JP2504138B2 - アンテナ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、レーダや通信用のアンテナ装置に関する
ものである。

〔従来の技術〕

第７図は実開昭55-14389号公報に示された従来のこの
種のアンテナ装置の構成図であり、図において、（１）
は金属反射板、（2a），（2b）はこの金属反射板（１）
と交差して間隔ｄで配列された素子アンテナである。第
８図は上記素子アンテナ（2a），（2b）の構成図、第９
図は上記素子アンテナ（2a），（2b）の分解図、第10図
は上記素子アンテナ（2a），（2b）の動作を示す図であ
り、図において、（3a），（3b）は誘電体基板、（4
a），（4b）は各々、上記誘電体基板（3a）の下面およ
び誘電体基板（3b）の上面に配置された金属地導体、
（5a），（5b）はこの金属地導体（4a），（4b）上に構
成され、線路幅が上記誘電体基板（3a），（3b）の端部
に向けテーパ状に拡大しているスロツト線路、（６）は
上記誘電体基板（3a），（3b）の間に配置され、上記ス
ロツト線路（5a），（5b）と直交して配置されたストリ
ツプ線路、（７）は上記ストリツプ線路（６）を流れる
電流、（８）は上記電流（７）により誘起される磁界、
（９）は上記スロツト線路（5a），（5b）上の電界であ
る。

次に動作について説明する。各素子アンテナ（2a），
（2b）のストリツプ線路（６）を伝搬する信号は、上記
ストリツプ線路（６）上で電流（７）を形成する。この
電流（７）により、上記ストリツプ線路（６）のまわり
を回転する磁界（８）が誘起される。そしてこの磁界
（８）によりスロツト線路（5a），（5b）上に電界
（９）が誘起される。この電界（９）は上記スロツト線
路（5a），（5b）上を伝搬し、スロツト線路（5a），
（5b）の端部、すなわち、誘電体基板（3a），（3b）の
端部から空間に放射される。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のアンテナ装置は以上のように構成されているの
で、スロツト線路（5a），（5b）上の電界（９）は、上
記スロツト線路（5a），（5b）の端部からだけでなく、
スロツト線路（5a），（5b）の途中から上記金属反射板
（１）と平行な方向にも放射される。そのため、上記素
子アンテナ（2a）から空間に放射された上記電界（９）
は間隔ｄで隣り合う素子アンテナ（2b）に結合しやす
い。すなわち、素子アンテナ（2a），（2b）間の相互結
合が大きいという課題があつた。

この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、素子アンテナ間の相互結合が小さいアンテナ
装置を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係るアンテナ装置は、素子アンテナの両側
面に各々高誘電率の誘電体基板を密着して配置し、これ
らの誘電体基板の上記素子アンテナと密着した面と反対
側の面に金属地導体を構成したものである。

〔作用〕

この発明におけるアンテナ装置は、誘電体基板上に構
成された金属地導体により、素子アンテナから金属反射
板と平行な方向へ放射される電界を遮断し、素子アンテ
ナ間の相互結合を減少させる。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図は実施例におけるアンテナ装置の構成図であり、図
において、（１）は金属反射板、（2a），（2b）はこの
金属反射板（１）上に金属反射板（１）と交差して間隔
ｄで配列された素子アンテナである。第２図は上記素子
アンテナ（2a），（2b）の構成図、第３図は上記素子ア
ンテナ（2a），（2b）の分解図であり、図において、
（3a），（3b）は誘電体基板、（4a），（4b）は各々、
上記誘電体基板（3a）の下面および誘電体基板（3b）の
上面に配置された金属地導体、（5a），（5b）はこの金
属地導体（4a），（4b）上に構成され、線路幅が上記誘
電体基板（3a），（3b）の端部に向けテーパ状に拡大し
ているスロツト線路、（６）は上記誘電体基板（3a），
（3b）に間に配置され、上記スロツト線路（5a），（5
b）と直交して配置されたストリツプ線路、（７）は上
記ストリツプ線路（６）を流れる電流、（９）は上記ス
ロツト線路（5a），（5b）上の電界、（10a），（10b）
は上記金属地導体（4a），（4b）に密着した上記誘電体
基板（3a），（3b）より高誘電率の誘電体基板Ａ、（11
a），（11b）はこの誘電体基板Ａ（10a），（10b）の上
記金属地導体（11a），（11b）と反対側の面に構成され
た金属地導体Ａである。

