JP4841938B2 - タイヤとリムとの組立体およびその異常状況判別方法 - Google Patents

タイヤとリムとの組立体およびその異常状況判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、該タイヤの内側にチューブを配置したタイヤとリムとの組立体およびこのタイヤとリムとの組立体に発生した内圧低下の異常状況を判別する方法に関するものである。
近年、安全意識の高まりに伴い、タイヤの内圧を検出する装置(以後TPMSと称す)を組み込んだタイヤが、市場に出回ってきている。しかしながら、ほぼ全てのTPMSは、誤判定を避けるため、タイヤの内圧が充分に低下した後に警報を発するシステムを採用しており、その警報が後手に回ることは避けられないものであった。更に、タイヤに釘などが刺さった場合は、直ぐに気体の漏洩が始まるわけではなく、非常に緩慢に漏洩が進む為、上記TPMSにてその漏洩を検出するまでの比較的長い間にわたり、ドライバーは穴の開いたタイヤとは気付かずに走行を継続してしまう可能性が有る。
上記の諸問題を回避する為には、タイヤに刺さった異物そのものを検出する機構が必要であるが、現時点では、有効な異物検出システムは知られていない。
ここで、特許文献1には、タイヤチューブを用いたパンク検知装置が開示されているが、この技術では、タイヤとチューブ間に移行した空気圧のみを検出しているため、例えばサイドカットなどの、タイヤも大受傷した場合のパンク検出には適当でなく、別途、警報システムが必要になる。特に、タイヤが大きく受傷した場合は、即座に走行能力が失われる、いわゆるサドンデス状態に陥るため、車両の安全性を確保する上では、このような大受傷した場合にも対処することが肝要である。
また、安全性を考慮したタイヤとして、タイヤがパンク状態に陥った際に必要とされる距離を安全に継続走行することができる安全タイヤについて、様々な提案がなされている。
例えば、特許文献2には、タイヤを適用リムに装着し、タイヤと適用リムの組立体内部に、中空リング状の隔壁を介してリムに沿って周方向に延びる室を区画し、該室内に発泡性組成物を封入し、タイヤ受傷時に発泡性組成物の膨張によって隔壁を拡張して、この拡張した隔壁にてタイヤ内圧の復活を可能にする技術が開示されている。
かような安全タイヤは、発泡性組成物の膨張作用によってパンク後の継続走行を実現するため、一度膨張させて使用した発泡性組成物は再使用できない。従って、一度使用した発泡性組成物は更新する必要があることから、発泡性組成物が膨張して所期の機能を発揮したことを検知する手立てが希求されている。
特開昭52-64977号公報 特開2004−75039号公報
本発明の目的は、釘踏みによる微量の気体漏洩からサイドカットなどの大受傷による急激な内圧低下まで、種々の異常状況を迅速に把握する警報システムを確立することにあり、そのために異常状況を判別する方法並びに、この方法を実現するためのセンサーをそなえるタイヤとリムとの組立体を提供しようとするものである。
また、本発明の別の目的は、発泡性組成物とも称される中空粒子を用いた安全タイヤに対して、その中空粒子の使用を確認するための手法について提案することにある。
すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)タイヤをリムに装着し、該タイヤの内側にチューブを配置したタイヤとリムとの組立体であって、該チューブは内室および外室に区画する二重壁構造を有し、該内室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を充填し、該チューブの内側と外側の圧力を測定するセンサーを、該チューブの外壁に設け、かつ該チューブの内室とチューブの外側とを隔てる壁部分に、中空粒子が熱膨張した際に放出する気体のみを選択通過させるフィルターを設けたことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
