JP4829425B2 - Water-soluble cold rolling oil for steel sheet - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板用水溶性冷間圧延油に関し、詳しくは、安定性および圧延潤滑性に優れるとともに付着汚れの少ない鋼板用水溶性冷間圧延油に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板用水溶性冷間圧延油は、油脂、鉱油、合成エステル等を基油とし、これに脂肪酸等の油性向上剤、極圧添加剤、防錆添加剤、酸化防止剤等を加えた潤滑油成分を含有し、通常は水に乳化分散させた濃度1〜10体積%程度の乳化分散液として使用されるので、この乳化分散のための界面活性剤等がさらに配合されている。この乳化分散液は一般にクーラントと呼ばれ、通常はタンク内からポンプを経由しノズルより作業ロール及び鋼板に供給噴射されタンクに戻る循環方式で使用される。この循環方式で用いられる冷間圧延油は、作業ロール及び鋼板の表面にクーラントとして供給されたとき、圧延油中の潤滑成分が作業ロール及び鋼板表面に展着する作用(プレートアウト性と呼ばれる)により潤滑効果を発揮する。
【0003】
このような水溶性冷間圧延油は、水による冷却効果、あるいは循環使用による経済性等の面で非水溶性の冷間圧延油に比べて有利である反面、圧延加工により発生した摩耗鉄粉がクーラント中に混入し油分と合一したいわゆるスカムが生成される。このため、クーラントの管理上で(1)循環使用時のクーラントの安定性、(2)スカムの付着による圧延機(ミル)周辺の汚れ、等の問題を生じることがある。
【0004】
クーラントの安定性を高めるためには、界面活性剤の量や種類を調節することが考えられる。しかし、乳化分散のためにノニオン系、アニオン系等の界面活性剤を配合した水溶性冷間圧延油においては、その種類、配合量の調節によってプレートアウト性が変化する。例えば、クーラントの安定性を高めるとプレートアウト性が低下して潤滑性が不十分となり、また界面活性剤を調節してプレートアウト性を増大しようとするとクーラントが不安定となって循環使用する際に種々の支障をきたす。即ち、クーラントの安定性とプレートアウト性とは相反する傾向を示すものである。
また、プレートアウト性を良くするために、スカムアウト(スカムの除去)頻度を減らす方法があるが、この場合には、クーラント中にスカムが増加しその付着によるミル汚れが増すことになる。
【0005】
上記のような問題点に対して、クーラントの安定性とプレートアウト性とを両立させた冷間圧延油の開発が試みられており、カチオン系又はアミン系界面活性剤を含有する冷間圧延油等が提案されている。例えば、特開昭62−112695号公報にはアルキルアミン等のアミノ化合物の酸化エチレン付加物を、特公平2−40113号公報にはポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン類を、特公平2−40114号公報にはポリアルキレンポリアミン類等にアルキレンオキシドを付加したポリエーテルポリオール類を、特開平8−325588号公報にはアルキルアミンエチレンプロピレンオキサイド付加物等を含有する圧延油が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、クーラントの安定性およびプレートアウト性のいずれにも優れ、更にミル汚れが少ないという観点から十分な性能を有する鋼板用水溶性冷間圧延油はまだ得られていないのが実情である。
【0007】
また、近年、生産性を向上するため、圧延速度を増加する傾向があり、より優れた潤滑性と同時にクーラントの安定性および圧延機周辺の耐汚れ性の向上が冷間圧延油に求められている。特に、ブリキ原板等の板厚0.35mm以下の薄物材を得るために圧延速度1000m/分以上で高速圧延する場合には、圧延条件が厳しく、上記の特性が強く求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、上記従来技術の冷間圧延油の欠点を解消するものであり、クーラントの安定性が良好で、プレートアウト性にも優れ、かつミル汚れも少ない冷間圧延油を提供することを目的とする。
更に、薄物材の高速圧延においても、上記性能を発揮することができる冷間圧延油を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋼板用水溶性冷間圧延油クーラントの安定性及びプレートアウト性に関し、特にアミン系界面活性剤の影響について鋭意検討した結果、特定のアミン系界面活性剤、すなわち、アルキルアルキレンジアミンまたはアルケニルアルキレンジアミンのポリオキシアルキレン付加物が優れた作用を発揮することを見いだして本発明を完成した。
【0010】
本発明における第発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアルキレンジアミンの酸付加塩を含有することを特徴とする。
【化3】

Figure 0004829425
(ただし、上記式中において、Rは炭素原子数12〜18のアルキル基、nは2または3の整数、aおよびbはそれぞれ1〜6および3〜6の整数であり、かつ、a+bは〜12である。)
【0011】
また、本発明における第発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、下記一般式(2)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルアルキレンジアミンの酸付加塩を含有することを特徴とする。
【化4】
Figure 0004829425
(ただし、上記式中において、Rは炭素原子数12〜18のアルケニル基、nは2または3の整数、aおよびbはそれぞれ1〜6および3〜6の整数であり、かつ、a+bは〜12である。)
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)または(2)において、エチレンオキシド付加モル数aは1〜6の整数(より好ましくは1〜4の整数)であり、プロピレンオキシド付加モル数bは〜6の整数である。エチレンオキシド付加モル数aが1未満またはプロピレンオキシド付加モル数bが6を超える場合には、プレートアウト性は良いものの安定性が低下する。一方、エチレンオキシド付加モル数aが6を超えるかまたはプロピレンオキシド付加モル数bが1未満の場合には、安定性は良いもののプレートアウト性が低下する。
なお、一般式(1)または(2)で表される化合物の一分子中には複数のaが含まれるが、これらは互いに同じであっても異なっていてもよく、bについても同様である。
【0013】
このaとbとの合計は〜12であり、5〜10であることが好ましい。a+bが3未満では鉄粉に対する分散能が不足し、a+bが12を超えるとプレートアウト性が不足するという問題が生じる。エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの付加形態は、いわゆるブロック付加を示すが、ランダム付加でもリバース付加でもよい。なお、アルキレンオキサイドの炭素原子数が4以上となると水溶性が低下して安定性が不足する。
また、一般式(1)または(2)において、アルキレン基の炭素原子数nは2または3であり、3であることがより好ましい。
【0014】
一般式(1)におけるR1は炭素原子数12〜18(より好ましくは14〜18、さらに好ましくは16〜18)のアルキル基である。炭素原子数が12未満ではプレートアウト性が不足し、18を超えると水溶性が低下して安定性が悪くなる。
