JP4832071B2 - 麻酔装置 - Google Patents

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Description

本発明は、胃鏡等の上部消化管用の内視鏡等として用いられ、経鼻的に体腔内に挿入される経鼻挿入型内視鏡の挿入部等が挿入される鼻腔内経路における必要箇所の内壁に麻酔薬を塗布する麻酔装置に関するものである。
上部消化管用の内視鏡等は、通常、口腔を介して挿入部を体腔内に導かれる、経口挿入とするのが一般的である。このために、内視鏡検査を受ける被検者は横臥状態でマウスピースを銜えて、このマウスピースにより確保される経路に沿って挿入部が体腔内に導かれる。口腔を介して挿入される場合には、挿入部が咽喉を通過させる際に、舌根に挿入部が触れることにより、また挿入部の先端により食道入口部を押動することにより咽喉反射或いは嘔吐反射が起こり、嘔吐感を被検者に与え、苦痛を伴うものになる。
以上のことから、内視鏡挿入する前の段階で、咽頭反応を抑制し、かつ苦痛の軽減及び刺激の緩和を図るために、口腔から咽喉部に向けて麻酔薬液を噴霧する装置が、特許文献1に開示されている。この特許文献1による麻酔薬液噴霧装置は、麻酔薬液を充填した容器に先端が湾曲するように曲がった筒状の噴霧パイプを接続し、この噴霧パイプに絞り部を介して空気配管を連結して、この絞り部に容器からの麻酔薬液の吸い上げ細管を開口させることによって、霧吹きの原理により噴霧パイプの先端から麻酔薬液を噴霧するように構成している。従って、被検者の口腔内に噴霧パイプを挿入することによって、咽喉部に向けて麻酔薬液が噴霧される。
特開昭56−11068号公報
ところで、内視鏡の挿入時に必要な麻酔領域は舌根から食道入口部にかけての部位であり、被検者に対する負担軽減の観点からは、必要な部位以外については麻酔薬液が付着しないようにする必要がある。しかしながら、前述した麻酔薬液噴霧装置は、噴霧パイプの先端からは広い範囲にわたって麻酔薬液が噴霧されることから、必要な箇所だけでなく、麻酔薬液の噴霧領域がその周囲の広い範囲に及ぶことなる。従って、必要な箇所に十分な麻酔薬液を供給しようとすると、その周辺にも多量の麻酔薬液が付着して大きなダメージを与えるという不都合が生じる。特に、咽喉反射や嘔吐反射を確実に起こさない程度の麻酔を行うには、高濃度の麻酔薬を噴霧する必要があるが、このような高濃度の麻酔薬が周囲に付着することは過剰な麻酔となり、内視鏡検査後に長い時間にわたって麻酔の影響が続く等の不都合が生じる。低濃度の麻酔薬を用いると、舌根や食道入口部に対して十分な麻酔作用を発揮せず、内視鏡の挿入時に苦痛を与えることになる。
内視鏡の挿入経路として、前述した口腔だけでなく、経鼻的に挿入する方式も可能である。特に、近年においては、内視鏡の挿入部が細径化される傾向にあり、鼻腔を介して挿入するのに最適な外径を有する内視鏡も実用化されている。内視鏡の挿入部を鼻腔から挿入すると、舌根を刺激することがなく、食道入口部に対する刺激も少ないことから、嘔吐感等が著しく緩和され、被検者の苦痛や負担が軽減され、被検者は検査中において、術者等と会話をすることができ、口呼吸も可能となる等の利点があり、経鼻挿入型内視鏡での検査が今後増大することが予想される。
内視鏡の挿入部を鼻腔内に挿入する際にも、挿入部が異物として作用して敏感な鼻粘膜を刺激することになるので、挿入部を挿入する前の段階で、この挿入部が接触しながら通過する鼻腔内の挿入経路に麻酔薬を塗布することが望まれる。ここで、外鼻孔から中鼻道または下鼻道を経て後鼻孔に至る部位は狭い経路であり、特に鼻中隔,中鼻甲介及び下鼻甲介が集中する総鼻道の部位が最も狭窄となっている。従って、被検者にとって、経鼻的に挿入される内視鏡の挿入部がこの狭い経路を通過する際に最も大きな苦痛が与えられ、とりわけ挿入部が最狭窄部を押し広げながら挿入する場合もあり、被検者の苦痛はより大きくなる。このために、経鼻的に挿入される内視鏡を用いる場合でも、その挿入部を挿入する経路に対して予め麻酔しておくことが、被検者の苦痛軽減のために必要となる。また、鼻腔を介しての挿入経路において、後鼻孔を通過して、食道入口部までの部位にも被検者による刺激の低減を図るための麻酔を適用する必要がある。