(2)前記チューブ内に気体を導入するバルブをリムに気密下で装着した上記(1)に記載のタイヤとリムとの組立体。
(3)タイヤをリムに装着し、該タイヤの内側にチューブを配置し、該チューブは内室および外室に区画する二重壁構造を有し、該内室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を充填し、該チューブの外壁にセンサーを設け、かつ該チューブの内室とチューブの外側とを隔てる壁部分に、中空粒子が熱膨張した際に放出する気体のみを選択通過させるフィルターを設けた、タイヤとリムとの組立体について、該チューブに設けたセンサーを用いて、チューブの内側と外側の圧力変動を測定し、該測定結果に基づいてタイヤの異常状況をその種類毎に検知することを特徴とするタイヤとリムとの組立体の異常状況判別方法。
(4)タイヤをリムに装着し、該タイヤの内側にチューブを配置し、該チューブは内室および外室に区画する二重壁構造を有し、該内室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を充填し、該チューブの外壁にセンサーを設け、かつ該チューブの内室とチューブの外側とを隔てる壁部分に、中空粒子が熱膨張した際に放出する気体のみを選択通過させるフィルターを設けた、タイヤとリムとの組立体について、該チューブに設けたセンサーを用いて、チューブの外室内とチューブの外側の圧力を測定し、該測定結果に基づいてタイヤの異常状況並びに中空粒子の膨張をその種類毎に検知することを特徴とするタイヤとリムとの組立体の異常状況判別方法。
(5)タイヤの異常状況に応じた対処を経たのち、検知を初期化する上記(3)または(4)に記載のタイヤとリムとの組立体の異常状況判別方法。
本発明によれば、釘踏みによる微量の気体漏洩からサイドカットなどの大受傷による急激な内圧低下までの異常状況が個別に認識されるため、その異常状況に応じた警報を運転者に適切に提供することができる。
まず、本発明タイヤとリムとの組立体における異常状況判別方法の基本から説明する。
すなわち、図1に示す安全タイヤは、タイヤ1をリム2に装着し、該タイヤ1とリム2とで区画されたタイヤ1の内部に、環状のチューブ3を配置し、該チューブ3の内側と外側の圧力を測定する圧力センサー4を、チューブ3に設けて成る。なお、符号5は、気体供給用のバルブである。
該圧力センサー4は、図2に示すように、チューブ3の外側の圧力を測定する外圧センサー4aと同内側の圧力を測定する内圧センサー4bとを備え、これらセンサー4aおよび4bによる圧力測定を行う。そして、この測定結果に基づいて作成した内圧変化パターンによって、後述のように、タイヤの内圧変化を誘発した原因を特定する。
なお、タイヤ1は、各種自動車用タイヤ、例えば乗用車用タイヤなどの一般に従うものであれば、特に構造を限定する必要はない。例えば、図示のタイヤは一般的な乗用車用タイヤであり、1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部に、その半径方向外側へ順にベルトおよびトレッドを配置して成る。
次に、上記センサー4によってチューブ3の内外の圧力を測定し、その結果に基づく圧力変化パターンから種々の異常状況を判別する手法について詳しく説明する。
まず、タイヤに異物が刺さった場合など、タイヤからのエアー漏洩が非常に緩慢なスローパンクの場合を例に説明する。
さて、図3に示すように、タイヤ1に異物、例えば釘6が刺さることによりチューブ3が受傷した場合、このチューブ3は、同図に示すように縮み始める為、チューブ3内の充填気体が、チューブ3外に向かって移動を開始する。このとき、チューブ3内圧には殆ど変化が見られないのに対し、チューブ外圧は急激に増加、例えば乗用車タイヤの場合ではゲージ圧(以下、圧力については同様)で約0kPaから約200kPaに増加することになる。
