に示すように、交換した給水ボトル10を装置筐体190の内部に押し戻すことにより(図15ステップS6)、給水ボトル10は傾いた状態から倒置状態になるように回転しつつその重量が給水ボトル支持部110aに印加され、給水ボトル10の回転モーメントにより給水ボトル支持部110aが回転しつつ、さらにユニット回転機構160を介して給水接続具支持部130aも連動して回転の終端から起端にまで回転運動を行うこととなる。また、同時に給水ボトル支持部110aの運動は、非回転傾斜移動機構180に沿った運動も合わさることとなり、ユニット回転機構160の動きに連動した給水ボトル支持部110aの動きと非回転傾斜移動機構180に沿った給水ボトル支持部110aの運動の違いが、脱着スライド機構170に沿った両者の接近・離隔運動に変換されるものとなっている。
さらに、図14(B)に示すように、給水ボトル10が装置の奥に倒置状態となる位置に至ると、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aの距離が最も近くなる結果、給水ボトル10の筒口11の小孔12が給水接続具120aの接続管121に嵌り込んで正常に取り付けられた状態となる。なお、満水状態にある給水ボトル10の重量は大きく、位置関係が正しく制御されておれば、給水ボトル10の自重によって自然に給水ボトル10の筒口11の小孔12が給水接続具120aの接続管121に対して嵌り込む(図14ステップS7)。
満水の給水ボトル10の重量は大きく、自然と給水接続具120aに対して正常に装着された倒置状態で安定している。
以上が、給水ボトル交換機構の動作である。つまり、給水ボトル10が倒置状態の基本姿勢において、ユニット回転機構170の回転運動の起端にあり、給水ボトル支持部110aに支持された給水ボトル10の筒口11と給水接続具支持部130aに支持された給水接続具120aとの距離が、給水ボトル10の筒口11に対して給水接続具120aが正常に取り付けられた状態の距離であり、ユニット回転機構160の回転運動の起端から終端に向かうにつれ、給水ボトル支持部110aに支持された給水ボトル10の筒口11と給水接続具支持部130aに支持された給水接続具120aとの距離が次第に大きくなり、そのうち給水ボトル10の筒口11から給水接続具120aが正常に取り外された状態の距離にまで至り、ユニット回転機構160に沿った給水接続具支持部の回転運動160と非回転傾斜移動機構180に沿った給水ボトル支持部の運動に付随して、給水ボトルの筒口11に対する給水接続具120aの取り外し作業が完了する。
このように、第2の給水接続具脱着機構によって、給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの相対距離の制御動作と連動させ、給水接続具120aの給水ボトル10の筒口11への取り付け・取り外しが自動的に可能となる。
以上、本発明のウォーターサーバーは、給水ボトルを装置下方部分に配設することにより給水ボトルの上げ下げ作業を不要とするメリットと、給水ボトルを倒置姿勢にて給水接続具に直接接続することにより衛生面でのメリットを得つつ、さらに、給水ボトルの交換作業が極めて容易であり、給水ボトルの交換作業効率が高いものとなっている。つまり、給水ボトルの交換作業において、使用済みの給水ボトルを前方に引き出す引出動作によって自動的に給水ボトルの筒口から給水接続具が正常に取り外れ、使用済みボトルの交換状態となり、交換した新しい給水ボトルを奥に押し戻す動作によって自動的に給水ボトルの筒口を給水接続具に対して正常に取り付けた状態となり、給水ボトルの交換作業が極めて楽に簡単となり、力の弱い女性や腰を痛めているお年寄りであっても楽に簡単に給水ボトルの交換作業が完了する。
以上、本発明のウォーターサーバーの構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
本発明のウォーターサーバーは、給水ボトルを取り替えて交換することにより水を供給することができるタイプのウォーターサーバーに対して広く適用することができる。本発明は、業務用の給水に限らず一般家庭や会社等に設置される一般用の給水用のウォーターサーバーにも適用され得る。また、本発明のウォーターサーバーが供給できるものは液体であれば何でも適用でき、飲料水のほか、お湯、各種ドリンク類、コーヒー、紅茶、お茶、スープ・出汁類などであっても良い。
