JP4823906B2 - 多光子顕微鏡観察、分光法、および内視鏡観察などの生物学的用途のための光ファイバー送集光システム - Google Patents

多光子顕微鏡観察、分光法、および内視鏡観察などの生物学的用途のための光ファイバー送集光システム Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、多光子励起を光学生検針、内視鏡および顕微鏡と共に利用することに関する。
本願は、2003年8月19日に提出された米国特許仮出願第60/496,241号の恩典を主張するものである。
本発明は、米国陸軍研究所補助金番号DAAD 19-01-10341、全米科学財団補助金番号PHY-9987990、同DBI-0080792、米国国立衛生研究所・国立研究資源センター補助金番号1-510-RR15831-01、米国国立衛生研究所補助金番号P41-2RR04224、および同R33CA094311-01による政府資金を得て開発された。米国政府は本発明に特定の権利を有する可能性がある。
発明の背景
多くの重要な生物学的機能は、固有の蛍光性を有する生体分子および組織構造によって調整または達成される。したがって、スペクトルおよび組織蛍光発光を測定および位置特定することによって重要な生物学的事象を診断および検査できる可能性がある。ヒトおよび畜産動物などの大型生物の内部過程および内部構造をインビボで観察するためには、体腔または固形組織さえも貫通する内視鏡検査が必要と考えられる。
通常、体腔の内視鏡ビデオ画像には、内視鏡を通じて照射される後方散乱白色光が使用され、体腔の内部表面のカラー画像は解像度が低くなる。医師は、悪性腫瘍または炎症など、疾患の状態を判断するために形状の変化および局所の顕著な色の変化(主に血液分布の変化に起因する)を利用することが多い。残念ながら、これらの手掛かりは、特に疾患の初期徴候の検出には十分でないことが多い。光散乱および組織蛍光発光の量的測定によって、診断は改善されてきた。
通常、組織蛍光を励起するのに必要な光は、内視鏡管に設けられた小さなチューブを通じて挿入される光ファイバーまたはファイバー束を通じて伝達される。集光用の小さな光ファイバーまたはファイバー束は、この同じチューブに通すことができ、および/または、送光ファイバーは、表面集光用に使用されてもよい。この方法で通常見られる最も強い組織蛍光の中には、NADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、コラーゲンおよび、トリプトファンのような芳香族アミノ酸に起因するものもある。それらの蛍光は、約2〜4 eVの光子エネルギーに相当する波長約250〜450 nmの紫外線を吸収することによって励起される、または、ときとして、これよりやや波長が長い可視光線が、フラビンタンパク質などの内因性発光体のために使用されうる。コントラストや信号強度を強めるため添加されたフルオレセインなどの蛍光色素からの蛍光発光を励起し、集光することも可能である。
第1の問題は、この光線が血液内のヘモグロビンおよびオキシヘモグロビンに多く吸収され、したがって組織中への照射光の透過がヘモグロビンおよびオキシヘモグロビンの濃度および分布により異なることである。
第2の問題は、光ファイバーを出て組織に入射する照射光が、光ファイバーの開口数(NA)によって決定される開先角度で扇型に広がることである。光がまず焦点に集束するが、焦平面より先は、光は扇型に広がるように小さなレンズは使用され得る。(典型的に、NAは約0.2、開先円錐角はエア中で〜23°)。吸収および分散によって減衰されるまで、ファイバー端から各距離の球面上では同量の蛍光が励起されるため、単光子(例えば、線形)励起で、この角度の広がりは問題となる。図1にこの効果を概略的に示す。蛍光励起も同様の広がりを生じる。散乱は、蛍光励起を減衰させないが、その分布をさらに広くする。その結果、血液の分布および光の散乱による実際的な制限も受けて、観察領域が誤って規定される。照射光をレンズで集束し、ならびに/または、プリズムおよび鏡で側視用に光を屈曲させても、これらの問題は依然として存在する可能性があることは注意を要する。
大口径微細構造ファイバーによるフェムト秒パルス伝播が発明された。これらのファイバーは高いマルチモード性を有するものの、基本モードの励起が容易に達成され、ファイバーに曲げまたは捩れがある場合も高次モードとのカップリングが弱い。3ナノジュール(「nJ」)という大きなエネルギーを有する、プリチャープされた入力パルスの場合、ファイバーの出力側では140フェムト秒(「fs」)という短いパルスが生成され。そのようなシステムは、インビボの多光子顕微鏡観察および内視鏡観察など、フェムト秒パルスの送達と蛍光の収集とを必要とする用途に特に有用であることが示された。
回折限界ビームで生成するフェムト秒パルスは、多くの科学技術分野で重要なツールとなっている。多数の用途においては、これらのパルスを、光ファイバーにより数メートルの距離を介して特定の位置に送達することが望ましい。一般的には、ビームの空間的な質を高めるともに、モード間分散による余分な時間的広がりを防ぐため、単一モードファイバー(「SMF」)を使用する必要があると考えられている。しかし、SMFはコアサイズが非常に小さい(< 5μm)ため、数ピコジュールという低いパルスエネルギーでも自己位相変調によるパルススペクトルの広がりが生じ、且つ、分散による時間的な広がりは、プリチャープという手段で容易に補償することができない。
多光子顕微鏡観察(Williams et al., Curr. Opin. Chem. Biol. 5:603 (2001))などの用途において、フェムト秒パルスのファイバー送達は、既存の顕微鏡の設計を改善できる可能性があるうえ、より重要な点として、生物学の基礎研究と非線形内視鏡観察などの臨床用途との両方に役立つ小型機器の開発につながる可能性がある。パルスをファイバーに伝播させた後にパルス幅を保つには、分散性かつ非線形の作用を補償するまたは最小にする必要がある。ファイバーの分散は、入力パルスに対して適切な周波数チャープを伝えることによって補償できる。負のチャープをしたパルスのSMFによる伝播が発明され(Myaing et al., Opt. Express 7:210 (2000))、その出力パルスの幅はパルスエネルギーに対して準直線的に変化することが見出されたが、0.5 nJのパルスエネルギーでさえも出力パルス幅は0.5 psを上回った。AthertonおよびReed(Atherton et al., Proc. SPIE 3269:22 (1998))は、単格子型前置補償器を使用して、0.7 nJという大きなエネルギーの100 fsパルスを長さ3 mのファイバーで送達した。2人は、非線形性を最小限にするため、ファイバーによる補償量を上回る量だけパルスを補償器で引き伸ばし、さらに、正の分散ガラス部品を追加で用いてパルスの持続時間を最初の値近くまで回復させた。しかし、ファイバーの後に追加のガラス部品を用いるこの手法は、ファイバーをプローブとして直接使用することが意図されるケースには不向きである。2本のファイバーと6つのプリズムを用いる興味深い手法も示されている(Clark et al., Opt. Lett. 26: 1320 (2001))。これは、出力パルスの持続時間を入力パルスとほぼ等しくするため、空間的圧縮と時間的圧縮の両方を用いるというものである。三次分散のため出力パルスにはひずみが残るが、パルス幅は負にプリチャープの適用によって送達した場合より大幅に短くなった。非線形性を最小限にする別の手法としては、コアサイズの大きいファイバーを使用しこれにより有効な非線形性を低減するというものがある。しかし、単一横モードを保つため、コアサイズを大きくしたらコアとクラッドとの屈折率の差を小さくする必要があり、これは曲げ損失を急速に増大させる。
最近開発された微細構造ファイバー(MF)により、導波モードの光学特性を調整する新しい可能性が開かれた(Birks et al., Electron. Lett. 31:1941(1995)and Knight et al., Science 282:1476 (1998))。MFはコアとクラッドとの屈折率の有効差が従来のファイバーと比較して大幅に大きく、且つ、小さなコア径で観察されたところによれば(Ranka et al., Opt. Lett. 25:796 (2001))、ファイバーがマルチモードとなる条件下でも基本モードが強力に励起され、すべての意図および目的についてSFMとして振舞う。さらに、曲げ損失が最小限である。しかし、この単一モードの挙動を有効に保ったままコアをどこまで大きくできるかについてはまだ研究がなされていないようである。さらに、そのようなファイバーは、入力のカップリング条件に対して大きな感受性を示すことなく、自由空間から基本モードへのカップリングが容易にできる必要がある。
本発明は当技術分野におけるこれらの問題を解決することを目的とする。
発明の概要
本発明のひとつの局面は、植物または動物の特定組織内の疾患を検出する方法に関する。この方法は、特定の植物または動物の組織の非線形または多光子の同時活性化を促進するため、ファイバーからの照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導することにより特定の植物または動物の組織を活性化する段階を含む。本明細書において「非線形の活性化」という用語は、蛍光をもたらし得るまたはもたらし得ない任意の非線形多光子吸収過程、および、第二高調波発生など任意の非線形散乱を意味する。本明細書において「非線形信号」という用語は、(1)非線形多光子吸収過程で生成される蛍光、(2)非線形散乱、および/または(3)非線形多光子吸収過程で生成される非蛍光信号を意味する。第二高調波(「SH」)光を逆方向に集光することは、逆方向伝播するSHを直接生成できる、コラーゲンなど特定の構造により可能である(参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、Zipfel et al., PNAS 100(12):7075 (2003))。順方向SHも、組織により(線形に)後方散乱させ、集光ファイバーで収集することができる。生成された信号(蛍光信号および/または非線形散乱信号)は、送光ファイバーおよび/または補助集光ファイバーを介して回収され、次に、特定の植物または動物の健常組織を励起させることにより放射される信号と比較される。2つの信号に何らかの差がある場合は疾患の可能性が示唆される。少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、開口数が約0.2以上である。
本発明の別の局面は、植物または動物の特定の組織の内部領域の画像を生成する方法に関する。この方法は、植物または動物の特定の組織の内部領域の同時多光子活性化および/または非線形活性化を促進し、且つ、固有蛍光、添加されたコントラスト増強蛍光体が発する蛍光、非線形多光子吸収過程で生成される非蛍光信号、および/または非線形散乱信号を生成するため、ファイバーからの照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導することにより特定の植物組織または動物組織を活性化する段階を含む。ファイバーにより送達される活性化照射を走査し、且つ、生成される信号を照明位置と時間的に相互に関連させることにより、ラスター走査像を作成することができる。
本発明はまた、被検体内で蛍光または他の非線形信号を検出および位置特定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して、被検体の内部表面に照射を行う段階を含む。各ファイバーは開口数が約0.2以上であり、且つ、内部表面付近の先端内で終結する。照射は、内部表面内で分子の同時非線形活性化を生じさせ、その結果、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端付近で非線形信号を生成させるのに有効な条件下で行われる。内部表面に照射を行う段階は、照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導する段階を含む。
本発明の別の態様は、貫通可能な物体の中で非線形信号を検出および位置特定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して、貫通可能な物質の体の内部領域に照射を行う段階を含む。各ファイバーは開口数が約0.2以上であり、且つ、内部領域付近の先端内で終結する。ひとつの態様において、照射は、内部領域内で蛍光体分子の同時多光子吸収を生じさせるのに有効な条件下で行われ、その結果、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端付近で蛍光が励起される。内部領域に照射を行う段階は、照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導する段階を含む。
本発明は、非線形分光法により疾患を認識するため、多光子吸収を利用して、高い空間分解能で非線形信号を生じさせ、且つ、組織および/または添加された蛍光体の固有蛍光を励起させる。この目的に最も有用な固有組織蛍光は、励起に紫外線エネルギーの吸収を必要とする可能性が最も高い。多光子励起は、蛍光性の分子または構造が2つ以上の光子を同時吸収することにより必要な励起エネルギーを提供するという、赤外線照明のさらなる利便性を提供する。
本発明はまた、非線形分光法により疾患を認識するため、多光子照明を利用して、高い空間分解能で第二高調波発生などの非線形散乱信号を生成させる。
体腔または組織を貫通する光ファイバーを介した内部多光子非線形分光法について前述したものと同じ利点は、蛍光性であるかもしくは蛍光性にしてもよい他の貫通可能な物質、または、非線形散乱信号もしくは他の非線形信号を生成する他の貫通可能な物質のプロービングにも有利に適用できる。そのような他の利用法のいくつかの例としては、食品、天然もしくは人工のポリマー構造(例えばコラーゲンゲルまたは足場)、または多孔性媒質などの物質のプロービング、および、蛍光を利用した高速インビトロスクリーニングの用途などがある。本発明の方法はまた、薬剤候補物質を同定するための高スループットアッセイと組み合わせてもよい。貫通可能な物体は、非液体試料および液体試料を含んでいてもよい。後者の例の利点は、多光子照明により、IR光を用いて異なる蛍光体を効率的に同時励起でき(参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、Xu et al., PNAS 93(20): 10763, (1996))、したがって複数の励起源を使用する必要がないことである。さらに、集光は開口数(NA)の4乗(すなわち、NA2)に比例することから、微細構造ファイバーの開口数(NA)が大きい(典型的に > 0.6)ことにより、従来の単一モードファイバー(NA < 0.2)の場合と比較して、ファイバーを通って戻る信号をはるかに効率的に収集することができる。
多光子励起のひとつの重要な利点は、照射光がヘモグロビンおよびミオグロビンに吸収されないこと、および、事実上他の一般的な組織構成要素にも吸収されないことである。また、組織による赤外線の散乱も紫外線波長の線形散乱より有意に少ない。しかし、内視鏡蛍光および線形散乱分光法における多光子励起の最も重要な利点は、試料が活性化される有効な集光量を良好に規定し高度に局在化できることである(図2)。この理由は、蛍光の2光子励起の割合または第2高調波信号の発生の割合が照度の2乗に比例していることにある。より高次の多光子プロセスについては、照度の指数法則が大きくなり、例えば3光子励起では3乗となる。多光子レーザー走査顕微鏡では、この高次指数法則の特徴によって、共焦点空間フィルタリングで除外する必要のある焦点外の蛍光を生成することなしに3次元の分解が可能となる。
同様の照射条件は、特定の適した組織における第二高調波および第三高調波の生成にも適している。第二高調波および第三高調波は、レーザー照射光波長の正確に2分の1および3分の1の波長でそれぞれ生成され、固有の蛍光性と共に利用して組織の特徴付けに役立てることができる。
類似の利点のひとつは、内視鏡組織蛍光に適用する場合のように、光ファイバーを通じて伝送されるレーザー光によって励起される蛍光多光子に関するものである。照度は、ファイバーの端または任意の集光レンズの焦平面からの各半径において、ほぼ同量の力を有する1光子の励起と同様に扇形に展開するが、励起蛍光はこの照射光の扇形展開に従わない。単一モードの光ファイバーを通じた2光子励起の場合、蛍光の分布は、ファイバーの先端を起点とするろうそくの炎に似た形状で、ファイバーの先端近くに局在化する。この有効な集光量は、2光子励起の照度の2乗の空間分布によって規定される。照度の2乗は、ファイバー端からの距離の4乗にほぼ反比例して急激に減少するため、蛍光励起は局在化する。図3に示すように、有意な蛍光は、励起強度の2乗が大きいこの制限された領域からのみ放射される。有効な集光量を光ファイバーの端より先方へずらすため、および/または多光子励起の利点を失うことなく側視を得るため、レンズ、プリズムなどを使用してもよい。
この効果によって、蛍光励起の集光量が良好に規定され、且つ、重要な解剖学的構造を分析するのに十分な鮮明さを持つ有用な空間分解能が得られる。例えば、結腸内では、約5つの異なる層が識別できると考えられる。内皮表面では、陰窩のアレイがその領域を覆い、このアレイは陰窩底部を閉じる細胞層で終結し、その後、平滑筋および結合組織を含む複数の層が合計約0.5 mmにわたって続く。これらの層は層ごとに異なる固有の組織蛍光を励起する多光子レーザー走査顕微鏡によって容易に分析される。したがって、そのような層および表面付近の疾患による層の摂動は、組織蛍光の内視鏡分光法によって、多光子励起で得られる十分な空間分解能で無傷の組織内で識別することができる。
本発明の多光子励起によって精密な空間識別能が得られ、且つ、三次元で規定される小領域の蛍光の定量化が可能となる。これは特に、厚い細胞層を検査する際に重要となる。この場合、ファイバーは深い層の蛍光を励起する多光子を観察および確認するために組織を貫通させてもよく、これによりインサイチューの光学生検が可能となる。さらに、多光子励起では背景蛍光および散乱アーチファクトが大幅に低下する。
本発明は、ピコ秒以下の高パワーレーザーパルスの同時送達と、生成された蛍光の収集とを、コアおよび開口数が大きい同じ微細構造光ファイバーで行うことを可能にする手法を組み込んだものである。これらのファイバーはマルチモードであるが、主に単一基本モードでパルスを効率的に伝播できる。ファイバーの面積が大きいため、システムの入力部で単純な分散補償のみを用いることで有効な小さい非線形性が得られ、これにより、ファイバーの出力部でパルス持続時間がシステムへの入力パルスの持続時間とほぼ等しくなるような、高ピークパワーのレーザーパルスの送達が可能となる。ファイバーの開口数が大きいことにより、ピコ秒以下のレーザーパルスによりシステムの出力部で励起されて生成された蛍光を効率的に収集することが可能となる。そのようなシステムは、可視領域および赤外領域にわたる広い波長範囲の入力パルスで有効に作動できる。コアとクラッドとの屈折率差が比較的大きいことも、レーザー源からの入力パルスを微細構造ファイバーの基本モードに簡単にカップリングすることを可能にする。そのようなシステムは、フェムト秒パルスの送達を必要とする、インビボの多光子顕微鏡観察および内視鏡観察などの用途にきわめて有用となる可能性がある。
発明の詳細な説明
本発明のひとつの局面は、植物または動物の特定組織内の疾患を検出する方法に関する。この方法は、照射の少なくとも1つの出力パルスを送達すること、ならびに、特定の植物組織または動物組織の同時多光子励起を促進し、且つ、固有組織蛍光、添加されたコントラスト増強蛍光体もしくは蛍光性薬品が発する蛍光、および/または第二高調波などの非線形散乱信号を生成することに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導することにより特定の植物組織または動物組織を活性化する段階を含む。次にこれらの信号を、活性化の段階の実施に用いたものと同じ条件下で特定の植物または動物の健常組織を励起させることにより放射された信号と比較する。信号が、同じ条件下で特定の植物または動物の健常組織を活性化させることにより放射された信号と異なる植物または動物の特定の組織は、疾患の可能性があるものとして同定される。少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、開口数が0.2以上である。
本明細書において、大口径微細構造マルチモード光ファイバーの特性を説明するために使用する「開口数」(「NA」)という用語は、次式に示すように、半円錐角であるファイバーの受光角(「θa」)の正弦値として定義される。
Figure 0004823906
式中、n1およびn2はそれぞれコアおよびクラッドの有効屈折率である。本発明の別の局面は、植物または動物の特定の組織の内部領域の画像を生成する方法に関する。この方法は、植物または動物の特定の組織の内部領域の同時多光子活性化を促進し、且つ、固有蛍光、添加されたコントラスト増強蛍光体が発する蛍光、および/または非線形散乱信号を生成するため、ファイバーからの照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導することにより特定の植物組織または動物組織を活性化する段階を含む。ファイバーにより送達される活性化照射を走査し、且つ、生成される信号を照明位置と時間的に相互に関連させることにより、ラスター走査像を作成することができる。少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、開口数が0.2以上である。照射の少なくとも1つの入力パルスは、約10〜約1,000フェムト秒のパルス幅であってもよい。
本発明はまた、被検体内で蛍光を検出および位置特定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して、被検体の内部表面に照射を行う段階を含む。各ファイバーは開口数が0.2以上であり、且つ、内部表面付近の先端内で終結する。照射は、内部表面内で蛍光体分子の同時多光子吸収を生じさせるのに有効な条件下で行われ、その結果、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端付近で蛍光励起が生じる。内部表面に照射を行う段階は、照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導する段階を含む。照射の少なくとも1つの入力パルスは、約10〜約1,000フェムト秒のパルス幅であってもよい。
本発明の別の態様は、貫通可能な物体の中で蛍光を検出および位置特定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して、貫通可能な物体の内部領域に照射を行う段階を含む。各ファイバーは開口数が0.2以上であり、且つ、内部領域付近の先端内で終結する。照射は、貫通可能な物体の中で分子の非線形活性化を生じさせるのに有効な条件下で行われる。ひとつの特定の態様において、照射は、内部領域内で蛍光体分子の同時多光子吸収を生じさせるのに有効な条件下で行われ、その結果、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端付近で蛍光励起が生じる。内部領域に照射を行う段階は、照射の少なくとも1つの出力パルスを送達するのに有効な条件下で、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導する段階を含む。照射の少なくとも1つの入力パルスは、約10〜約1,000フェムト秒のパルス幅であってもよい。
本発明の方法に使用するのに好適な大口径微細構造マルチモード光ファイバーの例の断面図を図4および図5に示す。具体的には、図4に、コア8、気孔6、コア8を支持するガラスウェブ4(気孔6の間)、および外部クラッド2を示す。外部クラッド2、ガラスウェブ4、およびコア8はガラスであり、気孔6は空気である。このファイバーのクラッドの有効屈折率n 2 はn2 2 〜 f + (1-f)nglass 2となる。この式において、fはコア8の周囲の領域(ガラスウェブ4および気孔6)の空隙率(air-lling fraction)である。図5に、そのような微細構造ファイバーのひとつの具体的な態様の端部の画像を示す。
本発明のひとつの形態は、生体体腔内の組織表面における多光子非線形内視鏡分光法を利用するものである。内視鏡による低分解能での体腔内部表面の観察および画像化は、すでに標準的な医療手技として十分に確立されている。光ファイバーを通じた多光子内視鏡自己蛍光分光法によって、表面自己蛍光と組織下層の自己蛍光とを分離することができる。将来的な改善の可能性は数多くある。体腔の内視鏡観察では、対象とする組織領域の蛍光を検出するために制御器具を使用して進行方向を定め、観察部位を特定し、光ファイバーの焦点を合わせることは既に可能である。内視鏡観察に多光子蛍光励起の利点を生かすために類似の技術が適用できる。多光子固有蛍光の画像を得るために、ファイバーの走査、または、個々のファイバーもしくは束にしたクラスターの連続照射が使用できると予想される。本発明のこの局面は、口腔、結腸、食道、胃、腸、膀胱、子宮、膣、肺、卵巣、および咽喉などの体内の管で組織の蛍光を画像化するのに使用してもよい。その結果、紫外線励起エネルギーで励起された蛍光の差異を認識することによって悪性疾患が検出される。
図6A〜6Cに、本発明に係る内視鏡の構成を示す。本発明のこの態様では、レーザー2がレーザー照射光Lを生成し、ダイクロイックフィルタ4によって光ファイバーアセンブリ6に送られる。図6Bに光ファイバーアセンブリ6をさらに詳しく示す。この図において、レーザー照射光Lはレンズ/集束アレイ8を通過し、光ファイバー10dに入る。光ファイバー10a〜10gはケーブル12に収められ、ケーブル12は内視鏡ヘッドピース14に接続される。内視鏡の遠位端は、患者Pの口腔に導入され、この場合は食道である腔Cに通される。内視鏡の遠位端は内視鏡端16および励起/収集ユニット18で終結している。図6Cに、励起/収集ユニット18の詳細を示し、レーザー照射光Lは光ファイバー10dを通過して組織Tに照射される。その結果、組織Tは光ファイバー10dの先端部で蛍光を発し(図2参照)、このような蛍光Fは光ファイバー10a〜10gによって収集される。収集された蛍光Fは、内視鏡ヘッドピース14、光ファイバーアセンブリ6(レンズ/集束アレイ8を含む)、ダイクロイックフィルタ4、バリアフィルタ20を順に通過し、分光器および/または画像検出装置22に入る。
本発明の別の形態は、光学生検針または少なくとも1本の従来の光ファイバーで組織自体を貫通することに基づく。この用途では、光ファイバーの末端部で組織の自己蛍光をサンプリングするために、光ファイバーまたは光学生検針を組織自体に挿入する。ファイバーは、必要に応じて組織に挿入できる皮下注射器のように機能してもよい。もしくは、光ファイバーの遠位端は、画像化する植物または動物の組織の表面に接触するよう構成してもよい。多光子励起においては、蛍光が励起されるファイバー先端部の量は原理的に良好に規定される。これは初めのファイバーを取り巻くファイバー束により実現できる。もしくは、より大きな量を照射するファイバーの束を使用してもよい。乳癌または肝癌など、高密度組織の癌の生検では、ファイバーの挿入経路に沿って蛍光を探索できる。一般的に、時間がかかる組織の固定および染色手順が必要とされる従来の生検とは対照的に、多光子励起蛍光分光法を使用した光学生検では、プローブを患者の体内に挿入し移動させる際に、即座に診断スペクトルデータが得られる。
図7A〜7Cに、本発明に係る光学生検針の構成を示す。本発明のこの態様では、レーザー102がレーザー照射光Lを生成し、ダイクロイックフィルタ104によって光ファイバーアセンブリ106に送られる。図7Bに光ファイバーアセンブリ106をさらに詳しく示す。この図において、レーザー照射光Lはレンズ/集束アレイ108を通過し、光ファイバー110dに入る。光ファイバー110a〜110gはケーブル112に収められ、ケーブル112は光学生検針のヘッドピース114に接続される。光学生検針(すなわち針116)の遠位端は、患者Pの皮膚を通して骨盤Eまで進められる。図7Cにより詳しく示すように、針116の内部ではレーザー照射光Lは光ファイバー10dを通過して組織Tに照射される。その結果、組織Tは光ファイバー10dの先端部で蛍光を発し(図2参照)、このような蛍光Fは光ファイバー110a〜110gによって収集される。収集された蛍光Fは、光学生検針ヘッドピース114、光ファイバーアセンブリ106(レンズ/集束アレイ108を含む)、ダイクロイックフィルタ104、バリアフィルタ120を順に通過し、分光器および/または画像検出装置122に入る。
本発明のこれらの形態は、ファイバーを体腔の内部表面に到達させるための経路を提供するため患者の体腔内に内視鏡を挿入するという組み合わせで使用してもよく、この場合、ファイバーは組織内に挿入されてその連続層をサンプリングしてもよい。例えば、結腸壁で腫瘍の発生を探索する場合、その組織には約5つの層があり、それぞれが特有の光学的性質および自己蛍光を有する。各層を連続して光学的に探索することによって、各層を識別でき、且つ確認できる。
多光子励起蛍光ならびに組織内で生じたレーザー励起の第二高調波および第三高調波の検出を、励起を生じさせる光ファイバーと、単一モード励起ファイバーの先端付近で励起した光を効率的に収集するための周囲を囲むファイバー束または太い光学チューブとを通じて、内視鏡観察および光学生検によって達成してもよい。多光子内視鏡組織蛍光では、発光は光収集光学部品に最も到達しやすいファイバー先端の付近に限局されるため、単一光子励起と比較して蛍光収集効率の面で大きな利点がある。同じ利点は光学生検にも当てはまる。本発明は複数の異なる方法で実施でき、それには非限定的に以下のものが含まれる:複数の集光ファイバーに囲まれていてもよい単一の微細構造光ファイバーを介した送光による非撮像モダリティ;追加の複数の集光ファイバーを伴うかまたは伴わない、複数の送光光ファイバーを用いた低分解能の撮像;NAの大きい送光ファイバー(表面集光)および複数の集光ファイバーの両方による、単一の送光ファイバーの走査および放出の集光;または、対物レンズを介して送光ファイバーから出た後のレーザービームの走査、および追加の複数の集光ファイバーを伴うかまたは伴わない送光ファイバーを介した集光。
本発明に係る効率的な多光子分子励起は、(a)非常に強く、局所的、且つ瞬間的な強度、および(b)パルスされたレーザーの一時的な集中を組み合わせることによって可能となる。回折限界に集光できる高い強度の、長波長の単色光光源としては、各パルスの持続時間が約100フェムト秒(100 x 10-15)で反復速度約80 MHzのチタンサファイア・モードロック固体レーザーなどがある。多光子励起および高調波生成に有効な他のレーザーを使用してもよい。これらの超高速のパルスは、内視鏡または光学生検針を通じて生きた植物もしくは動物の標的組織、または組織標本に照射される。回折限界に集光される、持続時間が非常に短い強いパルスによって大きな瞬間的な力が供給されるため、標的に含まれ、通常は波長の短い高エネルギーの単一光子(典型的には紫外線)によって励起されうる蛍光体(蛍光色素)が、レーザー源から出た波長の長い光子を2つ同時に吸収する可能性が十分高くなる。この吸収によって蛍光体分子内で2つの光子のエネルギーが結合され、蛍光体が励起状態まで高められる。蛍光体が通常の状態に戻るときに光が放射され、この光が内視鏡または光学生検針を通じて適切な検出器まで戻る。
非常に強力な短パルスの光による蛍光体の多光子励起により、一般的な蛍光顕微鏡技術で、背景識別力がより良好で蛍光体の光退色がより少ない画像化が可能となる。これは、顕微鏡内で供給される集束照射光が、標本を通過する際に集束円錐を形成するためである。集束円錐の頂点で焦平面に到達するすべての光は、蛍光体で吸収されるごく一部を除いて、発散円錐を通って標本の反対側へと抜ける。照度は、集束円錐と発散円錐とで形成されるくびれ部分(waist)にある対物面上の焦点部位でのみ標本発光体の多光子吸収を生じさせるのに十分な強さとなり、この照度依存性により、焦点周囲の小さな局所領域内でのみ長波長の励起を生じさせることが可能となる。この吸収は、高速、強力であり、標本内の焦点以外の部位で長波長光の適度な平均照度を維持する比較的波長の長いフェムト秒パルスの流れという手段によって実現される。その結果、焦平面以外の部位の蛍光体の光退色は事実上生じない。長波長光の1光子吸収は無視できる程度であり、また、実際には時間平均照度は標本の全深度にわたってほぼ均一であるものの、瞬間照度は焦平面以外の部位では低すぎるため、感知可能な2光子吸収および励起を生じさせない。この効果により、生細胞への傷害も大幅に低下する。
本発明では、3次元分解能を得るため、励起光の波長の2分の1と重複するかまたはこれを上回る波長に1光子吸収のピークをもつ蛍光体の2光子励起を利用してもよい。3光子励起の場合は、1光子吸収の波長が励起光の波長の3分の1と重複するようにする。これを実現するには、例えば可視赤色や赤外線領域など比較的波長が長く、高い瞬間出力をもつ非常に短いパルスのレーザー光を生成させる。この光を、通常は短波長領域(例:紫外線照射)の1光子で励起される蛍光体を含んだ標本に照射し、2つの低エネルギー(赤色)の光子がそのエネルギーを結合させなければ1つの高エネルギー(紫外線)の光子の場合と同じ励起が生じないようにする。標本中の励起率も、したがって蛍光率も、入射光強度の2乗に比例する。集光した励起レーザー光において、長波長の入射光は標本内の焦点領域でのみ蛍光体を励起するのに十分な強度となる。この焦点は、焦点周囲の選択した長円形量でのみ標本の蛍光および/または光分解が生じるよう、標本内で位置を調整してもよい。したがって、本発明においては、長波長の励起光のみが標本を通過する必要があり、この長波長の光は、非常に小さな領域内でのみ蛍光を励起するのに十分な強度をもつよう集光される。この蛍光は、通常は紫外線でしか吸収しない蛍光体でも発生する。焦点は標本内で選択的に位置決めすることができるため、走査蛍光顕微鏡観察、光分解のいずれにおいても3次元分解能が得られる。光分解には、光分解で放射されてもよい、光子により活性化される試薬の光分解も含まれる。
本発明において、必要な励起強度は、例えば、赤色領域のスペクトル(例えば約700〜1000 nm)の波長を有するか、もしくはパルス幅10-9〜10-15秒で便宜的には反復速度が約80 MHzであるパルス光を生成する、チタンサファイアモードロックレーザーであってもよい照射光源から供給される。他の高輝度パルスレーザーを使用して、例えば赤外または可視赤色領域の比較的長い異なる波長の光を生成し、これにより、総エネルギーが適切な吸収エネルギーバンドとなるよう必要な励起光子を生じさせてもよい。適切な吸収エネルギーバンドとは、通常はスペクトル領域がこの入射光の波長の約半分の波長を有する単一光子の吸収により励起されるスペクトルの蛍光体が必要とするエネルギーである。より短波長の励起が必要な場合は、外部の高調波発生によりレーザー波長を2、3、または4つに分割してもよい。したがって、例えば、750 nmの可視赤色領域の2つの光子により、通常は375 nmまたはそれ以上の紫外領域の光を吸収する蛍光体が励起され、例えば、1070 nmの赤外領域の2つの光子により、535 nmまたはそれ以上の可視光領域の光を吸収する蛍光体が励起される。
本発明のひとつの変更された形式においては、入射光が強い瞬間パワーと異なる波長とを有する2つの重ね合わせパルス光となるよう、単一波長の光源を2つの異なる波長のレーザー光源で置き換えてもよい。入射光の各波長は、短波長で吸収性を示す蛍光体を励起するよう選択され、これは以下の式で表される:
Figure 0004823906
式中、λabsは吸収体の短い波長、λ1およびλ2はレーザー入射光の各波長である。
2光子励起において、〜10-50cm4sの2光子断面積δ2pで与えられ、パルスパラメータが前述のとおり(反復速度80 MHzの100 fsecパルス)であり、且つ開口数NAのレンズで光が集光される場合、平均パワー(P0)約 50 mWの入射レーザー光により、1蛍光体1パルスにつき1吸収光子が限界である蛍光体の蛍光出力が飽和する。1パルス1蛍光体につき吸収される光子数naは以下の関係に従う(Denk et al., Science, 248:73(1990)、本文献は、全体として参照することにより組み込まれる。)

Figure 0004823906
式中、
τはパルス持続時間、
fは反復速度、
P0は入射レーザーの平均パワー、
δは光子吸収断面積、
hは2π×プランク定数、
cは光速、
Aは集光レンズの開口数
である。ただし、蛍光放射はパルス反復周波数を蛍光寿命の逆数まで増加することによって増強できる。これは典型的に次式で表される:
Figure 0004823906
比較として、1光子の蛍光飽和は約3 mWの入射光パワーで生じる。
多光子励起で固有組織蛍光を測定することに加えて、薬物の蛍光を利用して組織中の局在を検出することが可能である。こうした薬物はしばしば特定の組織構造または腫瘍などの疾患生成物の中に分離して存在する。これら薬物の同定に多光子励起を用いることができる。多くの重要な薬物は紫外光を吸収して蛍光性となる性質があり、したがって多光子励起により効率的に励起される。したがって、蛍光性薬物の選択的分離または結合により提供される標識付けの特徴とともに、固有組織蛍光の多光子励起の利点がすべて得られる。例えば、結腸炎治療に使用される主要な薬物である5-アミノサリチル酸は、生きた結腸組織の外植片において同薬物が代謝される際に結腸組織の全層内で画像化できる。コラーゲン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、および他の構造による組織自己蛍光を画像化することにより、複雑な組織構造に対して位置特定することができる。このような薬物の多光子励起により、多光子内視鏡および/または多光子光学生検による組織内のインビボ観察も可能となる。
蛍光色素を含む光活性剤は、細胞および組織の特性を画像化するため多光子顕微鏡観察で一般的に用いられる。適切な光活性剤としては、例えばCa2+、Mg2+、Na+、K+、またはH+などの金属イオンに結合したときに蛍光特性が変化する有機分子など、多光子励起で励起される色素が含まれる。DAPI(4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール、ジヒドロクロライド)など、DNA二重鎖に結合する色素は特に有用である。多くのこのような色素がインビボの適用において適している。
ヒトを含む生きた動物内で多光子吸収内視鏡分光観察により蛍光の分布を探索し、結腸炎などの炎症性疾患の識別およびその治療経過の観察を行うことができる。同様に、アミノレブリン酸の代謝産物であり、癌細胞に蓄積する蛍光性のプロトポルフィリンIXの分布も癌の検出に有用であると考えられる。NADH蛍光は、多光子吸収内視鏡分光観察で検出できる、最も将来性のある癌シグナルである可能性があるが、隣接組織中で同様に蛍光性を有するコラーゲンと識別するには多光子吸収により空間的に位置特定する必要がある。特定の組織および組織構成物、特に、組織の重要な構造構成物であり多くの形体で存在するコラーゲンは、明るい干渉性の照射光の第二高調波を非常に高効率で生成することが以前から知られている。第二高調波の照射光は波長が基本照射光のちょうど半分であり、したがって基本照射光の2倍の光子エネルギーを有する。同様に、第三高調波の照射光は波長が基本照射光のちょうど3分の1であり、したがって光子エネルギーは3倍である。実際に、第二高調波光の生成は細胞の顕微鏡的な画像化に有用な現象であることが示されている。複雑な組織内で第二高調波および第三高調波を生じさせるのに必要な照射条件は多光子蛍光励起の必要条件と同様であるため、コラーゲンなどの組織において、第二高調波または第三高調波の生成を利用して固有組織蛍光の多光子励起を補うことができる。複雑な組織内では、第二高調波または第三高調波は広い角度から高頻度に照射されるため、多光子励起蛍光とともに検出することができる。本発明は種々の目的に利用可能である。例えば、被検者の当該領域における組織学的および臨床的な組成、構造、代謝状態、ならびに活力度を決定することができる。もしくは、被検者の当該領域における、生理的および薬理的な刺激に対する機能的反応、ならびに疾患状態を検出することができる。最後に、被検者の当該領域における、組織蛍光および薬物蛍光の励起スペクトルおよび発光スペクトル、光度、蛍光寿命、ならびに時間的変動を決定することができる。
さらに、説明したファイバー送達システムは、従来の多光子顕微鏡にフェムト秒パルスを送達するのにも有用であり、これにより、顕微鏡システムへのモード同期レーザーのカップリングを容易にするとともに、フェムト秒レーザー源の配置の制限を緩和する。この実現方法は、ファイバーより後に分散グラスを必要とするのではなく、すべての補償がファイバーより前に実施されるという点で、これまでに提唱された実現方法(例えば、参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、米国特許第5,995,281号、同第6,178,041号、および同第6,356,088号)と異なる。さらに、微細構造大口径ファイバーでは、これまで可能であったものよりはるかに高いレーザーパワーを伝達することができ、出力のパルス持続時間もファイバーへの入力時とほぼ等しい。ひとつの特定の態様において、大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、照射の少なくとも1つの出力パルスを従来の多光子顕微鏡に送達することを可能にする条件下で、従来の多光子顕微鏡に連結される。
本発明の方法には種々の大口径微細構造マルチモード光ファイバーが使用できる。ひとつの態様において、大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、大口径ステップインデックスファイバーであってもよい。本明細書において、「大口径ステップインデックスファイバー」という用語は、大口径およびコア-クラッドステップインデックスコントラストが大きい光ファイバーを意味する。本発明に使用するための特定の大口径ステップインデックスファイバーの好適な例としては、エア中のシリカロッドがあるが、それに限定されるわけではない。本発明に使用するのに好適な他の大口径ステップインデックスファイバーの例としては、MM-HMA-35ファイバー(Crystal Fibre A/S、デンマーク)およびMM-HMA-25ファイバー(Crystal Fibre A/S、デンマーク)があるが、それに限定されるわけではない。他の態様において、大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、焦点合わせまたは撮像を増強するため、当技術分野において公知の種々の装置と末端で連結されてもよい。例えば、大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、焦点合わせ装置と末端で連結されてもよい。好適な焦点合わせ装置としては、ファイバーからの照射の出力パルスを送達するための焦点ボリュームを減少させるのに有効な装置がある。好適な焦点合わせ装置の例としてはレンズまたはレンズシステムがあるが、それに限定されるわけではない。別の実施例として、大口径微細構造マルチモード光ファイバーは、走査装置が照射の出力パルスの非線形活性化焦点ボリュームを走査することを可能にする有効な条件下で、走査装置と末端で連結されてもよい。この走査装置を用いて、画像生成技術(例えばレーザー走査撮像)による画像生成を容易にして、被検体の画像を生成してもよい。
本発明はまた、超短パルスモード同期レーザーから出力された照射を顕微鏡の光路にカップリングする装置にも関する。このカップリングは、レーザーに続く少なくとも1つの大口径微細構造マルチモードファイバーにより実現され、レーザーとファイバーとの間には、レーザーパルスに負の分散を印加する分散補償を行うための装置を含む光学配置が設けられる。好適な分散前置補償器としては、必要な負の分散を生成するのに十分な距離だけ離れたマルチパス格子対、および/または、微細構造光ファイバーのコアにより生じる分散を補償するための十分な負の分散を生成できる他の任意の装置がある。ひとつの態様において、ファイバーのカップリングは、顕微鏡の焦点面に無走査の非線形活性化をもたらすため、顕微鏡への直接接続により実現される。別の態様において、顕微鏡はレーザー走査多光子顕微鏡であり、ファイバーはレーザー走査顕微鏡の走査装置を介してパルスレーザー照射を送達し、この照射は顕微鏡の焦点面に送達されてラスター走査像を生成する。別の態様において、カップリングは、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモードファイバーにより実現される。
実施例
実施例1 - 大口径微細構造ファイバーを介したナノジュールフェムト秒パルスの送達
この実施例では、大口径MFを介したフェムト秒パルスの送達を示す。格子型前置補償器で負にプリチャープした100 fsの入力パルスを、コア径15μmおよび25μmのMFにカップリングした。基本モードの励起は容易に達成され、且つ、ファイバーをきつく曲げたときにも高次モードへのカップリングはわずかしか観察されなかった。同様の条件下で、標準的なSMFが送達したパルスは、MFが送達したパルスより10倍以上長かった。
実験では、標準的なSMFおよび2種類のMF(Crystal-Fiber A/Sより市販されているもの)を使用した(図5参照)。第一のMF(MF1)のパラメータは、コア径15μm;ピッチ11μm;孔径6.6μmであった。第二のMF(MF2)はコア径25μmであり、空隙率はほぼ均一であった。800 nmの単一モード用に設計されたSMFも使用した。SMF およびMF1の長さは92 cm、MF2の長さは130 cmであった。コアの小さいMFの場合(参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、Ranka et al., Opt. Lett. 25:796 (2001))と異なり、これらのMFの群速度ゼロの波長は、本質的にバルクシリカの場合と変わらない。
中心波長800 nmの100 fsの入力パルスを、チタン:サファイアレーザー(Tsunami、Spectra-Physics)により繰返し率80 MHzで生成した。このレーザーパルスを格子対に2回通過させることにより負の周波数チャープを印加し(参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、Treacy, IEEE J. Quantum Electron. QE-5:454 (1969))、10Xの顕微鏡対物レンズ(SMFおよびMF1)または4X対物レンズ(MF2)で集束させることにより3つの各ファイバーにカップリングさせた。カップリング効率は、MF1が約50%、MF2が60%であった。
2光子検出器に基づく自己相関器によりパルスの持続時間を測定した(参照によりその全部が本明細書に組み入れられる、Ranka et al., Opt. Lett. 22:1334 (1997))。すべてのファイバーについて、平均パワー5 mWでの出力パルスが可能な限り短くなるよう、格子間距離を調整した。この固定格子間隔を維持したまま、ファイバーにカップリングしたパワーの関数として出力パルスの幅を測定した。
MFのパラメータは、MFが多数の横モードに対応できることを示している。入力カップリングのアライメントずれがあった場合にはいくつかの高次モードへのカップリングが観察されたが、比較的簡単に専ら基本モードが励起された。MF1の出力ビームの写真および強度分布を図8A〜8Cに示す。強度分布の断面はガウス関数にほぼ完全にフィットし、励起されたモードが専ら基本モードであることが示唆される。最後の結論は、長い距離にわたって得た強度自己相関によって裏付けられた(図9A)。中心ピークは、高次モードに起因する側方のピークより14倍高い。2つのパルス間の遅延から、有効モード群屈折率の差が9.7x10-4であると計算された。このはるかに弱い第二のパルスは出力スペクトルの変調をもたらす(図9B)。1 cmという小さな曲げ半径による適度な曲げまたは捩れをファイバーに加えても、MF1の出力モードに対する測定可能な影響は生じず、スペクトルもほとんど変化を示さなかった。自己相関トレースの全ピークが低下するという事実は、摂動により生じるのが高次モードへのカップリングではなく曲げ損失であることを示している。MF2の場合は、曲げによって、高次モードへのカップリングの結果として自己相関信号のピーク値がわずかに(5%未満)低下した。しかし、変化がわずかであったことは、このカップリングが弱いこと、および、パワーの大部分が基本モードにあることを示している。
カップリングした入力パワーに対する出力パルス幅の依存度をSMF、MF1、MF2について測定した結果を図10に示す。2格子補償器による三次分散の補償がないため、低いパワーでも、出力パルスは入力パルスよりわずかに長くなっている。明らかに、MFでは、特に高いパワーにおいて、はるかに短いパルスの送達が可能である。MF1では、パルスエネルギー2.5 nJで300 fsという短い出力パルスが生成された。これは、標準的なSMFによる同じエネルギーでの出力パルスより約5倍短い。コアがより大きいMF2では、パルスエネルギー3 nJで(図11)、持続時間140 fsというさらに短い出力パルスの送達が可能であった(図10)。この3種類のファイバーによる、負にプリチャープしたパルスの伝播を、標準的な非線形シュレーディンガー方程式モデルでシミュレーションした。この実験と同様に、最初の負のチャープは、低パワーでの線形分散を補償するように設定した。その結果を図10に示す(実線)。SMF、MF1、およびMF2の各ファイバー内のビーム径を、それぞれ1.8μm、6μm、および14μmであると仮定すると、各ケースのフィットが最良となった。
結論として、入力パルスに単純な負のチャープのみを印加して比較的エネルギーの高いフェムト秒パルスを送達するという微細構造ファイバーの可能性が実験的に示された。MFはマルチモードのファイバーであるが、実質的に単一モードの様式で機能でき、これにより、回折限界に近い出力ビームを出すことができる。同じ条件下においてMFで送達したパルスと標準的なSMFで送達したパルスの持続時間を比較すると、MFでは10倍以上短いパルスを送達できることが示される。さらに、この種のファイバーではNAが大きいため、ファイバーを介して蛍光を効率的に回収することが可能となる。このことは、内視鏡的な多光子顕微鏡観察、および従来の多光子顕微鏡に対するフェムト秒パルスのファイバー送達に有用である可能性がある。
本明細書において、好ましい態様を詳細に記述および説明してきたが、当業者には、本発明の精神から逸脱することなく種々の改変、追加、置換などが可能であり、これらは特許請求の範囲で規定される本発明の範囲内に入るとみなされることが理解されるものと思われる。
先行技術に基づいた、単一モードの光ファイバーから放射される紫外光の空間的分布、およびそれに対応する自己蛍光を示す斜視図である。ここで、照射の強度の減衰は光ファイバー先端からの距離の2乗に反比例する。 本発明に基づいた、単一モードの光ファイバーから放射される2光子励起蛍光の紫外光の空間的分布を示す斜視図である。ここで、照射光のパターンは1光子励起と同様である。しかし、2光子励起の割合がパルスされた照度の2乗に比例するため、蛍光強度はファイバー先端からの距離の4乗にほぼ反比例して減衰し、蛍光の励起が高度に局在化された有効な集光量が得られる。より高次の蛍光励起については、直径の大きな光ファイバーを使用する場合は有効な集光量の鮮明さが低下し得るものの、放射の指数法則はさらに強くなり、例えば、3光子励起の場合は6乗に反比例する。 ファイバー出力の2光子励起プロフィールをガウス強度プロフィール(Gaussian Intensity Profile)で示したものである。この図は、光ファイバーの出口を起点として、光ファイバーの軸に沿った平面について、均一な蛍光体による2光子励起の蛍光放射の空間分布を示したものである。使用された微細構造ファイバーにとって、正規化された最大値は、軸に沿って約50マイクロメートルで半分に減少し、また、任意の追加の焦点光なしに典型的な単一モードのファイバー出口の半分の最大値半幅は約10μmを有する。 本発明の方法に使用するための大口径微細構造マルチモード光ファイバーの例の断面図を示した略図である。 本発明の方法に使用するための大口径微細構造マルチモード光ファイバーの例(Crystal Fibre A/S[デンマーク]より市販されているもの)の断面図を示した略図である。 本発明に係る内視鏡の配置を示した図である。 本発明に係る光学生検針の配置を示した図である。 微細構造ファイバーMF1の出力部のビームプロフィールである:デジタルカメラ写真(図8A);強度分布(図8B); 断面のガウスフィット(図8C)。 MF1への平均パワー100 mWに対する、強度の自己相関(図9A)および出力パルスのスペクトル(図9B)を示した図である。 出力パルスの幅をファイバーに対するパワーの関数として示した図である:SMF(四角)、MF1(円)、およびMF2(三角)の3つの各ファイバーの測定値、ならびに各ファイバーの理論値(実線)。 パルスエネルギー3 nJに対する、入力パルス(灰色)およびMF2からの出力パルス(黒色)の干渉自己相関を示した図である。

Claims (61)

  1. 以下の段階を含む、レーザー照射源、光ファイバーおよび画像検出装置を含む画像生成装置により、標的の画像を生成する方法:
    レーザー照射源が、単一モードの様式で機能する少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して光学的照射の少なくとも1つの入力パルスを標的に誘導する段階であって、該少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの開口数が0.2以上であり、該少なくとも1つの入力パルスは標的の非線形活性化を引き起こし、該標的は非線形活性化に応じて少なくとも1つの非線形信号を放射する、段階;
    画像検出装置が、内部領域の画像を生成するのに有効な条件下で少なくとも1つの非線形信号を収集する段階;および
    画像生成装置が、光学的に非線形活性化された画像を生成する段階。
  2. 誘導が、大口径ステップインデックスファイバーである大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項1記載の方法。
  3. 誘導が、エア中のシリカロッドを含む大口径ステップインデックスファイバーを用いて実施される、請求項2記載の方法。
  4. 誘導が、ファイバーからの照射の出力パルスを送達するための焦点ボリュームを減少させるのに有効な焦点合わせ装置と末端で連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項1記載の方法。
  5. 誘導が、レンズまたはレンズシステムを含む焦点合わせ装置と末端で連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項4記載の方法。
  6. 誘導が、走査装置が照射の出力パルスの非線形活性化焦点ボリュームを走査することを可能にするのに有効な条件下で、走査装置と末端で連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施され、これにより、画像生成技術を用いて画像を生成することを可能にする、請求項1記載の方法。
  7. 画像生成技術が、レーザー走査撮像を含む、請求項6記載の方法。
  8. 少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーが、標的の表面と並置される、請求項1記載の方法。
  9. 活性化する段階の前に、少なくとも1つの光活性剤で標的が処理されている、請求項1記載の方法。
  10. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、レーザーにより生成される、請求項1記載の方法。
  11. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、モード同期レーザーであるレーザーにより生成される、請求項1記載の方法。
  12. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、約10〜約1,000フェムト秒のパルス幅である、請求項1記載の方法。
  13. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、負にプリチャープされる、請求項1記載の方法。
  14. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、分散補償法を用いて負にプリチャープされる、請求項13記載の方法。
  15. 分散補償法が、格子型前置補償器を用いて照射の少なくとも1つの入力パルスを回折格子対に2回通過させる段階を含む、請求項14記載の方法。
  16. 誘導が、内視鏡に連結されている少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項1記載の方法。
  17. 誘導が、大口径微細構造マルチモード光ファイバーの束である少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項1記載の方法。
  18. 少なくとも1つの非線形信号が、非線形多光子吸収過程で生成される蛍光、非線形散乱、および非線形多光子吸収過程で生成される非蛍光信号からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  19. 誘導が、照射の少なくとも1つの出力パルスを多光子顕微鏡に送達することを可能にするのに有効な条件下で多光子顕微鏡に連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項1記載の方法。
  20. 以下の段階を含む、レーザー照射源および光ファイバーを含む非線形光学信号検出装置により、標的からの少なくとも1つの非線形光学信号を検出する方法:
    レーザー照射源が、標的付近の先端で終結する、単一モードの様式で機能する少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して標的に光学的照射を行う段階であって、該照射が標的内の分子の非線形活性化を引き起こし、その結果として標的が少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端付近で少なくとも1つの非線形光学信号を放射し、該照射が単一モードの様式で機能する少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導することを含み、かつ、該少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの開口数が0.2以上である、段階;および
    非線形光学信号検出装置が、標的から放射される少なくとも1つの非線形信号を検出する段階。
  21. 照射が、大口径ステップインデックスファイバーである大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項20記載の方法。
  22. 照射が、エア中のシリカロッドを含む大口径ステップインデックスファイバーを用いて実施される、請求項21記載の方法。
  23. 照射が、大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施され、該大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端が焦点合わせ装置と末端で連結されており、該焦点合わせ装置がファイバーからの照射の出力パルスを送達するために焦点ボリュームを減少させるのに有効である、請求項20記載の方法。
  24. 照射が、大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施され、該大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端が、レンズまたはレンズシステムを含む焦点合わせ装置と末端で連結されている、請求項23記載の方法。
  25. 照射が、大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施され、該大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端が、走査装置が照射の出力パルスの非線形活性化焦点ボリュームを走査することを可能にするのに有効な条件下で、走査装置と末端で連結されており、これにより、画像生成技術を用いて標的の画像を生成することを可能にする、請求項20記載の方法。
  26. 画像生成技術が、レーザー走査撮像を含む、請求項25記載の方法。
  27. 照射が、内視鏡に連結されている少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項20記載の方法。
  28. 照射段階の前に、少なくとも1つの光活性剤で標的が処理されている、請求項20記載の方法。
