JP4820022B2 - Rfコイル装置およびそれを用いた核磁気共鳴装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は核磁気共鳴技術に関するものであり、より特定的には、核磁気共鳴装置に用いるRFコイル装置とそれを用いた核磁気共鳴(MR,NMR)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MR装置は、共鳴している原子核から核磁気共鳴信号を受信して、その受信信号を画像化して被検体の診断、分析などに使用する装置である。すなわち、MR装置は、静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各磁場発生手段と、被検体の核磁気共鳴信号を検出する信号検出用コイルとを備えており、信号検出用コイルで検出した信号を画像化して表示装置に表示する。
【0003】
人体のある診断対象部位に装着して核磁気共鳴信号を検出するための従来の信号検出用コイルは、診断対象部位の形状に則してあらかじめ定められた形状をとるように構造的に制約されており、たとえば、診断対象部位が人体の腹部の場合、腹部に巻くようにして使用する構造のフレキシブルコイルでは、体の小さな人が被検体となるとコイルとの間に隙間ができる。その場合は信号検出用コイルの診断対象部位への充填率(filling factor )が低い。なお、充填率ffは、次式で定義される。ff≒Vs/Vc、ただし、Vsは試料(診断部位)の容積を示し、Vcはコイルの容積を示す。もしも被検体の形状にあわせて密着して配設しうるフレキシブルコイルがあれば充填率を高めることができ、撮像の感度を高めることができる。
【0004】
そこで信号検出用コイルは、診断対処部位への充填率が最大になるように、被検体の診断対象部位の形状に応じてコイルの形状を変形可能にすること、および、高周波回路としての同調を行うことが種々試みられている。
【0005】
特開昭61−220641号公報は、そのような信号検出コイルとして、銅線、銀線、金線、白金線、アルミニウム線、あるいは網銅線などの柔軟導体材料とコイルのサイズを保持する部材、たとえば、シリコンラバーから構成することにより被検体の診断対象部位に合わせてコイルの形状を変形させることを可能にする信号検出用コイルを開示している。特開昭61−220641号公報はまた電圧を印加することによりキャパシタンスの値が変化する可変容量素子のキャパシタンスを自動的に調整して自動同調を行うことを開示している。
【0006】
また特表昭63−501336号公報は、可撓性(フレキシブル)電気絶縁材のシートに装着する導電箔と、シートを取り外し可能に保持する結び紐帯のような保持手段とを備えたコイルを開示している。このようにコイルを被検体の種々の診断対象部位に装着すると充填率が向上できると述べている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭61−220641号公報に開示されている信号検出用コイルは、被検体の診断対象部位に対する充填率の向上を主目的としている。特開昭61−220641号公報にも、信号検出用コイルとしての共振条件を満足させるために可変容量素子を設け、その可変容量素子の値を自動的に調整するようにしているが、もともと信号検出用コイルが共振条件に近似した特性を示すことを考慮していないので可変容量素子の共振周波数の調整が複雑になるという問題がある。
【0008】
