JP4824917B2 - ジメチルエーテルの製造方法および装置ならびに軽質成分の分離方法および装置 - Google Patents

ジメチルエーテルの製造方法および装置ならびに軽質成分の分離方法および装置 Download PDF

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本発明はメタノール(メチルアルコール)や合成ガスなどの原料からジメチルエーテルを製造する方法に関し、また、ジメチルエーテルと、ジメチルエーテルより高揮発性の軽質成分との分離方法に関する。
ジメチルエーテル(DME)は、スプレーの噴射剤として従来利用されているが、近年、LPG代替燃料や粒子状物質を発生させないディーゼル油代替燃料等として注目が高まっている。その製造方法にはメタンなどの炭化水素原料を改質して得られる合成ガスから直接合成する方法、メタノールを脱水する方法がある。
合成ガスやメタノールなどの原料をジメチルエーテル合成反応させて得られる反応生成物中には、DMEの他に、DMEより高揮発性の軽質成分が含まれる。軽質成分は、例えば一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、窒素である。このため、反応の後に、軽質成分とDMEとを分離することが行われている。また、反応生成物中には、DMEより低揮発性の重質成分も含まれるため、DMEと重質成分の分離も行われている。重質成分は、例えばメタノールや水である。
純度の高いDMEを得ようとする場合には特に、軽質成分とDMEとを蒸留によって分離することが行われている。図2を用いてその方法の従来例を説明する。軽質成分、DMEおよび重質成分を含むジメチルエーテル合成反応生成物101が軽質ガスストリッパーと呼ばれる蒸留塔1に供給され、蒸留によって軽質成分が富化された塔頂ガス102とDMEおよび重質成分が富化された塔底液105とに分離される。塔頂ガスはコンデンサー2によって冷却され、一部が液化した気液二相流103となってリザーバードラム4に導入される。リザーバードラム4は気液分離機能を有する。リザーバドラムから抜き出された液体108はポンプ5によって昇圧され、還流液104として蒸留塔に戻され、残りが軽質ガス(ガス状の軽質成分)106として抜き出される。なお、蒸留塔の塔底部にはリボイラー3が設けられる。塔底液105は、さらに下流に配される不図示の蒸留塔によってDMEと重質成分とに分離され、製品DMEが得られる。
DMEの沸点は−25℃(0.10MPa−Aにおいて)であり、軽質成分の沸点はさらにこれより低い。従って、上述のように単に蒸留によってDMEと軽質成分とを分離しようとすると、塔頂の温度を低くせざるを得ない。例えば、蒸留塔の圧力を2.5MPa−Gにした場合、コンデンサー出口の温度は−40℃程度が妥当である。このような低温を得るためには、何らかの冷凍設備が必要となるが、冷凍設備の建設コストは大きく、特に大規模なジメチルエーテル製造プラントでは冷凍設備の建設コストは多大な額となる。またそのランニングコストもかなりの額となる。なお、圧力単位における「A」は絶対圧を、「G」はゲージ圧を意味する。
DMEの製造については、例えば特許文献1〜3に示されるように様々な提案がなされている。しかしながら、軽質成分とDMEとの分離をより確実に行うために蒸留する場合には上述のような低温が必要になり、あるいは、そのような低温は不要であるが蒸留を行わないために軽質ガスとDMEとの分離が良好に行えないといった状況であった。
特開平10−195008号公報 特表平11−502522号公報 特表平10−507197号公報
本発明の目的は、DMEと軽質成分との分離を良好に行うことができ、かつ冷凍のためにかかるコストを低減もしくは不要とすることのできる分離方法および装置を提供することである。
本発明の別の目的は、冷凍のためにかかるコストを抑制もしくは不要としつつ、DMEと軽質成分との分離を良好に行い、純度の高いDMEを得ることのできるDME製造方法および装置を提供することである。
本発明により、ジメチルエーテルとジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分とを少なくとも含むジメチルエーテル含有組成物から軽質成分を分離する分離方法において、
(a)該ジメチルエーテル含有組成物を蒸留塔を用いて蒸留し、軽質成分が富化された塔頂ガスとジメチルエーテルが富化された塔底液とを得る工程;
(b)該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する工程;
(c)工程(b)で得られた流体を気液分離する工程;
(d)工程(c)で得られた液体部分を蒸留塔に還流する工程;および
(e)工程(c)で得られた気体部分を抜き出す工程
を有する分離方法が提供される。
上記分離方法が、
(f)工程(e)で抜き出した気体を冷却してその一部を液化する工程;および
(g)工程(f)で得られた流体中の液体部分を工程(c)に戻し、残りの気体部分を抜き出す工程
をさらに有することが好ましい。
上記分離方法が、
(h)工程(a)で得られた塔底液を蒸留して、ジメチルエーテルが富化された留分と、ジメチルエーテルより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離する工程
をさらに有することができる。
また、工程(h)で得られる重質成分が富化された留分に含まれるメタノールを、工程(b)において塔頂ガスに混合するすることが好ましい。
本発明により、(I)メタノールおよび合成ガスのうちの少なくとも一方を原料として用い、該原料をジメチルエーテル合成反応させてジメチルエーテルを生成する工程;
