JP4837845B2 - 選択的に格納可能な針を有する皮下注射器 - Google Patents

選択的に格納可能な針を有する皮下注射器 Download PDF

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    • A61M5/502Means for blocking the piston or the fluid passageway to prevent illegal refilling of a syringe for blocking the piston

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的な皮下注射器に関するものであり、より具体的には不注意な針の露出や注射器の再使用を実質的に防止する所望の使用後に格納可能である針を含んだ注射器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
皮下注射器は、薬剤の投与および体液の試料を抜き取るために、医療分野において広く使用されている。一般に、皮下注射器は、小瓶の栓または患者の皮膚を突き刺すための鋭利な末端部を有し、固定してあるいは取外し可能に取り付けられる金属製の注射針を有している。皮下注射器および注射針は、使用済みの膨大な数の注射針が考慮されるとき、長年にわたって幾つかの問題を伴なって使用されてきた。ごく最近、体液により伝染されるウイルスが原因の病気の認識、および、注射針や注射器の不適切な廃棄における犯罪的な誤用の低減の必要性と同様に医療従事者を以前に使用された注射針(通常”シャープス”として呼称される)との不注意な接触から守るための必要性ついてのより高い意識により、再使用を防止するための備えを含む注射器および注射針が開発されている。
【0003】
注射針および注射器の再使用を防止することを意図した備えには、広く医療機関で使用されている様々なシャープスの採集システムを含める。他の開発としては、注射器がその意図した使用を終えたとき、専門家により容易に外し得る注射針の付属品がある。様々な密封装置が開発され、いくつか一般に市販されているものがある。シャープスに対する医療従事者の不注意な触れの発生率を低減するこれらの開発は数多くあるが、これらのほとんどの装置は、皮下注射器および注射針を調達したり誤用したりする個人の心構えにより容易に無力にされ得る。この問題の結果として、皮下注射器の技術における更なる開発は、意図した使用が終えたとき、注射器の本体内に引っ込む注射針を備える注射器に帰する。
【0004】
米国特許第4,838,869号は、1回限り使用の格納可能な注射針を開示しており、その注射針は、スプリング付であり、そのシリンジプランジャが完全に押し下げられるとき、自動的に回復できないように皮下注射器内に引き込まれる。それによって、そのプランジャの端部の突起が、スプリング付の注射針を保持しているタブに係合し、引き込みのために注射針を解放する。この特許に開示された設計に伴なう潜在的な問題は、何度も、専門家が薬剤の投与の準備の間、数回、液体を吸い込んだり放出したりしてもよく、この設計によれば、その専門家が不注意でその引込装置を解放できたということである。また、その設計は、大量生産することが大変困難だろう。
【0005】
米国特許第4,900,307号は、注射器および注射針が意図した使用を終えたとき、その注射針をそのハブ内に選択的に引き込むための備えを設けた拡大ハブ付皮下注射針を開示している。この開示された設計は、実質的に引込装置の早まった放出の問題を排除しているが、その拡大ハブは、かなりの送出されない薬剤の停留の原因となる多量の”死空間(デッドボリューム)”有している。加えて、注射針は、送出の後、そのハブに取り付けられるが、内側に注射針を備えるハブが除去された後、その注射器自体は、まだ十分に機能している。
【0006】
米国特許第4,994,034号は、注射針がシリンジプランジャの内腔内に引っ込む格納式の注射針を備える皮下注射システムを開示している。その開示された発明は、ニードルホルダーを弾性のあるフィンガーの保持力に抗し付勢して保持するコイルスプリングを捕らえる弾性のあるフィンガーを備える円筒状のスプリングハウジングを含んでいる。この開示におけるプランジャは、もろい端部を有し、予め所定量の負荷のもとで、弾性のあるフィンガーが係合するとき、残りの内部に向かってテーパのある肩が弾性のあるフィンガーを広げて分離し、そのコイルスプリングが注射針およびそのホルダーをシリンジプランジャの内腔に放出することができる。この開示を利用して製造された注射器は、複雑であり、組み立てが困難であろう。市販製品が、この開示を利用してうまく生産されることはないと考えられる。
【0007】
米国特許第5,019,044号は、ホルダープレートに固定連結され、軸線方向に移動させるためのスプリングにより常に支持された皮下注射針を備える安全な皮下注射器を開示している。そのホルダープレートは、通常、注射のための準備位置でクランプにより保持される。シリンジのプランジャが、その胴部の底面に押圧されるとき、その注射針がそのクランプから解放され、そのスプリングにより押圧されて落下し、また、ゴム製プラグに追従しプランジャの空洞内に押し込まれる。さらにまた、この開示によってもたらされた営業生産品は上手くいかず、生産にとって複雑であり、かなりの送出されることのない死空間を有するように見受けられる。
【0008】
格納式の注射針付の注射器の他の例は、米国特許第5,053,010号に開示されている。その開示されている注射器は、注射器の内容物が押し出された後、プランジャに対する付加的な圧力で注射針を中空のプランジャ内に引き込む。その開示された設計は、その前方の位置から格納位置まで移動する摺動用のエラストマーのシールを組み入れている。それにより、そのプランジャの付加的な前方への移動がその引込み装置を作動させる。この設計に関し報告された問題は、そのシールの柔軟な性質のために、注射において使用する間、そのシールが時期尚早に移動せしめられるというものである。その密封用の部材の剛性を増大させることによりこの問題を克服するという試みは、そのシールの無欠性を損なう。
