JP4840812B2 - 透水試験機および透水試験方法 - Google Patents
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Description
近年、放射性廃棄物を地層処分、つまり、地中の岩盤等に埋設して処分することが検討されている。かかる岩盤中に放射性廃棄物を処分する場合、最終的な防御壁は地下水を含む岩盤となる。なぜなら、放射性廃棄物から核種が最終防御壁である岩盤まで漏洩しても、岩盤中の水の移動が緩慢であれば漏洩核種が生態圏まで到達するまでに放射性レベルが低下し、生物種へ影響を与えるという危険性が低下するからである。しかしながら、岩盤に亀裂が発生する、あるいは既に岩盤中に存在していた亀裂が成長すると、岩盤基質部が低透水性物質であっても、こうした亀裂を介して水が拡散する可能性がある。そこで、どのぐらいの期間でどの程度岩盤から水がしみ出すかを把握する必要があるが、かかる水のしみ出しを評価するには、100年後、1000年後、そして10000年後における岩盤の透水性やその経年変化を把握しなければならない。
本発明は、かかる岩盤などを構成する人工岩石や天然岩石、ダム底あるいは堰堤における岩盤、原子力発電所等の建築物に使用される材料の透水性やその経年の変化を把握するための透水試験機および透水試験方法に関する。
特許文献1の試験装置は、ドーナッツ状の圧密リング内に試験体を配置した状態で、圧密リング内の試験体を軸方向から加圧体によって加圧し、加圧方向から土砂等に加圧水を供給して、加圧方向における透水性を測定するものである。
しかも、特許文献1の装置では、加圧体および濾過板によって試験体の上下両面は平面に維持されるように構成されており、また、試験体の側面は圧密リングの内面と接しておりその法線方向における移動変形ができない。したがって、特許文献1の装置では、試験体を圧縮することはできても不連続面を発生させることはできないのであるから、不連続面の発生による透水性の変化や、不連続面の成長に伴う透水性の変化を確認することはできない。
しかし、科学的には、試験体の全ての面に同じ加圧力が加わる、つまり、試験体に静水圧が作用しても、材料は破壊には至らないことが知られている。すると、特許文献2の装置では、試験体の全ての面に同じ加圧力が加わるように構成されているので、既に存在する不連続面を閉塞させることはできても不連続面を成長させることは困難である。
また、特許文献2の装置では、全方向から同じ圧力で圧縮する(静水圧を作用する)ことしかできないし、しかも、試験体の全ての面が鋼板等の剛性の高い加圧板によって囲まれており試験体の全ての面はその変形が固定されている。すると、特許文献2の装置では、試験体中に新たな不連続面を発生させたり、既に存在する不連続面を成長させたりすること自体が非常に難しい。
したがって、特許文献2の装置を使用しても、亀裂の発生による透水性の変化や、亀裂の成長に伴う透水性の変化を確認することは非常に困難である。
第2発明の透水試験機は、第1発明において、前記圧縮手段は、前記被加圧体に発生するひずみに基づいて圧縮力を制御するものであることを特徴とする。
第3発明の透水試験機は、第1発明において、前記圧縮手段は、前記被加圧体の一対の圧縮面を、その法線方向の変形を制御した状態で保持しつつ、その面の法線方向に沿って圧縮するように構成されていることを特徴とする。
第4発明の透水試験機は、第1発明において、前記圧縮手段は、前記被加圧体の一対の圧縮面のうち、一方の圧縮面をその法線方向の変形を制御した状態で保持しつつ、他方の圧縮面における一部の領域を押圧するように構成されていることを特徴とする。
第5発明の透水試験機は、第1発明において、前記被加圧体における前記一対の拘束面および前記一対の圧縮面と異なる一対の加圧面を、その法線方向の変形を非拘束の状態で保持しつつ、その法線方向に沿って加圧する加圧手段を備えていることを特徴とする。
第6発明の透水試験機は、第5発明において、前記加圧手段は、前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮している間、該被加圧体における一対の加圧面に加わる圧力が一定圧力となるように調整されていることを特徴とする。