本発明の実施例に係るウォーターサーバー100aの給水ボトル交換機構を中心とした構成例を模式的に示す図である。 給水ボトル10を取り出して示した図である。 嵌合形状112aの一例を示した図である。 嵌合形状112aの他の一例を示した図である。 給水接続具120aの構成例を示す図である。 給水接続具支持部130aにおける回転支軸が貫く位置を側面視において簡単に示す図である。 脱着スライド機構170による給水ボトル支持部110aと給水接続具支持部130aとの相対的運動を簡単に示す図である。 非回転傾斜移動機構180の構成例を示した図である。 ユニット回転機構160と、脱着スライド機構170と、非回転傾斜移動機構180の3つの機構の連動による第2の給水接続具脱着機構としての全体の動きを説明する図である。 給水ボトル10を装着した基本姿勢を示す図である。 利用者が給水ボトル10を手前に傾けて引き出す過程を示す図である。 空になった使用済みの給水ボトル10を給水ボトル支持部110aから取り外す手順を示した図である。 新しい満水の給水ボトル10を給水ボトル支持部110aに取り付けて交換する手順を示した図である。 交換した給水ボトル10を給水ボトル支持部110aに載せ置いたまま、交換した給水ボトル10を装置筐体の内部に押し戻す様子を示す図である。 傾斜タイプのウォーターサーバー100aにおける給水ボトル10の交換作業手順を示したフローチャートである。 従来の特開2010−63799号公報に開示された従来のウォーターサーバーの構成を示す図である。 従来の特開2001−153523号公報に開示された従来のウォーターサーバーの構成を示す図である。
10 給水ボトル
11 筒口
12 小孔
13 栓
14 鍔
100a ウォーターサーバー
110,110a 給水ボトル支持部
111,111a 給水ボトル受部
112 嵌合形状
113 ピン
120a 給水接続具
121 接続管
122 小孔
124 パイプ管
130a 給水接続具支持部
160 ユニット回転機構
161 回転支軸
170 脱着スライド機構
180 非回転傾斜移動機構
181 摺動溝
182 摺動コマ
183 連結子
190 筐体

Claims (13)

  1. 交換自在に指示された給水ボトルから飲料水を取り出して貯蔵し、利用者の操作により前記飲料水を供給するウォーターサーバーにおいて、
    前記給水ボトルを倒置状態にて支持する給水ボトル支持部と、
    前記給水ボトルの筒口を介して前記給水ボトル内と導通して前記飲料水を取り出す給水接続具を支持する給水接続具支持部と、
    前記給水ボトル支持部に支持された前記給水ボトルの筒口と前記給水接続具支持部に支持された前記給水接続具との相対距離を制御して両者の脱着を制御する給水接続具脱着機構を備え、
    前記給水ボトルを前方に引き出す引き出し動作および後方に押し戻す押し戻し動作と、前記給水接続具脱着機構による前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部との脱着制御とを連動させ、前記引き出し動作および前記押し戻し動作に連動した前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能としたウォーターサーバー。
  2. 前記引き出し動作および前記押し戻し動作が、前記給水ボトルを前方に回転傾斜して引き出し後方に回転傾斜して押し戻す回転傾斜動作であり、前記給水接続具脱着機構が、前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部を含むユニットを回転支軸を中心に回転させるユニット回転機構と、前記ユニット回転機構により回転する前記給水ボトルと前記給水接続具が正対し合ったまま接近・離隔するように両者を相対移動させる脱着スライド機構を備え、前記ユニット回転機構による回転傾斜移動と前記脱着スライド機構による前記給水接続具と前記給水ボトルの脱着とを連動させ、前記給水ボトルの前後への回転傾斜移動に併せて前記給水接続具の前記給水ボトルの筒口への取り付け・取り外しを可能とした請求項1に記載のウォーターサーバー。
  3. 前記給水接続具脱着機構が、前記ユニット回転機構による回転傾斜移動する前記給水ボトル支持部または前記給水接続具支持部のいずれか一方を前記ユニット回転機構による回転軌跡より外側に外れた軌跡に沿って移動させる非回転傾斜移動機構を備え、前記非回転傾斜移動機構を介して前記ユニット回転機構と前記脱着スライド機構とを連動させたことを特徴とする請求項2に記載のウォーターサーバー。
  4. 前記給水ボトル交換時の前記回転傾斜動作において、前記ユニット回転機構に沿った前記給水接続具または前記給水接続具支持部のいずれか一方の前記回転傾斜移動と、前記非回転傾斜移動機構に沿った他方の前記非回転傾斜移動の違いにより、前記脱着スライド機構に沿った両者の接近・離隔運動が引き起こされるものであることを特徴とする請求項3に記載のウォーターサーバー。
