JP4825687B2 - X線蛍光マーカー分布のマッピング装置及び方法 - Google Patents

X線蛍光マーカー分布のマッピング装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4825687B2
JP4825687B2 JP2006553738A JP2006553738A JP4825687B2 JP 4825687 B2 JP4825687 B2 JP 4825687B2 JP 2006553738 A JP2006553738 A JP 2006553738A JP 2006553738 A JP2006553738 A JP 2006553738A JP 4825687 B2 JP4825687 B2 JP 4825687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
component
xrf
detector
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006553738A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007523341A (ja
Inventor
ハーディング,ジェフリー
マルテンス,ゲルハルト
バルシュドルフ,ハンス
シュヴァイツァー,ベルント
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Koninklijke Philips NV
Koninklijke Philips Electronics NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koninklijke Philips NV, Koninklijke Philips Electronics NV filed Critical Koninklijke Philips NV
Publication of JP2007523341A publication Critical patent/JP2007523341A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4825687B2 publication Critical patent/JP4825687B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/22Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material
    • G01N23/223Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material by irradiating the sample with X-rays or gamma-rays and by measuring X-ray fluorescence
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2223/00Investigating materials by wave or particle radiation
    • G01N2223/07Investigating materials by wave or particle radiation secondary emission
    • G01N2223/076X-ray fluorescence
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2223/00Investigating materials by wave or particle radiation
    • G01N2223/07Investigating materials by wave or particle radiation secondary emission
    • G01N2223/076X-ray fluorescence
    • G01N2223/0766X-ray fluorescence with indicator, tags

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は生体体積内のX線蛍光マーカーの分布をマッピングする装置及び方法に関する。マーカーの蛍光はX線源によって励起される。
分子イメージング法は非特許文献1で説明されている。その文献では、薬品に含まれている大きな原子番号を有する原子のX線蛍光放射が観測されている(非特許文献1)。蛍光X線(XRF)は、電子が高い量子エネルギー準位から低い準位へ落ち込むときに発生する。この電子は十分に高い量子エネルギーを有する1次X線によって蛍光が起こる前に解放される。放出されるXRF光子のスペクトルが光子放出原子に特有でかつ、スペクトル線強度がXRFマーカーの質量に比例するため、この型の技術を使用すれば低濃度マーカーの空間分布でさえ高精度で検出可能である。
米国特許公開第5497407号明細書 竹田他、科学機器評論(Review of Scientific Instruments)、1995年、(米国)、米国物理学研究会(American Institute of Physics)、第66巻、pp.1471-1473