(II)工程(I)で得られる反応生成物を蒸留塔を用いて蒸留し、ジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分が富化された塔頂ガスとジメチルエーテルが富化された塔底液とを得る工程;
(III)該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する工程;
(IV)工程(III)で得られた流体を気液分離する工程
(V)工程(IV)で得られた液体部分を該蒸留塔に還流する工程;
(VI)工程(IV)で得られた気体部分を抜き出す工程;および
(VII)工程(II)で得られた塔底液を蒸留して、ジメチルエーテルが富化された留分と、ジメチルエーテルより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離する工程
を有するジメチルエーテルの製造方法が提供される。
上記製造方法が、
(VIII)工程(VII)で得られた重質成分が富化された留分を蒸留して、メタノールが富化された留分と、メタノールより沸点の高い成分が富化された留分とに分離する工程
をさらに有することができる。
この製造方法が、
(IX)工程(VIII)で得られたメタノールが富化された留分に含まれるメタノールの少なくとも一部を、工程(I)に原料として供給する工程;および/または
(X)工程(VIII)で得られたメタノールが富化された留分に含まれるメタノールの少なくとも一部を、工程(III)に塔頂ガスに混合するメタノールとして供給する工程
をさらに有することができる。
本発明により、ジメチルエーテルとジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分とを少なくとも含むジメチルエーテル含有組成物から軽質成分を分離する分離装置において、
該ジメチルエーテル含有組成物が供給され、軽質成分が富化された塔頂ガスと、ジメチルエーテルが富化された塔底液を排出する蒸留塔;
該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する液相形成手段;
該液相形成手段から得られる流体を気液分離する塔頂ガス・メタノール気液分離手段;
該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた液体部分を該蒸留塔に還流する還流手段;
該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた気体部分を抜き出す気体抜き出し手段
を有する分離装置が提供される。
上記分離装置が、前記気体抜き出し手段により抜き出された気体を冷却してその一部を液化する冷却手段;
該冷却手段で冷却された流体中の液体部分を前記塔頂ガス・メタノール気液分離手段に戻す手段;
該冷却手段で冷却された流体の気体部分を抜き出す第二の気体抜き出し手段
をさらに有することが好ましい。
上記分離装置が、前記塔底液が供給され、ジメチルエーテルが富化された塔頂ガスと、ジメチルエーテルより沸点が高い重質成分が富化された塔底液とを排出する第二の蒸留塔
をさらに有することができる。
この分離装置が、前記第二の蒸留塔から排出される塔底液に含まれるメタノールの少なくとも一部を、前記メタノール混合手段に戻す手段
をさらに有することが好ましい。
本発明により、メタノールおよび合成ガスのうちの少なくとも一方をジメチルエーテル合成反応させてジメチルエーテルを生成する反応器;
該反応器で得られる反応生成物が供給され、ジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分が富化された塔頂ガスとジメチルエーテルが富化された塔底液とを排出する蒸留塔;
該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する液相形成手段;
該液相形成手段から得られる流体を気液分離する塔頂ガス・メタノール気液分離手段
該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた液体部分を該蒸留塔に還流する還流手段;
該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた気体部分を抜き出す気体抜き出し手段;および
該塔底液を蒸留して、ジメチルエーテルが富化された留分と、ジメチルエーテルより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離するジメチルエーテル分離手段
を有する、ジメチルエーテルの製造装置が提供される。
上記製造装置が、前記重質成分が富化された留分を蒸留して、メタノールが富化された留分と、メタノールより沸点の高い成分が富化された留分とに分離するメタノール分離手段
をさらに有することができる。
この製造装置が、前記メタノール分離手段で得られたメタノールが富化された留分の少なくとも一部を、前記反応器および/または前記メタノール混合手段に戻す手段
をさらに有することが好ましい。
本発明によれば、DMEと軽質成分との分離を良好に行うことができ、かつ冷凍のためにかかるコストを低減もしくは不要とすることのできる分離方法および装置が提供される。
また、冷凍のためにかかるコストを抑制もしくは不要としつつ、DMEと軽質成分との分離を良好に行い、軽質成分に同伴するDME量を減少させ、かつ純度の高いDMEを得ることのできるDME製造方法および装置が提供される。
また、本発明によれば、冷凍装置が不要となるか、あるいは必要である場合でもその温度レベルをより常温に近い温度とすることができる。従って、本発明の分離装置もしくはDME製造装置においては、例えば−40℃といった低温に対して耐性のある材質を使用する必要がなくなり、比較的安価な材質を用いることが可能となる。
