JP4820042B2 - 処方箋集計システムを用いた薬剤師配置システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療機関で発行された処方箋を受けて調剤を行う薬局において、過去の実績等を集計して日時毎或いは店舗毎の処方箋の量を予測し、更に日時毎或いは店舗毎の需要に応じて薬剤師の人員を配置する薬剤師の配置を行うシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病院や診療所等の医療機関で診察を受けた患者は、医師によって薬剤を処方され、院内または院外の薬局で薬剤が与えられる。
【0003】
通常、季節毎に発病しやすい疾病の種類が異なったり、患者が多く通院する曜日や時間帯に偏りがあったり、或いは医師の診察日時が異なったりするため、医療機関で発行されて薬局に持ち込まれる処方箋の数は、季節や曜日、時間帯等によって、ばらつきが生じる。
【0004】
また、総合病院等大規模な医療機関の薬剤部門や、複数のチェーン店を有するような大規模な薬局では、多くの薬剤師が業務に携わっており、薬剤師の業務時間のローテーションや、店舗毎の人員配置を計画する必要があるが、常時同人数の薬剤師を配置すると、季節や日時によって、薬剤師が処理する処方箋の量が著しく異なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、薬局における薬剤の在庫を管理するために、処方箋の数や処方薬剤の種類を予測することが必要とされていた。
【0006】
また、薬剤師は専門職であり、閑散期に大勢の薬剤師を配置することは、薬局経営上、コストの無駄であり、逆に繁忙期に薬剤師の人数が少ないと、患者を長時間待たせることになるため、処方箋の数に合わせて薬剤師の人員配置を行う必要があった。
【0007】
従って、本発明は、日時毎に異なる処方箋の量を予測し、それに合わせて薬剤の在庫を管理するとともに薬剤師の人員配置を調整して、薬局経営の合理化を図ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記憶装置、前記記憶装置へデータを入力する入力装置、処理内容を表示するモニタ画面およびこれらを制御するCPUを有するパソコンの前記記憶装置には、実績データベース、薬剤師データベース、予測データベース、医療機関における外来診療を行う医師や医師の診療日時や専門分野を記憶させた医療機関データベースが格納され、前記CPUには、実績データベースをもとに日時毎の処方箋量や処方薬剤の数や種類を予測して予測データベースを作成する処方箋予測プログラム、および前記予測データベースと薬剤師データベースから必要な薬剤師の人数を算出して薬剤師の勤務ローテーションを作成する人員配置プログラムが組まれている処方箋集計システムを用いた薬剤師配置システムにおいて、前記実績データベースと医療機関データベースとをもとにして、各月や曜日、時間毎に持ち込まれる処方箋の数や処方薬剤の種類を予測した予測データベースを作成するとともに、この予測データベースと薬局において、薬剤師の人数や勤務時間、個々の薬剤師毎の休暇予定や処理能力を記憶させた薬剤師データベースとから、日時毎の薬剤師の人員配置計画を算出する手段を有することを特徴とする処方箋集計システムを用いた薬剤師配置システムとした。
【0009】
更に、上記の実績データベースに加えて、医療機関における医師の診療日時や専門分野等の医療機関データベースを記憶させ、それらの各データベースをもとにして、各月や曜日、時刻毎に持ち込まれる処方箋の量を予測することとした。
【0010】
そして、薬剤師の勤務時間や業務処理量等を記憶させた薬剤師データベースと予測データベースとに基づいて、日時毎の薬剤師の人員配置計画を算出することとし、過去の実績や医療機関の診察状況から、予測される処方箋の量に応じて、薬剤師の人員配置を過不足なく計画することができるようにした。
【0011】
また、処方薬剤の種類毎に、処理に要する時間に段階を設けたり、薬剤師毎の処理能力に段階を設けたりすることによって、より正確に必要人員を算出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態を示し、本発明は、記憶装置2、CPU3、記憶装置2へデータを入力する入力装置4、および処理内容を表示するモニタ画面5から構成されるパソコン1によって実施される。
