JP4835072B2 - 溶融金属めっき鋼帯の製造方法及び連続溶融金属めっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、さざ波と呼ばれる表面欠陥を防止し、外観に優れる溶融金属めっき鋼帯の製造方法及び連続溶融金属めっき装置に関する。
近年、鋼板の強度、加工性、耐食性に優れた表面処理鋼帯として、溶融亜鉛めっき鋼帯、溶融亜鉛−アルミ合金めっき鋼帯、溶融アルミめっき鋼帯等の溶融めっき鋼帯が自動車、電気用品、事務用品、建築等の用途に幅広く使用され、その需要が急増している。
一般に、溶融めっき鋼帯は連続溶融めっきラインで製造される。例えば、図1の連続溶融めっき装置を用いて溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する場合、鋼帯1は、連続炉2で加熱焼鈍されて、表面を清浄、活性化され、機械的性質が調整された後、めっき浴への侵入に適した温度に調整され、スナウト3を経てめっき浴槽4内の亜鉛浴5中に浸漬され、亜鉛浴5中のシンクロールと呼ばれるパス周回ロール6により進行方向が変えられ、サポートロール7を介して上方に引上げられる。めっき浴槽4から引上げられる鋼帯への亜鉛付着量は、めっき浴槽4からの鋼帯1引上げ速度に比例して多くなるので、めっき浴槽4上方に配置されたワイピングノズル8から噴射するワイピングガスによって亜鉛付着量を所要の付着量に調整したのち、トップロール9を経由して常温まで冷却される。
上記ワイピングノズル8のワイピングガスとして、従来、エア、窒素ガス等の常温圧縮ガスが多く使用されているが、時としてさざ波模様のような品質欠陥が発生する。この品質欠陥は、めっきの付着量ムラに起因しており、さざ波模様を防止する種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、メッキ浴の顕熱を利用して加熱したワイピングガスを用いて、さざ波模様を防止する方法が開示されている。
また、特許文献2などには、ワイピングガスに不活性ガスを使用して亜鉛の酸化を抑えることで、さざ波欠陥を防止する方法が開示されている。
また、特許文献3などには、ラインスピードやノズル−鋼板距離などの操業条件を最適化して鋼板のバタツキを低減することで、前述の欠陥を抑制する方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、めっき面にさざ波欠陥が存在しているめっき鋼帯に対して調質圧延を施し、調質圧延条件を最適化することでさざ波欠陥を消滅させる方法が開示されている。
特開平6−116698号公報 特開平2−197552号公報 特開平11−236658号公報 特開2002−60917号公報
しかし、特許文献1に開示される方法では、さざ波模様の発生を防止する効果も限定されたものであり、満足できるレベルではなかった。また特許文献2、3に開示される方法でも、さざ波模様の発生を防止する効果は満足できるレベルではなかった。そのため、これらの方法では、さざ波をある程度改善することは可能であったが、例えば自動車用途に使用できるような優れた表面外観は得られなかった。
また、特許文献4は、本質的にめっき鋼板のさざ波模様そのものの発生を防止する技術ではなく、また調質圧延を行わないとさざ波欠陥を解消できないという問題があった。
本発明の課題は、さざ波欠陥の発生を防止し、表面外観に優れる溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法及び該鋼帯を製造するための連続溶融金属めっき装置を提供することである。
上記課題を解決する本発明の手段は次のとおりである。
(1)鋼帯を、溶融金属めっき浴槽内のめっき浴に連続的に浸漬してめっきを行ったのちめっき浴から引上げ、めっき浴上方に設置したワイピングノズルからめっき鋼帯にワイピングガスを吹付けてめっき金属付着量を調整する溶融金属めっき鋼帯の製造方法において、ワイピングノズルの上方に補助ノズルを設け、該補助ノズルから鋼帯全巾に気体を吹付けてワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給するとともに、鋼帯に気体を吹き付けたのち鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持することを特徴とする溶融金属めっき鋼帯の製造方法(第1発明)。