以下、図面を用いて本発明について詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。図中、MeOHはメタノールを示す。
図1を用いて、軽質ガスとDMEとの分離について説明する。
分離の対象は、DMEとDMEより沸点の低い軽質成分とを少なくとも含むDME含有組成物であり、蒸留によってDMEと軽質成分とを分離可能なものを適宜用いることができる。
ここでは、DME含有組成物として、DME、DMEより沸点の低い軽質成分、およびDMEより沸点の高い重質成分を含むDME合成反応の反応生成物を用いる。この反応生成物がガス状であれば、冷却によって一部を凝縮させ、気液混合状態としたうえで蒸留塔に供給して蒸留による分離を行うことができる。
DME合成反応の反応生成物が、蒸留塔フィード101として、蒸留塔(軽質ガスストリッパー)1に供給され、沸点の差によって、軽質成分が富化された塔頂ガス102と、DMEが富化された塔底液105とに分離される。この場合、塔底液においては重質成分も富化されている。
ここで用いる蒸留塔としては、DMEと軽質成分とを分離することのできる公知の蒸留塔を用いることができる。蒸留塔はトレイタイプでも充填物タイプでもよく、フィード101の組成や温度等に応じて、蒸留塔の運転条件(圧力、温度、還流104の流量)を適宜決めることができるが、一例としては、圧力2500kPa−G程度で、蒸留塔塔頂温度は60℃程度、塔底温度は130℃程度とすることができる。

このようにして得た塔頂ガス102にメタノール107を混合し、メタノールとDMEを含む液相を形成する。DMEはメタノールとの相溶性が高い。そのため、塔頂ガスにメタノールを混合することにより、塔頂ガスに含まれるDMEをメタノールに容易に吸収させることができる。メタノールはDMEより沸点が高いので、DMEの沸点より高い温度でメタノール中にDMEを回収することができる。メタノール107は、液体でも気体でもよく、また気液混相であってもよい。
メタノールとDMEを含む液相を形成するために、必要に応じ、塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却することができる。メタノール107が液体の場合には、この混合物の冷却は必ずしも必要ではなく、塔頂ガスにメタノールを混合するだけで、メタノールとDMEを含む液相を形成できることもある。特に、塔頂ガスとメタノールとの混合物の温度が十分低く、冷却しなくてもメタノールとDMEを含む液相が形成され、その液相中に所望の量のDMEが吸収されるようなケースにおいては、混合物の冷却を行う必要はない。このようなケースは、例えばメタノール107が低温の液体である場合に実現可能である。メタノール107が気体の場合は、塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して液相を形成すればよい。メタノール107が気液混相の場合、冷却しなくてもメタノールとDMEを含む液相を形成可能な場合もあるが、より多くのDMEを回収するために、またメタノールの有効利用のために冷却を行うことが好ましい。
なお、混合物を冷却する効果として、より多くのDMEを回収可能とすることの他に、気体メタノールが軽質ガスとともに系外に排出されることを抑制することも挙げられる。従って、メタノール107が液体の場合でも、冷却を行ってもよい。
また、同じ温度の液相を形成するために、塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却する場合と、この混合物は冷却せずにメタノール107を予めより低温に冷却して塔頂ガスに混合する場合とを考えると、前者の場合の方が、必要な冷却温度がより高くてすむ。この観点から、塔頂ガスとメタノールを混合した後に、冷却を行うことが好ましい。
以上の観点から、本発明では、塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却する。
DMEはメタノールに対する溶解性が高いため、塔頂ガスに混合するメタノールの純度は高いことが好ましい。この観点から、メタノール107の純度は60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。後述するように、メタノール107として、このメタノールを後段で回収したリサイクルメタノールを用いることができるが、必要に応じてリサイクルメタノールを精製することにより、リサイクルメタノールの純度を上げることができ、例えば95質量%以上のメタノールを得ることができる。メタノール中の不純物は、例えば、主に水であり、他にDME合成反応で生じた副生物やDMEが含まれる可能性がある。
メタノールを塔頂ガスに混合するメタノール混合手段としては、塔頂ガスとメタノールを混合できる構造を適宜採用することができる。例えば、塔頂ガス102が流れる配管に、メタノールを供給する配管を接続するだけでもよいが、DMEのメタノールへの吸収を促進する観点から、例えば、塔頂ガスが流れる配管とメタノールを供給する配管との接続部の下流にスタティックミキサーを設けた構造が好ましい。また、メタノール供給管の先端にスプレーノズルを配し、スプレーノズルを塔頂ガス配管の中に設けた構造とし、塔頂ガスの流れの中に液体メタノールを噴霧することも好ましい。これら塔頂ガス配管、混合器、スプレーノズル等の構造についても、公知の混合技術を利用して適宜設計できる。
塔頂ガス102にメタノール107を混合する混合比率は、運転圧力やガス組成、また所望の冷却温度等に応じて決めることができ、メタノールの混合比率が高いほど、より高い温度で液体メタノール中にDMEを回収することができ、塔頂ガスとメタノールの混合物を冷却する温度(冷却手段2における冷却温度)を高く設定することができる。