その際のチューブ3内外の圧力変動パターンを、図4に示す。従って、かような圧力変動パターンが測定された場合は、タイヤに異物が刺さった事の判定が下されることになる。
ここで、一般のチューブ内蔵タイヤの場合、ホィールのリム2とバルブ5との結合部分は完全な気密状態ではないが、本発明では、チューブ3の受傷後も走行能力を保持するのに、タイヤからの気体漏洩を防止するために、リム2とバルブ5との結合部を気密状態とする必要が有る。
ちなみに、一般のチューブ内蔵タイヤの場合に、ホィールのリム2とバルブ5との結合部分を完全な気密状態としないのは、リム組み時に、タイヤとチューブ間の気体を完全に排出し、タイヤ内面とチューブ外面の良好な密着状態を得る為である。しかしながら、かような状態のままでは、チューブが受傷してチューブ内部の気体がチューブ外に移動した場合、リム2とバルブ5間の隙間から気体が漏洩して、走行能力を消失することになる為、本発明では、リム組み後に該当部分の気密性を、例えばシール材などによって確保しておく事が重要である。
また、図5に示す、サイドカット受傷のように、一気にタイヤ内の圧力が消失する場合は、チューブ3の内圧および外圧ともに、急激に低下、例えば乗用車タイヤの場合では約200kPaから約0kPaに低下する。その際のチューブ3内外の圧力変動パターンを、図6に示すように、上述の釘踏み受傷の場合と明らかに判別することが可能となる。
さらに、タイヤの内圧チェックと気体補填を全く行わないと、タイヤの内圧は徐々に減少するが、その際の圧力変動パターンを図7に示す。この場合も、上述の2つの圧力変動パターンとは明確に区別される。
また、安全性を考慮したタイヤとして、タイヤがパンク状態に陥った際に必要とされる距離を安全に継続走行することができる安全タイヤに、本発明の方法を適用する場合について、以下に説明する。
すなわち、この種のタイヤは、図8に示すように、前記チューブ3を内室7および外室8に区画する二重壁構造とし、その内室7内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子9を充填したものである。
かような安全タイヤは、受傷によって内圧が低下したまま継続走行すると、図9(a)に示すように、タイヤ1内の内室7を区画する内壁7aがタイヤ1内面と接触した状態で、しかも荷重が付加されての走行が継続される結果、繰り返しの変形入力が与えられる。すると、この変形入力により内室7内の中空粒子9は相互に擦れ合い摩擦によって自己発熱して、中空粒子9の温度が上昇する。そして、該温度が、中空粒子の熱膨張開始温度Ts2(該樹脂のガラス転移温度に相当する)を超えると、該粒子の殻は軟化し始める。
擦れ合い摩擦により温度上昇した中空粒子の一部は、その膨張開始温度を超え、膨張した中空粒子は、その連続相を構成する樹脂の厚みが減少してガス透過性が増加する結果、図9(b)に示すように、中空粒子の中空部の内包気体が中空粒子の外側の外室8内に放出される。ここで、内壁7aには、例えばリム2のベース側に、中空粒子9から放出された気体のみを選択通過させるフィルター7bが設けられているため、放出気体はこのフィルター7bを介して内室7外のタイヤ内部に供給される。すなわち、中空粒子9からの放出気体によって内室7の内圧は上昇する一方、この内室7の外側のタイヤ内部圧力は傷口10からの気体漏洩によって減少しているため、内室7からの放出気体はフィルター7bを介して低圧の内室7外のタイヤ内部へ流動する。
この放出気体の中空粒子からの放出速度は、タイヤの傷口10からの気体の漏洩速度よりも速い。なぜなら、上記の如く、殆どのパンクは、異物が受傷部に残留した状態なので、タイヤ内空気の漏洩速度は、非常に遅いからである。仮に、異物を故意に除去した場合でも、柔軟なゴムの層が傷口を塞ぐ様に作用する為、タイヤ内空気の漏洩速度は、比較的遅いものである。従って、中空粒子からの気体の放出速度と傷口10からの大気の漏洩速度との差分をもって、図9(c)に示すように、タイヤ内圧を復活させることが可能となる。