【0009】
米国特許第5,180,369号は、摺動可能なピストンに固定されたニードルカニューレを有する自己破壊機能を持つシリンジアッセンブリを開示している。その摺動可能なピストンおよび摺動可能なピストンフランジは、圧縮スプリング、ガイドチューブ、シャッターリングによりそのシリンジアッセンブリの胴内に保持されている。そのシリンジアッセンブリのプランジャは、一端にサムフラットを備え、他端に摺動用ガスケット、プランジャシャッタープレート、フックリムを備える中空の細長い管である。その特許は、薬剤が注射されるとき、その細長い中空のプランジャがさらにそのシャッタリング内に押し込まれ、そのシャッタリングが粉々に成る。また、その摺動可能なピストンおよび摺動可能なピストンフランジを粉々になるまでプランジャシャッタープレートに押し込むことができると報告している。
【0010】
そのプランジャシャッタープレートの破砕により、摺動可能なピストンおよびニードルカニューレがスプリングにより中空のプランジャに押し込まれ、従って、そのガイドチューブを再度入れることが防止される。さらにまた、この開示からは、上手くいかない営業生産品がもたらされる。
【0011】
米国特許第5,180,370号は、注射がなされた後、注射針を注射器内に引き込むための内部装置を有する注射器を開示している。開示されている一つの例においては、その注射針が手動でプランジャ上に引き戻されることにより引き込まれる。また、他の例においては、その注射針は、圧縮スプリングにより、そのプランジャ内の中空の部屋に進行せしめられる。この開示により製造された注射器は、製造するためには複雑であり、この開示からは、上手くいかない営業生産品がもたらされる。
【0012】
米国特許第5,188,599号は、そのシリンジプランジャの内腔内に引っ込む注射針を備える皮下注射システムを開示している。引き込まれた注射針は、プランジャ内に保持される。その開示された装置は、弾性のあるフィンガーの保持力に抗してニードルホルダーを付勢保持するもとでスプリングを捕らえる弾性のあるフィンガーを有する円筒形のスプリングハウジングを含んでいる。そのプランジャは、その外側に向かってテーパのある肩がその弾性のあるフィンガーを広げるとき分離するもろい端部を有し、そのコイルスプリングが注射針およびそのホルダーをシリンジプランジャの内腔に放出することができる。その特許は、また、空になった血液採集管に連通させるための両端が同形の注射針を含む体液のサンプルを抽出する装置を開示している。この特許は、また、格納可能な注射針に関するいくつかの古い開示の概説を含んでいる。この特許の開示に基づく営業生産品を製造しようとする試みがなされているが、しかし、今のところまだ、上手くった営業生産品はない。
【0013】
米国特許第5,201,710号は、注射針のクランプ用装置に固定される注射器であって、注射の最後に、注射針が注射器本体内に自動的に格納され得る機構を備えるものを開示している。その開示された装置は、インナーおよびアウターシリンダ、そのアウターシリンダの端部の開口、そのインナーシリンダの端部の第3の開口、およびその第3の開口のための蓋を含んでいる。その開示された装置は,また,ヘッド付の注射針、シール、その蓋に対しその注射針を押圧するための第1のスプリング、および、第2のスプリングにより装着され、注射器に対し外側に向けて保持するとともに注射針を解放するためのクランプ用装置を含んでいる。その蓋には、破裂する前に撓む隔膜があり、また、その隔膜を破裂させるための鋭利な要素がある。また、その注射針が接触可能となることを防止するための蓋があり、また、注射器が使用された後、その第2のシリンダが外側へ移動することを妨げるための栓がある。その説明から明らかなように、この特許により開示されているその装置は、複雑であり、また、組立てる事が難しいだろう。この特許の開示からは、上手くいかない営業生産品がもたらされる。
【0014】
米国特許第5,385,551号は、その機器に摺動可能に取り付けられるプランジャを押し下げることにより格納可能な注射針を有する再使用できない医療機器を開示している。その開示された機器は、注射針に結合されるニードルホルダーを有する正面に取り付けられた引込み装置を含んでいる。そのニードルホルダーは、軸方向に寄せられた摺接面に沿ってそのニードルホルダーに連結され摩擦係合される保持リング部材によりその機器の軸線に沿って支持されている。そのニードルホルダーおよび保持器は、その中空の本体の前部に配置されている。移動可能な部材、即ち、プランジャの前部が、前方に向かって移動できないニードルホルダーの回りを横切る保持部材に対し押圧することによって、その保持器をそのニードルホルダーと分離する。その分離は、その保持部材がニードルホルダーから緩く動くまで摺接部分の大きさを漸減することにより起こる。その結果、そのニードルホルダーおよび注射器が、上述の圧縮スプリングによりそのニードルホルダーに作用される引込力に応じてプランジャ内の空洞に引き込まれる。また、この特許に開示されている装置は,複雑であり,製造することが難しい。また、かなりの送出できない死空間を有するものと見受けられる。この開示から製品を商品化しようとする試みは、不十分な成果しかあがっていない。
【0015】
