JP4843048B2 - 水銀を含有するガス状混合物からの水銀の捕捉 - Google Patents

水銀を含有するガス状混合物からの水銀の捕捉 Download PDF

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Description

本発明は、燃焼ガス流からの水銀の捕捉および除去に有用な組成物および装置に関する。本発明は、さらに約135〜225℃ほどの高い温度でのSO2およびNOxを含有するガス流からの水銀の捕捉に特に適する。
2005年3月に、米国は石炭を燃料とする火力発電所からの水銀(Hg)排出を規制する最初の国となった。その時に、環境保護局(EPA)は、全国的に全ての設備に影響を及ぼすと共に、その目標として、その当時のレベル48トン/年から2018年までに15トン/年までの設備のHg排出量の削減、約70%の削減を有するその大気浄化水銀規則(CAMR)を公布した。時間と共に低下する強制的な排出上限は、違反に対する厳罰と連結している。明らかに、石炭を燃料とする火力発電所、および水銀を含有するガス状排気を排出するすべての他の設備は、新規で低コストの方法を実施して、Hg排出を減じると共にそれらの公害防止装置の効率を改善するための財務上および他の動機を有する。
ガス流から粒子状物質を除去するための従来の方法は、種々の構造のフィルタエレメントを含んでおり、それらの一部は自立であり、それらの一部は適する支持体構造内に取り付けられる。こうしたフィルタエレメントには、フィルタバッグ、フィルタチューブ、フィルタカートリッジ、キャニスター、およびフラット・パネル(平板)が挙げられる。これらの種々の濾過構成要素は、一般的に、「バグハウス」と呼ばれる装置内に支持され、収納される。
加えて、活性炭(AC)粉末は、発電所、焼却炉、火葬場および他の類似の水銀含有排出源からの燃焼排ガス流からの水銀および他の汚染物質の捕捉用に用いられてきている。例えば、2002年10月16日に出願された同一出願人による米国特許出願第10/272,487号明細書には、燃焼排ガスからの水銀の捕捉に独特に適する濾過システムが開示されている。本明細書において参考のため包含されるそのシステムは、フィルタエレメントおよびフィルタエレメントの下流側に位置付けられる水銀捕捉用要素を有する吸着剤構成要素を含む。
米国特許第6,322,613B1号明細書には、炭素系供給原料、特に廃タイヤおよびゴム廃棄物が、最初に熱分解され活性化されて、少なくとも3質量%の硫黄含量を有する活性炭吸着剤を作り出し(欄1、60〜65行)、次に、水銀を含有するガス流を低い温度、例えば、50〜200℃でこの吸着剤の上を通し、それによって、水銀含有吸着剤および除去されたガス流を製造する、ガス状混合物から水銀を回収するための方法が開示されている。これに続き、再生用ガス流を高温で吸着剤上に通して、水銀リッチガス流を生み出し、吸着剤を再生する(欄2、1〜8行)。
加えて、特許文献および一般技術文献は、燃焼排ガスからを含む、流動ガス流から水銀を除くための種々の方法において用いられる元素硫黄を開示する引例を十分に備えている。
しかし、この公知の豊富な技術の中で、吸着剤グラム当り10mgHGを超えるこうしたガス状混合物からの水銀捕捉能力を有する、SO2およびNOxおよび水銀を含有するガス状混合物からの水銀の捕捉において有用な組成物および方法を開示するか、または示唆するものは全くない。実際、吸着剤グラム当り100mgHGを超えるこうしたガス状混合物からの水銀捕捉能力は、前述のEPA規制に合致して用いるための有利な組成物を提供する本発明により可能とされる。
水銀を含有するガス状混合物からの水銀捕捉で用いる組成物が提供される。該組成物は高表面積活性炭基材を含み、該活性炭基材はその上に以下の特徴的な構造部分を有する少なくとも一つの硫黄化合物の、該活性炭基材表面上の原位置での熱分解生成物を支持し:
Figure 0004843048
式中、XもYもHではなく、XまたはYの1以下だけがSまたはOであり、XおよびYは環式構造に連結することが可能であり、XまたはYをSに結ぶ結合は、一重結合、二重結合、または内圏配位結合であることが可能である。F.Basolo and R.G.Pearson,Mechanisms of Inorganic Reactions,J.Wiley and Sons,pub.,Ny 1st ed.,1958,pp.3ffを参照し、本明細書において用いられる定義により、内圏配位結合は、配位化学において、、中心イオン(通常金属陽イオン)、と直接結合リガンド(この場合には、電子対が「S」リガンドにより金属陽イオン上に局在する空の軌道に供給される中性硫黄化合物または硫黄担持陰イオン)間の局在結合であり、通常金属イオンの正式な酸化状態に変化はない。本発明の組成物の炭素含量は、少なくとも50質量%であり、組成物は少なくとも200m2-1B.E.T.の表面積を有すると共に、それは、好ましくは、少なくとも500m2-1B.E.T.の表面積を有する。
組成物は、組成物グラム当り10mgHgを超える水銀捕捉能力を示し、組成物グラム当り100mgHgを超える水銀捕捉能力を有することができる。
活性炭基材は、粉末、炭素繊維、炭素フェルト形態または他の活性炭の物理的形態での活性炭を含むことが可能である。
好ましい硫黄化合物はジメチルスルホキシドであるが、しかし、限定なしで、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール)、2−ベンゾイルアミノ−3−(4−クロロ−フェニル)−チオアクリル酸S−(2−メルカプト−4−メチル−フェニル)エステル、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルスルホキシドと2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2チオール)の混合物、およびジメチルスルホキシドとジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛の混合物などの他の化合物は適する。
水銀を含有するガス状混合物からの水銀捕捉に有用な装置(混合物が通過するガス透過性支持部材を含む構成要素を含む)も、また、提供される。支持部材は高表面積活性炭基材を含む組成物をその上に有し、該活性炭基材はその上に以下の特徴的な構造部分を有する少なくとも一つの硫黄化合物の、活性炭基材表面上の原位置での熱分解生成物を支持し:
Figure 0004843048
式中、XもYもHではなく、XまたはYの1以下だけがSまたはOであり、XおよびYは環式構造に連結することが可能であり、XまたはYをSに結ぶ結合は、一重結合、二重結合、または内圏配位結合であることが可能である。活性炭基材は上述のような活性炭であることが可能である。支持部材は管状であることが可能であるか、またはそれは平板の形態にあることが可能であると共に、この板はひだを付けてその有効な幾何学的面積を増大することが可能である。フィルタ構成要素は、支持部材がキャニスター内に収納されるモノリス、バグハウス内のフィルタ、パルスジェットフィルタバッグ内の挿入物、静電集塵器の下流に位置付けられる移動ベルトの形態にあるか、または本質的に流動ガス流内での物理的配置が可能なあらゆる形態にあるようなものであることが可能である。
