JP4827733B2 - フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れの酸処理 - Google Patents

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Description

(関連出願の参照)
この出願は、Richard O. Moore, Jr., Donald L. KuehneおよびRichard E. Hofferによる米国特許出願番号10/613,423、発明の名称「フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れの蒸留」;Jerome F. Mayer, Andrew RainisおよびRichard O. Moore, Jr.による、米国特許出願番号10/613,058号、発明の名称「フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れの触媒ろ過」;そして、Lucy M. BullおよびDonald L. Kuehneによる米国特許出願番号10/613,421、発明の名称「フィッシャー・トロプシュ炭化水素流れを処理するためのイオン交換法」を参照することにより、そっくりそのまま組み入れる。
(1.発明の分野)
この発明は、一般に、フィッシャー・トロプシュ合成反応に由来する生成物の水素化処理に関する。さらに具体的には、この発明の実施態様は、その生成物流れが水素化処理反応器に送られる前に、フィッシャー・トロプシュ炭化水素流れから効果的に汚染物、汚染薬剤、および/または詰まり前駆体を取り除くための酸抽出に向けられる。
(2.背景技術)
現在使用されている燃料の大半は原油に由来するが、原油の供給量には制限がある。しかしながら、炭化水素燃料、潤滑油、化学薬品、及び諸化学原料を製造しうる代替原料が存在し;この供給原料として天然ガスが挙げられる。燃料などの製造に天然ガスを利用するための1つの方法は、第一に、天然ガスをシンガス(別名合成ガス)として知られている「中間体」、すなわち、一酸化炭素 (CO) と水素 (H2)の混合物に変換し、そしてそのシンガスをフィッシャー・トロプシュ(FT:Fischer-Tropsch)合成として知られているプロセスを使って所望の液体燃料(類) に変換することである。フィッシャー・トロプシュ反応は、天然ガスを液体燃料に変換できるので、いわゆる、ガス→液体(GTL)プロセスの一例である。一般に、フィッシャー・トロプシュ反応はスラリー床あるいは流動床反応器で実施され、その炭化水素生成物はメタン(C1)からワックス(C20+)までの広いスペクトルの分子量を有している。
次いで、このフィッシャー・トロプシュ生成物は一般的に、またワックスは特別に、化学中間体、化学原料、ナフサ、ジェット燃料、ディーゼル油、及び潤滑油基材などの製品に変換することも可能である。例えば、フィッシャー・トロプシュ生成物の水素化処理は、トリクルフロー固定触媒床反応器で実施でき、またこの水素化処理反応器への供給原料は水素 (H2)あるいは水素に富んだガスとフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れで構成されている。この水素化処理工程は、水素に富んだガス流れと共に、フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを水素化処理反応器内の1つ以上の触媒床に通すことで達成される。
ある場合には、水素化処理される原料は上流処理工程に起源する汚染物を含んでいる。これらの汚染物は、溶解形態または触媒微粉、触媒担体材、上流処理装置からのさびやスケールなどの微粒子形態をとる場合がある。フィッシャー・トロプシュワックス及び重質生成物、特にスラリー及び流動床プロセスに由来する生成物は、その目的のために設けられたフィルターでは適切に取り除かれない微粒子汚染物(触媒微粉のような)を含んでいることもある。水素化処理工程前にそれらの微粒子を除去することは、フィッシャー・トロプシュ反応器から出るワックス流れの潜在的な高粘性と高温度のため、困難なことである。
水素化処理反応器で使われる典型的な触媒は、有限なサイクルタイム、すなわち、それが新しい触媒装填物と交換されなければならない前までの有効期限(あるいは量)、を示す。このサイクルタイムの継続時間は、通常、およそ6 か月から 4 年またはそれ以上である。この分野の熟練者にとって、水素化処理触媒のサイクルタイムが長いほど、プラントの作業効率がより良いことは明白である。
可溶性および/または微粒子状汚染物は、もしそれらが供給原料と共に水素化処理反応器に導入される場合、深刻な問題を起こしかねない。溶解性汚染物は、水素化処理のある条件下で、溶液から沈殿して微粒子になる時、問題を引き起こす。汚染物蓄積が触媒の表面及び隙間で増えるにつれ、汚染物は触媒床を通る流路の部分的詰まりあるいは完全な詰まりさえも引き起こしかねない。実際には、前記触媒ペレットは微粒子汚染物を供給原料からろ過する。この触媒床は供給原料中に同伴されたがらくたの捕獲に加えて、水素化処理反応自体からの反応副産物(反応副産物の例としてコークス)も同様に捕獲しうる。詰まりは触媒床を通る物質流れの障害と引き続いての反応器を横断する水圧低下(入口、出口ポートがそれぞれ設けられた反応器両端の圧力差を意味する)の増加を引き起こしかねない。このような圧力低下の増加は、水素化処理反応器内部の機械的完全性を脅かしかねない。
触媒床詰まりには、少なくとも2つの潜在的に好ましくない結果がある。1つは反応器処理量の減少であり、より深刻な結果は、触媒充填物部品または全てを取り代えるために、反応器の完全なシャットダウンが必要とされることである。これらの結果のいずれも、プラントを経済的に運転することへのマイナス効果を持っている。
先行技術では、この水素化処理反応器の触媒床詰まりの問題を管理する試みとして、供給原料を水素化処理反応器へ導入する前に、供給原料をろ過して、供給原料中の微粒子汚染物の少なくとも一部を除くことが行われている。そのような従来のろ過方法では、通常、直径がおよそ1ミクロンより大きな微粒子の除去が可能である。他の先行技術方法では、コークス形成が見込まれない供給原料を選んだり、コークス形成に影響する水素化処理条件(水素分圧、反応器温度、及び触媒タイプ)を賢明に選択したりして、水素化処理触媒上でのコークス生成速度を制御することが指向されている。
しかしながら、本発明者らは上記の公開技術方法が、供給原料流れがフィッシャー・トロプシュ炭化水素流れからなる時、水素化処理反応器への供給原料流から非常に小サイズの粒子(あるいは可溶性)汚染物、汚染薬剤、及び/または詰まり前駆物質(以後、「汚染物」と称される)を除去するのに有効でないことを見いだした。これは、フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れがスラリー床あるいは流動床プロセスによって製造されたワックスである時、特に当てはまることであった。従って、反応器の圧力低下増加が粒子状汚染物または溶液から沈殿する可溶性汚染物のいずれかで引き起こされる場合、水素化処理、水素化異性化、あるいは水素化処理反応器の圧力低下増加を避ける上で、代表的な公開技術方法は有効とは思われなかった。
これらの代表的な公開技術方法の明らかな失敗は、水素化処理反応器供給原料中に存在する約1ミクロン未満に細かく分割された固体微粒子、及び/または、多分、金属質成分を含み、水素化処理反応器触媒床近傍または内部で溶液から沈殿可能な可溶性汚染物のいずれかに依るものとされてきた。必要とされることは、水素化処理反応器内での圧力低下増加が実質的に避けられるように、水素化処理反応器への供給原料流れから、微粒子、汚染物、可溶性汚染物、汚染薬剤及び詰まり前駆物質を取り除く方法である。
(発明の概要)
フィッシャー・トロプシュ合成は、いわゆるガス→液体 (GTL)プロセスの例であり、そこでは最初に天然ガスがシンガス(実質的に一酸化炭素と水素からなる混合物)に変換され、次いで前記シンガスは所望の液体燃料に変換される。一般に、フィッシャー・トロプシュ合成はスラリー床あるいは流動床反応器で実施され、そして炭化水素生成物はメタン (C1)からワックス(C20+)までの広いスペクトル範囲の分子量を持っている。次いで、フィッシャー・トロプシュ生成物は一般的に、ワックスは特に、蒸留燃料及び潤滑油範囲の製品を生成させるために水素化処理される。この発明の実施態様によれば、この水素化処理は上昇流様式または下降流様式のいずれでも実施できる。本発明のプロセスは、下降流様式の操作に特に適用可能である。