一般式(2)におけるR2は炭素原子数12〜18(より好ましくは14〜18、さらに好ましくは16〜18)のアルケニル基である。炭素原子数が12未満ではプレートアウト性が不足、18を超えると水溶性が低下して安定性が悪くなる。
このアルキル基およびアルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよいが、直鎖状であることが好ましい。
【0015】
また、一般式(1)または(2)で表される化合物は、単体でも優れた性能を発揮するが、酸付加塩としてカチオン性をより高めることもできる。その塩とする酸としては、ギ酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸等の低級酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸等のオキシカルボン酸、リン酸等の無機酸、無水マレイン酸、琥珀酸等のジカルボン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキシル酸等の中級酸及び酸性リン酸エステル等を挙げることができ、これらの一種または二種以上を用いることができる。
本発明の冷間圧延油は、一般式(1)または(2)で表される化合物とその酸付加塩との両方を含有してもよい。
【0016】
上記一般式(1)または(2)で表される化合物の酸付加塩の含有量は、本発明の冷間圧延油全体を100重量部として0.1〜10重量部の範囲とすることが好ましく、0.1〜5重量部の範囲とすることがより好ましく、0.5〜3重量部の範囲とすることがさらに好ましい。含有量が0.1重量部未満では乳化分散が不十分となり、クーラントの安定性が悪くなるとともに、ミルへの汚れ付着が多くなる。また、含有量が10重量部を越えるとプレートアウト性が低下して潤滑性が不足する。
【0017】
本発明の鋼板用冷間圧延油の基油としては、スピンドル油、マシン油等の鉱物油、牛脂、豚脂、菜種油、パーム油等の動植物油脂、脂肪酸エステル、ヒンダードエステル等の合成エステル等が挙げられる。これらのうち一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。基油の含有量は、本発明の冷間圧延油全体を100重量部として通常60〜95重量部の範囲であり、好ましくは80〜95重量部の範囲である。
【0018】
本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、上記の一般式(1)で表される化合物を必須成分とするが、その他の任意成分として基油のほか、従来より冷間圧延油に用いられている油性向上剤、極圧添加剤、防錆添加剤、酸化防止剤、界面活性剤、その他の添加剤を適宜使用することができる。油性向上剤としては脂肪酸、アルコール等を、極圧添加剤としては硫化油脂、硫化鉱油、ポリスルフィド等の硫黄系またはリン酸エステル等のリン系極圧剤を、防錆添加剤としては石油スルホン酸塩等を、酸化防止剤としてはフェノール系、アミン系等を、界面活性剤としてはアニオン系、ノニオン系等をそれぞれ例示することができる。
【0019】
本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、上記の必須成分及び任意成の所定の割合を混合することにより得られる。この鋼板用水溶性冷間圧延油は、原液(圧延油)を水により希釈した(すなわち水に乳化分散させた)クーラントとして冷間圧延に使用される。クーラント中における冷間圧延油の濃度は、通常0.5〜10体積%(好ましくは1〜5体積%)程度である。
【0020】
本発明の冷間圧延油は、この圧延油2体積%を含む55℃の水乳化分散液を、鉛直に懸垂された150℃の鋼板(例えばJIS SPCC−SB鋼板)に2秒間スプレー(例えばスプレー流量2リットル/分)した場合における該鋼板への付着油分が1.0g/m2以上(より好ましい条件では1.2g/m2以上)であり、かつ、上記水乳化分散液中における上記圧延油の平均粒子径をr1、該水乳化分散液に平均粒子径0.02μmの鉄粉1000ppmを添加しホモミキサーにて9500rpmで15分間攪拌した後における上記圧延油の平均粒子径をr2としたとき、r2/r1の値が1.2以下(より好ましい条件では1.15以下)であるものとすることができる。
【0021】
また、本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、圧延速度1000m/分以上(通常、2000m/分以下)の条件下、鋼板を板厚0.5mm以下(好ましくは0.35mm以下、より好ましくは0.15〜0.25mm)に冷間圧延する際に用いられるものとすることができる。通常、圧延後の板厚(仕上厚)は0.1mm以上である。
【0022】
本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、下記実施例の性能試験(2)に示す条件において測定した場合、圧延速度2000m/分における摩擦係数が0.005〜0.010(特に0.006〜0.009)であるものとすることができる。また、この冷間圧延油は、下記実施例の性能試験(2)に示す条件において測定した場合、r4(24時間操業後の上記圧延油の平均粒子径)/r3(上記圧延油の初期の平均粒子径)の値が1.15以下(好ましくは1.10以下、より好ましくは1.05以下)であるものとすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油について、実施例及び比較例により詳細に説明する。一般式(2)におけるR 一般式(1)におけるR、n、aおよびbがそれぞれ表1に示すとおりである化合物A〜A10を用いて、表2および表3に示す組成の冷間圧延油を調整した。表1に示す化合物のうちA〜AおよびA10を用いた冷間圧延油は本発明品であり、A、AおよびA〜Aを用いた冷間圧延油は比較品である。これらの化合物は、それぞれ原料となるジアミンにエチレンアルキレンオキシドをaモル付加させ、次いでプロピレンオキシドをbモル付加させて得られたものである。
【0024】
【表1】
Figure 0004829425
【0025】
【表2】
Figure 0004829425
【0026】
【表3】
Figure 0004829425
【0027】
表2および表3に示す材料の内容は以下のとおりである。
合成エステル:トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、商品名「ユニスターH−381R」(日本油脂株式会社製)
脂肪酸a:牛脂脂肪酸、商品名「TOENOL#1050」(当栄ケミカル株式会社製)
酸性リン酸エステル:2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、商品名「Phoslex A−4」(堺化学工業株式会社製)
界面活性剤a:ポリオキシエチレンジオレエート、商品名「イオネットDO600」(三洋化成工業株式会社製)
界面活性剤b:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、商品名「リカノンUA5008」(新日本理化株式会社製)
防食剤:1,2,3−ベンゾトリアゾール、商品名「BT−120」(城北化学株式会社製)
酸化防止剤:ヒンダードフェノール、商品名「ノクラックNS−6」(大内新興株式会社製)
【0028】
[1]性能試験(1)
得られた各冷間圧延油(試料油)の性能を以下の試験により評価した。
▲1▼安定性