  29. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、レーザーにより生成される、請求項20記載の方法。
  30. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、モード同期レーザーであるレーザーにより生成される、請求項29記載の方法。
  31. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、約10〜約1,000フェムト秒のパルス幅である、請求項20記載の方法。
  32. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、負にプリチャープされる、請求項20記載の方法。
  33. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、分散補償法を用いて負にプリチャープされる、請求項32記載の方法。
  34. 分散補償法が、格子型前置補償器を用いて照射の少なくとも1つの入力パルスを回折格子対に2回通過させる段階を含む、請求項33記載の方法。
  35. 以下の段階をさらに含む、請求項20記載の方法:
    照射段階の後に、標的における、標的または薬物の蛍光励起および発光スペクトルと、光度と、蛍光寿命と、時間的変動とを検出する段階。
  36. 標的が、照射光の第二高調波および第三高調波を生成する能力を有する、請求項20記載の方法。
  37. 照射が、照射の少なくとも1つの出力パルスを多光子顕微鏡に送達することを可能にするのに有効な条件下で多光子顕微鏡に連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項20記載の方法。
  38. 以下の段階を含む、レーザー照射源および光ファイバーを含む非線形活性化信号検出装置により、貫通可能な物体内で少なくとも1つの非線形活性化信号を検出および位置特定する方法:
    レーザー照射源が、貫通可能な物体の内部領域付近の先端で終結する、単一モードの様式で機能する少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して貫通可能な物体の内部領域に照射を行う段階であって、該照射が内部領域内の分子の非線形活性化を引き起こし、その結果として物体が少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端付近で少なくとも1つの非線形信号を放射し、該照射が単一モードの様式で機能する少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して照射の少なくとも1つの入力パルスを誘導することを含み、該少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの開口数が0.2以上である、段階;および
    非線形活性化信号検出装置が、物体から放射され、少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを介して伝播された少なくとも1つの非線形活性化信号を検出する段階。
  39. 照射が、大口径ステップインデックスファイバーである大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項38記載の方法。
  40. 照射が、エア中のシリカロッドを含む大口径ステップインデックスファイバーを用いて実施される、請求項39記載の方法。
  41. 照射が、大口径ステップインデックスファイバーを用いて実施され、該大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端が焦点合わせ装置と末端で連結されており、該焦点合わせ装置がファイバーからの照射の出力パルスを送達するために焦点ボリュームを減少させるのに有効である、請求項38記載の方法。
  42. 照射が、大口径ステップインデックスファイバーを用いて実施され、該大口径微細構造マルチモード光ファイバーの先端が焦点合わせ装置と末端で連結されており、該焦点合わせ装置がレンズまたはレンズシステムを含む、請求項41記載の方法。
  43. 照射が、走査装置が照射の出力パルスの非線形活性化焦点ボリュームを走査することを可能にするのに有効な条件下で、走査装置と末端で連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施され、これにより、画像生成技術を用いて内部領域の画像を生成することを可能にする、請求項38記載の方法。
  44. 画像生成技術が、レーザー走査撮像を含む、請求項43記載の方法。
  45. 少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーが、貫通可能な物体内に挿入される、請求項38記載の方法。
  46. 以下の段階をさらに含む、請求項38記載の方法:照射段階の後に貫通可能な物体の該領域の画像を生成する段階。
  47. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、レーザーにより生成される、請求項38記載の方法。
  48. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、モード同期レーザーであるレーザーにより生成される、請求項47記載の方法。
  49. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、約10〜約1,000フェムト秒のパルス幅である、請求項38記載の方法。
  50. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、負にプリチャープされる、請求項38記載の方法。
  51. 照射の少なくとも1つの入力パルスが、分散補償法を用いて負にプリチャープされる、請求項50記載の方法。
  52. 分散補償法が、格子型前置補償器を用いて照射の少なくとも1つの入力パルスを回折格子対に2回通過させる段階を含む、請求項51記載の方法。
  53. 少なくとも1つの非線形信号が、非線形多光子吸収過程で生成される蛍光、非線形散乱、および非線形多光子吸収過程で生成される非蛍光信号からなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  54. 照射が、照射の少なくとも1つの出力パルスを多光子顕微鏡に送達することを可能にするのに有効な条件下で多光子顕微鏡に連結されている大口径微細構造マルチモード光ファイバーを用いて実施される、請求項38記載の方法。
  55. 以下の段階をさらに含む、請求項38記載の方法:
    照射段階の後に、物体の内部領域における、物体または薬物の蛍光励起および発光スペクトルと、光度と、蛍光寿命と、時間的変動とを検出する段階。
  56. 貫通可能な物体が、非液状物質および液状物質からなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  57. 貫通可能な物体が、食品、天然ポリマー構造、合成ポリマー構造、多孔性媒質、および薬剤候補からなる群より選択される、請求項38記載の方法。
  58. 以下を含む、光ファイバー標的照射および非線形活性化光学信号収集システム:
    フェムト秒もしくはピコ秒パルスを含む光学出力を有するレーザー照射源;
    入力部で出力パルスを受け取るためにレーザーに光学的にカップリングされた、レーザーからの光学パルスに負の分散を印加する光学パルス分散前置補償装置;および
    入力部で負に分散したパルスを受け取るために分散前置補償装置の出力に光学的にカップリングされた、実質的に単一モードの様式でのみ機能し、0.2以上の開口数を有する少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーを含む光透過媒質であって、該少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーが標的の照射と標的からの非線形活性化光学信号の両方を伝播する、光透過媒質。
  59. 分散前置補償装置が、大口径微細構造マルチモード光ファイバーによって生じる正の分散の量に少なくとも等しい量の負の分散を生成するのに十分な距離だけ離れたマルチパス格子対を含む、請求項58記載のシステム。
  60. 少なくとも1つの大口径微細構造マルチモード光ファイバーの出力に光学的にカップリングした光学入力を有する顕微鏡をさらに含む、請求項58記載のシステム。
  61. 顕微鏡がレーザー走査多光子顕微鏡である、請求項60記載のシステム。
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