ここで、フィルターが無いと、中空粒子から放出された内包気体は内室7内に残留することになり、その気体は、隔壁を拡張させる力を発揮する。かように、中空粒子の体積膨張を上回る速度で隔壁が膨張してしまうと、中空粒子の総嵩体積よりも大きな内容積を持つ中空リングとなってしまう。つまり中空リング内に余分な空間が形成されてしまい、中空粒子は隔壁内をサラサラと自由に移動できる状態となる。この様な状態では、パンク走行によって中空リングに変形入力が加わっても、その力を中空粒子に伝達することは出来ず、従って、十分な復活能力を発揮する事は出来ない。
なお、中空粒子からの放出気体のみを選択的に通過させるフィルター6には、ガラス繊維や、アルミナ系セラミック繊維、ポリエステル繊維およびナイロン繊維のいずれか少なくとも1種からなる耐熱フィルターを用いることが好ましい。なぜなら、熱膨張可能な中空粒子を充填して成る内室7のタイヤ高さ復活メカニズムから、フィルターが高温環境下にさらされる事は避けられないからである。また、その形態は、焼結フィルターや不織布状でも良く、織布でも構わない。更に、中空粒子の膨張開始温度Ts2以上の耐熱性が必要な事は、勿論である。
上記した内圧復活に寄与する中空粒子からの気体の放出は、内室7に対する入力がなくなって中空粒子の温度が熱膨張開始温度Ts2未満になるまで、あるいは、中空粒子内の内圧とタイヤの内圧が平衡に達するまで継続し、内圧を復活させるべく機能する。その後、中空粒子からの気体の放出が停止し、タイヤの傷口10からの気体の漏洩が進むと、再度内圧が低下して図9(a)に示した、タイヤ1内の隔壁3がタイヤ1内面と接触した状態に再び陥ることになる。すると、図9(b)から(c)に示した隔壁3への入力から中空粒子の発熱、そして気体の放出を繰り返されて内圧の復活がはかられる。以上の内圧の低減と内圧の復活を繰り返す過程を経て、パンク状態となった後も必要とされる距離を安全に継続走行することが可能になる。
対照的に、サイドカット等の大きな受傷の場合は、中空粒子かの気体による復活は出来ない。なぜなら、図10(a)ないし(c)に示すように、中空粒子より供給された気体は、上記フィルター8を介して室4外に供給されるが、タイヤ1の大きな傷口10より、タイヤ外へ気体が漏洩してしまう為である。
この時、図10(c)に示す状態において、隔壁3内の中空粒子5同士の擦れ合い摩擦は、スローパンク時よりも長く継続されることにより、中空粒子の大部分で、膨張開始温度を超える温度上昇が起る。その結果、図11(a)に示すように、気体放出ステージから、体積膨張ステージに移行する。次いで、図11(b)に示すように、中空リングの剛性が中空粒子の膨張力に負けて拡張し始め、タイヤ内部を埋め尽くすように膨張した中空粒子その物による、タイヤ高さ復活を達成することになる。
ここで、例えばウレタン樹脂からなる内壁7aは、中空粒子から内包圧が放出されている状態において、内壁7aに大きな変形入力があって破壊した場合について、図12を参照して説明する。すなわち、図12(a)に示すように、内壁7aに変形入力があったことによって内壁7a内の中空粒子9は既に発熱して気体を放出しているために、図12(b)から(c)に示すように、上述と同様のメカニズムにて低下したタイヤ内圧を復活させることが可能である。
また、内壁7aの破壊によってタイヤ1内部に飛散した中空粒子9は、タイヤ1の傷口10を閉塞し、急激なタイヤ内圧力の低下を抑制するのに寄与する。
すなわち、傷口10はタイヤ気室内の気体が漏れ出る流路となるが、その流路長さはタイヤの肉厚分にほぼ相当する。本発明の中空粒子は、上記流路内において『圧密』状態で入り込んで多数の中空粒子によって流路を詰まらせることができる。更に上述した内圧復活機構によりタイヤ気室内の圧力が増加されると、タイヤ骨格に張力が与えられることにより、傷口の内径は絞り込まれるように減少していく。ゆえに傷口内に圧密状態で入り込んだ中空粒子群には、タイヤ気室内の増圧によりタイヤ側から絞り込まれるように圧縮力が働く。ここで、本発明の中空粒子は、中空部圧力が高いために、この圧縮力に対して中空部圧力に起因する反力が発生するため、圧密の度合いを高めることができ、より大きな内径の傷口においても、タイヤ気室内の気体がほとんど漏れ出さない程度まで傷口を閉塞できる。