(2)補助ノズルから吹付けるワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給することによって、前記鋼帯温度が420℃以上の温度域における気体上昇流の流速を15m/s以下にすることを特徴とする(1)に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法(第2発明)。
(3)補助ノズルから吹き付ける気体に加熱された気体を用いることによって鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法(第3発明)。
(4)補助ノズルから鋼帯全巾にワイピングガスの上昇流に対するカウンター流となる気体を鋼帯全巾に吹付けたのち、加熱装置で鋼帯を加熱して鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法(第4発明)。
(5)鋼帯を、溶融金属めっき浴槽内のめっき浴に連続的に浸漬してめっきを行ったのちめっき浴から引上げ、めっき浴上方に設置したワイピングノズルからめっき鋼帯にワイピングガスを吹付けてめっき金属付着量を調整する溶融金属めっき装置において、ワイピングノズルの上方に鋼帯全巾に加熱された気体を吹付けてワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給する補助ノズルを備えることを特徴とする溶融金属めっき装置(第5発明)。
(6)鋼帯を、溶融金属めっき浴槽内のめっき浴に連続的に浸漬してめっきを行ったのちめっき浴から引上げ、めっき浴上方に設置したワイピングノズルからめっき鋼帯にワイピングガスを吹付けてめっき金属付着量を調整する溶融金属めっき装置において、ワイピングノズルの上方に、ワイピングノズルの上方に鋼帯全巾に気体を吹付けてワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給する補助ノズルと、補助ノズルの上方にめっき皮膜をレベリングする加熱装置を備えることを特徴とする溶融金属めっき装置(第6発明)。
本発明によれば、ガスワイピング後におけるさざ波模様の成長を抑制することで、従来法に比べてさざ波欠陥の発生を顕著に抑制でき、もって表面外観に優れた溶融金属めっき鋼帯を製造できる。
以下、本発明に至った経緯とともに本発明について説明する。なお、本明細書では、さざ波模様のような品質欠陥を、単に「さざ波」または「さざ波欠陥」とも記載する。
本発明者らは、まず高速カメラを用いて、さざ波模様の発生箇所とその程度を調査した。この結果、さざ波模様は、ワイピング直後は比較的小さいが、ワイピング部から離れるにつれて目立つようになること、すなわち、ワイピング部から離れるにつれてさざ波欠陥が成長することが分かった。特許文献1〜3は、ワイピング部またはその直後でさざ波模様がほとんど生成してしまうものとして、その対策を講じているが、前述の知見から、特許文献1〜3の対策があまり的を射た対策でないことが分かった。
さらに検討を重ねた結果、溶融状態にあるめっき皮膜表面上の気体の流速の大小でさざ波模様の成長程度が異なることが分かった。これはベルヌーイの定理で表される流体の不安定性に起因すると考えられる。
図2は、さざ波の成長メカニズムを説明するめっき皮膜表面近傍部分の気体の流れを説明する断面模式図である。さざ波は、付着量ムラに起因する凹凸状の欠陥であり、さざ波部分のめっき皮膜には凹凸が存在する。程度がひどいさざ波は、軽微なさざ波に比べて凹凸差が大きい。