ある場合には、水素化処理される前記供給原料は上流処理過程に起源する汚染物を含んでいる。この汚染物には、触媒微粉、触媒担体材料など、および上流処理過程装置の破片やスケールが含まれている。フィッシャー・トロプシュワックス及び重質生成物、特にスラリー床及び流動床過程に由来する重質生成物、はその目的のために設けられたフィルターでは適切に除去できない(触媒微粉のような)汚染物を含んでいる場合がある。汚染物は、もしそれが供給原料と共に水素化処理反応器に導入されると、深刻な問題を引き起こしかねない。触媒の表面上及び隙間に汚染物が蓄積するにつれ、触媒床を通る流路の汚染物による部分的な、または完全な詰まりさえも起こりうる。
本発明者らは、供給原料がフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れである時、水素化処理反応器への供給原料流れから微粒子、固化汚染物、可溶性汚染物、汚染薬剤及び/または詰まり前駆体などの汚染物を除去する有効な新規方法を見いだした。フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れ中の汚染物の結果として、一般に、水素化処理反応器での圧力低下増大がある。
本発明の一実施態様では、汚染物は:
a) フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを処理域に送り;
b) 酸性水溶液流れを前記処理域へ送り;
c) 前記処理域でフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを酸性水溶液流れと接触させて混合物流れを形成させ;そして
d) 前記混合物流れを、少なくとも1つの処理済みフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れと少なくとも1つの変性された酸性水溶液に分離する、諸工程を用いてフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れから除去される。
この接触工程では、少なくとも1つの抽出済みフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れと少なくとも1つの変性された酸性水溶液流れから実質上区別される第三の相が形成される場合がある。前記酸性水溶液流れはフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れから汚染物を抽出し、それを前記第三の相へ隔離する。前記汚染物はAl,Co,Ti,Fe,Mo,Na,Zn,Si,およびSnなどが含まれる無機成分を含む。さらに、その汚染物は上流処理過程装置、またはフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れの製造に使用された触媒に起源する。前記汚染物のサイズは、1.0ミクロンフィルターを通過しかねないほどのものである。
本発明の実施態様によれば、前記接触工程は回分または連続プロセスとして実施できる。さらに、前記酸性水溶液流れは、水に溶解された酸から構成され、水中の酸濃度は約0.0001〜1 Mの範囲になっている。他の実施態様では、前記水中での酸濃度は約0.01〜0.1 Mの範囲にある。酸性成分は、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、およびシュウ酸からなる群から選択される有機酸からなり、または塩酸、硫酸、および硝酸からなる群から選択される無機酸からなっていても良い。
この処理工程は、混合弁、オリフィス板、インラインスタティックミキサー、スパージャー付き抽出塔、および市販混合装置からなる群から選択される混合装置で実施できる。前記抽出塔は、ワックスバブル塔、二相インジェクション、および酸スプレー塔として組み込んでも良い。
本実施態様には、さらにフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れをろ過する工程を含むことができ、そのろ過工程は接触工程後に実施される。また、本方法にはさらにフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを蒸留する工程、またはフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れに界面活性剤を添加する工程を含むことができる。抽出済みフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れは、水素化処理反応器へ受け渡すことができ、そして本発明の諸実施態様により、水素化処理反応器の触媒床の詰まりを実質上避けることができる。
本発明の他の実施態様では、工程は:
a) フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを処理域に送り;
b) 酸性水溶液流れを前記処理域へ送り;
c) 抽出条件に設定された前記処理域でフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れと酸性水溶液流れとを接触させて、混合流れを形成させることにより、フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れから汚染物を抽出し;そして
d) 少なくとも1つの抽出済みフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを変性された酸性水溶液及び第三相から分離する;
ことを包含し、しかも、抽出工程後に、変性された酸性水溶液と第三相に含まれる汚染物量は、抽出済みフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れに含まれる汚染物量よりも大きくなっている。
本発明のさらなる他実施態様では、工程は:
a) シンガスをフィッシャー・トロプシュ反応器に送り込んでフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れを生成させ;
b) フィッシャー・トロプシュ反応器の内容物に添加剤を供給して、反応器内で可溶性汚染物を沈殿させ;
c) フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れから沈殿汚染物をろ過して、ろ過済み炭化水素流れを生成させ;そして
d) 前記ろ過済み炭化水素流れを水素化処理反応器へ受け渡す;
ことを包含する。
前記添加剤には、酸性成分または界面活性剤が含まれ得る。
(発明の詳細な説明)
本発明の実施態様は、フィッシャー・トロプシュ合成反応由来製品の水素化処理に向けられる。本発明者らは、ある種の条件下で、微粒子汚染物または触媒床近傍または内部で溶液から沈殿する可溶性汚染物のいずれかにより、水素化処理反応器中の触媒床が詰まる傾向にあり、水素化処理反応器を通過する物質流れが妨げられることを観察した。たとえフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れをろ過して、約0.1ミクロンより大きな微粒子残屑を取り除いたとしても、汚染物は依然として存在 (問題がまだ存在することを意味する)しうる。
特別な見解で縛られることは望まないが、本発明者らは、フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れに汚染物が可溶性形態で(少なくとも一部)存在し、次いで、その流れが、例えば、水素化処理反応器に供給された後に、その汚染物が溶液から沈殿し、固体微粒子を形成すると考えた。汚染物は、無関係の源に起源するかもしれないし、あるいは起源しないかもしれない。汚染物は、一般に、沈殿した後に、水素化処理反応器内で固体詰まりを形成する。ある種の条件下で、この詰まりは反応器中心部分で生じる。この詰まりの空間広がりは、水素化処理条件及び触媒タイプに依存し、例えば、異なる空間速度により、反応器の異なる領域上及び/または内部への詰まりを圧縮するかあるいは拡大することができる。汚染物は、その形態にかかわりなく、水素化処理反応器を通る流路を詰める可能性があるので、水素化処理の観点から好ましくない成分である。
汚染物が可溶性種として、または超微細微粒子(多分、約 0.1 ミクロン未満のサイズを意味する)としてフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れに存在するか否かは明らかでないが、一般には、従来のろ過処理では前記汚染物は水素化処理供給原料流れから除去できないことが知られている。