第7発明の透水試験機は、第1発明において、前記収容部材と前記試験体との間に、両者の間を液密に密封する密封材が設けられていることを特徴とする。
第8発明の透水試験機は、第1発明において、前記透水手段は、前記被加圧体における前記収容部材と、該被加圧体の一対の拘束面に対応する前記試験体の面との間に、該試験体の面内における水頭が均一になるように調整する水頭調整部材を備えていることを特徴とする。
第9発明の透水試験方法は、第1発明の透水試験機において、前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮したときにおいて、前記一対の拘束面に加わる圧力が、該圧縮手段から前記一対の圧縮面に加わる圧力よりも小さくなるように、前記圧縮手段から前記被加圧体に対して加わる圧力を調整することを特徴とする。
第10発明の透水試験方法は、第5発明の透水試験機において、前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮したときにおいて、前記一対の拘束面に加わる圧力が、該圧縮手段から前記一対の圧縮面に加わる圧力よりも小さく、前記加圧手段から前記一対の加圧面に加わる圧力よりも大きくなるように、前記圧縮手段から前記被加圧体に対して加わる圧力、および、前記加圧手段から前記被加圧体に対して加わる圧力を調整することを特徴とする。
第11発明の透水試験方法は、第9または第10発明の透水試験機において、前記試験体は、互いに平行な一対の面間を貫通する貫通部が形成されており、該一対の面と対応する前記被加圧体における一対の面が、前記拘束面となるように収容部材に収容されていることを特徴とする。
第2発明によれば、圧縮力をひずみに基づいて制御しているから、不連続面が発生したときに、試験体の破壊が急激に進行することを防ぐことができる。このため、不連続面が発生した後、不連続面を徐々に成長させることが可能となるから、不連続面の成長による透水性の変化を時間連続的に把握することができる。
第3発明によれば、圧縮面におけるその法線方向の変形が制御されているから、加圧体に載荷した圧力を被加圧体全体に均等に載荷することができる。よって、被加圧体に偏差的な応力が発生することを防ぐことができるから、不連続面の発生する位置をコントロールすることができる。
第4発明によれば、他方の圧縮面の一部に強い圧縮力が加わった場合における不連続面の発生を再現できるので、かかる場合における透水性の変化を把握することができる。
第5発明によれば、加圧面の法線方向の変形が非拘束、つまり、加圧面の法線方向の変形が自由であるから、不連続面の発生やその成長による試験体の変形を妨げない。しかも、ある程度の加圧力を加圧面に加えることができるから、試験体が脆性的に破壊することを防ぐことができ、安定的に不連続面を進展させることができる。
第6発明によれば、圧縮手段による圧縮力を把握するだけで実験条件を所望の状況に変化させることができるので、試験を容易かつ正確に行うことができる。
第7発明によれば、密封材により、収容部材と試験体との間を通って水が流れること防ぐことができるから、不連続面が形成されたときに、その不連続面が透水性に与える影響を正確に把握することができる。
第8発明によれば、水頭調整部材を設けることによって試験体に供給される水の流れを安定にすることができるから、試験の再現性などを高めることが可能となる。
第9発明によれば、圧縮手段によって圧縮されたときに、拘束面に加わる圧力が、圧縮面に加わる圧力よりも小さくなるように調整されており、しかも、拘束面は変形が固定されているから、亀裂等の不連続面は、常に、一対の拘束面間を貫通するように形成される。すると、不連続面を、試験体に対して水を供給する方向と常に平行になるように形成させることができるので、不連続面の発生に起因する透水性の変化を正確に把握することができる。