また、水銀を含有するガス状混合物から水銀を除去するための方法が含まれ、その方法はガス状混合物を上述の組成物が支持されるガス透過性支持部材に通すことを含む。この方法は、実質的な量のSO2およびNOXの少なくとも一つをも含有する流れからHgを除去するために特に適すると共に、ガス状混合物が実質的な量のSO2を含有する場合に特に適する。この方法は、支持部材を通過するガス状混合物が比較的高い温度、例えば、約135〜225℃の範囲にある場合に有効である。
なおさらに、水銀を含有するガス状混合物からの水銀捕捉で用いる前述の組成物の調製用の方法が提供される。この方法は以下を含む:
(a)以下の特徴的な構造部分を有する少なくとも一つの硫黄化合物を溶解するかまたは融解し:
Figure 0004843048
式中、XもYもHではなく、XまたはYの1以下だけがSまたはOであり、XおよびYは環式構造に連結することが可能であり、XまたはYをSに結ぶ結合は、一重結合、二重結合、または内圏配位結合であることが可能であり、それによって、
(b)移動性の液相硫黄化合物を生成し、
(c)高表面積炭素質前駆体を、空気中で、または任意に不活性雰囲気中で約40〜80℃に加熱し、
(d)前記炭素前駆体に液相硫黄化合物を含浸し、
(e)炭素前駆体中に含浸される硫黄化合物を、空気中で、硫黄化合物の少なくとも一部を分解するために十分な温度で、しかし、大部分を硫黄元素に分解するほどには高くない温度で、熱分解し、
(f)空気中でそのように生成される熱分解組成物を冷却し、それによって水銀捕捉で用いるための本発明の組成物を提供すること。熱分解は、好ましくは、190〜225℃の温度で約30分間にわたり行われる。この方法は、組成物中に含有される硫黄化合物の全体濃度を増大させるために、段階(e)を行う前に、反復段階(a)〜(d)を含むことが可能である。
本明細書において提供されるものは、燃焼排ガスなどからの水銀捕捉に対して高い効率および能力を示す炭素質繊維フェルト形態または他の炭素質基材の化学処理から誘導される組成物、およびそれらの調製のための方法である。これらの組成物は、公知の組成物に対して、特に厳しい不活性化条件下でのそれらの性能に関して優れている。
本発明の組成物は、活性炭粉末、活性炭繊維、または他の炭化形態と接触している間の、ある種の硫黄担持化合物の熱分解から生じる。高温で水銀に対する異常な親和性を示す官能化炭素表面が、これらの新規組成物を特徴付けることが考えられる。硫黄の多くの化合物および数タイプの活性炭の組合せが、硫黄酸化物ガスの存在下高温で、元素水銀を結合するための限定的な能力を有する組成物を発生するが、これらの組合せの一部のみが、捕捉性能において他の大部分をはるかに凌ぐ組成物をもたらす。本発明の特定前駆体硫黄化合物が、他の公知の硫黄化合物から製造されるものに較べて優れた性能特性を示す官能化炭素部分をもたらす。
本発明の好ましい組成物は、以下に定義されるように、元素水銀と併せて、水蒸気、硫黄および窒素酸化物、塩化水素および酸素を含有する流入模造燃焼排ガスを導入する動的流れ吸着試験において、水銀結合能力に対する指定値および水銀結合効率に対する指定値を超える。公知の従来技術組成物はこの性能基準に合致することができない。
本発明の活性水銀結合性組成物を調製するための方法は以下の通りである:1)以下に定義される、適する前駆体S化合物、またはこうした化合物の混合物を適する溶媒中に溶解するか、または硫黄化合物を融解して移動性液相を作り出し、2)炭素質前駆体フェルトまたは他の炭素形態物を、空気または真空中、または不活性雰囲気中で約40〜80℃に加熱し、3)空気または真空中、または不活性雰囲気中で炭素基材に溶液または溶融S化合物を含浸させ、4)硫黄化合物の少なくとも一部を分解するために十分高い温度、しかし、硫黄化合物を完全に元素硫黄に分解してしまうほどには高くない温度で、大部分のヒュームを放出するために十分な時間にわたり、一般的に、190〜225℃で30分間にわたり、空気中でマッフルファーネスにおいて湿り炭素を仮焼するか、または熱分解し、5)熱分解試料を空気中で冷却し、および6)もしいくらかでもあれば、過剰の粉末を熱分解試料の乾燥表面から吹かす。
熱分解試料上の全体S濃度を以下に記載される望ましい範囲に構築するために、上記段階1〜3を段階4の前に数回繰り返すことが可能であるか、または全部の手順を繰り返すことが可能である。
他の被覆変形を用いることが可能であり、許容可能構造のガス状硫黄化合物を用いる粉末化活性炭の流動床被覆、続く湿り固形物の濾過およびフラッシュ熱分解を伴う分散炭素質粉末または繊維のスラリー相被覆、両方とも続く熱分解を伴う、繊維にまたがる溶液の超音波分散、および溶液種による炭素の真空吸収を含まれる。本発明の熱分解段階の前に、炭素質基材と緊密に接触する十分に分散した硫黄化合物をもたらすこの手順の他の変形は、当業者に想像可能である。
熱分解温度は、使用する化合物および用いる溶媒系に応じて変わる。一つの好ましい含浸剤、「適する硫黄化合物」含浸剤として、または別の適する硫黄化合物と併せて溶媒として用いられる場合のジメチルスルホキシドに対して、200〜220℃が好ましい。熱分解に対する好ましい最大上限温度は、一般に、約359℃であり、好ましい下限温度は185℃である。
硫黄担持含浸剤の許容可能添加量は、炭素の表面積に応じて決めることができる。約1200m2-1の活性炭フェルトに対して、これは、用いられる特定化合物に応じて、熱分解後の含浸剤の約50質量%添加量以下のドーピングレベルに対応する。一般的に、好ましい範囲は約25〜30質量%未満であると共に、約2%を超える。許容可能組成物は、約30%を超える添加量により調製することができる。許容可能バルク添加量のこの範囲内で、好ましい組成物は表面上の2〜10原子硫黄%を示す(XPSによる)。含浸剤の好ましいバルク添加量に対する上限値は、一連の動的水銀吸着試験を用いて熱分解中に形成される活性部位の有意な数を遮蔽するために十分な最小限の量に相当する。硫黄添加量の範囲は、ブタノールなどの相互作用性吸着物を使用する逆ガスクロマトグラフ(IGC技)術を用いてS/C比を増大させる一連の熱分解試料のIGCを試験することにより、試料の水銀に対する暴露なしで小さな試作品の試験片を用いて、実験的に(経験的に)推定することができる。S/C比は、活性炭系において、物理吸着ピークのそれを超える温度、通常約380〜400Kで発生するピークのピーク面積を最大化するように選択することが可能である。約400Kを超えて発生するより高い温度ピークの集積面積は、接近可能な表面部位の数を反映する。これらの実験面積は、表面がそこで添加量の上限値として捉えられる(すなわち、S/C)一連の調製品中に遮蔽され始める点を超えてドーパントレベルが上がるにつれて落ち始める。あるいは、多様なS/Cの一連の調製品の窒素ポロシメトリー法を用いるB.E.T.表面積は、種々の添加量レベルに対する表面遮蔽の相対度を判断するために用いることができる。硫黄化合物の添加および熱分解後の好ましい表面積は、約400m2-1を超える。
