JP4821638B2 - 円筒状すべり軸受及びこの円筒状すべり軸受を使用した軸受装置 - Google Patents

円筒状すべり軸受及びこの円筒状すべり軸受を使用した軸受装置 Download PDF

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Description

本発明は、円筒状すべり軸受及びこの円筒状すべり軸受を使用した軸受装置に関し、詳しくは高荷重(高面圧)用途、例えば建設機械の各関節部の軸受装置に使用されて好適な円筒状すべり軸受及びこの円筒状すべり軸受を使用した軸受装置に関する。
特開平11−336763号公報 特開2004−225795号公報
建設機械等の掘削装置、例えば、図7に示す油圧ショベル1においては、旋回体2、ブーム3、アーム4及びバケット5は、夫々軸受装置6を介して相対的に回動し得る態様で連結されている。
アーム4とバケット5とを連結している軸受装置6では、図8に示すように、ボス7の内部にすべり軸受8が嵌着されており、すべり軸受8の両端部外周にはダストシール9が圧入固定されている。ボス7の両端部には夫々ブラケット10が設けられ、ボス7とブラケット10との隙間にはシム11が介在している。そして、この隙間の上端の外部にOリング12が装着されている。両端のブラケット10及びすべり軸受8の内周面を挿通して連結ピン13が挿入されている。連結ピン13は、連結ピン13とブラケット10とを貫通する回転係止ボルト14により、回転不能とされている。連結ピン13には、回転係止ボルト14の装着位置と反対側の連結ピン13の端面で開口し、該端面からすべり軸受8の略中央部に向けて伸び、すべり軸受8の内周面(摺動面)15に開口するグリース給脂孔16が配設されており、グリース給脂孔16の開口一端には封止栓16aが螺着されていると共にグリース給脂孔16の内部にはグリースGが充填されている。
上記した軸受装置6には、掘削作業時に極めて大きな荷重が作用するため、摺動面15にグリース給脂孔16から常時グリースGを供給しなければすべり軸受8に焼付き、かじり、あるいは偏摩耗を生じる虞がある。従って、頻繁に給脂を行わなければならないが、この給脂作業は必ずしも容易に実施できるわけではない。
新たなグリースGを給脂するためには、すべり軸受8の摺動面15の液状化した古いグリースをすべり軸受8外へ排出しなければならない。この給脂および排出は一般的に掘削作業が行われている現場で行われるが、排出された液状化グリースは現場の土壌表面に蒔き散らかされて廃棄されると、土壌汚染の問題を引き起こし、環境保護の観点から問題となる。
そこで、上記問題点を解決するべくすべり軸受8の摺動面へのグリースなどの潤滑剤の供給を、連結ピン13の外周面に配した固形のプラスチックグリースにて行わせるようにした技術(特許文献1参照)、あるいは連結ピン13とのすべり軸受8の摺動面15を凹凸形状に形成すると共に凹凸形状部に自己潤滑性を有する高分子材料の被膜を形成し、潤滑剤の供給量を低減させる技術(特許文献2参照)などが提案されている。
上記提案された技術は、すべり軸受8との連結ピン13の摺動面15へのグリースなどの潤滑剤の供給量を低減させることにより、給脂作業の煩雑さや環境保護の問題を解決しようとしたものであるが、完全に解決されたものとは言い難い。
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、すべり軸受とピンとの摺動面へのグリースなどの潤滑剤を供給することなく無給脂で長期間にわたり円滑な摺動を行わせることができる円筒状すべり軸受及びこの円筒状すべり軸受を使用した軸受装置を提供することにある。
本発明の円筒状すべり軸受では、径方向に積層された繊維織布強化熱硬化性合成樹脂からなる円筒状基体の内周面には、有機繊維又は無機繊維からなる少なくとも一層の織布を有していると共に該織布の繊維組織間隙に四ふっ化エチレン樹脂と熱硬化性合成樹脂との混合物を充填してなる摺動面材が一体に接合されており、該摺動面材には、該摺動面材の表面で開口する少なくとも一つの環状凹溝が形成されており、該環状凹溝を規定する摺動面材の壁面には、該織布の毛羽立ちが形成されており、該環状凹溝には、四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%とワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含む固体潤滑剤が充填されており、該固体潤滑剤は、該毛羽立ちを介して該環状凹溝を規定する摺動面材の壁面に保持されている。
本発明の円筒状すべり軸受によれば、摺動面材の織布の繊維組織間隙には、混合された四ふっ化エチレン樹脂と熱硬化性合成樹脂とが充填されており、かつ摺動面材に形成された環状凹溝には、織布の毛羽立ちを介して四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%とワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含む固体潤滑剤が充填されているため、相手材(軸など)との摺動において低摩擦性が発揮され、摺動面にグリースなどの潤滑剤を介在させることなく長期にわたって低摩擦性及び耐摩耗性が維持される上に、環状凹溝に充填された固体潤滑剤には織布の毛羽立ちが食い込んで該環状凹溝と固体潤滑剤との結合力が高められている結果、該固体潤滑剤の凹溝からの抜け出し等の不具合を生じることはない。
摺動面材は、有機繊維又は無機繊維からなる織布25〜35重量%と熱硬化性合成樹脂30〜45重量%と四ふっ化エチレン樹脂25〜35重量%とを含んでいるとよく、この場合には、織布を形成する有機繊維又は無機繊維の繊維組織間隙に熱硬化性合成樹脂と四ふっ化エチレン樹脂との混合物が比較的多く充填されることになるので、摺動面材の環状凹溝に充填保持された固体潤滑剤と相俟って低摩擦性及び耐摩耗性を長期にわたって維持することができる。そして、織布に含浸される熱硬化性合成樹脂と四ふっ化エチレン樹脂との配合割合は、摺動面材としての摩擦摩耗特性の観点から決定され、熱硬化性合成樹脂の配合割合が30重量%未満では摺動面材としての接合強度が充分でなく、また45重量%を超えて配合すると同時に配合される四ふっ化エチレン樹脂の低摩擦性を損う虞がある。また四ふっ化エチレン樹脂は摺動面材に低摩擦性を付与するものであるが、配合割合が25重量%未満では摺動面材に充分な低摩擦性を付与し難く、また35重量%を超えて配合すると、熱硬化性合成樹脂の具有する接合性を低下させ、結果として摺動面材の剥離を惹起させる虞がある。
有機繊維は、綿繊維及びアラミド繊維のうちの少なくとも一方の繊維を含んでいるとよく、また無機繊維は、炭素繊維を含んでいるとよい。
これら有機繊維及び無機繊維は、摺動面材の骨格をなす織布を形成するものである。そして、織布の織物組織は特に限定されるものではなく、平織、斜文織、朱子織などいずれであってもよい。
熱硬化性合成樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一つ樹脂を含んでいるとよい。
これら熱硬化性合成樹脂は、摺動面材を形成するにあたり、骨格をなす織布に充填されてプリプレグを形成するものであり、とくに接合強度の高いエポキシ樹脂が好ましく使用される。
環状凹溝は、軸方向に沿って所定間隔を保持して形成された無端状凹溝又は摺動面材の一方の端部から他方の端部に向けて所定間隔を保持して形成された螺旋状凹溝であるとよい。
無端状凹溝又は螺旋状凹溝は、主に固体潤滑剤を保持するものであり、これら凹溝の幅は、例えば1乃至2mm程度の狭い幅であることが好ましい。無端状凹溝又は螺旋状凹溝の幅が広いと該凹溝に充填保持された固体潤滑剤の表面に収縮に起因するヒケを生じる虞があり、摺動面材の表面(摺動面)への固体潤滑剤の供給を妨げることになる。
固体潤滑剤は、更にリン酸塩を0.5〜3重量%の割合で含有してもよい。
リン酸塩は、それ自体では潤滑性を示さないが、摺動面材と相手材(軸等)との摺動において、相手材表面に固体潤滑剤被膜の造膜性を助長する役割を果たし、摩擦摩耗特性を向上させる。
本発明の軸受装置は、軸方向に伸びた軸受嵌合孔を有するボス部材と、該ボス部材の軸受嵌合孔に嵌合固定された上述の円筒状すべり軸受と、該円筒状すべり軸受に挿通された連結ピンと、ボス部材の軸方向の両端面側に配設されていると共に連結ピンの両側を支持するブラケットとを具備しており、ここで、ボス部材は円筒状すべり軸受を介して該ブラケットに対し相対回転可能となっている。
本発明の軸受装置によれば、連結ピンと摺動する円筒状すべり軸受の内周側の摺動面材には当該摺動面材の表面で開口して少なくとも一つの環状凹溝が形成されおり、この環状凹溝には四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%と炭化水素系ワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とからなる固体潤滑剤が強固に充填保持されているので、該連結ピンと円筒状すべり軸受の摺動面となる内周側の表面にグリースなどの潤滑剤を供給することなく無給脂での摺動が可能となり、給脂作業の煩雑さや環境保護の問題を解決することができる。