米国特許第5,407,436号は、使用後自動的に格納される中空の注射針を有する皮下注射器を開示している。その開示された注射器は、プランジャ、サンプルの容器、即ち、薬剤容器のためのメインチャンバーと、ニードルホルダーを付勢するためのスプリングを収容するためのフォワードチャンバーとを有する一体成形の本体と、プランジャの移動の終了により解放され自動的に引き込まれるまで、フォワードチャンバー内に圧縮スプリングでニードルホルダーを保持するための内蔵ラッチ構造とを含んでいる。その特許は、プランジャと本体との間のシールが、ヘッドおよび壁のひずみを起こさせる特大のプランジャヘッドにより達成されるということを開示している。その開示されたスプリングは,フォワードチャンバーのために両端にシールを有している。その特許は、その注射針、そのホルダー、スプリング、およびシールが摺動用のガイドを用いて取付けられ得ることを示唆している。この開示を使用して生産された注射器を使用する場合、注射針の引込みは、プランジャが十分に押下げられることにより協働するラッチと係合するように作動するので、専門家は、液体を満たす間液体を吸い込んだり放出したりするとき、注意する必要があるだろう。その係合は、注射器から液体を放出する行程の最下位で生じる。
【0016】
米国特許第5,769,822号は、それにシール部材を有する中空のプランジャを備える再使用できない注射器を開示している。その胴に対するプランジャおよびシールの位置が、そのプランジャが伸びた位置から使い果たした位置、その後、第3、即ち、縮められた位置に操作されるとき、液体の注射の間、そのプランジャがその装置により作用される圧力を十分な力で伝えることを可能とし、また、そのプランジャの一方の端部に配されるシールが、その胴の内側の部屋内の液体の漏れを少なくするようにプランジャとそのプランジャの外部の回りに配される円筒状の胴との間において最大限のシールの無欠性を有することを可能にする。
【0017】
米国特許第6,010,486号は、プランジャロッド、および、ニードルハブを破壊することにより実質的に注射器の再使用を防止し、加えて注射針をプランジャロッド内に引き込むものである引込み式注射針の注射器を開示している。その開示されている注射器は、プランジャロッドを完全に押し下げ、末端に向けて軸力を作用させるとき、そのインナハブのもろい部分が破砕され、プランジャの先端が外れ、スプリングが、プランジャの内側の部屋を開放するようにカッターを付勢することができるという備えを含んでいる。
【0018】
上述の参照される開示において説明されたほとんどの装置は、いくぶん複雑であり、多くのものが潜在的に難しい組立てまたは厳しい寸法公差の要求を伴なう部品の製造および部品の組立てを要求する。その多くの設計は、シリンジから液体を吸い込み放出するために専門家により注意深く加えられる力に依存している。装置における多数の部品間の寸法公差が製造および組立ての間に慎重に固執されないならば、通常の使用は、注射器の格納機能における時期尚早な作動をもたらす。一般の従来の注射器は、使用者により実質的に故障がなく、信頼できるものであるとみなされている。それらは、”1回限り”の注入および注射などの様々な異なる処置、ならびに、さらに複雑な混合計量、分配目的のために使用される。格納式の注射器がこれらの機能、実用的かつ信頼のある従来の注射器に取って代わるためには、その格納式の注射器が、使用者の従来の行為に対し著しく妨げとなるべきでなく、実質的に信頼のあることが必要であり、それらの価格が法外であるべきでない。現在使用している従来の注射器は、しばしば、1分あたり数百の速度で製造され、それらの価格は、一般にその使用において重要な要素でない。加えて、毎年、何億もの少容量(1ml)の注射器が、糖尿病患者や、しばしば十分の数ミリリットルにすぎない少量を正確に毎日注射しなければならない他の自分自身で注射する者により通常の管理された医療環境外で使用されている。これらの小容量の注射器は、物理的に極めて小さく、5インチ未満の全長で、1/4インチ未満の内径を有するものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述の開示を再検討するに、大量生産を行なう当業者は、1/4インチの内径の孔のような小さな空間内に収容されたそれらの引込み用の要素を備える大部分の比較的複雑な何億もの装置を組立てることは、気力をくじかれる仕事であると認識している。加えて、多くの開示された装置は、注射器内における1以上のタイプのインシュリンの正確な計量、混合、および少量のインシュリンの放出という多くの糖尿病患者の要求を実質的に混乱させる実質的に送出できない”死空間”を有する。従って、選択的に格納可能な注射器に対してある要求は、少容量の注射器に適合し、大量生産が可能であり、年間あたり何億もの量で生産するとき、十分に簡単で使用のとき信頼できるものである。そのような装置は、以下に開示される。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の選択的に格納可能な針を有する皮下注射器は、開放基端及び内側に突出しているショルダーを備えるレシーバーを規定する末端を有する細長いバレルを含む。前記バレルは、前記基端から前記末端まで延在している内表面を備えた、それを通じた中空の孔を有している。本発明の注射器は、開放基端及び閉鎖末端を有する中空の細長いプランジャを有する。前記プランジャは、前記プランジャ内の閉鎖されたキャビティを形成している前記開放基端から前記中空のプランジャ内の末端方向に延在している細長いプラグがある。前記プランジャの前記末端は、液体を引き込んだり放出したりするチャンバーを規定する前記バレルの前記内表面で摺動可能なシールを形成する。注射器は、またそれを通じた通路、末端方向に延在しているステム及び前記バレルと係合するための係合部を備える基端フランジとを有している細長いハブを有する。前記ステムは、前記バレルの前記末端で、前記レシーバー内で滑り移動できるような大きさで配置されている。前記フランジは、その中に溝を有する端面と、前記バレルの前記チャンバーを規定している基面とを有する。本発明の注射器は、それを通じた流路を有する細長い針、鋭利な末端及び基端を有する。