JP4835399B2 - 高純度アルミニウム合金材 - Google Patents
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Description
(1)鋳塊材を580℃〜640℃にて3時間以上保持するアニール工程
(2)アニール工程後、200℃以下の温度にて加工率50%〜90%の塑性加工を行う冷間加工工程
(3)冷間加工工程後、580℃〜620℃にて3時間以上保持する再アニール工程
高純度アルミニウムの純度は、上記で求めた高純度アルミニウム中の鉄、銅およびケイ素の含有量の合計(W、質量%)から、式(1)
純度(%)=100−W・・・(1)
により求めた。
塑性加工(圧延)の加工率(%)は、塑性加工前の断面積(S0)と、塑性加工後の断面積(S)とから、式(2)
加工率(%)=(S0−S)/S0 × 100・・・(2)
により求めた。
高純度アルミニウム合金材の化合物相粒子のサイズは、高純度アルミニウム合金材の表面を鏡面研磨し、50℃にて、5%水酸化ナトリウム水溶液〔NaOH濃度5質量%〕に60秒間浸漬することによりエッチングを行い、水洗した後、光学顕微鏡により撮影した撮影倍率500倍の光学顕微鏡写真から、化合物相粒子の面積の数平均値として求めた。サイズのばらつきの指標として、標準偏差を求めた。
化合物相粒子の面積比は、化合物相粒子の占める割合を百分率で求めた。
陽極酸化高純度アルミニウム合金材の陽極酸化皮膜の欠陥は、目視により判定し、欠陥の見られないものを○とし、見られたものを×として評価した。
プラズマエッチングガスによる耐食性は、東京エレクトロン社製プラズマエッチング装置「Unity 2e IEMox」を用いて、各実施例で得た陽極酸化高純度アルミニウム合金材にプラズマ照射して、照射部分の陽極酸化皮膜のくぼみ深さを測定して、エッチング深さとして求めた。エッチング条件は、パワー1500W(上部電極)/1000W(下部電極)、プラズマエッチングガスの照射時間90分とした。エッチングガスとしては、CF4(16容積%)/Ar(80容積%)/O2(4容積%)の混合ガスを合計流量500cm3/分で用いた。
〔高純度アルミニウム合金材の鋳塊材の製造〕
黒鉛製坩堝に、純度99.999質量%で、不可避不純物元素〔珪素、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、クロム、ニッケル、バナジウム、亜鉛およびガリウム〕の合計含有量が0.0006質量%の高純度アルミニウム99質量部を入れ、750℃に加熱して溶融させた。次いで、同温度を維持しながら、金属イットリウム〔(株)三徳、「イットリウム」、純度99.8質量%〕1質量部を加えて、合金溶湯を得た。この合金溶湯を750℃に保持して溶融状態を保ちながら、予め150℃に加熱した黒鉛製鋳型〔内寸法縦38mm×横150mm×高さ200mm〕に流し込み、4℃/秒の冷却速度で室温〔約20℃〕まで冷却して鋳塊材を得た。
上記で得た鋳塊材を幅50mm×長さ100mm×厚み20mmの板状に切り出し、600℃に加熱し、同温度にて5時間保持してアニールを行った。保持後大量の室温の水中に浸漬して冷却した。
上記で得た塑性加工材の両面を0.5mm面削加工して20mm×20mm×2mmの試験片を作製し、50℃の10%水酸化ナトリウム水溶液〔NaOH濃度10質量%〕に3分間浸漬した後、水洗し、さらに室温で25%硝酸水溶液〔HNO3濃度25質量%〕に1分間浸漬して、自然酸化皮膜を除去した。次いで20℃±2℃を維持しながらマロン酸水溶液〔濃度10質量%〕に浸漬し、塑性加工材を陽極として0.02A/cm2〜0.05A/cm2の電流密度で90分間直流電流を流すことにより陽極酸化を行い、次いで加圧水蒸気缶内で0.29MPa〜0.49MPaの水蒸気に40分間接触させることにより封孔処理を行って、陽極酸化高純度アルミニウム合金材の試験片を得た。この陽極酸化高純度アルミニウム合金材の表面に形成されている陽極酸化皮膜の厚みは150μmであり、皮膜に欠陥は見られなかった。
高純度アルミニウムの使用量を97質量部とし、金属イットリウムの使用量を3質量部とした以外は実施例1と同様に操作して、鋳塊材を得、硬質の塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第1表に示す。