しかし上述の技術は以下のような問題に影響される。それは、X線蛍光測定は単一又は多重に非弾性散乱されたX線量子からのバックグラウンド放射の重なりの影響を受けるということである。これに関連して、試料中のX線蛍光物質の組成及び量の決定を可能にする方法は特許文献1から既知である。この方法では、励起された試料からの2次放射線のX線蛍光成分は、特定されるべき試料を除いた複数の参照試料を照射する手順及び、照射の結果生じた2次放射線の平均値を計算する手順からなる近似によって決定される。この平均値は他の散乱過程に起因するバックグラウンドとして、検査されるべき試料の測定値から引かれる。しかしこの方法は患者の検査に使用することができない。なぜならこの場合XRFマーカーが含まれていない参照生体体積というものは利用できないからである。
上述の背景技術を考慮して、本発明の目的はより精密なX線蛍光放射の決定手段の提供である。これは特に、生体体積中のXRFマーカー分布のマッピングを行うときに使用可能である。
この問題は請求項1に記載の装置及び請求項9に記載の手段によって解決される。有利となる設計については従属請求項で説明する。
本発明に従った、たとえば患者の臓器のような生体体積中のXRFマーカー分布のマッピング用装置は以下の構成要素を有する。
-生体体積へ向かうX線ビームを放出するX線源。前記ビームはXRFマーカーのK端より上の量子エネルギー準位を有する第1放射線成分及びXRFマーカーのK端より下の量子エネルギー準位を有する第2放射線成分を有する。詳細には、これは第1放射線成分中の量子エネルギースペクトルは(基本的には)K端より上の準位にある量子エネルギーのみを有し、一方第2放射線成分の対応するスペクトルは完全にK端より下に存在する。
-生体体積からの2次放射線を検出する検出器。前記検出器はX線源の放射線ビームの外側に設置されている。この点に関連して、“2次放射線”という語は、X線源の放射線ビームからの(1次)量子と生体体積との間の相互作用によって発生する如何なる放射線をも含む。従って2次放射線は特に単一若しくは多重弾性散乱又は単一若しくは多重非弾性散乱した放射線及び、1次量子の吸収によって起こる目下のところ有意なX線蛍光放射及び引き続き生じるXRF量子の再放出を含む。
-X線源の放射線ビームの第1ビーム成分と第2ビーム成分との強度比を調節する手段。極端な例では、ビーム成分強度は必要に応じて大きく減少させることが可能である。
上述の装置によって、検査されるべき生体体積をスペクトルの異なる2つの放射線成分によって照射することが可能である。これらはXRFマーカーのX線蛍光励起を起こす第1放射線成分及びそのようなX線蛍光を起こすことのできない第2ビーム成分である。従ってX線蛍光成分を有することなく第2ビーム成分は排他的に2次放射線を生じさせる。第1成分と第2成分との強度比は調節可能なので、蛍光成分のない2次放射線(以降では“バックグラウンド放射”と呼ぶ)とX線蛍光放射線との関係も同様に調節される。これは順次、全2次放射線のX線蛍光成分を決定するのに使用可能である。これについては本発明の複数の好適実施例を参照しながら詳細に説明する。装置は特別な長所を与える、それは生体体積を変化させる必要がなく、装置の動作モードのみが変化することである。従って装置は特に分子イメージング法を含む医療処置での使用に適している。
第1放射線成分と第2放射線成分との強度比の調節手段は様々な方法での実装が可能である。X線源中の放射線ビームはたとえば様々なターゲットを励起することで発生可能である。そのターゲットにはそれぞれ異なる比率の第1スペクトル源又は第2スペクトル源が含まれる。従ってそのようなスペクトル源によって放出される放射線の総和はスペクトル源の定量的比率に依存する。特に好適な実施例では、強度比を調節する手段は生体体積前部の放射線ビーム経路に取り外し可能な状態で設置されているフィルタを含む。生体体積に入り込む放射線ビームはそれぞれ異なるスペクトル組成を有し、それは生体体積に入り込む前にフィルタを通過したかどうかに依存する。フィルタはほぼ完全に如何なる他の放射線をも通過させる一方で、チェックすべきXRFマーカーのK端より上の準位にある如何なる放射線をも強く吸収するようにするのが好ましい。
好適実施例に従うと、上述のフィルタはチェックすべきXRFマーカー物質で構成される、又は当該物質を含む。この場合、フィルタは、厳密にXRFマーカーのK端から放出される放射線を吸収しなくてはならない。フィルタの使用は対応して第1放射線成分を減少させることで、X線蛍光の誘起を減少させる。
X線源の好適設計に従うと、第1放射線成分及び/又は第2放射線成分は単色又は擬単色である。XRFマーカーのK端のエネルギーからの当該放射線成分の(平均)量子エネルギーの違いは10%未満であり、3%未満であることが好ましい。第1放射線成分と第2放射線成分の両方が(擬)単色である場合、第1放射線成分のスペクトル最大値はXRFマーカーのK端よりわずかに上に存在し、かつ第2放射線成分のスペクトル最大値はXRFマーカーのK端よりわずかに下に存在するのが特に好ましい。第1放射線成分及び第2放射線成分のスペクトルが接近していること(proximity)は利点を与える。その利点とは、放射線成分が同一パーセントのバックグラウンド放射線及び同一のスペクトル経路を発生させるように、X線蛍光を除く全ての散乱過程が両放射線成分でほとんど同様に起こることである。X線蛍光の励起を考慮すると、しかし放射線成分間には大きな差異が存在する。その理由は、蛍光は第1放射線成分によってのみ誘起可能だからである。大きく第1放射線成分を抑制することで、従ってバックグラウンド放射線の比率を測定することが可能となる。
