JP4837966B2 - 網膜機能計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼底を撮影して網膜の機能を計測する装置に関する。
従来、網膜機能を非侵襲的に画像化する装置が知られている。この装置は網膜を照明する照明手段と、網膜の機能応答を誘導する刺激光を照射する網膜刺激照明手段とを有し、刺激光を網膜に照射する前後の網膜画像の状態に基づいて網膜機能を計測し、画像化して評価しようとするものである(特許文献1参照)。
特表2002−521115号
上述したような網膜の機能を計測する装置は、刺激光を照射する前の網膜画像の明るさに対する照射後の網膜画像の明るさの変化を読み取るものであるため、刺激光照射の前後で、固視状態を維持することが重要である。固視灯を設けるには、装置に固視灯用の光学系を組み込めばよいが、部品点数の増加につながる。
本発明は、上記問題点に鑑み、固視誘導専用の光学系を設けることなく、装置自体を簡単な構成とし、固視誘導を行うことのできる網膜機能計測装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 照明光となるレーザ光を眼底の観察面に集光させるための光学部材と眼底に対して前記レーザ光を2次元的に走査する走査手段とを有する照明光照射光学系と、前記レーザ光と異なる波長であって互いに異なる波長の光束を発する光源を複数有し,該複数の光源からの前記光束を単独で,または合成して刺激光として出射させ、前記走査手段を介して前記眼底に対して2次元的に照射して網膜を構成する細胞を刺激するための刺激光照射光学系と、少なくとも前記刺激光の照射前において前記刺激光照射光学系の光源からの光束を前記走査手段の駆動と同期させて間欠的に被検眼に向けて出射させることにより、被検眼の固視誘導を行う固視灯を形成させる固視灯形成手段と、前記眼底に前記照明光となるレーザ光が照射された状態にて前記刺激光の照射前及び照射後の前記眼底の反射光を受光し眼底画像を得る眼底画像取得手段と、該眼底画像取得手段により得られた前記刺激光の照射前及び照射後の前記眼底画像を演算処理して網膜機能の変化情報を取得する演算処理手段と、該演算処理手段により得られた前記網膜機能の変化情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の網膜機能計測装置において、前記固視灯形成手段によって形成される固視灯の色は前記刺激光と異なる色であることを特徴とする。
(3) (2)の網膜機能計測装置において、前記固視灯は前記刺激光の反対色で構成されることを特徴とする。
(4) (1)の網膜機能計測装置は、前記刺激光照射光学系により照射する前記刺激光又は前記固視灯を出射させる光源を選択するための選択手段を備えることを特徴とする。

本発明によれば、固視誘導専用の光学系を設けることなく、装置自体を簡単な構成とし、固視誘導を行うことができる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本実施の形態の眼底撮影装置の光学系を示した図である。
1はレーザ光を発する光源であり、本実施形態では赤外域のレーザ光を発する半導体レーザを用いている。本実施形態で用いる光源1(半導体レーザ)は、780nm以上1000nm以下の波長の赤外光を発するものとしている。2は中央に開口部を有する穴開きミラー、3はレンズである。4及び5はミラーであり、図1に示す矢印方向に移動可能とされ、光路長を変化させることによりフォーカス合せ(視度補正)を行うことができる。6、8及び10は凹面ミラーである。7はレーザ光を被検眼眼底にて水平方向に偏向させ走査するための走査手段となるポリゴンミラー、9はポリゴンミラー7による走査方向に対して直角方向(垂直方向)にレーザ光を偏向させ走査するための走査手段となるガルバノミラーである。