高純度アルミニウムの使用量を97質量部とし、実施例1と同様に操作して加工率85%の冷間加工で得た合金材を、次いで600℃に加熱し、同温度を5時間保持して再びアニールしたのち、大量の室温の水中に浸漬することにより10℃/分を超える速度で急冷して、軟質の塑性加工材を得た。この塑性加工材の評価結果を第1表に示す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 実施例2 実施例3
────────────────────────────
含有量〔質量%〕
イットリウム 1 3 3
化合物相粒子
サイズ〔μm2〕 2.8 3.1 3.1
標準偏差 4.7 5.1 3.7
面積比〔%〕 5.6 10.6 9.3
陽極酸化皮膜
厚み〔μm〕 150 158 148
欠陥 ○ ○ ○
耐食性
エッチング深さ〔μm〕 18.1 16.5 14.4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鋳塊材をアニール処理せずに冷間加工した以外は実施例1と同様に操作して硬質の塑性加工材を得た。この塑性加工材の評価結果を第2表に示す。
高純度アルミニウムの使用量を97質量部とし、金属イットリウムの使用量を3質量部とした以外は比較例1と同様に操作して、鋳塊材を得、硬質の塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。皮膜に欠陥が見られた。評価結果を第2表に示す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 比較例2
───────────────────────
組成〔質量%〕
イットリウム 1 3
化合物相粒子
サイズ〔μm2〕 4.4 11.3
標準偏差 18.2 80.6
面積比〔%〕 6.2 19.3
陽極酸化皮膜
厚み〔μm〕 50 50
欠陥 × ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3mm厚さのアルミニウム合金材A6061[JIS H4000]を用いて、両面を0.5mm面削加工して20mm×20mm×2mmの試験片を作製し、
10%水酸化ナトリウム水溶液〔水酸化ナトリウム濃度が質量分率で10%の水溶液〕に50℃で3分間浸漬し、その後水洗し、さらに25%硝酸水溶液〔硝酸濃度が質量分率で25%の水溶液〕に1分間浸漬し、水洗して、表面に自然酸化により形成された酸化皮膜を除去した。次いで0℃±2℃の温度を維持しながら25%硫酸水溶液〔硫酸濃度が質量分率で25%の水溶液〕に浸漬し、圧延材を陽極として0.03A/cm2の電流密度で50分間直流定電流電解して、陽極酸化した。陽極酸化後の圧延材を水洗し、、加圧水蒸気缶内で0.29MPa〜0.49MPaの水蒸気に40分間接触させることにより封孔処理を行って、陽極酸化アルミニウム合金材を得た。この合金材の表面に形成されている陽極酸化皮膜の厚みは51μmであり、皮膜に欠陥は見られなかった。
Claims (5)
- イットリウム含有量が0.5質量%〜9質量%であり、不可避不純元素含有量が0.01質量%以下であって、塑性加工材であることを特徴とする高純度アルミニウム合金材。
- イットリウム含有量が0.5質量%〜9質量%であり、不可避不純元素含有量が0.01質量%以下であって、加熱されて溶融状態にある高純度アルミニウムにイットリウムを添加して合金溶湯を得、得られた合金溶湯を鋳造することを特徴とする高純度アルミニウム合金材の製造方法。
- 以下のアニール工程および冷間加工工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の高純度アルミニウム合金材の製造方法。
(1)請求項2に記載の製造方法で得られた高純度アルミニウム合金材を580℃〜640℃にて3時間以上保持するアニール工程
(2)アニール工程後、200℃以下の温度にて加工率50%〜90%の塑性加工を行う冷間加工工程 - (3)冷間加工工程後、580℃〜620℃にて3時間以上保持する再アニール工程
を含む請求項3に記載の製造方法。 - 請求項1に記載の高純度アルミニウム合金材の表面に陽極酸化皮膜が形成されてなる陽極酸化高純度アルミニウム合金材。
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