第10発明によれば、圧縮手段によって圧縮されたときに、拘束面に加わる圧力が、圧縮面に加わる圧力よりも小さくかつ加圧面に加わる圧力よりも大きくなるように調整されている。しかも、圧縮面で変位が制御され、さらに拘束面は変形が固定されているから、亀裂等の不連続面は、常に、一対の加圧面間を繋ぎ、かつ、一対の拘束面間を貫通するように形成される。すると、試験体に対して水を供給する方向と不連続面とが常に平行になるので、不連続面の発生に起因する透水性の変化を正確に把握することができる。そして、加圧面はその法線方向の変形が自由であるから、亀裂等の不連続面の発生やその成長による試験体の変形を妨げない。よって、圧縮量を変化させて試験体の変形を大きくすれば不連続面を成長させることも可能であるから、亀裂等の不連続面の成長による透水性の変化を時間連続的に把握することができる。
第11発明によれば、貫通部が存在する場合における不連続面の発生成長を実現できるので、その不連続面の発生成長に起因する透水性の変化を確認することができる。
本実施形態の透水試験機は、岩石、砂礫、粘土と言った地盤材料やコンクリートといったセメント系材料等の試験体の透水性を測定する装置であって、平面ひずみ圧縮試験を行うことによって、平面ひずみ試験体の所定の方向に沿って亀裂等の不連続面を発生させ、その不連続面が透水性に与える影響を把握できるようにしたことに特徴を有している。
なお、試験体EMは、上記のごとき6面体であれば、その内部に亀裂等の欠陥が存在していてもよい。例えば、互いに平行な一対の面(例えば、面B、B´)間を貫くような不連続面や貫通孔等が存在しているものでもよい。
とくに、図5に示すように、一対の面C,C´に対しても圧力P3を加え、かつ、各面に加える圧力の大きさが、P1>P2>P3となるようにすると、試験体EMはせん断破壊し、不連続面が面Cから面C´に向かって斜めに形成される。そして、この不連続面も面B,B´を貫くように形成される。
つまり、試験体EMの各面に加える圧力の大きさが所定の状態となるように調整すれば、試験体EMに発生する不連続面の発生する方向を制御することができるのである。
なお、試験体EMに亀裂等の欠陥が存在している場合には、試験体EMを加圧して既存の欠陥の成長を制御し、新しい不連続面の発生方向を制御することも可能である。
図1および図2において符号1は、本実施形態の透水試験機10によって実際に加圧される被加圧体を示している。
図2に示すように、被加圧体1は、試験体EMを収容部材2内に収容したものであり、試験体EMは収容部材2によって外部から液密に密封されている。図1でいえば、被加圧体1を透水試験機10に取り付けた状態において、耐圧容器11の中空空間11hから液密に隔離されるように、試験体EMは収容部材2によって覆われているのである。
収容部材2には、例えば、透水性能が極めて低く、かつ,試験体EMを隙間無く包み込むという条件が課せられることから、ゴム類のように極めて大きな伸縮性を有する素材、例えばジオメンブレン等が使用される。この収容部材2は伸縮性を有しているから、試験体EMの表面には収容部材2が密着した状態、つまり、試験体EMの表面と収容部材2との間に隙間ができない状態となるように試験体EMが収容部材2に収容された被加圧体1を構成することができるのである。
さらになお、試験体EMを覆う収容部材2は一枚である必要はなく、試験体EMを外部から液密に密封できるのであれば、複数枚の収容部材2によって試験体EMを覆ってもよい。とくに、後述する拘束用部材15等のような被加圧体1に接触する部材を収容部材2によって試験体EMとともに覆っておけば、試験体EMを耐圧容器11の中空空間11hから、より確実に液密に隔離することができる。
さらになお、試験体EMを収容部材2内に収容した状態の被加圧体1を透水試験機10に取り付けてもよいし、また、透水試験機10に取り付けるときに試験体EMを収容部材2内に収容するようにしてもよい。
このため、孔2cから水頭調整部材35に対して水が供給されると、水頭調整部材35によって試験体EMにおける一対の面B,B´の面内における水頭が均一になるように調整される。すると、収容部材2の孔2cから水を供給したときに、収容部材2と試験体EMにおける一対の面B,B´との間との間に水の局所的な流れが発生することを防ぐことができるので、一対の面B,B´に供給される水の流れを均一かつ安定な状態とすることができ、再現性の高い実験を確保できる。