前記針は、前記鋭利な末端が末端方向外方に飛び出し、前記流路が、前記バレルの前記チャンバーと流体的に連通しているように前記ハブの前記通路に取り付けられている。注射器は、また前記ハブの前記ステム周りに配置された細長いスプリングであって、前記スプリングは、前記フランジと前記レシーバーの前記内側に突出しているショルダーとの間で偏倚を供給するために圧縮されている。前記細長いスプリングを覆い、前記レシーバー内に適合するような大きさの中空のスリーブがある。前記スリーブは、前記ショルダーに配置された前記末端と前記フランジの前記端面の前記溝内に配置された鋭利なエッジを有する基端とを有する。使用者が、前記プランジャに前記チャンバーから液体を放出するために必要な力よりも十分大きな力を加えるとき、前記ハブは、前記スリーブの前記切断エッジが、前記フランジ及び前記プランジャの前記閉鎖末端を切り取って、プランジャ内の前記キャビティを露出するように前記レシーバー内を十分に末端方向に移動する。プランジャのキャビティが露出したとき、前記スプリングの前記偏倚は、その中に取り付けられた前記針を有する前記ハブの切断部分、前記プランジャの前記末端の切断部分及び前記スリーブを、前記鋭利な末端の不注意な露出が実質的に防止される位置まで、前記プランジャの前記キャビティ内へ十分に移動させる。
【0021】
本発明の注射器は、送出不能な容積が実質的にない従来の注射器とほぼ同等な送出不能な”デッドスペース”容積を有する。本発明の注射器は、従来の注射器のように、少量の薬剤の抽出、計量、混合、送出といった使用に適している。前述の多くの開示された装置と異なり、本発明の注射器は、従来の使用習慣や方法に従う使用者により、不注意で引き込まれることが実質的にない。本発明の注射器は、不注意な作動を避け、注射器内に液体を引き込み混合する場合、従来の注射器よりも実質的により多くの注意を払わなければならない使用者に依存しない。さらに、重要なことは、本発明の注射器は、多くの既存の製造設備を利用する大量自動生産の効率性に適合している。一旦、針が本発明の注射器内に格納されるたならば、ハブフランジが切り取られ、ストッパーが切り取られると、注射器を実質的に使用不能とし、針の先端がいかなるものとも不注意に接触することを防止するので、注射器は機能的に回復し得ない。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、図面で示され、以下に詳細に記述された多くの異なる形態の実施例により十分に満たされているが、本発明の実施例は、開示により、本発明の原理を例示したものとして理解されるべきであり、本発明の範囲を例示された実施例に限定することを意図したものではない。本発明の範囲は、記述された請求項およびこれと同等なものによって判断される。本開示においては、機器の末端とは、患者に最も接近する端であり、機器の基端とは、患者から遠ざかり医療従事者に最も接近した端であるという慣例に従っている。
【0023】
図1乃至図8(B)を参照するに、本発明の選択的に解放可能な針12を有する皮下注射器10は、開放基端16及び内側に突き出たショルダー22を備えるレシーバー20を規定する開放末端18とを有する細長いバレル14を含んでいる。バレル14は、内表面26を備え、そこを通じて基端16から末端18まで延在している中空の孔24を有している。注射器10は、開放基端30と閉鎖末端32を備える中空の細長いプランジャ28を有する。プランジャ内で密閉されたキャビティ36を形成する開放基端30から中空のプランジャ28内の末端方向に延在している細長いプラグ34がある。プランジャ28の末端32は、バレルの内表面26で摺動可能なシール38を形成し、液体を引き込んだり、放出したりするためのチャンバー40を規定する。注射器10は、また、それを通じた通路44と末端方向に延在しているステム46とバレルと係合するための係合部50を備える基部フランジ48とを有している細長いハブ42を有する。ステム46は、バレルの末端18でレシーバー内で滑り移動可能な大きさで配置され、フランジ48は、その中に溝54を有する端面52とバレルのチャンバー40を規定している基面56とを有している。本発明の注射器10は、それを通じた流路60、鋭利な末端62と基端64とを有する細長い針12を有する。針12は、鋭利な末端62が末端方向外方に飛び出し、流路60がバレルのチャンバー40と流体連通しているようにハブ42の通路44に取り付けられる。注射器10は、また、ハブ42のステム46周りに配置され、偏倚を与えるために、フランジ48とレシーバー20の内側に突き出たショルダー22との間で圧縮されたた細長いスプリング66を有する。細長いスプリング66を覆い、レシーバー20内に適合するような大きさである中空のスリーブ68がある。スリーブ68は、ショルダー22に配置された末端70とフランジの端面52の溝54内に配置された鋭利な切断エッジ74を備える基端72とを有する。図6(A)および図6(B)に例示されるように、チャンバー40から液体を放出するのに必要な力よりも十分に大きな力を、使用者がプランジャ28に加えると、ハブ42は、図に示されるように、スリーブ68の切断エッジ74がフランジ48およびプランジャの閉鎖末端32を切り取って、プランジャのキャビティ36を露出するように、レシーバー20内を末端方向に十分に移動する。プランジャのキャビティ36が露出したとき、図7(A)および図7(B)に最もよく示されるように、スプリング66の偏倚は、その中に取り付けられた針12を有するハブの切断部分47、プランジャの末端32の切断部分33およびスリーブ68をプランジャのキャビティ36内の所定の位置まで十分に移動させ、鋭利な末端62の不注意な露出を実質的に防止する。好ましくは、プランジャの閉鎖末端32は、鋭利な端74がフランジおよびプランジャの閉鎖末端を切り取るとき、フランジを所定位置に保持するために、フランジ48の接合テーパと係合するような大きさであり、形状である突起35を含む。
