JP4835191B2 - 顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液 - Google Patents

顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液 Download PDF

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Description

本発明は、顔料分散型着色樹脂組成物の洗浄に用いられる洗浄液に関し、より詳しくは顔料分散型着色樹脂組成物の製造工程や、顔料分散型着色樹脂組成物を用いたカラーフィルタの製造工程において、製造ラインや配管などの洗浄に好適に用いられる洗浄液に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)を構成するカラーフィルタの製造においては、ガラス基板に顔料分散型着色樹脂組成物を塗布して各色フィルタセグメントを形成する方法が一般的に用いられている。このカラーフィルタの製造工程や顔料分散型着色樹脂組成物の製造工程において、埃や顔料分散型着色樹脂組成物の固化物などの異物が混入した場合にはカラーフィルタの欠陥となるため、製造ラインや配管などの洗浄は非常に重要である。
従来、それらの洗浄には、顔料分散型着色樹脂組成物に含まれる主溶剤を洗浄液として用いることが多かった。
しかし、顔料分散型着色樹脂組成物に含まれる主溶剤を用いて顔料分散型着色樹脂組成物の製造装置を洗浄する場合には、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の溶解性が劣るか場合、または溶解性がよい場合でも完全に除去されるまでに時間がかかる。そのため、大量の洗浄液を用いるか、物理的な固化物の除去が必要となり、生産性の低下や異物混入の可能性が生ずるという問題があった。
また、カラーフィルタ製造装置の塗布液配管を洗浄する場合には、たとえ顔料分散型着色樹脂組成物に含まれる主溶剤を用いたとしても、洗浄液と顔料分散型着色樹脂組成物との接触により顔料の分散が破壊され顔料の凝集物が発生する場合がある。この凝集物が配管内に残ると、カラーフィルタ上で欠陥となるという問題が生ずる。
特開2003−260404号公報
本発明は、顔料分散型着色樹脂組成物およびその固化物の溶解性および除去性に優れ、しかも顔料分散型着色樹脂組成物と接触しても顔料の凝集物を発生しない洗浄液を提供することにある。
本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液は、(a)ケトン系溶剤と、(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤とを含有することを特徴とする。
本発明の洗浄液は、顔料分散型着色樹脂組成物の主溶剤として一般的に用いられている、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の溶解性に優れるケトン系溶剤に加え、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の溶解性は劣るものの、固化物の基材からの剥離を促す作用を有するモノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤を含有する。そのため、顔料分散型着色樹脂組成物の製造装置あるいは顔料分散型着色樹脂組成物を用いたカラーフィルタの製造装置の洗浄に用いた場合に、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の溶解性に優れ、素早く洗浄ができる。しかも、本発明の洗浄液は、顔料分散型着色樹脂組成物と接触しても凝集物を発生しない。従って、本発明の洗浄液を用いて製造装置を洗浄することにより、設備稼働率が向上するとともに、高品質な塗工物を歩留まりよく製造することが可能となる。
以下に、本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液について具体的に説明する。
本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液は、(a)ケトン系溶剤と、(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤とを含有する。
(a)ケトン系溶剤は、顔料分散型着色樹脂組成物の主溶剤として一般的に用いられている溶剤である。ケトン系溶剤の例としては、アセチルアセトン(140℃)、アセトフェノン(202℃)、アセトン(55℃)、イソホロン(215℃)、エチル−n−ブチルケトン(144℃)、ジアセトンアルコール(169℃)、ジイソブチルケトン(163℃)、ジイソプロピルケトン(124℃)、ジエチルケトン(102℃)、シクロヘキサノン(156℃)、ジ−n−プロピルケトン(144℃)、ホロン(198℃)、メチル−n−アミルケトン(152℃)、メチルイソブチルケトン(116℃)、メチルエチルケトン(80℃)、メチルシクロヘキサノン(170℃)、メチル−n−ブチルケトン(127℃)、メチル−n−プロピルケトン(103℃)、メチル−n−ヘキシルケトン(173℃)、メチル−n−へプチルケトン(195℃)(括弧内は沸点)などが挙げられる。
ケトン系溶剤は、1種類を単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。ケトン系溶剤は、乾燥性の観点から沸点が100℃以上200℃以下のものが好ましく、115℃以上170℃以下のものがより好ましい。沸点が200℃より高いケトン系溶剤を用いると、洗浄液の乾燥性が低下し、洗浄後の乾燥工程が必要になる場合がある。また、沸点が100℃より低いケトン系溶剤を用いると、乾燥が速すぎて洗浄性を損なう場合があり、安全面からも好ましくない。