比較目的のため、熱分解段階なしで調製される組成物が、水銀用に無効の結合系、または商業用規模の用途には許容不可である揮発性または容易に可燃性の材料のいずれかをもたらすことが見出されてきた。水銀結合用に有効な化合物が調製における熱分解段階の間の前駆体硫黄化合物の酸化から生じることは、合理的に期待することが可能であろう。しかし、最善の活性前駆体硫黄化合物の一つの期待される主要酸化生成物を用いて調製される組成物は、炭素質基材プラス硫黄化合物の組合せが熱分解されようがされまいが、水銀結合で特に有効であるわけではない。最善の前駆体は、シリカゲル上に熱分解される場合に、炭素繊維上に熱分解される場合と同じように有効でないことが見出される。結果として、操作のいかなる理論によっても束縛、または限定しようとはしないが、本明細書において炭素上の熱分解段階は、化学量論的にまたは触媒反応的にゼロ原子価水銀を酸化および結合することができると共に、たぶん部位当り少なくとも一つの硫黄および一つから数個の炭素原子を含有する独特の表面官能基を生成することが可能である。酸素などの他の原子は、また、部位、または隣接部位に存在することが可能であるが、しかし、硫黄原子上の少なくとも一つの孤独な電子対が、少なくとも初期結合点として、水銀との相互作用に利用可能のまま残ることは考えられる。水銀の酸化用の、および水銀の酸化形態の続く結合用の明確な個々の部位を説明する仮説も、また、支持できる。
本発明による異常な水銀結合効率および/または能力を表すフィルタシステムをもたらす前駆体硫黄化合物の顕著な構造特性は、少なくとも二つの他の非水素原子に付加される少なくとも一つの拘束硫黄原子の存在に存すると考えられる。水素および唯一の他の原子に結合される付加的なS原子は、存在することが可能である。他のヘテロ原子も、また、これらの構造において存在することが可能である。
これらの新奇な水銀結合性組成物に対する前駆体化合物用の許容可能構造は、以下のように表すことが可能である断片を含有する:
Figure 0004843048
式中、X、Yは個別の原子であるか、または、硫黄に結合する原子が水素でないようないくつかの原子からなる官能基である。XおよびYは、直接かまたは他の原子を通してかのいずれかで環式構造中に連結することができる。
特定の許容可能な前駆体化合物には、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、ジエチル・ジチオカルバミン酸の亜鉛錯体、2硫化ジメチル(メタンチオメタンとしても知られる)、およびジメチルスルホキシドが挙げられる。特定の許容不可の前駆体化合物には、比較上、4,4’−チオビスベンゼンチオール、チオ酢酸、およびジエチル・ジチオカルバミン酸アンモニウムが挙げられる。他の許容可能な前駆体種には、少なくとも一つの硫黄原子が錯体中で二つの他の非水素原子に結合することにより拘束される限り、ジチオカルバミン酸、ジチオカルボン酸、キサントゲン酸、ジチオホスフィン酸、ジチオ炭酸、トリチオ炭酸、チオキサントゲン酸、およびジアルキルジチオリン酸、などの最前列遷移金属錯体が挙げられる。金属中心への配位共有結合は、硫黄への結合の一つとして許容可能である。これらの金属錯体は、通常、高コスト、低い溶解度、高い分解温度、生来の毒性、有害な分解、および活性炭上への熱分解後の水銀結合能力に関係しない他の要因などの一つまたはいくつかの付随的な特性のせいで好ましくない。
本発明による使用に適する炭化繊維または粉末のタイプは、活性化されて、約70%を超える炭素含量を含有する純粋材料として、少なくとも約200m2-1、好ましくは少なくとも約500m2-1のB.E.T.表面積を有する炭素である。活性炭または活性炭前駆体の実質的な部分を含有する複合材料も、また、用いることが可能である。好ましい複合材料は、充填剤として活性炭の1〜95質量%を含有するPTFE繊維からなる。カーボン・ナノチューブ、バッキーボール、または他の炭素分子篩構造を含有する複合材料も、また、表面積要求事項が満たされる限り、前駆体として許容可能である。特定の孔構造または位相は最低限の許容可能性を達成するために重要ではないが、好ましい炭素質形態は、少なくとも6時間にわたり真空下で200℃に加熱し、等価の円筒型孔を想定することによる前処理後窒素脱着ポロシメトリーによる測定で、10〜100ナノメートル径の孔径領域中で少なくとも0.3mLg-1の孔体積を有するものである。それらの活性化手順の一部として酸性リン化合物により処理される炭素は好ましいが、しかし、これは決定的なものではない。炭素、または炭素を含有する複合材料の好ましい物理的形態は、繊維またはフェルト構造である。
本発明による水銀除去用の装置およびその方法の特定実施形態は、添付図面を参照することにより最善に提供される。図1は、上述のように硫黄含有化合物の熱分解生成物を含浸した活性炭フェルトシート材料12、例えば、バグフィルタ中で用いられる主要塵埃捕捉膜などの任意の層14間に挟まれる含浸炭素フェルトから形成される複合フィルタ構築物10の一般概略図を示す。本発明の概念を用いるフィルタデバイスは、石炭を燃料とする火力発電所においてこうした系中で生成されるフライアッシュが汚染されないという理由で、主要塵埃捕捉膜14の後ろに位置付けられるバグライナー12としてバグハウス中で特に適する。従って、すべてが図2に概略的に図示されるように、このフライアッシュの売上(sale)は、なお、実質的な所得の流れ(income stream)を発生し続けるであろうし、一方で、水銀汚染物質は除去されるであろう。
図2に関して、管状複合フィルタ媒体12が、ハウジング40中で、すべてが管板46により所定の位置に保持される主要フィルタバッグ膜48内およびその下流に位置付けられるケージ50内に支持される一般的なバグハウス操作が図示される。汚染ガス22は、示されるように、入口42を通して系に入り、粒子状物質52が濾過分離されながら、一方で水銀が吸着されるフィルタエレメント48、12を通過し、浄化ガス24は示されるように出口門44を出る。入口41を通しての空気の後ろ向きのパルス注入により粒子状物質52を周期的に洗浄すると、粒子状物質およびフライアッシュは、後の除去のためホッパー40の底に集まる。
図3は、図2に示される複数のこうした組立品の一つのフィルタバッグ組立品の分解組立透視図を示す。主要フィルタバッグ膜48はステンレス鋼ケージ50により支持され、その内側で本発明による熱分解生成物を含浸した活性炭基材12が保持され、活性炭基材12は、示されるような管状形態において、ケージ50により、および、またステンレス鋼であることが可能である任意の内側管状支持グリッド49により所定位置に保持される。この組立品は、フランジ51により管板46(図2)中の所定の位置に保持される。
図4は、従来型のバグハウスに適合するサイズにされ、増大する有効濾過面積、および従って能力を提供するひだ付きの、本発明のフィルタエレメント形態の一つの任意の変形12’を示す。
図5は、汚染ガス22がそれを通して通過する入口スクリーン62を有するキャニスター本体60内に収納される螺旋状に方向付けられるモノリスフィルタとして組み込まれる本発明のフィルタエレメント12’’を示す。汚染除去後、浄化ガス24は排気チャンネル64を通して外に出て行く。バルブ付きパルス空気補給品66は、キャニスターハウジング60中に走り込んで、フィルタエレメントからの粒子状物質を洗浄するためにパルス空気を供給するが、その詳細は示されていない。