このように、経鼻的に挿入される内視鏡においては、全体として外鼻孔から食道入口部乃至その近傍までの範囲に麻酔を行う必要があるが、被検者が受ける苦痛の度合いはこの経路の全体にわたって等しいものではない。被検者に対するダメージを考慮すれば、内視鏡の挿入経路のうち、被検者が苦痛を感じる度合いに応じて麻酔の度合いを変えることが望まれる。つまり、中鼻道または下鼻道といった狭い経路と、それ以後の後鼻孔から食道入口部近傍に至る比較的広い経路とで、麻酔濃度や量を異ならせることが被検者の負担軽減にとって重要である。なお、食道の内部乃至それ以後の経路については格別麻酔を施す必要はない。
しかしながら、前述した従来技術による麻酔薬噴霧装置は、口腔を介しての経路を麻酔するためのものであり、鼻腔内経路の麻酔に適したものではない。また、この麻酔薬噴霧装置で鼻腔内に麻酔薬を噴霧できるにしても、さらに他の麻酔方式を採用するにしても、鼻腔を介する内視鏡の挿入経路において、部位によって異なる濃度や量の麻酔薬を適用できるものはなく、経鼻挿入型内視鏡を挿入する前の段階において、1度の操作で適切な箇所に最適量及び濃度の麻酔薬を供給する処置を行うことができる装置が望まれているのが現状である。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、経鼻挿入型内視鏡の挿入部を挿入する前段階として、1回の操作で必要な箇所に適切な濃度及び量の麻酔薬を容易に供給できるようにすることにある。
前述した目的を達成するために、本発明の麻酔薬塗装置は、鼻腔内経路に挿入可能な直径を有する可撓性チューブの内部に流路を形成し、かつ先端には麻酔液注入用の開口部を設け、この可撓性チューブは、前記鼻腔内経路のうちの外鼻孔から後鼻孔までの距離に相当する挿入長さを有するものであり、前記可撓性チューブの基端部には、所定量の麻酔薬液を貯留する可撓性容器からなり、圧縮することにより前記流路から前記開口部に向けて麻酔薬液を圧送し、前記開口部から噴射可能な麻酔薬液貯留部を連結して設け、また前記可撓性チューブの外周面には前記麻酔薬液貯留部への連設部近傍を除いた全面を麻酔薬塗布面部となし、前記可撓性チューブの麻酔薬塗布面部に塗布される麻酔薬を前記麻酔薬液貯留部に貯留される麻酔薬液より高濃度のものとする構成としたことをその特徴とするものである。
鼻腔内経路において、一般に、鼻中隔,中鼻介及び下鼻甲介が集中する部位が最も狭窄であって、可撓性チューブはこの狭窄部である総鼻道を容易に通過できる太さとする。被検者の個体差等を考慮すれば、この狭窄部を通過させるのに、可撓性チューブの直径が4mm程度とするのが望ましい。ただし、麻酔薬を塗布した後に内視鏡の挿入部が挿通されることから、この内視鏡の直径と同程度、例えば6mm程度の直径のものを用いることもできる。可撓性チューブは被検者の苦痛軽減のためには、軟性のものを用いるのが望ましいが、鼻腔内経路への挿入時の抵抗により先端にまで確実に押し込み推力を作用させるには、ある程度の腰が必要である。
外鼻孔から食道入口部に至る内視鏡の挿入経路のうち、外鼻孔から後鼻孔までの経路は狭い経路であり、後鼻孔から食道入口部までの経路はそれより広い経路であるから、内視鏡の挿入部を挿入したときに、被検者が受ける刺激の度合いが異なってくる。そこで、部位によって麻酔薬の濃度及び量を変えるために、単一の麻酔装置によって、麻酔薬の塗布と、麻酔薬液の注入という2つの態様で麻酔する構成としている。具体的には、外鼻孔から後鼻孔に至るまでの経路に対しては麻酔薬を塗布し、挿入経路における後鼻孔より前方部位に対しては麻酔薬を注入するようにしている。このために、麻酔薬の供給源としては、後鼻孔に至るまでの経路は可撓性チューブの外周面を麻酔薬塗布面部として、この麻酔薬塗布面部から麻酔薬を体腔内壁に塗布するように供給する。一方、後鼻孔より前方の経路に対しては、可撓性チューブの基端部に設けた圧縮可能な可撓性容器からなる麻酔薬液貯留部から開口部を介して麻酔薬液を流出乃至噴射させることにより注入する。
