JP4827364B2 - p−シアノフェノールの精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、p−シアノフェノールの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
p−シアノフェノールは、例えば農薬の合成中間体、液晶中間体等として重要な化合物であり、例えば対応するオキシム誘導体を、種々の脱水剤で処理する方法(例えば非特許文献1参照。)をはじめとして種々の製法が知られており、また市販もされている。しかしながら、p−シアノフェノールのロットによって、含まれる不純物の種類や含量が異なっている場合が多い。
【0003】
化学反応においては、含まれる不純物が微量であっても、反応成績や目的物の安定性等に悪影響を及ぼす要因となることがあり、例えばp−シアノフェノールとO,O−ジメチルクロロホスホロチオエートとを、銅触媒および塩基の存在下に反応させて、O,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートを製造する方法においては、用いるp−シアノフェノールのロットによって、得られるO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートの熱安定性が異なり、熱安定性が悪い場合には、目的とするO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートの異性体であるO,S−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートの副生量が多くなるという問題があった。熱安定性が同程度のO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートを安定的に製造することが工業的には極めて重要であり、そのためには、ロットによって異なる品質のp−シアノフェノールを精製処理し、上記反応生成物の熱安定性に悪影響を及ぼす要因となる不純物が除去されたp−シアノフェノールを原料として用いる必要があるが、これまでp−シアノフェノールを精製する方法は知られていなかった。
【0004】
【非特許文献1】
日本化学会,実験化学講座,第四版,第20巻,丸善株式会社出版,p.451
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、p−シアノフェノールを精製する方法について鋭意検討したところ、p−シアノフェノールを、含水メタノール等の含水有機溶媒で、洗浄処理または再結晶処理することにより、p−シアノフェノールとO,O−ジメチルクロロホスホロチオエートの反応で得られるO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートの熱安定性を悪化させる不純物を除去できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、p−シアノフェノールを、含水有機溶媒で、洗浄処理または再結晶処理することを特徴とするp−シアノフェノールの精製方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるp−シアノフェノールは、例えばベンズアルデヒドとヒドロキシルアミンとから得られるオキシム誘導体を、例えば無水酢酸、ギ酸等種々の脱水剤と反応させて、脱水処理する方法等公知の方法により製造されたものであれば、特に制限されず、市販されているものを用いてもよい。
【0008】
本発明は、p−シアノフェノールを、含水有機溶媒で、洗浄処理または再結晶処理するものであり、より高い精製効果を得るという点で、再結晶処理することが好ましい。
【0009】
含水有機溶媒としては、例えば含水アルコール系溶媒、含水エーテル系溶媒、含水ケトン系溶媒等が挙げられ、含水アルコール系溶媒が好ましい。含水アルコール系溶媒としては、例えば含水メタノール、含水エタノール、含水1−プロパノール、含水2−プロパノール、含水1−ブタノール、含水2−ブタノール等が挙げられ、なかでも含水メタノールが好ましい。含水エーテル系溶媒としては、例えば含水テトラヒドロフラン等が、含水ケトン系溶媒としては、例えば含水アセトン等が挙げられる。
【0010】
含水有機溶媒中の含水率は、有機溶媒の種類により異なるが、あまり低いとp−シアノフェノールの回収率が低くなりやすく、またあまり高いとp−シアノフェノールが溶解しにくくなるため、通常60〜90重量%の範囲、好ましくは70〜85重量%の範囲である。
【0011】
p−シアノフェノールを洗浄処理する場合の含水有機溶媒の使用量も、あまり多すぎると、p−シアノフェノールの回収率が低くなりやすく、あまり少ないと精製効果が得られにくいため、実用的にはp−シアノフェノールに対して、1〜5重量倍、好ましくは1〜3重量倍である。
【0012】
p−シアノフェノールを再結晶処理する場合の含水有機溶媒の使用量は、あまり多すぎると、p−シアノフェノールの回収率が低くなりやすいため、実用的には、p−シアノフェノールに対して、0.5〜2.5重量倍、好ましくは0.7〜2重量倍である。
【0013】
p−シアノフェノールを洗浄処理する方法としては、例えばp−シアノフェノールと所定量の含水有機溶媒とを混合し、必要に応じて攪拌した後、濾過処理する方法、濾過器内に、p−シアノフェノールを仕込み、所定量の含水有機溶媒を一括もしくは分割して加える方法等通常の洗浄方法が挙げられる。洗浄処理の温度は、通常0〜40℃程度である。
【0014】
p−シアノフェノールを再結晶処理する方法としては、例えばp−シアノフェノールを、所定量の含水有機溶媒に溶解させた後、冷却するか、あるいは濃縮処理し、該溶媒の一部を留去することにより、p−シアノフェノールを結晶化させる方法が挙げられる。p−シアノフェノール中に、含水有機溶媒に対して不溶な成分が含まれている場合には、p−シアノフェノールを、所定量の含水有機溶媒に溶解させた後、濾過処理し、当該不溶な成分を除去した後、再結晶処理することが好ましい。