【0014】
記憶装置2には、実績データベース21、薬剤師データベース22、予測データベース23が格納され、CPU3には、実績データベース21をもとに日時毎の処方箋量や処方薬剤の種類を予測して予測データベース23を作成する処方箋予測プログラム31、および予測データベース23と薬剤師データベース22から必要な薬剤師の人数を算出して薬剤師の勤務ローテーションを作成する人員配置プログラム32が組まれている。
【0015】
記憶装置2に格納される上記の各データベース21,22,23のうち、実績データベース21と薬剤師データベース22は、使用者によって入力されるものである。
【0016】
実績データベース21には、当該薬局の営業日時、および過去に持ち込まれた処方箋の年月日、曜日、時刻と処方薬剤の薬効や剤形等が入力される。複数の店舗や部門を有する薬局の場合には、各々の店舗または部門毎に分けて入力する。
【0017】
また、例えば数を合わせるだけの錠剤やカプセルに比べて、調合や計量を要する粉状や液状の薬剤の方が処理に時間がかかるため、必要に応じて、薬剤の種類によって段階を設けて係数を設定し、処理に要する時間の区別を行う。このとき、それぞれの段階の薬剤において、処理する時間の目安を具体的に設定しておくことにより、必要人員を算出する際に、現状における薬剤師の過不足が明確になる。
【0018】
尚、実績データベース21は週単位のものであれば一ヶ月程度、三ヶ月単位のものなら一ヶ月程度のように実績データベースの内容に応じて適当な時期にデータの更新を行うことにより、常に新しい、つまり、実際に即した予測データを得ることができる。
【0019】
薬剤師データベース22には、当該薬局で業務を行う薬剤師の人数や勤務時間、個々の薬剤師毎の休暇予定や処理能力等が入力される。処理能力は、全員均一としても構わないし、例えば経験年数に応じて、複数段階を設けて係数を設定してもよい。
【0020】
図2は、CPU3による本発明の処理手順を示すものである。
【0021】
実績データベース21および薬剤師データベース22が入力されると、先ず、各月、曜日、日、時刻毎に、処方箋の枚数、処方薬剤の薬効や剤形が集計されて、患者数、多発する症状等について、例えば季節毎の分布や周期を、グラフ表示等によって、モニタ画面5で確認することができる。
【0022】
次に、処方箋予測プログラム31によって、各月、曜日、日、時刻毎の処方箋枚数や薬効または剤形毎の薬剤数の予測数が算出される。複数の店舗を有する場合には、店舗毎に算出される。この算出結果についても、集計結果と同様、グラフ等によってモニタ画面5に表示され、確認することができる。
【0023】
その後、処方箋予測数に対する処理予測時間が算出され、各月、曜日、日、時刻毎の処理予測時間の分布が表示される。薬剤師の増減を行わない場合には、この分布に対応して、在籍する薬剤師の人員を配分するが、必要な薬剤師の人数を算出して、現状の薬剤師の過不足を把握することもできる。
【0024】
最後に、薬剤師データベース22内に登録された個々の薬剤師の休暇予定等をもとに、薬剤師毎の勤務日時や勤務場所が決定されて勤務ローテンションが作成され、モニタ画面5に表示される。モニタ画面5に表示された結果は、適宜プリンタによって印刷可能とされる。
【0025】
このようにして、一人当たりの薬剤師の業務量が常に一定の範囲に納まるように、処方箋の量および処理時間に合わせて、薬剤師の日時毎、店舗毎の人員配置計画を立てることができる。また、薬剤の量を予測することにより、在庫計画を立てて、薬局における薬剤の過不足を防ぐことができる。特に、抗精神薬や麻薬などのように通常の調剤とは異なる取り扱いをする場合には薬効による予測データがあることにより薬剤の購入や在庫管理を確実に行うことができるので経済面だけでなく、管理面でもきわめて有効であり、又、他の調剤行為と区別して慎重に調剤行為を行うこともできる。
【0026】