水に試料油の所定量を加え、ホモミキサーにより9500rpmで15分間攪拌して水乳化分散液を調製し、この分散液中における試料油の平均粒子径r1をコールターカウンター(マルチサイザーI型)により測定した。次いで、この分散液に鉄粉を添加して下記の条件で攪拌した後における試料油の平均粒子径r2を同様に測定した。この鉄粉添加による平均粒子径の変化から、クーラントの安定性を評価した。
試料油濃度:2体積%
水乳化分散液の量:800g
水乳化分散液の温度:55℃
攪拌機:ホモミキサー、9500rpm
鉄粉:粒径0.02μm、添加量1000ppm
撹拌時間:15分
【0029】
▲2▼プレートアウト性
上記▲1▼と同様に調整した試料油の水乳化分散液(鉄粉なし)をポンプで1時間循環させ、鉛直に懸垂した試験片にこの分散液を2秒間スプレーし、そのときの付着油分(g/m2)を測定した。
試験片:JIS SPCC−SB、サイズ3.2×60×80mm
試験片温度:150℃
スプレー流量:2リットル/分
試料油濃度:2体積%
水乳化分散液の温度:55℃
【0030】
▲3▼付着汚れ試験
上記▲1▼と同様にして鉄粉の添加された水乳化分散液を調整し、この分散液を▲2▼と同様にポンプで循環させ、鉛直に懸垂した試験片にスプレーした。その後、試験片に付着した汚れの量及び汚れ状態を目視により評価した。
【0031】
以上の結果を表4および表5に示す。なお、表4および表5において、安定性の評価結果は○:安定性良好、△:やや不安定、×:不安定を、また付着汚れの評価結果は○:付着汚れなし、△:付着汚れあり、×:付着汚れ著しい、をそれぞれ表す。
【0032】
【表4】
Figure 0004829425
【0033】
【表5】
Figure 0004829425
【0034】
表4および表5から判るように、実施例1〜7の冷間圧延油は安定性においては、平均粒径が9μm前後であり、鉄粉添加後の粒径の変化を示すr2/r1の値が1.07〜1.14と優れていた。また、プレートアウト性においても、付着油分量が1.24〜1.58g/m2と優れており、更に、試験片への汚れ付着量も66〜72g/m2と少なく優れていた。
これに対して、bが6を超える比較例1および2ではプレートアウト性は1.78g/m2及び1.62g/m2と良いものの、安定性においてはr2/r1の値が1.50及び1.45と低下した。また、aが6を超える比較例3は安定性においてはr2/r1の値が1.10と良いものの、プレートアウト性が0.98g/m2と低下し、bが1未満である比較例6もプレートアウト性が0.90g/m2と不十分であった。化合物A1〜A10のいずれも含有しない比較例4および5、そしてa+bの合計が3未満である比較例7は、いずれも安定性において、鉄粉添加後の粒径が大きく、r2/r1の値が順に2.05、1.91、1.91と劣っており安定性が低く、かつ汚れの付着量も順に230g/m2、200g/m2、200g/m2と多かった。
【0035】
[2]性能試験(2)
表2及び表3に示す各冷間圧延油(試料油)の性能を以下の実機試験により評価した。
▲1▼(圧延潤滑性)
各冷間圧延油(試料油)を、5スタンド冷間タンデム圧延機に用いて、原板厚2.0mm、板幅900mmの低炭素鋼を、圧延速度300m/分、600m/分、1000m/分、1500m/分及び2000m/分の各速度で圧延し、仕上厚0.2mm時の各圧延速度における摩擦係数により圧延潤滑性を評価した。
また、ある圧延速度でスリップ等の不具合が生じた場合は、その速度以上の圧延は行わなかった。
尚、この際の温水中の試料油濃度は3体積%、水乳化分散液の温度は60℃で、循環式給油とし供給流量は17000リットル/分である。また、この摩擦係数は#5スタンドにおける圧延荷重の計測値からBland&Fordの式を用いて逆算した。
▲2▼(水乳化分散液の安定性)
水乳化分散液の安定性は、上記▲1▼と同様の圧延機を用いて、圧延速度300〜2000m/分の条件で24時間連続圧延を行い、24時間操業後における水乳化分散液の平均粒径の変化により評価した。この際の温水中の油分濃度、水乳化分散液の温度、給油方式及び供給流量は、▲1▼と同様である。
なお、比較例1、2、3、5および6においては、300〜1000m/分(比較例1、2、5、6)、又は300〜1500m/分(比較例3)の圧延速度で評価した。
▲3▼(圧延機周辺汚れ)
上記▲2▼の圧延終了後における、圧延機周辺に付着した汚れの量及び汚れ状態を目視により評価した。
【0036】
以上の結果を表6に示す。なお、水乳化分散液の安定性の評価結果は○:安定性良好、△:やや不安定、×:不安定を、また圧延機周辺汚れの評価結果は○:付着汚れなし、△:付着汚れあり、×:付着汚れ著しい、をそれぞれ表す。
【0037】
【表6】
Figure 0004829425
【0038】
表6によれば、全ての実施例において、圧延速度2000m/分まで安定した圧延が可能で、600m/分、1000m/分、1500m/分および2000m/分の各速度での摩擦係数は0.006〜0.010の範囲で変動も小さかった。更に、スリップ、チャタリング(圧延機振動)、ヒートスクラッチの発生も無く、良好な品質の冷延鋼板が得られた。
これに対して、比較例1および2では、1000m/分でスリップを生じてしまい、圧延を中断した。比較例3では、摩擦係数が高く1000m/分でヒートスクラッチを生じた。また、比較例5では、1000m/分でスリップを生じた。更に、比較例6では、摩擦係数が高く1000m/分でチャタリングを生じ、圧延速度を上げることができなかった。比較例4および7では、2000m/分まで圧延できた。
尚、300m/分の低速圧延時において、摩擦係数が大きいのはロ−ルバイト内に導入される油膜厚みが小さいためである。
【0039】
また、水乳化分散液の安定性においては、全ての実施例において、24時間操業後の平均粒径が10μm前後であり、かつ、粒径の変化を示すr4/r3の値が1.0〜1.03であり、安定性に優れていた。これに対して、比較例1および2では、r4/r3の値は1.31及び1.30であったが、24時間操業後の平均粒径が14.2μm及び16.4μmと大きく、不安定であった。比較例4〜7の平均粒径では、24時間操業後の平均粒径が10.8〜17.0μmと大きく、r4/r3の値が1.29〜1.78と著しく不安定であり、比較例3のみ平均粒径がr4/r3の値が1.14と安定した平均粒径であった。
更に、全ての実施例において、圧延機周辺の汚れやスカムの堆積は微少で良好な耐汚れ性を示した。これに対して比較例では、比較例3および6のみが良好であり、比較例1および2では、圧延機周辺の汚れがやや目立ち、比較例4、5および7では、汚れが非常に目立った。
以上のことより、本実施例の圧延油は、圧延潤滑性、水乳化分散液の安定性、及び圧延機周辺の耐汚れ性に優れ、性能バランスのよいものであることが分かった。特に、仕上厚0.35mm以下の薄物材を得るために、圧延速度1000m/分以上で高速圧延する際、優れた圧延潤滑性と同時に、優れた水乳化分散液の安定性及び圧延機周辺の耐汚れ性を示すものであることが分かった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油を用いることにより、安定性およびプレートアウト性のいずれにも優れ、かつミル汚れの少ないクーラントが得られる。これにより、圧延潤滑性能及びクーラント管理の改善が可能となる。