本発明者らは、可溶性および微粒子形態の両汚染物(“汚染薬剤”または“詰まり前駆体”としても記述される)が、薄い酸性水溶液を用いてフィッシャー・トロプシュ由来生成物流れから抽出できることを発見した。フィッシャー・トロプシュ由来生成物流れに対して酸抽出工程を実施すると、生成物流れの水素化処理で一般的に観察される反応器内の圧力損失を引き起こす蓄積物を実質的に避けることができる。
本発明の実施態様に従う酸抽出を利用するプロセスフローの概観が、図1に示されている。図1を参照すると、天然ガス10などの炭素源はシンガス 11に変換され、それがフィッシャー・トロプシュ反応器13への供給原料12となる。典型的には、前記合成ガス11は水素と一酸化炭素から構成されるが、少量の二酸化炭素および/または水を含んでいても良い。フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14は、場合により、工程15でろ過して、ろ過済みフィッシャー・トロプシュ生成物流れ16を生成させても良い。このろ過済みフィッシャー・トロプシュ生成物流れ16は、処理域18で希薄酸性水溶液流れ17と一緒にされ、その混合流れは酸抽出プロセスの一部として所望の圧力と温度条件下で混合される。処理済みまたは抽出済みフィッシャー・トロプシュパラフィン相19(ワックスの場合もある)、および変性もしくは消耗された酸性水溶液相20は前記酸処理域18を出てくる。また後者には、一般に、フィッシャー・トロプシュ生成物流れ16からの除去が望ましい汚染物が含有されている。
ある条件下では、前記第三相は、抽出済みフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れ19および変性された酸性水溶液20と実質上異なって形成されることがある。前記第三相は、図1では示されていない。この第三相は、例えば、非常に弱い鉱酸(例えば、約0.1 モル未満)、または有機酸を用いて抽出を行った場合、観察可能である。この第三相は、使用される特別な酸、および酸とワックスの相対容積により、しばしば、処理済みフィッシャー・トロプシュ生成物流れ19または変性された酸性水溶液流れ20のいずれかで見いだされるよりも10倍も高レベルな金属類を含有することがある。このような条件下では、前記酸性水溶液流れはフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素(ワックス)流れ16から汚染物を抽出し、汚染物を第三相中に濃縮する。
場合により、前記変性または消耗された酸性水溶液相20は酸性水溶液供給元21にリサイクルされるか、さもなければ処理されるかまたは修復される。いずれにしても、前記酸抽出されたフィッシャー・トロプシュパラフィン相19は水素化処理供給原料22として水素化処理反応器23へ送られ、そこで抽出済みフィッシャー・トロプシュパラフィン相に対する水素化処理工程が実施されると、価値のある炭化水素生成物24が生産される。前記炭化水素生成物24には、中間留分燃料類や潤滑油基礎材料が含まれる。
(フィッシャー・トロプシュ合成)
フィッシャー・トロプシュプロセスは、図1中の参照番号13で概略的に示されたフィッシャー・トロプシュ反応器内で行うことができる。フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14には、約C20より大きい鎖長を持つ直鎖炭化水素から構成されるワックス状留分が含まれる。前記フィッシャー・トロプシュ生成物が留出燃料組成物中に使用される場合、燃料の燃焼特性(しばしば、セタン価で定量化される)、並びに燃料の低温特性(例えば、流動点、曇点および低温ろ過詰まり点)を向上させるために、それらは適当な量のイソパラフィン類を含むように、さらに処理される。
フィッシャー・トロプシュプロセスでは、適当な反応条件下でH2とCOの混合物を含む合成ガス11(時々、“シンガス”とも呼称される)をフィッシャー・トロプシュ触媒と接触させることにより、液体およびガス状炭化水素が生成される。フィッシャー・トロプシュ反応は、一般には、300〜700°F(149〜371℃)の温度範囲、好ましくは約400〜550°F(204〜288℃)の温度範囲;約10〜600 psia (0.7〜41 bars)の圧力範囲、好ましくは約30〜300 psia(2〜21 bars)の圧力範囲;および約100〜10,000 cc/g/hrの触媒空間速度範囲、好ましくは約300〜3,000 cc/g/hrの触媒空間速度範囲で実施される。
フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14は、炭素数がC1〜C200+の生成物から構成されるが、生成物の大半はC5〜C100範囲にある。フィッシャー・トロプシュ反応は、1個以上の触媒床を含む固定床反応器、スラリー反応器、流動床反応器、またはこれら反応器型の組み合わせなどの、種々の反応器型で実施できる。このような反応プロセスおよび反応器は良く知られており、また文献中にも文書化されている。
本発明の一実施例では、フィッシャー・トロプシュ 反応器 13 はスラリー型反応器からなる。このタイプの反応器 (およびプロセス)は強化された熱及び物質移動性を示し、そのためフィッシャー・トロプシュ 反応の強い発熱特性を利用することができる。スラリー反応器では、コバルト触媒が使われる時、比較的高分子量のパラフィン系炭化水素が生成する。運転上、水素 (H2)と一酸化炭素 (CO)の混合物からなるシンガス は、反応器内のスラリーを通って第三相としてバブルアップされ、触媒 (微粒子形状)は液体中に分散され、懸濁される。水素反応物の一酸化炭素反応物に対するモル比は0.5〜4、より一般的には、この比率は 0.7〜2.75の範囲内にある。前記スラリー液体は合成用反応基質だけではなく、反応の炭化水素生成物も含有しており、またこれら反応生成物は反応条件下では液体状態である。
適当なフィッシャー・トロプシュ触媒は、Fe、Ni 、Co、 Ru 及びReのような第VIII族触媒金属の1つ以上を含む。触媒は助触媒を含んでいても良い。本発明の幾つかの実施例では、フィッシャー・トロプシュ触媒は適当な非有機担体上に有効量のコバルトと1つ以上の元素Re、Ru、Fe、Ni、Th、Zr、Hf、U、Mg、及びLaを含んでいる。一般に、触媒に存在するコバルトの量は、触媒組成物全重量基準で、およそ1〜50 重量%である。典型的な担体材料として、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、及び二酸化チタンまたはそれらの混合物のような耐火性酸化物が挙げられる。本発明の一実施例では、コバルト含有触媒用の担体材料は二酸化チタンからなる。助触媒にはZrO2もまた含まれるが、ThO2、La2O3 、MgO及びTiO2などの塩基性酸化物、Pt、Pd 、Ru、Rh、Os、及びIrなどの貴金属;Cu、Ag、及びAuのような貨幣鋳造用金属;及びFe、Mn、Ni、及びReなどの他の遷移金属が含まれる。
有用な触媒とそれらの調製が知られており、説明に便利で、非制約な実施例が、例えば、米国特許第4,568,663号で見いだされる。
フィッシャー・トロプシュプロセス由来のいかなるC5+ 炭化水素流れも、本発明のプロセスを使って適切に処理できる。代表的な炭化水素流れは、フィッシャー・トロプシュ 反応器構成に依存して、C5-700°F流れと約550°F 以上で沸騰するワックス状流れを含む。本発明の一実施例では、フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14 は反応器 13 から、分留なしで、直接回収される。もし分留工程(図1では示されていない)がフィッシャー・トロプシュ反応器 13から出てくる生成物に対して実施されるならば、処理用として好ましい分留工程生成物は塔底留分である。
(酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ反応生成物の水素化処理)
フィッシャー・トロプシュ反応器13からの生成物流れ14は、水素化処理工程にかけることができる。この工程は図1 中の参照番号23で概略的に示される水素化処理反応器中で実施できる。本明細書中で使用される用語“水素化処理”は、反応器13により生成されるフィッシャー・トロプシュ合成反応生成物が水素含有ガスで処理される、多くのプロセスを意味し;このようなプロセスとして水素化脱ワックス、水素化クラッキング、水素化異性化、および水素化処理が挙げられる。