別な好適設計に従うと、X線源は第1放射線成分を表すKα1線及び、第2放射線成分を表すKα2線を有する元素をターゲットとして含む。従ってKα1線及びKα2線の同時放出によって発生する放射線成分は単色又は擬単色である。元素は、当該元素のKα1線がチェックされるマーカーのすぐ上に存在し、かつ当該元素のKα2線がチェックされるマーカーのすぐ下に存在するように選択されるのが好ましい。
装置の検出器は2次放射線の位置分解測定及び/又はエネルギー分解測定をするように設計されるのが好ましい。エネルギー分解(つまりスペクトル)測定はバックグラウンド放射によるスペクトルの他の成分の排除が可能な一方で、2次放射線を特定の放出線で検出できるという利点を与える。検出器のエネルギー分解能は便宜上最高精度を満たす必要はない。なぜなら2次放射線中のX線蛍光成分は装置の他の方法で決定可能だからである。このため、比較的高価な半導体検出器をシンチレーション結晶(たとえばNaI)又はγカメラを有する検出器に置換することが可能である。
位置分解測定は測定された2次放射線の幾何学的な原点をより精密に決定できるという利点を与える。2次放射線の幾何学的な原点の精密な決定はイメージング法の前提条件である。検出器はたとえば、生体体積を通り抜ける平行な観察線を画定するコリメータを組み込んでよい。従って放射線がコリメータの特定セルで検出される場合、その方向は決定可能となる。
別な態様に従うと、装置は第1検出器とは対照的に、X線源の放射線ビーム中に第2検出器を組み込み、そして生体体積を通り抜ける透過放射線の位置分解の測定が可能である。第2検出器によって、従来のX線投影像がモルフォロジー構造画像化用に生成可能となる。これは、1次放射線のため、装置はXRFマーカーの分子分布像及び従来のモルフォロジーX線像を同時に生成することが可能なことを意味する。
装置の構成要素-これらはX線源及び2次放射線検出器及び、必要な場合、上述の第2検出器である-は便宜上機械的手段によって永久的にお互いが結合し、回転軸に対して旋回可能なようになっている。従って装置構成要素の相対的な幾何学的位置は一定に保たれる一方で、装置の全画像化機構は検査されるべき生体体積に関して回転可能である。このようにして、先行技術から既知となっているコンピュータトモグラフィの再構成アルゴリズムの使用により生体体積の(2次元又は3次元)部位は生成可能となる。
本発明はさらに、生体体積中のXRFマーカー分布の決定方法にも関する。前記方法は以下の手順を有する。
a)K端よりも上の量子エネルギー準位を有する第1放射線成分及び、K端よりも下の量子エネルギー準位を有する第2放射線成分を有する放射線ビームの生体体積への照射。
b)前記放射線ビームの照射から発生する生体体積からの第1の2次放射線の、好適には放射線ビームの外側の点での測定。
c)放射線ビームによるさらなる生体体積への照射、しかし第1放射線成分と第2放射線成分との強度比は異なる。
d)放射線ビームを変化させることによって発生する生体体積からの第2の2次放射線の測定(好適には放射線ビームの外側で、特に手順b)と同一の点)。
e) 第1の2次放射線と第2の2次放射線との比較による、2次放射線のそれらの成分決定。XRFマーカーの蛍光のためそれらの成分は基本的には排他的である。
当該方法は特に上述の型の装置での実装が可能である;詳細な説明、利点及び別な態様に対して、従って上述の説明を適用する。各回でX線蛍光を励起する第1放射線成分の値が各異なる、2つのそれぞれ異なる方法で生体体積を照射することにより、バックグラウンド放射成分は分離可能となる。X線蛍光放射線は、従って高精度で決定可能である。本発明の好適実施例に従うと、(第1及び第2の)2次放射線は多重散乱のみが検出されるような点で測定される。単一散乱成分を有していない多重散乱は主として後方散乱方向において、1次放射線の単一散乱コンプトンピークより上の散乱スペクトルで観測される。“後方散乱”という語は入射1次放射線に対して90°より大きな角での放射線を含む。この場合、2次放射線スペクトルのうちの少なくとも1つは数学の近似関数によって決定される。多重散乱は1次量子の多重散乱の結果であることは既知なので、基本的には検査される生体体積の幾何学的構造とは独立である。この点では、関数の手段による2次放射線スペクトルの近似もまた生体体積に独立である。ノイズのない関数の使用は、蛍光信号を計算するときに信号の統計的なノイズが増加しないことを保証する。
本発明のこれら及び他の態様は以降の実施例を参照することで明らかになる。
図1で図示された装置によって、生体体積14のモルフォロジー像及び当該体積14中のXRFマーカー分布の分子像の同時生成が可能となる。この目的のため、装置は、パナリティカル社から販売されているFluor’X(商標)のようなX線源10を有する。ターゲットには電子ビームが衝突する。ターゲットはX線を線源10からファン状の放射線ビーム12として放出する。生体14へ入り込んだ後、ビーム12は線形透過型検出器20と衝突することで検出器に到達した放射線強度の位置分解測定を行う。この方法で、X線投影像が生成可能となる。ここで透過型検出器20上の各像点は、像点からX線源10を接続する線に沿って生体14中のX線吸収の積分を行う。