  5. 前記ユニット回転機構の前記回転運動の起端において、前記給水ボトルが装置内で倒置状態でありかつ前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部の相対的距離が最も小さく前記給水ボトルと前記給水接続具が接続状態にあり、前記ユニット回転機構の前記回転運動の終端に向かうほど前記給水ボトルが前方に傾いて引き出されかつ前記給水ボトル支持部と前記給水接続具支持部の相対的距離が大きくなり、前記給水ボトルと前記給水接続具の接続が開放される状態となることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  6. 前記非回転傾斜移動機構が、装置筐体壁面に設けられた摺動溝と前記摺動溝に摺動する摺動コマと前記摺動コマと前記給水ボトル支持部とを連結した連結子を備え、前記摺動溝の起端において、前記回転支軸と前記摺動機構との距離が最も近く、前記摺動溝の終端に向かうほど前記回転支軸と前記摺動機構との距離が大きくなって行くように、前記回転支軸の位置と前記摺動溝の形状が調整されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  7. 前記摺動溝の形状や前記壁面において設けられている角度を調整することにより、給水ボトルの回転運動に対する給水ボトルの筒口と給水接続具支持部に支持された給水接続具との接近・離隔の速度を調整せしめる請求項6に記載のウォーターサーバー。
  8. 前記回転支軸の位置が、前記給水ボトルの筒口が固定されている位置よりも、前記ユニット回転機構による回転運動の終端側へ偏心していることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  9. 前記ウォーターサーバーの筐体の開閉扉が正面に設けられ、前記ユニット回転機構による回転運動の前記起端が前記ウォーターサーバーの筐体の奥側、前記ユニット回転機構による回転運動の前記終端が前記ウォーターサーバーの筐体の正面側となるように設けられている請求項2乃至8のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  10. 前記給水ボトルの筒口が鍔を備え、前記給水ボトル支持部が前記給水ボトルの筒口の前記鍔と嵌合し合う嵌合部材を備え、前記給水ボトルの筒口の鍔と前記給水ボトル支持部の嵌合部材が嵌合し合うことにより前記給水ボトルの垂直成分の移動が制止される状態となる請求項1乃至9のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  11. 前記給水ボトル支持部および前記給水接続具支持部が、前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近に配置されており、前記給水ボトルの装着位置が前記ウォーターサーバーの筐体の中の下方付近となっている請求項1乃至10のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  12. 前記ウォーターサーバーの筐体内の前記給水ボトルの基本状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部上に略鉛直方向に倒立し、前記給水ボトルの筒口に対して前記給水接続具が取り付けされた状態にあり、前記給水ボトルの交換状態は、前記給水ボトルが前記給水ボトル支持部とともに正面手前斜め方向に傾いて交換しやすい状態となる請求項1乃至11のいずれかに記載のウォーターサーバー。
  13. 前記ウォーターサーバーの筐体の開閉扉を開け、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記引き出し動作により引き出すことにより前記給水ボトルの筒口からの前記給水接続具の取り外し作業が完了し、前記給水ボトルが交換状態となり、前記給水ボトルを新しい前記給水ボトルに取り替えた後、前記基本状態にある前記給水ボトルを前記押し戻し動作により前記装置内部に押し戻すことにより前記給水ボトルの筒口に対する前記給水接続具の取り付け作業が完了し、前記給水ボトルが前記基本状態に戻ることを特徴する請求項12に記載のウォーターサーバー。
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