図1において、符号11は本実施形態の透水試験機10の耐圧容器を示している。この耐圧容器11は、平坦面に形成された背部12aおよび円筒状の胴部12bからなる収容体12と、この収容体12の前面に取り付けられる蓋体13とから構成されている。そして、耐圧容器11は、蓋体13を収容体12に取り付けると、両者の間に外部から液密に密閉された中空空間11hが形成されるように構成されている。この耐圧容器11は、例えば、ステンレスやCr‐Mo鋼等のように試験体EMよりも剛性が高い材料によって形成されており、背部12aの内面は平坦な面に形成されている。
なお、背部12aには、透水手段30の流量検出部33に連通された排水孔12cが形成されているが、詳細は後述する。
このため、前記被加圧体1をテーブル11tに載せれば、被加圧体1を、その直交する2面がテーブル11tの上面と収容体12の背部12aの両方に面接触した状態となるように設置することができる。
耐圧容器11内には、拘束用部材15の移動を固定する固定用部材が設けられている。この固定用部材は、拘束用部材15の背面を背部12a内面と平行を保った状態でその移動を固定できるように構成されている。
しかも、被加圧体1に接触している部材、つまり、収容体12、テーブル11tおよび拘束用部材15は全て移動が固定されており、また、試験体EMよりも剛性が高い材料によって形成されているから、被加圧体1の圧縮面1A´、一対の拘束面1B,1B´はその法線方向の移動及び変形が固定されるのである。
上記の拘束用部材15、収容体12の背部12aおよび固定用部材が、特許請求の範囲における拘束手段に相当する。
なお、実際の透水試験を行う際には、拘束用部材15と収容体12の背部12aとの間に被加圧体1が配置されるので、拘束用部材15をネジ軸の軸方向の前後からナットで挟まなくてもよい。つまり、被加圧体1が存在する場合、収容体12の背部12aに向かう方向への拘束用部材15の移動は被加圧体1によって制限される。すると、収容体12の背部12aから離れる方向に拘束用部材15が移動しないようにナットを締め付けるだけで、拘束用部材15の移動を固定することができる。
なお、固定用部材は上記のごとき構成に限られず、拘束用部材15を収容体12の背部12aに向けて接近離間させることができ、かつ、所定の位置で拘束用部材15の移動を固定できるものであればよく、例えば、シリンダ等も採用することができる。
また、この圧縮用部材21は、その下面がテーブル11tの上面と平行となるように圧縮手段20の圧縮力発生機22に取り付けられている。この圧縮力発生機22は、例えば、油圧シリンダであり、圧縮用部材21の下面をテーブル11tの上面と平行に保ったまま、圧縮用部材21をテーブル11tの上面の法線方向に沿って移動させることができるように構成されている。
そして、圧縮用部材21と圧縮力発生機22との間には、一般にロードセルのように圧縮力発生機22から圧縮用部材21に加えられる圧力や、被加圧体1のひずみを検出することができる検出機23が設けられている。
具体的には、圧縮力発生機22を制御して、被加圧体1に加える圧力を、被加圧体1に発生するひずみが一定となるように調整したり、被加圧体1に対して一定の圧力が加わるように調整したりすることができるのである。とくに、被加圧体1に加える圧力を被加圧体1に発生するひずみが一定となるように調整した場合には、被加圧体1に不連続面が発生したときに、不連続面が急激に成長することを防ぐことができ、不連続面を徐々に成長させることができる。
このため、被加圧体1を拘束用部材15と収容体12の背部12aとの間に挟んだ状態でも、圧縮用部材21を拘束用部材15と収容体12の背部12aとの間を移動させてテーブル11tに対して接近させることができるから、圧縮手段20によって被加圧体1を圧縮することができるのである。
なお、被加圧体1の圧縮面1Aの法線方向の変形を制御した状態で移動させるとは、圧縮面1Aを平面に維持したまま移動させることを意味している。