めっき浴槽から引上げられ、ワイピングノズルからガスを吹付け、付着量調整された鋼帯のめっき面には、ワイピングガスのガス圧変動や板振動、噴流自体の乱れ等に起因して軽微なさざ波模様が生成する、すなわち、図2に示すように、めっき皮膜に付着量ムラに起因する凹凸がある。鋼帯に衝突したワイピングガスの一部は、ワイピングノズル上方を移動する鋼帯面に沿って上昇する。この上昇流は、めっき皮膜の凹凸の山部では流速が増加して圧力が減少し、一方谷部では流速が減少して圧力が増加する。ワイピングノズル上方ではめっき皮膜が溶融状態にあるため、圧力が減少する山部はより高く、一方圧力が増加する谷部はより深くなる。ワイピング直後比較的小さい凹凸であってもワイピング部から離れるとより大きな凹凸に成長する。気体の流速が大きい領域では、この凹凸の成長がより顕著になり、したがって、さざ波の程度がよりひどくなる。ワイピングガスの上昇流は、めっき皮膜が溶融状態にある領域において凹凸の成長に十分な流速を有するため、さざ波の発生は避けられないことになる。したがって、不活性ガスや加熱ガスを用いる従来技術の方法は、決定的な対策にならないことは容易に推定できる。
さざ波の成長を鋭意検討した結果、ワイピングガスの上昇流の流速が速いとさざ波の成長が顕著であり、流速が遅いとさざ波の成長が抑制されることが分かった。まためっき皮膜が溶融状態にあるときにさざ波の成長が抑制されるようにすると、めっき皮膜の凹凸がレベリング効果によって平坦化され、さざ波を防止する効果が一層優れることが明らかになった。溶融亜鉛の場合、鋼帯面に沿った気体上昇流の流速が15m/s超になる領域でさざ波の成長が顕著であり、一方、流速が15m/s以下の領域ではさざ波の成長が抑制されることが分かった。また、鋼帯温度が、Znが溶融状態にある420℃以上の温度域に保持し、その際に鋼帯面に沿った気体上昇流の流速が15m/s以下となるようにすると、めっき皮膜の凹凸がレベリング効果によって平坦化され、さざ波を防止する効果が一層優れることが明らかになった。
以上のことから、本発明では、ワイピングノズルでのワイピングにより必然的に発生したワイピングガスの鋼板面に沿った気体上昇流の流速を、ワイピングノズルの上方で、補助ノズルからワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給して抑制し、さらに鋼帯温度を420℃以上に保持することでめっき皮膜を溶融状態にして、レベリング効果によりさざ波欠陥を防止する方法を考案し、本発明に至った。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。なお、以下の説明は溶融亜鉛めっきを念頭において説明する。
本発明では、鋼帯を、溶融金属めっき浴槽内のめっき浴に連続的に浸漬してめっきを行ったのちめっき浴から引上げ、めっき浴上方に設置したワイピングノズルからめっき鋼帯にワイピングガスを吹付けてめっき金属付着量を調整する溶融金属めっき鋼帯の製造方法において、ワイピングノズルの上方に補助ノズルを設け、該補助ノズルから鋼帯全巾に気体を吹付ける。
ワイピングガスは鋼帯面に衝突後その一部が鋼帯面に沿って上昇する上昇流となる。この上昇流の流速を低下させるために、ワイピングノズル12の上方に配置された補助ノズル13から鋼帯全巾にわたり気体を吹付ける。気体の一部は鋼帯に衝突後、ワイピングガスの上昇流に対するカウンター流となり、鋼帯面に沿って上昇する上昇流の流速を減少させ、さざ波がワイピングガスの上昇流によって自己成長することが抑制される。
さらに、気体を鋼帯全巾に吹付けたのち鋼帯温度を420℃以上の温度域に保持することで、レベリング効果によってめっき皮膜が平坦化されてさざ波欠陥を軽減させる作用が一層向上する。鋼帯温度が420℃以上となる温度域に保持される時間が1.0秒未満であると、レベリング効果によってさざ波を軽減する作用が十分でないので、鋼帯は、鋼帯温度が420℃以上となる温度域に少なくとも1.0秒以上保持する必要がある。従来方法は、ワイピング後のさざ波の成長を防止し、さらにさざ波自体を軽減させることを全く考慮していないため、さざ波がかえって成長し、あまり芳しい結果を得られなかった。