本明細書中で使用される用語“水素化処理(Hydroprocessing)”、“水素化処理(Hydrotreating)”および“水素化異性化”には、従来の意味が与えられ、この分野の熟練者らに知られているプロセスを表現している。水素化処理(Hydrotreating)は、通常、遊離の水素存在下で実施される、主な目的がオレフィン飽和化と水素化処理反応器への供給原料からの酸素化物の除去である、触媒プロセスを意味する。酸素化物として、アルコール類、酸類、およびエステル類が挙げられる。さらに、炭化水素流れが硫化触媒に接触した時に導入されるいかなる硫黄もまた除去される。
一般に、水素化処理(Hydroprocessing)反応により、水素化処理される供給原料中の個々の炭化水素分子の鎖長は減少(いわゆる、“クラッキング”)し、かつ/あるいは最初の供給原料の値と比較して、イソパラフィン含量は増加(いわゆる、“異性化”)することがある。本発明の実施態様において、水素化処理工程23で使用される水素化処理条件で、C5〜C20炭化水素に富んだ生成物流れ24と所望の低温特性(例えば、流動点、曇点、および低温ろ過詰まり点)を与えるように設計されたイソパラフィン含量が作り出される。相対的に大量のC1〜C4生成物を形成しがちな領域23の水素化処理条件は望ましくない。ワックスおよび/または重質留分の融点を下げるのに十分なイソパラフィン含量でC20+生成物を生成する(10ミクロンより大きな微粒子が従来のろ過法によりさらに容易に除去できるような)条件もまた好ましい。
本発明の幾つかの実施態様では、より大きな炭化水素分子のクラッキング量を最低に保つことが望ましく、これらの実施態様では水素化処理工程 23 のゴールは、不飽和炭化水素の完全あるいは部分水素化形態への変換である。これらの実施例の水素化処理工程 23 のさらなるゴールは、前記流れのイソパラフィン含量を、供給原料の出発値と比較して、増やすことである。
水素化処理された(Hydroprocessed)製品流れ 24は、場合により、軽油、潤滑剤基油、高流動点ポリアルファオレフィン類、フーツ油(油とワックス混合物から分離された油)、ノーマルアルファオレフィンワックスなどの合成ワックス、スラックワックス、脱油ワックス及び微結晶ワックスなどの他の源からの炭化水素と組み合わすことができる。
水素化処理(Hydroprocessing)触媒はこの技術分野の熟練者らには良く知られている。例えば、水素化処理、水素化異性化、水素化クラッキング、水素化処理(Hydrotreating)、その他プロセスの概要、及びこれらのプロセスで使用される代表的触媒については、米国特許第4,347,121号、4,810,357号、及び6,359,018号を参照できる。
(汚染物と水素化処理触媒床詰まり)
前に書き留めたように、前記フィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れ14、16は、その流れ14、16中に存在する汚染物質、粒子状汚染物、可溶性汚染物、汚損薬剤、および/または詰まり前駆体により、水素化処理反応器の触媒床の詰まりを起こすことがある。前記用語の微粒子、粒子状汚染物、可溶性汚染物、汚損薬剤、および詰まり前駆体は本開示では同義的に使用されるが、水素化処理触媒床を最終的に閉塞させる実体は詰まり事象を起こす前は供給原料中で可溶であろうことに留意しつつ、その現象は、一般に、“汚染”として参照される。詰まり事象は、(最終的に微粒子形状をとり) 水素化処理反応器の触媒床により水素化処理供給原料からろ過される汚染の結果である。本発明の実施態様によれば、水素化処理反応器23の触媒床の詰まりが実質上回避されるように、処理域18での酸抽出がフィッシャー・トロプシュ生成物流れ14、16からの汚染物、汚損薬剤、および詰まり前駆体の除去に使用される。
本酸抽出プロセスの詳細を論じる前に、汚染物に注意を向けることは有益であろう。フィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ14、16の汚染は、種々の源に起源しうるが、一般には、汚染物の少なくとも幾つかの形態を取り扱う方法が技術的に知られている。これらの方法として、例えば、分離、単離、(従来の)ろ過、および遠心分離が挙げられる。窒素およびヘリウムなどの不活性不純物は一般に許容されるので、特別な処理は必要とされない。
しかしながら、一般には、天然ガス10またはシンガス 11中にメルカプタン類や他の硫黄含有化合物、ハロゲン、セレン、りん、及びヒ素系汚染物、二酸化炭素、水、及び/または非炭化水素酸ガスなどの不純物が存在することは望ましくなく、その理由のため、それらはフィッシャー・トロプシュ反応器 13 で合成反応を実施する前に、シンガス供給原料から除去されるのが望ましい。技術的に知られている一方法では、天然ガス10中のメタン(及び/またはエタン及びさらに高級な炭化水素)成分を脱メタン器で単離し、次いで前記メタンを従来の合成ガス 11 を供給するシンガス発生器に送入する前に脱硫することが行われる。先行別法では、硫黄不純物を除去するためにZnO保護床を使用してもよい。
粒子状汚染物に対する処置は、通常、ろ過によりなされる。フィッシャー・トロプシュスラリーまたは流動床反応器で生成する触媒微粉などの微粒子は、その粒経が10ミクロンより大きければ、またある操作では1ミクロンでも、商業的に利用可能なろ過システム(任意的なろ過工程15)でろ過できる。フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14、16(および特に、それらのワックス状留分)の粒子含有量は、一般に、小さく、通常、多分、質量基準で500 ppm未満、時には質量基準で200 ppm未満であろう。また、微粒子のサイズは、一般に、多分、約500ミクロン未満の直径、そして、たぶん250ミクロン未満の直径であろう。この開示との関連で、粒子が直径で500ミクロン未満ということは、粒子が多分500ミクロンメッシュサイズを持つスクリーンを通過するであろうことを意味する。
しかしながら、本発明者らは、従来のろ過後ですら、かなりのレベルの汚染物がフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ中に残留することを見いだした。このような汚染物は、通常、金属を高濃度で含有している。最近開示されたように、この汚染物は、抑制されずに放置されると、通常、詰まり問題を引き起こしかねない。この詰まりの結果は、触媒寿命の短縮となる。
本発明の実施態様に従ってフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れ14、16から抽出される汚染物(金属酸化物を含む)は、有機成分並びに無機成分の両方を持つことができる。前記有機成分は、炭素、水素、窒素、酸素、および硫黄元素(それぞれ、C、H、N、O、およびS)の少なくとも1つを含む元素内容を持つことができる。前記無機成分は、アルミニウム、コバルト、チタン、鉄、モリブデン、ナトリウム、亜鉛、すず、およびけい素(それぞれ、Al、Co、Ti、Fe、Mo、Na、Zn、Sn、およびSi)元素の少なくとも1つを含む。
(フィッシャー・トロプシュ生成物流れの酸処理)
酸抽出方法も技術的には知られているが、本発明者らの知る限りでは、これらの技術はフィッシャー・トロプシュ触媒の製造に使用されただけである。酸抽出はまた、フィッシャー・トロプシュ触媒の活性改良、および所望のフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物が製造されるように、フィッシャー・トロプシュ触媒の選択性強化に使用された。このことは、例えば、米国特許第4,874,733号を参照できる。
本発明者らの知る限りでは、フィッシャー・トロプシュワックス状生成物流れの精製および/または脱汚染物に酸抽出が今まで使用されていないが、これはこのような流れの汚染物レベルが代表的な原油供給原料のそれほど高くないという事実も一部関係しているかもしれない。実際、フィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れは主に微粒子状汚染物を含んでおり、それらの大部分は従来のろ過技術では容易に除去できないであろう。
本発明者らは、場合によりろ過されたフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ(スラリー床または流動床フィッシャー・トロプシュプロセスで製造された炭化水素流れ)の酸抽出により、汚染物、粒子状汚染物、可溶性汚染物、汚損薬剤、および/または詰まり前駆体が、下流水素化処理反応器の詰まりを実質上回避できるように、実質的に除去できることを発見した。前記酸抽出は、混合弁またはインラインスタティックミキサーなどの市販のいかなる混合装置中でも実施できる。本発明の実施態様によれば、前記抽出条件により、酸とフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れ間の十分かつ緊密な接触と炭化水素流れからの汚染物除去が実質的にでき、また混合装置内内容物を抽出済みフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れと消耗(変性された、とも記述される)酸性水溶液流れへと分離ができる。