特表昭63−501336号公報に開示されている検出コイルは、特開昭61−220641号公報に開示されている信号検出用コイルよりも可撓性が低い。したがって、特表昭63−501336号公報に開示されている検出コイルでは被検体の診断対象部位へ充填率はそれほど高くできない。さらに特表昭63−501336号公報に開示されている検出コイルを用いると、信号検出用コイルが共振条件に近似した特性を示すことを考慮していないので、特開昭61−220641号公報に開示されている方法と同様に、可変容量素子の共振周波数の調整が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、可撓性に富み、被検体の診断対象部位に対する充填率を高くすることが可能であり、共振条件を満足するRFコイル装置およびそれを用いた核磁気共鳴装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、可撓性の共振素子としての同軸ケーブルと、RFコイルへの送信またはRFコイルからの受信のための端子部と、同調用静電容量素子とを有し、前記同軸ケーブルの芯線と外被に同相の電流が流れるように、端子部の信号線部分が前記同軸ケーブルの一端の芯線に接続され、前記同軸ケーブルの他端の外被が前記端子部の電流戻り部分に接続され、前記同調用静電容量素子が前記同軸ケーブルの他端の芯線と前記同軸ケーブルの一端の外被に接続されており、前記同軸ケーブルと前記端子部と前記同調用静電容量素子とが集中定数回路を構成しているRFコイル装置が提供される。
【0011】
好ましくは、前記同軸ケーブルと、前記端子部と、前記同調用静電容量素子とが、下記式A、Bで規定される回路を構成している。
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】
また好ましくは前記同調用静電容量素子が前記端子部の近傍に配置されている。
【0015】
本発明の第2の観点によれば上記コイルを用いた核磁気共鳴装置が提供される。
【0016】
本発明のRFコイル装置は、診断対象部位に接触するコイルとして可撓性に富む同軸ケーブルを用いるので診断対象部位への充填率を高めることができる。その結果、撮像領域の自由度が高く、被検体の特定部位を撮像可能であるとともに、コイルを変形して広い撮像領域にも対応可能である。
さらに本発明のRFコイル装置は集中定数回路を構成しているので、共振周波数の微調整が簡便に、迅速に行える。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のRFコイル装置およびそれを用いた核磁気共鳴(MR)装置の実施の形態について添付図面を参照して述べる。
【0018】
第1実施の形態
図1は本発明の1実施の形態のMR装置の構成図である。
図1に図解したMR装置は、超電導マグネットを用いた装置であり、被検体18を載置して支持台20の上を移動するベッド19と、ベッド19の周囲に配設されてZ方向磁場、Z軸方向の磁場と直交する方向の傾斜磁場を発生するコイル10、11、12と、これらのコイルを駆動する電源13、14、15と、静磁場を発生させるコイル16と、このコイル16を駆動する静磁場コイル駆動用電源とを有する。主磁界発生コイル24がベット19の周囲に配設されている。信号検出用コイル25が被検体18の診断部位に装着されている。
信号検出用コイル25は本発明のRFコイル装置の一部を構成している。
制御装置41が、高周波パルス発生器42を制御して高周波パルスを発生させる。発生された高周波パルスは増幅器43で増幅されて主磁界発生コイル24に印加される。核磁気共鳴信号がRFコイル装置を構成する信号検出用コイル25で検出されて増幅回路46に入力され、検波器47で検波されて信号処理装置48で画像処理されて、図示しない表示装置に出力される。
後述する信号検出コイル25を含むRFコイル装置の同調制御が同調制御回路49で行われる。なお、本発明のRFコイル装置は集中分布定数回路を構成しており、信号検出コイル25を含むRFコイル装置の同調制御は微調整であり、その微調整は容易であり、手動で行うことも可能であるから本発明において同調制御回路49は必須ではない。
【0019】
RFコイル装置の構成
上記信号検出用コイル25を本発明のRFコイル装置の第1実施の形態について図2を参照して詳細に述べる。
図2は本発明の第1実施の形態の信号検出用コイル25を含むRFコイル装置1を構成する、信号検出用コイル25および共振素子としての同軸ケーブル3と、給電部5と、同調用静電容量素子7を示す図である。
