JP4826549B2 - 地紋画像生成プログラム及び地紋画像生成装置 - Google Patents

地紋画像生成プログラム及び地紋画像生成装置 Download PDF

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本発明は,地紋画像生成プログラム及び地紋画像生成装置に関し,特に,原本の複写による偽造を抑止する効果を有する地紋画像の生成プログラム及び生成装置に関する。
偽造抑止地紋は,原本の本来の画像に背景として合成され,印刷された文書が原本か複写物かを区別することを可能にする。偽造抑止地紋は,原本では識別することが難しいが,複写すると地紋の文字や画像が浮かび上がる。それを利用して,原本と複写物とを容易に区別することが可能になる。また,複写によって地紋の文字や画像が浮かび上がるので,偽造抑止地紋を合成して原本を生成すれば,心理的に原本の複写を抑止する効果が得られる。
偽造抑止地紋については,特許文献1に記載され,この記載によれば以下の通りである。
偽造抑止地紋の一般的な構成は,複写によってドットが残るまたは減少が少ない「潜像部」と,複写によってドットが消失または大きく減少する「背景部」の2つの領域からなる。つまり,潜像部は複写による濃度変化が少なく原本の画像がそのまま再現され,背景部は複写による濃度変化が大きく原本の画像が消失する。この2つの領域により地紋の文字や画像が形成され,この地紋の文字や画像を「潜像」と称する。
この潜像部と背景部の2つの領域は濃度がほぼ同等であり,原本の状態では一見すると「複写」などの地紋の文字や画像が隠れていることが判別困難であるが,ミクロ的には各々異なる特性を持っている。そして,複写されるとそれらの濃度変化の差により,潜像部と背景部との間に濃度差が生じてこの2つの領域で形成された地紋の文字や画像の判別が容易になる。
潜像部は複写時(コピアによるスキャニング時)にドットを読み取り易くするために,各々のドットを集中した固まりのドットで構成し,逆に背景部は複写時にドットを読み取り難くするために,各々のドットを分散したドットで構成する。このようにすることで,潜像部は複写後にドットが残り易く,背景部は潜像部よりもドットが消え易い特性になる。集中したドットや分散したドットは,異なる線数の網点を用いた網点処理によって実現することができる。すなわち,集中したドット配置を得るためには低い線数の網点を用い,分散したドット配置を得るためには高い線数の網点を用いる。
一般に複写機には,複写対象の原稿の微小なドットをスキャナーで読み取る工程での入力解像度と,スキャナーで読み取った微小なドットを印刷エンジンで再現する工程での出力解像度とに依存した画像再現能力の限界が存在する。従って,複写機の画像再現能力の限界を超えた孤立した微小なドットが原稿中に存在すると,その複写物では微小なドットを完全には再現できず,孤立した微小なドットの部分が消失する。即ち,偽造抑止地紋の背景部が複写機で再現できるドットの限界を超えるように作成されている場合,偽造抑止地紋の大きなドット(集中したドット)は複写によって再現できるが,小さなドット(分散したドット)は複写によって再現できず,複写原稿に隠された潜像が浮かび上がる。また,複写により背景部の分散したドットが完全に消えなくとも,潜像部の集中したドットと比較してドットの消失の程度が大きければ,複写後に背景部と潜像部で濃度差が発生し,複写原稿において隠された潜像が浮かび上がる。
また,偽造抑止地紋では,潜像として隠されている文字や画像をより判別し難くするために,「カモフラージュ」と言う技術が利用される。このカモフラージュ技術は,潜像部や背景部とは濃度が異なる模様を偽造抑止地紋画像全体に配置する方法であり,マクロ的には一見すると潜像部や背景部とは異なる濃度のカモフラージュ模様が目立ち,潜像が更に目立たなくなる効果がある。つまり,カモフラージュ模様のコントラストが大きく,それに比較して潜像部と背景部のコントラストが小さいため,目の錯覚により潜像がより効果的に隠蔽される。さらに,カモフラージュ模様は印刷物に装飾的な印象を与えることができ,意匠性に優れた偽造抑止地紋を作成することができるといった利点もある。尚,一般的にカモフラージュ模様は2値で作成されており,カモフラージュ模様に相当する領域で地紋のドットを発生させないことでカモフラージュ模様を形成している。以上が偽造抑止地紋の概要である。
図1は,偽造抑止地紋の潜像とカモフラージュ模様の例を示す図である。文字「複」の潜像マスクパターン10は,その拡大図10Xにも示されるとおり,例えば黒い部分が地紋の潜像部LIに対応し白い部分が地紋の背景部BIに対応する。一方,カモフラージュ模様12は,その拡大図12Xにも示されるとおり,例えば黒い部分CAMが地紋のドットが形成されない領域になり,白い部分が地紋のドットが形成される。
図2は,偽造抑止地紋の原本の例を示す図である。地紋14は,図1の潜像マスクパターン10に基づいて潜像部LIと背景部BIとが形成されている。潜像部LIは,ドット集中型ディザ法による低網点線数(53lpi)のドットで形成され,背景部BIは,ドット分散型ディザ法による高網点線数(212lpi)のドットで形成されている。拡大された地紋14Xから明らかなとおり,地紋全体が一定の出力濃度になっているが,潜像部LIのドットは低い網点線数のスクリーンにより形成されているので大きなドットであり,背景部BIのドットは高い網点線数のスクリーンにより形成されているので微少なドットである。
地紋16は,図1の潜像マスクパターン10とカモフラージュ模様12に基づいて潜像部LIと背景部BIとがカモフラージュ模様の黒い部分CAMの領域を除いて形成されている。拡大された地紋16Xに示されるとおり,地紋全体は一定の出力濃度であり,カモフラージュ模様の領域CAMにはドットが形成されず,それ以外の領域では,図1と同様に大きなドットからなる潜像部LIと微少なドットからなる背景部BIとが形成されている。カモフラージュ模様のコントラストが大きいため,コントラストが小さい潜像部LIと背景部BIとで形成される潜像(文字「複」)が目立たない。
図2の偽造抑止地紋の原本は,潜像部LIと背景部BIの出力濃度が同じであるので,それにより形成される潜像「複」が隠蔽される。これを原本における潜像の隠蔽性が高いと称する。
図3は,偽造抑止地紋の複写物の例を示す図である。複写物18は,コピアによるスキャニング工程とドット形成工程を経て形成され,その拡大図18Xに示されるとおり,潜像部LIの大きなドットはほとんど消失していないが,背景部BIの微少なドットはかなり消失している。その結果,複写物18において,潜像部LIの出力濃度はほとんど低下しないが,背景部BIの出力濃度はかなり低下し,潜像「複」が浮き上がって見える。つまり,複写物における潜像の識別性が高くなっている。
複写物20も同様に,カモフラージュ模様の領域CAMを除いて,複写物18と同じである。背景部BIの出力濃度が低下したことでカモフラージュ模様のコントラストが低下し,潜像「複」が浮き上がって見えている。
図4は,図2の原本の拡大図と図3の複写物の拡大図とを更に拡大した図である。(a)原本では,潜像部LIは網点線数が低く面積が大きなドット(網点)で構成され,背景部BIは網点線数が高く微少なドットで構成される。そして,カモフラージュ模様の黒い部分CAMにはいずれのドットも形成されていない。一方,(b)複写物では,潜像部LIの大きなドット(網点)のサイズはそれほど変化していないのに対して,背景部BIの微少なドットはかなりの数が消失ししている。その結果,複写物では,潜像部LIの出力濃度の低下はほとんどなく,背景部BIの出力濃度の低下は大きく,地紋の潜像「複」が顕在化される。
特開2005−151456号公報