23はダイクロイックミラーであり、光源1と穴開きミラーとの間に置かれている。ダイクロイックミラー23は、可視域の波長のレーザ光を反射し、赤外域の波長のレーザ光を透過する特性を有している。なお、ダイクロイックミラー23は、後述する刺激光及び固視光と光源1から出射する赤外光とを光軸L1上にて同軸(合成)とするための光学部材であり、このような機能を有する合成用光学部材であればこれに限るものではない。例えば、このダイクロイックミラー23に代えてハーフミラーであってもよい。
光源1から出射したレーザ光は、ダイクロイックミラー23を透過した後、穴開きミラー2の開口部を通り、レンズ3を介した後、ミラー4、ミラー5、凹面ミラー6にて反射し、ポリゴンミラー7に向かう。ポリゴンミラー7にて反射された光束は、凹面ミラー8、ガルバノミラー9、凹面ミラー10にて反射した後、被検眼眼底にて集光し、眼底を2次元的に(図示するXY軸方向に)走査する。これらの光学部材によって照明光照射光学系を形成する。
12はレンズであり、13は光軸上にピンホールを有したピンホール板である。レンズ12は被検眼眼底の観察点(撮影点)とピンホール板とを共役な位置に置く。14は集光レンズ、15は赤外域及び可視域に感度を持つ受光素子である。なお、本実施形態の受光素子15には、APD(アバランシェフォトダイオード)を用いている。
被検眼眼底に走査されたレーザ光の反射光は、前述した照明光照射光学系を逆に辿り、穴開きミラー2にて反射し、下方に折り曲げられる。なお、被検眼の瞳位置と穴開きミラー2の開口部とは、レンズ3、凹面ミラー6,8,10により共役となっている。穴開きミラー2にて反射した反射光は、レンズ12を介してピンホール板13のピンホールに焦点を結ぶ。ピンホールにて焦点を結んだ反射光は、集光レンズ14を経て受光素子15に受光される。これらの光学部材により撮影光学系を構成する。撮影光学系により取得された眼底情報は制御部30及び画像処理部33(共に後述する)で2次元画像にされ、眼底画像となる。これら撮影光学系、制御部30、画像処理部33から眼底画像取得手段が構成される。
また、図1に示す20a〜20cは、刺激光及び固視光(固視灯)となる可視域の光を発する光源、21a〜21cはハーフミラー、22a〜22cは音響光学偏光(偏向)器(AOD:Acousto-Optical Deflector)、23はダイクロイックミラーである。本実施形態では、光源20aは赤色(波長670nm程度)のレーザ光を発する半導体レーザ光源、光源20bは緑色(波長530nm程度)のレーザ光を発する半導体レーザ光源、光源20cは青色(波長470nm程度)のレーザ光を発する半導体レーザ光源を各々用いている。音響光学偏光器22a〜22cは、光源20a〜20cとハーフミラー21a〜21cと間に各々配置され、光源20a〜20cから出射される刺激光を通過/遮断するための規制部材の役目を有し、後述する制御部30によって、その駆動が制御される。
音響光学偏光器は音響光学偏光素子で構成され、物質内での音波と光波の相互作用により光の変調や偏向を行うものであり、その制御原理は以下とおりである。音響光学偏光素子の帯域に変換された電気信号が、音響光学偏光器の超音波トランスデューサで超音波に変換され結晶中を伝達するとき、弾性的に変調される屈折率変化が生じる。その音響光学偏光素子にレーザ光を入射すると,この屈折率変化により光の進行方向が曲げられる。音響光学偏光器内のレーザ光の進行方向は音速で変化するため,出射するレーザ光の制御はポリゴンミラー7やガルバノミラー9の駆動に同期させることができる。