更に、翌年または翌月の処方箋の量を予測し、必要人員や延べ処理時間を算出することによって、薬剤師の人数に不足がある場合には、新規採用に関して、例えば新卒の初心者または経験者、パートタイムまたはフルタイム等のうち、どのような人員が必要であるかということを算出できるので、具体的且つ効率的な採用計画を立てることができる。
【0027】
また、大学病院等のような大規模な総合病院では、曜日によって外来診察を行う医師が異なり、それぞれの医師が診察する患者数や、患者の疾病の種類および症状の程度にばらつきがある。更に、個人経営のクリニック等のような小規模な診療所では、診療所毎に診察日時や休診日時が異なる。従って、病院内の薬局や、近隣の総合病院または診療所からの処方箋が多く持ち込まれる薬局では、日時毎の医師の診察状況から、処方箋の数を予測することも必要である。即ち、図3に示すように、医療機関データベース24を作成して記憶装置2に格納し、曜日や時刻毎に、外来診療を行う医師やその専門分野等を入力して、実績データベース21と医療機関データベース24の両方から、処方箋予測数を算出する。
【0028】
更にまた、前記実績データベース21、薬剤師データベース22、予測データベース23、医療機関データベース24の各データベースに例えば携帯電話のような移動体通信を接続可能とすることにより(図示せず)、記憶装置2から離れた作業現場などからデータを入力したり、データを読みとったりすることができることからきわめて便利である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によると、日時毎の処方箋数や処方薬剤の種類を予測することにより、薬局における薬剤の在庫を過不足なく管理することができる。
【0030】
また、一人あたりの薬剤師が処理する処方箋の量を、常時一定の範囲に納めるとともに、薬剤師の過不足を把握することができるので、薬局経営を合理化することができる。しかも、薬剤師の業務の量が均一化されるので、日時に関わらず、患者の待ち時間を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の処理手順を示す流れ図である。
【図3】本発明の異なる実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パソコン、2 記憶装置、3 CPU、4 入力装置、5 モニタ画面、21 実績データベース、22 薬剤師データベース、23 予測データベース、24 医療機関データベース、31 処方箋予測プログラム、32 人員配置プログラム
Claims (3)
- 記憶装置、前記記憶装置へデータを入力する入力装置、処理内容を表示するモニタ画面およびこれらを制御するCPUを有するパソコンの前記記憶装置には、実績データベース、薬剤師データベース、予測データベース、医療機関における外来診療を行う医師や医師の診療日時や専門分野を記憶させた医療機関データベースが格納され、前記CPUには、実績データベースをもとに日時毎の処方箋量や処方薬剤の数や種類を予測して予測データベースを作成する処方箋予測プログラム、および前記予測データベースと薬剤師データベースから必要な薬剤師の人数を算出して薬剤師の勤務ローテーションを作成する人員配置プログラムが組まれている処方箋集計システムを用いた薬剤師配置システムにおいて、前記実績データベースと医療機関データベースとをもとにして、各月や曜日、時間毎に持ち込まれる処方箋の数や処方薬剤の種類を予測した予測データベースを作成するとともに、この予測データベースと薬局において、薬剤師の人数や勤務時間、個々の薬剤師毎の休暇予定や処理能力を記憶させた薬剤師データベースとから、日時毎の薬剤師の人員配置計画を算出する手段を有することを特徴とする処方箋集計システムを用いた薬剤師配置システム。
- 前記予測データベースをもとにして、処方薬剤の種類毎に、処理に要する時間に段階を設けて薬剤師の人員配置計画を人員配置プログラムにより算出する請求項1記載の薬剤師配置システム。
- 前記薬剤師データベースをもとにして、薬剤師毎の処理能力に段階を設けて薬剤師の人員配置計画を人員配置プログラムにより算出する請求項2記載の薬剤師配置システム。
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