JP4828719B2 - 石油コンビナートの運転条件の推定方法 - Google Patents

石油コンビナートの運転条件の推定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料油から石油製品を製造する石油コンビナートで用いられ、シミュレーションにより得られる石油コンビナートを構成する装置の運転条件に基づいて、線形計画法により求められる原料油および石油製品の最適なマテリアルバランスを与える装置の運転条件を推定する石油コンビナートの運転条件の推定方法に関する。
【0002】
【背景技術】
原料油から種々の石油製品を製造する石油コンビナート等のプロセス産業においては、最も利益の上がる最適なマテリアルバランスをシミュレーション等で製造前に求めるために、線形計画法(LP:Linear Programming)が利用されている。
この線形計画法は、原料、最終製品、石油コンビナートを構成する装置の運転条件に基づいて制約条件を設定し、目的関数の最大値を与える運転条件を求めることを目的として実施される。
【0003】
しかし、線形計画法は、目的関数、制約条件とも変数の線形関数であることを前提として実施されるものであり、石油コンビナートを構成する反応装置のように、反応温度と、得られる製品の収率とが非線形な関係にある場合、そのまま線形計画法を利用することができない。
このため、従来は、反応装置におけるこれらの関係を求める非線形反応シミュレータと、線形計画法を実施するシステム(LPシステム)とを連携させ、山登り法的な方法を利用して最適なマテリアルバランスを求めていた。具体的には、LPシステム上で得られる初期解の結果を、非線形反応シミュレータに入力して運転条件を求め、求められた運転条件に基づいて、再度LPシステムで演算処理を行い、得られた目的関数の値が収束しているか否かを判定し、収束していない場合は、LPシステム上で変更された運転条件を、改めて非線形反応シミュレータに入力して計算させ、目的関数の値が収束するまで同様の手順を繰り返す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、次のような問題がある。
すなわち、LPシステムで運転条件を変更して再帰計算を行うと、再帰計算の回数だけ非線形反応シミュレータによる計算処理を実行する必要があり、最適化計算に要する時間が膨大となるという問題がある。
また、LPシステムが複数の非線形反応シミュレータと連携している場合、その組み合わせによってLPシステムの再帰計算の回数も増加するため、最適化計算に要する時間はますます増大することとなる。
【0005】
さらに、LPシステム、非線形反応シミュレータともに、収束計算を行うため、収束しているかどうかの判断基準として所定量の許容誤差が設定されている。このため、目的関数の最適値の山の頂上付近でさらなる頂上を探索すべく、変数の探索幅を小さくしていくと、例えば、運転条件X1における目的関数の値Y1に対して、運転条件X1をわずかに増加させた運転条件X2における目的関数の値Y2が存在している場合、目的関数値Y1に対してY2の方が小さくなることがある。この場合、非線形反応シミュレータによる計算が許容誤差以内であるとして打ち切られると、LPシステムの再帰計算は、運転条件X1、X2の間で繰り返されることとなる。つまり、目的関数がある運転条件値の前後で振動することとなるため、最適化計算は収束せずに計算途中で打ち切られることとなり、検討効率が悪化するという問題がある。
【0006】
また、従来のLPシステムおよび非線形反応シミュレータを直接連携させる構成では、LPシステムを介して非線形反応シミュレータの計算に必要な入力を伝達しなければならず、LPシステムのモデリングにおいて、種々のデータの定義化、内蔵化を行わなければならない他、油種混合による加成性等複雑な手順を実施しなければならないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、線形計画法における目的関数の最適値を与える装置の運転条件を、高速に、安定して、かつ簡単に推定することのできる石油コンビナートの運転条件の推定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、LPシステムにおける目的関数に基づく最適運転条件の判断と、反応シミュレータにおける演算処理との間にニューラルネットワークモデルを用いた最適運転条件探索手順を介在させることにより、前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、本発明の石油コンビナートの運転条件の推定方法は、原料油から石油製品を製造する石油コンビナートで用いられ、シミュレーションにより得られる前記石油コンビナートを構成する装置の運転条件に基づいて、線形計画法により