【0015】
p−シアノフェノールを、含水有機溶媒に溶解させる温度としては、該溶媒の使用量や含水率により異なるが、通常35℃〜溶媒の還流温度の範囲である。
【0016】
p−シアノフェノールを溶解させた含水有機溶媒を冷却し、p−シアノフェノールを結晶化させる場合の冷却速度は、例えば冷却装置の冷却性能等に応じて、適宜決定すればよいが、冷却速度が大きすぎると、一度に多量の結晶が析出し、精製効果が低下しやすいため、0.05℃/分〜1℃/分程度の冷却速度が好ましい。また、p−シアノフェノールの結晶化をスムーズにさせるため、種晶を予め加えておいてもよい。
【0017】
p−シアノフェノールを溶解させた含水有機溶媒を冷却することにより、p−シアノフェノールの結晶が析出するが、析出した結晶は、通常の濾過処理により、取り出すことができ、必要に応じて、洗浄処理し、乾燥処理することにより、精製されたp−シアノフェノールが得られる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。なお、分析はガスクロマトグラフィ(以下、GCと略記する。)法によりおこない、O,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートの熱安定性は、トルエンを除いた各成分のGC面積百分率値で評価した。
【0019】
実施例1
攪拌装置を備えたジャケット付き500mLセパラブルフラスコに、p−シアノフェノール200gおよび含水率80重量%の含水メタノール200gを加え、内温40℃に調整し、同温度で30分保持し、p−シアノフェノールを完溶させた。その後、徐々に冷却(冷却速度:0.08℃/分)し、内温37℃で、種晶10mgを加え、同温度で30分保持し、p−シアノフェノールの結晶析出を確認した。その後、内温0℃まで冷却(冷却速度:0.08℃/分)し、同温度で30分保持した後、p−シアノフェノールの結晶を濾取した。濾取した結晶を水50gで2回洗浄し、乾燥させた。p−シアノフェノールの結晶の取得量は、195gであり、回収率は、98%であった。
【0020】
参考例1
上記実施例1で得たp−シアノフェノールの結晶40gおよび水92gをフラスコに仕込み、27重量%水酸化ナトリウム水溶液39gを滴下し、内温30〜35℃で30分保温した。これに、塩化銅0.7gおよびトルエン18gを仕込み、O,O−ジメチルクロロホスホロチオエート56gおよび27重量%水酸化ナトリウム水溶液13gを同時並行的に2.5時間かけて滴下するとともに、内温50℃に昇温した。その後、内温45〜50℃で2時間保温した後、セライト0.7gおよびトルエン12gを仕込み、pH約10に調整し、水硫化ナトリムで銅を固定化した後、濾過処理した。得られた濾液を静置し、トルエン層と水層に分液した。トルエン層を水で洗浄処理し、洗液は先の水層と混合し、トルエンで抽出処理した。得られたトルエン層と、先に水で洗浄したトルエン層とを混合し、O,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートを含むトルエン層とした。
【0021】
該トルエン層中のO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:99.2%
該トルエン層中のO,S−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:0.3%
【0022】
得られたO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートを含むトルエン層を、内温99.5℃で6時間保持し、熱安定性を調べた。
6時間後の該トルエン層中のO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:98.6%
該トルエン層中のO,S−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:0.8%
【0023】
比較参考例1
実施例1で用いた精製前のp−シアノフェノール50gを用い、上記参考例1と同様に実施して、O,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートを含むトルエン層を得た。
【0024】
該トルエン層中のO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:99.1%
該トルエン層中のO,S−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:0.3%
【0025】
得られたO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートを含むトルエン層を、内温99.5℃で6時間保持し、熱安定性を調べた。
6時間後の該トルエン層中のO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:97.8%
該トルエン層中のO,S−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートのGC面積百分率値:1.5%
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、微量の不純物を含むp−シアノフェノールから、少なくともO,O−ジメチル−O−(p−シアノフェニル)ホスホロチオエートの熱安定性に悪影響を与える不純物を除去することができ、品質の安定したp−シアノフェノールが得られるため、工業的に有用である。

Claims (1)

  1. p−シアノフェノールを、含水メタノール、再結晶処理することを特徴とするp−シアノフェノールの精製方法。
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