JP4819766B2 - 平面アンテナ - Google Patents

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本発明は、移動体通信、衛星通信、放送、天文、センサ、レーダ、計測などで使用されるアンテナに関する。
ミリ波・マイクロ波帯において動作可能な進行波型アンテナの代表としてテーパードスロットアンテナ(TSA:Tapered Slot Antenna)がある。TSAは誘電体基板とその基板上の金属膜により構成され、スロット幅が滑らかに広がるテーパ形状を有するスロットラインが金属膜上に形成された平面構造アンテナである。
TSAは進行波形アンテナ特有の高利得・高指向性を有しており、さらにその構造の対称性からE面とH面ともに軸対称な放射特性を有している。また、TSAは軽量化、小型化、集積化が可能でありアレイ化に適している。TSAはテーパ形状によって放射特性が異なる。フェルミ関数的に広がるテーパ形状を有するフェルミアンテナ(非特許文献1参照)は高利得化に適しており、指数関数的に広がるテーパ形状を有するビバルディアンテナ(非特許文献2参照)は広帯域化に適する特徴を有している。このようなTSAは地球観測、生体内部観測、コンクリート構造物耐震性検査、地中探査などのイメージング技術へ適用されている。
準光学系を用いたイメージングでは空間分解能はビーム径に比例するため最小空間分解能は回折限界である波長の2分の1である。合成開口と呼ばれる数値信号処理技術により波長よりも十分小さい空間分解能を得る手法が注目されている。合成開口技術とは、アンテナをアレイ化することで擬似的にアンテナの開口(合成開口)を広くし、高指向性を実現する技術である。また、アンテナを移動させることによってアレイ化と同様の効果を得ることができる。合成開口技術により得られる指向性はアンテナ合成開口幅により決められ、そのアンテナ合成開口幅は単一アンテナのアンテナ移動方向(アジマス方向)の照射幅に相当する。したがって、合成開口技術による高指向性を実現するためにはアジマス方向に対し照射幅の広い特性を有するアンテナ、すなわち、広角な指向性を有するアンテナが望まれる。
加えて、生体内部観測、コンクリート構造物非破壊検査や地中探査のような用途において対象となる媒質内では非常に大きなエネルギー損失が生じる。そのような媒質の内部情報を取り出すために、エネルギーを局所的に集中させた照射が求められる。すなわち、高損失性な媒質内部を高分解能にイメージング・探査するためには、アジマス方向に広角指向特性を有し、アジマス方向と垂直方向であるエレベーション方向に狭角指向特性を有するアンテナ、すなわち、直交異方放射特性を有するアンテナが必要不可欠である。
佐藤 弘康、外3名、「コルゲート構造付フェルミアンテナの広帯域FDTD解析」、電子情報通信学会論文誌B分冊、2005年、Vol.J88-B、No.9、p.1682-1692 小林 敬生、外2名、「SAR−GRPと金属探知機による小型車両搭載地雷探知複合センサの開発」、地下電磁計測ワークショップ論文集、2005年10月25日、p.37-40
TSAの放射特性は電気的な材料特性や構造パラメータにより決まる。電気的な材料特性に関しては基板の比誘電率と誘電体損失および金属膜の導電率がある。基板材料は低誘電率であるテフロン系素材や高誘電率であるセラミック系素材と幅広くある。しかしながら、アンテナにおいては効率よく空間に電磁波を放射することが重要であるため、効率の劣化の小さい低誘電体損失の基板材料が用いられる。また、低誘電体損失の基板材料は限られた材料しかないことから基板材料の誘電率はほぼ一意に決まる。さらに、基板材料に蒸着、または、メッキできる金属も限られるため導電率もほぼ一意に決まる。このようにアンテナ効率の観点から基板材料の選択性は極めて小さい。そのため電気的な材料特性によりアンテナの指向性を調節することは困難である。
また、構造パラメータに関してはアンテナ開口幅、アンテナ長、基板幅、基板厚、テーパ形状がある。一般的なTSA設計技術によりアンテナ開口幅は半波長、基板幅は2波長程度と一意に決まる。基板材料により基板の加工性は異なるが多くの場合において基板厚を高精度に研磨加工することは難しいことから基板材料を任意の厚さで作製することはできない。そのため基板厚は基板製法技術により作製される基板の厚みに依存してほぼ一意に決まる。