ケトン系溶剤としては、乾燥性と溶解性の観点から、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、またはシクロヘキサノンおよびアセチルアセトンの混合物が好ましい。
(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤は、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の基材からの剥離を促す作用を有する溶剤である。モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤の例としては、酢酸アミル(149℃)、酢酸イソアミル(142℃)、酢酸イソブチル(117℃)、酢酸イソプロピル(89℃)、酢酸エチル(77℃)、酢酸2−エチルヘキシル(199℃)、酢酸シクロヘキシル(177℃)、酢酸n−ブチル(126℃)、酢酸s−ブチル(112℃)、酢酸プロピル(102℃)、酢酸ベンジル(216℃)、酢酸メチル(57℃)、乳酸イソアミル(82℃)、乳酸エチル(154℃)、乳酸ブチル(187℃)、乳酸メチル(144℃)、プロピオン酸イソアミル(161℃)、プロピオン酸エチル(99℃)、プロピオン酸ブチル(147℃)、プロピオン酸ベンジル(220℃)、プロピオン酸メチル(80℃)、酪酸イソアミル(185℃)、酪酸イソプロピル(128℃)、酪酸エチル(121℃)、酪酸ブチル(167℃)、酪酸メチル(103℃)(括弧内は沸点)などが挙げられる。
上記エステル系溶剤は、1種類を単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。上記エステル系溶剤は、乾燥性の観点から沸点が100℃以上200℃以下のものが好ましく、115℃以上170℃以下のものがより好ましい。沸点が200℃より高いエステル系溶剤を用いると、洗浄液の乾燥性が低下し、洗浄後の乾燥工程が必要になる場合がある。また、沸点が100℃より低いエステル系溶剤を用いると、乾燥が速すぎて洗浄性を損なう場合があり、安全面からも好ましくない。
上記エステル系溶剤としては、顔料分散型着色樹脂組成物との混合安定性と乾燥性の観点から、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、または酢酸n−ブチルおよび酢酸イソブチルの混合物が好ましい。
本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液において、(a)ケトン系溶剤と(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤の重量比、(a)/(b)は1/9から9/1であることが好ましく、(a)/(b)は1/3から3/1であることがより好ましい。(a)/(b)は1/9より(a)ケトン系溶剤が少ないと、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の溶解性が劣ったり、顔料分散型着色樹脂組成物と接触した場合に、顔料の分散状態が破壊されて顔料の凝集物を生ずることがある。また、(a)/(b)が9/1より(a)ケトン系溶剤が多いと、顔料分散型着色樹脂組成物を素早く洗浄できないことがある。
本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液には、洗浄液100重量部中30重量部を超えない範囲で、上記(a)ケトン系溶剤および(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤以外の溶剤を1種類以上含有させても良い。(a)ケトン系溶剤
および(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤以外の溶剤としては、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アルコ−ル系溶剤、エーテル系溶剤、アミンやアミド、ニトリルなどの含窒素溶剤、モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤以外のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤も、乾燥性を考慮して選択することが好ましい。
本発明の洗浄液を構成する溶剤は吸水性が強いものがあり、保管状況によっては溶剤が水分を含んでいる場合がある。また、洗浄液を調整後の保管状況によって洗浄液が水分を含む場合がある。本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液は、洗浄液の重量を基準(100重量%とする)含水率を0.5重量%以下であることが好ましい。含水率が0.5重量%を超える場合、顔料分散型着色樹脂組成物の固化物の溶解性が劣ったり、洗浄液が顔料分散型着色樹脂組成物と接触した場合に、顔料の分散状態が破壊されて顔料の凝集物を生ずることがある。
本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液は、顔料分散型着色樹脂組成物の製造装置や顔料分散型着色樹脂組成物を用いたカラーフィルタなどの製造装置、例えば混合装置や移送配管、濾過器、貯蔵タンク、塗布装置などの洗浄に好適に使用される。また、顔料分散型着色樹脂組成物を塗布した基板の端面や裏面の洗浄にも好適に使用される。