補助ノズル13からは、鋼帯温度が420℃以上となる温度域における鋼帯面に沿った気体上昇流の平均流速を15m/s以下にするように気体を吹き付けることが好ましい。鋼帯温度が420℃以上となる温度域における鋼帯面に沿った気体上昇流の流速が15m/s以下になるとさざ波の凹凸の成長が防止されることで、レベリング効果が十分に発現され、さざ波欠陥の発生を防止する作用がより優れるためである。なお、上昇流の流速とは、図3に示す鋼板の板面付近の流速分布曲線の最大流速Vmaxであり、熱線風速計等で測定できる。
ガスワイピング後常温の気体を吹付けるとめっき皮膜表層温度が420℃以下に低下してレベリング効果が十分に発現されないおそれがある。そのため、図4に示すように、ワイピングノズル12の上方に設けた、ワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給する補助ノズル13から加熱気体を吹き付けることが好ましい。加熱気体は、鋼板温度が420℃以上となるように吹き付けることが好ましい。気体の加熱方法は特に限定されない。燃料ガスを燃焼して得た高温ガスや、熱交換器を用いて高温の加熱ガスと熱交換して得た高温ガスを補助ノズルに供給する等の公知技術によって容易に可能である。
また、図5に示すように、ワイピングノズル12の上方に補助ノズル13、補助ノズル13の上方に加熱装置14を設け、補助ノズル13から常温ガスを吹付けたのち、加熱装置14を用いて鋼帯を加熱して、鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持してもよい。加熱装置の加熱手段は特に限定されない。例えばガス加熱、誘導加熱などを使用できる。なお、必要があれば補助ノズル13から加熱ガスを吹付けてもよい。
ワイピングガスの上昇流の流速が15m/s超となる領域が長いと、さざ波の凹凸が大きく成長し、その後のレベリング効果でも凹凸を十分平坦化できなくなるので、その領域はあまり長くない方が良い。この領域の長さはライン速度により異なり、低速では短い領域であっても急速に成長するため、限界領域の長さは相対的に短くなる。ライン速度をv(m/s)としたときに、限界領域のおおよその目安の長さ(m)は下記の式で表される。
y=0.12v+0.50v
したがって、ワイピングノズルと補助ノズルからの気体の鋼帯吹き付け部の間隔(L)は上記限界領域の長さy以下とすることが好ましい。また、このことから、ライン速度が速い場合は、限界領域の長さが長くなるので補助ノズル位置は高くてもよい(すなわち、補助ノズル位置はあまり低くする必要はない)が、ライン速度が低い場合は限界領域の長さが短くなるので補助ノズル位置は低くしないといけない。
たとえば、v=80mpmの時、y≒0.88mとなり、15m/s超の領域の長さはワイピング後から880mm以内に制限することが好ましい。
補助ノズルからのガス吹き付け条件は、特に限定されるものではないが、補助ノズル13によってさざ波の成長を効果的に防止し、また補助ノズル13がワイピングノズル12のワイピング性に影響を及ぼすことを防止するには、補助ノズル13のスリットギャップをB、吹き付け圧力をP、またワイピングノズル12のスリットギャップをB0、吹き付け圧力をP0、ワイピングノズル12のスリットギャップB0に対する補助ノズル13のスリットギャップBの比、B0/BをRdとしたときに、Rd≦2/3及びP≦0.2kgf/cmで、かつP/P0は、下式を満足することが好ましい。
Rd/6≦P/P0≦Rd
このように限定するのは、補助ノズル13によるワイピング力がワイピングノズル12のワイピング力より大きくならないようにし、かつ補助ノズル13によってワイピングノズル12の上昇流に対向しうる気体の流れを生成するためである。
すなわち、ワイピング力は、圧力にもっとも大きく影響されるので、補助ノズル13の圧力Pは小さい方が好ましい。補助ノズル13の圧力Pが0.2kgf/cmを超えるとワイピングノズル12によるワイピングに影響を与えるようになる。補助ノズル13の圧力Pを小さくしても、補助ノズル13によってワイピングノズル12の上昇流に対向しうる十分な流れを生成させる必要がある。そのために、補助ノズル13のスリットギャップBをワイピングノズル12のスリットギャップB0の1.5倍以上、すなわちRdを2/3以下にすることが好ましい。Rdが2/3超になると、補助ノズル13によってワイピングノズル12の上昇流に対向しうる十分な流れを生成させることができなくなるおそれがある。