このため、液体供給手段41から中空空間11h内に流体を供給し流体で充満させ、中空空間11h内を所定の圧力まで上昇させれば、流体から被加圧体1に所定の圧力を加えることができるのである。
そして、被加圧体1が、上述した拘束用部材15と収容体12の背部12aとの間に挟まれ、かつ圧縮用部材21とテーブル11tとの間に挟まれている状態では、一対の加圧面1C,1C´にのみ所定の圧力が加わることになる。しかも、被加圧体1の一対の加圧面1C,1C´は中空空間11h内の水としか接触しないので、一対の加圧面1C,1C´はその法線方向に自由に移動及び変形できる状態で保持される。
一方、給水孔15cの他端は、ソケット32aおよび配管32を介して流体供給部31に接続されている。この流体供給部31は所定の圧力を有する水を供給することができるものである。
一方、排水孔12cの他端は、ソケット34aおよび配管34を介して流量検出部33に接続されている。この流量検出部33は、配管34から供給される流体の流量、言い換えれば、試験体EMから排出される流体の流量を測定するものである。
すると、試験体EMにおける一対の拘束面1B,1B´を透過する液体の流量を流量検出部33によって測定できるから、試験体EMの透水性を測定することができる。
さらになお、配管32および配管34はバキュームポンプに着脱可能に設けられているので、バキュームポンプによって配管32や水頭調整部材35等の内部および配管34や水頭調整部材35等の内部を真空状態にすることができ、これらの内部を真空状態に保たってから水を満たすように構成されている。このため、配管32や水頭調整部材35等の内部および配管34や水頭調整部材35等内に気泡などが存在しないように水を満たすことができるから、試験体EMの透水性を正確に測定することができる。
まず、耐圧容器11の収容体12に設けられているテーブル11t上に、被加圧体1を配置する。このとき、被加圧体1は、その圧縮面1A´がテーブル11tの上面に接触し、その拘束面1B´が収容体12の背部12aに面接触するように配置する。このとき、排水孔12cとと被加圧体1の面1B´の孔2cとが対応するように被加圧体1を配置する。
同時に、流体を供給しながら圧縮力発生機22によって圧縮用部材21を移動させて被加圧体1を圧縮する。このとき、圧縮力発生機22および液体供給手段41を調整し、被加圧体1の一対の拘束面1B,1B´に加わる圧力の大きさが、圧縮面1Aに加える圧力より小さく、一対の加圧面1C,1C´に加わる液圧よりも大きくなるようにする。
このとき、被加圧体1は圧縮され変形するのであるが、被加圧体1における一対の拘束面1B,1B´はその法線方向の移動及び変形が拘束用部材15および背部12aによって拘束されているから、被加圧体1の圧縮面1Aに加える圧力の上昇に伴って一対の拘束面1B,1B´に加わる圧力は大きくなる。つまり、一対の拘束面1B,1B´を加圧する加圧手段を設けなくても、圧縮面1Aが加圧されれば、一対の拘束面1B,1B´に加圧力が加わるのである。
つまり、圧縮面1Aに加える圧力を上昇させると、一対の圧縮面1A,1A´に加わる圧力と一対の拘束面1B,1B´に加わる圧力だけが大きくなり、一対の加圧面1C,1C´に加わる圧力は変化しない。
したがって、圧縮力発生機22から圧縮面1Aに加える圧力を調整するだけで、各面に加わる圧力の大きさのバランスを上記のごとき状態(P1>P2>P3、P3>0)に保ちつつ、被加圧体1を圧縮することができる。
すると、不連続面が形成されたことにより、透水手段30の流体供給部31から試験体EMに供給される水が不連続面の間を流れるようになるから、急激に面B,B´間を流れる水の流量が増加する。つまり、不連続面の発生に起因する試験体EMの透水性の変化を正確に把握することができるのである。
そして、面C,C´に対して加圧力を加えない試験しか行わないのであれば、透水試験機10に加圧手段40を設けなくてもよい。すると、透水試験機10の構造が簡単になるし、耐圧容器11も設ける必要がなくなるので、装置構造を小型軽量化することも可能となる。
2 収容部材
10 透水試験機