各音響光学偏光器22a〜22cをポリゴンミラー7及びガルバノミラー9の駆動に連動(同期)して通過/遮断の動作をさせることにより、刺激光を眼底の所定の領域にパターン形状として照射させたり、照射領域を拡大縮小、或いは照射そのものを断続的に眼底に対して照射させることができる。また本実施形態では、刺激光を出射する光源20a〜20cを固視灯として用いることができ、被検眼の固視誘導を行うことができる。このような音響光学偏光器22a〜22cと制御部30により、刺激光照射光学系により照射する刺激光又は固視灯を出射させる光源20a〜20cを選択するための選択手段が構成される。
次に、刺激光照射光学系の構成を説明する。光源20aを出射した光束(赤色光)は、音響光学偏光器22aを通過した後、ハーフミラー21a、ダイクロイックミラー23にて反射し、照明光照射光学系の光路に導かれる。照明光照射光学系の光路に導かれた光束は、前述した照明用の赤外のレーザ光と同様な経路を経て、被検眼眼底に照射される。また、光源20bを出射した光束(緑色光)は、音響光学偏光器22bを通過した後、ハーフミラー21bにて反射しハーフミラー21aを透過した後、ダイクロイックミラー23にて照明光照射光学系の光路に導かれる。また、光源20cを出射した光束(青色光)は、音響光学偏光器22cを通過した後、ハーフミラー21cにて反射し、ハーフミラー21b、ハーフミラー21aを透過した後、ダイクロイックミラー23にて照明光照射光学系の光路に導かれる。このような光学部材にて刺激光照射光学系が形成される。なお、照明光照射光学系の光路に導かれた刺激光は、被検眼Eの瞳付近に一旦集光し、被検眼Eの眼底に照射され網膜を構成する細胞を刺激する。また、ハーフミラー21a〜21cはダイクロイックミラーに代えてもよい。
次に、固視灯形成光学系の構成、及び固視灯の形成方法を説明する。固視灯形成光学瑛は、前述した刺激光照射光学系を利用し、固視灯を形成するものである。従って、固視光は、刺激光と同じく、光源20a〜20cから出射されるレーザ光を音響光学偏光器22a〜22cにて通過/遮断のさせることにより生成する。例えば、赤色と緑色のレーザ光を混合して黄色とする場合を想定する。
赤色の光源20aと緑色の光源20bのレーザ光出射方向には、それぞれ音響光学偏光器22a、22bが置かれている。各光源20a、20bからレーザ光を出射中に音響光学偏光器22a、22bを共に「通過」状態とさせると、ダイクロイックミラー23に到る光軸上で、赤色と緑色のレーザ光が合成されて、黄色のレーザ光となる。他の波長を合成するパターンの例としては、赤色と青色で紫色、緑色と青色で空色、赤色と青色と緑色で白色が挙げられる。このようにして合成したレーザ光を、ポリゴンミラー7及びガルバノミラー9の駆動による2次元走査に同期させて、各音響光学偏光器22a〜22cを通過/遮蔽の制御を行うことによって、所望する位置に固視光を照射させる(点灯させる)ことができる。このような構成をとることにより、固視光のための光学系を装置内に別に設ける必要がなく、簡単な構成で固視誘導を行うことができる。また、多色にて構成される刺激光照射光学系を固視灯形成光学系に利用することで、固視光の色を簡単に多色にできる。
図2は本実施形態における網膜機能計測装置の制御系を示したブロック図である。30は装置全体の制御を行う制御部である。制御部30には光源1、ポリゴンミラー7、ガルバノミラー9、受光素子15、光源20a〜20c、音響光学偏光器22a〜22c、ミラー4,5を駆動させるための駆動手段31、コントロール部32、受光素子15にて受光した信号を基に被検眼眼底の画像形成や網膜機能を画像化するための画像処理部33(演算処理手段)等が接続される。34はモニタ(表示手段)であり、画像処理部33にて形成した眼底画像が表示される。35は種々の情報を記憶しておくための記憶部である。