RFコイル装置1は、信号検出用コイル25として用いられる共振素子としての同軸ケーブル3と、給電部5と、同調用静電容量素子7とで構成されている。なお、厳格にいえば、RFコイル装置1は、同軸ケーブル3のみで構成され、同調用静電容量素子7を付加することができる。
【0020】
同軸ケーブル3は、芯線31とその外周に設けられた外被33からなる。
給電部5は、整合用の第1の静電容量成分のキャパシタンスCM1 と、第2の静電容量成分のキャパシタンスCM2 とで構成されている。
同調用静電容量素子7(CT )、および、整合用の第1の静電容量成分のキャパシタンスCM1 と第2の静電容量成分のキャパシタンスCM2 は、共振素子としての同軸ケーブル3の共振周波数に同調させる同調回路素子である。
同軸ケーブル3の芯線31の一端は給電部5における第1の静電容量成分のキャパシタンス(CM1 )部分に接続されており、同軸ケーブル3の芯線31の他端は同調用静電容量素子7の他端に接続されている。同軸ケーブル3の一端の外被33が同調用静電容量素子7の一端に接続されており、同軸ケーブル3の他端の外被33が給電部5における第2の静電容量成分のキャパシタンス(CM2 )部分に接続されている。
【0021】
図2に図解したRFコイル装置と給電部5および同調用静電容量素子7の接続は、芯線31と外被33に流れる電流が同位相になっていることに留意されたい。
【0022】
図2に図解したRFコイル装置1の等価回路を図3に示す。
図3において、同軸ケーブル3の芯線31のインダクタンス成分をLW で示し、同軸ケーブル3の外被33のインダクタンス成分をLS で示し、同軸ケーブル3の芯線31と外被33の間の線間静電容量をCC で示した。
図3に図解した等価回路においても、同軸ケーブル3の芯線31と外被33とが直列に接続されており、給電部5における第1の静電容量成分のキャパシタンス(CM1 )側から同軸ケーブル3の芯線31に印加された電流が線間静電容量CC 部分を介して外被33に接続されており、芯線31と外被33には同相の電流が流れる。
同調用静電容量素子7は線間静電容量CC 部分に対して並列に接続されている。
【0023】
通常、同軸ケーブルを使用する場合は、振動電場に対する静電シールド(しゃへい)効果を奏するためには、図4に図解したように、外被(シールド、シースなどの呼称を用いる)を一定電圧に保持して振動電場由来のノイズが芯線に流入することを防止するように用いている。図2および図3に図解した同軸ケーブル3の接続は図4に図解した接続とは異なる。
【0024】
同軸ケーブルは、図5に図解したように不平衡伝送の線路としても用いられるが、その場合は外被と芯線に逆相の電流を流して巨視的な磁気結合を相殺している。図2および図3に図解した本発明の実施の形態のRFコイル装置1における同軸ケーブル3の接続は図5に図解した接続とも異なることに留意されたい。
【0025】
すなわち、本発明の実施の形態としては、たとえば、核磁気共鳴装置に用いた好適なRFコイル装置として、そのRFコイル装置1を構成する同軸ケーブルの新規な動作原理およびその新たな適用例を述べている。
【0026】
RFコイル装置1の動作
図2および図3に図解した同軸ケーブル3と、給電部5と、同調用静電容量素子7から構成されるRFコイル装置1の動作について述べる。
給電部5における第1の静電容量成分のキャパシタンス(CM1 )部分から電流を同軸ケーブル3の芯線31に流すと、電流は芯線31のインダクタンス(LW )成分を通過して線間容量CC 部分を流れ、給電部5における第2の静電容量成分のキャパシタンス(CM2 )部分に接続されている同軸ケーブル3の外被33のインダクタンス(LS )成分を通過して給電部5における第1の静電容量成分のキャパシタンス(CM2 )部分に戻る。このように、同軸ケーブル3と給電部5と、同調用静電容量素子7との接続は、芯線31と外被33に流れる電流が同位相になるように接続されている。すなわち、同軸ケーブルの芯線インダクタンス(LW )成分と同軸ケーブルの外被のインダクタンス(LS )成分には同位相の電流が流れる。