更に、本発明の鋼板用水溶性冷間圧延油は、圧延速度1000m/分以上の条件下、鋼板を板厚0.35mm以下に冷間圧延する際、優れた潤滑性を発揮でき、かつクーラントの安定性および圧延機周辺の耐汚れ性にも優れる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a water-soluble cold-rolled oil for steel plates, and more particularly to a water-soluble cold-rolled oil for steel plates that is excellent in stability and rolling lubricity and has little adhesion contamination.
[0002]
[Prior art]
Water-soluble cold-rolled oil for steel sheet is a lubricating oil component based on fats, mineral oils, synthetic esters, etc., plus oiliness improvers such as fatty acids, extreme pressure additives, rust preventive additives, antioxidants, etc. In general, it is used as an emulsified dispersion having a concentration of about 1 to 10% by volume emulsified and dispersed in water. Therefore, a surfactant for emulsifying and dispersing is further blended. This emulsified dispersion is generally called a coolant, and is usually used in a circulating manner from the inside of the tank via a pump and supplied to the work roll and the steel plate from the nozzle and returned to the tank. When cold rolling oil used in this circulation system is supplied as a coolant to the surface of the work roll and the steel plate, the lubricating component in the rolling oil spreads on the work roll and the surface of the steel plate (called plate-out property). To exert a lubricating effect.
[0003]
Such water-soluble cold-rolled oil is more advantageous than water-insoluble cold-rolled oil in terms of the cooling effect by water or the economic efficiency of circulating use, but the worn iron powder generated by rolling. Is mixed into the coolant and so-called scum is formed. For this reason, problems such as (1) stability of the coolant during circulation use and (2) contamination around the rolling mill (mill) due to adhesion of scum may occur in managing the coolant.
[0004]
In order to improve the stability of the coolant, it is conceivable to adjust the amount and type of the surfactant. However, in water-soluble cold-rolled oil blended with a nonionic or anionic surfactant for emulsification and dispersion, the plate-out property changes depending on the adjustment of the type and blending amount. For example, if the stability of the coolant is increased, the plate-out property decreases and the lubricity becomes insufficient, and if the surfactant is adjusted to increase the plate-out property, the coolant becomes unstable and is used for circulation. Cause various problems. That is, the stability of the coolant and the plate-out property tend to contradict each other.
Further, in order to improve the plate-out property, there is a method of reducing the scum-out (scum removal) frequency. In this case, scum increases in the coolant, and mill contamination due to the adhesion increases.
[0005]
In order to solve the above-mentioned problems, it has been attempted to develop a cold rolling oil having both coolant stability and plate-out properties, and a cold rolling oil containing a cationic or amine surfactant is used. Etc. have been proposed. For example, JP-A-62-112695 discloses an ethylene oxide adduct of an amino compound such as an alkylamine, JP-B-2-40113 discloses polyalkyleneimines such as polyethyleneimine, and JP-B-2-40114. JP-A-8-325588 discloses a rolling oil containing a polyether polyol in which an alkylene oxide is added to a polyalkylene polyamine or the like, and JP-A-8-325588 discloses an alkylamine ethylene propylene oxide adduct or the like.