本発明によれば、摺動面材の織布の繊維組織間隙には、混合された四ふっ化エチレン樹脂と熱硬化性合成樹脂とが充填されており、かつ摺動面材に形成された環状凹溝には、織布の毛羽立ちを介して四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%とワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含む固体潤滑剤が充填されているため、相手材(軸など)との摺動において低摩擦性が発揮され、摺動面にグリースなどの潤滑剤を介在させることなく長期にわたって低摩擦性及び耐摩耗性が維持される上に、環状凹溝に充填された固体潤滑剤には織布の毛羽立ちが食い込んで該環状凹溝と固体潤滑剤との結合力が高められている結果、該固体潤滑剤の凹溝からの抜け出し等の不具合を生じることはない円筒状すべり軸受及びこの円筒状すべり軸受を使用した軸受装置を提供することができる。
次に本発明及びその実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図3において、円筒状すべり軸受17は、径方向に積層された繊維織布強化熱硬化性合成樹脂の積層体からなる円筒状基体18と、円筒状基体18の内周面に一体に接合された有機繊維又は無機繊維からなると共に繊維組織間隙に四ふっ化エチレン樹脂と熱硬化性合成樹脂との混合物を充填してなる織布からなる摺動面材19と、摺動面材19に軸方向に沿って所定の間隔を保持して形成されている共に回転自在に支持する相手材に対する摺動面となる摺動面材19の円筒状の表面20で開口する環状凹溝としての複数個の無端状凹溝21と、無端状凹溝21を規定する摺動面材19の互いに対面する一対の側壁面22に形成された織布の毛羽立ち23と、無端状凹溝21に充填されて毛羽立ち23を介して一対の側壁面22に保持された固体潤滑剤24とからなる。
本例では、環状凹溝として無端状凹溝21を示したが、無端状凹溝21に代えて摺動面材19の一方の環状の端部50から他方の環状の端部51に向かって所定間隔(ピッチ)を保持して形成された螺旋状凹溝であってもよい。
円筒状基体18を形成するプリプレグ(樹脂加工基材)は、次のようにして作製される。図4に示す製造装置において、アンコイラ25に巻かれた繊維織布からなる補強基材26は、送りローラ27によって熱硬化性合成樹脂ワニス28を貯えた容器29に送られ、容器29内に設けられた案内ローラ30及び31によって容器29内に貯えられた熱硬化性合成樹脂ワニス28内を通過せしめられることにより、補強基材26の表面に熱硬化性合成樹脂ワニス28が塗工される。ついで、熱硬化性合成樹脂ワニス28が塗工された補強基材26は送りローラ32によって圧縮ロール33及び34に送られ、圧縮ロール33及び34によって補強基材26の表面に塗工された熱硬化性合成樹脂ワニス28が繊維組織間隙にまで含浸せしめられる。そして、熱硬化性合成樹脂ワニス28が含浸塗布された補強基材26に対して乾燥炉35内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応が進められ、これにより成形可能なプレプレグ(樹脂加工基材)36が作製される。
補強基材26に用いられる繊維織布としては、綿布、ガラス繊維布、炭素繊維布などが好適である。また、熱硬化性合成樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが好適であり、これら熱硬化性合成樹脂の揮発性溶剤としては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど使用する熱硬化性合成樹脂によって適宜選択される。そして、熱硬化性合成樹脂を揮発性溶剤に溶かして形成される熱硬化性合成樹脂ワニスの固形分は、おおむね30〜65重量%であり、樹脂ワニスの粘度は、おおむね800〜5000cP、就中1000〜4000cPが好ましい。
摺動面材19は、円筒状基体18を形成するプリプレグ36の製造方法で使用した図4に示す製造装置と同様の製造装置によって同様の製造方法によって作製される。すなわち、アンコイラ25に巻かれた有機繊維又は無機繊維からなる織布37は、送りローラ27によって四ふっ化エチレン樹脂粉末と熱硬化性合成樹脂ワニスとの混合液38を貯えた容器29に送られ、容器29内に設けられた案内ローラ30及び31によって容器29内に貯えられた混合液38内を通過せしめられることにより、織布37の表面に混合液38が塗工される。ついで、混合液38が塗工された織布37は送りローラ32によって圧縮ロール33及び34に送られ、圧縮ロール33及び34によって織布37の表面に塗工された混合液38が繊維組織間隙にまで含浸せしめられる。そして、混合液38が含浸塗布された織布37に対して乾燥炉35内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応が進められ、これにより成形可能なプレプレグ(樹脂加工基材)39が作製される。
摺動面材19に用いられる織布としては、綿繊維、アラミド繊維などの有機繊維からなる織布又は炭素繊維などの無機繊維からなる織布が好適である。とくに、有機繊維としてアラミド繊維を使用する場合は、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維が好ましい。そして、これら繊維からなる織布の織物組織は、特に限定されるものではなく、平織、斜文織、朱子織などいずれであってもよい。
熱硬化性合成樹脂としては、前記した熱硬化性合成樹脂と同様のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが好適であり、これら熱硬化性合成樹脂の揮発性溶剤としては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど使用する熱硬化性合成樹脂によって適宜選択される。
四ふっ化エチレン樹脂は、成形用又は固体潤滑用の粉末が使用されるが、上記熱硬化性合成樹脂との混合により、熱硬化性合成樹脂への均一分散性の観点からは固体潤滑用の粉末が好ましく、その平均粒径はおおよそ1〜50μm、好ましくは1〜30μmである。このような四ふっ化エチレン樹脂の具体例としては、三井・デュポンフロロケミカル社製の「テフロン(登録商標)7J、TLP−10(いずれも商品名)」、旭硝子社製の「フルオンG163(商品名)」、ダイキン工業社製の「ポリフロンM15、ルブロンL5(いずれも商品名)」、喜多村社製の「KTL610、KTL350、KTL8N(いずれも商品名)」などが挙げられる。
そして、摺動面材19を形成する織布と熱硬化性合成樹脂と四ふっ化エチレン樹脂との割合は、織布25〜35重量%、熱硬化性合成樹脂30〜45重量%及び四ふっ化エチレン樹脂25〜35重量%が好ましい範囲である。この割合において、織布に含浸塗着される熱硬化性合成樹脂と四ふっ化エチレン樹脂との配合割合は、摺動面材19としての摩擦摩耗特性の観点から決定される。熱硬化性合成樹脂の配合割合が30重量%未満では摺動面材19としての接合強度が充分でなく、また45重量%を超えて配合すると同時に配合される四ふっ化エチレン樹脂の低摩擦性を損う虞がある。また、四ふっ化エチレン樹脂は摺動面材19に低摩擦性を付与するものであるが、配合割合が25重量%未満では摺動面材19に充分な低摩擦性を付与し難く、また35重量%を超えて配合すると、熱硬化性合成樹脂の具有する接合性を低下させ、結果として摺動面材19の剥離を惹起させる虞がある。
円筒状基体18を形成するプリプレグ36と摺動面材19を形成するプリプレグ39とは、ロールド成形により一体に接合される。本発明においてロールド成形とは、図5に示す成形装置において、通常二本の加熱ローラ40と一本の加圧ローラ41を夫々が三角形の頂点に位置するように配し、その真ん中に芯型42を置いて、この芯型42にプリプレグ(樹脂加工基材)を巻き付け、該芯型42を一定方向に駆動回転させ、前記三本のローラ40及び41によって加熱、加圧しながら円筒状の積層体を得る成形方法をいう。
図5に示す成形装置において、予め120〜200℃の温度に加熱された芯型42の外周面に、所定の幅に切断した摺動面材19を形成するプリプレグ(樹脂加工基材)39を3乃至5周巻き付けた後、その外周に所定の幅に切断した円筒状基体18を形成するプリプレグ(樹脂加工基材)36を基材巻きローラ43より120〜200℃に加熱された加熱ローラ40を介して供給し、プリプレグ39と巻き方向を同じにして20〜60kgf/cmの圧力を掛けて加圧ローラ41で所望の厚さ(直径)まで巻き付けてロールド成形し、斯く成形された円筒状の積層体を芯型42に保持した状態で120〜180℃の雰囲気温度に調整された加熱炉で加熱硬化せしめたのち冷却し、芯型42を抜き取り、内面に摺動面材19を一体に接合した円筒状基体18からなる円筒状すべり軸受素材44を成形する。
ついで、このように作製された円筒状すべり軸受素材44の摺動面材19に機械加工により摺動面材19の表面20で開口する軸方向に沿って所定間隔を保持した複数個の無端状凹溝21を形成する。無端状凹溝21の幅は、例えば1乃至2mm程度の狭い幅であることが好ましい。無端状凹溝21は、後述する固体潤滑剤を充填保持するものであり、無端状凹溝21の幅が広いと該無端状凹溝21に充填保持された固体潤滑剤の表面に収縮に起因するヒケを生じる虞があり、摺動面材19の表面(摺動面)20への固体潤滑剤の供給を妨げることになる。機械加工によって形成された無端状凹溝21の各壁面22には、摺動面材19を形成する有機繊維又は無機繊維の織布の毛羽立ち23が形成される。この織布の毛羽立ち23は、無端状凹溝21に充填される固体潤滑剤24に食い込み、固体潤滑剤24を無端状凹溝21に強固に保持すると共に固体潤滑剤24の無端状凹溝21からの抜け出しを阻止する役割を果たす。
摺動面材19に摺動面材19の表面20で開口して形成された複数個の無端状凹溝21に充填保持される固体潤滑剤24は、四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%とワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と常温硬化型エポキシ樹脂40〜55重量%とを含んでいる。
固体潤滑剤24において、常温硬化型エポキシ樹脂は、固体潤滑剤24を無端状凹溝21における摺動面材19の壁面22に接合させる接合剤の役割を担うものである。この常温硬化型エポキシ樹脂の配合量が40重量%未満では上記接合剤としての役割が充分発揮されず、また55重量%を超えて配合すると、当該エポキシ樹脂の接合剤としての役割は高まる反面、固体潤滑剤の表面に露出する割合が多くなりすぎ、後述する四ふっ化エチレン樹脂、ワックス、液状オイル及び芳香族ポリアミド樹脂の効果を失わせることになる。したがって、常温硬化型エポキシ樹脂の配合量は40〜55重量%、好ましくは45〜50重量%である。
四ふっ化エチレン樹脂は、固体潤滑剤に低摩擦性を付与するものである。この四ふっ化エチレン樹脂の配合量が10重量%未満では、固体潤滑剤への低摩擦性の付与が充分でなく、また30重量%を超えて配合すると固体潤滑剤の表面に露出する割合が多くなり、固体潤滑剤の耐摩耗性を低下させる。したがって、四ふっ化エチレン樹脂の配合量は10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。そして、四ふっ化エチレン樹脂としては、前述した四ふっ化エチレン樹脂と同様の成形用又は固体潤滑用の粉末が使用される。
ワックスは、固体潤滑剤に上記四ふっ化エチレン樹脂と共に低摩擦性を付与すると共に、後述する液状オイルを吸収保持する保持体としての役割も発揮する。ワックスとしては、炭素数がおおむね24以上のパラフィン系ワックス、炭素数がおおむね26以上のオレフィン系ワックス、炭素数がおおむね28以上のアルキルベンゼン及びマイクロクリスタリンワックスのうちの少なくとも一つから選択される。具体的には、日本精蝋社製のパラフィンワックス「150(商品名)」、マイクロクリスタリンワックス「Hi−Mic−1080(商品名)」、クラリアントジャパン社製のポリエチレンワックス「リコワックスPE520(商品名)」、日興ファインプロダクツ社製のポリエチレンワックスとパラフィンワックスとの混合物「ゴデスワックス(商品名)」等が挙げられる。そして、ワックスの配合量は、5〜20重量%、好ましくは10〜20重量%である。配合量が10重量%未満では、固体潤滑剤に低摩擦性を充分付与し得ず、また20重量%を超えて配合すると無端状凹溝21を規定する摺動面材19の壁面22への固体潤滑剤の接合力を低下させる虞がある。
液状オイルは、固体潤滑剤の低摩擦性に寄与するものであり、その潤滑形態としては、円筒状すべり軸受と相手材との摺動時に発生する摩擦熱により固体潤滑剤から摺動面にスムーズに供給され、摺動面に介在して低摩擦性を与えるものである。液状オイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル等の炭化水素系鉱油、ポリ−α−オレフィン、ポリブテン等の炭化水素系合成油が挙げられる。具体的には、出光興産社製のパラフィン系オイル「ダイアナプロセスオイルPW(商品名)」、三井化学社製のポリ−α−オレフィン「ルーカント(商品名)」、日本油脂社製のポリブテン「NAソルベント(商品名)」等が挙げられる。そして、液状オイルの配合量は、前記ワックスに吸収保持されることから比較的多量の配合が可能であり、5〜15重量%、好ましくは5〜10重量%である。配合量が5重量%未満では、固体潤滑剤への低摩擦性の付与が充分でなく、また15重量%を超えて配合すると、無端状凹溝21への充填時に流出(ブリードアウト)すると共に固体潤滑剤の保形性を低下させる虞がある。
芳香族ポリアミド樹脂粉末は、固体潤滑剤に耐摩耗性を付与する効果がある。芳香族ポリアミド樹脂粉末としては、メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとを縮合重合して得られるメタフェニレンイソフタルアミドの粉末であり、具体的には、帝人社製の「コーネックス」等が挙げられる。そして、芳香族ポリアミド樹脂粉末の配合量は、5〜15重量%、好ましくは5〜10重量%である。配合量が5重量%未満では、固体潤滑剤に耐摩耗性を充分付与することができず、また配合量が15重量%を超えると、固体潤滑剤の低摩擦性を損なうばかりでなく固体潤滑剤の流動性を損ない、無端状凹溝21への充填作業を悪化させる虞がある。
上記した四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%とワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と常温硬化型エポキシ樹脂40〜55重量%とを含む固体潤滑剤に対し、更にリン酸塩を含有させることができる。リン酸塩は、それ自体では潤滑性を示さないが、固体潤滑剤が充填保持された円筒状すべり軸受の摺動面材と相手材(軸等)との摺動において、相手材表面に固体潤滑剤被膜の造膜性を助長する役割を果たす。リン酸塩としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の第三金属塩、第二金属塩、ピロリン酸塩、亜リン酸塩又はメタリン酸塩が挙げられる。具体的には、リン酸三カルシウム、リン酸水素二リチウム、ピロリン酸リチウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、メタリン酸リチウム、メタリン酸マグネシウム、メタリン酸カルシウムなどである。このリン酸塩の配合量は、0.5〜3重量%、好ましくは1〜1.5重量%である。配合量が0.5重量%未満では、上記役割が充分発揮されず、また3重量%を超えて配合すると相手材表面への固体潤滑剤の被膜の移着量が過多となって却って被膜の耐摩耗性を低下させることになる。
上記した成分組成を有する固体潤滑剤は、各成分の所定量をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル、タンブラー等の混合機に投入し、混合して混合物を得た後、得られた混合物を成分中のワックスが溶融する温度で溶融混練して混練物の形態とされる。この混練物は、摺動面材19の表面20で開口する無端状凹溝21に、無端状凹溝21の壁面22に形成された織布の毛羽立ち23を介して充填され、この状態で所定時間保持されることにより、混練物は無端状凹溝21内で固化し、固体潤滑剤24として無端状凹溝21内に保持される。無端状凹溝21内に保持された固体潤滑剤24には、無端状凹溝21の各壁面22に形成された織布の毛羽立ち23が食い込んでいるので、固体潤滑剤24は無端状凹溝21に強固に保持されると共に固体潤滑剤24の無端状凹溝21からの抜け出しはない。
円筒状すべり軸受17を使用した図6に示す軸受装置45は、軸方向に軸受嵌合孔46を有するボス部材47と、ボス部材47に挿通される連結ピン48と、ボス部材47の軸方向の両端面側に配設され、連結ピン48の両側を支持するブラケット49とを具備しており、ボス部材47の軸受嵌合孔46に円筒状すべり軸受17が嵌合固定されており、連結ピン48は、連結ピン48とブラケット49とを貫通する回転係止ボルト14によりブラケット49に対して回転不能とされており、ボス部材47は円筒状すべり軸受17を介して連結ピン48及びブラケット49に対し相対回転可能となっている。
軸受装置45において、連結ピン48と摺動する円筒状すべり軸受17の内面の摺動面材19には、摺動面材19の表面20に開口して軸方向に沿って複数個の無端状凹溝21が形成されており、各無端状凹溝21には、無端状凹溝21の壁面22に形成された織布の毛羽立ち23を介して四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%と炭化水素系ワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とからなる固体潤滑剤24が強固に充填保持されているので、連結ピン48と円筒状すべり軸受17の内面の摺動面にグリースなどの潤滑剤を供給することなく無給脂での摺動が可能となり、図8に示すグリース給脂孔16及びグリース給脂孔16に充填されたグリースGを省略することができ、給脂作業の煩雑さや環境保護の問題を解決することができる。図6に示す軸受装置45においても、図8に示すダストシール9、シム11及びOリング12はそのまま使用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔円筒状すべり軸受素材の作製〕
強化繊維織布として平織綿布を準備し、図に示す製造装置を使用して、該綿布を送りローラ27にて、樹脂固形分64.5重量%のフェノール樹脂ワニスを貯えた容器29内を通過させ、該綿布の表面にフェノール樹脂ワニスを塗工し、圧縮ロール33及び34によって綿布の表面に塗工されたフェノール樹脂ワニスを繊維組織間隙にまで含浸せしめた後、乾燥炉35内で溶剤を逸散させると同時に樹脂の反応を進め円筒状基体用のプリプレグ(樹脂加工綿布)を得た。
織布として、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維(帝人社製の「テクノーラ(商品名)」)を平織したアラミド繊維織布を準備し、図4に示す製造装置を使用して、該アラミド繊維織布を送りローラ27にてエポキシ樹脂と四ふっ化エチレン樹脂(ダイキン工業社製の「ルブロンL5(商品名)」)との混合樹脂ワニスを貯えた容器29内を通過させて、該アラミド繊維織布の表面に混合樹脂ワニスを塗工し、圧縮ロール33及び34によってアラミド繊維織布の表面に塗工された混合樹脂ワニスを繊維組織間隙にまで含浸せしめたのち、乾燥炉35内で溶剤を飛ばすと同時に樹脂の反応を進め、アラミド繊維織布30重量%とエポキシ樹脂39重量%と四ふっ化エチレン樹脂31重量%とからなる摺動面材用のプレプレグ(樹脂加工アラミド繊維織布)を得た。
図5に示す成形装置を使用して、予め150℃の温度に加熱した外径が60mmの芯型42の外周面に前記摺動面材用のプリプレグを5周巻き付けた後、その外周に前記円筒状基体用のプレプレグを基材巻きローラ43より予め150℃の温度に加熱した加熱ローラ40を介して供給し、摺動面材用のプリプレグと巻き方向を同じにして50kgf/cmの圧力を掛けて加圧ローラ41で10周巻き付けてロールド成形を行った。ついで、積層体を芯型42に保持した状態で150℃の雰囲気温度に調整した加熱炉で加熱硬化せしめたのち冷却し、芯型42を抜き取り、内面に摺動面材19を一体に接合した円筒状基体18からなる円筒状すべり軸受素材を5個作製した。円筒状すべり軸受素材は、外径75mm、内径60mm、長さ60mm、摺動面材19の肉厚2.5mm、円筒状基体18の肉厚5mmであった。
ついで、5個の円筒状すべり軸受素材の内面の摺動面材19に機械加工により、幅1mm、深さ1mmの無端状凹溝21を軸方向に沿って7本形成した円筒状すべり軸受素材を2個、摺動面材19の一方の端部から他方の端部に向けて幅1mm、深さ1mmの螺旋状凹溝を形成した円筒状すべり軸受素材を3個作製した。これら無端状凹溝21及び螺旋状凹溝の壁面には、夫々織布(アラミド繊維織布)の毛羽立ちが観察された。
〔固体潤滑剤の作製〕
常温硬化型エポキシ樹脂(常温硬化型の二液性エポキシ樹脂:レジナス化成社製「レジナスボンド(商品名)」)47.5〜55重量%と、四ふっ化エチレン樹脂として旭硝子社製の高分子量四ふっ化エチレン樹脂「フルオンG163(商品名)」15〜25重量%と、ワックスとして日興ファインプロダクツ社製の「ゴデスワックス(商品名)」10〜20重量%と、液状オイルとして出光興産社製のパラフィン系オイル「ダイアナプロセスオイルPW−90(商品名)」及び「同PW−380」の合量5〜8重量%と、芳香族ポリアミド樹脂粉末として帝人社製の「コーネックス(商品名)」5〜8重量%とを混合して固体潤滑剤を、更にこれら成分組成にリン酸塩としてピロリン酸カルシウム1.5重量%配合し混合して固体潤滑剤を作製した。
実施例1〜5
上記円筒状すべり軸受素材の摺動面材に形成された無端状凹溝及び螺旋状凹溝に織布の毛羽立ちを介して固体潤滑剤を充填し、室温に放置して固体潤滑剤中の常温硬化型エポキシ樹脂を硬化させ、無端状凹溝及び螺旋状凹溝に固体潤滑剤が強固に保持された円筒状すべり軸受を作製した。
Figure 0004821638
Figure 0004821638
次に、上記実施例1〜5からなる円筒状すべり軸受について、表3に示す試験条件により摩擦摩耗性能を試験した。試験結果を表4に示す。
(表3)