補助ノズル13の圧力Pのワイピングノズル12の圧力P0に対する比P/P0は小さい方が良いが、あまり小さすぎると、ワイピングノズル12による上昇流をせき止めることができなくなる。ワイピングノズル12による上昇流をせき止め、本発明で意図する効果を発現するには、P/P0をRd/6以上にすることが好ましい。この値は、さまざまなスリットギャップ比のノズルで実験を行い、導き出された。一方、P/P0がRdより大きくなると、補助ノズル13から吹付けられる気体流量が大きくなりすぎて、ワイピングノズル12によるワイピングへの影響が避けられなくなり、スプラッシュ等が発生しやすくなる。したがって、P/P0はRdを超えないことが好ましい。
また、補助ノズル13からの気体の吹きつけ方向(図4の角度θ)は、水平下向きに30°以上80°以下とすることが好ましい。気体の吹きつけ方向が前記範囲内にあるとワイピングノズル12による上昇流をより効率的にせき止めることができる。吹きつけ角度θが30°未満になると補助ノズル13で発生する上昇流の影響が大きくなり、さざ波が成長しやすくなる。吹付け角度θが80°を超えると、鋼帯への衝突圧力が小さくなり、ワイピングノズル12の上昇流を抑制することが困難となる。吹付け角度θは、45°以上80°以下がより好ましい。
本発明によれば、ワイピングノズルでワイピング後にさざ波状欠陥の成長を抑制できるので、従来法に比べてさざ波状欠陥の発生を顕著に抑制し、表面外観に優れた溶融金属めっき鋼帯を製造することができる。
図5に示す亜鉛めっき浴槽の上方にワイピングノズル(主ノズル)12、その上方に補助ノズル13、その上方に加熱装置14を設置した連続溶融めっき装置を用いて、厚さ0.7mm×幅1200mmの鋼板に溶融亜鉛めっき(浴温度:460℃)を行い、ワイピングノズル12でワイピング後、溶融状態にあるめっき表面に補助ノズル13から気体を吹付ける試験を行い、めっき層が凝固後のめっき表面のさざ波程度を評価した。加熱装置は誘導加熱装置で最大加熱長さは6m(浴面から2000〜8000mm)で、4ゾーン(各ゾーンの長さは1.5m)に分割してあり、各ゾーン毎に独立して加熱可能である。
試験は、ワイピングノズル、補助ノズルから吹き付ける気体は常温空気を使用し、基本条件として、ワイピングノズル12のギャップB0は0.8mm、鋼板までの距離D0は10mm、ワイピングノズル12の圧力P0は0.46kgf/cm、浴面とワイピングノズルの間隔は400mm、補助ノズル13のギャップBは4mm、圧力Pは0.023kgf/cm、吹き付け方向(水平方向下向き角度θ)は45度、鋼板までの距離D1は50mm、ワイピングノズル12のガス吹き付け部と補助ノズル13のガス吹き付け部の間隔Lは1000mm、鋼板走行速度は120mpm、付着量は70g/mで一定とした。加熱装置14の加熱条件(加熱ゾーン数のおよび出力)を変更し、めっき皮膜の乾き線位置を観察し、ワイピングノズルと乾き線位置までの距離を求め、これを鋼板温度が420℃以上となる領域の長さとした。まためっき皮膜の乾き線位置における上昇流の流速を熱線風速計で測定した。
さざ波の程度は、粗さ計でめっき鋼板の表面粗さを鋼板通板方向に長さ50mm測定し、その測定値から鋼板自体のうねり成分を差し引くことで、めっき皮膜自体の付着量差を求め、その差を厚さに換算し、以下のように評価した。評価×は建材用途等の一般用途のみ適用可能な外観品質、△は自動車内板に適用可能な外観品質、○は自動車外板標準品質をクリアできる外観品質、◎は自動車外販の最高品質をクリアできる外観品質である。
×:1.5μm超
△:1.0μm超〜1.5μm以下
○:0.5μm超〜1.0μm以下
◎:0.5μm以下
試験条件とさざ波の評価結果を表1に記載する。