本発明の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液は、従来公知の顔料分散型着色樹脂組成物の洗浄に適用可能である。顔料分散型着色樹脂組成物は、一般的に、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、顔料と、有機溶剤とを含有する。また、カラーフィルタの製造などでフォトグラフィー法を用いてパターニングを行う場合は、光重合開始剤、増感剤などを含有する。
顔料分散型着色樹脂組成物に含有される樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、特にアクリル系樹脂を顔料担体として含有する顔料分散型着色樹脂組成物に対して、本発明の洗浄液の効果が高い。
また、顔料分散型着色樹脂組成物に含有される有機溶剤としては、例えば、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、メチルイソブチルケトン、n−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2,3−トリクロロプロパン、o−クロロトルエン、o−キシレン、m−キシレン、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジイソブチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセ
テート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、p−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらの有機溶剤の中でも、特にシクロヘキサノン、酢酸イソアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトンを含有する顔料分散型着
色樹脂組成物に対して、本発明の洗浄液の効果が高い。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
まず、実施例および比較例で用いた顔料分散型着色樹脂組成物用アクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)
により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度でスチレン60.0部、メタクリル酸60.0部、メチルメタクリレート65.0部、ブチルメタクリレート65.0部、アゾビスイソブチロニトリル10.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
次に、実施例および比較例で用いた顔料分散型着色樹脂組成物の調製について説明する。
(顔料分散型青色樹脂組成物の調製)
青色顔料(BASF社製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)12.0部、顔料分散剤(アビシア社製「ソルスパース20000」)2.4部、アクリル樹脂溶液28.1部、シクロヘキサノン57.5部を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、5μmのフィルタで濾過して青色顔料分散体を作製した。
ついで、得られた青色顔料分散体45.0部、アクリル樹脂溶液12.5部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)4.8部、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)2.5部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.2部、シクロヘキサノン25.0部、プロピレング リコールモノメチルエーテルアセテート10.0部を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、顔料分散型青色樹脂組成物を得た。
(顔料分散型赤色樹脂組成物の調製)
赤色顔料(チバガイギー社製「イルガフォーレッドB−CF」)5.08部、赤色顔料(チバガイギー社製「クロモフタールレッドA2B」)0.82部、黄色顔料(チバガイギー社製「クロモフタールエローGT-AD」)0.20部、顔料分散剤(アビシア社製
「ソルスパース20000」)2.4部、アクリル樹脂溶液28.1部、シクロヘキサノン57.5部を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料分散体を作製した。
ついで、得られた赤色顔料分散体50.9部、アクリル樹脂溶液6.8部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)4.8部、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)2.5部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.2部、シクロヘキサノン10.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.0部を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、顔料分散型赤色樹脂組成物を得た。
(顔料分散型緑色樹脂組成物の調製)