【0027】
図3に図解した等価回路において、共振周波数fは下記式1で規定される。
【0028】
【数5】
【0029】
共振周波数fにおいて下記式2が成立していると仮定する。
【0030】
【数6】
【0031】
式2は本発明の実施の形態の同軸ケーブル3を用いたRFコイル装置1が集中定数回路として扱える条件を規定している。
式2が成立する場合、RFコイル装置1の同調用静電容量素子7の両端は同軸ケーブル3の芯線31および外被33に接続されるので、図3に図解したように、同軸ケーブル3の芯線と外被との間の線間の静電容量(CC )と並列に接続されていると考えることができる。
【0032】
以上のとおり、RFコイル装置1は共振周波数fが満足されている回路であり、正確に核磁気共鳴信号を検出することができる。
【0033】
RFコイル装置1の可撓性
RFコイル装置1を構成し、信号検出用コイル25として使用する同軸ケーブル3は、通常、柔軟なケーブルであり、被検体18の任意の診断対象部位の形状に密着するように形状を変形させることができる。したがって、本実施の形態のRFコイル装置1の同軸ケーブル3を信号検出用コイル25として使用すると撮像領域の選択の自由度を増す。
【0034】
図6(A)は本発明の実施の形態のRFコイル装置1の同軸ケーブル3を被検体18の腹部などの診断対象部位に装着して使用する場合の形状を示す図である。図6(A)は同軸ケーブル3を人体腹部の皮下組織なと平面的な広がりを持つ被検体を撮像する場合の使用状況に適した形状を示している。図6(A)に図解したRFコイル装置1の同軸ケーブル3を診断対象部位、たとえば、図6(B)に図解したように、人体の腹部に装着するときは、腹部に密着させて同軸ケーブル3を腹部に装着する(巻き付ける)。このようにすると腹部に対する同軸ケーブル3の充填率は非常に高い。
【0035】
図7(A)は本発明の実施の形態のRFコイル装置1の同軸ケーブル3を被検体18の腕、脚などの診断に使用する場合の形状を示す図である。すなわち、図7(A)は腕、脚など一方向の広がりを持つ被検体を撮像する場合に適した同軸ケーブル3の形状を示している。診断対象部位が腕の場合、たとえば、図7(B)に図解したように、同軸ケーブル3を腕に巻き付けて装着する。この場合も腕に対する同軸ケーブル3の充填率は非常に高くなる。
【0036】
このように、本実施の形態のRFコイル装置1の同軸ケーブル3を信号検出用コイル25として用いると任意の形状に変形させることが容易であり、被検体の寝台対象部位の形状に密着させて配設できるから充填率を高くすることができる。
【0037】
本実施の形態の効果を明確にするため本実施の形態と上述した従来技術とを比較する。
特開昭61−220641号公報に開示された信号検出用コイルも可撓性に富むが、本実施の形態のように共振素子としての同軸ケーブルを用いたものではないし、同軸ケーブル3を用いて集中定数回路を構成したものではない。
【0038】
特表昭63−501336号公報に開示されている信号検出用コイルは、被検体の腹部などに巻き付けて使用する形態のものであり、コイル断面積は変更できない。これに対して、本実施の形態のRFコイルユニット1は形状を任意にできるので、コイル断面積を変化させることができる。特表昭63−501336号公報に開示された信号検出用コイルはもちろん、本実施の形態のように可撓性を発揮させるために共振素子としての同軸ケーブルを用いたものではないし、同軸ケーブルを用いて集中定数回路を構成したものではない。
【0039】
上記従来技術に対して、本発明のRFコイル装置は、診断対象部位に接触するコイルとして可撓性に富む同軸ケーブルを用いるので診断対象部位への充填率を高めることができる。その結果、撮像領域の自由度が高く、被検体の特定部位を撮像可能であるとともに、コイルを変形して広い撮像領域にも対応可能である。
また本発明のRFコイル装置は集中定数回路を構成しているので、共振周波数の微調整が簡便に、迅速に行える。
さらに本発明の実施の形態の同軸ケーブル3として、可撓性を有しながらある程度の固さ(剛性)を有するセミリジット(半剛性)ケーブルなどの構造の安定したものを用いることで、繰り返し撮像領域を再現することが可能となる。
【0040】
さらに本発明の実施の形態のRFコイルユニット1は、共振周波数の調整を行う同調用静電容量素子7が給電部5の近傍に配置されているから、診断対象部位に形状に合わせて同軸ケーブル3の形状を変形しても、容易、簡便、迅速に共振周波数の微調整が可能となる。
すなわち、本発明の実施の形態のRFコイル装置1では、RFコイル装置1の同調用静電容量素子7の静電容量CT を給電部5部分に配置することが可能であり、多くの場合、被検体への高周波やけどを防止するために給電部5は被検体に直接接触しない場所に配置される。すなわち、被検体にRFコイル装置1を構成する同軸ケーブル3を装着して撮像可能な状態にあっても、RFコイル装置1を構成する同調用静電容量素子7は被検体に接触しない場所に設置することが可能であり、静電容量を微調整して共振周波数を最適化することができる。
同調用静電容量素子7としては、共振周波数の微調整を行うものであるから、可変範囲の狭い静電容量を用いればよい。
【0041】
同調用静電容量素子7は、可変キャパシタでもよいし、チップキャパシタなどの固定容量のキャパシタを複数個組み合わせて合成容量を調整してもよい。すなわち、同調用静電容量素子7としては、容量を調整できればよくその形態にはこだわらない。
同調用静電容量素子7の容量CT はまた、同調制御回路49から制御電圧を印加することによって静電容量の値を可変できる可変容量ダイオードであってもよい。
【0042】
さらに、本実施の形態のRFコイル装置1の同軸ケーブル3を被検体の診断部位に装着した後、同調制御回路49によって可変容量ダイオードの制御電圧を調整してRFコイル装置1の同調周波数を自動的に微調整してもよいし、ユーザによる手動調整で微調整してもよい。
【0043】
RFコイル装置1の具体例
図2および図3に図解したRFコイル装置1の具体例を述べる。
0.2テスラの永久磁石式のMR装置において、共振周波数は約8.5(MHz)である。共振周波数f=8.5(MHz)における同軸ケーブル3内の波長短縮率εが0.7である同軸ケーブル3を用いる場合について述べる。
式2の右辺は、λ/4になる長さは、約6.44(m)であり、共振素子として1〜2m程度の長さの同軸ケーブル3を用いてRFコイル装置1を構成すると、集中定数回路として扱うことができる。
同軸ケーブル3の線間容量CT は、たとえば、JIS C3102によれば、3D−2V規格の同軸ケーブルにおいて、100±4(nF/Km)、(1kHz)であり、1〜2m程度の長さの同軸ケーブルを使用すると、同調用静電容量素子7の同調容量CT (線間容量CT )は100〜200pF程度になる。
式1の同軸ケーブルのトータルインダクタンス(LW +LS )が3.5(μH)程度であれば、共振周波数fは8.5〜17MHzになるので、RFコイル装置1の同調容量CT として最大100(pF)程度の可変キャパシタを用いて共振周波数を調整できる。
【0044】
第2実施の形態
図8は本発明のRFコイル装置の第2実施の形態を図解する図である。
図8に図解したように、本発明の同軸ケーブル3を用いた共振素子を2個並列に用いて8の字コイルのRFコイル装置1Aを形成してもよい。このような8の字型のRFコイル装置1Aを複数個組み合わせてアレー状RFコイル装置を構成してもよい。
図8に図解したアレー状にコイルを配設したRFコイル装置1Aにおいて、第1の同軸ケーブル3A1、第2の同軸ケーブル3A2のそれぞれの芯線と外被とに、接続用同軸ケーブル3A3、3A4を介して、給電部5から同相の電流が流れるように接続する。
第2実施の形態のRFコイル装置1Aにおいても、式1および式2の条件を満足させる。
【0045】
第3実施の形態
図9は本発明のRFコイル装置1の第3実施の形態を図解する図である。