【0024】
図3および図4を参照するに、プランジャ28の摺動可能なシール38は、好ましくは、末端を露出したまま、末端32に近接するプランジャ28の部分を実質的に取り囲む弾性のあるシール部材39により形成される。シール部材39は、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーやこれらの組合せのような弾性材料から形成されてもよい。適切な材料には、分離ガスケット、一つ以上のOリング等が含まれる。好ましくは、シール部材39は、単一の製品としてプランジャ28と一体に成形された弾性のある熱可塑性エラストマーから成形される。プランジャ28は、シール部材39を含んだ単一の製品としてプランジャ28を形成するよう選択された材料とともにうまく射出し得る材料として選択されたシール部材39のために選択された熱可塑性エラストマー材料とともに、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、これらの材料の共重合体等のような熱可塑性材料から、射出成形工程により形成される。
【0025】
図3乃至図7(B)を参照するに、スリーブ68は、好ましくは、基端72に近接する外側の段67を含む。図5乃至図6(B)に最もよく示されるように、針の格納行程が、プランジャ28の末端方向に使用者により十分な力が加えられることにより開始され、鋭利なエッジ74がフランジ48を切り取るとき、外側の段67は、フランジ48の切断部分47のレセプタクルとして機能する。さらに、使用者により、プランジャ28の末端方向に力が加えられると、切断エッジ74は、末端32からの切断部分33によりキャビティ36を露出するようにプランジャ28の末端32を切り取る。一旦、キャビティ36が露出されると、図7(A)および図7(B)に最もよく示されるように、スプリング66は、スリーブ68を切断部分33および47とともに、キャビティ36内へ移動させ、それにより針12は鋭利な末端62が注射器内にあり、実質的に不注意な接触を防止する位置まで引き込まれる。段67により形成されたレセプタクル内に、切断部分33および47を含むことにより、包含された切断部分は実質的にスリーブ68および針12の移動を妨げることができないので、格納の信頼性を助長する。
【0026】
スリーブ68は、好ましくは、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属材料から形成される。好ましくは、スリーブ68は、ステンレス鋼の深絞りにより形成され、その後、研削仕上、砥石仕上、磨き仕上、電気化学処理あるいはこれらの処理の組合せといった二次処理を施され、スリーブの基端72に鋭利な切断エッジ74を生成する。成形後の電気化学処理が、最も好ましい。
【0027】
図4乃至図7(B)を参照するに、中空の孔の内表面26は、好ましくは、その上に、隆起部76とともに係合部50を形成するフランジ48の接合くぼみと連係する隆起部76を含む。係合部50は、ハブ42を、スプリング66がフランジ48とレシーバーのショルダー22との間で圧縮され、針12が外方に飛び出しているバレル内の所定位置に保持する。
【0028】
図9を参照するに、係合部50についての他の好適実施例が例示されている。この実施例においては、中空の孔の内表面は、フランジ48の接合突起79と係合するくぼみ77を含んでいる。この他の実施例においては、接合部77および79もまた、バレル内の所定位置にハブ42を保持するように係合する。
【0029】
図3および図4(B)に戻って、バレル14の基端16は、さらに使用者の注射器の把持を助けるフィンガーグリップ80を含む。加えて、細長いプラグ34は、好ましくは、締り嵌めにより開放プランジャ28内に保持され、外径“y”を有する指圧部82を含む。指圧部82は、チャンバー40から液体を引き込んだり放出したりするための使用者によるプランジャ28の移動を容易にし、針12の格納を開始するための付加的な力をプランジャに加えるために、プランジャ28の基端30に配置されている。フィンガーグリップ80は、また、好ましくは指圧部の外径“y”よりも小さな内径“x”を有する内側突起85を有するカラー84を含む。針12が注射器バレル内に引き込まれるような、チャンバー40から液体を放出するために必要な力よりも大きな力が加えられたとき、指圧部82は、直径“x”と“y”の干渉を超えて末端方向に移動し、実質的にカラー84内に収容され、それにより突起85によりカラー内に実質的に保持される。この時点で、フランジ48およびプランジャの末端32は切り取られ、スプリング66は、針12を注射器内に移動させ、指圧部82は、実質的にカラー84内に保持され、こうして注射器10を実質的に再使用不能とさせる。
【0030】
図10および図11を参照するに、プランジャ28および基端16の別の実施例が例示されている。特定の応用のために好適なこの実施例においては、図1乃至図8(B)の構成要素と同様な機能を有する構成要素は、添字aを付加して示されている。図は、図3のプランジャ28の基部と類似するプランジャ28aの基部および図6に示されるものと類似するバレル14aの基部を示している。この実施例においては、プランジャ28aは、基端部に配置された拡大された直径を有する部分102を含む外表面100を有する。バレルの中空の孔24aは、末端方向に離れたところよりも基端16aで拡大された部分102よりも大きな内径を有する。この拡大された直径は、プランジャ28aを、チャンバー40から液体を引き込んだり放出したりするために、バレル内での基端方向および末端方向への自在な滑り移動を可能とさせる。図4乃至図6(B)に示されるように、格納シーケンスが開始されるようなチャンバー40から液体を放出するのに必要な力よりも十分大きな力が、プランジャ28aに加えられると、拡大部分102は、中空の孔24aの内径と係合し、プランジャ28aのさらなる移動を実質的に妨げ、それによりプランジャ28aをバレル14a内に保持する。この実施例においては、プラグ34aは、プランジャのサムプレスを形成するためのプランジャ28aの部分であるサムプレス83の開口を通じて取り付けられる親指大の押し部82aを含む。この実施例においては、カラー84aは、キャップや使用者によるバレルのチャンバー40からの液体の引き込みや放出を容易にする親指大の押し部82aおよびカラー84aを超えて飛び出している83を受け入れるためだけの役割を果たす。