図5は,図1〜4の背景部BIと潜像部LIの画像を生成するためのディザマトリクスの例を示す図である。図5(a)の背景部基本ディザマトリクスDM−BIは,4×4のマトリクスの各要素に閾値1〜8を有するドット分散型ディザマトリクスである。閾値「1」は変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の要素に割り当てられ,閾値「2」は閾値1の要素と離間した位置に配置され,閾値「3〜8」はそれらの間に配置されている。地紋画像の形成工程で,背景部の入力階調値と背景部基本ディザマトリクスDM−BIの各要素の閾値とが比較され,入力階調値が閾値以上であればその画素にドットが形成される。そして,図5(a)の背景部基本ディザマトリクスDM−BIに対しては,入力階調値が「1」に設定され,閾値「1」の黒い画素の位置に第2のドットD2が形成される。その拡大図が図4(a)の背景部BIに示され,背景部BIは微少ドットが網点線数212lpiで形成されている。
一方,図5(b)の潜像部基本ディザマトリクスDM−LIは,32×32のマトリクスの各要素の閾値1〜128を有するドット集中型ディザマトリクスである。閾値「1」は変位ベクトル(−8,8)(8,8)の位置の画素に割り当てられ,第1のドット(網点)D1の中心位置に対応する。また,閾値「2〜128」は第1のドット(網点)D1の中心位置に対応する閾値「1」の画素から順に分配されている。地紋画像の形成工程で,潜像部の入力階調値と潜像部基本ディザマトリクスDM−LIの各画素の閾値が比較され,入力階調値が閾値以上であればその画素にドットが形成される。図5(b)の潜像部基本ディザマトリクスDM−LIに対しては,入力階調値「31」が設定されと,閾値「1〜31」の要素の位置にドットが形成され,大きなドット(網点)D1が形成される。その拡大図が図4(a)の潜像部LIに示され,大きなドットが網点線数53lpiで形成されている。
前述のとおり,偽造抑止地紋は,原本において背景部と潜像部の出力濃度を等しくして潜像の隠蔽性を高く保つことが求められている。また,複写物においては背景部と潜像部の出力濃度の違いを大きくし且つ潜像部の出力濃度を高くして,潜像の識別性を高くすることが求められる。
しかしながら,図5に示すディザマトリクスDM−BI,DM−LIにより形成される画像は,地紋に使われる低い出力濃度領域,例えば10〜15%の出力濃度領域では,出力濃度の階調数(分解能)に限りがある。背景部の基本ディザマトリクスDM−BIでは,閾値「1」の位置に微少ドットD2が形成されるので,それに対応する出力濃度で背景部が形成される。それに対して,潜像部の形成工程では,背景部の出力濃度と同じ出力濃度を生成できる入力階調値が選択され,その入力階調値と潜像部基本ディザマトリクスDM−LIとの比較により潜像部の画像が形成される。しかし,前述のとおり潜像部LIの出力濃度の階調数(分解能)に限りがあるので,かならずしも背景部の出力濃度と一致する出力濃度を潜像部LIに形成することができない場合がある。
図6は,原本における潜像の隠蔽性が悪化した例を示す図である。図6(a)の潜像マスクパターン「複写」について,図6(b)は潜像部の入力階調値を「12」にした場合の地紋画像,図6(b)は潜像部の入力階調値を「13」にした場合の地紋画像を示す。図6(b)では,潜像マスクパターンの出力濃度が背景部より低くなり,潜像「複写」の隠蔽性が低下している。同様に,図6(c)では,潜像マスクパターンの出力濃度が背景部より高くなり,同様に潜像「複写」の隠蔽性が低下している。
また,背景部の基本ディザマトリクスDM−BIのサイズを拡大して,変位ベクトル(−8,8)(8,8)の位置の要素に複数の閾値,例えば閾値「1」「2」「3」を分散して配置することで,地紋の出力濃度を可変にすることができる。その場合でも,潜像部の出力濃度を背景部の出力濃度に一致させることが望ましいが,潜像部の出力濃度の階調数(分解能)に限界があり,両者の出力濃度を完全に一致させることが困難になり,原本における潜像の隠蔽性を低下させることになる。
そこで,本発明の目的は,原本における潜像の隠蔽性を高くすることができる偽造抑止地紋を生成するプログラム及び装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために,本発明の第1の側面によれば,複写時に再現される潜像部と複写時に出力濃度が低下する背景部とを含む地紋画像を形成する地紋画像生成工程をコンピュータに実行させる地紋画像生成プログラムにおいて,
前記地紋画像生成工程は,
前記潜像部の入力階調値について,潜像部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第1のドットを形成する潜像部画像データを生成する潜像部画像データ生成工程と,
前記背景部の入力階調値について,背景部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第2のドットを形成する背景部画像データを生成する背景部画像データ生成工程とを有し,
前記潜像部ディザマトリクス及び背景部ディザマトリクスのいずれか一方または両方が,前記背景部及び潜像部で取りうる第1の入力階調値からそれより高い第2の入力階調値までの第1の入力階調範囲に対して,第1の出力濃度からそれより高く且つ最大出力濃度より低い第2の出力濃度まで増大する第1の出力濃度範囲の画像を生成する画像データを生成可能であり,更に,前記第2の入力階調値より高い第3の入力階調値を含む第2の入力階調範囲に対して,前記第2の出力濃度の画像を生成する画像データを生成可能であることを特徴とする。
上記の第1の側面において,好ましい態様によれば,前記潜像部ディザマトリクスは前記第1のドットの中心にドットを集中して形成するドット集中型ディザマトリクスであり,前記背景部ディザマトリクスは前記第2のドットを分散して形成するドット分散型ディザマトリクスであることを特徴とする。
上記の第1の側面において,好ましい態様によれば,前記第1の入力階調範囲の入力階調数が前記第2の入力階調範囲の入力階調数よりも多いことを特徴とする。
上記の第1の側面において,好ましい態様によれば,前記第1の入力階調値は最小入力階調値であり,前記第2の入力階調値は最大入力階調値より1階調値低く,前記第3の入力階調値は最大入力階調値であることを特徴とする。
上記の第1の側面において,好ましい態様によれば,前記地紋画像生成工程は,
さらに,地紋画像の出力濃度設定入力に応答して,当該出力濃度設定入力に対応する前記背景部及び潜像部の入力階調値を個別に設定する出力濃度設定工程を有し,
前記潜像部画像データ生成工程及び前記背景部画像データ生成工程は,前記個別に設定された入力階調値について,それぞれのディザマトリクスを参照して潜像部画像データ及び背景部画像データをそれぞれ生成し,当該生成された潜像部画像データ及び背景部画像データによる出力濃度が同等であることを特徴とする。
上記の目的を達成するために,本発明の第2の側面によれば,複写時に再現される潜像部と複写時に出力濃度が低下する背景部とを含む地紋画像を形成する地紋画像生成工程をコンピュータに実行させる地紋画像生成プログラムにおいて,
前記地紋画像生成工程は,
地紋画像の出力濃度設定入力に応答して,当該出力濃度設定入力に対応する前記背景部及び潜像部の入力階調値を個別に設定する出力濃度設定工程と,
前記潜像部の入力階調値について,潜像部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第1のドットを形成する潜像部画像データを生成する潜像部画像データ生成工程と,
前記背景部の入力階調値について,背景部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第2のドットを形成する背景部画像データを生成する背景部画像データ生成工程とを有し,
前記出力濃度設定工程で,前記地紋画像の出力濃度が第1の出力濃度からそれより高く且つ最大出力濃度より低い第2の出力濃度までの範囲内で可変設定可能であり,
前記潜像部ディザマトリクス及び背景部ディザマトリクスのいずれか一方または両方が,最小入力階調値から最大入力階調値までの第1の入力階調範囲に対して,前記第1の出力濃度から前記第2の出力濃度まで増大する第1の出力濃度範囲の画像を生成する画像データを生成可能であることを特徴とする。
上記の目的を達成するために,本発明の第3の側面は,上記第1,第2の側面の地紋画像生成装置である。
以下,図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し,本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図7は,本実施の形態における地紋画像形成装置の構成を示す図である。地紋画像形成装置は,ホストコンピュータ30にインストールされているプリンタドライバプログラム32と,潜像部ディザマトリクス33と,背景部ディザマトリクス34と,プリンタ40とで構成される。ホストコンピュータ30は,CPUとRAMとアプリケーションプログラム31を更に有し,アプリケーションプログラム31を実行して文字,イメージ,グラフィックスなどからなる画像データを生成する。さらに,ホストコンピュータ30は,プリンタドライバ32により地紋データ37を生成する。アプリケーション31が生成した画像データについて,ユーザから印刷要求を受けると,プリンタドライバはプリンタ装置40が解釈可能なプリンタ制御言語に基づき,画像データ36のプリントジョブを生成する。もし,印刷要求に,画像データに対して地紋データを付加することが含まれていた場合には、プリントジョブに地紋データ37を含めてプリンタ40のインターフェースIFに送信する。
画像データ36は,例えば,ページ記述言語で記述されたデータ,プリンタの中間コードに展開されたデータ,または画素に展開したRGBのビットマップデータなど様々な形態をとりうる。また,地紋データ37は,例えば画素毎のドットの有無(On/Off)を示すデータである。
一方,プリンタ40は,画像を生成する印刷エンジン46と,受信した画像データ36と地紋データ37について所定の画像処理を行いさらに印刷エンジン42の制御を行うコントローラ41とを有する。コントローラ41のCPUは,画像形成プログラム42を実行して,受信した画像データ36から画素に展開したビットマップデータを生成する。受信した画像データ36がビットマップデータの形態であればそのビットマップデータがそのまま利用できる。
そして,合成部43が,画像データ36のビットマップデータと,地紋データ37のドットデータとを合成する。さらに,色変換部44が合成されたRGBのデータをCMYKのデータに色変換し,二値化ユニット45がCMYKのデータから画素内のドットのデータに変換し,印刷エンジン46に出力する。その結果,印刷エンジン46は,アプリケーションプログラムにより生成された画像とプリンタドライバ32により生成された地紋画像とを合成した画像を生成する。これが地紋の原本である。
図7の実施の形態では,ホストコンピュータ30のプリンタドライバ32が地紋データ37を生成している。ただし,変型例として,プリンタドライバ32が地紋を生成するジョブデータを生成し,プリンタ40のコントローラ41が地紋生成ジョブデータから潜像部ディザマトリクスと背景部ディザマトリクスとを使用して地紋データを生成するようにしても良い。この場合の地紋生成用のジョブデータは,複写時に消失するもしくは再現される文字やパターンの指定,地紋の濃度の指定、カモフラージュ付加の指定など地紋データ生成するために必要な情報を含むデータである。
以下,本実施の形態における地紋画像生成装置による生成方法の概略について説明する。なお,地紋画像生成装置とは,プリンタドライバ32により地紋画像が生成される場合はホストコンピュータ,画像形成プログラムにより地紋画像が生成される場合にはプリンタ40をいう。本実施の形態では,図1,図2と同様に,地紋画像生成装置が,ユーザがデフォルトパターンから選択した潜像マスクパターンまたはユーザが独自に生成した潜像マスクパターンに対応して,潜像部と背景部とからなる地紋画像データを生成する。
潜像部は潜像部ディザマトリクス33を使用して複数の第1のドットにより所定の出力濃度の画像に形成され,一方,背景部は背景部ディザマトリクス34を使用して複数の第2のドットにより所定の出力濃度の画像に形成される。原本における潜像の隠蔽性を高くするために,潜像部と背景部とは同等の出力濃度の画像になることが望ましい。
図8は,背景部基本ディザマトリクスDM−BI及び潜像部基本ディザマトリクスDM−LIの入力階調と出力濃度の特性を示す図である。図8に示された特性は,簡単のために,基本ディザマトリクスにおいて入力階調以下の閾値の画素に形成されるドットの数と,プリンタエンジンにより生成される地紋画像の出力濃度とが理想的なリニアな関係にあると仮定している。
地紋画像生成装置が,潜像部ディザマトリクス33として図5(b)に示した潜像部基本ディザマトリクスDM−LIを,背景部ディザマトリクス34として図5(a)に示した背景部基本ディザマトリクスDM−BIを使用した場合,入力階調値とそれに対応する潜像部画像データ及び背景部画像データによる出力濃度の特性は,図8に示されるとおりである。すなわち,背景部の場合は,入力階調値IN=0〜8に対して出力濃度OUTは「0」も含めると9つの出力濃度値をとりうる。つまり,全ての画素がドットoffの紙白から全ての画素がドットonの最大出力濃度までの出力濃度の階調数(または分解能)は9である。そして,図5(a)に示したとおり,背景部では入力階調値IN=1に対して,ディザマトリクスDM−BIの閾値「1」の画素の位置に分散した微少の第2ドットD2の画像になる。それに対して,潜像部の場合は,入力階調値IN=0〜128に対して出力濃度OUTは「0」も含めると129の出力濃度値をとりうる。つまり,紙白から最大出力濃度までの出力濃度の階調数(または分解能)は129である。
しかしながら,背景部で入力階調IN=1に対応する出力濃度は,潜像部で入力階調IN=12,13に対応する2つの出力濃度の中間に位置している。そのため,背景部と潜像部とで等しい出力濃度にすることができない。これが,図6に示した原本での潜像の隠蔽性を低下させる原因である。
地紋画像として採用される出力濃度の範囲は,最大出力濃度の10%〜15%である。そして,10〜15%の出力濃度の範囲では,潜像部基本ディザマトリクスにより再現可能な出力濃度の階調数は高々20階調程度である。そのため,潜像部の入力階調値を1段階変更することにより調整可能な出力濃度の変化量が一定以上に大きくなるので,潜像部ディザマトリクスの網点線数を低くして潜像部の出力濃度の階調数を多くしたとしても,潜像部の出力濃度を背景部の出力濃度に高精度に一致させることは困難または不可能である。
さらに,背景部基本ディザマトリクスのサイズを2倍または4倍に大きくして背景部の出力濃度の階調数を増加させて,10〜15%の範囲内で地紋画像の出力濃度変更を可能にした場合も,上記と同様の理由により背景部の出力濃度と潜像部の出力濃度とを高精度に一致させることは困難または不可能である。
図9,10,11は,本実施の形態における背景部ディザマトリクスと潜像部ディザマトリクスの入力階調値に対する出力濃度の特性を示す図である。
第1の実施の形態では,図9の入力・出力濃度特性を有するディザマトリクスを使用して背景部と潜像部の画像データを生成する。図9(a)は背景部基本ディザマトリクスDM−BIによる入力・出力濃度特性を示し,図8(a)と同じであり,出力濃度の階調数は「9」と少ない。一方,図9(b)は本実施の形態による潜像部ディザマトリクス33による入力・出力濃度特性を示す。
図9(b)の潜像部ディザマトリクス33は,入力階調0〜254(第1の入力階調範囲)に対して紙白の最小出力濃度(第1の出力濃度)から最大出力濃度の15%の出力濃度(第2の出力濃度)まで順次増加する第1の出力濃度範囲の画像データを生成可能に構成されている。さらに,入力階調255(第2の入力階調範囲)に対しては最大出力濃度の15%の出力濃度(第2の出力濃度)の画像データを生成可能に構成されている。
つまり,図9(b)の潜像部ディザマトリクス33は,全ての入力階調0〜254に対して順次増加する出力濃度(若しくは一部の隣接する入力階調では同じ出力濃度)の画像データを生成可能にする。そのため,最大出力濃度の0〜15%の範囲で多くの出力濃度の階調数を有することができ,図中70に示されるとおり,背景部の出力濃度と潜像部の出力濃度とを高精度に一致させることができる。
そして,後述するとおり,潜像部ディザマトリクス33のマトリクスサイズは,基本ディザマトリクスよりも拡大してスーパーセル化し,出力濃度0〜15%の範囲内により多くの出力濃度値を再生可能にする。それにより,入力階調値の1段階に対する出力濃度の変化量を小さくして,出力濃度調整能力を高くすることができる。
図9の70によれば,背景部での入力階調IN=1に対する出力濃度に,潜像部での入力階調IN=106に対する出力濃度が高精度に一致している。
このように,第1の実施の形態では,背景部では,背景部基本ディザマトリクスDM−BIを使用して微少ドットD2による画像データを形成し,潜像部では,0〜15%の低出力濃度範囲で多くの階調数(または分解能)を生成できる潜像部ディザマトリクス33を使用して大きなドット(網点)D1による画像を形成する。潜像部ディザマトリクス33が低出力濃度範囲でより多くの階調数を有するので,潜像部の出力濃度を背景部の出力濃度と高精度に一致させることができる。
第2の実施の形態では,図10の入力・出力濃度特性を有するディザマトリクスを使用して背景部と潜像部の画像データを形成する。図10(a)は本実施の形態による背景部ディザマトリクス34による入力・出力濃度特性を示す。一方,図10(b)は潜像部基本ディザマトリクスDM−LIによる入力・出力濃度特性を示し,図8(b)と同じであり,最大出力濃度の0〜15%の範囲では出力濃度の階調数は少ない。
図10(a)の背景部ディザマトリクス34は,入力階調0〜254(第1の入力階調範囲)に対して紙白の最小出力濃度(第1の出力濃度)から最大出力濃度の15%の出力濃度(第2の出力濃度)まで順次増加する第1の出力濃度範囲の画像データを生成可能に構成されている。さらに,入力階調255(第2の入力階調範囲)に対しては最大出力濃度の15%の出力濃度(第2の出力濃度)の画像データを生成可能に構成されている。
つまり,図10(a)の背景部ディザマトリクス34は,入力階調0〜254のほぼ全ての入力階調に対して順次増加する出力濃度(若しくは一部の隣接する入力階調では同じ出力濃度)を再生する画像データを生成する。そのため,最大濃度の0〜15%の範囲で,非常に多くの出力濃度の階調数を有することができ,図中72に示されるとおり,背景部の出力濃度と潜像部の出力濃度とを高精度に一致させることができる。
そして,背景部ディザマトリクス34のマトリクスサイズも基本ディザマトリクスより拡大してスーパーセル化し,出力濃度0〜15%の範囲内により多くの出力濃度値を再生可能にする。それにより,入力階調値の1段階に対する出力濃度の変化量を小さくして,出力濃度調整能力を高くすることができる。
図10の72によれば,背景部での入力階調IN=80に対する出力濃度に,潜像部での入力階調IN=12に対する出力濃度が高精度に一致している。
第3の実施の形態では,図11の入力・出力濃度特性を有するディザマトリクスを使用して背景部と潜像部の画像データを形成する。図11(a)は本実施の形態による背景部ディザマトリクス34による入力・出力濃度特性を示し,図10(a)と同じである。一方,図11(b)は潜像部ディザマトリクス33による入力・出力濃度特性を示し,図9(b)と同じである。いずれのディザマトリクス34,33も,入力階調0〜254のほぼ全ての入力階調に対して順次増加する出力濃度(若しくは一部の隣接する入力階調では同じ出力濃度)の画像データを生成する。そして,入力階調255に対しては最大出力濃度の15%の出力濃度の画像データを生成する。つまり,入力階調0〜255の範囲で最大出力濃度の15%の出力濃度が上限値になる。そのため,最大濃度の0〜15%の範囲で,非常に多くの出力濃度の階調数を有することができ,図中74に示されるとおり,背景部の出力濃度と潜像部の出力濃度とを高精度に一致させることができる。
図11の74によれば,背景部での入力階調IN=80に対する出力濃度に,潜像部での入力階調IN=106に対する出力濃度が高精度に一致している。図11のディザマトリクス33,34によれば,背景部と潜像部の両方で,地紋画像が通常とりうる出力濃度である最大出力濃度の10〜15%の範囲内に,より多くの出力濃度の階調数を再現できる。よって,両者の出力濃度を高精度に一致させることができる。地紋画像の出力濃度を変更設定する場合も,背景部の出力濃度と潜像部の出力濃度を高精度に一致させることができる。
図12は,本実施の形態の第1の変型例における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の入力・出力濃度特性を示す図である。この変型例では,背景部ディザマトリクス34では,入力階調IN=0〜255に対して出力濃度が最大出力濃度の0〜10%の範囲の画像データを生成可能になっている。それに対して,潜像部ディザマトリクス33は,図11と同じであり,入力階調IN=0〜255に対して出力濃度が最大出力濃度の0〜15%の範囲の画像データを生成可能になっている。
図5(a)の背景部基本ディザマトリクスDM−BIに示したとおり,ドット分散型のディザマトリクスを使用することで,背景部は高い網点線数の分散された微少ドットD2を有する。したがって,出力濃度の範囲があまり高くなると微少ドットの分散状態がなくなる可能性がある。そこで,上記変型例のように背景部ディザマトリクス34では出力濃度の上限値を最大出力濃度の12%と低くすることが望ましい。ただし,この出力濃度の上限値は,背景部ディザマトリクスの網点線数に依存する値になる。具体例については後に詳述する。
図13は,本実施の形態の第2の変型例における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の入力・出力濃度特性を示す図である。この変型例では,背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33のいずれか一方または両方が,入力階調IN=0〜255に対して出力濃度が最大出力濃度の10〜15%の範囲の画像データを生成可能になっている。つまり,背景部や潜像部で取りうる入力階調値の範囲(IN=0〜255)に対して,出力濃度の変更設定範囲である10〜15%の出力濃度範囲の画像データが生成可能になっている。つまり,10〜15%の出力濃度範囲内に,入力階調値IN=0〜255に対応する全ての出力濃度の階調数が割り当てられている。よって,最大の分解能になっている。そのため,図中57に示すとおり,背景部と潜像部とを高精度に同じ出力濃度にすることができる。
図14は,本実施の形態の第3の変型例における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の入力・出力濃度特性を示す図である。図14に示した背景部ディザマトリクス34は,入力階調IN=0〜IN1の範囲で出力濃度が0〜15%に増大する第1の入力・出力濃度特性60を有し,入力階調値IN2〜255の範囲で出力濃度が15〜100%に増大する第2の入力・出力濃度特性61を有する。ただし,背景部のとりうる入力階調値は0〜IN1であり,出力濃度は0〜15%に制限される。そして,IN1>255−IN1と,第1の特性60の入力階調値の数が第2の特性61の入力階調値の数よりも多く,背景部の取りうる出力濃度の階調数がより多くなることが望ましい。
図14に示した潜像部ディザマトリクス33は,入力階調IN=0〜IN1の範囲で出力濃度が0〜15%に増大する第1の入力・出力濃度特性62,63を有し,入力階調値IN2〜255の範囲で出力濃度が15〜100%に増大する第2の入力・出力濃度特性64を有する。ただし,背景部のとりうる入力階調値は0〜IN1であり,出力濃度は0〜15%に制限される。また,第1の入力・出力濃度特性63の増幅率は第1の入力・出力濃度特性62の増幅率よりも小さく,よって,潜像部の取りうる出力階調値の範囲でより多くの階調数が確保される。
以下,図11に示した第3の実施の形態における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の具体例について詳細に説明する。本実施の形態のディザマトリクス34,33は,一方で,図5の基本ディザマトリクスにあるドット分散型のディザマトリクスDM−BIとドット集中型のディザマトリクスDM−LIの網点線数と変位ベクトルを有し,他方で,背景部と潜像部で取りうる入力階調値の範囲(IN=0〜255)で出力濃度0〜15%の範囲の画像データを生成可能に設計される。しかも,出力濃度0〜15%の範囲内により多くの階調数,望ましくは255階調数,を取りうるように,マトリクスサイズが拡大される。
本実施の形態のディザマトリクス34,33は,図5の基本ディザマトリクスDM−BI,DM−LIを出発点として,マトリクスサイズを拡大し,その拡大したディザマトリクスに最大階調数の閾値,例えば閾値0〜1024,を分散して配置して拡散ディザマトリクスを生成する(第1の工程)。拡散ディザマトリクスはより多くの閾値を有するのでより多くの出力濃度を生成することができ,階調性に優れている。そして,拡散ディザマトリクスについて,出力濃度が理想的なリニアな特性になるようにその閾値を補正する(第2の工程)。最後に,補正された拡散ディザマトリクスの閾値について,出力濃度0〜15%に対応する閾値を閾値0〜254に変換し,それ以上の閾値を閾値255に変換する(第3の工程)。この結果,出力濃度0〜15%に最大の階調数が含まれるディザマトリクス34,33が生成される。閾値0〜254,255に変換したのは,通常入力階調値は8ビット(0〜255)だからである。つまり,画像処理工程で採用される入力階調値のビット数に応じて,割り当てられる閾値範囲が決定される。
以下,第1,第2,第3の工程について,具体例を示して説明する。
[第1の工程]
まず,基本ディザマトリクスDM−BI,DM−LIを十分な階調数になるサイズまで拡大する。例えば,128×128のマトリクスサイズまで拡大するのが好ましいが,説明を簡単化するために32×32のマトリクスサイズまで拡大する。そして,拡大したディザマトリクスの全ての閾値について,入力階調値の増大に対応してドットを生成させる順に全ての閾値が異なるように分散及び拡散して配置する。これを拡散ディザマトリクスと称する。
図15は,背景部の拡散ディザマトリクス34−1の一例を示す図である。これは32×32のマトリクスサイズであるが,それぞれの変位ベクトルと網点線数は基本ディザマトリクスと同じである。つまり,黒いセルの位置は基本ディザマトリクスと同じである。
背景部の拡散ディザマトリクス34−1では,基本ディザマトリクスDM−BIの閾値「1」の画素には,閾値「0〜127」が拡散して配置される。同様に,基本ディザマトリクスの閾値「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」の画素には,閾値「128〜256」「257〜384」「385〜512」「513〜640」「641〜768」「769〜896」「897〜1023」がそれぞれ拡散して配置される。
図16は,潜像部の拡散ディザマトリクス33−1の一例を示す図である。これは32×32のマトリクスサイズであるが,それぞれの変位ベクトルと網点線数は基本ディザマトリクスと同じである。つまり,黒い画素の位置は基本ディザマトリクスと同じである。
潜像部の拡散ディザマトリクス33−1では,基本ディザマトリクスDM−LIの閾値「1」の画素には,閾値「0〜7」が拡散して配置される。同様に,基本ディザマトリクスの閾値「2」〜「128」の各画素には,閾値「8〜15」〜「1017〜1023」がそれぞれ拡散して配置される。
図15,16の拡散ディザマトリクス34−1,33−1によれば,入力階調値0〜1023に対して出力濃度は「1024」の階調数を有することになる。つまり,階調性の優れたディザマトリクスになる。
上記の拡散ディザマトリクスの作成手法は,たとえば,同一変位ベクトル上の画素の閾値を粒状度が最小となるように拡散する手法や,ベイヤー型ディザ法の生成規則にしたがった拡散手法などである。この処理では,ドットの成長過程においてなるべく発生するドットの位置に偏りが生じないように閾値を拡散させることが重要である。
[第2の工程]
次に,図15,16の拡散ディザマトリクス34−1,33−1を利用した画像データで背景部と潜像部をプリンタにより印刷し,測色器で出力濃度を測定し,入力階調値0〜255に対して理想的な出力濃度になるように閾値を補正する。
図17,図18は,印刷用の正規化ディザマトリクス34−2,33−2の一例を示す図である。つまり,図15,16の拡散ディザマトリクス34−1,33−1の閾値0〜1023を,プリンタで印刷するために利用可能な最大入力階調値(通常255)で正規化して,正規化ディザマトリクス34−2,33−2が生成される。
最大入力階調値を255とすると,正規化ディザマトリクス34−2,33−2の閾値は,図31に示した式(A)により求められる。つまり,拡散ディザマトリクスの閾値0〜1023を,正規化された閾値0〜255に変換して,正規化ディザマトリクスが生成される。
次に,正規化ディザマトリクス34−2,33−2を用いて階調パッチをプリンタで印刷し,印刷された階調パッチの濃度特性を測色して,入力階調値に対する出力濃度特性を求める。たとえば,階調パッチは紙白からベタの入力階調値0〜255を33段階程度に区切ったものを使用する。
図19は,正規化ディザマトリクスによる入力・出力濃度特性を示す図である。図19には,入力階調値0〜255に対して測定された出力濃度0.1(紙白)〜1.4(ベタ)がプロットされている。この入力・出力濃度特性によれば,入力階調値に対して出力濃度はリニアな関係になっていない。そこで,これをリニアな関係になるようにディザマトリクスの閾値を補正することが望まれる。
図20は,図19の入力・出力濃度特性の入力階調値と出力濃度を0〜1023に正規化した正規化入力・出力特性を示す図である。図19の入力階調値0〜255が図20の入力階調値0〜1023に正規化され,図19の出力濃度0.1〜1.4が図20の出力濃度値0〜1023に正規化されている。0〜1023に正規化した理由は,図15,16の拡散ディザマトリクス34−1,33−1が入力階調値0〜1023と出力濃度値0〜1023を有するからである。
図20の正規化入力・出力特性が,閾値の補正ガンマテーブルになる。例えば,潜像部の特性では,入力階調値「480」に対して出力濃度値「280」になっている。このことは,拡散ディザマトリクス33−1において,閾値「480」の画素はプリンタで印刷すると出力濃度「280」が得られることを意味する。よって,拡散ディザマトリクス33−1の閾値「480」を補正後の閾値「280」に補正すれば,入力階調値「280」に対して補正後の閾値「280」の画素(正規化ディザマトリクス33−2の閾値「480」の画素)にドットが形成され,図20の特性に基づき出力濃度「280」を生成することができる。つまり,入力階調0〜1023に対して出力濃度はリニアな関係になる。このように,図15,16の拡散ディザマトリクス34−1,33−1の各画素の閾値が,図20の補正ガンマテーブルにより補正される。
図21,22は,補正された拡散ディザマトリクス34−3,33−3をそれぞれ示す図である。つまり,図15,16の拡散ディザマトリクス34−1,33−1の各画素の閾値を,図20の補正ガンマテーブルにより補正することで,図21,22の補正拡散ディザマトリクス34−3,33−3が生成される。
[第3の工程]
最後に,図21,22の補正拡散ディザマトリクス34−3,33−3による出力濃度の範囲を,最小出力濃度〜上限出力濃度(最大出力濃度の約15%)に変換して、低濃度領域拡張ディザマトリクスを生成する。つまり,図11に示したように,入力階調値0〜255に対して出力濃度が最少値から最大出力濃度の15%(上限出力濃度)までの出力濃度範囲になるように変換する。具体的には,図21,22の補正拡散ディザマトリクス34−3,33−3の閾値TH’を,図31に示した式(B)により低濃度領域拡張ディザマトリクスの閾値THDENSに変換する。
最大濃度「1023」の15%(Dmax)とは,約「153」である。つまり,式(B)のINT内の分母が(32×32−1=1023)×15/100=153である。そして,式(B)は,補正拡散ディザマトリクス34−3,33−3の閾値TH’を254/153倍して四捨五入して,低濃度領域拡張ディザマトリクスの閾値THDENSに変換する。ただし,THDENS>254は全てTHDENS=255に変換する。その結果,閾値TH’=0〜153が,閾値THDENS=0〜254に変換され,閾値TH’=154〜1023が,閾値THDENS=255に変換される。
上記の式(B)による閾値の変換によれば,変換後の低濃度領域拡張ディザマトリクスは,入力階調値0〜254に対して出力濃度0〜153の低濃度領域の画像データを生成し,入力階調値255には出力濃度1023の画像データを生成する。この結果,低濃度拡張ディザマトリクスを用いることで,入力階調値0〜254に対して出力濃度0〜153を再生する画像データが生成されることになる。
図23,24は,低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4,33−4の例を示す図である。この低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4,33−4は,図21,22の補正拡散ディザマトリクス34−3,33−3の閾値TH’を,図31の式(B)により変換した閾値THDENSを有する。つまり,低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4,33−4は,図11に示した入・出力濃度特性を有し,最小入力階調値「0」から最大入力階調値「255」に対して,最小出力濃度値から最大出力濃度値の15%までの出力濃度範囲の画像データを生成する。
図23の背景部の低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4では,変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素には閾値0〜133が与えられ,その画素以外の一部の画素に閾値134〜254が与えられ,その他の画素には閾値255が与えられている。なお,閾値マトリクスを使用する場合,入力階調0〜255に対して,入力階調以下の閾値の画素にドットが生成される。そのため,図23の閾値マトリクスでは,入力階調0〜254に対しては最小出力濃度値から最大出力濃度値の15%までの出力濃度範囲の画像データが生成されるが,入力階調255に対しては閾値255の画素が全てドットONになり出力濃度が100%になる。そこで,図23の閾値マトリクスを使用する場合には,入力階調255に対してはその閾値の画素はドットoffに制御される。若しくは,背景部において入力階調255が禁止される。このような特別の処理を行うことで,図23の閾値マトリクスは,図10(a)と同様の特性を得ることができる。
よって,低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4を使用するとにより,背景部の画像は,入力階調0〜133に対して,変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置に第2のドットD2が徐々に発生し,入力階調134〜255に対して,第2のドットD2の間に新たなドットが発生する。そして,出力濃度0ないし15%の範囲に多くの階調数を有する。
なお,背景部において取りうる入力階調値を0〜133に制限することで,背景部に生成される微少ドットを変位ベクトル上の位置に制限することができる。
一方,図24の潜像部の低濃度領域拡張ディザマトリクス33−4では,変位ベクトル(−8,8),(8,8)の位置の画素には閾値1〜7が与えられ,その周りのグレーの画素に閾値8〜254が与えられている。つまり,黒とグレーの画素は,第1のドットD1の最大サイズに対応する。そして,それ以外の画素には閾値255が与えられている。この場合も,入力階調0〜254に対しては,それ以下の閾値の画素にドットが生成されるが,入力階調255に対してはその閾値の画素はドットoffに制御される。若しくは,背景部において入力階調255が禁止される。
よって,低濃度領域拡張ディザマトリクス33−4を使用することにより,潜像部の画像は,入力階調0〜255に対して,第1のドットD1が変位ベクトル(−8,8),(8,8)の位置の画素による最小サイズから,黒とグレーの画素による最大サイズまで変化する。そして,出力濃度0〜15%の範囲に多くの階調数を有する。
図5(b)の潜像部基本ディザマトリクスDM−LIには,最大サイズの第1のドットD1が生成される画素には閾値1〜31が与えられている。それに対して,図24の低濃度領域拡張ディザマトリクス33−4には,最大サイズの第1のドットD1が生成される画素には閾値1〜254が与えられている。つまり,出力濃度の階調数(分解能)が格段に多くなっている。よって,濃度調整における分解能が高くなり潜像部の出力濃度を背景部と同じ出力濃度に高精度に調整することができる。
図25は,低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4の別の例を示す図である。図23に示した低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4では,変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素には閾値0〜133が与えられ,その画素以外の一部の画素に閾値134〜254が与えられ,その他の画素には閾値255が与えられている。ただし,背景部では,微少ドットを変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素にのみ生成することが望ましい。微少ドットをそれ以外の位置に生成すると,微少ドットどうしが結合して複写した時の濃度低下が小さくなり,複写物の潜像の識別性が低くなるからである。
そこで,図25の低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4は,図21の補正拡散ディザマトリクス34−3の閾値TH’を,図31の式(C)により変換した閾値THDENSを有する。式(B)のINTの括弧内の分母は,(32×32−1)×Dmaxであるが,式(C)のINTの括弧内の分母は,補正拡散ディザマトリクス34−3の変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素に与えられた最大閾値TH’maxになっている。つまり,分母を最大出力濃度の15%に対応する閾値「153」ではなく,第2ドットD2が生成されるべき変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素に与えられた最大閾値TH’max=80にして,変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素に閾値1〜254が与えられるようにする。それ以外の画素には閾値255が与えられる。
この図25の低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4を使用すれば,入力階調値0〜255に対して,変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置の画素にのみ微少ドットD2が順次生成し,それ以外の画素にはドットは生成しない。よって,背景部の画像は,網点線数212lpiの位置に分散された微少ドットD2を有するだけであり,それ以上のドットは形成されない。その結果,背景部の特性を最も引き出せるような安定した微少ドットの配置が保証される。図25の低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4の入力・出力濃度特性は,図12(a)に示された通り,入力階調0〜255に対して出力濃度は0〜約12%の範囲になる。
[地紋画像データの生成方法]
以上が,本実施の形態における背景部と潜像部のディザマトリクス33,34の説明である。以下,このディザマトリクスを使用する地紋画像データの生成方法について説明する。
図26は,本実施の形態における地紋画像データの生成方法を示すフローチャート図である。プリンタユーザは,ホストコンピュータ30のプリンタドライバ32において,地紋生成メニューを選択し,図26のフローチャートに従って地紋画像データの生成を実行する。まず,ユーザは,地紋の文言を入力する(S10)。例えば,「複写」「コピー」「社外秘」などの文言であり,この文言が地紋の潜像になる。さらに,48ポイントなどの地紋文言のサイズを入力し(S11),40度などの地紋文言の角度を入力し(S12),地紋効果と配置を選択する(S13)。地紋効果とは,文言が白抜きになるか(文言が白,周囲が黒)浮きだしになるか(文言が黒,周囲が白)のいずれかである。白抜きの場合は文言が背景部に周囲が潜像部になり,浮きだしの場合は文言が潜像部に周囲が背景部になる。また,地紋の配置とは,正方配置,斜交配置,反転配置などである。