麻酔薬塗布面部に塗布した麻酔薬を高濃度のもの、つまり内視鏡の挿入部が狭い経路、特に鼻中隔,中鼻介及び下鼻甲介が集中する部位を通過する際にも、被検者がさほど苦痛を感じない高濃度の麻酔薬を用い、麻酔薬液貯留部に貯留されている麻酔薬液は、塗布用のものより低濃度のものを用いる。麻酔薬の種類としては、格別限定はないが、塗布用の麻酔薬と注入用の麻酔薬とは同じ種類のものを用いるのが望ましい。この種の局所麻酔としては、一般にリドカインビスカスまたはゼリーが一般的に使用されるが、例えば塗布用の麻酔薬は8%のリドカインビスカスまたはゼリーとなし、注入用の麻酔薬は2%のリドカインビスカスを用いることができる。
高濃度の麻酔薬の塗布は外鼻孔から後鼻孔までであり、従って可撓性チューブの先端は後鼻孔乃至その近傍にまで導くようにする。可撓性チューブの先端部に設けた開口部から麻酔薬液を注入することによって、後鼻孔から食道入口部にまで低濃度の麻酔薬液を供給する。従って、可撓性チューブの全長は外鼻孔から後鼻孔までの経路の長さを基準として設定されることになる。被検者の個体差等を勘案すれば、可撓性チューブの全長を10cm〜16cm程度の長さとするのが最も望ましい。
麻酔装置は再使用可能なものとすることもできるが、1度のみ使用される、所謂使い捨て方式のものとするのが、衛生上の観点から望ましい。このために、可撓性チューブと麻酔薬液貯留部とを一体的に設け、麻酔薬液貯留部は、例えばスポイトや蛇腹等の拡縮可能な可撓性容器で構成し、手動操作でこの容器を圧縮することによって麻酔薬液を注入するのが、構造上での簡略化の点で望ましい。また、可撓性チューブの先端部に形成される開口部は先端側部または先端に1箇所乃至複数個所とすることができる。開口部を先端側部に形成すると、可撓性チューブを鼻腔内に挿入する際に鼻中における粘性分泌物等が可撓性チューブの先端に付着して、開口部が閉鎖される等の不都合を生じることはない。
可撓性チューブの鼻腔内経路への挿入操作性からは、この麻酔薬塗布面部は平滑な面で構成することができ、この場合には、この麻酔薬塗布面部に塗布される麻酔薬は高粘度麻酔薬液またはゼリー状の麻酔薬とする。また、麻酔薬を保持させるために、麻酔薬塗布面部は微小凹凸面、可撓性チューブの軸線方向に形成した多数の微小直線溝、クロスパターン構造のメッシュ溝のいずれか形成することもできる。この場合には、低粘度の麻酔薬液であっても塗布用として用いることができる。
以上の麻酔装置を用いることによって、経鼻挿入型内視鏡の挿入部を鼻腔内に挿入する前に、麻酔装置により必要な箇所を麻酔することができる。即ち、麻酔薬液の流路が形成され、鼻腔内経路に挿入可能な可撓性チューブの基端部に麻酔薬液を貯留した可撓性容器からなり、圧縮することにより麻酔薬液を圧送可能な麻酔薬液貯留部が連結され、この可撓性チューブの先端部に前記流路からの麻酔薬液を注入される開口を形成し、かつ前記可撓性チューブの外周面に麻酔薬を塗布した麻酔装置を用い、前記麻酔薬液貯留部から前記可撓性チューブの流路には低濃度の注入用麻酔薬液を充填し、前記可撓性チューブの外周面に前記注入用麻酔薬液より注入用麻酔薬液より高濃度の塗布用麻酔薬を塗布して、鼻腔内経路を介して後鼻孔乃至その近傍にまで前記可撓性チューブを挿入して、この可撓性チューブの外周面と接触する鼻腔内壁に塗布用麻酔薬を塗布し、また前記麻酔薬液貯留部を加圧することにより前記開口から麻酔薬液を注入することができる