図9に図解したように、本発明の同軸ケーブル3を用いた共振素子を2個直列に用いてRFコイル装置1Bを形成してもよい。このようにRFコイル装置1Bを複数個組み合わせてアレー状にコイルを配設したRFコイル装置を構成してもよい。
図9に図解したRFコイル装置1Bにおいて、第1の同軸ケーブル3B1、第2の同軸ケーブル3B2のそれぞれの芯線と外被とに、給電部5から同相の電流が流れるように接続する。
第3実施の形態のRFコイル装置1Bにおいても、式1および式2の条件を満足させる。
【0046】
第4実施の形態
図10は本発明のRFコイルユニット1の第4実施の形態を図解する図である。
図10に図解したように、本発明の同軸ケーブル3を用いた共振素子を3個直列に用いてRFコイル装置1Cを形成してもよい。このようにRFコイル装置1Cを複数個組み合わせてアレー状RFコイル装置を構成してもよい。
図10に図解したRFコイル装置1Cにおいて、第1〜3の同軸ケーブル3C1〜3C3のそれぞれの芯線と外被とに、給電部5から同相の電流が流れるように接続する。
第4実施の形態のRFコイル装置1Cにおいても、式1および式2の条件を満足させる。
【0047】
第5実施の形態
図11は本発明のRFコイルユニット1の第5実施の形態を図解する図である。
図11に図解したように、本発明の同軸ケーブル3を用いた共振素子を4個直列に用いてRFコイル装置1Dを形成してもよい。このようにRFコイル装置1Dを複数個組み合わせてアレー状RFコイル装置を構成してもよい。
図11に図解したRFコイル装置1Dにおいて、第1〜4の同軸ケーブル3C1〜3C4のそれぞれの芯線と外被とに、給電部5から同相の電流が流れるように接続する。
第5実施の形態のRFコイル装置1Dにおいても、式1および式2の条件を満足させる。
【0048】
その他の実施の形態
本発明の実施の形態のRFコイル装置を構成する同軸ケーブルは、折り曲げ可能な板の上に配線を固定してもよいし、固定せずに自由配線してもよい。
【0049】
また、同軸ケーブルの一部にセミリジットケーブルなどの構造の安定してものを使用して変形可能な箇所を限定して形状の再現性を確保してもよい。
【0050】
もちろん、本発明の実施の形態のRFコイル装置は単体で用いてもよいし、複数個組み合わせて用いてもよい。すなわち、本発明の共振素子としての同軸ケーブルを用いた上述した構成のRFコイル装置であれば、単体でもよいし、複数個適宜組み合わせてもよい。
すなわち、本発明のRFコイル装置は、図8〜図11に例示した構成に分割が限定されるではなく、さらに多数に分割することもできるし、分割せず単一で用いることもできる。
また、本発明のRFコイル装置は、送信用RFコイルとしてだけでなく、MR装置の周知技術を適用することにより、受信用RFコイル、送受信用RFコイルとしても使用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓性を示すので形状および断面積を検出対象部位に適合させて変形することが容易であり、その結果、検出対象部位への充填率を高くできるRFコイル装置が提供できた。
【0052】
本発明のRFコイル装置においては、共振素子としての同軸ケーブルと集中分布定数回路を構成する回路に構成しているので、検出対象部位の撮像範囲の調整後に共振周波数を容易に微調整することができ、このRFコイル装置を用いた検出結果の精度を高めることができる。
【0053】
また本発明のRFコイル装置の同軸ケーブルを信号検出用コイルとして用いて核磁気共鳴装置に使用すると、診断対象部位の形状および断面に依存せず充填率を高く維持でき、微調整も容易で、正確な撮像が可能な核磁気共鳴装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は核磁気共鳴装置の構成図である。
【図2】図2は本発明の第1実施の形態のRFコイル装置構成する、共振素子としての同軸ケーブルと、給電部を示す図である。