図27は,地紋効果の例を示す図である。地紋パターン50,51は,文言が「複写」「コピー」で文言が浮きだしになる地紋効果の例である。地紋パターン52,53は,同じ文言で文言が白抜きになる地紋効果の例である。いずれも文言の角度が40度に設定されている。
図28は,地紋の配置の例を示す図である。いずれも文言が「複写」,角度が40度,地紋効果が浮きだしである。(a)正方配置では,潜像マスクパターンがタイル状に貼り付けられる。(b)斜交配置では,潜像マスクパターンが改行のたびに所定の位相だけずらして配置される。(c)反転配置では,潜像マスクパターンが改行のたびに上下反転して配置される。
工程S10〜S13によりユーザによる入力または選択が終わると,プリンタドライバ32は潜像マスクパターンを生成する(S14)。潜像マスクパターンの例は,図27に示したとおりである。
ユーザは,地紋を実際に印刷し複写したりプレビュー画面で確認したりして,最適な地紋出力濃度(薄い,普通,濃い)を選択する(S15)。一般に地紋の出力濃度を高くすることで複写物における潜像の識別性を高くすることができる。選択された地紋出力濃度(薄い,普通,濃い)に対応して,背景部の入力階調値が0〜254のなかから選択する。背景部ディザマトリクス34−5は,入力階調値に応じて変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置に微少な第2のドットD2を順に生成する。つまり,入力階調値0〜254に応じて,第2ドットの数が増加する。ただし,変位ベクトル(−2,2),(2,2)の位置以外の画素にドットが生成することはない。
プリンタドライバ32は,ユーザによる地紋出力濃度の選択に応答して,地紋の潜像部の入力階調値も設定する(S16)。具体的には,背景部の出力濃度と高精度に一致する出力濃度を生成できる入力階調値が設定される。この入力階調値に対応して,ドット集中型の潜像部ディザマトリクス33−3に基づき,入力階調値に対応したサイズの網点が第1のドットD1として生成される。
ユーザは,更にカモフラージュ模様の選択を行い(S17),地紋の色(ブラック,シアン,マゼンタなど)の選択を行う(S18)。以上のユーザによる入力などS10〜S17が終了すると,プリンタドライバ32は地紋画像生成処理を実行する(S19)。地紋画像生成処理は,図29のフローチャートに従って行われる。
図29は,本実施の形態における地紋画像生成処理のフローチャート図である。図30は,図29の地紋画像生成処理を説明する図である。図30(A)には,A4の印刷サイズ60に複数の潜像マスクパターン10が正方配置された地紋画像が示されている。A4サイズの場合は,横方向に4720ドットの画素数,縦方向に6776ドットの画素数になる。図30(B)は,図30(A)の左上の潜像マスクパターン10と,タイル状に配置されたカモフラージュ模様12との位置関係が示されている。潜像マスクパターン10は横方向に2030ドットの画素数,縦方向に2030ドットの画素数を有する正方形のパターンである。それに対して,図30(C)に示されるとおり,カモフラージュ模様12は横方向に215ドット,縦方向に215ドットの画素数を有する正方形パターンである。
図30(D)は,図30(C)の左上端部領域を拡大したものである。潜像部ディザマトリクス33−4及び背景部ディザマトリクス34−5は,共に,32×32のマトリクスであり,左上から順番にタイル状に貼り付けるように画素に対応させる。このように,潜像部と背景部のディザマトリクス33−4,34−5は,同じマトリクスサイズであるので,図30(D)に示されるとおり画素との対応関係は全く一致する。
そして,前述したとおり地紋の出力濃度が選択されると,背景部と潜像部の入力階調値が設定される。プリンタドライバは,この入力階調値と,ディザマトリクス33−4,34−5の閾値とを比較し,入力階調値が閾値以上であれば画素ドットON,入力階調値が閾値未満であれば画素ドットOFFにする。ただし,入力階調値は0〜254までしか取りえないように設定されている。若しくは,入力階調値が255の場合は一律画素ドットOFFにする。比較対象のディザマトリクスは,潜像マスクパターンの黒または白に対応して選択される。また,カモフラージュ模様12の模様12Aの部分は白抜きにされ潜像部または背景部のドットは形成されない。
図29のフローチャートに沿って,地紋画像生成処理S19を説明する。画素のインデックスi,jをそれぞれi=0,j=0に初期化する(S21)。そして,画素(i,j)でカモフラージュ模様が黒の場合は(S22のYES),無条件で出力画像(i,j)はドットOFFになる。また,カモフラージュ模様が黒でない場合は(S22のNO),潜像マスクパターンが黒なら(S28のYES)潜像部ディザマトリクスの対応するセルの閾値と入力階調値とが比較され(S29),潜像部マスクパターンが黒でないなら(S28のNO)背景部ディザマトリクスの対応するセルの閾値と入力階調値とが比較される(S31)。いずれの比較でも入力階調値が閾値以上の場合は出力画像(i,j)はドットONになり(S30),入力階調値が閾値未満の場合は出力画像(i,j)はドットOFFになる(S32)。
これにより,潜像部では入力階調値に対応したサイズの第1のドット(網点)が生成され,背景部では入力階調値に対応した数の第2のドットが対応した位置の画素に生成される。
上記の処理が完了すると,画素の行方向のインデックスjがインクリメントされ(S24),インデックスjが印刷サイズ幅に達するまで(S25)同じ処理が繰り返される。インデックスjが印刷サイズ幅に達すると(S25のYES),列方向のインデックスiがインクリメントされ且つ行方向のインデックスjが0にリセットされ(S26),同じ処理が繰り返される。そして,列方向のインデックスiが印刷サイズ高さに達すると(S27のYES),1頁の地紋画像生成処理が完了する。このように処理対象画素は左上からラスタスキャン方向に移動し,各画素がドットONかOFFにされる。
以上説明したとおり,本実施の形態によれば,背景部または潜像部のディザマトリクスは,取りうる入力階調値に対して,低出力濃度を上限とする出力濃度範囲内の出力濃度を再生する画像データを生成する。特に,地紋画像の取りうる出力濃度範囲に最小入力階調値から最大入力階調値が割り当てられるようにする。しかも,ディザマトリクスは,生成されるドットD1,D2の網点線数に必要なマトリクスサイズよりも拡大したマトリクスであり,閾値を拡散させた拡散ディザマトリクスである。そして,その拡散ディザマトリクスにおいて,低出力濃度を上限とする濃度領域内の出力濃度になる画素の位置に,閾値0〜254を拡散して配置する。