却された塔頂ガスとメタノールとの混合物の温度(すなわちメタノールおよびDMEを含む液相の温度)は、例えば10℃以上60℃以下の範囲で選ぶことができる。このような温度でも、メタノールを利用しているので、DMEを液相に取り込むことができる。この液相の組成は、上記混合物の組成、温度に依存し、圧力などの条件にも依存する。この液相はいわば塔頂ガス中のDMEをメタノール107に吸収させたものである。その組成は、メタノールを主成分としDMEを含むものである。DMEの濃度はDME回収の観点から高い方が好ましいが、主に上記混合物の温度(この液相の温度)、メタノール107の混合量との兼ね合いを考慮し、極力多くの量のDMEを回収できるように決定されるものである。実施例にて示すように、塔頂ガスに二酸化炭素のような軽質成分が多く含まれる場合、あるいは圧力が低い場合は、上記液相中のDME濃度は例えば1質量%〜10質量%程度である。逆に、軽質成分が少なく圧力が高い場合は、混合するメタノールの量を少なくできるので上記液相中のDME濃度は50質量%程度、あるいはそれ以上まで高くすることも可能である。なお、DME製造プロセスの圧力は通常0kPa−G〜3MPa−G程度である。
以下、塔頂ガスにメタノールを混合した後この混合物を冷却する形態を例に説明する。
塔頂ガスとメタノールとの混合物は、この混合物を冷却する塔頂ガス・メタノール冷却手段2によって冷却される。このように冷却されることによって、塔頂ガス・メタノール混合物中に含まれるDMEがメタノール液中に凝縮する。
ここに用いる塔頂ガス・メタノール冷却手段は、コンデンサー、特にはリフラックスコンデンサーと呼ばれるものに相当するが、本発明では、単に塔頂ガスを冷却し一部を液化するものではなく、塔頂ガス・メタノール混合物を冷却しその一部を液化するものであり、特にメタノールを利用してより高温においてDMEを液化するものである。
塔頂ガス・メタノール冷却手段2の出口温度は、冷凍設備を極力使用しない観点から、例えば空冷式のクーリングタワーによる冷却によって実現可能な温度が好ましい。通常クーリングタワーによって冷却される冷却水は設計湿球温度よりも3℃から6℃高く設定され、又、設計湿球温度は設計外気温度と設計湿度によって決定される。以上により、冷却水温度は通常外気温度より若干低い温度となるが、クーリングタワーの設計能力によっては外気温度よりも高くなることもある。塔頂ガス・メタノール冷却手段2の出口温度をこの冷却水温度よりも好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上とすることにより、熱交換器(塔頂ガス・メタノール冷却手段)の伝熱面積を小さくすることが可能となる。またこの温度範囲にある限り、メタノール107の使用量を低減する観点からは、塔頂ガス・メタノール冷却手段2出口温度はなるべく低い方が好ましい。
前述のように、メタノール107の塔頂ガスへの混合比率をより高くすることによって、塔頂ガス・メタノール冷却手段2による冷却温度がより高くても、DMEを液状メタノール中に良好に回収することができる。従って、塔頂ガス・メタノール冷却手段2出口温度に応じてメタノール混合比率を設定することができる。
例えば蒸留塔の圧力を2.5MPa−Gとした場合、塔頂ガス・メタノール冷却手段2の出口温度が40℃以上であってもDMEと軽質ガスとの分離を良好に行うことができる。通常日本では40℃程度の冷却であれば、冷凍機を用いずに、冷却水によって実施することが可能である。場合によっては塔頂ガス・メタノール冷却手段2の出口温度は65℃程度でもよく、この程度の温度であれば、空冷(塔頂ガス・メタノール冷却手段2の冷却媒体に大気を用いる)によっても実現可能である。
ここに用いる冷却手段としては、冷却媒体によって塔頂ガス・メタノール混合物を冷却できる公知の構造を採用でき、例えば多管式熱交換器などの公知の熱交換器を用いることができる。ただし、従来この冷却手段で要した−40℃という低温は必要ない。従って、冷却手段に低温に耐える材質を用いる必要はなく、上記温度範囲で使用可能な材質を適宜用いることができ、例えばカーボンスチールを用いることができる。もちろん、反応等によって腐食成分が生成する可能性がある場合には、そのような腐食成分に対する耐腐食性の高い材料を適宜採用することもできる。
冷却媒体としては、上記温度範囲の冷却に用いることのできる冷却媒体を適宜用いることができ、例えば、空冷式のクーリングタワーにより冷却される循環水を用いることができる。冷却系の構成も上記温度範囲に用いることのできる公知の構成を適宜採用することができる。
塔頂ガス・メタノール冷却手段2によって冷却された混合物(塔頂ガス・メタノール冷却手段出口流体)103が気液分離手段(塔頂ガス・メタノール気液分離手段)4に導入される。ここに用いる気液分離手段としては、供給された気液二相流を気体部分と液体部分とに分けることのできる公知の構造を採用でき、例えば、リザーバードラムを用いることができる。気液分離手段にも、低温に耐える材質を用いる必要はなく、前述の温度範囲で使用可能な材質を適宜用いることができる。
気液分離手段4から抜き出された液体108は、ポンプなどの昇圧手段5によって適宜昇圧されて還流液104が蒸留塔に還流される。還流する位置は、一般的な蒸留塔と同様に塔頂とすることができる。また、リザーバードラム等の気液分離手段4を塔頂より高い位置に置くことにより、昇圧手段5を省略することもできる。
還流手段は、気液分離手段4で得られた液体部分を蒸留塔1に還流することのできる構造を適宜採用することができる。還流手段は、例えば、ポンプなどの昇圧手段5、気液分離手段4の液相部と昇圧手段5の入口を接続する配管、昇圧手段5の出口と蒸留塔とを接続する配管を有する。
一方、気液分離手段4で得られる気体部分は軽質成分を主成分とするガス(軽質ガス)である。気液分離手段4から抜き出した気体106をそのまま排出することができる。気体抜き出し手段としては、気液分離手段4で得られる気体部分を抜き出すことのできる構造を適宜採用することができる。気体抜き出し手段は、例えば、気液分離手段4の気相部に接続される配管を有する。
気液分離手段4から抜き出した気体106にメタノールが同伴して排出されることを抑制する観点から、気体106をそのまま排出するのではなく、冷却手段(以下、ベントコンデンサーという)6によって気体106を冷却してその一部を液化し、その液体部分は塔頂ガス・メタノール気液分離手段4に戻し、その気体部分を排出することが好ましい。図1には主要機器であるベントコンデンサー6のみを示してあるが、このための構造について後に図5、6および7を用いて詳しく説明する。
塔頂ガス・メタノール冷却手段2を設けて塔頂ガスとメタノール107との混合物を冷却する場合には、ベントコンデンサー6によって、塔頂ガス・メタノール冷却手段2による冷却温度より低い温度に気体106を冷却することが、メタノール回収の観点から好ましい。
塔頂ガス・メタノール冷却手段2を設けず、塔頂ガスとメタノール107との混合物を冷却しない場合には特に、ベントコンデンサー6を設けることがメタノール回収の観点から好ましい。
ベントコンデンサーの出口温度が低いほど軽質ガス109に同伴するメタノールの量を少なくすることができる。この観点から、塔頂ガス・メタノール冷却手段2の出口温度よりベントコンデンサー6の出口温度を20℃以上低くすることが好ましい。
例えば前述のように塔頂ガス・メタノール冷却手段2の出口温度を40℃程度にする場合、ベントコンデンサー6の出口温度は10℃程度とすることができる。この場合、冷凍設備が必要になることもあるかもしれない。しかしその場合でも、−40℃程度に冷却する場合に比べて温度レベルは高く、また少量のメタノールなどを含有する軽質ガスのみを冷却すればよいので熱負荷量も小さくてすむ。
従って、−40℃程度の冷却を伴う従来の分離に比較して、本発明の分離法法によれば、必要となる冷却温度のレベルを高くすることができる。加えて、ベントコンデンサーの熱負荷を含めたとしても、コンデンサーにおける熱負荷を低減することができる。
蒸留塔の塔底からは、DMEが富化された塔底液105が得られる。コンデンサー2の上流において混合されたメタノール107も塔底液に含まれる。蒸留塔1へのフィード101中に、DMEより沸点が高い重質成分が含まれる場合には、重質成分も塔底液に含まれる。塔底部には適宜リボイラー3を設けることができる。
以上のようにして、DMEとDMEより沸点の低い軽質成分とを分離することができる。軽質成分は軽質ガス109(ベントコンデンサーを設けない場合は106)として払い出され、DMEは塔底液105に含まれる。
塔底液は、DMEとメタノールを含む。DMEを純度良く得るために、塔底液105をさらに蒸留し、DMEが富化された留分と、メタノールなどのDMEより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離することができる。この分離は、蒸留塔1とは別の第二の蒸留塔を用いて行うことができる。第二の蒸留塔としては、DMEと重質成分とを分離することのできる、トレイタイプや充填塔タイプ等の公知の蒸留塔を用いることができる。
重質成分が富化された留分に含まれるメタノールの少なくとも一部を、塔頂ガスに混合するメタノール107としてリサイクル利用することができる。このとき重質留分が富化された留分をそのままメタノール107として使用することができる場合もありうるが、必要に応じてこの留分中のメタノール純度をさらに蒸留などにより高めたうえで、メタノール107として利用することができる。この蒸留によって、例えば、重質成分が富化された留分を、メタノールが富化された留分と、メタノールより沸点の高い成分(例えば水)が富化された留分とに分離する。この蒸留は、蒸留塔1および第二の蒸留塔とは別の、第三の蒸留塔を用いて行うことができる。第三の蒸留塔としては、メタノールと、メタノールより沸点の高い成分とを分離することのできる、トレイタイプや充填塔タイプ等の公知の蒸留塔を用いることができる。
第二の蒸留塔の塔底液(重質成分が富化された留分)に含まれるメタノールの少なくとも一部をメタノール混合手段に戻す手段は、例えば、第二の蒸留塔の塔底液をメタノール混合手段に導くラインを有する。このラインは適宜配管類で構成でき、また適宜昇圧手段を設けることができる。また、必要に応じて第三の蒸留塔をこのライン中に設けることができる。第三の蒸留塔の塔頂液(塔頂ガスをコンデンサーで液化して得られる液)としてメタノールが富化された留分が得られる場合には、第三の蒸留塔の塔頂液ラインを、メタノール混合手段に接続するラインを設ければよい。第三の蒸留塔の塔底から水が富化された留分が得られる場合、この留分は系外に排出することができる。
〔メタノール混合手段および塔頂ガス・メタノール冷却手段の一体化〕
図1では塔頂ガスとメタノールの混合と、混合物の冷却とを離れた個所で行うかのごとくに示されているが、必ずしもその限りではない。例えば図4に示すように、一つの機器の中で、混合と冷却を行うこともできる。
図4には、メタノール混合手段を内蔵する塔頂ガス・メタノール冷却手段2を示す。この装置は多管式熱交換器の一方の仕切室内にスプレーノズル7を設けた構造を有する。これを縦置きにして、上部仕切室内に設けたスプレーノズルから、上部仕切室に供給される塔頂ガス102中にメタノール107を噴霧する。混合物は管内を鉛直下方に流れ、胴側を流通する冷却媒体により冷却された後、下部仕切室から排出される。
〔ベントコンデンサーまわりの構成〕