【図3】図3は図2に図解したRFコイル装置の等価回路図である。
【図4】図4は従来の同軸ケーブルの利用形態を示す図である。
【図5】図5は従来の同軸ケーブルの他の利用形態を示す図である。
【図6】図6(A)、(B)は本発明の実施の形態のRFコイル装置の同軸ケーブルを信号検出用コイルとして被検体の腹部などの診断に使用する場合の形状を示す図である。
【図7】図7(A)、(B)は本発明の実施の形態のRFコイル装置の同軸ケーブルを信号検出用コイルとして被検体の腕、脚などの診断に使用する場合の形状を示す図である。
【図8】図8は本発明の第2実施の形態のRFコイル装置を図解する図である。
【図9】図9は本発明の第3実施の形態のRFコイル装置を図解する図である。
【図10】図10は本発明の第4実施の形態のRFコイル装置を図解する図である。
【図11】図11は本発明の第5実施の形態のRFコイル装置を図解する図である。
【符号の説明】
1・・RFコイル装置
3・・同軸ケーブル、31・・芯線、33・・外被
CC ・・同軸ケーブルの芯線と外被との間の線間の静電容量のキャパシタンス
5・・給電部
CM1 ・・給電部の第1の静電容量成分のキャパシタンス
CM2 ・・給電部の第2の静電容量成分のキャパシタンス
7・・同調用静電容量素子
CT ・・同調用静電容量素子のキャパシタンス
10〜12、16・・コイル、13〜15、17・・電源
18・・被検体、19・・ベッド、20・・支持台
41・・制御装置、42・・高周波パルス発生器、43・・増幅器
46・・増幅回路、47・・検波器、48・・信号処理装置
49・・同調制御回路
Claims (12)
- 可撓性の共振素子としての同軸ケーブルと、RFコイルへの送信またはRFコイルからの受信のための端子部と、同調用静電容量素子とを有し、前記同軸ケーブルの芯線と外被に同相の電流が流れるように、前記端子部の信号線部分が前記同軸ケーブルの一端の芯線に接続され、前記同軸ケーブルの他端の外被が前記端子部の電流戻り部分に接続され、前記同調用静電容量素子が前記同軸ケーブルの他端の芯線と前記同軸ケーブルの一端の外被に接続されており、前記同軸ケーブルと、前記端子部と、前記同調用静電容量素子とが集中定数回路を構成しているRFコイル装置。
- 前記同調用静電容量素子が前記端子部の近傍に配置されている請求項1または2記載のRFコイル装置。
- 前記同調用静電容量素子は可変容量素子である請求項3記載のRFコイル装置。
- 前記同調用静電容量素子は制御電圧の印加により静電容量が変化する可変容量素子である請求項4記載のRFコイル装置。
- 前記端子部は整合用キャパシタンスを有する請求項1記載のRFコイル装置。
- 前記同軸ケーブルは折り曲げ可能な板の上に配線されている請求項1記載のRFコイル装置。
- 前記同軸ケーブルはその一部にセミリジットケーブルなどの構造の安定したものを使用して変形可能な箇所を限定して形状の再現性を有する構造をしている請求項1記載のRFコイル装置。
- 前記式A、Bを満足するように複数の同軸ケーブルが直列接続されている請求項2記載のRFコイル装置。
- 前記式A、Bを満足するように複数の同軸ケーブルが並列接続されている請求項2記載のRFコイル装置。
- 可撓性のある同軸ケーブルと、RFコイルへの送信またはRFコイルからの受信のための端子部と、同調用静電容量素子とを有し、前記同軸ケーブルの芯線と外被に同相の電流が流れるように前記端子部の信号線部分が前記同軸ケーブルの一端の芯線に接続され、前記同軸ケーブルの他端の外被が前記端子部の電流戻り部分に接続され、前記同調用静電容量素子が前記同軸ケーブルの他端の芯線と前記同軸ケーブルの一端の外被に接続されており、前記同軸ケーブルと前記端子部と前記同調用静電容量素子とが集中定数回路を構成しているRFコイル装置を備えたことを特徴とする、核磁気共鳴装置。
- 前記同調用静電容量素子が前記端子部の近傍に配置されている請求項11記載の核磁気共鳴装置。
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