さらに生体体積14は、放射線ビーム12の1次放射線によって励起されることでX線蛍光を放出するXRFマーカー分布を含む。このX線蛍光放射線を検出するため、さらに別な検出器30が放射線ビーム12の外側に供されている。これは図示された実施例ではγカメラとして設計されている。カメラ30の高感度面前方では、平行なブレードを有するコリメータ32が存在する。ブレードの高さは典型的には100mmで、5mmの間隔があいている。コリメータは2つのブレード間の検出面に衝突する(2次)放射線が画定された狭い立体角で制限されることを保証する。それにより、この放射線の位置分解測定が可能となる。
検出されるX線蛍光放射線だけでなく、1次量子の単一又は多重散乱過程によって引き起こされるバックグラウンド放射線も検出器30に到達する。バックグラウンド放射線及びX線蛍光はともに生体体積14からの2次放射線を表す。この2次放射線は検出器30によって検出される。生体体積中のXRFマーカー分布の厳密な決定では、生体体積からのX線蛍光放射線に関する非常に厳密な知識が求められる。これはしかしバックグラウンド放射線と一緒に検出してしまう検出器30を使用するのでは難しい。
この問題を解決するため、2次放射線のバックグラウンド放射線成分の決定が可能な手段による方法を提示する。例として、XRFマーカー16は重金属であるガドリニウムGdに基づくことが仮定される。この物質は薬理学的に活性な物質に組み込まれる。生体中のこの物質の分布はたとえば代謝過程のインジケータとしての使用が可能である。XRFマーカーのように、GdはX線蛍光が誘起される場合に作用する放射線の最小エネルギーを必要とする。このエネルギーは所謂元素のK端によって定義され、原子の最低エネルギー準位から電子を解放するのに必要なエネルギーに対応する。GdのK端は50.239keVに存在する。
X線源10は2つの成分を有する放射線ビーム12を放出するように設計されている。第1放射線成分は当該K端より上の量子エネルギー準位を有する、その一方で第2放射線成分は当該K端より下の量子エネルギー準位を有する。放射線成分は単色でK端に近い波長を有することが好ましい。特に、第1放射線成分はツリウムTmのKα1線によって生成可能であり、第2放射線成分はツリウムTmのKα2線によって生成可能である。これらの線はGdのK端に近接している(TmのKα1=50.73keV、TmのKα2=49.76keV)。2つの線のエネルギー差がたかだか約2%に過ぎないので、同一な散乱過程が擬同一なバックグラウンド放射線スペクトルを生成する(ここで、本明細書で定義されている“バックグラウンド放射線”が如何なるX線蛍光成分をも含まないことが前提とされている)。
図2は線源10からの2つの放射線成分の強度フローを図示している。Kα1線に関係する第1成分は強度I1を有し、散乱過程によってバックグラウンド放射線成分B1は生体体積14で抽出され、そしてX線蛍光成分FはXRFマーカーとの相互作用によって抽出される。Kα2線に関係する第2成分は強度I2を有し、散乱過程によってバックグラウンド放射線成分B1は生体体積14で抽出される。第2放射線成分はX線蛍光成分を生成しない。その理由は関与する1次量子のエネルギーが低すぎるからである。
図2に図示された変数によって、検出器30によって測定される全2次放射線STは以下のように表すことができる。
ST=F+B1+B2 (1)
第1放射線成分及び第2放射線成分の量子エネルギー準位の値が上記説明のように近接しているので、同一パーセンテージの関連する強度は良好な近似でバックグラウンド放射線に変換される。その結果、以下の式を近似によって適用する。
B1/B2= I1/I2 (2)
この点に関して、線源10から放出された放射線成分の2つの強度I1及びI2の比I1/I2は既知又は決定可能であることが前提とされている。
必要なX線蛍光成分Fを計算するため、提案された方法は生体体積14に照射された、異なる強度比を有する第2測定を有し、それによってX線蛍光及びバックグラウンド放射線の相対成分を変化させる。そのような強度比の変化は適切なフィルタ22をX線源10の放射線光路に導入することで実現可能となる。フィルタ22はK端より上の放射線を、このエネルギー閾値よりも低い放射線よりもより強く吸収する。そのようなフィルタ特性はXRFマーカーと同じ材料、本実施例の場合はGdで構成することで最も容易に実装される。
図3で図示しているように、フィルタ22は、第1放射線成分(Kα1線)の強度I1のうちの大きく減少する成分a1I1のみが生体体積14へ進入することが許される。第2放射線成分のうちの強度I2では、成分a2I2はフィルタ22にとどまる。ここでa1<<a2でなくてはならない。因子a1及び因子a2は以下の公式に従って計算することが可能である。
a1=exp(-μ1 Gdw) (4)
a2=exp(-μ2 Gdw) (5)
ここでμ1 GdはTmのKα1線でのGdフィルタの吸収係数、μ2 GdはTmのKα2線でのGdフィルタの吸収係数、そしてwはフィルタ22の厚さである。すべての変数は既知でなくてはならない。
図3はさらにフィルタリングされた放射線成分が検出器30で検出される2次放射線SBを生成し、SBは以下の付加的組成を有することを図示している。
SB= a1F+ a1B1+ a2B2 (6)
従ってこれらの方程式(1)、(2)、(6)全部で未知の変数B1、B2、Fを計算することができる。本実施例の場合、これらのうちの最も有意なのはX線蛍光信号Fである。