試験No.3〜5(本発明例)は、補助ノズル及び加熱装置を使用しない試験No.1(従来例)、鋼板温度は420℃以上の保持時間が第1発明範囲を外れる試験No.2(比較例)に比べて、めっき皮膜の凹凸量が少なく、さざ波が極めて軽微で、自動車外販の最高品質をクリアできる外観品質が得られている。
図6は、補助ノズル使用した場合、補助ノズルを使用しない場合のめっき外観写真の一例を示したものである。左側の(a)は補助ノズルを使用しない場合(試験No.1)、右側の(b)は補助ノズルを使用した場合(試験No.5)で、外観の濃淡の模様がさざ波である。左側の写真では、濃淡の模様が顕著で、さざ波が明りょうに認められるのに対して、右側の写真では濃淡の模様が軽微で、さざ波が極めて軽微であることがわかる。
本発明の溶融金属めっき鋼帯の製造方法は、さざ波を防止し、表面外観に優れた溶融金属めっき鋼帯を製造方法する方法として利用することができる。
本発明の鋼帯の連続溶融金属めっき装置は、さざ波と呼ばれる表面欠陥を防止し、外観に優れる溶融金属めっき鋼帯を製造するための装置として利用することができる。
従来の連続溶融めっき装置の要部構成例を示す断面図である。 さざ波の成長メカニズムを説明するめっき皮膜表面近傍部分の気体の流れを説明する模式図である。 ワイピングガスの上昇流の流速を説明する図である。 本発明の実施に使用する連続溶融めっき装置のめっき浴上方に設置するワイピングノズル(主ノズル)と補助ノズルの配置を説明する断面図である。 本発明の実施に使用する連続溶融めっき装置のめっき浴上方に設置するワイピングノズル(主ノズル)、補助ノズル及び加熱装置の配置を説明する断面図である。 補助ノズル使用した場合、使用しない場合のめっき外観の一例を示す図面代用の写真で,左側の写真(a)は補助ノズルを使用しない場合、右側の写真(b)は補助ノズルを使用した場合である。
符号の説明
1 鋼帯
2 連続炉
3 スナウト
4 めっき浴槽
5 亜鉛浴
6 パス周回ロール(シンクロール)
7 サポートロール
8 ワイピングノズル
9 トップロール
11 鋼帯(めっき鋼帯)
12 ワイピングノズル(主ノズル)
13 補助ノズル
14 加熱装置
21 めっき鋼板
22 めっき皮膜

Claims (4)

  1. 鋼帯を、溶融金属めっき浴槽内のめっき浴に連続的に浸漬してめっきを行ったのちめっき浴から引上げ、めっき浴上方に設置したワイピングノズルからめっき鋼帯にワイピングガスを吹付けてめっき金属付着量を調整する溶融金属めっき鋼帯の製造方法において、ワイピングノズルの上方に補助ノズルを設け、該補助ノズルから気体吹き付け方向を水平下向き30°以上80°以下にして鋼帯全巾に気体を吹付けてワイピングガスの上昇流に対するカウンター流を供給するとともに、前記補助ノズルから鋼帯に気体を吹付けたのち鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持し、その際前記補助ノズルから吹付ける気体によって前記鋼帯温度が420℃以上の温度域における気体上昇流の流速が15m/s以下になるようにすることを特徴とする溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
  2. さらに、ライン速度v(m/s)と、ワイピングノズルと補助ノズルからの気体の鋼帯吹き付け部の間隔L(m)が、L≦0.12v +0.50vを満足することを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
  3. 補助ノズルから吹き付ける気体に加熱された気体を用いることによって鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
  4. 補助ノズルから鋼帯全巾にワイピングガスの上昇流に対するカウンター流となる気体を鋼帯全巾に吹付けたのち、加熱装置で鋼帯を加熱して鋼帯温度を420℃以上の温度域に少なくとも1.0秒間保持することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
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