鼻腔における内視鏡の挿入部の挿入経路に、可撓性チューブを鼻腔内に挿入する操作を一度行うだけで、必要な箇所に最適な濃度と量の麻酔薬を供給することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1において、1は内視鏡であって、内視鏡1は体腔内に挿入される挿入部2の基端部に本体操作部3を連結して設け、本体操作部3から光源装置やプロセッサに接続されるユニバーサルコード4を延在させる構成としたものである。挿入部2は、例えば食道,胃,十二指腸等といった上部消化管内に挿入されて、所望の検査や治療等を行うために用いられるものである。ここで、挿入部2は、被検者の口腔ではなく、鼻腔を介して体内に挿入されるようになっている。つまり、鼻道の入口である外鼻孔から中鼻道や下鼻道を含む鼻腔を通り、後鼻孔から上下の鼻咽喉部を経て食道に至る経路を取るようにしている。
内視鏡1の挿入部2を鼻腔内に挿入する前の段階で麻酔薬を塗布する。このために、麻酔装置を外鼻孔から挿入し、その先端を後鼻孔乃至その近傍に配置して、鼻腔内経路のほぼ全体から食道入口部に至る部位を麻酔する。このために用いられる麻酔装置の一例が、図2乃至図4に示されている。
図2及び図3において、10は可撓性チューブであり、この可撓性チューブ10は少なくとも外鼻孔から後鼻孔まで距離の長さ、具体的には10cm〜16cm程度の長さを有するものである。また、太さは内視鏡1の挿入部2の外径より細い外径となっており、具体的には、挿入部2の直径を6mmとしたときに、可撓性チューブ10の直径は4mm程度としている。
また、可撓性チューブ10は曲げ方向に可撓性を有するものであり、かつ実質的に非圧縮構造となっており、さらに狭窄部を通過させる際に、その先端にまで確実に押し込み推力を作用させることができる程度の腰を有している。さらに、この可撓性チューブ10の先端部10aはエッジやコーナ部等が存在しない凸半球面または回転楕円面等の凸球面形状となっている。
可撓性チューブ10は、図4に示したように、中空状のものであって、この中空部は麻酔薬液を供給するための薬液流路11として機能するものである。可撓性チューブ10の基端部には、麻酔薬液貯留部12が連設されている。この麻酔薬液貯留部12は薬液流路11と連通しており、さらに可撓性チューブ10の先端部には麻酔薬液を注入させるために、この先端側部に開口部13が形成されている。麻酔薬液貯留部12は、可撓性チューブ10への連設側に円環状の厚肉部12aが形成されており、また後端部には厚肉円板状の押し込み操作部12bが形成されており、これら厚肉部12aと押し込み操作部12bとの間は蛇腹部12cとなっている。
麻酔薬液貯留部12から可撓性チューブ10の薬液流路11の内部には麻酔薬液が予め充填されており、麻酔薬液貯留部12は可撓性容器として構成され、蛇腹部12cが手動操作で、つまり手指で押動することにより圧縮変形できるようになっている。そして、蛇腹部12cが圧縮されると、図5に示したように、麻酔薬液貯留部12が縮小することになり、その分の麻酔薬液が可撓性チューブ10の先端部10aに設けた開口部13から供給されることになる。このようにして蛇腹部12cが圧縮された後には、蛇腹部12cは復元することがなく、圧縮状態に保持されるようにするのが望ましい。また、可撓性チューブ10を鼻腔内に挿入したときに、誤って麻酔薬液貯留部12が鼻腔内に埋入しないようにするために、この麻酔薬液貯留部12の外径寸法は外鼻孔の孔径より十分大きい寸法とする。
麻酔薬液貯留部12を圧縮させることによって、麻酔薬液が可撓性チューブ10の先端部10aの側部に設けた開口部13から流出乃至噴射され、これによって必要な箇所に対して麻酔薬液の注入が行われる。ここで、開口部は、図6に示した開口部13Aのように可撓性チューブ10の先端部10aの先端位置に開口させ、可撓性チューブ10の軸線方向に向けて麻酔薬液を注入するように構成することもでき、また1箇所だけでなく複数個所の開口部13を形成することもできる。