[0006]
However, in the above prior art, a water-soluble cold-rolling oil for steel sheet that has excellent performance from the viewpoint that both the stability of the coolant and the plate-out property are excellent, and the mill contamination is small, has not yet been obtained. It is a fact.
[0007]
In recent years, in order to improve productivity, there is a tendency to increase the rolling speed, and cold rolling oil is required to improve the stability of the coolant and the stain resistance around the rolling mill as well as better lubricity. Yes. In particular, when high-speed rolling is performed at a rolling speed of 1000 m / min or more in order to obtain a thin material having a thickness of 0.35 mm or less such as a tin plate, rolling conditions are severe and the above characteristics are strongly demanded.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The water-soluble cold rolling oil for steel sheet of the present invention eliminates the drawbacks of the cold rolling oils of the prior art described above, has good coolant stability, excellent plate-out properties, and is free from mill contamination. It aims to provide hot rolling oil.
Furthermore, it aims at providing the cold rolling oil which can exhibit the said performance also in the high-speed rolling of a thin material.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations on the effects of amine surfactants on the stability and plate-out properties of water-soluble cold-rolled oil coolant for steel sheets, the present inventors have found that specific amine surfactants, ie, alkyl alkylene diamines. Alternatively, the present invention was completed by finding that the polyoxyalkylene adduct of alkenyl alkylene diamine exhibits an excellent action.
[0010]
The water-soluble cold rolling oil for steel sheet of the second invention in the present invention is characterized by containing an acid addition salt of polyoxyethylene polyoxypropylene alkylalkylenediamine represented by the following general formula (1).
[Chemical 3]
Figure 0004829425
(In the above formula, R 1 is an alkyl group having 12 to 18 carbon atoms, n is an integer of 2 or 3, a and b are integers of 1 to 6 and 3 to 6 , respectively, and a + b is 4 to 12.)
[0011]
Moreover, the water-soluble cold-rolled oil for steel sheets of the first invention in the present invention is characterized by containing an acid addition salt of polyoxyethylene polyoxypropylene alkenyl alkylene diamine represented by the following general formula (2).
[Formula 4]
Figure 0004829425
(In the above formula, R 2 is an alkenyl group having 12 to 18 carbon atoms, n is an integer of 2 or 3, a and b are integers of 1 to 6 and 3 to 6 , respectively, and a + b is 4 to 12.)
[0012]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In general formula (1) or (2), ethylene oxide addition mole number a is an integer of 1 to 6 (more preferably an integer of 1 to 4), and propylene oxide addition mole number b is an integer of 3 to 6. When the ethylene oxide addition mole number a is less than 1 or the propylene oxide addition mole number b exceeds 6, although the plate-out property is good, the stability is lowered. On the other hand, when the ethylene oxide addition mole number a exceeds 6 or the propylene oxide addition mole number b is less than 1, although the stability is good, the plate-out property is lowered.
In addition, although one molecule of the compound represented by the general formula (1) or (2) includes a plurality of a, these may be the same or different from each other, and the same applies to b. .
[0013]
The sum of the a and b is 4-12, preferably a 5 to 10. When a + b is less than 3, the dispersibility with respect to iron powder is insufficient, and when a + b exceeds 12, there is a problem that the plate-out property is insufficient. The addition form of ethylene oxide and propylene oxide indicates so-called block addition, but may be random addition or reverse addition. In addition, when the number of carbon atoms of the alkylene oxide is 4 or more, the water solubility is lowered and the stability is insufficient.
In the general formula (1) or (2), the alkylene group has 2 or 3 carbon atoms, more preferably 3, carbon atoms.
[0014]
R 1 in the general formula (1) is an alkyl group having 12 to 18 carbon atoms (more preferably 14 to 18, more preferably 16 to 18). When the number of carbon atoms is less than 12, the plate-out property is insufficient, and when it exceeds 18, the water solubility is lowered and the stability is deteriorated.
R 2 in the general formula (2) is an alkenyl group having 12 to 18 carbon atoms (more preferably 14 to 18, more preferably 16 to 18). When the number of carbon atoms is less than 12, the plate-out property is insufficient, and when it exceeds 18, the water solubility is lowered and the stability is deteriorated.
The alkyl group and alkylene group may be linear or branched, but is preferably linear.
[0015]
Moreover, although the compound represented by General formula (1) or (2) exhibits the performance which was excellent even if it was single, it can also improve cationic property more as an acid addition salt. Examples of the acid used as the salt include lower acids such as formic acid, acetic acid, butyric acid and propionic acid, oxycarboxylic acids such as malic acid, lactic acid and glycolic acid, inorganic acids such as phosphoric acid, and dicarboxylic acids such as maleic anhydride and succinic acid. Examples include acids, caproic acid, caprylic acid, capric acid, intermediate acids such as 2-ethylhexylic acid, and acidic phosphoric acid esters. One or more of these can be used.
The cold rolling oil of the present invention may contain both the compound represented by the general formula (1) or (2) and an acid addition salt thereof.
[0016]
The content of the acid addition salt of the compound represented by the general formula (1) or (2) may be in the range of 0.1 to 10 parts by weight with 100 parts by weight of the entire cold rolling oil of the present invention. The range is preferably 0.1 to 5 parts by weight, and more preferably 0.5 to 3 parts by weight. If the content is less than 0.1 part by weight, emulsification and dispersion are insufficient, the stability of the coolant is deteriorated, and the adhesion of dirt to the mill is increased. Moreover, when content exceeds 10 weight part, plate-out property will fall and lubricity will run short.
[0017]
As the base oil of the cold rolled oil for steel plate of the present invention, spindle oil, mineral oil such as machine oil, beef tallow, lard, rapeseed oil, palm oil and other animal and vegetable oils, fatty acid ester, hindered ester and other synthetic esters, etc. Is mentioned. Among these, one kind can be used alone, or two or more kinds can be mixed and used. The content of the base oil is usually in the range of 60 to 95 parts by weight, preferably in the range of 80 to 95 parts by weight, based on 100 parts by weight of the entire cold rolling oil of the present invention.
[0018]
The water-soluble cold rolling oil for steel sheets of the present invention contains the compound represented by the above general formula (1) as an essential component, but other than the base oil, it has been conventionally used for cold rolling oil as an optional component. The oiliness improver, extreme pressure additive, rust preventive additive, antioxidant, surfactant, and other additives can be used as appropriate. Fatty acids, alcohols, etc. are used as oil improvers, sulfur-based extreme pressure agents such as sulfurized fats, sulfide mineral oils, polysulfides, etc. as extreme pressure additives, and petroleum sulfonic acids as rust preventive additives. Examples of the salt include phenols and amines as the antioxidant, and examples of the surfactant include anion and nonion.
[0019]
The water-soluble cold rolling oil for steel sheet of the present invention can be obtained by mixing the above-mentioned essential components and arbitrary predetermined ratios. This water-soluble cold rolling oil for steel sheet is used for cold rolling as a coolant obtained by diluting a stock solution (rolling oil) with water (that is, emulsified and dispersed in water). The density | concentration of the cold rolling oil in a coolant is about 0.5-10 volume% (preferably 1-5 volume%) normally.
[0020]
In the cold rolling oil of the present invention, a 55 ° C. water emulsified dispersion containing 2% by volume of the rolling oil is sprayed onto a vertically suspended 150 ° C. steel plate (eg, JIS SPCC-SB steel plate) for 2 seconds (eg, spray). The amount of oil adhering to the steel sheet when the flow rate is 2 liters / min) is 1.0 g / m 2 or more (1.2 g / m 2 or more under more preferable conditions), and the rolling in the water-emulsified dispersion is performed. The average particle size of the rolling oil after addition of 1000 ppm of iron powder with an average particle size of 0.02 μm to the water-emulsified dispersion and stirring with a homomixer at 9500 rpm for 15 minutes was defined as r2. The value of r2 / r1 may be 1.2 or less (1.15 or less under more preferable conditions).
[0021]
Further, the water-soluble cold rolling oil for steel sheets of the present invention has a steel sheet thickness of 0.5 mm or less (preferably 0.35 mm or less, more preferably, under conditions of a rolling speed of 1000 m / min or more (usually 2000 m / min or less). Can be used for cold rolling to 0.15 to 0.25 mm. Usually, the plate thickness (finished thickness) after rolling is 0.1 mm or more.
[0022]
The water-soluble cold rolling oil for steel sheets of the present invention has a friction coefficient of 0.005 to 0.010 (particularly 0.006) at a rolling speed of 2000 m / min when measured under the conditions shown in the performance test (2) of the following examples. ~ 0.009). Moreover, this cold rolling oil was measured under the conditions shown in the performance test (2) of the following example, r4 (average particle diameter of the rolling oil after 24 hours of operation) / r3 (initial rolling oil). The value of the average particle diameter may be 1.15 or less (preferably 1.10 or less, more preferably 1.05 or less).
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the water-soluble cold rolling oil for steel plates of the present invention will be described in detail with reference to Examples and Comparative Examples. Compositions shown in Table 2 and Table 3 using compounds A 1 to A 10 in which R 2 in general formula (2) and R 1 , n, a and b in general formula (1) are as shown in Table 1, respectively. The cold rolling oil was adjusted. Among the compounds shown in Table 1, the cold rolled oil using A 3 to A 6 and A 10 is the product of the present invention, and the cold rolled oil using A 1 , A 2 and A 7 to A 9 is the comparative product. It is. These compounds are obtained by adding a mole of ethylene alkylene oxide to diamine as a raw material and then adding b mole of propylene oxide.
[0024]
[Table 1]
Figure 0004829425
[0025]
[Table 2]
Figure 0004829425
[0026]
[Table 3]
Figure 0004829425
[0027]
The contents of the materials shown in Table 2 and Table 3 are as follows.
Synthetic ester: trimethylolpropane fatty acid ester, trade name “Unistar H-381R” (manufactured by NOF Corporation)
Fatty acid a: beef tallow fatty acid, trade name “TOENOL # 1050” (manufactured by Toei Chemical Co., Ltd.)
Acid phosphate ester: 2-ethylhexyl acid phosphate, trade name “Phoslex A-4” (manufactured by Sakai Chemical Industry Co., Ltd.)
Surfactant a: Polyoxyethylene dioleate, trade name “IONET DO600” (manufactured by Sanyo Chemical Industries, Ltd.)
Surfactant b: polyoxyethylene alkyl ether, trade name “Ricanon UA5008” (manufactured by Shin Nippon Rika Co., Ltd.)
Anticorrosive: 1,2,3-benzotriazole, trade name “BT-120” (manufactured by Johoku Chemical Co., Ltd.)
Antioxidant: Hindered phenol, trade name “NOCRACK NS-6” (manufactured by Ouchi Shinsei Co., Ltd.)
[0028]
[1] Performance test (1)
The performance of each obtained cold rolling oil (sample oil) was evaluated by the following test.
(1) A predetermined amount of sample oil is added to stable water, and a water emulsified dispersion is prepared by stirring for 15 minutes at 9500 rpm with a homomixer. The average particle diameter r1 of the sample oil in this dispersion is determined using a Coulter counter Measured by sizer type I). Next, after adding iron powder to this dispersion and stirring under the following conditions, the average particle diameter r2 of the sample oil was measured in the same manner. The stability of the coolant was evaluated from the change in the average particle size due to the addition of iron powder.
Sample oil concentration: 2% by volume
Amount of water emulsified dispersion: 800 g
Water emulsion dispersion temperature: 55 ° C
Stirrer: Homomixer, 9500 rpm
Iron powder: particle size 0.02μm, additive amount 1000ppm
Stirring time: 15 minutes [0029]
(2) Plate-out property A water-emulsified dispersion of sample oil (without iron powder) prepared in the same manner as in (1) above was circulated with a pump for 1 hour, and this dispersion was sprayed onto a vertically suspended test piece for 2 seconds. Then, the adhered oil content (g / m 2 ) at that time was measured.