塔頂ガス・メタノール気液分離手段(図1に示した形態ではドラム)4から抜き出された気体部分を、さらに冷却し、軽質成分に随伴するメタノールを液化して回収するためのベントコンデンサー6としては、ガスを冷却することができ、この冷却により液化した部分を回収することができる構造を適宜設計することができる。例えば、多管式熱交換器をベントコンデンサーとして用いることができる。
図5に示した形態では、ベントコンデンサー6として多管式熱交換器を縦置きし、胴側に冷却媒体を流通させ、ドラム4から抜き出した気体106を上部仕切室に導入させ、管内を下降させて下部仕切室において気体と液体に分離し、気体部分を軽質ガス109として排出し、液体部分をドラム4に戻す。液体部分をドラムに戻すための、下部仕切室とドラムとの間を接続するライン111には、適宜、ガスの流通防止のための液溜まりをU字管などを利用して設けることができる。
この形態では、ベントコンデンサーで冷却された流体中の液体部分を塔頂ガス・メタノール気液分離手段4に戻す手段は、気液分離機能を有するベントコンデンサーの下部仕切室とライン111とを有する。また、ベントコンデンサーで冷却された流体の気体部分を抜き出す第二の気体抜き出し手段は、下部仕切室の側部に接続されるライン109を有する。
あるいは、図6に示すように、図5に示した形態の多管式熱交換器の下部仕切室を取り去った構造のベントコンデンサーを、ドラムに直付けした構造を採用することもできる。ドラムで気液分離した気体はドラム上部に接続される管(ベントコンデンサーの伝熱管)内を上昇し、胴側に流れる冷却媒体により冷却され、一部は液化して管内を下降してドラムに流れ落ちる。液化しなかった気体部分が軽質ガス109として排出される。この形態はベントコンデンサーが比較的小さい場合に好ましい。
この形態では、ベントコンデンサーで冷却された流体中の液体部分を塔頂ガス・メタノール気液分離手段4に戻す手段は、下端がドラム4に開口する、ベントコンデンサーの伝熱管が兼ねている。また、ベントコンデンサーで冷却された流体の気体部分を抜き出す第二の気体抜き出し手段は、上部仕切室に接続されるライン109を有する。
また図7に示すように、ベントコンデンサーとして多管式熱交換器を横置きし、管側に冷却媒体を流通させ、ドラムから得られる気体を上部から胴に供給し、胴において気液分離を行い、胴の底部から液体を取り出してドラムに戻し、胴の上部から気体を軽質ガス109として取り出すこともできる。この場合も、ライン111にガスの流通防止のための液溜まりをU字管などを利用して設けることができる。
この形態では、ベントコンデンサーで冷却された流体中の液体部分を塔頂ガス・メタノール気液分離手段4に戻す手段は、気液分離機能を有するベントコンデンサーの胴とライン111を有する。また、ベントコンデンサーで冷却された流体の気体部分を抜き出す第二の気体抜き出し手段は、ベントコンデンサーの胴の気相部に接続されるライン109を有する。
〔DME製造〕
本発明では、DME製造において、上記軽質成分の分離方法を採用する。
DME製造は、図3に示すように、先ず原料を反応させてDMEを生成させるDME合成反応301を行う。DME合成反応は、触媒を充填した反応器を用いるなど、公知の技術を利用して行うことができる。
原料には、メタノールや、合成ガスすなわち水素と一酸化炭素を含むガスなど、DME製造の原料として公知の原料を用いることができる。
原料がメタノールの場合の反応式、原料が水素と一酸化炭素の場合のジメチルエーテル合成反応はそれぞれ
2CH3OH→CH3OCH3+H2O、
2CO+4H2→CH3OCH3+H2
と表すことができる。
DME合成反応の生成物には、DMEの他に、未反応物や副生物が含まれる。すなわち、DMEより沸点の低い軽質成分、DMEより沸点の高い重質成分が含まれる。軽質成分は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、窒素である。重質成分は例えばメタノールや水である。従って、純度の高いDMEを得るためには、これらを分離する。
原料にメタノールを用いる場合に比べ、原料に合成ガスを用いる場合の方が、反応生成物中の軽質成分の割合が高くなる傾向がある。本発明では軽質成分とDMEとの分離を良好に行うことができるため、本発明の効果は合成ガスを原料とする場合に特に顕著である。
DME合成反応の生成物は、軽質成分/DME分離302により、軽質成分が富化された軽質ガスと、DMEおよび重質成分が富化された塔底液に分離される。このとき、上述の軽質成分の分離方法を用いる。つまり、蒸留塔で蒸留を行い、塔頂ガスにメタノールを混合する方法を採用する。
次に、DME/重質成分分離303により、DMEおよび重質成分が富化された塔底液を、DMEが富化された留分と重質成分が富化された留分とに分離する。この際にも、蒸留塔を用いた蒸留によって分離を行うことができる。
重質成分が富化された留分にはメタノールが含まれる。従って、重質成分が富化された留分を、さらに、メタノールが富化された留分と、メタノールより沸点が高い成分が富化された留分とに分離することができる。この際にも、蒸留塔を用いた蒸留によって分離を行うことができる。メタノールが富化された留分は、必要に応じてさらに蒸留してメタノールの純度を高め、DME合成反応の原料として用いることができ、また、軽質成分/DME分離302において使用するメタノールとして用いることができ、あるいはこの両者に用いることができる。
重質成分が富化された留分は、実質的にメタノールと水からなる場合が多い。図3に示す形態では、この場合を想定しており、メタノール/水分離304において、重質成分が富化された留分をさらに蒸留によってメタノールと水とに分離し、破線で示されるリサイクル手段により、メタノールをDME合成反応301および/または軽質成分/DME分離302に戻して再利用している。リサイクル手段は、適宜配管類とポンプなどの昇圧手段によって構成することができる。