上述した実施態様を実施するための方法として、1)インラインミキサーとセトラ、2)スパージャーを通して供給されたワックスが、次いで、塔内で連続相をなしている酸の塔を上昇し、さらに酸が下方向に移動する(それ故、用語“向流”)向流抽出塔、3) ワックスが連続相をなし、酸がスパージャーを通して供給される向流抽出塔、および4)単一塔内での二段階分離からなる第四の構造物の使用が挙げられる。
上述した第四の構造物において、塔の上部はワックスを連続相とした酸スプレー塔として運転され、塔の下部は酸を連続相としたワックス気泡塔として運転される。このような構造物を用いると、上部連続ワックス相と下部連続酸相間に蓄積する“グレイ層”(第三相)が存在することがあり得るが、もしこのような界面グレイ層が存在する場合、それは周期的に取り除かれる。ワックス相と酸相の両方は、この構造の単一塔を移動するとき、相互に向流で移動する。修飾された実施態様では、前記塔は大きなセトリングタンク内に配置することができる。この構造の利点は、その塔内が一段ではなく二段であるため、汚染物のより効率的な除去が達成されること、および酸処理プロセスを遂行するのに必要とされる塔、タンク、および他装置が少ないことである。
向流抽出塔が関与する方法においては、乳化物の生成が実質的に回避されるように小滴サイズを保持することが望ましい。
理論で制限されることは望まないが、本実施態様が指向している汚染物は非常に微細に分割された無機汚染物、または少なくとも1つの無機成分を含有する汚染物からなると考えられている。後者の場合、前記無機成分としてアルミニウムなどの金属が挙げられ、またその金属は、炭素、窒素、硫黄、または酸素を含む少なくとも1つ以上の有機成分からなる複雑な有機マトリックス中に存在する。この複雑な有機マトリックスは、粒子状または可溶性状態で存在しうる。
処理域18における抽出プロセスの詳細は、図1を参照することで与えられる。本発明の実施態様によれば、フィッシャー・トロプシュスラリー反応器または流動床反応器13を出るフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ14は、反応器内13でのフィッシャー・トロプシュ合成期間中に起こる反応中に形成される触媒微粉の形状をした微粒子を含むことがある。これらの微粒子は、通常、直径が約500ミクロン未満であるが、微粒子のいくらかは、約0.1ミクロン未満の直径を持っている。
フィッシャー・トロプシュ反応器13からのスラリー除去として、スラリーに由来する触媒を分離するための従来のろ過工程が挙げられる。約10ミクロンより大きな直径、および幾つかの実施態様では約1ミクロンより大きな直径を持つ粒子状物質が、この従来のろ過工程で除去される。フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14は、さらに任意のろ過工程15にかけても良い。微粒子はフィッシャー・トロプシュ生成物流れ14から、微粒子物質を除去するための技術的に既知の様々な方法を1つ以上使用して除去しても良い。本発明の一実施態様では、前記フィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ14を、その流れが水素化処理工程23で水素化処理される温度より、少なくとも100°F低い温度に冷却し、冷却後、その生成物流れ14をパッケージフィルターシステムに通し、粒子状汚染物の少なくともいくらかを除去しても良い。このパッケージフィルターシステムは、微粒子除去を促進する使い捨てカートリッジフィルターから構成されていても良い。ろ過工程15を実施する温度は、ろ過システムの性質と選択に依存する。
次いで、ろ過済みフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ16は、処理域18へ処理域のサイズと構造に応じた供給速度で受け渡される。選択された供給速度は、処理域でのパラフィン生成物流れに存在する汚染物の、所望の変換または除去を達成するのに十分な混合と滞留時間を可能とするものである。処理域18は、ワックス供給原料の融点(約200°F)から約600°Fの範囲の温度に保たれる。また、この上限温度はワックスの熱的クラッキングが開始される温度である。この抽出工程の結果は、特に圧力には依存しないが、処理域の圧力は大気圧から250 psiの範囲にある。しかしながら、酸性水溶液流れを沸騰しないように保つための十分な圧力が必要とされる。
酸性水溶液供給元21からの希薄酸性水溶液流れ17も、処理域18へと受け渡される。前記希薄酸性水溶液流れ17は、一実施態様では、約0.0001 M〜1.0 M範囲の濃度を有しており、他の実施態様では、約0.01 M〜0.1 M範囲の濃度を有している。酸濃度の下限は、通常、酸:汚染物の1:1化学量論比が望ましい時には、汚染物(たいていは、アルミニウム)濃度に依存する。実際のところは、酸濃度下限は酸強度により定量化される。例えば、酸濃度の下限は約0.0001 Mであろう。pHに関しては、酸濃度の下限は、3.7〜4.0のpH範囲で表される。
酸濃度の選択しうる上限は、腐食に対する抽出装置の耐性並びにワックスの開裂を起こす温度と酸性度の組み合わせによる。
希薄酸性水溶液流れ17で使用される酸には、無機酸(鉱酸)または有機酸が含まれる。代表的な無機酸には、以下に制限されるものではないが、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、および硝酸(HNO3)が含まれ、代表的な有機酸には、以下に制限されるものではないが、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、およびオキサル酸が含まれる。本発明の一実施態様によれば、好ましい無機酸はH2SO4であり、そして他の実施態様では、好ましい有機酸はオキサル酸である。これらの酸について、希薄酸性水溶液流れ17の酸濃度は0.0001 M〜1.0 Mの範囲にある。
別の実施態様では、前記酸性水溶液はフィッシャー・トロプシュプロセスから回収される。フィッシャー・トロプシュ炭化水素合成では、一酸化炭素反応プロセスの一工程として、“反応水”と称されるかなりの量の水が生成する。前記反応水は、一般に、水に加えて、フィッシャー・トロプシュ反応に由来する酸類、アルコール類および他の反応生成物を含む。反応水は、しばしば、pHが4未満、しばしば、3未満のかなりの酸である。このようなわけで、本実施態様によれば、反応水をフィッシャー・トロプシュ由来炭化水素流れからの汚染物除去用の酸源として使用することは有用である。反応水中の主な酸性分子種は、酢酸でありえる。
次いで、フィッシャー・トロプシュ生成物流れ16および希薄酸水溶液17は、バッチまたは連続プロセス部としてのゾーン18における酸抽出の混合部分前または混合中に、一緒にされる。図1では、2つの流れ16、17は別々に酸抽出装置に入るように示されているが、これら2つの流れ16、17を、処理域18で酸抽出プロセスが行われる混合装置に供給する前に一緒にしても良いことが、普通の熟練者らには理解できる。本発明の一実施態様では、2つの流れ16、17は、2:1の重量比で混合される;言い換えると、合体流は希薄酸性水溶液流れ17に対して重量で2倍のFisher-Tropschパラフィン/ワックス流れ16を含んでいる。他の実施態様では、2つの流れ16、17の体積比の上限および下限は、汚染物レベルと酸濃度に基づいて見積もることができる。
処理域18での酸抽出プロセスの混合継続時間は、フィッシャー・トロプシュ生成物流れ16から汚染物の相当量を除去するのに十分な時間である。流れ16と流れ17の酸抽出プロセス18期間中の接触時間は、強烈な混合が使用される場合の約1分未満から、混合が穏やかな場合の数時間以上(数日も含む)の範囲である。処理域18での酸抽出プロセスは、混合弁またはインラインスタティックミキサーまたは向流抽出塔などの市販の混合装置で行うことができる。処理域18中の前記酸抽出プロセスからの流出液は、抽出済みフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物相19(抽出済みフィッシャー・トロプシュパラフィン相19と呼称できる)と、流れ16中にもともと含まれていた汚染物の相当量を含む少なくとも一部は消耗または変性された酸性水溶液相20に放置分離される。前に記述したように、汚染物の大部分が濃縮されている第三相が存在しうるが、所望の生成物流れ16からの実質的レベルの汚染物の除去が達成されるため、その汚染物が第三相に存在するか消耗酸水溶液相20に存在するかは議論の余地があるところである。次いで、前記抽出済みFischer-Tropshパラフィン流れ22は、所望の最終製品24を製造するために水素化処理反応器23へ受け渡される。