Test piece: JIS SPCC-SB, size 3.2 × 60 × 80 mm
Test piece temperature: 150 ° C
Spray flow rate: 2 l / min Sample oil concentration: 2% by volume
Water emulsion dispersion temperature: 55 ° C
[0030]
(3) Adhesion stain test In the same manner as in (1) above, a water-emulsified dispersion with iron powder added is prepared, and this dispersion is circulated by a pump in the same manner as in (2). Sprayed. Thereafter, the amount of dirt attached to the test piece and the state of the dirt were visually evaluated.
[0031]
The above results are shown in Tables 4 and 5. In Tables 4 and 5, the evaluation results of stability are ○: good stability, Δ: slightly unstable, ×: unstable, and the evaluation results of attached dirt are ○: no attached dirt, Δ: attached dirt Yes, x: Remarkable adhesion dirt.
[0032]
[Table 4]
Figure 0004829425
[0033]
[Table 5]
Figure 0004829425
[0034]
As can be seen from Tables 4 and 5, the cold-rolled oils of Examples 1 to 7 have an average particle size of about 9 μm in stability, and the change in particle size after addition of iron powder is r2 / r1. The value was excellent at 1.07-1.14. Further, in terms of plate-out property, the amount of attached oil was excellent at 1.24 to 1.58 g / m 2, and the amount of dirt adhered to the test piece was also excellent at 66 to 72 g / m 2 .
In contrast, although b is Comparative Example 1 and 2, plate-out of greater than 6 good and 1.78 g / m 2 and 1.62 g / m 2, the value of r2 / r1 is at stability 1.50 And 1.45. In Comparative Example 3 in which a exceeds 6, the r2 / r1 value is good at 1.10, but the plate-out property is reduced to 0.98 g / m 2 and b is less than 1. 6 also had an insufficient plate-out property of 0.90 g / m 2 . Comparative Examples 4 and 5 that do not contain any of compounds A 1 to A 10 and Comparative Example 7 in which the sum of a + b is less than 3 both have a large particle size after addition of iron powder in terms of stability, and r2 / r1 values sequentially 2.05,1.91,1.91 and has low stability poor, and adhesion amount of dirt were sequentially many as 230g / m 2, 200g / m 2, 200g / m 2.
[0035]
[2] Performance test (2)
The performance of each cold rolling oil (sample oil) shown in Table 2 and Table 3 was evaluated by the following actual machine test.
(1) (Rolling lubricity)
Using each cold rolling oil (sample oil) in a 5-stand cold tandem rolling mill, a low carbon steel having a sheet thickness of 2.0 mm and a sheet width of 900 mm is rolled at a rolling speed of 300 m / min, 600 m / min, and 1000 m / min. Rolling lubricity was evaluated by rolling at 1500 m / min and 2000 m / min, and the friction coefficient at each rolling speed when the finished thickness was 0.2 mm.
In addition, when a problem such as slip occurred at a certain rolling speed, rolling at a speed higher than that speed was not performed.
In this case, the concentration of the sample oil in the warm water is 3% by volume, the temperature of the water emulsified dispersion is 60 ° C., and the supply flow rate is 17000 liters / min. Further, this friction coefficient was calculated backward from the measured value of the rolling load at the # 5 stand using the formula of Brand & Ford.
(2) (Stability of water emulsified dispersion)
The stability of the water emulsified dispersion is the average of the water emulsified dispersion after 24 hours of continuous rolling using the same rolling mill as in (1) above at a rolling speed of 300 to 2000 m / min. Evaluation was based on changes in particle size. The oil concentration in warm water, the temperature of the water emulsified dispersion, the oil supply method, and the supply flow rate are the same as in (1).
In Comparative Examples 1, 2, 3, 5 and 6, the evaluation was performed at a rolling speed of 300 to 1000 m / min (Comparative Examples 1, 2, 5, 6) or 300 to 1500 m / min (Comparative Example 3). .
▲ 3 ▼ (Rolling mill periphery)
The amount of dirt and the state of dirt adhering to the periphery of the rolling mill after the completion of rolling in the above (2) were visually evaluated.
[0036]
The results are shown in Table 6. In addition, the evaluation results of the stability of the water-emulsified dispersion are: ○: good stability, Δ: slightly unstable, ×: unstable, and the evaluation results of dirt around the rolling mill: ○: no adhesion dirt, Δ: adhesion dirt Yes, x: Remarkable adhesion dirt.
[0037]
[Table 6]
Figure 0004829425
[0038]
According to Table 6, in all examples, stable rolling up to a rolling speed of 2000 m / min is possible, and the friction coefficient at each speed of 600 m / min, 1000 m / min, 1500 m / min, and 2000 m / min is 0. The fluctuation was also small in the range of 006 to 0.010. Furthermore, there was no occurrence of slip, chattering (rolling mill vibration), and heat scratch, and a cold rolled steel sheet with good quality was obtained.
On the other hand, in Comparative Examples 1 and 2, slip occurred at 1000 m / min, and rolling was interrupted. In Comparative Example 3, heat scratches were generated at a high friction coefficient at 1000 m / min. In Comparative Example 5, slip occurred at 1000 m / min. Furthermore, in Comparative Example 6, the friction coefficient was high, chattering occurred at 1000 m / min, and the rolling speed could not be increased. In Comparative Examples 4 and 7, rolling was possible up to 2000 m / min.
The reason why the friction coefficient is large during low-speed rolling at 300 m / min is that the thickness of the oil film introduced into the roll bite is small.
