JP4829987B2 - 漏水防止用シール材およびその施工方法 - Google Patents
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特許文献1(実開昭64−41505号)のシール材は、図3(1)に示すように断面コの字状の可撓性の本体とこの本体の凹部空間に弾性シーリング材が充填してあり、空間と充填したシーリング材を圧縮して目地に装填するものである。このシール材は、目地に嵌め込む際に所定の位置に保持することが困難であると共に、弾性反発力が弱く、外面に設けた突起の目地壁面への密着が十分でなく、漏水防止が不完全であった。また、シーリング材を充填・封入する工程が必要であり、工事費が嵩むうえに工期が長くなるという問題があった。
特許文献3(特開2005−282180号)に記載されたシール材は、図3(3)に示すように、シール材を押し潰して目地に挿入するものであるが、シール材の弾性反発力が弱いうえに、突起の壁材への密着性が低く、漏水が起こる可能性がある。
本発明は、目地への装填作業を容易にしたうえに、さらに変形量を大きくとれるようにすることによって、装填後の目地の変形に対しても追従可能とし、漏水防止機能を高めるものである。
上辺が緩やかなV字型の台形であるので、シール材を目地に装填する際に、台形の底辺の両端を相互に近づけるように押すと、上辺中央部の窪みが盛上ってほぼ直線状となり、かつ、台形の両斜辺が平行となるので、シール材は変形して四角形に近い矩形となり、変形した両斜辺が両方向に拡がる方向に弾発力が作用し、目地の壁面にシール材が密着するので漏水が防止される。
中央の台形中空部は、シール材を溝にはめ込む時にシール材の幅を縮めるための空間であり、中央の台形中空部と両側にある中空部の間にある隔壁は、両斜辺の突起部を溝に接着する際の支えとなり、圧接力を増す。
また、シール材が変形する時には隔壁が変形するため、外側の接着部は変形時の動きを低減できる。
漏水防止用シール材の中空部を押し潰して目地に装填するため、また、漏水防止用シール材斜辺の突起は、斜辺の基部及び肩部に形成していないので、漏水防止用シール材の変形量を大きくすることに寄与できるので、コンクリート構造物が伸びや段差などの変形を起こしてもそれに追従することができ、漏水防止用シール材の目地壁面への密着性がよく、漏水がおこりにくいものとなる。
斜辺に形成した突起が、漏水防止用シール材を目地から抜け出す方向に対して抵抗する向きの鋸歯状になっているので、抜け防止効果がある。また、接着剤との接着面積を大きくしていることから、水圧がかかったときの水みちを長くして止水効果を高めている。
図1(1)に示すように、シール材1は、3つの中空部と突起のある斜辺部を有し、断面形状が台形であり、素材はゴムまたは合成樹脂などの変形可能な材料で構成してある。
上辺10は山形状であり、中央部2が窪ませてあり、緩やかなV字状としてある。底辺中央11の厚さは薄く、上辺10の厚みの半分であると共に中央部3を凸に盛り上げてあり、内空側に折り曲げ易くしてある。台形の底辺中央11の両端部62を手で挟んで押すと、底辺中央11は中央部3が内空側に盛上ってU字状に折れ曲がり、矩形状に変形する。
シール材1の斜辺12の中間部には抜け止め用として突起4が鋸歯状に設けてある。突起4は、台形の斜辺12の上端区間には設けず、斜辺12の途中から設けてあり、また、斜辺12の底辺の端部62に近い部分にも突起4は設けず、シール材1が目地に装填された状態において斜辺12が目地の壁面に密着した状態のままで変形できる量が大きくなるようにしてある。
また、斜辺12に形成した鋸歯状の突起4は、シール材が目地から抜け出す方向に対して抵抗する向きに傾斜させた鋸歯状突起としてある。
上辺10の中央部の窪み2は、底辺中央11の両端62を中央に向かって押すことによって盛り上り、上辺はほぼ平坦状態に変形し、最終的には、図1(2)に示すようにほぼ矩形となる。
また、シール材1を目地に装填する際に中央の中空部51の空気を真空ポンプ等を使用して吸引することにより、大気圧によってシール材1を圧縮変形させ、装填を容易にすることができ、シール材1を目地に装填後、空気を吸引した中空部に空気を入れて目地の壁面に圧着設置することができる。
本発明によるシール材の漏水防止機能は、地下水圧の他に水路内を流れる水の内水圧に対しても、シール材の弾発力と斜辺部の突起及び接着剤により発揮される。
10 上辺
11 底辺中央
12 斜辺
2 上辺の窪み
3 底辺凸部
4 突起
51、52 中空部
62 底辺の両端
Claims (4)
- 断面が中空部を有する概略台形であり、台形の上辺の中央が窪ませてあって略V字状であり、底辺は中央部が凸状としてあり、中空部が台形の中央部とその両脇に形成してあり、斜辺には抜け止め用突起が設けてあるシール材。
- 請求項1において、底辺の厚みを上辺より薄くしてあるシール材。
- 請求項1または2において、両側斜辺に設けた抜け止め用突起は、斜辺の中間部にのみ設けてあるシール材。
- 請求項1〜3のいずれかのシール材を目地に装填する施工法であって、シール材の中空部の空気を吸引してシール材を圧縮変形させ、両斜辺の突起に接着剤を充填して目地に装填後、空気を吸引した中空部に空気を入れて目地の壁面に圧着設置するシール材の施工方法。
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