図6は、汚染ガス22が最初に静電集塵器18を通過し、次に、水銀吸着器16を通る、一般的な焼却炉または加熱炉20により生成される水銀を含有するガス流22から水銀を除去するための装置および方法を概略的に図示する。可撓性の機械的支持膜(複数を含む)14(示されていない)により支持される硫黄化合物処理活性炭基材12(これも示されていない)により、本質的に図1に示されるように構築することができる移動ベルト10’が、連続的に系を通っている。移動ベルト組立品10’が連続的に系を通っているので、粒子状物質および微粉物は場所34で引き出すことが可能であり、活性炭含浸剤は再生し、および/または場所32に戻して、系を本質的に連続運転となすことが可能である。汚染除去ガス24は、略図に示されるように煙突30で連続的に排出される。
以下に含まれるものは、本発明による組成物の水銀結合(捕捉)効率および能力を実証するために行われた実施例の結果である。これらの実施例において、一部の試験が記載され、それらの結果が報告されると共に、それらの試験は、実質的に、参考のため上で既に包含されている前述の同一出願人による米国特許出願第10/272,487号明細書中に設定され、以下に記載されるように修正される。それらの特定試験には以下が挙げられる:
(1) 表面積測定用のB.E.T.法、
(2) 水銀捕捉効率および能力試験、
(3) オンタリオ−ハイドロ試験、および
(4) フレーザー試験。
本明細書において、水銀捕捉効率および能力試験を、第10/272,487号明細書に記載される試験から修正し、そこで模造燃焼排ガス流の組成、入口水銀濃度、空間速度、および試験温度を以下に詳細に記すように変更した。加えて、オンタリオ−ハイドロ試験において用いられるものに類似の組成の塩化スズ系ガス洗浄器(インピンジャー・バブラー)を、HClおよび窒素酸化物がガス流中に存在する場合に、イオン性水銀化合物のゼロ原子価状態への完全な還元を確保するための還元炉後の反応器列中に設置した。インピンジャー溶液を頻繁に新鮮な溶液で補充した。模造燃焼排ガス組成は、データ表に特記のない限り以下からなった:
2O 4体積%
2 6体積%
SO2 80ppm
NO 300ppm
HCl 4または50ppm
Hg 33〜1000ppb(実施例中に注記されるように変えた)
2 バランス
等温試験温度は150±2℃であった。面速は、下のデータ表に記されるように、2〜8ft/分間で変動した。入口水銀濃度は、また記されるように33〜1000ppb間で変動した。実施例に記載される材料に関するこの試験法を用いた試験結果を、下の表2中に示す。
本明細書においてアルファ篩い分け試験として定義される試験は、また、以下の実施例の一部において適用されてきた。この水銀吸着試験は、上述の包括的な水銀捕捉および効率試験よりも短い持続時間の迅速な篩い分け試験であり、SO2および他の酸性ガス成分存在下での固形吸着剤の相対的な初期水銀除去効率のみを推定し、水銀用の試験試料の全体吸着能力は推定しないように設計されている。同様に、固定の幾何学的面積の型抜きした多孔質フェルト試料を、一定の温度およびガス流量で規定時間にわたり、固定の水銀濃度を含有する流通ガス流にさらした。吸着された全水銀を測定するための破壊分析を、暴露、粉砕、および均質化後に各固形物試料上で行った。データは、また、充填床中に粉末化試料を並べるために特に有用である基材基礎の一定質量に標準化することができるが、しかし、この後の方法は、あらゆる任意の運転の間の非水銀成分の吸着または脱着により導入される不正確さを計る傾向にある。このアルファ篩い分け試験の相対的な精度は、実施されているように、水銀捕捉効率および能力試験のそれよりも劣るが、しかし、それは、初期水銀除去効率用の試作品の全体的な相対的パフォーマンスを確立するために特に有用である。
アルファ試験リグがフルオロポリマーチュービングを用いて配管され、窒素流を質量流量制御器から名目上75℃に保持される一定温度浴中に置かれるガラスU字管中の市販の水銀拡散管[テキサス州、ヒューストンのViciメトロニクス・インスツルメンツ(Vici Metronics Instruments)]のセットに配送した。流れに導入される水銀濃度は、室温での水銀蒸気圧に対応する濃度よりも十分に下にあった。二方弁を介して流れを第2ガス配管に回し、回された流れを固定量の窒素流により希釈し、およびジェネシスモデルHg253監視装置を用いて希釈後の時間の関数として、および浴温度変化と共にガス状水銀濃度を監視することによって、透過管後の流れを時折監視することにより、試験試料間の経時的な水銀濃度の一定度を確保した。実際の運転の間、水銀含有ガス流はジェネシスモニターには通さないが、しかし、水およびHClを結合比で導入するために15%HCl水溶液インピンジャーに通した。可溶性水銀に関する定常状態が達成されることを確実にするために、試験試料を下流に挿入する前にインピンジャーを少なくとも30分間にわたり運転することは必要であった。水を通してそれを散布し、時間の関数としてpHを測定することにより、バブラーによる酸濃度出力を点検した。NO、空気、SO2、および追加の窒素ガスを、適切な逆止弁を通してシリンダーから、バイトンのO−リングシールを取り付けたマイクロロタメータを介してHClインピンジャー後のガス流中に導入した。ガス導入点の下流でのガラスビーズで詰まったガラス容器は混合器として役立った。室温の混合ガスを、適切な熱電対を取り付け、電圧比例制御器およびガス温度過昇遮断装置により制御されるクラムシェル炉中に収納されるホウケイ酸塩または石英ガラス試料チャンバーに向けた。多孔質フィルタ試作品の試験試料を、サーキュラ・ダイにより切り出し、内部に構築されるガラス充填PTFEマウンティング・リング(ID=0.750インチ)間に積み、名目上170±5℃に保持される加熱炉内に収納されるフレア端を有するホウケイ酸塩チュービング[ペンシルベニア州、ケネットスクエアのペッシェ・ラボ・セールス(Pesce Lab Sales)]間に締め付けた。試料まで伸びる管の前部分はガス予熱器として機能した。粉末化試料に対して、適切な質量の充填床を、焼結石英ディスクを含有する異なる試料ホルダー中に置いて粉末を所定の位置に保持した。バイパスラインを、各接合点で3方弁を用いて試料ホルダー周りに設置した。市販されているヨウ素処理炭素[バーネビー・サトクリフ(Barneby−Sutcliffe)]を含有する第2水銀トラップを加熱炉の下流に置き、また、下の周到な物質収支を支援するために各運転後に分析した。出口ガス流を大気圧で運転している洗浄系に放出し、次に、実験室フードに放出した。試験用に用いられる名目のガス流濃度および流量は以下であった:
2 8体積%
2O 2体積%
SO2 160ppm
NO 240ppm
HCl 20ppm
Hg 0.56ppm
ガス流量 200mL/分、NTP
空気対布地比 8ft/分