面圧 59MPa(600kgf/cm
速度 0.47m/min
揺動角度 90°(摺動サイクル5cpm)
試験時間 55時間(トータル摺動サイクル16,500サイクル)
潤滑 無潤滑
相手材 SCM440高周波焼入れ
Figure 0004821638
以上の試験結果から明らかなように、実施例1〜5の円筒状すべり軸受は、高荷重(高面圧)条件下であって、摺動面にグリースなどの潤滑剤を供給することなく無潤滑条件において、優れた摩擦摩耗特性を示した。また試験結果から、相手材との摺動によって生じる摩擦熱により、固体潤滑剤の成分中の液状オイルが摺動面に供給されているのが確認され、この摺動面に供給された液状オイルを介しての摺動に移行することにより低摩擦性を発揮したものと推察される。さらに、試験後の摺動面を観察したところ、高荷重(高面圧)条件にもかかわらず、固体潤滑剤の無端状凹溝及び螺旋状凹溝からの脱落、欠損等の不具合は生じていないことを確認した。
上記した高荷重(高面圧)条件は、油圧ショベルなどの建設機械における関節部の軸受に作用する荷重に相当し、この条件において、しかも摺動面にグリースなどの潤滑剤を供給することなく無潤滑条件において優れた摩擦摩耗特性を発揮したことは、本発明の円筒状すべり軸受は上記建設機械における関節部の軸受として充分機能することである。
本発明の円筒状すべり軸受の一例の斜視図である。 図1の例の断面図である。 環状凹溝の拡大断面図である。 図1に示す例の円筒状基体の製造工程を示す説明図である。 図1に示す例の製造工程を示す説明図である。 本発明の軸受装置の一例を示す断面図である。 建設機械の油圧ショベルを示す説明図である。 従来の軸受装置を示す断面図である。
符号の説明
17 円筒状すべり軸受
18 円筒状基体
19 摺動面材
21 無端状凹溝
23 毛羽立ち
24 固体潤滑剤

Claims (7)

  1. 径方向に積層された繊維織布強化熱硬化性合成樹脂からなる円筒状基体の内周面には、有機繊維又は無機繊維からなる少なくとも一層の織布を有していると共に該織布の繊維組織間隙に四ふっ化エチレン樹脂と熱硬化性合成樹脂との混合物を充填してなる摺動面材が一体に接合されており、該摺動面材には、回転自在に支持する相手材に対する摺動面となる該摺動面材の円筒状の表面で開口する少なくとも一つの環状凹溝が形成されており、該環状凹溝を規定する摺動面材の互いに対面する一対の側壁面には、該織布の毛羽立ちが形成されており、該環状凹溝には、四ふっ化エチレン樹脂10〜30重量%とワックス10〜25重量%と液状オイル5〜15重量%と芳香族ポリアミド樹脂粉末5〜15重量%と残部常温硬化型エポキシ樹脂とを含む固体潤滑剤が充填されており、該固体潤滑剤は、該毛羽立ちを介して該環状凹溝を規定する摺動面材の該一対の側壁面に保持されており、該環状凹溝は、軸方向に沿って互いに所定間隔を保持して摺動面材に形成された複数の無端状凹溝又は摺動面材の軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて所定間隔を保持して形成された螺旋状凹溝であることを特徴とする円筒状すべり軸受。
  2. 摺動面材は、有機繊維又は無機繊維からなる織布25〜35重量%と熱硬化性合成樹脂30〜45重量%と四ふっ化エチレン樹脂25〜35重量%とを含んでいる請求項1に記載の円筒状すべり軸受。
  3. 有機繊維は、綿繊維及びアラミド繊維のうちの少なくとも一方の繊維を含んでいる請求項1又は2に記載の円筒状すべり軸受。
  4. 無機繊維は、炭素繊維を含んでいる請求項1から3のいずれか一項に記載の円筒状すべり軸受。
  5. 熱硬化性合成樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のうちの少なくとも一つの樹脂を含んでいる請求項1から4のいずれか一項に記載の円筒状すべり軸受。
  6. 固体潤滑剤には、更にリン酸塩が0.5〜3重量%の割合で含有されている請求項1から5のいずれか一項に記載の円筒状すべり軸受。
  7. 軸方向に伸びた軸受嵌合孔を有するボス部材と、該ボス部材の軸受嵌合孔に嵌合固定された請求項1から6のいずれか一項に記載の円筒状すべり軸受と、該円筒状すべり軸受に挿通された連結ピンと、ボス部材の軸方向の両端面側に配設されていると共に連結ピンの両側を支持するブラケットとを具備しており、ボス部材は円筒状すべり軸受を介して該ブラケットに対し相対回転可能となっている軸受装置。
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