場合により、前記一部消耗された酸性水溶液流れ20は、再生のために酸水溶液供給液21へとリサイクルされるか、廃棄されるか、または多数の活用の1つで使用される。幾つかの実施態様では、前記消耗された酸性水溶液流れ20は、新鮮な酸濃度と生成物流れ16中に存在する汚染物のレベルに依存する再生が必要とされる前に、多数回リサイクルしても良い。
特別な理論により制約されることは望むところではないが、前記酸抽出プロセス18は、可溶性金属汚染物を粒子状形態へと変換し、非常に小さい粒子状汚染物を、引き続いてのろ過により除去可能な大きな粒子へと凝集させるように見える。この実施態様は、図2で説明される。図2を参照すると、天然ガス10はシンガス 11へ変換され、前に示したように、フィッシャー・トロプシュ反応器13へと受け渡される。しかしながら、この実施態様では、フィッシャー・トロプシュ反応器13からの流出生成物14は第二ろ過工程(この場合には、ろ過工程24)が実施される前に、まず酸処理28に送られる。
このろ過工程22は、フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14からフィッシャー・トロプシュ触媒微粉の大部分を除去するためのろ過の工程であるため、“第一”ろ過工程と呼称される。これらの粒子はある状況下ではその大きさが約10ミクロンまたはそれ以上であり、またある状況下では約1ミクロンまたはそれ以上である。ろ過工程22は、反応器13の内側または外側のいずれかで実施できることに留意すべきである。
再度図2を参照すると、第二ろ過工程24は、酸処理28で粒子状形態に変換された可溶性金属汚染物を除去するために、酸処理28の後で実施できる。工程24でのろ過エレメントのタイプの選択は、ひとたび酸処理工程28が遂行された後に金属汚染物問題を減少させるのに必要とされる全てである。
この実施態様の変形では、酸処理プロセス28からの流出物25の少なくとも一部を、酸処理28により沈殿された沈殿汚染物が第一ろ過22で除去されるように、第一ろ過22へとリサイクルできる。
図2の実施態様によれば、本発明者らはフィッシャー・トロプシュ生成物流れからの酸処理28により不溶化またはろ過可能にされたアルミニウム汚染物の除去に、0.45ミクロンフィルターを使用した。汚染物はIPC-AES(誘発カップル化プラズマ原子発光分光分析)で測定できる検出可能限界以下のレベルまで減少された。
代わりの実施態様(図2に同様に描かれている)では、フィッシャー・トロプシュ反応器13への添加物26は、反応器13内の汚染物の沈殿および/または集塊を引き起こす。この添加物26は、事実上、酸性であり、そしてその沈殿が望ましい反応器内汚染物は金属成分を有している。次いで、沈殿された汚染物は、第一フィルター22または第二フィルター24のいずれかで、生成物流れからろ過除去される。添加物26を使用して可溶性汚染物を沈殿させる利点は、ろ過プロセスを遂行するための装置がすでにシステム内に存在するため、付加的な重要装置が必要とされないことである。
代わりの実施態様(同様に、図2に描かれている)では、界面活性剤27をフィッシャー・トロプシュ生成物流れ14へ添加できる。本発明者らは、このような界面活性剤27の添加により、生成物流れ14からの汚染物、特に金属成分を有する可溶性汚染物の除去が強化されることを見いだした。この実施態様での有用な界面活性剤例は、C16H32N(CH3)3Brがある。発明者らは、フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14が、それら自体でフィッシャー・トロプシュ反応器13内の汚染物の集塊を強化する界面活性剤様性質を持つ化合物を含んでも良いことに気がついた。
あたかも図1のように、前記抽出済みフィッシャー・トロプシュパラフィン生成物流れ22は、最終製品24を製造するために水素化処理反応器23へ受け渡される。同様に、酸性水溶液供給元21からの希薄酸性水溶液流れ17もまた処理域18へ受け渡され、汚染物の相当量部分を含み、少なくとも一部が消耗または変性された酸性水溶液相20が回収される。
(酸源としてのフィッシャー・トロプシュ合成反応水)
本発明の一実施態様では、フィッシャー・トロプシュ合成反応からの反応水を酸水溶液供給元21の源として使用できる。この実施態様は、図3に示されている。
図3を参照すると、フィッシャー・トロプシュ反応器13でワックス流れでもありうるパラフィン生成物流れ14と、蒸気流れ30が作り出される。蒸気流れ30の温度は、高圧分離器ドラム32へ供給される前に、冷却器31で下げられる。分離器ドラム32(三相分離器とも呼ばれる)は約120〜140°Fの温度で運転される。分離器ドラム32からの流出物流れには、排ガス流れ33、C2〜C20凝縮流れ34、および粗反応水流れ35が含まれる。もちろん、反応水35がフィッシャー・トロプシュ合成反応の生成物であることは、この技術分野の熟練者らにより理解されることである。
次いで、前記反応水35は、粗反応水35をメタノールやエタノールなどのアルコールを含む相37、およびほとんどが水中に溶けた酢酸からなる濃縮反応水38に分離するために、第一蒸留ユニット36へ送られる。前記粗反応水35は第一蒸留ユニット36へ通す前に、貯蔵タンクへ受け渡しても良い。
本発明の実施態様によれば、図3で示される基本水溶液流れの少なくとも3つ;流れ35、37、および38は、酸処理プロセスでのフィッシャー・トロプシュ生成物流れ14の処理用として適当である。酢酸は基本酸性水溶液流れ35、37、および38の代表的な酸成分であり、一実施態様では各流れに約0.01〜0.05重量%存在しており、他の実施態様では約0.02〜0.04重量%の範囲で存在している。
粗反応水35中に最大量で存在する成分は、代表的には、メタノールおよびエタノールであり、少量のn-プロパノール、n-ブタノール、およびn-ペンタノールが存在することもある。粗反応水35中のメタノールおよびエタノールの典型的な量は、約0.5〜1.0重量%であり;残りのアルコール類は約0.02〜0.2重量%の範囲である。
水溶液流れ37は、もちろん、第一蒸留ユニット36で起こる蒸留プロセスの結果、粗反応水流れ35が持つよりもよりもさらに大きなアルコール濃度を持つであろう。水溶液流れ37の典型的なメタノールおよびエタノール量は、約15〜30重量%であり、同時に、より長鎖アルコールのn-プロパノール、n-ブタノール、およびn-ペンタノールが約2〜15重量%になっている。代わりの実施態様では、前記水溶液流れ37は、燃料源として燃やしても良い。
濃縮された反応水流れ38は、実質上、アルコール類を含まない。この流れ中の主な成分は、前に論じたように、0.01〜0.05重量%の量で存在する酢酸である。
以下の実施例は、フィッシャー・トロプシュ由来生成物流れを水素化処理に送る前に、酸抽出プロセスを使用して該流れを処理する、種々の方法を説明するものである。以下の実施例は本発明の実施態様を説明する目的のために与えられるものであり、本発明の範囲または精神の制限として解釈されるべきではない。
(実施例1)
(フィッシャー・トロプシュ生成物流れの酸抽出)
この実施例は、フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れに対して実施され、希薄酸を含む水溶液を用いて抽出が遂行される酸抽出プロセスの結果を与えるものである。前記フィッシャー・トロプシュ生成物流れは、酸抽出工程の前に、この分野の熟練者らには既知の従来のろ過技術を用いてろ過された。次いで、このろ過済みフィッシャー・トロプシュ生成物流れは、希薄酸水溶液と約2:1(重量比)の比で混合され、その混合物はタンブリングオートクレーブへと送られた。次いで、抽出をタンブリングオートクレーブ中で、約150℃の温度、保持時間約4日間の条件で実施した。
本発明者らは、この酸抽出プロセスが存在しないと、この分野の熟練者らに既知の従来のろ過技術でたとえ前記フィッシャー・トロプシュ生成物流れをろ過したしたとしても、そのフィッシャー・トロプシュ生成物流れが水素化処理反応器触媒床を閉塞させることを見いだした。この閉塞は所望の触媒寿命の約1/10未満で起こることが見いだされた。