従って、パンクの原因となった傷口は、瞬時にかつ確実に中空粒子によって塞ぐことが可能である。
以下に、上記した中空粒子を利用した安全タイヤに、本発明の方法を適用した場合について、説明する。この中空粒子を利用した安全タイヤでは、図9ないし12に示した中空粒子機能を発揮させた場合、中空粒子の再使用は難しいことから、その使用を確認することは有意義である。かような観点から、この種安全タイヤへの本発明の適用を詳しく説明する。
上述のチューブ入りタイヤの場合と同様に、タイヤに異物が刺さった場合など、タイヤからのエアー漏洩が非常に緩慢なスローパンクの場合から順に説明する。
このスローパンクの場合は、図13にチューブ3内外の圧力変動パターンを示すように、前段は図4に示した場合と同様に推移する。そして、内圧の低下を引き金として上述した中空粒子が機能し始めると、同図の後段に示すような、圧力変動パターンが測定される結果、タイヤに異物が刺さった後に内圧低下し、その内圧低下を中空粒子の内圧復活機能によって回復させたとの判定が下されることになる。
また、図5に示したサイドカット受傷のように、一気にタイヤ内の圧力が消失する場合は、図14に示すように、前段は図6に示した場合と同様に推移したのち、内圧の低下を引き金として上述した中空粒子が機能し始めると、図14の後段に示すような、圧力変動パターンが測定される。
さらに、タイヤの内圧チェックと気体補填を全く行わないと、タイヤの内圧は徐々に減少するが、その際の圧力変動パターンは図15に示す通りである。この場合も、極端に内圧が低下した際に中空粒子が機能し、上述の2つの圧力変動パターンとは明確に区別される圧力変動パターンとなる。
その後、タイヤの異常状況に応じた対処を施した後、つまり、釘踏み等の微細な受傷では、タイヤ及びチューブの受傷箇所を塞ぐ処置、更に、サイドカットなどの大受傷では、タイヤ及びチューブの交換処置を施し、通常状態に戻った段階で検知を初期化する事で、より正確な検知手段とすることが出来る。
市販のタイヤチューブに、図1に示したところに従って圧力センサー4を設置し、チューブ3の内圧及び外圧を検出可能とした。圧力の測定データは、無線により1秒間隔で収集した。なお、圧力センサー4には、図2に示した構造に従う試作品を用いた。
・スローパンク評価
サイズ195/45ZR16のタイヤを6.5J-16のホィールに組み込む際に、上記タイヤチューブ3を装填して釘踏み検出用のタイヤとし、人工的に釘を打ち込んで、チューブ内外圧の推移をモニターしたところ、図4に示した圧力変動パターンが得られた。なお、刺した釘は、市販品の2.8mmφ×50mmである。
図4から明らかなように、タイヤからのエアー漏洩が殆ど無いレベルの受傷、いわゆるスローパンクチャーでも、容易に検出可能であった。
・サドンデス評価
同様の手順にて作製した釘踏み検出タイヤの、サイドウォール部分にカッターナイフで切れ込みを入れ、サイドカット受傷と同じ状況を人為的に作り出した場合の、チューブ内外圧の推移を図6に示した。
同図から明らかなように、タイヤ内の圧力を全て消失してしまうような大受傷は、上記のスローパンクチャーとは全く異なる挙動を示す為、パンクの形態毎に異なる警報を発することが可能である。
二重壁構造としたタイヤチューブに、図8に示したところに従って圧力センサー4を設置し、チューブ3の内圧及び外圧を検出可能とした。この場合も、圧力の測定データは、無線により1秒間隔で収集した。そして、得られた圧力の変動パターンを分類して、その分類に従って車の計器板上の警告燈にて表示するシステムを構築した。上述の図13ないし15に示した各種の圧力変動パターンに対応して警告燈表示した事例を、図16ないし18に示す。