次に動作について説明する。各素子アンテナ（2a），
（2b）のステリツプ線路（６）を伝搬する信号は、上記
ストリツプ線路（６）上で電流（７）を形成する。この
電流（７）によりスロツト線路（5a），（5b）上に電界
（９）が誘起される。この電界（９）は上記スロツト線
路（5a），（5b）上を伝搬し、スロツト線路（5a），
（5b）の端部、すなわち、誘電体基板（3a），（3b）の
端部から空間に放射される。このとき、金属地導体Ａ
（11a），（11b）が誘電体基板Ａ（10a），（10b）を介
して上記スロツト線路（5a），（5b）と平行に置かれて
いるので上記スロツト線路（5a）（5b）の途中から、上
記金属地導体Ａ（11a），（11b）に垂直な方向、すなわ
ち金属反射板（１）と平行な方向に放射される上記電界
（９）はなくなり、素子アンテナ（2a）と素子アンテナ
（2b）の間の相互結合は小さくなる。

第４図はこのアンテナ装置の他の実施例での素子アン
テナ（2a），（2b）の構成図、第５図は他の実施例での
素子アンテナ（2a），（2b）の分解図であり、図におい
て（３）は誘電体基板、（４）はこの誘電体基板（３）
の下面に配置された金属地導体、（５）はこの金属地導
体（４）上に構成され、線路幅が上記誘電体基板（３）
の端部に向けテーパ状に拡大しているスロツト線路、
（６）は上記誘電体基板（３）の上面に配置され、上記
スロツト線路（５）と直交して配置されたストリツプ線
路、（10a），（10b）は上記誘電体基板（３）の両側に
密着した誘電体基板（３）より高誘電率の誘電体基板
Ａ、（11a），（11b）はこの誘電体基板Ａ（10a），（1
0b）の上記誘電体基板（３）と反対側の面に構成された
れ金属地導体Ａである。

第４図、第５図の実施例においても、第２図、第３図
の場合と全く同様の効果が期待できる。また、上記実施
例では、誘電体基板（３），（3a），（3b）と誘電体基
板Ａ（10a）（10b）の長さを同一としているが、第６図
に示すように、誘電体基板（３），（3a），（3b）と誘
電体基板Ａ（10a），（10b）の長さを変え、両者の長さ
の差ｌをｌ＞０としてもよい。尚、誘電体基板（３），
（3a），（3b）、及び、誘電体基板Ａ（10a），（10b）
の材質については特に問わない。また上記実施例では素
子アンテナ数を素子アンテナ（2a），（2b）の２素子と
しているが、素子アンテナ数、および配列間隔について
も特に問わない。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、素子アンテナの両
側面に各々高誘電率の誘電体基板を密着して配置し、こ
れらの誘電体基板の上記素子アンテナと密着した面と反
対側の面に金属地導体を構成したので、素子アンテナか
ら金属反射板と平行な方向へ放射される電界が遮断さ
れ、素子アンテナ間の相互結合の小さいアンテナ装置が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例によるアンテナ装置の構成
図、第２図はこの発明の一実施例による素子アンテナの
構成図、第３図はこの発明の一実施例による素子アンテ
ナの分解図、第４図はこの発明の他の実施例による素子
アンテナの構成図、第５図はこの発明の他の実施例によ
る素子アンテナの分解図、第６図はこの発明の第３の実
施例による素子アンテナの構成図、第７図は従来のアン
テナ装置の構成図、第８図は従来の素子アンテナの構成
図、第９図は従来の素子アンテナの分解図、第10図は従
来の素子アンテナの動作を示す図である。 （１）は金属反射板、（2a），（2b）は素子アンテナ、
（３），（3a），（3b）は誘電体基板、（４），（4
a），（4b）は金属地導体、（５），（5a），（5b）は
スロツト線路、（６）はストリツプ線路、（７）は電
流、（８）は磁界、（９）は電界、（10a），（10b）は
誘電体基板Ａ、（11a），（11b）は金属地導体Ａであ
る。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１層の誘電体基板の片面、または２層の密
   着した誘電体基板の両側面に配置した金属地導体、この
   金属地導体上に配置され、線路幅を誘電体基板端部に向
   けテーパ状に拡大させ放射部を構成したスロツト線路、
   及び、誘電体基板が１層の場合には誘電体基板の上記金
   属地導体面と反対側の面に、又、誘電体基板が２層の場
   合には２層の誘電体基板ではさまれた面に上記スロツト
   線路と直交するように配置されたストリツプ線路とから
   構成された素子アンテナを、複数個平面状あるいは曲面
   状の金属反射板上に、上記誘電体基板が金属反射板と直
   角に交差するように配列したアンテナ装置において、上
   記素子アンテナの両側に各々上記誘電体基板より高誘電
   率の誘電体基板をさらに密着して配置し、これらの誘電
   体基板の上記素子アンテナと密着した面と反対側の面に
   金属地導体を構成したことを特徴とするアンテナ装置。