【0031】
再び、図1および図2を参照するに、注射器10は、好ましくはさらに、レシーバー22と係合し、末端方向に延在する針12を覆うような大きさである取外し可能なシールド88と同様に、カラー84の外表面と係合し、プランジャの指圧部82を覆うような大きさである取外し可能なキャップ86を含む。注射器10は、また、実質的に微生物の進入に十分な抵抗を有する材料で形成されたパッケージ90内に密封され、その中のいかなる微生物も実質的に死滅させる状況に曝されてもよい。キャップ86およびシールド88は、好ましくは、カラー84およびレシーバー20のそれぞれに、もろく取り付けられている。キャップおよびシールドがもろく取り付けられ、注射器10が微生物を実質的に生存させない状況に曝されるとき、使用者は、壊れ易い付着物が破られ、キャップおよびシールドが取り外されるまで注射器は未使用であり、注射器の流路は実質的に微生物がいない状態であると十分に確信することができる。適当な壊れ易い付着物は、限定されるものではないが、ヒートステーキング、レーザー溶接、紙あるいはフィルムラベル等が含まれる。密封されたパッケージ90は、また改変防止表示の機能も果たす。パッケージ90を形成するための適当な材料は、限定されるものではないが、紙、重合フィルム、フォイル、不織布およびそれらの組合せを含む。微生物を生存できなくさせる適当な状況は、限定されるものではないが、ガンマ線、電子ビーム、及び紫外線といった電離放射線やを含み、酸化エチレン、ガス状の過酸化水素等の化学薬品への暴露を含む。注射器10やパッケージ90を形成する材料を選択するとき、選択された材料と選択された殺菌方法との適合性を確保するために殺菌条件の検討がなされる。
【0032】
図8(A)および図8(B)を参照するに、皮下注射器10の組立方法は、中空の孔24を通じ、ピン92が、バレルの基端16を超えて突出する位置までのバレル14の末端18への組立ピン92の挿入を含む。ハブ42は、その後、好ましくは、末端方向に延在し、組立ピン92と軸方向に整列したステム46とともに、棒94に対して真空状態により保持されているフランジ48とともに、組立棒94により捕らえられる。ピン92は、好ましくはステム46と係合するような形状である。スリーブ68は、スプリング66に続いて、組立ピン92に配置され、ステム46が組立ピン92と係合するように、組立棒94が前方に送られる。組立棒94および組立ピン92は、その後、スプリング66が、レシーバーショルダー22および接合隆起部76とフランジ48のくぼみ78との間で形成される係合部50を備えるフランジ48との間で圧縮されるまで、中空の孔24を通じて末端方向に送られる。一旦、係合部50が形成されると、組立ピンおよび組立棒は引き抜かれ、バレル14は、さらなる組立に備える。針12が、末端62が外方に飛び出すように通路44に取り付けられる。プランジャ28は、その後、バレルの基端16に導入され、選択的に格納可能な針を有する注射器の組立を完了すべく末端方向に送られる。
【0033】
本発明の注射器10は、使用者に、ほとんど通常の使用法で実質的に使用可能な選択的に格納可能な針を有する注射器を提供する。前述した特許において開示された多くの機器と異なり、本発明の注射器10は、従来の多くの組立方法や装置と適するので、商業的な成功のために必要な高速で大量な生産に十分適している。加えて、格納機構は簡単で確実なものであるので、注射器10は、約4分の1インチの内径で1ミリリットルの容量のような小さなサイズを容易に製作し得る。本発明の注射器10は、従来の小容量注射器の使用者に、従来の機器とあまり変わらない外観や機能を有する選択的に格納可能な代替品を提供するので、薬剤送達産業における要求に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注射器の部分分解斜視図である。
【図2】パッケージの中でシールされ、組み立てられた図1の注射器の斜視図である。
【図3】図1の注射器の分解斜視図である。
【図4】(A)は、プランジャが部分的に末端方向に引き込まれた直線4−4に沿った図1の皮下注射器の概略断面図であり、(B)は、(A)の断面図の末端部分の拡大図である。
【図5】(A)は、バレルの末端にプランジャがあるときの直線5−5に沿った図1の皮下注射器の概略断面図であり、(B)は、(A)の断面図の末端部分の拡大図である。
【図6】(A)は、針の格納シーケンスを作動させるために、プランジャが末端に移動した図1の皮下注射器の概略断面図であり、(B)は、(A)の断面図の末端部分の拡大図である。
【図7】(A)は、針の格納シーケンスが完了した後の図1の皮下注射器の概略断面図であり、(B)は、(A)の断面図の末端部分の拡大図である。
【図8】(A)は、図1の皮下注射器の組立方法の概略断面図であり、(B)は、(A)の断面図の末端部分の拡大図である。
【図9】図1の皮下注射器の一部の他の実施例の例示である。
【図10】図1の皮下注射器の他の部分の他の実施例の例示である。
【図11】図1の皮下注射器の、図6(A)に類似した断面図の一部における図10の実施例の例示である。
【符号の説明】
10 注射器
12 針
14 バレル
20 レシーバー
22 ショルダー
28 プランジャ
34 プラグ
36 キャビティ
38 シール
40 チャンバー
42 ハブ
44 通路
48 フランジ
