JP4820970B2 - 硫黄成形体用型枠、及び硫黄成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材を冷却固化させて硫黄固化体を成形するための型枠、及びこの型枠を用いて硫黄固化体を成形する製造方法に関する。なお、以下において、硫黄成形体と表記した場合は、硫黄固化体を意味するものとする。
一般に、土木用、建設用の資材として、骨材をセメントで結合させたコンクリートが用いられている。これに対して、近年、常温では固体でありおよそ119℃〜159℃に加熱されると溶融するという硫黄の性質に着目し、この硫黄に所定の試料を配合して、土木用、建設用の資材の一つとして利用することが試みられている。上記硫黄を使用した硫黄含有資材は、セメントを使用する通常のコンクリートに比べて高強度で遮水性に優れ、かつ耐酸性の高い材料として知られている。そして、硫黄含有資材は、通常のコンクリートと仕上がりや取り扱いが見かけ上類似していることから、固化したものは硫黄コンクリート又は硫黄固化体と呼ばれることがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、硫黄は着火性を有しており危険物扱いであるので、現場で溶融し打設固化して施工することが困難である。このような状況を改善するために、溶融硫黄に添加剤として硫黄改質剤を混合してその硫黄を変性し、改質硫黄を製造することが試みられている。また、この改質硫黄と微粉末とを混合して溶融状態の改質硫黄中間資材を製造すること、及び、この改質硫黄中間資材と骨材とを混合しこれを固化させて改質硫黄固化体を製造することが試みられている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−160693号公報 特開2005−82475号公報
そして、上述のような溶融状態の硫黄含有資材(又は改質硫黄中間資材)を冷却固化させて硫黄固化体(又は改質硫黄固化体)を成形するには、所定の形状をした型枠内に上記硫黄含有資材を流し込んで冷却固化させていた。
しかし、溶融状態の硫黄含有資材は、硫黄の固化温度(約119℃)を下回った時点で固化し始めて、通常のコンクリート以上の高強度まで固化する。従来、溶融状態の硫黄含有資材が固化する際には、型枠内に流し込まれたときにその型枠と接した部分が急激に冷やされるために、型枠を外した脱型後の硫黄固化体の表面に荒れを生じるなどの問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材の急冷を防止して、硫黄固化体の表面に荒れが生じにくい硫黄成形体用型枠、及び硫黄成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明による硫黄成形体用型枠は、底板部及びこの底板部の周縁に立設された側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材を冷却固化させて硫黄固化体を成形する型枠であって、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を加熱し、上記キャビティー内に流し込まれた硫黄含有資材の急冷を防止するようにしたものである。
このような構成により、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を加熱し、キャビティー内に流し込まれた硫黄含有資材の急冷を防止する。
また、上記底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を加熱するようにしてもよい。これにより、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を加熱する。
さらに、上記蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面には、断熱材層を設けてもよい。これにより、蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面に設けられた断熱材層によって、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部の温度低下を抑える。
次に、第2の発明による硫黄成形体の製造方法は、底板部及びこの底板部の周縁に立設された側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設けた型枠の該蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させ、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を予備加熱するステップと、上記型枠の底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に溶融状態の硫黄含有資材を流し込むステップと、上記蒸気室内に供給する蒸気を徐々に少なくし、又は止めて上記キャビティー内の硫黄含有資材を徐冷するステップと、上記キャビティー内の硫黄含有資材が冷却固化して成形された硫黄固化体を上記型枠から取り出すステップと、を行うものである。
このような方法により、底板部及びこの底板部の周縁に立設された側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設けた型枠の該蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させ、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を予備加熱し、上記型枠の底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に溶融状態の硫黄含有資材を流し込み、上記蒸気室内に供給する蒸気を徐々に少なくし、又は止めて上記キャビティー内の硫黄含有資材を徐冷し、上記キャビティー内の硫黄含有資材が冷却固化して成形された硫黄固化体を上記型枠から取り出すことで、硫黄固化体を製造する。
また、上記底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を予備加熱してもよい。これにより、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を予備加熱する。
さらに、上記蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面には、断熱材層を設け設けてもよい。これにより、蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面に設けられた断熱材層によって、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部の温度低下を抑える。
請求項1に係る発明によれば、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を加熱し、キャビティー内に流し込まれた硫黄含有資材の急冷を防止することができる。また、常に蒸気室内の蒸気を入れ替えることで、少なくとも底板部の内側部材を高温に加熱することができる。これにより、底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材の急冷を防止して、硫黄固化体の表面の荒れを低減することができる。なお、本発明による型枠は、電気ヒータを用いないので、製油所などにおける防爆仕様に合致するものである。
また、請求項4に係る発明によれば、底板部及びこの底板部の周縁に立設された側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設けた型枠の該蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させ、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を予備加熱し、上記型枠の底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に溶融状態の硫黄含有資材を流し込み、上記蒸気室内に供給する蒸気を徐々に少なくし、又は止めて上記キャビティー内の硫黄含有資材を徐冷し、上記キャビティー内の硫黄含有資材が冷却固化して成形された硫黄固化体を上記型枠から取り出すことで、硫黄固化体を製造することができる。これにより、底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材の急冷を防止して、硫黄固化体の表面の荒れを低減することができる。また、溶融状態の硫黄含有資材を流し込んだ後、蒸気室に供給する蒸気を減らし、又は停止することで型枠内の硫黄含有資材を徐冷し、均質な高品質の硫黄固化体を製造できる。徐冷速度は、蒸気室内の蒸気圧をコントロールすることで調整できる。
そして、請求項2又は5に係る発明によれば、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を加熱することができる。また、常に蒸気室内の蒸気を入れ替えることで、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を高温に加熱することができる。これにより、底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材の急冷を防止して、硫黄固化体の表面の荒れを低減することができる。
さらに、請求項3又は6に係る発明によれば、蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面に設けられた断熱材層によって、硫黄固化体を成形する型枠の底板部及び側板部の温度低下を抑えることができる。この場合、熱効率が向上して底板部及び側板部の内側部材をより高温に加熱することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による硫黄成形体用型枠の実施形態を示す平面断面図であり、図2は上記硫黄成形体用型枠の実施形態を示す正面断面図である。この型枠1は、底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材を冷却固化させて例えば直方体形状の硫黄固化体を成形するもので、図1及び図2に示すように、側板部2,3,4と、底板部5とを備えて成る。ここで、上記底板部5及びこの底板部5の周縁に立設された側板部2,3,4により囲まれた直方体空間がキャビティーCとなる。また、上記側板部2,3,4及び底板部5は、基台6に載せられている。
上記底板部5及び側板部2,3,4は二重構造とされてそれぞれ蒸気室7が設けられ、この蒸気室7内に蒸気入口8から蒸気を供給すると共に蒸気出口9から蒸気を排出させることで、上記底板部5の内側部材5a及び側板部2,3,4の内側部材2a,3a,4aを加熱するようになっている。上記底板部5及び側板部2,3,4は、鋼板を主体として、必要に応じて鋼板、L形鋼、コ字形鋼などの鋼材で補強される。
上記側板部2,3,4の内側部材2a,3a,4a及び底板部5の内側部材5aの背面側には、所定の空間をあけて鋼板から成る外側部材2b,3b,4b,5bを溶接することで蒸気室7が形成されている。各蒸気室7の両端部の位置には、蒸気入口8及び蒸気出口9が設けられている。各蒸気入口8及び蒸気出口9には蒸気の開閉及び流量調整を行うバルブ(図示せず)が設けられている。蒸気入口8には高圧蒸気を供給する蒸気供給手段(ボイラーなど、図示せず)から蒸気が送られるパイプが接続される。また、蒸気出口9には安全な場所に蒸気を排出するためのパイプが接続される。
基台6は、上記側板部2,3,4及び底板部5を載せる台で、H形鋼、鋼板など適宜の鋼材を組み合わせて製造されるが、実施形態では鋼板で製造された例を示している。側板部2は、硫黄固化体の隣接する2辺を成形するもので、底板部5及び基台6に平面視でL字形に形成されて溶接固定されている。側板部3、4は、それぞれ硫黄固化体の他の1辺を成形するもので、図2に示すように、上記側板部3、4の下端に溶接固定されたL字形の脚部11の水平部分が、基台6に溶接固定されたガイド12(例えば角形パイプ)の中を摺動することで水平方向に移動可能となっている。なお、図2では、側板部3に設けられた脚部11だけが図示されているが、他の側板部4にも同様の脚部11が設けられている。底板部5は、硫黄固化体の底面を成形するもので、基台6の上面に溶接固定されている。
また、上記蒸気室7が設けられた底板部5及び側板部2,3,4の外側部材2b,3b,4b,5bの背面には、断熱材層10が設けられている。この断熱材層10は、発泡プラスチック、グラスウールなどの適宜の断熱材を使用可能で、接着剤での接着、フラットバーで押さえるなどの公知手段によって取り付けることができる。
なお、図1及び図2に示すのは型枠1の側板部3,4を閉じた状態であり、側板部2,3,4の隣り合うもの同士を締付クランプ(図示せず)で締め付けて固定する。図3に示すのは型枠1の側板部3,4を開いた状態であり、該側板部3,4を外側に向かって水平方向に移動した状態である。この状態で成形の完了した硫黄固化体を取り出すことができる。
ここで、前記硫黄固化体について説明する。この硫黄固化体は、常温では固体でありおよそ119℃を超えると溶融するという硫黄の性質を利用して、119℃以上に加熱して溶融させた硫黄に砂や砂利、石炭灰等を混合して、およそ119℃〜159℃を保持しながら練り混ぜ、これを冷却固化させて製造するものである。なお、ここでは、同様に加熱して溶融させた硫黄と、この溶融硫黄を変性する硫黄改質剤とを混合して改質硫黄を製造し、この改質硫黄に砂や砂利、石炭灰等を混合して、上記と同様に加熱しながら練り混ぜ、これを冷却固化させて製造する改質硫黄固化体を含むものとする。
上記改質硫黄固化体について更に詳細に説明する。改質硫黄固化体は、硫黄と、硫黄改質剤と、微細粉と、骨材とを原料として製造される。まず、溶融した硫黄と硫黄改質剤とを混合して改質硫黄を製造する。硫黄は、通常の単体硫黄であり、例えば天然産、又は石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫黄等が挙げられる。硫黄改質剤は、溶融硫黄を変性、例えば硫黄を重合することによって改質する。この硫黄改質剤としては、硫黄を重合し得る化合物であればよく、例えば炭素数4〜20のオレフィン系炭化水素又はジオレフィン系炭化水素、具体的には、リモネン、ピネン等の環状オレフィン系炭化水素、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン等の芳香族炭化水素、ジシクロペンタジエン(DCPD)及びそのオリゴマ−、シクロペンタジエン、テトラハイドロインデン(THI)、ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、シクロオクタジエン等のジエン系炭化水素等の1種又は2種以上との混合物が挙げられる。上記硫黄と硫黄改質剤との混合は、硫黄が溶融した状態、すなわち119〜159℃、好ましくは130〜155℃の温度で行われる。
前記改質硫黄は、硫黄と硫黄改質剤とを溶融混合することで得ることができるが、このときの硫黄改質剤の使用割合は、硫黄と硫黄改質剤との合計量に対して、通常0.1〜30質量%、特に1.0〜20質量%の割合が好ましい。得られた改質硫黄は、所定の温度(例えば150℃)に加温された微細粉と混合されて改質硫黄中間資材とされる。微細粉としては、石炭灰、珪砂、シリカヒューム、ガラス粉末、燃料焼却灰、電気集塵灰及び貝殻粉砕物のうち1種又は2種以上を選択すればよい。
上記得られた改質硫黄中間資材は、溶融状態を保つことのできる温度(例えば130〜140℃)に保持された状態で、例えば130〜140℃程度に加温された骨材と混合される。この骨材は、骨材として使用可能であれば特に限定されず、一般にコンクリートで用いられる骨材を使用できる。このような骨材としては、例えば、天然石、砂、れき、硅砂、鉄鋼スラグ、フェロニッケルスラグ、銅スラグ、金属の製造時に生成される副生物、溶融スラグ類、貝殻及びこれらの混合物等からなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられる。
上記の改質硫黄中間資材と骨材とを、例えば混練装置を用いて混合することによって改質硫黄資材が製造され、これを冷却して固化させることで改質硫黄固化体が製造される。
次に、上記のように構成された型枠1を用いて硫黄固化体を成形する製造方法について、その手順を説明する。図1、図2に示すように、型枠1を閉じた状態で、蒸気入口8及び蒸気出口9のバルブを開き、蒸気室7内に蒸気を導いて底板部5の内側部材5a及び側板部2,3,4の内側部材2a,3a,4aを予備加熱する。各内側部材2a,3a,4a,5aの表面温度は、硫黄含有資材の固化温度と同程度か、それよりもやや高い温度となるようにするのが好ましく、通常は119〜130℃程度が好適である。そのためには、蒸気室7内の蒸気圧を2気圧程度あるいはそれよりもやや高い程度の圧力となるようにバルブ調整をする。
次に、型枠1のキャビティーC内に硫黄含有資材を流し込む。このとき、底板部5の内側部材5a及び側板部2,3,4の内側部材2a,3a,4aが予備加熱されているので、硫黄含有資材は底板部5及び側板部2,3,4に触れても急激に固化することがない。通常は、この状態で型枠1に振動を与えて硫黄含有資材をキャビティーCの隅々に行き渡らせる。次に、蒸気入口8又は蒸気出口の9のバルブを調整して蒸気の供給量を徐々に減らすか、蒸気入口8のバルブを閉めて蒸気を止めることで、型枠1内の硫黄含有資材を徐冷する。これにより、型枠1内の硫黄含有資材は外側部分から内側部分に向かって徐々に固化していき、表面の荒れのない硫黄固化体が成形される。その後、図3に示すように型枠1の側板部3,4を開き、成形の完了した硫黄固化体をその型枠1から取り出す。
図4は他の実施形態の型枠20を示す平面図であり、図5は図4におけるA−A線断面図である。この型枠20は、厚さが薄いパネル状の硫黄固化体を成形するもので、側板部21、22、23、24、底板部25及び基台26などからなる。側板部21〜24及び底板部25で囲まれた空間がキャビティーCとなる。側板部21〜24及び底板部25は、鋼板を主体として、必要に応じて鋼板、L形鋼、コ字形鋼などの鋼材で補強される(補強鋼材は図示せず)。基台6は、側板部21〜24及び底板部25を載せる台となるもので、H形鋼、鋼板など適宜の鋼材を組み合わせて製造されるが、実施形態は鋼板で製造された例を示している。
上記側板部21〜24は、硫黄固化体の各辺を成形するもので、基台26に蝶番31により回動可能に取り付けられている。図4及び図5の実線で示すのは型枠20を閉じた状態で、側板部21〜24の隣り合うもの同士を締付クランプ(図示せず)で締め付け固定する。図5に鎖線で示すのは型枠20を開いた状態で、側板部21〜24を外方に倒した状態である。この状態で成形の完了した硫黄固化体を取り出すことができる。底板部25は、硫黄固化体の底面を成形するもので、基台6に溶接固定されている。なお、図5において、符号25aは底板部25の内側部材を示し、符号25bは底板部25の外側部材を示している。