XRFマーカーの一例としてGdを使用して本発明を説明したが、同様の特性を有する他の系も考えられる。たとえば57.48keVでK端を有するエルビウムErは適したXRFマーカーである。単色X線はタンタルTaのKα1線及びKα2線によって生成される。
上述のバックグラウンド放射線の補償を適用するのは、計算した蛍光スペクトルFの統計的ノイズを増大させる。この効果を減少させるには、図1で図示された検出器30は後方散乱を測定するのが好ましい。後方散乱は1次放射線に対して90°より大きな散乱角を有すると定義される。後方散乱では、1次放射線の量子エネルギー範囲での寄与は多重散乱のみであるという事実は既知である。この理由により、バックグラウンドの形状は散乱対象物の厳密な幾何学的形状に対して独立である。従ってバックグラウンドスペクトルSBはたとえば3次の多項式の手段のような標準的なアルゴリズムを使用した曲線フィッティングによって数学的に近似的に決定可能である。バックグラウンド放射線を差し引くことでFでの統計的ノイズが増加しなくなるように、適合させた曲線は統計的ノイズがない(多項式の係数における推定精度は別として)ようにする。さらに全測定時間及び患者への照射量が基本的にX線蛍光スペクトルSTの測定で決定するように、バックグラウンドスペクトルの測定時間を減少させることも可能である。
上述の方法によって、2次放射線のイメージングに、高エネルギー分解能を有する(Geのような)半導体検出器を使用する必要がなくなる。その代わり、シンチレーション検出器(NaI)のようなエネルギー分解能の低い検出器が使用可能となる。これにより検出器コストは大幅に減少する、あるいはより良好なS/N比を有するより大きな検出器の使用が可能となる。従来の量子エネルギー分解能が10%以下で位置分解能がmm範囲のアンガータイプγカメラ30(図1参照)は特に本用途に適している。
図1に図示された、X線源10、フィルタ22、透過型検出器20及びコリメータ32を有する検出器30を有する装置全体はさらに生体体積14を通り抜ける回転軸に関して回転可能なように支持されていることが好ましい。走査面18は従って検出器20及び検出器30上の様々な角度で結像可能である、既知のコンピュータトモグラフィ法の手段による2次元的再構築を可能にする。特に透過型検出器20の手段によって生体体積のモルフォロジカル再構築を第1に提供することが可能であり、この再構築の結果はX線マーカー16の分布を決定する。
X線投影図を示す透過型検出器を有する本発明に従った装置を図示している。 放射線航路中にフィルタがない場合の1次放射線及び2次放射線の強度の流れを図示している。 放射線航路中にフィルタがある場合の1次放射線及び2次放射線の強度の流れを図示している。

Claims (10)

  1. 生体体積中のX線蛍光(XRF)マーカー分布のマッピング用装置であって:
    前記XRFマーカーのK端より上の量子エネルギー準位を有する第1放射線成分及び前記XRFマーカーのK端より下の量子エネルギー準位を有する第2放射線成分を有する放射線ビームを放出するX線源;
    前記生体体積からの2次放射線を検出し、前記のX線源からの放射線ビームを直接検出することができる領域の外側に設置されていることを特徴とする検出器;
    前記放射線ビーム中の前記第1放射線成分と前記第2放射線成分との強度比を調節する手段;
    を有する装置。
  2. 前記の強度比を調節する手段は前記放射線ビーム路中に設置されているフィルタを含み、かつ
    前記フィルタは前記放射線ビーム路中から外れた位置に設置することが可能である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記フィルタは前記XRFマーカー材料を含む、又は前記材料で構成されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1放射線成分及び/又は前記第2放射線成分は単色又は単色で、
    前記のXRFマーカーK端からの前記放射線の量子エネルギー差は10%未満である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  5. 前記第1放射線成分は元素のKα1線で表され、前記第2放射線成分は前記元素のKα2線で表されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  6. 前記検出器は前記2次放射線の位置分解測定及び/又はエネルギー分解測定能力を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  7. 前記放射線ビーム経路中に設けられる別な検出器を有し、
    前記検出器は前記生体体積を透過する放射線の位置分解測定能力を有する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  8. 構成要素が互いに結合し、回転軸に対して旋回可能なように共に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  9. 生体体積中のX線蛍光(XRF)マーカー分布の決定方法であって:
    前記XRFマーカーK端よりも上の量子エネルギー準位を有する第1放射線成分及び、前記XRFマーカーK端よりも下の量子エネルギー準位を有する第2放射線成分を有する放射線ビームを生体体積に照射する手順;