図3に示す形態では軽質成分/DME分離302の後にDME/重質成分分離303を行っているが、場合によってはDME合成反応301の次にDME/重質成分分離を行い、DME/重質成分分離で得られた塔頂成分を軽質成分/DME分離に付し、DME/重質成分分離で得られた塔底液をメタノール/水分離に付してもよい。
DMEと重質成分との分離、またメタノールとメタノールより沸点が高い成分との分離については、これら分離を行うことのできる公知の技術を適宜採用することができ、これら分離を行うことのできる蒸留塔を適宜利用することができる。
なお、メタノールはDME製造においてそもそも存在する物質であるので、DME製造においてメタノール分離工程は通常存在する。従って、本発明のように軽質成分とDMEとの分離に際してメタノールを加える場合であっても、DME製造装置においてDMEとメタノールとを分離する設備を新たに設ける必要がない。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
150ton/hのDMEを製造する図3のフローを有するプロセスにおいて、合成ガスを原料としてDME合成反応を行って得た反応生成物を、図1に示すプロセスフローに従って分離する場合についてプロセス設計を行った。条件および結果を表1〜4に示す。コンデンサー2の出口温度は40℃とした。
表4には、塔頂ガス・メタノール冷却手段(表中、「コンデンサー」と示す)まわりの流体(ストリーム102、107、103)についてまとめた。
〔比較例1〕
150ton/hのDMEを製造するプロセスにおいて、合成ガスを原料としてDME合成反応を行って得た反応生成物を、図2に示すプロセスフローに従って分離する場合についてプロセス設計を行った。条件および結果を表1〜3に示す。コンデンサー2の出口温度は約−40℃とした。
実施例1および比較例1において、ほぼ同等の分離を行っている。しかし、表1に示すように、系内の最も低い冷却温度は、実施例1では10℃、比較例1では−40℃であり、この差は冷凍設備のコストに大きく影響する。
表2にはフィード101の組成と製品の組成を示した。実施例1では比較例1とほぼ同様の軽質ガス組成を得ていることが確認できる。実施例1の軽質ガス(109)中のメタノール濃度が、比較例1の軽質ガス(106)中のメタノール濃度に比べて若干多くなっているのは、メタノール107を塔頂ガス102に混合したことによる。
表3では、フィード101の流量と製品流量を示した。実施例1と比較例1とでほぼ同様の軽質ガスが得られ、また、塔底液105中のDMEがほぼ同量であることから、−40℃の冷却を行った比較例1と同程度の分離が、実施例1でも行われていることがわかる。
Figure 0004824917
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本発明のDME製造方法および装置は、特に純度の高いジメチルエーテルを製造するために好適に用いることができる。また本発明の分離方法は、ジメチルエーテル製造において好適に利用でき、あるいはこれ以外でも、ジメチルエーテルとジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分とを分離するために利用することができる。
本発明の軽質ガス分離方法の一形態を説明するためのプロセスフロー図である。 従来の軽質ガス分離方法を説明するためのプロセスフロー図である。 本発明のDME製造方法の一形態を説明するためのプロセスフロー図である。 メタノール混合手段と冷却手段とを一体化した機器の形態例を示す模式図である。 ベントコンデンサーまわりの構造の例を示す模式図である。 ベントコンデンサーまわりの構造の別の例を示す模式図である。 ベントコンデンサーまわりの構造のさらに別の例を示す模式図である。
符号の説明
1 蒸留塔(軽質ガスストリッパー)
2 塔頂ガス・メタノール冷却手段
3 リボイラー
4 塔頂ガス・メタノール気液分離手段
5 昇圧手段
6 ベントコンデンサー
7 スプレーノズル
101 DME含有組成物
102 蒸留塔1の塔頂ガス
103 塔頂ガス・メタノール冷却手段出口流体
104 還流液
105 蒸留塔1の塔底液
106 気液分離手段4から抜き出された気体
107 メタノール
108 気液分離手段4から抜き出された液体
109 排出される軽質ガス
111 ベントコンデンサーから気液分離手段に戻る液体

Claims (14)

  1. ジメチルエーテルとジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分とを少なくとも含むジメチルエーテル含有組成物から軽質成分を分離する分離方法において、
    (a)該ジメチルエーテル含有組成物を蒸留塔を用いて蒸留し、軽質成分が富化された塔頂ガスとジメチルエーテルが富化された塔底液とを得る工程;
    (b)該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する工程;
    (c)工程(b)で得られた流体を気液分離する工程;
    (d)工程(c)で得られた液体部分を蒸留塔に還流する工程;および
    (e)工程(c)で得られた気体部分を抜き出す工程
    を有する分離方法。
  2. (f)工程(e)で抜き出した気体を冷却してその一部を液化する工程;および
    (g)工程(f)で得られた流体中の液体部分を工程(c)に戻し、残りの気体部分を抜き出す工程
    をさらに有する請求項1記載の方法。