図3はコントロール部32の詳細を説明する図である。40は視度補正のために被検眼の屈折力を入力するスイッチが用意された屈折力入力部、41は出射させる刺激光を選択するスイッチが用意された刺激光選択部、42は選択された刺激光を眼底における2次元的な走査によって所定の形状(例えば円形やリング形状、文字形状等)に形成するためのスイッチが用意される形状選択部、43は眼底における2次元的な走査範囲において、その照射領域の拡大縮小を行うためのスイッチが用意される照射領域設定部、44は眼底を撮影するための撮影スイッチ、45は刺激光照射前と照射後における網膜の状態変化を解析するための解析用のスイッチである。46は刺激光の光強度、照射時間等の照射条件を設定する照射条件設定部である。なお、刺激光選択部41では、赤色、緑色、青色のレーザ光(刺激光)の出射を各々個別にて行うための選択はもちろんのこと、他の色(白色や黄色等)からなる刺激光を選択することができる。赤色、緑色、青色以外の色の刺激光は、光の三原色合成の原理に基づいて光源20a〜20cから刺激光を各々出射させておき、音響光学偏光器22a〜22cで通過/遮蔽を制御し、合成させることにより形成する。また、コントロール部32を用いて選択・設定した諸条件は、逐次モニタ34に表示される。50は固視灯点灯用スイッチであり、スイッチ50を押すことで、固視灯の点灯消灯を切り換えできる。また、スイッチ50はランプを内蔵しており、現在選択している固視等灯の色に合わせて点灯し、現在の固視灯の色を検者に知らせる。51は固視灯色選択部である。固視灯色選択部では、赤色、青色、緑色の三原色と、光の三原色を合わせた白色と、光の三原色のそれぞれの中間色である紫色、黄色、空色等が選択できる。52は固視灯位置選択部であり、予め設定された固視灯の位置を順次選択できるようになっている。固視灯の位置は被検者の眼底を検査目的にあわせて観察、誘導できる位置、例えば、光軸中心及び軸中心から径方向に所定距離離れた位置に対して60度ずつ回転した6方向等、とする。
以上のような構成を有する眼底撮影装置において、その動作について説明する。検者は予め被検眼の屈折力を眼屈折力測定装置等にて測定しておき、得られた被検眼の屈折力値をコントロール部32の屈折力入力部40を用いて入力する。制御部30は入力された屈折力データを記憶部35に記憶させるとともに、駆動手段31を用いてミラー4,5を駆動させて視度補正を行う。更に必要に応じて、モニタ34の表示を見て詳細な調整を行う。視度補正が行われた状態にて、検者は図示なきジョイスティック等を用いて装置を駆動させ、被検眼の眼底にレーザ光が照射され所望する画像がモニタ34に表示されるように、アライメントを行う。
また、検者はスイッチ50を用いて、固視灯を点灯し、固視灯の色を固視灯色選択部51を用いて設定し、固視灯の位置を固視灯位置選択部52を用いて設定する。また、検者はコントロール部32の刺激光選択部41、形状選択部42、照射領域設定部43、照射条件設定部46等を用いて、刺激光の諸条件を設定する。なお、ここでは眼底に照射する刺激光の色を青色とし、照射領域及び照射形状は照明光と同じとし、固視灯の色を刺激光の青色と反対色(補色)である黄色とした。検者は被検者にこの黄色の固視光を見るように指示する。
制御部30は、刺激光を出射させる前に、ポリゴンミラー7及びガルバノミラー9を駆動させるとともに、その走査動作に同期させて、音響光学偏光器(ここでは22a,22b)を制御することにより、予め設定した固視灯点灯位置に固視灯を点灯させるようにする。さらに詳しく述べると、制御部30は、光源20a,20bからレーザ光を常時出射させつつ、音響光学偏光器22a,22bを「遮断」状態としておき、設定した固視灯の点灯位置に2次元走査がきた際に、音響光学偏光器22a、22bを「通過」状態とする。音響光学偏光器22a,22bをそれぞれ通過したレーザ光は合成され、黄色の固視光として、被検眼に照射されることとなる。このように走査手段(ポリゴンミラー7,ガルバノミラー9)の走査に同期させて、レーザ光を被検眼に向けて間欠的に出射させることにより、被検眼には所定位置に固視灯が点灯しているように見えることとなる。このときの固視灯は、所定の位置一点での点灯に限るものではない。被検眼に固視灯の形状を認識されるものであればよい。例えば、所定の位置の中心(一点)の周囲でもレーザ光を点灯させて、固視灯を被検眼に認識させる構成としてもよい。このように形成した固視灯を用いて、被検者の固視を誘導する。なお、本実施形態では音響光学偏光器を用いてレーザ光の出射制御を行うものとしているが、これに限るものではなく、光源自体を制御して出射のオン・オフを行うこともできる。