    前記照射の結果として前記生体体積から発生する第1の2次放射線を測定する手順;
    前記第1放射線成分と前記第2放射線成分との間の様々な強度比を有する前記放射線ビームを前記生体体積に照射する手順;
    前記結果として前記生体体積から発生する第2の2次放射線を測定する手順;及び、
    前記第1の2次放射線と前記第2の2次放射線との比較による、前記2次放射線の成分を決定する手順;
    を有する方法。
  10. 前記2次放射線は後方散乱のみが検出される点にて測定され、かつ、
    前記の2次放射線スペクトルの少なくとも1つは関数による近似で決定される、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
JP2006553738A 2004-02-20 2005-02-11 X線蛍光マーカー分布のマッピング装置及び方法 Expired - Fee Related JP4825687B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP04100687.5 2004-02-20
EP04100687 2004-02-20
PCT/IB2005/050535 WO2005083406A1 (en) 2004-02-20 2005-02-11 Device and method for mapping the distribution of an x-ray fluorescence marker

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007523341A JP2007523341A (ja) 2007-08-16
JP4825687B2 true JP4825687B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=34896099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006553738A Expired - Fee Related JP4825687B2 (ja) 2004-02-20 2005-02-11 X線蛍光マーカー分布のマッピング装置及び方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7656996B2 (ja)
EP (1) EP1718958B1 (ja)
JP (1) JP4825687B2 (ja)
CN (1) CN1922476B (ja)
WO (1) WO2005083406A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7734008B1 (en) * 2007-05-24 2010-06-08 George Sanders Vehicle cargo inspection station and associated method
JP5557266B2 (ja) * 2008-07-17 2014-07-23 国立大学法人 筑波大学 蛍光エックス線検出装置
DE102010063412B4 (de) * 2010-12-17 2013-06-06 Laser Zentrum Hannover E.V. Technik zur tomographischen Bilderfassung
US9240254B2 (en) * 2011-09-27 2016-01-19 Revera, Incorporated System and method for characterizing a film by X-ray photoelectron and low-energy X-ray fluorescence spectroscopy
WO2013067637A1 (en) 2011-10-27 2013-05-16 Atomic Energy Of Canada Limited/ Énergie Atomique Du Canada Limitée Portable detection apparatus and method
WO2013063577A1 (en) * 2011-10-28 2013-05-02 The University Of Chicago Color x-ray histology for multi-stained biologic sample
US10539521B2 (en) * 2015-04-02 2020-01-21 Soreq Nuclear Research Center System and method for reading x-ray-fluorescence marking
JP7336382B2 (ja) * 2016-09-19 2023-08-31 ソレク ニュークリア リサーチ センター 蛍光x線システムおよび試料を識別する方法
EP3348239A1 (en) * 2017-01-11 2018-07-18 Biotronik AG X-ray markers for scaffolds
DE102017003517A1 (de) * 2017-04-11 2018-10-11 Universität Hamburg Verfahren und Messvorrichtung zur Röntgenfluoreszenz-Messung