  3. (h)工程(a)で得られた塔底液を蒸留して、ジメチルエーテルが富化された留分と、ジメチルエーテルより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離する工程
    をさらに有する請求項1または2記載の方法。
  4. 工程(h)で得られる重質成分が富化された留分に含まれるメタノールを、工程(b)において塔頂ガスに混合する請求項3記載の方法。
  5. (I)メタノールおよび合成ガスのうちの少なくとも一方を原料として用い、該原料をジメチルエーテル合成反応させてジメチルエーテルを生成する工程;
    (II)工程(I)で得られる反応生成物を蒸留塔を用いて蒸留し、ジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分が富化された塔頂ガスとジメチルエーテルが富化された塔底液とを得る工程;
    (III)該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する工程;
    (IV)工程(III)で得られた流体を気液分離する工程
    (V)工程(IV)で得られた液体部分を該蒸留塔に還流する工程;
    (VI)工程(IV)で得られた気体部分を抜き出す工程;および
    (VII)工程(II)で得られた塔底液を蒸留して、ジメチルエーテルが富化された留分と、ジメチルエーテルより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離する工程
    を有するジメチルエーテルの製造方法。
  6. (VIII)工程(VII)で得られた重質成分が富化された留分を蒸留して、メタノールが富化された留分と、メタノールより沸点の高い成分が富化された留分とに分離する工程
    をさらに有する請求項5記載の方法。
  7. (IX)工程(VIII)で得られたメタノールが富化された留分に含まれるメタノールの少なくとも一部を、工程(I)に原料として供給する工程;および/または
    (X)工程(VIII)で得られたメタノールが富化された留分に含まれるメタノールの少なくとも一部を、工程(III)に塔頂ガスに混合するメタノールとして供給する工程
    をさらに有する請求項6記載の方法。
  8. ジメチルエーテルとジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分とを少なくとも含むジメチルエーテル含有組成物から軽質成分を分離する分離装置において、
    該ジメチルエーテル含有組成物が供給され、軽質成分が富化された塔頂ガスと、ジメチルエーテルが富化された塔底液を排出する蒸留塔;
    該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する液相形成手段;
    該液相形成手段から得られる流体を気液分離する塔頂ガス・メタノール気液分離手段;
    該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた液体部分を該蒸留塔に還流する還流手段;
    該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた気体部分を抜き出す気体抜き出し手段
    を有する分離装置。
  9. 前記気体抜き出し手段により抜き出された気体を冷却してその一部を液化する冷却手段;
    該冷却手段で冷却された流体中の液体部分を前記塔頂ガス・メタノール気液分離手段に戻す手段;
    該冷却手段で冷却された流体の気体部分を抜き出す第二の気体抜き出し手段
    をさらに有する請求項8記載の装置。
  10. 前記塔底液が供給され、ジメチルエーテルが富化された塔頂ガスと、ジメチルエーテルより沸点が高い重質成分が富化された塔底液とを排出する第二の蒸留塔
    をさらに有する請求項8または9記載の装置。
  11. 前記第二の蒸留塔から排出される塔底液に含まれるメタノールの少なくとも一部を、前記メタノール混合手段に戻す手段
    をさらに有する請求項10記載の装置。
  12. メタノールおよび合成ガスのうちの少なくとも一方をジメチルエーテル合成反応させてジメチルエーテルを生成する反応器;
    該反応器で得られる反応生成物が供給され、ジメチルエーテルより沸点の低い軽質成分が富化された塔頂ガスとジメチルエーテルが富化された塔底液とを排出する蒸留塔;
    該塔頂ガスにメタノールを混合し、該塔頂ガスとメタノールとの混合物を冷却して、メタノールとジメチルエーテルを含む液相を形成する液相形成手段;
    該液相形成手段から得られる流体を気液分離する塔頂ガス・メタノール気液分離手段
    該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた液体部分を該蒸留塔に還流する還流手段;
    該塔頂ガス・メタノール気液分離手段で得られた気体部分を抜き出す気体抜き出し手段;および
    該塔底液を蒸留して、ジメチルエーテルが富化された留分と、ジメチルエーテルより沸点の高い重質成分が富化された留分とに分離するジメチルエーテル分離手段
    を有する、ジメチルエーテルの製造装置。
  13. 前記重質成分が富化された留分を蒸留して、メタノールが富化された留分と、メタノールより沸点の高い成分が富化された留分とに分離するメタノール分離手段
    をさらに有する請求項12記載の装置。
  14. 前記メタノール分離手段で得られたメタノールが富化された留分の少なくとも一部を、前記反応器および/または前記メタノール混合手段に戻す手段
    をさらに有する請求項13記載の装置。
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