上記底板部25の内側部材25aの背面側には、所定の空間をあけて鋼板から成る外側部材25bを溶接することで蒸気室27が形成されている。蒸気室27には、蒸気入口28及び蒸気出口29が設けられている。蒸気入口28及び蒸気出口29には蒸気の開閉及び流量調整を行うバルブ(図示せず)が設けられている。蒸気入口28には高圧蒸気を供給する蒸気供給手段(ボイラーなど、図示せず)から蒸気が送られるパイプが接続される。蒸気出口29には安全な場所に蒸気を排出するためのパイプが接続される。また、蒸気室27の背面(下面)には、断熱材層30を設けている。この断熱材層30は、発泡プラスチック、グラスウールなどの適宜の断熱材を使用可能で、接着剤での接着、フラットバーで押さえるなどの公知手段によって取り付けることができる。
この実施形態では、蒸気室27は、底板部25にのみ設けられ、側板部21〜24には設けられていない。これは、成形する硫黄固化体の形状が薄いパネル状で、側板部21〜24の面積が小さいので、硫黄含有資材の固化に与える影響が少ないためである。また、底板部25を予備加熱すると、底板部25の内側部材25aの熱が側板部21〜24にも伝達され、側板部21〜24もある程度予備加熱されることとなる。このように、型枠20のうちで面積の小さい部分には蒸気室を設けないことも可能である。型枠20で硫黄固化体を成形する手順は、前述の型枠1で硫黄固化体を成形する手順に準じて行えばよい。
本発明による硫黄成形体用型枠の実施形態を示す平面断面図である。 上記型枠の実施形態を示す正面断面図である。 上記型枠の側板部を開いた状態を示す平面図である。 他の実施形態による型枠を示す平面図である。 図4におけるA−A線断面図である。
符号の説明
1 型枠
2〜4 側板部
2a〜4a 内側部材
2b〜4b 外側部材
5 底板部
5a 内側部材
5b 外側部材
6 基台
7 蒸気室
8 蒸気入口
9 蒸気出口
10 断熱材層
11 脚部
12 ガイド
20 型枠
21〜24 側板部
25 底板部
25a 内側部材
25b 外側部材
26 基台
27 蒸気室
28 蒸気入口
29 蒸気出口
30 断熱材層
31 蝶番

Claims (6)

  1. 底板部及びこの底板部の周縁に立設された側板部により囲まれたキャビティー内に流し込まれた溶融状態の硫黄含有資材を冷却固化させて硫黄固化体を成形する型枠であって、
    上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を加熱し、上記キャビティー内に流し込まれた硫黄含有資材の急冷を防止することを特徴とする硫黄成形体用型枠。
  2. 上記底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を加熱することを特徴とする請求項1記載の硫黄成形体用型枠。
  3. 上記蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面には、断熱材層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の硫黄成形体用型枠。
  4. 底板部及びこの底板部の周縁に立設された側板部のうち少なくとも底板部を二重構造として蒸気室を設けた型枠の該蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させ、上記底板部及び側板部のうち少なくとも底板部の内側部材を予備加熱するステップと、
    上記型枠の底板部及び側板部により囲まれたキャビティー内に溶融状態の硫黄含有資材を流し込むステップと、
    上記蒸気室内に供給する蒸気を徐々に少なくし、又は止めて上記キャビティー内の硫黄含有資材を徐冷するステップと、
    上記キャビティー内の硫黄含有資材が冷却固化して成形された硫黄固化体を上記型枠から取り出すステップと、
    を行うことを特徴とする硫黄成形体の製造方法。
  5. 上記底板部及び側板部の両方を二重構造として蒸気室を設け、この蒸気室内に蒸気入口から蒸気を供給すると共に蒸気出口から蒸気を排出させることで、上記底板部及び側板部の両方の内側部材を予備加熱することを特徴とする請求項4記載の硫黄成形体の製造方法。
  6. 上記蒸気室が設けられた底板部及び側板部の外側部材の背面には、断熱材層を設けたことを特徴とする請求項4又は5記載の硫黄成形体の製造方法。
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