また同時に、制御部30は照明光として光源1から赤外のレーザ光を出射させる。光源1から出射したレーザ光は、図1に示すように、穴開きミラー2の開口部を通過した後、レンズ3を透過し、ミラー4,5、凹面ミラー6にて反射してポリゴンミラー7に向かう。ポリゴンミラー7は一定の速度で回転しており、レーザー光はポリゴンミラー7にて反射され、水平方向に走査される。ポリゴンミラー7にて走査されたレーザ光は、凹面ミラー8にて反射した後、ガルバノミラー9の駆動により、さらに垂直方向(上から下)に走査される。ガルバノミラー9にて反射した赤外のレーザ光は、凹面ミラー10にて反射し、被検眼Eの眼底に集光するとともに眼底上を2次元的に走査して被検眼Eの所定範囲の眼底を照明する。
眼底に集光したレーザ光の反射光は、凹面ミラー10から穴開きミラー2までを逆に辿り、穴開きミラー2にて下方に折り曲げられる。穴開きミラー2にて下方に折り曲げられた反射光束は、レンズ12を介してピンホール板13のピンホールに集光する。ピンホールにて集光した反射光は、レンズ14を介して受光部15にて受光される。
画像処理部33は、眼底からの反射光によって得られる受光部15からの受光信号を画像データとして逐次並べ、モニタ34の表示領域における最上部から横方向に一列に表示していく。ポリゴンミラー7の反射面の1面分の回転移動によって、モニタ34における一列分の画像が得られることとなる。なお、ガルバノミラー9は一定速度にてレーザ光を上から下に向けて走査するように駆動しているため、モニタ34に表示する画像データは実際には多少傾いた一列分の画像となる。
ポリゴンミラー7がさらに回転し、レーザ光が次の反射面にて反射すると、前述同様に制御部30は、次の反射面におけるレーザ光の反射光の受光信号を画像処理部33に送る。画像処理部33は、取得した一列分の画像データを、先に表示した一列分の画像データの一段下の行に並べて表示する。制御部30及び画像処理部33は、このような処理を順次行うことにより、2次元的に走査した被検眼眼底の撮影範囲を一枚の画像としてモニタ34に逐次表示していく。
網膜機能を計測する場合には、所望する位置の眼底像がモニタ34に表示された状態にて、図3に示すコントロール部32の撮影スイッチ44を押す。撮影スイッチ44が押されると、制御部30は刺激光発光前の眼底像を基準眼底画像として記憶部35に記憶させるとともに、光源20cを用いて被検眼Eの眼底に向けて刺激光となる青色のレーザ光を設定した光強度、照射時間にて照射を行う。
被検眼Eの眼底に刺激光が照射されることより、網膜を構成する細胞が刺激され、これに基づく神経細胞の活動が起こる。なお、青色レーザ光による刺激は、網膜における短波長錐体(S錐体)を特に刺激する。このとき、固視灯となっている黄色のレーザ光は照射されないように、制御部30は、音響光学偏光器22a、22bを「遮蔽」状態にさせる。これにより、刺激時に青色のみで被検眼眼底を刺激することになる。なお、刺激光の照射位置が、固視灯の点灯位置に重なっている場合には、制御部30は、固視灯点灯位置を刺激光と同じ色となるように、音響光学偏光器22cが「通過」状態となるようにする。刺激後、制御部30は、再び黄色の固視灯を点灯させ、被検者の固視を維持できるようにする。
このように、刺激光と固視光の色を反対色(補色)とすることにより、刺激後に被検者が固視を維持し易くなる。なお、固視灯の色は刺激光の反対色に限るものではない。被検者が認識し易い色であればよい。また、本実施形態では、刺激光照射時に、固視灯の色を刺激光と同色としているが、これに限るものではない。刺激前後の被検眼眼底に影響がなければ、固視灯を点灯させていてもよい。