バイパスされる流れ、温度、および濃度の試料との平衡後、各試料を流れに接触させ1時間にわたりさらし、次に、ガス流を再度バイパスモードに転換し直した。試料を除去し、湿度平衡させ、計量し、粉砕し、細かくした未使用の活性炭繊維(暴露されていない)500mgにより希釈し、均質化した。オハイオ・ルメックス(Ohio Lumex)モデルRA−915/RP−91Cにより製造された市販熱分解/ゼーマン効果修正冷蒸気方式分析器によって、固形物の水銀分析を行った。各試料の小さな分取量(数十ミリグラム)を、固形物から水銀を除去しそれをゼロ原子価形態に還元する900℃加熱炉中に置いた。次に、放出された水銀を、ガス流中で、全体水銀が信号を積算し補正係数を掛けることにより測定される測定用チャンバー中に掃き集めた。デバイスを32.6wppm水銀を含有するNIST2710標準土壌により校正した。下流のヨウ素処理炭素トラップを任意に砕き、同様に分析して、物質収支閉鎖用の試験試料を通過する水銀量(すなわち、試験試料により捕捉されない)を独立に計算した。データを各試料により捕捉された全体の付帯的な水銀の%として表現する。実施例中のこの試験法を用いるデータを下の表1にまとめる。
限定なしで、以下の実施例は、水銀を含有する流動ガス流から水銀を捕捉するために有用な本発明組成物の驚異的で予想外の高い効率および能力を実証する。
例1.(比較).未処理VAF−90活性炭フェルト(ACF)
[上海No.1ACF(Shanghai No.1 ACF Company Co.,Ltd.)(中国、上海)]の試料を、30分間にわたり、マッフルファーネス中空気中で200℃に加熱し、次に、空気中で冷却した。この材料を、アルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験のための対照として用いた。結果を表1にまとめる。
例2.VAF−90活性炭フェルト(ACF)の約10フィート長さX5.5インチ幅のロールを、名目上60℃に保持される空気に暴露されるドライのジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する加熱静的浸漬タンクに至る浸漬ローラーを供給するペイオフ・ローラーからなる実験室規模の試作ウェブ被覆装置中で処理した。液体を通してACFテープを進め、約3秒間にわたりDMSOに接触させ、次に、ドリップバー上を通し、過剰の液体を絞り出すための一定の圧力はさみとして設定される一対の非加熱で頂部のあるクロムローラーを通した。ACFテープを巻取リール上に巻き取り、3片に切り込み、約45分間にわたり200℃設定点に設定された通気型の溶媒ランクのオーブン内に掛けた。試料は約10分間にわたり濃い煙を放った。試料を冷却し、実験室フード中で空気平衡化し、空気ホースにより塵埃を吹き飛ばして清浄にした。この材料の一部を分光分析にかけると共に、別の一部を、アルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。別の一部について、SO2、NO、およびHClの存在下で基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いて試験を行った。結果を表2にまとめる。
例3.2回含浸した試料を以下のように調製した:例2の最終テープの3.7g部を、実験室フード中の実験室熱板を覆うアルミホイル上に置き、約50〜70℃に温めた。過剰DMSO(27.6g)を、再度、試料は濡れるが液が滴ることのない点まで、スポイトにより試料上に含浸させた。湿り固形物を、22分間にわたり200℃に設定されて予熱されたベント型の安全防爆形マッフルファーネス中で、空気がフェルト層の下を循環することを可能とする曲線状のステンレス鋼スクリーン上に置いた。発煙は約12分後に終わった。処理後いかなる有意な質量増加も明らかでなかった。この材料の一部を、分光分析、フレーザー試験、および窒素ポロシメトリーを用いるBET表面積測定にかけた。別の一部を、アルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。別の一部について、SO2、NO、およびHClの存在下で基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いて試験を行った。結果を表2にまとめる。
例4.VAF−90活性炭フェルト(ACF)の秤量試料を、フード中で実験室熱板を覆うアルミホイル上に置き、空気中で約90℃に加熱した。湿りジメチルスルホキシド中の5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(ATDT)[アルファ・アイサー(Alfa−Aesar)]0.32Mの温かい溶液を、熱い間に両側からACF中に含浸させ、次に、フェルトをふき取って過剰溶液を除去した。湿り固形物を、220℃に設定されて予熱されたベント型の安全防爆形マッフルファーネス中で、空気がフェルト層の下を循環することを可能とする曲線状のステンレス鋼スクリーン上に置いた。試料を空気中で66分間にわたり加熱し、次に、空気中で冷却した;放出ヒュームは加熱炉中で約20分後に終わった。少量の黄色粉末を乾燥試料から吹き払い、一定質量への平衡後、試料を秤量し、未処理ACFに較べて3.9質量%増を示した。この材料の一部を元素および分光分析にかけ、別の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。別の一部について、SO2、NO、およびHClの存在下で基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いて試験を行った。結果を表2にまとめる。
例5.湿りジメチルスルホキシド中の5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(ATDT)[アルファ・アイサー]の温かい0.32M溶液による、温かいVAF−90活性炭フェルト(ACF)のインシピエント・ウエットネスまでの含浸により試料を調製した。再加熱後、湿った試料に、再度、基材は濡れるがしかし液が滴ることのない点まで、水酸化カリウム水溶液によりpH8.0に調整された1.05Fヨウ化カリウムおよび0.26F塩化マグネシウムを含有する水溶液を含浸させた。湿り固形物を曲線状のステンレス鋼スクリーン上に置き、18時間にわたり220℃に設定されて予熱されたベント型の安全防爆形マッフルファーネス中で熱処理し、次に、空気中で冷却した。試料は43質量%増加した。試料の一部を商業実験室に送り元素分析にかけ、他の一部をフレーザー試験および他の物理的試験にかけた。別の一部について、SO2、NO、およびHClの存在下で基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いて試験を行った。結果を表2にまとめる。
例6.ドライジメチルスルホキシド中のジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛[アルドリッチ(Aldrich)]の濃縮溶液を、加熱金属プラテン上のVAF−90活性炭フェルト(ACF)の秤量済み層にインシピエント・ウエットネスまで含浸するために用いた。処理ACFを、曲線状のステンレス鋼スクリーン上に置き、約1時間にわたり200℃に設定されて予熱されたベント型の安全防爆形マッフルファーネス中で熱処理し、次に、空気中で冷却した。室内空気での平衡化後、熱分解試料を秤量し、未処理ACFに較べて4.8質量%増を示した。この試料の多部分をアルファ篩い分け試験を用いる試験にかけた。結果を表1にまとめる。別の一部について、SO2、NO、およびHClの存在下で基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いて試験を行った。結果を表2にまとめる。この試料の他の部分を、流動空気下でのTGA/DTA分析、および第3ブタノール、酢酸、および他の吸着剤を用いる逆ガスクロマトグラフィー測定にかけた。この材料のなお他の部分をSEM−EDSにより吟味した。