フィッシャー・トロプシュワックス中の汚染物レベルを、抽出後に測定されたパラフィン相のそれぞれの元素のレベルと比較した。この抽出は種々の酸を用いて実施された。表Iは、薄い酸水溶液でフィッシャー・トロプシュワックスを処理した後にパラフィン相に存在している汚染物量を示す。
Figure 0004827733
表本体中の数字は、抽出後にパラフィン相中に存在する元素の量を示す。元素分析を行う技法は、誘導結合プラズマ原子発光分光分析(ICP-AES)であった。この技法では、試料を水晶容器(超純粋グレード)に設置し、それに硫酸を加え、そして試料をプログラム可能マッフル炉で3日間灰化した。次いで、ICP-AES分析前に、灰化試料をHClで消化し、それを水溶液に変換した。
表Iのデータから、従来通りにろ過されたフィッシャー・トロプシュ生成物流れ中には、それがろ過された後ですらも、汚染物が依然として存在するが、パラフィン流れを希薄酸水溶液で処理した後には、これら汚染物がパラフィン流れから実質的に除去されていることが明らかである。
酸抽出操作での酸は、本発明の実施態様による汚染物除去では無機酸が一般には功を奏するように見えるが、無機または有機酸のいずれで構成されていても良い。さらに、有機酸と非常に希薄な無機酸の場合には、どっちつかずの界面が観察され、そのどっちつかずの界面は分離を難しくしていた。この実験における無機酸は、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、および硝酸(HNO3)から構成された。一般には、これら無機酸は酸濃度約0.1 Mで、首尾良く汚染物を除去し、一実施例における好ましい酸は硫酸であった。表IIはまた、一例(HCl)では汚染物抽出において、0.1 Mの酸濃度が同じ酸の0.01 M濃度よりも、さらに有効であることを示している。
シュウ酸を除いて、前記有機酸は汚染物除去、特にアルミニウムの除去、に対して首尾良く機能しない。この実験における有機酸としては、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、およびシュウ酸が挙げられる。この実施例では、オキサル酸が多くの無機酸と同程度の効率で、汚染物の除去ができた。
(実施例2)
(酸抽出処理を水抽出処理と比較)
この実験では、酸抽出処理を水抽出処理と比較し、フィッシャー・トロプシュ生成物流れから汚染物を除去するそれらの相対的能力を測定した。タンブリングオートクレーブ中で170℃、4日間、1:1比率(wt/wt)でろ過済みフィッシャー・トロプシュ生成物流れを希薄酸水溶液で抽出した。前の実施例のように、そのフィッシャー・トロプシュ生成物流れをこの分野の熟練者には既知の従来技術でろ過した。結果を表IIに示す。
Figure 0004827733
表IIは、水処理がフィッシャー・トロプシュ生成物流れ(表では、“フィッシャー・トロプシュワックス”と呼ばれている)からの汚染物除去に有効でなかったことを示している。例えば、パラフィンワックス相のアルミニウム含量は抽出により29 ppmから22 ppmに減少したのみであり、水だけの処理により水溶液相に移ったアルミニウム量はわずか約3.7 ppmであった。
対照的に、その処理がフィッシャー・トロプシュ生成物流れを0.1 M HCl流れと混合することからなる時、アルミニウム含量は約29 ppmから約1.3 ppmに減少した。水溶液相(この場合は、希薄酸水溶液)は、フィッシャー・トロプシュ生成物流れから抽出された24 ppmのアルミニウム汚染物を含んでいた。
(実施例3)
(そのほかの処理)
表IIIは、フィッシャー・トロプシュ生成物流れを様々な異なる試験混合物を用いて、処理を一定の撹拌下、100℃で実施した結果を示す。
Figure 0004827733
表IIIを参照すると、この技術分野の熟練者は、フィッシャー・トロプシュ生成物流れに対する水相重量比が1:1から1:4に増加した時ですら、水だけを含む水相(酸を含まないことを意味する)による抽出は汚染物除去に効果がないことに気づくであろう。さらに、模擬フィッシャー・トロプシュプロセス反応水も同様に効果的でない。続いての、実際のフィッシャー・トロプシュ反応水は、いくらかの効果を示した。前記模擬反応水は、他成分が低濃度であることから、実際の反応水とは異なって作用することが考えられる。例えば、界面活性剤レベルの相違が、水とワックス間の相互作用の相違の原因になり、そのため、実際の反応水による抽出がより有効になっているかもしれない。しかしながら、前のように、パラフィンワックス中の汚染物削減には、この場合には酸処理が約0.1 M濃度の硫酸からなる、無機酸による抽出が効果的であった。
(実施例4)
(ワックス供給原料送液速度の汚染物抽出への効果)
フィッシャー・トロプシュ生成物流れ14の送液速度が汚染物の抽出程度に及ぼす効果例が、図4に示されている。この実施例では、フィッシャー・トロプシュワックスの金属含有量は、フィッシャー・トロプシュ合成プロセスに由来する酸性の反応水副生成物と接触させた後に測定した。この実験では前記反応水は静止しており、フィッシャー・トロプシュワックスは異なる速度で反応水に送液された。送液速度が増加するにつれ、ワックスの平均液滴径は小さくなり、その結果、ワックスと酸性反応水間の接触表面積は増加した。図4では、ワックス液滴サイズはグラフの左から右に向かって減少している。ワックス送液速度が最大流れの20%から50%に増加すると、より大きな表面積と酸性反応水とのより大きな接触程度の結果、生成物中の金属含有量は約45 ppmから約20 ppmへと減少した。
(実施例5)
(反応器形態の効果)
この実施例では、3種類の異なるタイプの反応器形態:1)ワックス気泡塔、2)二相注入、および3)酸スプレー塔、の効果が検討された。それぞれの塔は2インチの内径を持ち、約325°Fの温度と約120 psigの圧力で運転された。供給速度は、次の表では、グラム/分(g/min.)で記されている。
その結果が表IVで示されている実験では、ワックス試料は生成物ラインまたは反応器の側部位から採取された。試料の幾つかは、2または0.5ミクロンインライン焼結ステンレススチールフィルターを通過させた。選定された試料を、後に再加熱し、0.45ミクロンナイロンフィルターを用いてろ過した。
Figure 0004827733
前記気泡塔形態は、(200 g/minのワックス供給速度が使われたとき)汚染物除去に対していくらか有効であり、Al含有量は約30%減少したが、その酸処理がろ過工程でフォローアップされるときには、特に効果的であった。引き続いてのろ過により、ワックス中に元来存在していたアルミニウムの80%以上が除去された。
前記スプレー塔形態は、酸処理後の汚染物除去に対して同様に有効であり、引き続いてのろ過後では、気泡塔形態よりもさらに有効で、約98%のアルミニウムが除去された。
二相注入形態は、おそらくワックス相と酸水溶液相とのより良好な混合によるものと思われるが、酸処理後の汚染物除去に対してもっとも有効であった。この場合には、酸処理後にアルミニウム汚染物の60〜70%が除去された。
(実施例6)
(反応器形態の効果)
実施例5での実験と同様の実験を、初期アルミニウム汚染物濃度が約12 ppmのワックス供給原料液を用いて実施した。この実施例では、(使用される場合)インラインフィルターのサイズは、実施例5で主に使用された2ミクロンサイズから、この実施例の0.5ミクロンへと低下させた。前例と同様に、塔それぞれは内径2インチであり、約235°Fの温度および約120 psigの圧力で運転された。
Figure 0004827733
実施例5の結果と同様に、実施例6の実験範囲内では、二相注入形態がアルミニウム汚染物除去においてもっとも有効であった。
本明細書で引用される刊行物、特許および特許出願書の全ては、参照することにより、あたかも各刊行物、特許および特許出願書の開示事項が参照によりそっくりそのまま取り込まれるように具体的にかつ個々に指示されるほどに、本明細書中にそっくりそのまま組み込まれる。
以上に開示された本発明の典型的な実施態様に対する多くの改善が、この技術分野の熟練者には容易に思いつくことである。従って、本発明は、付随特許請求の範囲内にある全ての構造と方法を含むものとして理解されるべきである。
フィッシャー・トロプシュ反応の生成物がろ過され、酸処理プロセスにかけられ、次いで、水素化処理に送られる、本プロセスの概観である。 酸処理工程がろ過工程前に実施される、本発明の代わりの実施態様の概観である。 フィッシャー・トロプシュ合成プロセスからの反応水が、酸処理プロセスで使用される酸の酸源として、どのように使用されるかを説明するダイアグラムである。 フィッシャー・トロプシュ反応生成物と酸性溶液間の表面域接触の利点を示している実験結果のグラフである。