以上の説明では、刺激光の色の設定に対して、手動で固視灯の色を設定したが、これに限るものではない。制御部が刺激光の色を設定した信号を受け取り、その信号に基づいて、固視灯の色を刺激光の色の反対色と設定する構成としてもよい。なお、刺激光の色が白色の場合は、固視灯の色を三原色のいずれかとすればよい。
また、赤外のレーザ光(照明光)は、刺激光の照射前後に関係なく連続的に被検眼Eの眼底の所定領域を照明し続けている。制御部30は、さらに刺激光の照射後の眼底画像を撮影して記憶部35に記憶させる。刺激光照射後に撮影する眼底画像は1枚だけでなく、網膜機能の変化が判るように、刺激光照射後、所定の間隔(例えば照射1秒後、2秒後…)にて経時的に眼底画像を撮影、記憶させてもよい。なお、本実施形態では、刺激光照射前の眼底画像取得から刺激光照射後の眼底画像取得まで、自動的に行われるものとしているが、これに限るものではなく、個々の動作を手動にて行うようにすることもできる。
所定の眼底画像を記憶部35に記憶した後、コントロール部32の図示なき解析スイッチ45を押す。解析スイッチ45が押されると、画像処理部33は、記憶部35に記憶された刺激光照射前の眼底画像と照射後の眼底画像とに基づいて、その輝度の差から網膜機能を計測し、その結果をモニタ34に表示する。
被検眼Eの眼底に網膜を刺激する刺激光が照射され、網膜を構成する細胞(錐体)が刺激を受けると、この刺激に伴って神経細胞の活動に変化が起こり、この神経活動が起こった部位の反射光の強度(反射率)が変化する。このため、刺激光照射前後における眼底画像の明るさの変化を読み取ることにより、この神経細胞の活動の変化に起因する内因性の信号変化が得られることとなり、これによって網膜機能を計測できる。
画像処理部33は、網膜機能を計測するにあたって始めに記憶部35に記憶させた刺激光照射前の眼底画像(基準眼底画像)と照射後の眼底画像との位置合せを行う。位置合せは、照射前の眼底画像(基準眼底画像)及び照射後の眼底画像から画像処理により特徴点(例えば、血管形状、乳頭、黄斑部等)を抽出し、両画像を相対的に移動、拡大、縮小等行うようにして両画像の特徴点が最も一致する位置を演算処理により求める。なお、位置合せの方法はこれに限るものではなく、周知の画像処理技術を用いてもよい。
このような照射前と照射後の眼底画像の位置合わせ後、画像処理部33は照射前の眼底画像の明るさに対する照射後の眼底画像の明るさの変化を各画素毎に求める。明るさの変化は差分や比等求めることによって得られる。画像処理部33は、得られた明るさの変化情報を各画素に対応させてモニタ34に表示する。明るさの変化情報としては、濃淡の画像として表示する方法や、差分や比の数値情報、この数値情報を網膜機能を評価するための所定の解析プログラムにより演算処理した情報等によってグラフィックや数値情報として表すことができる。
なお、本実施形態の網膜機能計測装置は、図1に示すように、眼底の観察面とピンホール板13のピンホールとを共焦点とする光学系を形成しているため、被検眼眼底の観察面の限られた領域のみの光がピンホールを通過して受光部15に受光される。したがって、得られる眼底画像はノイズ光が極力抑えられているため、刺激光前後での内因性信号の変化による微小な眼底反射光の明るさの違いを検出することができる。
また、緑色に感度を持つ中波長錐体(M錐体)や、赤色に感度を持つ長波長錐体(L錐体)を刺激したい場合には、刺激光選択41により適宜選択すればよい。さらに、短波長錐体(S錐体)だけでなく、緑色に感度を持つ中波長錐体(M錐体)や、赤色に感度を持つ長波長錐体(L錐体)も同時に刺激したい場合には、刺激光選択部41により白色光を選択しておけばよい。刺激光選択部41により白色光が選択されている場合には、制御部30は光源20a〜20cから赤色、緑色、青色の刺激光を同時に出射させ、RGBの合成によって白色の刺激光を形成し、この白色の刺激光により網膜を構成する細胞を刺激する。また、刺激光に応じて固視灯の色を手動または自動にて適宜変更することも可能である。