求められる前記原料油および前記石油製品の最適なマテリアルバランスを与える前記装置の運転条件を、コンピュータを用いて推定する石油コンビナートの運転条件の推定方法であって、前記コンピュータは、前記装置の異なる運転条件毎の入力される入力変数が変化されたときの各入力変数における製品の収率を演算し、変化させた入力変数毎の製品の収率の組み合わせを学習データとして作成して、これら作成した学習データの入力変数と製品の収率との関係を表すシグモイド関数を運転条件毎に出力し、これら出力した運転条件毎のシグモイド関数をニューラルネットワークモデルとして生成するニューラルネットワークモデル生成手順と、前記石油コンビナートを稼働させた場合に前記原料油および前記石油製品のマテリアルバランスに基づいた利益の関数として与えられる目的関数が設定された線形計画モデルから出力される前記製品の収率を取得し、前記ニューラルネットワークモデルのシグモイド関数を用いて、前記取得した製品の収率に応じた運転条件を探索して取得する運転条件取得手順と、この運転条件取得手順で得られた運転条件に基づいて、前記線形計画モデルに設定された目的関数の値を演算する目的関数演算手順と、この目的関数演算手順で得られた目的関数の値から、最適な運転条件であるか否かを判定する最適運転条件判定手順と、この最適運転条件判定手順で最適な運転条件でないと判定されたら、前記製品の収率を変更して新たな製品の収率を前記ニューラルネットワークモデルに入力する変更条件入力手順とを実施することを特徴とする。
【0009】
本発明は、LPシステムおよび反応シミュレータを連携させたシステム上で利用することができ、前記ニューラルネットワークモデル生成手順、前記運転条件取得手順、および前記変更条件入力手順は、反応シミュレータ内に構築されるのが好ましい。
また、ニューラルネットワークモデルは、例えば、多入力1出力のニューロン単位を想定した場合、装置の反応温度、圧力等の運転条件が入力X1、X2、X3…とされ、収率がYと設定されていれば、各入力における結合荷重をW1、W2、W3…とすると、下記式(1)によって運転条件および収率の関係は、シグモイド関数等の連続関数で与えられる。
【0010】
【数1】
Figure 0004828719
【0011】
さらに、前記目的関数は、石油コンビナートを稼働させた場合に、原料および石油製品のマテリアルバランスに基づいた利益の関数として与えられ、例えば、下記式(2)によって求めることができる。
【0012】
【数2】
Figure 0004828719
【0013】
式(2)において、用役とは、電力、スチーム、燃料、水などを表し、副資材とは装置で用いる触媒や薬品を表す。これらの変数のうち、独立変数は原料使用量と運転条件のみであり、価格は市況などによって決まるものである。製品製造量、用役使用量、副資材使用量などは、原料選択および装置の運転条件によって変化する従属変数である。
【0014】
このような本発明によれば、ニューラルネットワークモデル生成手順、および運転条件取得手順を備えることにより、LPシステムの線形計画モデルから入力された条件に基づいて、ニューラルネットワークモデルを用いて、運転条件取得手順で該条件に応じた運転条件を取得できる。従って、LPシステムの条件変更に伴う再帰計算の度毎に、シミュレーションによる装置の運転条件を求める必要がなくなり、線形計画法における目的関数の最適値を与える装置の運転条件を高速に演算して推定することができ、最適化演算の高速化が図られる。具体的には、このようなニューラルネットワークを利用したLPシステムで演算することにより、従来のような非線形反応シミュレータとLPシステムを直接連携させたシステムと比較して、演算時間を数千分の1に短縮することができる
【0015】
また、ニューラルネットワークモデルが式(1)のシグモイド関数として与えられることにより、運転条件および収率の関係を連続関数を用いて一義的に定めることができるので、反応シミュレータと反復演算させた場合のように目的関数の計算値の逆転現象が生じることがなく、目的関数の振動現象を防止して安定した最適値を求めることが可能となる。
さらに、運転条件取得手順を備えることにより、LPシステムおよび反応シミュレータを直接連携させた場合と比較して、ニューラルネットワークモデル内で運転条件および製品収率の関係を構築できるので、LPシステムのモデリングに種々のデータの定義化、内蔵化を行う必要がなくなり、LPシステムの構造の簡素化が図られる。
【0016】
以上において、装置の運転条件および製品の関係が、非線形な関数として与えられる場合に、本発明を採用するのが好ましい。
このような非線形な関数の場合に、直接、線形計画法のみで最適なマテリアルバランスを与える運転条件を推定することができないのであり、本発明の有用性は高い。
【0017】
また、前述の装置が、エチレン製造装置、連続触媒再生式接触改質装置、減圧軽油脱硫装置、および流動接触分解装置のいずれかの場合に、本発明を採用するのが好ましい。尚、本発明の運転条件の推定方法は、石油コンビナートを構成する装置の1つだけに適用されるに限られず、複数の装置に並列的に適用してもよい。
このような装置は、運転条件および収率の関係が非線形な関数となりやすく、線形計画法をそのまま適用することができないため、前記と同様に、本発明を採用することの有用性が高い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る石油コンビナートが示され、この石油コンビナートは、原油、FRN(Full Range Naphtha)、およびLN(Light Naphtha)を原料油として、ガソリンブレンド、灯油ブレンド、軽油ブレンド、A重油ブレンド、およびC重油ブレンド等の石油製品を製造するシステムであり、石油コンビナートで製造された製品油をブレンドすることにより、これらの石油製品を得ることができる。
【0019】
石油コンビナートは、複数の分留装置、脱硫装置、製造装置等から構成され、具体的には、常圧蒸留装置1、減圧蒸留装置2、減圧軽油脱硫装置3、流動接触分解装置4、メチルエチルケトン製造装置5、第二水素化脱硫装置6、第三水素化脱硫装置7、第四水素化脱硫装置8、ナフサ分留装置9、エチレン製造装置10、ナフサ用水素化脱硫装置11、連続触媒再生式接触改質装置12、熱分解ガソリン水添装置13、C5水添装置14、BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)製造装置15、スチレンモノマー製造装置16、シクロヘキサン製造装置17、水添石油樹脂製造装置18、ポリブテン製造装置19、IPソルベント製造装置20、パラキシレン製造装置21、ハイディール装置22、リフォメート分留装置23、改質ガソリン蒸留装置24、および第三芳香族抽出装置25を備えている。
【0020】
このような石油コンビナートにおける石油製品の製造は、前記の各装置1〜25で製造された製品を適宜ブレンドすることにより行われる。ガソリンブレンドとしてのレギュラーガソリンを例に挙げて説明すれば、レギュラーガソリンは、流動接触分解装置4で製造される揮発油留分と、連続触媒再生式接触改質装置12で製造されるいわゆるリフォメート(改質ガソリン)とを主成分とし、蒸留点やオクタン価等の製品規格を満足させるために、その他の基材を調合することにより行われる。
【0021】
このような石油コンビナートでは、最も利益の上がる最適なマテリアルバランスを与える各装置1〜25の運転条件を推定するために、LPシステムが利用され、各装置の運転条件は、このLPシステムで得られた最適値に基づいて決定される。
このLPシステム30には、装置1〜25のうち、運転条件が変動すると、製品の収率に大きく影響し、かつ運転条件と製品の収率との関係が非線形的な減圧軽油脱硫装置3、流動接触分解装置4、エチレン製造装置10、連続触媒再生式接触改質装置12の運転条件および製品の収率の関係をシミュレーションするための非線形反応シミュレータ50が接続されている。
このようなLPシステム30および非線形反応シミュレータ50は、石油コンビナートに設置されるコンピュータ内にソフトウエアとして記憶保持されていて、オペレータがソフトウエアを起動すると、該コンピュータの動作制御を行うオペレーションシステム上に展開されるプログラムとして動作する。
【0022】
LPシステム30は、LPモデルを設定するLPモデル設定部(LPモデル部)31と、このLPモデル設定部31で設定されたLPモデルから得られる製品の基準収率を補正するΔベースモデリング部32とを備え、LPシステム30は、このΔベースモデリング部32を介して非線形反応シミュレータ50と接続されている。
LPモデル設定部31は、原油、FRN、LN等の原料油から設定される制約条件の下、目的関数が最大値を取るためには、ガソリンブレンド、軽油ブレンド等の石油製品をそれぞれどの程度生産すればよいかを探索する部分である。具体的には、LPモデル設定部31は、原料油および石油製品の最適なマテリアルバランスを求めるために、各装置1〜25で製造される製品の収率をどの程度とすればよいかを連続LP法によって探索する。
【0023】
Δベースモデリング部32は、原油、FRN、LN等の原料油性状の影響を考慮して、LPモデルで得られた基準収率を補正する部分であり、例えば、連続触媒再生式接触改質装置12では、次のような演算処理が行われる。
今、連続触媒再生式接触改質装置12において、製品として得られるガソリン(GAS)、液化プロパンガス(LPG)、プラットガソリン(PG)の基準収率が、LPモデル設定部31により、下記表1に示される基準収率で与えられたとする。
この基準収率は、LPシステム30において、原料油の性状変化を考慮していない固定値として取り扱われる。
【0024】
【表1】
Figure 0004828719
【0025】
しかし、実際には、各製品GAS、LPG、PGは、原料油の性状によって実際の収率は変動するのであり、例えば、収率に影響する原料油性状として原料油中のナフテン分+2×芳香族分(N+2A分)を選択し、その基準値が51%であったとし、原料油のばらつきにより、N+2A分が基準値よりも10%低い値であったと仮定する。
このとき、Δベースモデリング部32には、上記N+2A分が10%低い値であった場合の各製品の収率を補正する補正項が、前記表1のN+2A補正として記憶されていて、これを用いることに補正収率が計算され、原料油の性状を製品の収率に反映することができるようになっている。
【0026】
非線形反応シミュレータ50は、図2に示すように、反応シミュレータ本体51と、ニューラルネットワークモデル設定部52とを備えて構成される。
反応シミュレータ本体51は、対象となる反応装置3、4、10、12の運転条件と、その運転条件で運転した際の製品の収率との関係をシミュレーションする部分である。例えば、反応装置における反応がアレニウス型の反応速度式に支配されていると仮定した場合、反応シミュレータ本体51は、この反応速度式のパラメータである活性化エネルギ、頻度因子を内蔵する他、触媒量(径、高さ)等もデータとして内蔵している。
【0027】
このような反応シミュレータ本体51は、原料供給量、温度・圧力等の反応条件、原料組成等がデータとして入力されると、反応条件下、触媒によってどのような反応生成物がどれだけ得られるかを推定する。つまり、反応シミュレータ本体51によれば、例えば、反応温度を1℃上げれば反応生成物がどう変化するか、原料組成が変化した場合どうなるか等のシミュレーションを行うことができる。
【0028】
ニューラルネットワークモデル設定部52は、反応シミュレータ本体51のシミュレーションの結果を学習して、ニューラルネットワークモデルを設定する部分であり、図3に示されるように、操作可能な運転条件に応じて設定されるニューロンユニット521を単位として、反応装置の運転条件に応じて複数のニューロンユニット521相互を接続することにより、ニューラルネットワークモデルが構築される。
【0029】
このニューロンユニット521は、多入力1出力型のユニットであり、例えば、反応温度の場合、異なる反応温度X1、X2、X3…を入力とし、各入力における結合荷重W1、W2、W3…とすると、反応温度Xおよび収率Yの関係を表すシグモイド関数Sを出力するように構成されている。
このようなニューラルネットワークモデル設定部52により設定されるニューラルネットワークモデルは、入力層、中間層、および出力層の三層構成とされる。入力層は、反応温度、フィード量等の運転条件に応じた数のノードから構成され、中間層は、1〜13個、好ましくは6〜8個のノードから構成され、出力層は、LPシステムで処理する制限条件に応じた数のノードから構成されている。入力層、中間層、および出力層を構成する各ノードは、入力層を構成する各ノードの出力が中間層を構成する各ノードの入力、中間層を構成する各ノードの出力が出力層の入力となるように接続されている。尚、中間層のノード数は、計算精度に応じて適宜決定される。
このようなニューラルネットワークモデル設定部52には、例えばバックプロパゲーション学習法が採用され、実際の出力と希望の出力との間の誤差が最小となるように結合荷重を変更することにより、学習が行われる。
【0030】
次に、前述のLPシステム30と、ニューラルネットワークモデル設定部52を含む非線形反応シミュレータ50とを連携させたシステムによる石油コンビナートの運転条件の推定方法について、図4に示されるフローチャートに基づいて説明する。
(1) まず、反応シミュレータ本体51を用いた学習データを作成する(処理S1)。具体的には、反応シミュレータ本体51のある運転条件の入力変数を変化させてデータを作成する。例えば、反応温度であれば、490℃〜510℃まで1℃ずつ変化させ、各反応温度における収率を計算する。他の運転条件についても同様に行い、変数の組み合わせ回数だけ反応シミュレータ本体51によるシミュレーションを行って学習データを作成する。
【0031】
(2) 作成した学習データに基づいて、ニューラルネットワークモデル設定部52が、ニューラルネットワークモデルを作成する(処理S2:ニューラルネットワークモデル生成手順)。ニューラルネットワークモデルは、運転条件の数に応じて設定される複数のニューロンユニット521を組み合わせることにより構成され、その作成方法は、公知の作成方法を使用することができる。
(3) 作成されたニューラルネットワークモデルの精度を評価する(処理S3)。具体的には、同じ入力データに関する計算値を比較することにより行われ、計算精度が悪い場合には、入力データを変更して(処理S4)、精度向上を図る。
【0032】
(4) ニューラルネットワークモデルの設定が終了したら、LPシステム30のLPモデル設定部31は、初期条件となるLPモデルを設定し、このLPモデルをΔベースモデリング部32を介して、ニューラルネットワークモデル設定部53に出力する(処理S5)。
(5) ニューラルネットワークモデル設定部52は、入力されたLPモデルに基づいて、LPモデルに規定される収率に応じた運転条件の組み合わせの探索を行い(処理S6)、LPモデルに適合する運転条件の組み合わせをLPモデル設定部31に出力する(処理S7:運転条件取得手順)。
【0033】
(6) 運転条件を受け取ったLPモデル設定部31は、この運転条件に基づいて、目的関数を演算し(処理S8:目的関数演算手順)、目的関数の値が収束しているか否か、すなわち、最適な運転条件であるか否かを判定する(処理S9:最適運転条件判定手順)。
(7) 最適な運転条件であると判定された場合、この運転条件に基づいて、実際の反応装置の運転条件を設定して、生産を開始する(処理S10)。
(8) 一方、最適な運転条件でないと判定された場合、LPモデルの条件を変更して新たなLPモデルを設定する(S11:変更条件入力手順)。新たなLPモデルは、再度、ニューラルネットワークモデル設定部53で処理され、最適な運転条件が導き出されるまで、同様の操作を繰り返す。
【0034】
前述のような本発明によれば、次のような効果がある。
ニューラルネットワークモデル生成手順S2、運転条件取得手順S7を実施することにより、LPモデルの条件に応じた運転条件をニューラルネットワークモデルを探索するだけで得ることができるため、LPモデルの入力に応じて、反応シミュレータ51によるシミュレーションを行う必要がなく、最適化計算の高速化を図ることができる。
【0035】
ちなみに、同一のパーソナルコンピュータにおいて、LPシステム30および反応シミュレータ本体51を直接接続して、製品収率の演算を行ったところ、演算結果を得るまでに、10.7秒かかったが、ニューラルネットワークモデルを利用して、反応シミュレータ本体51の演算処理を省略した場合、演算結果を得るまでに8ミリ秒しかかからず、本発明の採用により、飛躍的に計算速度が向上することが判る。
【0036】
また、ニューラルネットワークモデルが連続関数であるシグモイド関数Sとして与えられることにより、運転条件および収率の関係を連続関数を用いて一義的に定めることができるので、反応シミュレータ本体51を直接接続した場合のように目的関数の計算値の逆転現象が生じることがなく、振動現象を防止して、安定した最適値を求めることができる。すなわち、図5に示されるように、例えば、反応温度Xと収率Yの関係において、従来の反応シミュレータ本体51を直接接続した方法による最適値の演算では、連続的な演算を行えないため、最適値は、収束上限値(図5中□)および収束下限値(図5中○)の間の所定の収束幅の間で振動することとなる。これに対して、シグモイド曲線Sの場合、所定の反応温度Xに対するYは一義的に定められるため、このような振動現象を生じることはない。
【0037】
さらに、運転条件取得手順S7を実施することにより、LPシステム30から必要最小限の収率という情報に基づいて、ニューラルネットワークモデルで運転条件の組み合わせを探索することができる。従って、従来の直接連携させた場合と比較して、LPシステムのモデリングに種々のデータの定義化、内蔵化を行う必要がなくなり、LPシステム30の構造の簡素化を図ることができる。
【0038】
そして、本実施形態に係る運転条件の推定方法が減圧軽油脱硫装置3、流動接触分解装置4、エチレン製造装置10、および連続触媒再生式接触改質装置12のLPモデリングで実施されることにより、非線形反応シミュレーションをLPシステム30に取り込むことができ、かつ高速演算可能となるので、採用することの有用性が高い。
【0039】
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、ニューラルネットワークモデルの説明にあたり、専ら反応温度と収率の関係で説明していたが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明の運転条件としては、反応装置の圧力、触媒量、触媒寿命等をパラメータとして採用してもよく、要するに、装置の収率に対して、制御操作可能なパラメータであれば、適宜選択してニューラルネットワークモデルに組み込むことができる。
【0040】
また、前記実施形態では、ガソリンブレンド、軽灯油ブレンド、および重油ブレンドを石油製品としていたが、これに限られない。すなわち、本発明は、図1に示される石油コンビナートで製造されるすべての石油製品を対象として実施することができ、例えば、メチルエチルケトン、エチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン等他の石油製品の最適なマテリアルバランスを求める場合に用いてもよい。
【0041】
さらに、本発明を実施することのできる石油コンビナートは、図1に示されるものに限られず、他の構成の石油コンビナートにおいても本発明を実施することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明を実施できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
前述のような本発明によれば、線形計画法における目的関数の最適値を与える装置の運転条件を、非線形反応を含む場合であっても、高速に、安定して、かつ簡単に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る石油コンビナートの構造を表す模式図である。
【図2】前記実施形態におけるLPシステムおよび非線形反応シミュレータの構造を表す模式図である。
【図3】前記実施形態におけるニューラルネットワークモデルを構成するニューロンユニットの構成を表す模式図である。
【図4】前記実施形態における石油コンビナートの運転条件推定方法の手順を表すフローチャートである。
【図5】前記実施形態におけるシグモイド曲線と、線形計画法システムと非線形反応シミュレータとを直接接続する方法により求められる収束値とを対比させたグラフである。
【符号の説明】
S2 ニューラルネットワークモデル生成手順
S7 運転条件取得手順
S8 目的関数演算手順
S9 最適運転条件判定手順
S11 変更条件入力手順

Claims (3)

  1. 原料油から石油製品を製造する石油コンビナートで用いられ、シミュレーションにより得られる前記石油コンビナートを構成する装置の運転条件に基づいて、線形計画法により求められる前記原料油および前記石油製品の最適なマテリアルバランスを与える前記装置の運転条件を、コンピュータを用いて推定する石油コンビナートの運転条件の推定方法であって、
    前記コンピュータは、
    前記装置の異なる運転条件毎の入力される入力変数が変化されたときの各入力変数における製品の収率を演算し、変化させた入力変数毎の製品の収率の組み合わせを学習データとして作成して、これら作成した学習データの入力変数と製品の収率との関係を表すシグモイド関数を運転条件毎に出力し、これら出力した運転条件毎のシグモイド関数をニューラルネットワークモデルとして生成するニューラルネットワークモデル生成手順と、
    前記石油コンビナートを稼働させた場合に前記原料油および前記石油製品のマテリアルバランスに基づいた利益の関数として与えられる目的関数が設定された線形計画モデルから出力される前記製品の収率を取得し、前記ニューラルネットワークモデルのシグモイド関数を用いて、前記取得した製品の収率に応じた運転条件を探索して取得する運転条件取得手順と、
    この運転条件取得手順で得られた運転条件に基づいて、前記線形計画モデルに設定された目的関数の値を演算する目的関数演算手順と、
    この目的関数演算手順で得られた目的関数の値から、最適な運転条件であるか否かを判定する最適運転条件判定手順と、
    この最適運転条件判定手順で最適な運転条件でないと判定されたら、前記製品の収率を変更して新たな製品の収率を前記ニューラルネットワークモデルに入力する変更条件入力手順とを実施す
    ことを特徴とする石油コンビナートの運転条件の推定方法。
  2. 請求項1に記載の石油コンビナートの運転条件の推定方法において、
    前記コンピュータは、前記ニューラルネットワークモデル生成手段で生成されるニューラルネットワークモデルのシグモイド関数を用いて、前記装置の異なる運転条件毎の同じ入力変数を入力して演算される製品の収率を比較して、計算精度が悪い場合に前記入力する入力変数を変更して前記ニューラルネットワークモデルの精度を向上させる手順を実施する
    ことを特徴とする石油コンビナートの運転条件の推定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の石油コンビナートの運転条件の推定方法において、
    前記装置は、石油コンビナートを構成するエチレン製造装置、連続触媒再生式接触改質装置、減圧軽油脱硫装置、および流動接触分解装置のいずれかである
    ことを特徴とする石油コンビナートの運転条件の推定方法。
JP2001132221A 2001-04-27 2001-04-27 石油コンビナートの運転条件の推定方法 Expired - Fee Related JP4828719B2 (ja)

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