[0039]
Moreover, in the stability of the water-emulsified dispersion, in all Examples, the average particle size after 24 hours of operation is around 10 μm, and the value of r4 / r3 indicating the change in particle size is 1.0 to It was 1.03 and was excellent in stability. On the other hand, in Comparative Examples 1 and 2, the r4 / r3 values were 1.31 and 1.30, but the average particle sizes after 24 hours of operation were as large as 14.2 μm and 16.4 μm. It was stable. In the average particle diameters of Comparative Examples 4 to 7, the average particle diameter after 24 hours of operation is as large as 10.8 to 17.0 μm, and the value of r4 / r3 is extremely unstable as 1.29 to 1.78. Only in Comparative Example 3, the average particle diameter was a stable average particle diameter with a value of r4 / r3 of 1.14.
Further, in all of the examples, dirt and scum accumulation around the rolling mill was very small and showed good dirt resistance. On the other hand, in Comparative Examples, only Comparative Examples 3 and 6 were good, in Comparative Examples 1 and 2, dirt around the rolling mill was slightly noticeable, and in Comparative Examples 4, 5 and 7, dirt was very noticeable. .
From the above, it has been found that the rolling oil of this example is excellent in rolling lubricity, stability of the water emulsified dispersion, and stain resistance around the rolling mill, and has a good performance balance. In particular, in order to obtain a thin material having a finishing thickness of 0.35 mm or less, when performing high-speed rolling at a rolling speed of 1000 m / min or more, not only excellent rolling lubricity but also excellent stability of the water emulsified dispersion and around the rolling mill It was found that it shows stain resistance.
[0040]
【The invention's effect】
By using the water-soluble cold-rolled oil for steel sheets of the present invention, a coolant that is excellent in both stability and plate-out properties and has little mill contamination can be obtained. This makes it possible to improve rolling lubrication performance and coolant management.
Furthermore, the water-soluble cold rolling oil for steel sheet of the present invention can exhibit excellent lubricity when cold-rolling the steel sheet to a thickness of 0.35 mm or less under the condition of a rolling speed of 1000 m / min or more, and the coolant Excellent stability and stain resistance around the rolling mill.

Claims (5)

下記一般式(2)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルアルキレンジアミンの酸付加塩を含有することを特徴とする鋼板用水溶性冷間圧延油。A water-soluble cold-rolled oil for steel sheets, which contains an acid addition salt of polyoxyethylene polyoxypropylene alkenyl alkylene diamine represented by the following general formula (2).
Figure 0004829425
Figure 0004829425
(ただし、上記式中において、R(However, in the above formula, R 2 は炭素原子数12〜18のアルケニル基、nは2または3の整数、aおよびbはそれぞれ1〜6および3〜6の整数であり、かつ、a+bは4〜12である。)Is an alkenyl group having 12 to 18 carbon atoms, n is an integer of 2 or 3, a and b are integers of 1 to 6 and 3 to 6, respectively, and a + b is 4 to 12. )
下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアルキレンジアミンの酸付加塩を含有することを特徴とする鋼板用水溶性冷間圧延油。A water-soluble cold-rolled oil for steel sheets, which contains an acid addition salt of polyoxyethylene polyoxypropylene alkylalkylenediamine represented by the following general formula (1).
Figure 0004829425
Figure 0004829425
(ただし、上記式中において、R(However, in the above formula, R 1 は炭素原子数12〜18のアルキル基、nは2または3の整数、aおよびbはそれぞれ1〜6および3〜6の整数であり、かつ、a+bは4〜12である。)Is an alkyl group having 12 to 18 carbon atoms, n is an integer of 2 or 3, a and b are integers of 1 to 6 and 3 to 6, respectively, and a + b is 4 to 12. )
上記圧延油2体積%を含む55℃の水乳化分散液を、懸垂された150℃の鋼板に2秒間スプレーした場合における該鋼板への付着油分が1.0g/m以上であり、かつ、上記水乳化分散液中における上記圧延油の平均粒子径をr1、該水乳化分散液に平均粒子径0.02μmの鉄粉1000ppmを添加しホモミキサーにて9500rpmで15分間攪拌した後における上記圧延油の平均粒子径をr2としたとき、r2/r1の値が1.2以下である請求項1または2記載の鋼板用水溶性冷間圧延油。When the water emulsified dispersion at 55 ° C. containing 2% by volume of the rolling oil is sprayed on a suspended 150 ° C. steel plate for 2 seconds, the amount of oil adhering to the steel plate is 1.0 g / m 2 or more, and The rolling oil after the average particle diameter of the rolling oil in the water-emulsified dispersion is r1, 1000 ppm of iron powder having an average particle diameter of 0.02 μm is added to the water-emulsified dispersion, and the mixture is stirred for 15 minutes at 9500 rpm with a homomixer. The water-soluble cold-rolled oil for steel sheets according to claim 1 or 2, wherein the value of r2 / r1 is 1.2 or less when the average particle diameter of the oil is r2. 上記酸付加塩を構成する酸は、ギ酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキシル酸、オキシカルボン酸、無機酸、ジカルボン酸、及び酸性リン酸エステルの一種または二種以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼板用水溶性冷間圧延油。  The acid constituting the acid addition salt is one of formic acid, acetic acid, butyric acid, propionic acid, caproic acid, caprylic acid, capric acid, 2-ethylhexyl acid, oxycarboxylic acid, inorganic acid, dicarboxylic acid, and acidic phosphate ester Or it is 2 or more types, The water-soluble cold rolling oil for steel plates in any one of Claims 1 thru | or 3. 圧延速度1000m/分以上の条件下、鋼板を板厚0.35mm以下に冷間圧延する際に用いられる請求項1乃至4のいずれかに記載の鋼板用水溶性冷間圧延油。  The water-soluble cold rolling oil for steel sheets according to any one of claims 1 to 4, which is used when the steel sheet is cold-rolled to a sheet thickness of 0.35 mm or less under a condition where the rolling speed is 1000 m / min or more.
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