例7.ドライイソプロパノール:ドライジメチルホルムアミドの4:3(質量:質量)溶液が5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(ATDT)[アルファ・アイサー]用のジメチルスルホキシド溶媒に代替することを除いて、例4に記載される手順により試料を調製した。含浸後、試料を、1時間にわたり220℃ではなく200℃に設定されたオーブン中で熱処理したが、しかし、最大オーブン温度を211℃にもってくると温度暴走が起こった。この試料の一部をアルファ篩い分け試験で試験した;表1を参照すること。この試料の別の一部を逆ガスクロマトグラフィー試験にかけた。
例8.ジメチルホルムアミド100mL中、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛(Zn(Et2DTC)2)9.9gの溶液を、約0.5時間にわたり加熱、攪拌することにより調製した。10.54g質量のACFの一部を、実験室熱板を覆うと共に、約70〜90℃に加熱されたアルミホイル上に置いた。ACFに、スポイトを用いてZn(Et2DTC)2の熱溶液の一部をインシピエント・ウエットネスまで均一に含浸させ、次に、55分間にわたり予熱されたベント型の安全防爆形マッフルファーネス中で、空気中180℃で仮焼した。冷却および平衡化後、試料は18.38g質量で、42.6%添加量を示した。この材料の一部を、試料にわたる各種の幾何学的位置における表面上のZn:C原子比のXPS測定を含む元素および分光分析にかけた。別の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例9.(比較).この比較例は、ACF上の熱分解に対する前駆体として、その構造が本発明に本質的である特徴的な構造部分を特色とはしない硫黄化合物を用いる水銀吸収性フィルタを調製するための試みを説明する。2−メルカプトピリミジン、98%(HPYM)[アルドリッチ]4.9gを、約20分間にわたる熱板上での電磁攪拌および加熱によって、ドライジメチルホルムアミド104.7g中に溶解することにより溶液を調製した。活性炭フェルトに、ACFをスポイトにより均一に濡らすことにより、インシピエント・ウエットネスまで熱い黄色の溶液を含浸させた。過剰溶液をふき取ることにより除去し、次に、含浸ACFを空気中190℃で40分間にわたり仮焼し、9%添加量を示した。この材料の一部を分光分析にかけ、別の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例10.(比較).この比較例は、ACF上の熱分解に対する前駆体として、それらの構造が本発明に本質的である特徴的な構造部分を特色とはしない硫黄化合物を用いる水銀吸収性フィルタを調製するための別の試みを説明するが、この場合に、配合物は元素硫黄および不適合硫黄含有溶媒を含有する。元素硫黄(1.8g.)を空気中で攪拌しながら2硫化炭素溶媒約15mL中に溶解した。VAF−90活性炭フェルト(ACF)の少量試料を、実験室熱板を覆うアルミホイル上で加熱し、熱い間にインシピエント・ウエットネスまで硫黄/2硫化炭素溶液をそれに含浸させた。湿り試料を曲線状のステンレス鋼スクリーン上に置き、約20分間にわたり220℃に設定される予熱されたベント型の安全防爆形マッフルファーネス中で熱処理し、次に、空気中で冷却した。残留溶媒は明らかにオーブン中で燃焼した。この材料の一部を分光分析にかけ、別の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例11.(比較).この比較例は、有効な前駆体硫黄化合物に構造類似の前駆体化合物を用いる水銀吸収性フィルタを調製するための別の試みを説明するが、しかし、その特定構造は、本発明に対して本質的であるACF上の熱分解に対する前駆体のための特徴的な構造部分を特色とはしない。この場合に、配合物は上述の本質的な拘束構造部分を特色とはしないジエチル・ジチオカルバミン酸の非キレート塩を含有した。VAF−90活性炭フェルトの2.8g試料を、アルミホイルで覆われる実験室熱板上に置き、熱板加熱器の4番設定で高温に加熱した。基材の温度はこの場合に測定しなかった。ジエチル・ジチオカルバミン酸アンモニウム[アルドリッチ]約7gを脱イオン水約40mL中に溶解した。水溶液の一部を、熱いACFに両側から濡れるがしかし液が滴ることのない点までスポイトにより含浸させるために用いた。試料を空気中200℃で35分間にわたりマッフルファーネス中で熱処理し、次に、空気中で冷却した。この試料の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例12.(比較).この比較例は、その構造が本発明に本質的である特徴的な構造部分を特色とはしない、ACF上の熱分解に対する前駆体としての硫黄化合物を用いる水銀吸収性フィルタを調製するための試みを説明する。4,4’−チオビスベンゼンチオール、98%(TBBT)[アルドリッチ]を、熱板上での電磁攪拌および加熱により、ドライジメチルホルムアミド中に溶解することにより12質量%溶液を調製した。予熱された活性炭フェルト試料約1.9gに、スポイトにより熱い溶液を含浸させた。次に、含浸ACFを空気中200℃で22分間にわたり仮焼し、53%添加量を示した。この材料の一部を分光分析にかけ、別の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例13.(比較).この比較例は、燃焼排ガス濾過に適する高度に水銀吸収性の固形材料を調製するための失敗の試みを説明する。活性炭繊維(ACF)層を温め、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、3ナトリウム塩[デグッサ(Degussa,Inc.)、TMT−15(登録商標)]の15%水溶液をそれにインシピエント・ウエットネスまで含浸させた。試料を約25℃で乾燥したが、しかし、仮焼はしなかった。この材料の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例14.(比較).この比較例は、ジメチルスルホキシド酸化の可能な生成物であると期待される化合物を用いることによる、高度に水銀吸収性の材料を調製するための失敗の試みを説明する。メチルスルホン、98%[アルドリッチ]、4.0gを、脱イオン水約40mL中に溶解した。2.73g質量のACF片に、熱い間に、それが飽和されるまでこの溶液を含浸させた。試料を空気中約200℃で3時間にわたり仮焼した。この試料を前述のアルファ試験の変形を用いる水銀結合能力の試験にかけたが、しかし、ここでは硫黄酸化物、窒素酸化物、または塩化水素を全く原料には添加せず、試料温度を試験中約180℃に保持した。未処理ACF対照品に較べて有意な強化水銀吸着力は全く検出されなかった。この試料の別の少量部分を、類似質量の未処理ACF対照試料と共に、PTFE裏打ち圧力容器中に置いた。オートクレーブ容器に1滴の元素水銀を入れ、空気中で密封し、自生圧力下で5日間にわたり190℃オーブン中に置き、次に、冷却した。PIXE法を用いる外部実験室による、二つの基材中の残留水銀についての元素分析は、本質的に分析法の感度内の二つの試料間の水銀ピックアップの差が全くないことを示した。