可撓性チューブ10の外周面は、麻酔液貯留部12の連設部近傍を除くほぼ全面が麻酔薬塗布面部15となっている。この麻酔薬塗布面部15には、麻酔薬が塗布されて、この麻酔薬が付着された状態に保持されるようになっている。この麻酔薬塗布面部15に塗布される麻酔薬がゼリー状のもの、または高い粘度を有するものであれば、平滑な面として構成することができる。また、低粘度の麻酔薬液を塗布する場合には、図7に示したように、可撓性チューブ10の表面に微小凹凸を形成することによって麻酔薬塗布面部15Aとしたり、また図8に示したように、麻酔薬塗布面部15Bのように、可撓性チューブ10の軸線方向に向けて多数の微小な直線溝Gを形成したりすることができる。
以上のように構成される麻酔装置は、麻酔薬液貯留部12の内部から薬液流路12の内部に注入用麻酔薬液が充填されており、可撓性チューブ10の外周面に形成した麻酔薬塗布面部15には、そのほぼ全面にむらなく塗布用麻酔薬が塗布されている。この麻酔薬塗布面部15における麻酔薬の塗布量はできるだけ正確に調整しておく。そして、注入用麻酔薬液と塗布用麻酔薬とでは、異なる濃度のものを用いる。具体的には、例えば、注入用麻酔薬液は約2%のリドカイン液を麻酔薬液貯留部12に充填するようになし、また可撓性チューブ10における麻酔薬塗布面部15には約8%のリドカイン液またはゼリーを塗布しておく。
この状態で、可撓性チューブ10の先端部10aを被検者の外鼻孔の内部に挿入する。可撓性チューブ10の先端部10aは凸曲面形状となっており、かつ曲げ方向に可撓性を有しているので、狭い通路である鼻腔内に粘膜を圧迫したり、ダメージを与えたりすることなく円滑に挿入でき、被検者に与える苦痛は最小限に抑制される。しかも、可撓性チューブ10はある程度の腰を有し、かつ細径のものであるから、先端部10aにまで確実に押し込み推力が作用する。従って、挿入経路のうち、鼻中隔,中鼻介及び下鼻甲介が集中する狭窄部であっても円滑に通過することになる。そして、この可撓性チューブ10の鼻腔内への進行に伴って、その麻酔薬塗布面部15に塗布した塗布用麻酔薬が鼻腔内面における粘膜のほぼ全周にわたって麻酔薬が塗布されることになる。この麻酔薬は8%のリドカイン液またはゼリーであり、この狭い経路の全体にわたって効果的に麻酔処理が行われる。しかも、この高濃度麻酔薬は必要箇所のみに適用され、それ以外の部位に付着することはない。
図2に示したように、可撓性チューブ10の先端部10aが上咽頭の手前の後鼻孔乃至その近傍に到達すると、その位置で挿入を停止させる。そして、手指による操作で麻酔薬液貯留部12の押し込み操作部12bを厚肉部12aに近接する方向に押動する。これによって、蛇腹部12cが圧縮されることになり、これにより作用する圧力によって、開口部13から噴射するようにして麻酔薬液が注入される。このようにして注入された低濃度の麻酔薬液は後鼻孔の部位から食道入口部までの部位に確実に付着することになる。その結果、後鼻孔から上中下の咽頭部及び食道入口部の全体にわたって軽く麻酔される。ここで、開口部13は可撓性チューブ10の先端側部に設けられているので、可撓性チューブ10が鼻腔内を進行する際に、鼻中の粘性分泌物等が付着して開口部を閉鎖してしまうというような事態を生じることはない。
可撓性チューブ10を鼻腔内に挿入し、麻酔薬液貯留部12の圧縮による麻酔薬液の注入が終了し、好ましくは注入後も可撓性チューブ10を留置したままで暫時待機し、麻酔薬塗布面部15に塗布されている麻酔薬を鼻腔内壁に十分作用させる。その後、可撓性チューブ10を鼻腔から引き出す。これによって、経鼻的に挿入される内視鏡の検査の準備が完了する。
そこで、内視鏡1の挿入部2を鼻腔内に挿入して、この挿入部2の先端部を検査すべき位置にまで進行させて、この挿入部2を適宜操作することにより内視鏡検査が行われる。また、必要に応じて処置具挿通チャンネルを介して鉗子等の処置具を体腔内に挿入することによって、所定の治療を施すこともできる。