CN107358614B (zh) * 2017-06-14 2020-07-28 南京邮电大学 从k边缘特性x射线图像中分离图像信息的方法
IL265914B (en) * 2019-04-08 2020-11-30 Convergent R N R Ltd System and method for optimization of radiotherapy treatments
CN117990725B (zh) * 2024-02-02 2024-07-02 江苏环保产业技术研究院股份公司 一种进行xrf标记和读取xrf标记的装置及使用方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4839913A (en) * 1987-04-20 1989-06-13 American Science And Engineering, Inc. Shadowgraph imaging using scatter and fluorescence
EP0766083A2 (en) * 1995-09-28 1997-04-02 Oxford Analytical Instruments Limited X-ray fluorescence inspection apparatus and method
JP2002071586A (ja) * 2000-09-01 2002-03-08 Horiba Ltd 二次元走査x線分析装置
JP2002243671A (ja) * 2001-02-22 2002-08-28 Kansai Tlo Kk X線フィルタ、及び蛍光x線分析装置
JP2003004677A (ja) * 2001-06-26 2003-01-08 Shimadzu Corp X線照射位置指示装置及びx線分析装置
WO2003102564A2 (en) * 2002-05-29 2003-12-11 Xradia, Inc. Element-specific x-ray fluorescence microscope using multiple imaging systems comprising a zone plate

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3525863A (en) * 1967-12-28 1970-08-25 Minnesota Mining & Mfg Differential emission x-ray gauging apparatus and method using two monochromatic x-ray beams of balanced intensity
US4283625A (en) * 1979-07-13 1981-08-11 Associated Metals & Minerals Corporation X-Ray fluorescence analysis
JPH06174663A (ja) 1992-12-01 1994-06-24 Toshiba Corp 汚染元素分析方法
CN2145381Y (zh) * 1993-01-19 1993-11-03 北京师范大学 使用x光透镜的x射线荧光分析仪
US7508906B2 (en) * 2007-04-26 2009-03-24 Oxford Instruments Analytical Oy Filter for X-ray radiation, and an arrangement for using filtered X-ray radiation for excitation

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4839913A (en) * 1987-04-20 1989-06-13 American Science And Engineering, Inc. Shadowgraph imaging using scatter and fluorescence
EP0766083A2 (en) * 1995-09-28 1997-04-02 Oxford Analytical Instruments Limited X-ray fluorescence inspection apparatus and method
JP2002071586A (ja) * 2000-09-01 2002-03-08 Horiba Ltd 二次元走査x線分析装置
JP2002243671A (ja) * 2001-02-22 2002-08-28 Kansai Tlo Kk X線フィルタ、及び蛍光x線分析装置
JP2003004677A (ja) * 2001-06-26 2003-01-08 Shimadzu Corp X線照射位置指示装置及びx線分析装置
WO2003102564A2 (en) * 2002-05-29 2003-12-11 Xradia, Inc. Element-specific x-ray fluorescence microscope using multiple imaging systems comprising a zone plate

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007523341A (ja) 2007-08-16
WO2005083406A1 (en) 2005-09-09