例15.(比較).この比較例は、硫黄および酸素原子を含有するが、しかし本発明用に必要である前述の構造連鎖を含有しない前駆体化合物を用いることによる、且つACFに含浸した後に必要とされる熱分解段階を行わないことによる高度に水銀吸収性の材料を調製するための失敗の試みを説明する。テトラメチレンスルホン(スルホランとしても知られる)、99%[アルドリッチ]、15.6gを、熱いACF2.15g上に含浸させたが、しかし、得られる試料を仮焼しなかった。約88%添加量の湿りACFを、未処理ACF対照品に関する水銀分析を行うために外部実験室を用いたことを除いて、アルファ篩い分け試験に対する変形を用いる例14に記載されているように試験した。結果を、スルホランを含まない水銀質量%として表す。処理試料は対照運転に較べて強化された水銀吸収を示さなかった。
例16.(比較).この比較例は、酸素による水銀酸化用の公知の触媒成分の添加と共に、ACF上に支持される水銀(II)用の非硫黄可能リガンドの両方を含有する化合物の使用による高度に水銀吸収性の材料を調製するための失敗の試みを説明する:5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸の2ナトリウム塩、Na2(ATIIP)の3M水溶液を、pH8端点までの6N水酸化ナトリウム溶液による固形酸[アルドリッチ]の滴定により調製した。活性炭繊維(ACF)2.6g試料を、実験室熱板を覆うアルミホイル上で加熱し、Na2(ATIIP)の水溶液を用いてインシピエント・ウエットネスまで含浸させた。次に、固形物を空気中、225℃で45分間にわたり仮焼し、次に、空気中で冷却し、約56%添加量をもたらした。塩化パラジウム[アルドリッチ]0.038gの、酢酸10滴と併せた脱イオン水3.0gへの添加により、水溶液を調製し、次いで加熱し電磁攪拌した。固形物は約15分後に完全に溶解しなかったが、そこで、溶液を濾過し、追加水により希釈した。処理ACFを少量のイソプロピルアルコールにより前もって湿らせ、次に、酸性パラジウム溶液によりインシピエント・ウエットネスまで含浸させた。次に、試料を160℃で20分間にわたりオーブン中で乾燥した。この材料の一部をアルファ篩い分け試験を用いる水銀結合親和力の試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例17.(比較).この例は、シリカゲル粉末を炭素質基材の代わりに用いた組成物の性能を説明する。63〜200メッシュのシリカゲル粉末、7.1g[セレクト・サイエンティフィック(Selecto Scientific)カタログ番号146644]を秤量してホウケイ酸ガラスシャーレー中に入れた。試料に、ちょうどインシピエント・ウエットネスを超える点まで湿りジメチルスルホキシド中の5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(ATDT)[アルファ・アイサー]0.32Mの熱い溶液を含浸させた。次に、湿り粉末を十分に混合し、約220℃で1時間にわたり溶媒ランクのベント型マッフルファーネス中に置き、次に、空気中で冷却した。得られる粉末は平衡後約6.5質量%増加を示し、それをアルファ篩い分け試験を用いる試験にかけた。結果を表1にまとめる。
例18.(比較).この比較例は、種々のレベルのSO2、NO、HCl、および入口水銀濃度の存在下でのアルファ篩い分け試験および基準の水銀捕捉効率および能力試験の厳しい不活性化条件下で、上述の同一出願人による米国特許出願第10/272,487号明細書に前述された水銀吸収性フィルタ材料の性能を説明する:水銀捕捉用フィルタ材料の試料を、オーブン処理温度が215℃であることを除いて米国特許出願第10/272,487号明細書の例1に記載されている手順により調製した。この材料の部分を、アルファ篩い分け試験を用いて試験した。結果を表1にまとめる。他の部分を、基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いて試験にかけ、表に報告するように種々のレベルのSO2、NO、HCl、およびHg入口濃度の存在下での結果を表2にまとめる。
例19.(比較).希釈KOH水溶液による第2含浸が初期熱処理後の基材に適用され、次いで215℃での第2乾燥段階があることを除いて、例18に類似して試料を調製した。基準の水銀捕捉効率および能力試験を用いるこの試料の試験からの結果を、表2に一覧する。
例20.レメディア(Remedia)(登録商標)ブランド[W.L.ゴア&アソーシエーツ(W.L.Gore & Associates,Inc.)(メリーランド州、エルクトン)]のパルスジェットフィルタバッグ内の挿入物の形態にある試作水銀吸収性フィルタを、以下のように調製した:5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(ATDT)、143.2gを、攪拌しながら、40℃に加熱して無水ジメチルスルホキシド2L中に溶解した。各々16インチ×36インチに切られたACFの二つの長方形片を、熱い溶液中に漬け、次に、ローラー組立品により軽く絞って過剰の液を除去した。溶接下部キャップ、名目4.8インチの外径、および3フィートの長さを有するステンレス鋼製の円筒型ワイヤーケージを、圧縮フルオロポリマー繊維製の9インチ幅の不織布多孔質マット布地で螺旋状に巻き、旋回間でわずかに重なり、ガラス・テープによりテープ張りした。湿りACFは、端部の約1インチの重なりを有するフルオロポリマー布地上のケージ周辺を包み、PTFEフェルト布地[ゴアP/N8383]の1インチストリップにより一時的にケージに連結された。二つの包まれたケージを、それぞれ1時間および2時間にわたりベント型の溶媒ランクの220℃工業炉中に置いた。空気中での冷却後、一時的な連結を除去し、組立品の外側を既述のようにフルオロポリマー不織布により螺旋状に包んだ。ぴったりした上部フランジおよび下部のPTFEフェルト布地[P/N8383]のカフスを取り付け、3層組立品をステンレス鋼圧縮バンドクランプにより一緒に保持した。ケージ化組立品を、それぞれ、タイトフィットをもたらす水銀吸収性挿入物径よりもわずかに大きな径の積層PTFE外側膜/ケージ組立品を有する3フィート標準ゴア・レメディアブランドのパルスジェットフィルタバッグ内に挿入した。二つのケージ組立品(各挿入物に対する)間の円筒の内面と外面との最小間隔を、ガス流が外側のレメディアブランドフィルタを移動し、次に、内側の水銀捕捉用フィルタをバイパスなしで通過するであろうように、レメディアブランドフィルタバッグケージの金属トップを重ね合わせる挿入物の上部布地フランジにより密封した。各組立品の上部に、フィルタの後方パルス洗浄用のベンチュリを取り付け、これら二つの試作組立品を、工業用工程からの水銀含有工程燃焼排ガスが試作水銀捕捉用フィルタ/パルスジェットフィルタバッグ組立品を循環することができるであろうように、工業用実物大のバグハウスの入口空気吸入口に付加されるパイロット規模のバグハウス中に置いた。バグハウス管板にボルト締めされた標準設計鋼トップフランジは、それぞれのフィルタシステムを所定の位置に保持し、フィルタ周辺の燃焼排ガスの漏れを防止した。処理ガスからの水銀除去効率を、挿入物なしで対照バッグを含有する区画室の廃液中の等速水銀濃度に較べて、水銀捕捉用挿入物を含有する各バグハウス区画室の出口での水銀濃度を測定することにより監視した。