66 スプリング
68 スリーブ
74 切断エッジ
86 キャップ
88 シールド
90 パッケージ

Claims (19)

  1. 開放基端及び内側に突出しているショルダーを備えるレシーバーを規定する末端を有する細長いバレルであって、前記バレルは、前記基端から前記末端まで延在している内表面を備えた、それを通じた中空の孔を有している細長いバレルと、
    開放基端及び閉鎖末端を有する中空の細長いプランジャであって、前記プランジャは、前記開放基端から前記中空のプランジャ内の末端方向に延在している細長いプラグを有し、それにより前記プランジャ内の閉鎖されたキャビティを形成し、前記プランジャの前記末端は、液体を引き込んだり放出したりするチャンバーを規定する前記バレルの前記内表面で摺動可能なシールを形成している中空の細長いプランジャと、
    それを通じた通路を有する細長いハブであって、前記ハブは、末端方向に延在しているステムと、前記バレルと係合するための係合部を備える基端フランジとを有し、前記ステムは、前記バレルの前記末端で、前記レシーバー内で滑り移動できるような大きさで配置され、前記フランジは、その中に溝を有する端面と、前記バレルの前記チャンバーを規定している基面とを有する細長いハブと、
    それを通じた流路を有する細長い針であって、前記針は、鋭利な末端と基端を有し、前記針の前記基端が、前記鋭利な末端が末端方向外方に飛び出し、前記流路が、前記バレルの前記チャンバーと流体的に連通しているように前記ハブの前記通路に取り付けられている細長い針と、
    前記ハブの前記ステム周りに配置された細長いスプリングであって、前記スプリングは、前記フランジと前記レシーバーの前記内側に突出しているショルダーとの間で偏倚を供給するために圧縮された細長いスプリングと、
    前記細長いスプリングを覆い、前記レシーバー内に適合するような大きさの中空のスリーブであって、前記スリーブは、前記ショルダーに配置された末端と前記フランジの前記端面の前記溝内に配置された鋭利なエッジを有する基端とを有し、使用者が、前記プランジャに前記チャンバーから液体を放出するために必要な力よりも十分大きな力を加えるとき、前記ハブは、前記スリーブの前記切断エッジが、前記フランジ及び前記プランジャの前記閉鎖末端を切り取り、その中の前記キャビティを露出するように前記レシーバー内を十分に末端方向に移動し、それにより前記スプリングの前記偏倚が、その中に取り付けられた前記針を有する前記ハブの切断部分、前記プランジャの前記末端の切断部分及び前記スリーブを、前記鋭利な末端の不注意な露出が実質的に防止される位置まで、前記プランジャの前記キャビティ内の基端方向へ十分に移動させる中空のスリーブと、
    を備えることを特徴とする選択的に格納可能な針を有する皮下注射器。
  2. 前記プランジャは、さらに末端シール部材を備え、前記シール部材は、前記バレルの前記中空の孔の前記内表面で摺動可能で、ほぼ液密なシールを形成し、前記シール部材は、前記末端を露出させたまま前記プランジャの少なくとも末端部分を実質的に取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載の皮下注射器。
  3. 前記シール部材は、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー及びそれについての組合せからなる群から選択された弾性材料から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の皮下注射器。
  4. 前記プランジャは、熱可塑性材料から形成され、前記シール部材は、融和性及び弾性のある熱可塑性材料から前記プランジャとともに単一の生成品として一体に形成されることを特徴とする請求項3に記載の皮下注射器。
  5. 前記スリーブは、さらに前記基端近傍に外側の段を備え、前記段は、前記カッターの前記プランジャの前記末端への前進を可能とさせる前記フランジの前記切断部分を受け入れる役割を果たし、それにより、前記カッター、前記針を有する前記ハブの前記切断部分及び前記プランジャの前記切断部分の前記キャビティ内への前記基端方向の移動のために、その中の前記キャビティを露出するように前記プランジャの前記末端を切り取ることを容易にし、それにより、前記針の前記末端の不注意な露出を実質的に防止することを特徴とする請求項1に記載の皮下注射器。
  6. 前記スリーブは金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の皮下注射器。
  7. 前記スリーブを形成している金属材料はステンレス鋼であることを特徴とする請求項1又は6に記載の皮下注射器。
  8. 前記スリーブは前記鋭利な基端を生成するための二次処理を施されていることを特徴とする請求項1、6、7のいずれかに記載の皮下注射器。
  9. 前記鋭利な基端を生成するための前記処理は研削仕上、電気化学処理、砥石仕上及びそれについての組合せからなる群から選択されていることを特徴とする請求項1、6〜8のいずれかにに記載の皮下注射器。
  10. 前記スプリングはステンレス鋼を含んだ金属材料から形成されていることを特徴とする請求項1、6〜9のいずれかに記載の皮下注射器。
  11. 前記バレルの前記中空の孔の前記内表面は、その中にくぼみやその上に突起のうちの一つを有し、前記ハブの前記フランジは前記くぼみや前記突起のうちの一つとの接合部を有し、前記スプリングが前記フランジと前記ショルダーとの間で圧縮され、前記ステムが前記バレルの前記末端で前記レシーバー内に配置されたとき、前記接合部が係合し、それにより前記ハブを前記バレル内に保持することを特徴とする請求項1に記載の皮下注射器。