この内視鏡1の挿入部2を挿入する前段階において、鼻腔内経路の狭窄部を含み、外鼻孔から後鼻孔に至る経路には高濃度の麻酔薬が塗布されているので、挿入部2を通過する際に、被検者に対して苦痛や不快感等を与えることはない。また、後鼻孔から食道入口部に至る比較的広い経路には低濃度による軽い麻酔が施されており、かつ挿入部2は食道入口部近傍では、その腔壁とほぼ平行に進行することになるので、挿入部2が通過する際に殆ど刺激を受けることはない。従って、口腔を介して挿入される場合と比較して、食道入口部に対する刺激は最小限であり、軽い麻酔を行うだけで被検者に嘔吐感等を生じさせることはない。
このように、鼻腔内を通る内視鏡の挿入経路において、必要な部位に必要な濃度で適正な量の麻酔を適用することができ、過剰な麻酔により被検者にダメージを与えるようなことがなく、しかも麻酔薬の不足により被検者に苦痛を強いることもなく、さらに不必要な箇所には殆ど麻酔薬が及ばない。従って、内視鏡1の挿入部2を挿入する前段階で最適な麻酔が行われ、被検者の負担が著しく軽減される。
内視鏡の挿入部を被検者の体腔内に挿入する状態を示す説明図である。 本発明の実施の一形態を示す麻酔装置を被検者の鼻腔内に挿入している状態を示す説明図である。 本発明の麻酔装置の全体構成を示す正面図である。 図3の断面図である。 麻酔薬貯留部を圧縮した状態を示す図4と同様の断面図である。 可撓性チューブにおける麻酔薬液注入用の開口部の他の例を示す正面図である。 本発明の麻酔装置における麻酔薬塗布面部の第1の変形例を示す正面図である。 本発明の麻酔装置における麻酔薬塗布面部の第2の変形例を示す正面図である。
符号の説明
1 内視鏡 2 挿入部
10 可撓性チューブ 10a 先端部
11 薬液流路 12 麻酔薬液貯留部
12a 厚肉部 12b 押し込み操作部
12c 蛇腹部 13 注入用開口
15,15A,15B 麻酔薬塗布面

Claims (5)

  1. 鼻腔内経路に挿入可能な直径を有する可撓性チューブの内部に流路を形成し、かつ先端には麻酔薬注入用の開口部を設け、
    この可撓性チューブは、前記鼻腔内経路のうちの外鼻孔から後鼻孔までの距離に相当する挿入長さを有するものであり、
    前記可撓性チューブの基端部には、所定量の麻酔薬液を貯留する可撓性容器からなり、圧縮することにより前記流路から前記開口部に向けて麻酔薬液を圧送し、前記開口部から噴射可能な麻酔薬液貯留部を連結して設け、
    また前記可撓性チューブの外周面には前記麻酔薬液貯留部への連設部近傍を除いた全面を麻酔薬塗布面部となし、
    前記可撓性チューブの麻酔薬塗布面部に塗布される麻酔薬を前記麻酔薬液貯留部に貯留される麻酔薬液より高濃度のものとする
    構成としたことを特徴とする麻酔装置。
  2. 前記麻酔薬塗布面部は平滑あり、この麻酔薬塗布面部に塗布される麻酔薬は高粘度麻酔薬液またはゼリー状の麻酔薬であることを特徴とする請求項1記載の麻酔装置。
  3. 前記麻酔薬塗布面部は微小凹凸面、前記可撓性チューブの軸線方向に形成した多数の微小溝、クロスパターン溝のいずれか形成したことを特徴とする請求項1記載の麻酔装置。
  4. 前記可撓性チューブの全長を10cm乃至16cmとする構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の麻酔装置。
  5. 前記可撓性チューブの前記麻酔塗布面に塗布される麻酔薬は8%のリドカイン液またはリドカインゼリーであり、前記麻酔薬液貯留部に貯留されている麻酔薬液は2%のリドカイン液であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の麻酔薬装置。
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