例21.18〜60メッシュのココナッツ殻炭素粉末[バーネビー・サトクリフ(Barneby−Sutcliffe)ココナッツ殻CタイプCL−20]をシリカゲル粉末に代替することを除いて、例17の手順を繰り返した。試料を220℃で1時間にわたり熱分解し、最終添加量約9.1%を有した。この試料をアルファ篩い分け試験を用いて試験した。結果を表1にまとめる。
本発明は本明細書において一部の実施形態および詳細説明に関連して開示してきたが、一方で、こうした詳細内容の修正または変形が、本発明の主旨から逸脱することなくなすことができると共に、こうした修正または変形が以下のクレームの範囲内にあると考えられることは当業者に明白である。
Figure 0004843048
Figure 0004843048
任意のカバー層間に挟まれ、その中に含浸される本発明の熱分解硫黄含有化合物を支持する活性炭フェルト基材の概略図である。 図示する管状フィルタ媒体が、本発明による熱分解硫黄含有化合物を含浸した活性炭基材を含むバグハウス操作を概略的に示す。 すべてが図2に示す管板により所定の位置に保持されると共に、フランジ形金属ケージ組立品内に支持される、図2のバグハウス中の一つのフィルタバッグの分解組立透視図を示す。 その中に含浸される本発明の熱分解生成物を支持するひだ付きの活性炭基材の概略図であって、この複合組立品は従来型のフィルタバグハウスに適合するサイズにされる。 キャニスター内に収納されるモノリスとして取り付けられる本発明のフィルター媒体の分解組立透視図である。 静電集塵器の下流側に位置付けられる移動ベルトの形態にある本発明によるフィルター媒体にガスを通すことによりガス流からHgを除去するための濾過装置および方法の概略図である。

Claims (16)

  1. 水銀を含有するガス状混合物からの水銀捕捉で用いる組成物であって、該組成物が高表面積活性炭基材を含み、該活性炭基材はその上にジメチルスルホキシド、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール)、2−ベンゾイルアミノ−3−(4−クロロ−フェニル)−チオアクリル酸S−(2−メルカプト−4−メチル−フェニル)エステル、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルスルホキシドと2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2チオール)の混合物、およびジメチルスルホキシドとジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも一つの、該活性炭基材表面上の原位置(in situ)での熱分解生成物を支持する、組成物。
  2. 少なくとも50質量%の炭素含量、および少なくとも200m2-1のB.E.T.表面積を有する請求項1に記載の組成物。
  3. 少なくとも50質量%の炭素含量、および少なくとも500m2-1のB.E.T.表面積を有する請求項1に記載の組成物。
  4. 前記活性炭基材が活性炭粉末、活性炭繊維、または活性炭フェルトである請求項1に記載の組成物。
  5. 水銀を含有するガス状混合物からの水銀捕捉において有用な装置の構成要素であって、該構成要素は、該混合物が通過するガス透過性支持部材を含み、該支持部材はその上に請求項1に記載の組成物を有する、装置の構成要素。
  6. 前記活性炭基材が活性炭粉末、活性炭繊維、または活性炭フェルトである請求項に記載の構成要素。
  7. 前記活性炭基材がフッ化炭素ポリマーと活性炭系充填剤との複合材料である請求項5に記載の構成要素。
  8. 前記支持部材が管状のもの、平板のもの、ひだ付きのもの、またはキャニスター内に収納されるモノリスである請求項に記載の構成要素。
  9. バグハウス内のフィルタ、パルスジェットフィルタバッグ内の挿入物、または静電集塵器の下流に位置付けられる移動ベルトの形態である請求項に記載の構成要素。
  10. 水銀を含有するガス状混合物から水銀を除去するための方法であって、該ガス状混合物を、請求項1に記載の組成物を支持するガス透過性支持部材に通すことを含む、方法。
  11. 前記ガス状混合物が実質的な量のSO2およびNOXの少なくとも一つを含有する請求項10に記載の方法。
  12. 前記ガス状混合物が実質的な量のSO2を含有する請求項11に記載の方法。
  13. 前記支持部材を通過する前記ガス状混合物が高い温度、135〜225℃の範囲にある請求項10に記載の方法。
  14. 水銀を含有するガス状混合物からの水銀捕捉で用いるための組成物調製のための方法であって、
    (a)ジメチルスルホキシド、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール)、2−ベンゾイルアミノ−3−(4−クロロ−フェニル)−チオアクリル酸S−(2−メルカプト−4−メチル−フェニル)エステル、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルスルホキシドと2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2チオール)の混合物、およびジメチルスルホキシドとジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも一つを溶解するかまたは融解し、それによって、
    (b)移動性の液相硫黄化合物を生成し、
    (c)高表面積炭素質前駆体を、空気中で、または任意に不活性雰囲気中で40〜80℃に加熱し、
    (d)該炭素前駆体に該液相硫黄化合物を含浸し、
    (e)該炭素前駆体中に含浸した該硫黄化合物を、空気中で、該硫黄化合物の少なくとも一部を分解するために十分な温度で、しかし、硫黄元素に分解するほどには高くない温度で、熱分解し、および
    (f)空気中でそのように生成される熱分解組成物を冷却し、それによって水銀捕捉で用いるための組成物を提供すること、
    を含む、方法。
  15. 前記熱分解が190〜225℃の温度で、30分間にわたり行われる請求項14に記載の方法。
  16. 前記組成物中に含有される前記硫黄化合物の全体濃度を増大させるために、段階(e)を行う前に段階(a)〜(d)を繰り返すことを含む請求項14に記載の方法。
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