スロットラインを伝搬する電磁波はスロットラインモードから自由空間モードへとモード変換され、自由空間モードの電磁波はアンテナ開口においてアンテナ前方へと放射される。モード変換区間としてアンテナ長は約4分の1波長以上必要である。滑らかなモード変換により基板上に不要モードが発生しないためE面およびH面の指向性は向上する。ここでE面はアンテナ開口部と平行な方向であり、H面はアンテナ開口部に直交する方向である。しかし滑らかなモード変換によるE面およびH面の指向性への効果は同程度であるため、アンテナ長によりE面およびH面の指向性を個別に変化させることは困難である。
テーパ形状はアンテナの放射特性を大きく作用する構造パラメータであり、E面とH面の指向性角度とサイドローブレベル、およびその周波数特性を決定する。テーパ形状は複数のパラメータを含む関数で表現されるが、これまでに報告されている関数の種類は少ないためテーパ形状による詳細な指向性制御は困難である。また、関数のパラメータによるテーパ形状の変化はスロット上を伝搬する電磁波のモード変換およびインピーダンス整合に影響を与え、その影響度はインピーダンス整合の方が大きい。そのため、テーパ形状の変化に伴うE面およびH面の指向性の変化は小さく、E面およびH面の指向性を個別に制御することは難しい。このように構造パラメータによりアンテナ指向性の調整は可能であるが、E面とH面を個別に調整するのは難しい。
以上のことから、TSAの構造パラメータや材料特性を変化させることでアジマス方向とアジマス方向に直交するエレベーション方向の2方向に対し指向性を個別に変化させることは難しいという問題があった。
また、スロットライン端面では比誘電率が急激に変化するためにスロットラインの波動インピーダンスと自由空間の波動インピーダンスとの整合を取ることができない。端面における波動インピーダンス不整合により、電磁波は伝搬方向とは逆の方向へ反射が生じ、その結果、アンテナ放射効率が劣化するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、平面アンテナにおいて、アジマス方向とエレベーション方向の2方向に対する放射特性を個別に変化させ、直交異方向放射特性を得ることを目的とする。
本発明の別の目的は、スロットライン端面での波動インピーダンス不整合によるアンテナ放射効率の劣化を低減することを目的とする。
第1の本発明に係る平面アンテナは、誘電体基板と、前記誘電体基板上に設けられた一対の金属膜と、前記一対の金属膜間にテーパ状に広がるスロットラインと前記スロットラインに対応する前記誘電体基板の一部に形成した前記誘電体基板の比誘電率よりも小さい部分と、前記スロットラインに対応する前記誘電体基板に形成した突起部と、を有し、前記誘電体基板の比誘電率よりも小さい部分は、前記スロットラインの中心を通る直線に対して対称であり、前記スロットラインの開口部に近づくにつれて大きくなり、前記突起部は、前記スロットラインの中心を通る直線と前記スロットラインの開口部と平行な直線の交点を先端とし、前記スロットラインの中心を通る直線に対して対称であることを特徴とする。
本発明にあっては、電磁波伝搬路であるスロットラインに対応する誘電体基板の一部に誘電体基板の比誘電率よりも小さな部分を形成することにより、スロットラインを伝搬する電界はスロットラインに対応する位置の比誘電率の大きさに準じて強く誘導されるため、E面の指向性を変化させず、H面の指向性を変化させた電磁波放射特性、すなわち、直交異方向放射特性を得ることができる。これは、H面方向においては比誘電率に準じて電界が空間へと拡散するが、E面方向においてはスロットラインの両側の金属膜により電界が閉じこめられるからである。
上記平面アンテナにおいて、誘電体基板の比誘電率よりも小さい部分は、誘電体基板を切除して形成したことを特徴とする。
本発明にあっては、誘電体基板を切除することにより、スロットラインに対応する位置に比誘電率の小さい空気が存在する部分が形成されるので、より効果的に異方向放射特性を得ることができる。