CN1922476A (zh) 2007-02-28
US7656996B2 (en) 2010-02-02
US20080226025A1 (en) 2008-09-18
EP1718958B1 (en) 2012-08-29
CN1922476B (zh) 2010-11-03
EP1718958A1 (en) 2006-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4825687B2 (ja) X線蛍光マーカー分布のマッピング装置及び方法
US7671350B2 (en) Portable X-ray fluorescence instrument with tapered absorption collar
Geraki et al. Concentrations of Fe, Cu and Zn in breast tissue: a synchrotron XRF study
US8422636B2 (en) Photon counting and energy discriminating detector threshold calibration
US7545910B2 (en) Method and imaging system for imaging the spatial distribution of an x-ray fluorescence marker
EP0660599B2 (en) Partially-transparent-shield-method for scattered radiation compensation in x-ray imaging
US7431500B2 (en) Dynamic exposure control in radiography
AU2007347855B2 (en) Portable x-ray fluorescence instrument with tapered absorption collar
JP5367574B2 (ja) X線ct装置および該方法
Elleaume et al. Performance of computed tomography for contrast agent concentration measurements with monochromatic x-ray beams: comparison of K-edge versus temporal subtraction
NL1034576C2 (nl) Afzonderlijke detectie van invallende energiespectra.
US20080008292A1 (en) X-ray scattering bone densitometer and method of use
US7787589B2 (en) In vivo measurement of trace elements in bone by x-ray fluorescence
Sharaf Practical aspects of Compton scatter densitometry
CN114399564B (zh) 一种基于散射识别的锥束计算机断层扫描成像方法与系统
Batchelar et al. Material‐specific analysis using coherent‐scatter imaging
JP2008545135A (ja) 多重散乱補正
Vavrik et al. Direct thickness calibration: way to radiographic study of soft tissues
Shakhreet et al. Electron density of Rhizophora spp. wood using Compton scattering technique at 15.77, 17.48 and 22.16 keV XRF energies
JP3399861B2 (ja) X線分析装置
Birkedal et al. A micro-beamstop with transmission detection by fluorescence for scanning-beam synchrotron scattering beamlines
Perion et al. A high sensitivity wide bandwidth spectral system for multiple K-edge imaging
RU2428115C2 (ru) Способ и устройство для определения плотности вещества в костной ткани
Tur’yanskii et al. Measurements of x-ray absorption spectra by the prism spectroscopy method
Winfree et al. Enhanced Imaging of Corrosion in Aircraft Structures with Reverse Geometry X-ray (registered tm)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110816

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees