JP4827887B2 - 断熱と気密手段を備えた遮蔽体 - Google Patents

Description

発明の詳細説明

冬季の部屋は窓ガラス、風呂場の窓ガラスからの放熱、冷気が窓、壁、床、畳、戸等のすき間から室内へ流入、高齢者は身体が冷えて寒くなるのを防ぐ遮蔽体に関する。

高齢者は冬季に車、新幹線、航空機、船等の乗り物の窓際に着席、たとえ車体が耐寒構造で暖房していても走行中に窓側の席は身体が冷え寒く、寒さから身体を守る遮蔽体に関する。

高齢者は血圧降下剤と冠動脈の血液改善を兼ねて処方された血管拡張剤を服用していると寒さによる抹梢血管の収縮まで妨げられることがあり、とくに低体温症の原因になる。（例えば、非特許文献１参照）

川島美勝編著、「高齢者の住宅熱環境」理工学社出版、１９９４年６月２４日発行、Ｐ．４０

壁の近くに置かれた子供用の２段ベッドは、上段１７℃、下段１５℃になり約２℃の温度差がみられた、就寝環境でこの２℃の温度差は、冬季は高齢者にとって２℃の温度差が有る場合は憂慮すべき温度差である。（例えば、非特許文献２参照）

川島美勝編著、「高齢者の住宅熱環境」理工学社出版、１９９４年６月２４日発行、Ｐ．１９９

冬季における室温の上下温度分布は居間の床上１００ｍｍの温度のほうが１２００ｍｍの高さより温度が低くなり、とくに温度差が大きいのは、秋田、仙台の東北地方で、最高１４℃になる。（例えば、非特許文献３参照）

川島美勝編著、「高齢者の住宅熱環境」理工学社出版、１９９４年６月２４日発行、Ｐ．２２２

障子に透明樹脂板を取付けて障子紙と透明樹脂の間の桟の厚さ１．５ｃｍ相当の空気層ができて、気密性が保たれるため防災、遮音、断熱効果ができ、紙の張り替えの際は透明樹脂を取外し可能であることが公開されている。（例えば、特許第３５１８５７８号公報参照）

起立状に室内に設置する内装材本体の一部に、面状発熱体を装着する空間部を上下方向に設け、該空間部に面状発熱体を装着していることを特徴とする屋内の起立状内装材が公開されている。（例えば、実開平７−３５６１５号公報参照）

窓硝子に直接、貼り付けるようにした断熱、防音用などのレース窓材およびそれを取り付けた窓に関するものが公開されている。（例えば、実用新案登録第３０８８７２９号公報参照）

発明が解決しょうとする課題

冷気は暖気より密度が重いため下に沈み床、畳面から高さ１００ｍｍの範囲にたまり、室内へ流入し身体が冷え、冷気がたまる空間を設け、冷気が室内へ流入するのを遮断し、身体を冷え寒さから守る必要の問題点があった。

冬季の浴室は窓ガラス、アルミサッシの放熱、すき間風により窓際の温度と浴室の温度差ができ、たとえ風呂が沸いていても裸体が冷え血圧が上昇、高血圧性脳出血になる問題点があった。

高齢者は冬季の車、新幹線、飛行機、船等の乗り物の窓側の着席、たとえ車体が耐寒性の構造で暖房しても走行中に窓側の席は身体が冷え寒さから身体を守るために通路側の席へ移動する必要の問題点があった。

血圧降下剤を常用している高齢者は冬季の部屋の窓際と室内との温度差が２℃以上あると身体が冷え寒くなり、原因は窓ガラス、アルミサッシからの放熱、冷気はサッシ、床、畳、戸等のすき間を通り床、畳面から高さ１００ｍｍの範囲にたまり室内に温度差ができ、たとえ暖房していても寒くて暖房機の前から離れられない問題点があった。（畳の熱伝導率は表１を参照）

アルミサッシ枠の熱伝導率は板ガラスの熱伝導率の２６９倍であり、熱伝導率が大きいため放熱が多く、枠の下に冷気がたまり室内へ流入し温度を下げる。（表１参照）（例えば、非特許文献４参照）

柿沼整三、「建築断熱の考え方」オーム社出版、平成１６年５月２５日発行、Ｐ．８

植物は冬季に窓際に置くと昼間は日が当たり暖かいが夜間は寒さで枯れるため室内へ移動する必要がある。

屏風の紙、カーテンは湿気、水で濡れると乾燥時と比べ熱伝導率が２５倍になり断熱性が低下し寒くなる。（表２参照）

北山直方、「伝熱工学の学び方」オーム社出版、平成１９年２月５日発行、Ｐ．２１

カーテン、ブラインドの下端は床、畳面の間にすき間があり冷気が室内へ流入し身体は冷え寒くなる。

屏風の両端と窓、障子戸の間にすき間があり冷気が室内へ流入し身体が寒くなる。

二重ガラス戸構造の改築は高価な工事費を必要とし資源の消費とＣＯ２を発生する。

屏風は表面が紙で布より熱伝導率が大きく断熱性が低く、又外部からの光を遮断し室内が暗くなり採光性がない。（表３参照）（表４参照）

国立天文台編、「理科年表平成１６年」丸善株式会社出版、平成１５年１１月３０発行、Ｐ．４０２

屋内の起立状内装材に面状発熱体を装着するのは発熱源を必要としエネルギーの消費とＣＯ２を発生させる。

屏風の表面は紙のため汚損、破損、水で濡れる、火災の対策が必要である。

課題を解決するための手段

本発明の遮蔽体は熱伝導率の少ない布と熱伝導率の大きい布を重ね合わせて断熱性を高め、布を保護するプラスチックで囲い、窓幅に合わせて調整できるスライド方式、ジャバラ方式とし、又仕切り板を設けてすき間風を止め、遮蔽体の周囲をゴムパッキンで固着し気密手段を高め、冷気が室内へ流入を遮断、断熱と気密手段を備えた遮蔽体を製作する。

毛織物の布は繊維と繊維の間に空気を多く含み熱伝導率が小さく、断熱性が優れているために活用する。（表４参照）

絹織物の布は熱伝導率が小さく、水蒸気の吸着機能「吸湿」、水分を迅速に吸い上げ布の表面に運ぶ機能の「吸水」、そして繊維が吸収した水分を外気に吐き出す機能「放湿」にすぐれ、湿気、水分は遮蔽体の布に付着しても水分を外部に「放湿」し湿気、水よる断熱性が劣化するのを防ぐために活用する。（表４参照）

日本山岳会のエベレスト初登頂では下着にウール、羽毛服は自衛隊の落下傘用生地の絹布を利用、羊毛と絹布は高冷地の寒さ対策として優れていることが実証され羊織物、絹織物は熱伝導率が小さく断熱性が優れているため活用する。（表４参照）

北山直方、「伝熱工学の学び方」オーム社出版、平成１９年２月５０発行、Ｐ．２１

遮蔽体の布の高さは座った腰の高さ、又は遮蔽体の高さまでにする。

遮蔽体の上部はプラスチックで採光性があり、下部は断熱性の布である。

遮蔽体の表面は紙より少し燃えにくく、汚損、破損しにくいプラスチックで布を保護、プラスチックは透明、半透明、不透明でもよい。（表５参照）

西沢仁、「高分子の燃焼化技術」ジーエムシー出版、２００２年１１月２７日発行、Ｐ・３９

発明の効果

外気温が０℃になり冷気の流入場所の床、畳面より１００ｍｍの高さの範囲にたまり、遮蔽体で冷気の流入場所を囲み、室内へ冷気の流入を遮断、遮蔽体の裏側の温度は４．８℃に下がるが、遮蔽体の内側と室内の温度は１０℃で温度差がなくなり身体の冷えと植物の枯れを防ぎ、又、窓際から２７００ｍｍ離れ、畳面から１２００ｍｍの高さの温度は１０℃で室内の温度差がなくなる。（表６参照）

冬季は暖房機として自然対流の熱伝達式の石油ストーブと電気こたつを利用、夜の外気温は１℃になり、寒さ対策として窓ガラスに空気層を形成した断熱性の樹脂フイルムを貼り、透明樹脂板を障子戸に取付け、遮蔽体を障子戸の前に設置、遮蔽体の裏側の温度は８．６℃に下がるが、内側の温度は１８．７℃で窓から９００ｍｍ離れ、高さ４００ｍｍの温度は２０℃で温度差が１．３℃で、室内と遮蔽体の内側の温度差は２℃以下で身体は冷え寒さから守られる。（表７参照）

冬季の寝室は暖房機がなく、雪の夜の外気温は０℃に下がり寒さ対策とし窓のガラスに空気層を形成した断熱性の樹脂フイルムを貼り、透明樹脂板を取付け障子戸の前に遮蔽体を設置、遮蔽体の裏側の温度は４℃に下がるが内側の温度は１０．５℃で室内の温度は１２℃で、温度差は１．５℃で遮蔽体が冷気の室内へ流入を遮断、遮蔽体の内側と室内の温度差は２℃以下で身体は冷え寒さから守れる。（表１０参照）

遮蔽体の布はプラスチックで保護され汚損、破損、水、火災から守れるがプラスチックと布に耐炎剤処理をすれば遮蔽体の耐炎性が向上する。

冬季に植物を窓際に置いても室内と本発明の遮蔽体の内側の温度差がなくなり夜間に室内へ移動する必要がなくなる。

高齢者は冬季に高速運転の自動車、新幹線、飛行機、船等の乗り物に乗車し窓側に座っても、本発明の遮蔽体は冷気の通路側への流入を遮断するため身体の冷え寒さがなくなり通路側の席へ移動する必要がなくなる。

夏季は窓ガラス、サッシ枠に直射日光が当たり、窓際の温度は上昇するが本発明の遮蔽体は断熱性に優れているため暖気の流入を防ぎ、遮蔽体の裏側より内側の温度は５℃下がり冷房費の節減とＣＯ２の削減が出来る。

冬季の室温は冷気の流入する場所に本発明の遮蔽体を設置することにより室内の温度差がなくなり暖房の温度を上げる必要もなくなり、エネルギーの節減とＣＯ２の削減ができる。

以下、本発明の実施の形態を図１〜１８に基づいて説明する。

図１の遮蔽体２０は移動遮蔽体１、固定遮蔽体３で構成され遮蔽体を伸ばした状態で、移動枠６、固定枠７にプラスチック２を取付け固定さん８で固着、案内板４が固定枠７に固着されている。

Ｖガイド板５は移動枠６に固着してあり移動遮蔽体１が移動する時は固定枠７のＶ溝に倣って動く。

図２の遮蔽体２０は移動遮蔽体１をスライドさせて縮め固定遮蔽体３に重ねることができる。

図３の遮蔽体２０は断面でプラスチック２が織物Ａ１０、織物Ｂ１１を挟み、プラスチック板２は移動枠６と固定枠７に固定さん８で固着する。

すき間風の侵入を防ぐ仕切り板１２は移動遮蔽体１と固定遮蔽体３の端に固着し、遮蔽体の両側のすき風を遮断、移動枠６と固定枠７の下端面にゴムパッキン１５を固着する。

ゴムパッキン１５は移動枠６、固定枠７の重みで床、畳面に密着して気密性を保つ。

移動遮蔽体１と固定遮蔽体３の中央の接するすき間はゴムパッキン１５を固着しすき間をなくす。

布に付着した湿気、水分は移動枠６、固定枠７に加工してある通気孔１６を通して外部へ放湿され、布の乾燥を保つ。

仕切り板１２の下面、立て面にゴムパッキン１５が固着してあり、すき間風を防ぎ、持ち運びが出来るように取手９を固着し、遮蔽体の転倒防止の遮蔽体足１３を固着部品１４で固着する。

図４の平坦遮蔽体２２は室内の窓枠面、風呂場の窓枠面、戸の枠面に固着する。

図５のジャバラ方式の遮蔽体２１は窓枠の幅にあわせて取付けできるように両端が伸縮できるジャバラ方式になっていて窓幅に合わせて調整し枠内に固着する。

図６のジャバラ方式の遮蔽体２１は断面で識物Ａ１０、織物Ｂ１１をプラスチック２で挟み固着し、湿気が侵入しないように密封材１７で密封、遮蔽体の端面、下面にゴムパッキン１５を固着する。

図７の胴体遮蔽体２３は新幹線、航空機の胴体と席の間に固着し冷気の流入を遮断する。

図８の胴体遮蔽体２３は断面で織物Ａ１０、織物Ｂ１１をプラスチック２で挟んで両端を密封材で密封する。

図９の自動車左ドア遮蔽体２４はドア３０に取付けるドア遮蔽体１８と車体のサイド・フレームの内側に取付けるサイド・フレーム遮蔽体１９である。

図１０の自動車右ドア遮蔽体２５はドア３０に取付けるドア遮蔽体１８と車体のサイド・フレームの内側に取付けるサイド・フレーム遮蔽体１９である。

図１１の自動車左、右ドア遮蔽体２４、２５は断面で織物Ａ１０、織物Ｂ１１をプラスチック挟んで両端を密封材で密封する。

図１２の遮蔽体２０は窓、戸２６の前に設置する。

図１３の遮蔽体２０は窓幅に縮めて窓、戸２６に設置する。

図１４のジャバラ方式の遮蔽体２１は窓の枠幅にジャバラで合わせて窓、戸に設置する。

図１５の平坦遮蔽体２２は窓、戸の枠に固着する。

図１６の胴体遮蔽体２３は航空機、新幹線等の胴体に固着、プラスチックの形状は胴体の取付け面に合わせて成形し胴体と席の間に固着する。

図１７の自動車左ドア遮蔽体はドア３０のインナ・パネル３３にドア遮蔽体１８を固着し車体のサイド・フレーム３１の内側にサイド・フレーム遮蔽体１９を固着する。

図１８の自動車右ドア遮蔽体はドア３０のインナ・パネル３３にドア遮蔽体１８を固着しサイド・フレーム３１にサイド・フレーム遮蔽体１９を固着する。

ドアを閉めたときドア遮蔽体１８の下端はサイド・フレーム遮蔽体１９の上端に接する。

ドア遮蔽体１８、サイド・フレ−ム遮蔽体１９の周囲はゴムパッキンを固着、冷気の流入を遮断し気密性を高めている。

遮蔽体はプラスチックを活用し、プラスチックフイルムを活用するときは微細な空気孔がある材料を活用する。

遮蔽体の高さは着席した腰の高さまで、又はそれ以上の高さまで遮蔽する。

遮蔽体２０の実施形態を示す傾視図 遮蔽体２０を縮めた実施形態を示す傾斜図 遮蔽体２０のＡ−Ａ断面図 平坦遮蔽体２２の実施形態を示す正面図 ジャバラ方式の遮蔽体２１の実施形態を示す傾視図 ジャバラ方式の遮蔽体２１のＢ−Ｂ断面図 胴体遮蔽体２３の実施形態を示す傾視図 胴体遮蔽体２３のＣ−Ｃ断面図 自動車左ドア遮蔽体２４の実施形態を示す傾視図 自動車右ドア遮蔽体２５の実施形態を示す傾視図 自動車ドア遮蔽体２４、２５のＤ−Ｄ断面図 遮蔽体２０を窓、戸の前に設置した実施形態を示す傾視図 遮蔽体２０を縮め窓、戸の前に設置した実施形態を示す傾視図 ジャバラ方式の遮蔽体２１を窓、戸の窓枠に設置したジャバラ方式の実態形態を示す傾視図 平坦遮蔽体２２を窓、戸の窓枠に設置した実施形態を示す傾視図 胴体遮蔽体２３を航空機、新幹線の胴体に設置した実施形態を示す傾視図 自動車左ドア遮蔽体２４を自動車のドア３０に固着した実施形態を示す傾視図 自動車右ドア右遮蔽体２５を乗り物のドア３０に取付けた実施形態を示す傾視図

符号の説明

１ 移動遮蔽体
２ プラスチック
３ 固定遮蔽体
４ 案内板
５ Ｖガイド板
６ 移動枠
７ 固定枠
８ 固定さん
９ 取手
１０ 織物Ａ
１１ 織物Ｂ
１２ 仕切り板
１３ 遮蔽体足
１４ 固着部品
１５ ゴムパッキン
１６ 通気孔
１７ 密封材
１８ ドア遮蔽体
１９ サイド・フレーム遮蔽体
２０ 遮蔽体
２１ ジャバラ方式の遮蔽体
２２ 平坦遮蔽体
２３ 胴体遮蔽体
２４ 自動車左ドア遮蔽体
２５ 自動車右ドア遮蔽体
２６ 窓、戸
２７ 窓枠
２８ 航空機、新幹線の胴体
２９ 自動車
３０ ドア
３１ サイド・フレーム
３２ シート
３３ インナ・パネル
３４ 床

Claims (4)

1. 枠と、前記枠に全周を嵌め込むようにして固定された一対のプラスチック製の板と、前記一対のプラスチック製の板の間において、内側に配置された小熱伝導率織物と、外側に配置され前記小熱伝導率織物より熱伝導率の大きい大熱伝導率織物とを含む遮蔽体であって、
   前記枠には、前記遮蔽体の外部と、前記一対のプラスチック製の板の間の空間とを連通する通気孔が設けられていることを特徴とする遮蔽体。
2. 前記枠は、固定枠と移動枠を含み、更に前記移動枠にＶガイド板が固着してあり、前記Ｖガイド板の一部が前記固定枠のＶ溝に係合することによりガイドされるようになっており、前記固定枠に対して前記移動枠を相対移動させることにより伸縮可能であることを特徴とする請求項１に記載の遮蔽体。
3. 前記遮蔽体の側部に仕切り板を取り付けたことを特徴とする請求項２に記載の遮蔽体。
4. 前記遮蔽体の下面、前記固定枠と前記移動枠の間、前記仕切り板の下面及び立て面の少なくとも一つにゴムパッキンを取り付けたことを特徴とする請求項３に記載の遮蔽体。