本発明にあっては、電磁波の伝搬方向に対して、誘電体基板の比誘電率よりも比誘電率の小さい部分が徐々に拡大するようにその部分を形成することにより、大きな反射点がなくなり、波動インピーダンス不整合を軽減することが可能となる。比誘電率の小さな部分を徐々に拡大させる形状としては、その部分を凸状に形成する構造や凹状に形成する構造がある。
本発明によれば、平面アンテナにおいて、アジマス方向とエレベーション方向の2方向に対する放射特性を個別に変化させ、直交異方向放射特性を得ることができる。
また、別の本発明によれば、スロットライン端面での波動インピーダンス不整合によるアンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態における平面アンテナの構成を示す平面図である。同図に示す平面アンテナ10は、誘電体基板11と、誘電体基板11上に設けられた金属膜13と、金属膜13間にテーパ状に広がるスロットライン12と、スロットライン12に対応する誘電体基板11の一部を切除した切り込み部14とを備えている。スロットライン12は、電磁波給電部12aと、電磁波をスロットラインモードから自由空間モードへと変換するモード変換部12bと、電磁波をその進行方向であるアンテナ前方に放射する開口部12cとから構成される。
スロットライン12は、エンドミル加工などにより金属膜13を切削して形成される。切り込み部14は、基板カッタなどにより誘電体基板11を切り取ることで形成される。図1に示す平面アンテナ10の切り込み部14は、スロットライン開口部12c側からスロットライン12に沿って誘電体基板11を切除することにより形成される。
図2(a)は、図1に示す平面アンテナ10のA−A部における断面図であり、図2(b)は図1に示す平面アンテナ10のB−B部における断面図である。図中の矢印はスロットライン12を伝搬する電界を示している。
図2(a)で示すA−A部における断面では、スロットライン12に対応する部分の誘電体基板11は切除されずに存在している。この場合、電界が誘電体基板11に強く引きつけられるためスロットライン12への電界集中は大きくなる。一方、図2(b)で示すB−B部における断面では、スロットライン12に対応する部分の誘電体基板11が切除されている。B−B部では、A−A部よりもH面方向において電界が広がりを持つ。E面方向に関しては、A−A部及びB−B部のいずれもスロットライン12両側の金属膜13により電界がスロットライン12内に閉じこめられるので、E面方向の電界の広がりに大きな違いは生じない。
スロットライン12を伝搬する電界は誘電体基板11の比誘電率の大きさに準じて誘電体基板11に強く誘導されるため、スロットライン12への電界集中は誘電体基板11の比誘電率により異なる。スロットライン12への電界集中が大きいほど進行方向へ伝搬するエネルギーが多くなるため狭角な指向性が得られる。逆に、スロットライン12への電界集中が小さいと自由空間へ拡散する電界エネルギーが多くなるため広角な指向性が得られる。以上のことから、電磁波伝搬経路であるスロットライン12に対応する比誘電率を変えることでE面の指向性よりもH面の指向性を大きく変化させた電磁波放射特性、すなわち、直交異方向放射特性を得ることができる。なお、誘電体基板11を切除して切り込み部14を形成する代わりに、誘電体基板11よりも比誘電率の小さい材料により比誘電率の小さい部分を形成してもよい。
次に、平面アンテナの指向性を数値シミュレーションした結果について説明する。図3(a)は、図1に示す平面アンテナ10に10GHzの電磁波を伝搬させた場合のE面についての数値計算結果であり、図3(b)は、H面についての数値計算結果である。比較例として、切り込み部14がない従来の平面アンテナに10GHzの電磁波を伝搬させた場合のE面及びH面についての数値計算結果を図4(a),図4(b)に示す。
平面アンテナ10のE面指向性(図3(a)参照)は、従来の平面アンテナのE面指向性(図4(a)参照)に比べてわずかではあるが狭角特性となる。一方、平面アンテナ10のH面指向性(図3(b)参照)は、従来の平面アンテナのH面指向性(図4(b)参照)に比べて広角特性となる。このように、切り込み部14を形成することにより、E面及びH面の放射特性を制御することができ、直交異方向放射特性を得ることができる。
したがって、本実施の形態によれば、電磁波伝搬路であるスロットライン12に対応する位置の誘電体基板11を切り取り、誘電体基板11より比誘電率の小さい切り込み部14を形成することにより、E面とH面の放射特性が異なる直交異方向放射特性を有する平面アンテナ10を実現することができる。
[第2の実施の形態]
図5は、第2の実施の形態における平面アンテナの構成を示す斜視図である。同図に示す平面アンテナ50は、誘電体基板51と、誘電体基板51上に設けられた金属膜53と、金属膜53間にテーパ状に広がるスロットライン52と、スロットライン52に対応する誘電体基板51を切除した切り込み部54とを備えている。平面アンテナ10は、図1に示した平面アンテナ10に対してスロットライン52に対応する誘電体基板51をすべて切除している点で異なっている。
図6(a)は、図5に示した平面アンテナ50に10GHzの電磁波を伝搬させた場合のE面についての数値計算結果であり、図6(b)は、H面についての数値計算結果である。
平面アンテナ50のE面指向性(図6(a)参照)は、図1に示した平面アンテナ10のE面指向性(図3(a)参照)および従来の平面アンテナのE面指向性(図4(a)参照)に比べてわずかではあるが狭角特性となる。一方、平面アンテナ50のH面指向性(図6(b)参照)は、図1に示した平面アンテナ10のH面指向性(図3(b)参照)および従来の平面アンテナのH面指向性(図4(b)参照)に比べて広角特性となる。このように、スロットライン52に対応する誘電体基板51をすべて切除した場合に、H面が最も広角特性となる直交異方向放射特性を得ることができる。
このように、切り込み部54の大きさに比例してH面の放射特性が広角化し、異方向性が得られる。スロットライン52に対応する誘電体基板51を切除する大きさを変更することでH面の放射特性を変更することができる。スロットライン52に対応する誘電体基板51をすべて切除した場合に、H面について最も広角な指向性を持つ平面アンテナ50を提供することができる。
したがって、本実施の形態によれば、スロットライン52に対応する誘電体基板51を切除して切り込み部54を備えることにより、最も異方向性を有する平面アンテナ50を実現することができる。
[第3の実施の形態]
図7は、第3の実施の形態における平面アンテナの構成を示す斜視図である。同図に示す平面アンテナ70は、誘電体基板71と、誘電体基板71上に設けられた金属膜73と、金属膜73間にテーパ状に広がるスロットライン72と、スロットライン72に対応する誘電体基板71を切除した切り込み部74a,74bと、を備え、切除されずに残された誘電体基板71は突起部75を有する。スロットライン72は、電磁波給電部72aと、電磁波をスロットラインモードから自由空間モードへと変換するモード変換部72bと、電磁波をその進行方向であるアンテナ前方に放射する開口部72cとから構成される。
図7に示す平面アンテナ70において、スロットライン72の中心を通る直線Cと、その直線Cに直交し開口部72cと平行な直線Dとの交点をEとする。このとき、突起部75は、交点Eを突起先端とし、直線Cに対して対称となるように形成される。このように、突起部75を電磁波の伝搬方向に対して誘電体部分が減少するように形成、つまり切り込み部74a,74bが徐々に大きくなるように形成することで、スロットライン72の波動インピーダンスを段階的に自由空間の波動インピーダンスに近づけることができ、波動インピーダンス不整合により生じる反射を低減し、アンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
図8は、図7に示した平面アンテナ70の給電部72aにおける時間軸反射波形を数値シミュレーションした結果を示すグラフであり、横軸に時間軸を取り、縦軸に電圧を取っている。符号81で示す曲線は、図5に示した平面アンテナ50における波形であり、符号82で示す曲線は、図7に示した平面アンテナ70における波形である。
図8の時間軸0.3ns付近から振動している波形は、電磁波がスロットライン72を伝搬する過程において波動インピーダンス不整合により生じる反射波を示している。図8を参照すると、本実施の形態における平面アンテナ70は、平面アンテナ50に比べて反射波が小さいことがわかる。
図9(a)は、図7に示した平面アンテナ70に10GHzの電磁波を伝搬させた場合のE面についての数値計算結果であり、図9(b)は、H面についての数値計算結果である。
平面アンテナ70のE面指向性(図9(a)参照)は、従来の平面アンテナのE面指向性(図4(a)参照)に比べてわずかではあるが狭角特性となる。一方、平面アンテナ70のH面指向性(図9(b)参照)は、従来の平面アンテナのH面指向性(図4(b)参照)に比べて広角特性となる。
また、平面アンテナ70は突起部75を備えることから、図5に示した平面アンテナ50と比較してスロットライン72に対応する箇所に誘電体基板71が多く存在することから、平面アンテナ70は、平面アンテナ50よりもスロットライン72に大きな電界集中が生じ、その結果E面指向性はわずかに広角特性となり、H面指向性はわずかに狭角特性となる。
このように、切除されずに残された誘電体基板71に突起部75を形成することにより、従来の平面アンテナと比してH面指向性が広角特性となり直交異方向放射特性が得られるとともに、スロットライン72での波動インピーダンス不整合によるアンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
なお、交点Eの位置は直線C上であればよいので、図10(a)に示すように突起部75の頂点が中央部付近となるものでもよい。図10(b)に示すように、突起部75は複数の頂点を有するものでもよく、図10(c)、(d)に示すように、突起部75は曲線で形成されてもよい。図10(e)に示すように、突起部75が直線と曲線により形成されるものであってもよい。
したがって、本実施の形態によれば、スロットライン72に対応する誘電体基板71の一部を切除せずに電磁波の伝搬方向に対してその誘電体基板71が徐々に小さくなるような突起部75を形成することにより、従来の平面アンテナと比してH面指向性が広角特性となり直交異方向放射特性が得られるとともに、スロットライン72での波動インピーダンス不整合によるアンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
[第4の実施の形態]
図11は、第4の実施の形態における平面アンテナの構成を示す斜視図である。同図に示す平面アンテナ110は、誘電体基板111と、誘電体基板111上に設けられた金属膜113と、金属膜113間にテーパ状に広がるスロットライン112と、スロットライン112に対応する誘電体基板111を切除した切り込み部114とを備える。スロットライン112は、電磁波給電部112aと、電磁波をスロットラインモードから自由空間モードへと変換するモード変換部112bと、電磁波をその進行方向であるアンテナ前方に放射する開口部112cとから構成される。
切り込み部114は、直線C上の点Fを頂点として、スロットライン112の中心を通る直線Cに対して対称となるように形成される。このように、切り込み部114が電磁波の伝搬方向に対して誘電体部分が減少するように形成することで、スロットライン112の波動インピーダンスを段階的に自由空間の波動インピーダンスに近づけることができ、波動インピーダンス不整合により生じる反射を低減し、アンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
図12は、図11に示した平面アンテナ110の電磁波給電部112aにおける時間軸反射波形を数値シミュレーションした結果を示すグラフであり、横軸に時間軸を取り、縦軸に電圧を取っている。符号81で示す曲線は、図5に示した平面アンテナ50における波形であり、符号83で示す曲線は、図11に示した平面アンテナ110における波形である。
図11の時間軸0.3ns付近から振動している波形は、電磁波がスロットライン112を伝搬する過程において波動インピーダンスの不整合により生じる反射波を示している。図11を参照すると、本実施の形態における平面アンテナ110は、平面アンテナ50に比べて反射波が小さいことがわかる。
また、本実施の形態における平面アンテナ110においても、図7で示した平面アンテナ70と同様に、従来の平面アンテナと比してH面指向性が広角特性となることから、直交異方向放射特性を得ることができる。
このように、スロットライン112に対応する誘電体基板111を凹状に残すように、切り込み部114を電磁波の伝搬方向に対して誘電体基板111が減少するように形成することで、従来の平面アンテナと比してH面指向性が広角特性となり直交異方向放射特性が得られるとともに、スロットライン112での波動インピーダンス不整合による反射を軽減することができ、その結果、アンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
なお、図13(a)、(b)、(c)に示すように、切り込み部114は複数の直線で形成されるものでもよく、図13(d)、(e)に示すように、切り込み部114は曲線で形成されるものでもよい。また、図13(f)に示すように、切り込み部114を直線と曲線を複合して形成するものであってもよい。
したがって、本実施の形態によれば、スロットライン112に対応する誘電体基板111を切除するときに、切り込み部114を電磁波の伝搬方向に対して徐々に大きくなるように形成することにより、従来の平面アンテナと比してH面指向性が広角特性となり直交異方向放射特性が得られるとともに、スロットライン72での波動インピーダンス不整合によるアンテナ放射効率の劣化を低減することができる。
第1の実施の形態における平面アンテナの構成を示す平面図である。 図1の平面アンテナの断面図であり、図2(a)はA−A部における断面を示し、図2(b)はB−B部における断面を示す図である。 図1の平面アンテナの指向性を示す図であり、図3(a)はE面における指向性を示し、図3(b)はH面における指向性を示す図である。 従来の平面アンテナの指向性を示す図であり、図4(a)はE面における指向性を示し、図4(b)はH面における指向性を示す図である。 第2の実施の形態における平面アンテナの構成を示す斜視図である。 図5の平面アンテナの指向性を示す図であり、図6(a)はE面における指向性を示し、図6(b)はH面における指向性を示す図である。 第3の実施の形態における平面アンテナの構成を示す斜視図である。 図7の平面アンテナの給電部における反射波形を示すグラフである。 図7の平面アンテナの指向性を示す図であり、図9(a)はE面における指向性を示し、図9(b)はH面における指向性を示す図である。 図10(a)〜(e)は第3の実施の形態における平面アンテナのバリエーションを示す平面図である。 第4の実施の形態における平面アンテナの構成を示す斜視図である。 図11の平面アンテナの給電部における反射波形を示すグラフである。 図10(a)〜(f)は第4の実施の形態における平面アンテナのバリエーションを示す平面図である。
符号の説明
10,50,70,110…平面アンテナ
11,51,71,111…誘電体基板
12,52,72,112…スロットライン
12a,72a,112a…給電部
12b,72b,112b…モード変換部
12c,72c,112c…開口部
13,53,73,113…金属膜
14,54,74a,74b,114…切り込み部
75…突起部

Claims (2)

  1. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板上に設けられた一対の金属膜と、
    前記一対の金属膜間にテーパ状に広がるスロットラインと
    前記スロットラインに対応する前記誘電体基板の一部に形成した前記誘電体基板の比誘電率よりも小さい部分と、
    前記スロットラインに対応する前記誘電体基板に形成した突起部と、を有し、
    前記誘電体基板の比誘電率よりも小さい部分は、前記スロットラインの中心を通る直線に対して対称であり、前記スロットラインの開口部に近づくにつれて大きくなり、
    前記突起部は、前記スロットラインの中心を通る直線と前記スロットラインの開口部と平行な直線の交点を先端とし、前記スロットラインの中心を通る直線に対して対称である
    ことを特徴とする平面アンテナ。
  2. 前記誘電体基板の比誘電率よりも小さい部分は、前記誘電体基板を切除して形成したことを特徴とする請求項1記載の平面アンテナ。
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