  12. 前記バレルの前記基端は、さらに注射器の使用者による把持を容易にするフィンガーグリップを備え、前記フィンガーグリップは、さらに前記プランジャの前記基端を受け入れるような大きさのカラーを備え、前記チャンバーから液体を放出するために必要な力よりも大きな力が加えられたとき、前記針が前記バレルに格納され、前記プランジャの前記基端が実質的に前記カラーに収容されることを特徴とする請求項1に記載の皮下注射器。
  13. 前記プランジャの前記基端は、さらに外径を有する指圧部を有し、前記指圧部は前記プランジャの移動を容易にする役割を果たし、前記カラーは、前記指圧部と係合し、実質的に前記指圧部を前記カラー内に保持する保持手段を含むことを特徴とする請求項1又は12に記載の皮下注射器。
  14. 前記保持手段は、前記カラーの基部の内側突起を備え、前記突起は、前記指圧部の前記外径よりも小さい内径を有し、それにより締り嵌めを提供し、前記指圧部が、前記チャンバーから液体を放出するために必要な力よりも大きい十分な力で押しこまれたとき、前記指圧部は、前記指圧部と前記突起との間の前記締め代を乗り越え、それにより前記カラーに入りその中に保持されることを特徴とする請求項1、12、13のいずれかに記載の皮下注射器。
  15. さらに前記カラーと取外し可能に係合し、前記プランジャを覆うような大きさであるキャップ及び前記レシーバーと取外し可能に係合し、前記末端方向に延在している針を覆うような大きさであるシールドとを備えることを特徴とする請求項1に記載の皮下注射器。
  16. さらに微生物の通過に十分抗する材料で形成されたパッケージ内に密封され、その中のいかなる微生物も実質的に生存不能とさせる状況に暴露されることを備えることを特徴とする請求項1又は15に記載の皮下注射器。
  17. 前記キャップ及び前記シールドは、もろく取り付けられ、前記キャップ及び前記シールドのいずれも、前記カラー及び前記レシーバーのそれぞれから、前記取り付けを分断させることなく取外すことができず、それにより一旦前記キャップや前記シールドが前記カラーや前記レシーバーに配置されると、意図された使用に先立ってそれらは取外されないという積極的な証拠を医療従事者に提示し、それにより“改変防止表示“及び前記注射器の前記流路内への微生物の通過を実質的に妨げ、前記注射器はその中のいかなる微生物も実質的に生存不能とさせる状況に暴露されることを特徴とする請求項1、15,16のいずれかに記載の皮下注射器。
  18. 格納可能な針を有する注射器の組立方法において、
    開放基端及び内側に突出しているショルダーを備えるレシーバーを規定する末端を有する細長いバレルであって、前記バレルは、前記基端から前記末端まで延在する係合部を有する内表面を備えた、それを通じた中空の孔を有している細長いバレルを設け、
    組立ピンを、前記組立ピンが前記バレルの前記基端を超えて突出する位置まで前記中空の孔を通じて前記バレルの前記末端内に挿入し、
    それを通じた通路を有する細長いハブであって、前記ハブは、末端方向に延在しているステムと、前記バレルの前記係合部との接合係合部を備える基端フランジとを有する細長いハブを設け、
    前記フランジが棒上で開放可能に保持されるように組立棒で前記ハブを確保し、前記ステムが前記組立ピンと軸方向にほぼ整列するように前記組立棒を位置決めし、
    前記組立ピンを覆い、前記レシーバー内に適合するような大きさの中空のスリーブであって、前記スリーブは、末端と鋭利なエッジを有する基端とを有し、前記スリーブの前記末端は、前記レシーバー内に配置されている中空のスリーブを配し、
    前記組立ピンを覆い、前記スリーブ内に適合するような大きさの細長いスプリングを配し、
    前記組立棒を前記延在しているステムが前記組立ピンと接触するまで末端方向に移動し、
    前記組立ピンを末端方向に引き込み、その上に前記ハブを有する前記組立棒を送る間、前記ステムと前記組立ピンとの間の接触を維持し、それにより前記フランジの接合係合部が前記バレルの係合部と係合するまで前記ショルダーと前記フランジとの間で前記スプリングを圧縮し、それにより前記フランジを前記バレル内に保持し、
    前記バレルの前記孔から前記組立棒を引き抜き、
    それを通じた流路を有する細長い針であって、前記針は、鋭利な末端と基端を有し、前記針は、前記鋭利な末端が末端方向外方に飛び出し、前記流路が、前記バレルの前記チャンバーと流体的に連通しているように前記ハブの前記通路に取り付けられている細長い針を取り付け、
    中空の細長いプランジャであって、前記プランジャは、開放基端、閉鎖末端及び前記開放基端から前記中空のプランジャ内の末端方向に延在している細長いプラグを有し、それにより前記プランジャ内の閉鎖されたキャビティを形成し、前記プランジャの前記末端は、液体を引き込んだり放出したりするチャンバーを規定する前記バレルの前記内表面で摺動可能なシールを形成した、中空のプランジャを前記バレルの前記基端に挿入する、それにより前記格納可能な針を有する前記皮下注射器を形成することを備えることを特徴とする格納可能な針を有する皮下注射器の組立方法。
  19. 前記プランジャは、さらに基端部に配置された拡大された外径部分を有する外表面を備え、前記バレルの前記中空の孔は、末端方向に離れたところよりも前記基端で前記拡大された部分よりも大きな内径を有し、これにより前記チャンバーから液体を引き込んだり放出したりするための、前記プランジャの前記バレル内での基端方向及び末端方向への自在な滑り移動を可能とし、前記チャンバーから液体を放出するために必要な力よりも大きい十分な力が前記プランジャに加えられたとき、前記スリーブが前記フランジ及び前記プランジャの末端を切り取り、前記プランジャの前記拡大された部分が前記内径と係合し、前記プランジャのさらなる移動を実質的に妨げ、それにより前記プランジャを前記バレル内で保持することを特徴とする請求項18に記載の方法。
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