本発明が対象とするタイヤの幅方向断面図である。 本発明で用いる圧力センサーの一例を示す図である。 釘踏み時の気体漏洩を示す図である。 釘踏み時の圧力変動パターンを示す図である。 サイドカット時の気体漏洩を示す図である。 サイドカット時の圧力変動パターンを示す図である。 気体の自然漏洩時の圧力変動パターンを示す図である。 本発明が対象とする安全タイヤの幅方向断面図である。 安全タイヤの内圧復活を示す図である。 安全タイヤの内圧復活を示す図である。 サイドカット時の内圧減少を示す図である。 安全タイヤの内圧復活を示す図である。 安全タイヤにおける釘踏み時の気体漏洩を示す図である。 安全タイヤにおけるサイドカット時の気体漏洩を示す図である。 安全タイヤにおける気体の自然漏洩時の気体漏洩を示す図である。 安全タイヤにおける釘踏み時の圧力変動パターンに基づく警告燈の表示を示す図である。 安全タイヤにおけるサイドカット時の圧力変動パターンに基づく警告燈の表示を示す図である。 安全タイヤにおける気体の自然漏洩時の圧力変動パターンに基づく警告燈の表示を示す図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 リム
3 チューブ
4 圧力センサー
4a 外圧センサー
4b 内圧センサー
7 内室
7a 内壁
7b フィルター
8 外室
9 中空粒子
10 受傷

Claims (5)

  1. タイヤをリムに装着し、該タイヤの内側にチューブを配置したタイヤとリムとの組立体であって、該チューブは内室および外室に区画する二重壁構造を有し、該内室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を充填し、該チューブの内側と外側の圧力を測定するセンサーを、該チューブの外壁に設け、かつ該チューブの内室とチューブの外側とを隔てる壁部分に、中空粒子が熱膨張した際に放出する気体のみを選択通過させるフィルターを設けたことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
  2. 前記チューブ内に気体を導入するバルブをリムに気密下で装着した請求項1に記載のタイヤとリムとの組立体。
  3. タイヤをリムに装着し、該タイヤの内側にチューブを配置し、該チューブは内室および外室に区画する二重壁構造を有し、該内室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を充填し、該チューブの外壁にセンサーを設け、かつ該チューブの内室とチューブの外側とを隔てる壁部分に、中空粒子が熱膨張した際に放出する気体のみを選択通過させるフィルターを設けた、タイヤとリムとの組立体について、該チューブに設けたセンサーを用いて、チューブの内側と外側の圧力変動を測定し、該測定結果に基づいてタイヤの異常状況をその種類毎に検知することを特徴とするタイヤとリムとの組立体の異常状況判別方法。
  4. タイヤをリムに装着し、該タイヤの内側にチューブを配置し、該チューブは内室および外室に区画する二重壁構造を有し、該内室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を充填し、該チューブの外壁にセンサーを設け、かつ該チューブの内室とチューブの外側とを隔てる壁部分に、中空粒子が熱膨張した際に放出する気体のみを選択通過させるフィルターを設けた、タイヤとリムとの組立体について、該チューブに設けたセンサーを用いて、チューブの外室内とチューブの外側の圧力を測定し、該測定結果に基づいてタイヤの異常状況並びに中空粒子の膨張をその種類毎に検知することを特徴とするタイヤとリムとの組立体の異常状況判別方法。
  5. タイヤの異常状況に応じた対処を経たのち、検知を初期化する請求項3または4に記載のタイヤとリムとの組立体の異常状況判別方法。
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