Claims (27)

  1. フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れから汚染物を除去する方法であって:
    a) スラリー型反応器でコバルトを含む触媒を使って204〜288℃(400〜550°F)の温度範囲でフィッシャー・トロプシュプロセスを行いフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを生成させ;
    b) 前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを処理域に送り;
    c) 酸性水溶液流れを前記処理域へ送り;
    d) 前記処理域で前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを前記酸性水溶液流れと接触させて微粒子形態のアルミニウム汚染物を含有する混合流れを形成させ;
    e) 前記混合流れを、少なくとも1つの酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れと少なくとも1つの変性された酸性水溶液に分離し;
    f) 前記少なくとも1つの酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを水素化処理反応器へ送られ;そして、
    g) 前記送られた酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを水素化処理させて水素化処理された生成物流れを提供する;
    ことを構成要素として含む方法。
  2. 前記接触工程で前記少なくとも1つの酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れと前記少なくとも1つの変性された酸性水溶液流れとから実質上区別される第三相が形成され、そして前記酸性水溶液流れが前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れから汚染物を抽出し、そしてそれを前記第三相に分離する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記汚染物が上流処理装置に起源する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記汚染物が前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを作るために使用された触媒に起源する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記汚染物のサイズが1.0ミクロンフィルターを通過しうるほどである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記接触工程が回分プロセスとして実施される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記接触工程が連続プロセスとして実施される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記酸性水溶液流れが水に溶解された酸を含み、水中でのその酸の濃度が0.0001Mから1Mの範囲にある、請求項1に記載の方法。
  9. 水中でのその酸の濃度が0.01Mから1Mの範囲にある、請求項8に記載の方法。
  10. 前記酸性水溶液流れが水に溶解された有機酸を含み、その有機酸が、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、およびシュウ酸からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記酸性水溶液流れが水に溶解された無機酸を含み、その無機酸が塩酸、硫酸、および硝酸からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記酸性水溶液流れがフィッシャー・トロプシュ炭化水素合成で生成された反応水を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記反応水が酢酸を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記抽出工程が混合装置内で実施される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記混合装置が混合弁、オリフィス板、インランイスタティックミキサー、スパージャー付き抽出塔、および市販の混合装置からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記抽出塔がワックス気泡塔、二相注入、および酸スプレー塔からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れをろ過する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記ろ過工程が前記接触工程後に行われる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを蒸留する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れに界面活性剤を添加する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れから汚染物を除去する方法であって、
    その方法が:
    a) スラリー型反応器でコバルトを含む触媒を使って204〜288℃(400〜550°F)の温度範囲でフィッシャー・トロプシュプロセスを行いフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを生成させ;
    b) 前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを処理域に送り;
    c) 酸性水溶液流れを前記処理域へ送り;
    d) 前記処理域で、少なくとも1つの酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れ、変性された酸性水溶液流れ、及び第三相を含む混合流れが形成される抽出条件で前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを前記酸性水溶液流れと接触させることにより前記フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れからアルミニウム汚染物を抽出し;そして、
    e) 前記少なくとも1つの酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを、前記変性された酸性水溶液流れおよび前記第三相から分離する;
    ことを包含し、
    しかも、抽出工程後に、前記変性された酸性水溶液流れおよび前記第三相中に含まれる汚染物が、前記酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れに含まれる汚染物より多くなっている、
    方法。
  22. 前記抽出後に、前記変性された酸性水溶液流れおよび前記第三相中に含まれる汚染物が、前記酸抽出されたフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れに含まれる汚染物よりも少なくとも10倍大きい、請求項21に記載の方法。
  23. 前記抽出条件が、93.3〜316℃(200〜600°F)の温度範囲と10秒〜5日の滞留時間範囲を含む、請求項21に記載の方法。
  24. フィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れをろ過する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  25. 前記ろ過工程が抽出工程後に行われる、請求項24に記載の方法。
  26. 少なくとも1つの抽出済みフィッシャー・トロプシュ由来パラフィン生成物流れを水素化処理反応器へ受け渡すことをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  27. 前記抽出工程が水素化処理反応器の触媒床の詰まりを実質的に減少させる、請求項26に記載の方法。
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