このように、本実施形態によれば、短波長、中波長、長波長の光に対して個々に感度を有する細胞を個別または同時に刺激を与えることができるため、網膜機能をより詳細に計測することが可能となる。
また、さらに詳細に網膜機能の計測を行うために、照射領域を限定、或いは所定の照射形状を設定して刺激光を網膜に照射することもできる。この場合には図3に示すコントロール部32の形状選択部42、照射領域設定部43を用いて照射領域、網膜上における照射形状を設定する。制御部30は設定された照射領域、照射形状が得られるように、ポリゴンミラー7及びガルバノミラー9の駆動に連動(同期)させて音響光学偏光器22をオン/オフし、刺激光を透過/遮断させる。このような制御により、ポリゴンミラー7及びガルバノミラー9による眼底上における刺激光の2次元的な走査範囲において、刺激光を部分的に照射させない(所定箇所のみ照射させる)ことができる。
なお、本実施形態では照明光を眼底にて2次元的に走査する走査手段を用いて刺激光を2次元的に走査するものとしているが、これに限るものではなく、刺激光を眼底にて2次元的に走査させるための走査手段を別途設けることもできる。
本実施形態における光学系を示した図である。 本実施形態における制御系を示したブロック図である。 本実施形態におけるコントロール部の詳細を示した図である。
符号の説明
1 光源
2 穴開きミラー
7 ポリゴンミラー
9 ガルバノミラー
10 凹面ミラー
13 ピンホール板
15 受光部
20a〜20c 光源
22、22a〜22c 音響光学偏光器
30 制御部
32 コントロール部
33 画像処理部
34 モニタ


Claims (4)

  1. 照明光となるレーザ光を眼底の観察面に集光させるための光学部材と眼底に対して前記レーザ光を2次元的に走査する走査手段とを有する照明光照射光学系と、前記レーザ光と異なる波長であって互いに異なる波長の光束を発する光源を複数有し,該複数の光源からの前記光束を単独で,または合成して刺激光として出射させ、前記走査手段を介して前記眼底に対して2次元的に照射して網膜を構成する細胞を刺激するための刺激光照射光学系と、少なくとも前記刺激光の照射前において前記刺激光照射光学系の光源からの光束を前記走査手段の駆動と同期させて間欠的に被検眼に向けて出射させることにより、被検眼の固視誘導を行う固視灯を形成させる固視灯形成手段と、前記眼底に前記照明光となるレーザ光が照射された状態にて前記刺激光の照射前及び照射後の前記眼底の反射光を受光し眼底画像を得る眼底画像取得手段と、該眼底画像取得手段により得られた前記刺激光の照射前及び照射後の前記眼底画像を演算処理して網膜機能の変化情報を取得する演算処理手段と、該演算処理手段により得られた前記網膜機能の変化情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする網膜機能計測装置。
  2. 請求項1の網膜機能計測装置において、前記固視灯形成手段によって形成される固視灯の色は前記刺激光と異なる色であることを特徴とする網膜機能計測装置。
  3. 請求項2の網膜機能計測装置において、前記固視灯は前記刺激光の反対色で構成されることを特徴とする網膜機能計測装置。
  4. 請求項1の網膜機能計測装置は、前記刺激光照射光学系により照射する前記刺激光又は前記固視灯を出射させる光源を選択するための選択手段を備えることを特徴とする網膜機能計測装置。
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