偽造抑止地紋の潜像とカモフラージュ模様の例を示す図である。 偽造抑止地紋の原本の例を示す図である。 偽造抑止地紋の複写物の例を示す図である。 図2の原本の拡大図と図3の複写物の拡大図とを更に拡大した図である。 図1〜4の背景部BIと潜像部LIの画像を生成するためのディザマトリクスの例を示す図である。 原本における潜像の隠蔽性が悪化した例を示す図である。 本実施の形態における地紋画像形成装置の構成を示す図である。 背景部基本ディザマトリクスDM−BI及び潜像部基本ディザマトリクスDM−LIの入力階調と出力濃度の特性を示す図である。 第1の実施の形態における背景部ディザマトリクスと潜像部ディザマトリクスの入力階調値に対する出力濃度の特性を示す図である。 第2の実施の形態における背景部ディザマトリクスと潜像部ディザマトリクスの入力階調値に対する出力濃度の特性を示す図である。 第3の実施の形態における背景部ディザマトリクスと潜像部ディザマトリクスの入力階調値に対する出力濃度の特性を示す図である。 本実施の形態の第1の変型例における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の入力・出力濃度特性を示す図である。 本実施の形態の第2の変型例における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の入力・出力濃度特性を示す図である。 本実施の形態の第3の変型例における背景部ディザマトリクス34と潜像部ディザマトリクス33の入力・出力濃度特性を示す図である。 背景部の拡散ディザマトリクス34−1の一例を示す図である。 潜像部の拡散ディザマトリクス33−1の一例を示す図である。 印刷用の正規化ディザマトリクス34−2の一例を示す図である。 印刷用の正規化ディザマトリクス33−2の一例を示す図である。 正規化ディザマトリクスによる入力・出力濃度特性を示す図である。 図19の入力・出力濃度特性の入力階調値と出力濃度を0〜1024に正規化した正規化入力・出力特性を示す図である。 補正拡散ディザマトリクス34−3をそれぞれ示す図である。 補正拡散ディザマトリクス33−3をそれぞれ示す図である。 低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4の例を示す図である。 低濃度領域拡張ディザマトリクス33−4の例を示す図である。 低濃度領域拡張ディザマトリクス34−4の別の例を示す図である。 本実施の形態における地紋画像データの生成方法を示すフローチャート図である。 地紋効果の例を示す図である。 地紋の配置の例を示す図である。 本実施の形態における地紋画像生成処理のフローチャート図である。 図29の地紋画像生成処理を説明する図である。 ディザマトリクスを生成するための閾値変換式を示す図である。
符号の説明
LI:潜像部 BI:背景部
D1:第1のドット D2:第2のドット
14X,16X:原本の拡大画像 18X,20X:複写物の拡大画像
33:背景部ディザマトリクス 34:潜像部ディザマトリクス

Claims (6)

  1. 複写時に再現される潜像部と複写時に出力濃度が低下する背景部とを含む地紋画像を形成する地紋画像生成工程をコンピュータに実行させる地紋画像生成プログラムにおいて,
    前記地紋画像生成工程は,
    前記潜像部の入力階調値について,潜像部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第1のドットを形成する潜像部画像データを生成する潜像部画像データ生成工程と,
    前記背景部の入力階調値について,背景部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第2のドットを形成する背景部画像データを生成する背景部画像データ生成工程とを有し,
    前記潜像部ディザマトリクス及び背景部ディザマトリクスのいずれか一方または両方が,最小入力階調値から最大入力階調値までの入力階調範囲に対して,第1の出力濃度からそれより高く且つ最大出力濃度より低い第2の出力濃度まで増大する出力濃度範囲の画像を生成する画像データを生成可能であることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な地紋画像生成プログラム。
  2. 請求項1において,
    前記潜像部ディザマトリクスは前記第1のドットの中心にドットを集中して形成するドット集中型ディザマトリクスであり,前記背景部ディザマトリクスは前記第2のドットを分散して形成するドット分散型ディザマトリクスであることを特徴とする地紋画像生成プログラム。
  3. 請求項1において,
    前記地紋画像生成工程は,
    さらに,地紋画像の出力濃度設定入力に応答して,当該出力濃度設定入力に対応する前記背景部及び潜像部の入力階調値を個別に設定する出力濃度設定工程を有し,
    前記潜像部画像データ生成工程及び前記背景部画像データ生成工程は,前記個別に設定された入力階調値について,それぞれのディザマトリクスを参照して潜像部画像データ及び背景部画像データをそれぞれ生成し,当該生成された潜像部画像データ及び背景部画像データによる出力濃度が同等であることを特徴とする地紋画像生成プログラム。
  4. 複写時に再現される潜像部と複写時に出力濃度が低下する背景部とを含む地紋画像を形成する地紋画像生成工程をコンピュータに実行させる地紋画像生成プログラムにおいて,
    前記地紋画像生成工程は,
    地紋画像の出力濃度設定入力に応答して,当該出力濃度設定入力に対応する前記背景部及び潜像部の入力階調値を個別に設定する出力濃度設定工程と,
    前記潜像部の入力階調値について,潜像部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第1のドットを形成する潜像部画像データを生成する潜像部画像データ生成工程と,
    前記背景部の入力階調値について,背景部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第2のドットを形成する背景部画像データを生成する背景部画像データ生成工程とを有し,
    前記出力濃度設定工程で,前記地紋画像の出力濃度が第1の出力濃度からそれより高く且つ最大出力濃度より低い第2の出力濃度までの範囲内で可変設定可能であり,
    前記潜像部ディザマトリクス及び背景部ディザマトリクスのいずれか一方または両方が,最小入力階調値から最大入力階調値までの入力階調範囲に対して,前記第1の出力濃度から前記第2の出力濃度まで増大する出力濃度範囲の画像を生成する画像データを生成可能であることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な地紋画像生成プログラム。
  5. 複写時に再現される潜像部と複写時に出力濃度が低下する背景部とを含む地紋画像を形成する地紋画像生成装置において,
    前記潜像部の入力階調値について,潜像部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第1のドットを形成する潜像部画像データを生成する潜像部画像データ生成手段と,
    前記背景部の入力階調値について,背景部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第2のドットを形成する背景部画像データを生成する背景部画像データ生成手段とを有し,
    前記潜像部ディザマトリクス及び背景部ディザマトリクスのいずれか一方または両方が,最小入力階調値から最大入力階調値までの入力階調範囲に対して,第1の出力濃度からそれより高く且つ最大出力濃度より低い第2の出力濃度まで増大する出力濃度範囲の画像を生成する画像データを生成可能であることを特徴とする地紋画像生成装置。
  6. 複写時に再現される潜像部と複写時に出力濃度が低下する背景部とを含む地紋画像を形成する地紋画像生成装置において,
    地紋画像の出力濃度設定入力に応答して,当該出力濃度設定入力に対応する前記背景部及び潜像部の入力階調値を個別に設定する出力濃度設定手段と,
    前記潜像部の入力階調値について,潜像部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第1のドットを形成する潜像部画像データを生成する潜像部画像データ生成手段と,
    前記背景部の入力階調値について,背景部ディザマトリクスを参照して前記入力階調値に対応する位置に複数の第2のドットを形成する背景部画像データを生成する背景部画像データ生成手段とを有し,
    前記出力濃度設定手段は,前記地紋画像の出力濃度が第1の出力濃度からそれより高く且つ最大出力濃度より低い第2の出力濃度までの範囲内で可変設定を行い,
    前記潜像部ディザマトリクス及び背景部ディザマトリクスのいずれか一方または両方が,最小入力階調値から最大入力階調値までの入力階調範囲に対して,前記第1の出力濃度から前記第2の出力濃度まで増大する出力濃度範囲の画像を生成する画像データを生成可能であることを特徴とする地紋画像生成装置。
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