緑色顔料(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)3.25部、黄色顔料(バイエル社製「ファンチョンファーストエローY−5688」)2.35部、顔料分散剤(アビシア社製「ソルスパース20000」)2.4部、アクリル樹脂溶液28.1部、シクロヘキサノン57.5部を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、5μmのフィルタで濾過して緑色顔料分散体を作製した。
ついで、得られた緑色顔料分散体46.5部、アクリル樹脂溶液11.2部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)4.6部、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」)2.5部、増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)0.2部、シクロヘキサノン10.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.0部を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、顔料分散型緑色樹脂組成物を得た。
[実施例1〜6および比較例1〜4]
表1に示す組成の溶剤を混合して洗浄液を調整し、下記の方法で溶解性、混合安定性および除去性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004835191
(*1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(溶解性試験)
赤色、緑色、青色の顔料分散型着色樹脂組成物をガラス基板に1gたらし、2時間放置してそれぞれの固化物を得た。固化物0.3gを洗浄液2gと混合して2日後に、溶解の様子を目視で観察し、4段階で評価した。
◎:完全に溶解した。
○:細かな凝集物が僅かに観察された。
△:溶解してはいるが、沈殿物が多く見られた。
×:殆ど溶解しなかった。
(混合安定性)
赤色、緑色、青色の顔料分散型着色樹脂組成物1gと洗浄液6gを混合し2日後に、混合状態を目視で観察し、4段階で評価した。
◎:完全に相溶した。
○:細かな凝集物が僅かに観察された。
△:沈殿物が多く見られた。
×:顔料分が完全に凝集、沈殿し、上澄みが透明となった。
(塗膜除去性)
赤色、緑色、青色の顔料分散型着色樹脂組成物を、乾燥膜厚が2.5μmとなるようにステンレス基板にスピンコート法により塗布した。塗布基板をマグネチックスターラーにより攪拌している洗浄液に浸漬し、塗膜が基板より除去される様子を目視で観察して、4段階で評価した。
◎:浸漬後20秒以内に完全に除去された。
○:浸漬後40秒以内に完全に除去された。
△:浸漬後60秒以内に完全に除去された。
×:60秒以上でも完全に除去されなかった。
Figure 0004835191
(*2)顔料分散型赤色樹脂組成物
(*3)顔料分散型緑色樹脂組成物
(*4)顔料分散型青色樹脂組成物
実施例1〜6で得られた本発明の洗浄液は、顔料分散型着色樹脂組成物の溶解性、除去性に優れ、顔料分散型着色樹脂組成物と接触しても顔料の凝集物は殆ど発生しなかった。一方、比較例1〜4で得られた洗浄液には、溶解性、混合安定性、除去性すべてを満足するものはなかった。
[実施例7〜9]
表3に示す組成の溶剤を混合して洗浄液を調整し、含水率を測定した。含水率は京都電子工業株式会社製MKC−210カールフィッシャー水分計で測定した。これらについて、実施例1〜6および比較例1〜4と同様に溶解性、混合安定性および除去性を評価した。結果を表4に示す。

Figure 0004835191
Figure 0004835191
(*2)赤:顔料分散型赤色樹脂組成物 (*3)緑:顔料分散型緑色樹脂組成物 (*4)青:顔料分散型青色樹脂組成物


実施例7〜9で得られた本発明の洗浄液は、顔料分散型着色樹脂組成物の溶解性、除去性に優れ、顔料分散型着色樹脂組成物と接触しても顔料の凝集物は殆ど発生しなかったが、含水率が0.5重量%を超える実施例9の洗浄液は、含水率が0.5%重量以下の実施例7および8の洗浄液より僅かに劣っていた。

Claims (3)

  1. (a)ケトン系溶剤と、(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤とを含有する顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液であって、(a)ケトン系溶剤が、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、またはそれらの混合物であり、(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤が、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、またはそれらの混合物であることを特徴とする顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液。
  2. (a)ケトン系溶剤と、(b)モノカルボン酸とモノアルコ−ルからなるエステル系溶剤の重量、(a)/(b)が1/9から9/1であることを特徴とする請求項1記載の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液。
  3. 含水率が0.5重量%以下である請求項1または2記載の顔料分散型着色樹脂組成物用洗浄液。

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