20 圧縮手段
30 透水手段
35 水頭調整部材
EM 試験体
Claims (11)
- 直方体に整形された試験体の表面に密着し該試験体を液密に密封した状態となるように覆い被加圧体を形成する、伸縮性を有する収容部材と、
前記被加圧体における互いに対向する一対の拘束面を、その法線方向の移動および変形を固定した状態で保持する拘束手段と、
前記被加圧体における前記一対の拘束面と異なる互いに対向する一対の圧縮面を、その面の法線方向に沿って圧縮する圧縮手段と、
前記被加圧体における一方の前記拘束面に液体を供給し、該被加圧体における他方の拘束面から排出される液体の流量を測定する透水手段とからなり、
前記拘束手段は、
前記一対の拘束面および前記一対の圧縮面と異なる面の法線方向の変形が非拘束の状態となるように、前記被加圧体を保持するものである
ことを特徴とする透水試験機。 - 前記圧縮手段は、
前記被加圧体に発生するひずみに基づいて圧縮力を制御するものである
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。 - 前記圧縮手段は、
前記被加圧体の一対の圧縮面を、その法線方向の変形を制御した状態で保持しつつ、その面の法線方向に沿って圧縮するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。 - 前記圧縮手段は、
前記被加圧体の一対の圧縮面のうち、一方の圧縮面をその法線方向の変形を制御した状態で保持しつつ、他方の圧縮面における一部の領域を押圧するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。 - 前記被加圧体における前記一対の拘束面および前記一対の圧縮面と異なる一対の加圧面を、その法線方向の変形を非拘束の状態で保持しつつ、その法線方向に沿って加圧する加圧手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。 - 前記加圧手段は、
前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮している間、該被加圧体における一対の加圧面に加わる圧力が一定圧力となるように調整されている
ことを特徴とする請求項5記載の透水試験機。 - 前記収容部材と前記試験体との間に、両者の間を液密に密封する密封材が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。 - 前記透水手段は、
前記被加圧体における前記収容部材と、該被加圧体の一対の拘束面に対応する前記試験体の面との間に、該試験体の面内における水頭が均一になるように調整する水頭調整部材を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の透水試験機。 - 請求項1記載の透水試験機において、
前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮したときにおいて、前記一対の拘束面に加わる圧力が、該圧縮手段から前記一対の圧縮面に加わる圧力よりも小さくなるように、前記圧縮手段から前記被加圧体に対して加わる圧力を調整する
ことを特徴とする透水試験方法。 - 請求項5記載の透水試験機において、
前記圧縮手段によって前記被加圧体を圧縮したときにおいて、前記一対の拘束面に加わる圧力が、該圧縮手段から前記一対の圧縮面に加わる圧力よりも小さく、前記加圧手段から前記一対の加圧面に加わる圧力よりも大きくなるように、前記圧縮手段から前記被加圧体に対して加わる圧力、および、前記加圧手段から前記被加圧体に対して加わる圧力を調整する
ことを特徴とする透水試験方法。 - 前記試験体は、
互いに平行な一対の面間を貫通する貫通部が形成されており、
該一対の面と対応する前記被加圧体における一対の面が、前記拘束面となるように収容部材に収容されている
ことを特徴とする請求項9または10記載の透水試験方法。
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