JP4819491B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、段差上に形成された絶縁層に研磨処理が施される半導体装置およびその製造方法に関する。
凹凸を有する半導体基板上に形成される絶縁膜の平坦性を向上させることが従来から試みられている。
たとえば、特開2004−296503号公報においては、絶縁膜のエッチング終点の位置に発光検出膜を成膜し、エッチングガスの発光波長をモニタしながら絶縁膜をエッチバックし、発光検出膜に固有の発光波長を検出した段階で絶縁膜のエッチバックを終了する方法が開示されている。
また、特開平11−16999号公報においては、浅溝を含む半導体基板の主面上にシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜をCMP法により研磨して素子分離領域を形成する半導体集積回路装置において、素子分離領域により半導体基板の主面に活性領域およびダミー領域を形成する方法が開示されている。ここでは、ダミー領域は、半導体基板の任意の領域の凹み体積率が半導体基板全面の平均凹み体積率の−20%から+20%の範囲となり、半導体基板の任意の領域のアクティブ面積率が、半導体基板全面の平均アクティブ面積率の−20%から+20%の範囲となるように形成されている。
また、特開平9−223737号公報においては、半導体基板上にシリコン酸化膜を介してアルミニウム配線が形成され、該配線上に研磨レートの低い第1のシリコン酸化膜が形成され、その上に研磨レートの高い第2のシリコン酸化膜が形成され、その上に研磨レートの低い第3のシリコン酸化膜が形成された半導体装置が開示されている。
また、特開平7−245306号公報においては、基体に設けられた段差部の少なくとも頂部に第1の膜を形成する工程と、研磨速度が速い第2の膜で段差部を被覆する工程と、第2の膜を研磨し、段差部の頂部に形成された第1の膜を露出させる工程とを備えた膜平坦化方法が開示されている。
また、シリコン窒化膜をストッパ層として用いることが従来から行なわれている(たとえば、特開平8−64595号公報)。
さらに、不揮発性メモリセルを有する半導体装置が従来から知られている。
たとえば、特開2005−85903号公報においては、フローティングゲート電極およびコントロールゲート電極とともに、アシストゲート電極を有する不揮発性メモリセルを有する半導体装置が開示されている。ここで、フローティングゲート電極は、電荷蓄積用の電極である。
特開2004−296503号公報 特開平11−16999号公報 特開平9−223737号公報 特開平7−245306号公報 特開平8−64595号公報 特開2005−85903号公報
半導体装置の微細化に伴ない、絶縁膜のより高度な平坦性の確保が要求されるようになっている。絶縁膜の平坦性が十分に確保されていないと、フォトリソグラフィ工程の露光光に対する焦点深度の減少や、ドライエッチングにおけるホール寸法精度の減少、ホールの非開口などの問題を招来する。
なお、特許文献1〜4に記載の平坦化方法では、段差上に形成された絶縁膜の平坦性を必ずしも十分に確保できない場合がある。たとえば、特許文献3に記載の方法では、研磨レートの高いシリコン酸化膜の上面が段差の上面よりも上方に位置しているため、研磨が進むにつれて、半導体基板の凹みの部分で研磨レートの高い膜が露出する場合がある。この場合、シリコン酸化膜の平坦性が低下することが懸念される。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、段差上に形成された絶縁膜の平坦性を向上させた半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上面の高さが相対的に高い第1部分と上面の高さが相対的に低い第2部分とを有するパターン層を半導体基板の主表面上に形成する工程と、パターン層における第1と第2部分上に、第2部分上においてパターン層の第1部分の上面よりも下側に上面を有する絶縁層である第1の層を形成する工程と、第1の層よりも研磨レートが低い絶縁層である第2の層を第1の層上に形成する工程と、第2の層上から研磨処理を施して、第1部分上の第1の層および第2部分上の第2の層を残しつつ、第1部分上の第1の層を露出させる工程とを備え、パターン層を形成する工程は、該パターン層における第1部分の表層部に、第1と第2の層よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層を形成する工程を含む。
本発明によれば、半導体装置において、段差上に形成された絶縁膜の平坦性を向上させることができる。
以下に、本発明に基づく半導体装置およびその製造方法の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部1を示した図である。図1を参照して、本実施の形態に係る半導体装置は、AG(Assist Gate)−AND型のフラッシュメモリ(不揮発性半導体記憶装置)であって、メモリセルアレイ部1と、メモリセルアレイ部1の周辺に配置された周辺回路部とを備える。メモリセルアレイ部は、電荷蓄積用の孤立パターンであるフローティングゲート電極FGと、半導体基板上にビット線としての反転層を形成するためのアシストゲート電極AGと、ワード線としてのコントロールゲート電極CGとを有する。アシストゲート電極AGは、フローティングゲート電極FGの両側に形成されている。コントロールゲート電極CGは、フローティングゲート電極FG上からアシストゲート電極AG上に形成されている。そして、アシストゲート電極AGと、コントロールゲート電極CGとは、互いに交差(ほぼ直交)するように形成されている。なお、図1中の矢印は、データ読み出し時の電流の流れの一例を示す。データ読み出し動作の詳細については後述する。
図2は、本実施の形態に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部1および周辺回路部2を示した断面図である。図2を参照して、半導体基板10上にn型埋込み領域20およびpウエル30が形成される。ゲート絶縁膜41上には、アシストゲート電極AG、絶縁膜50,55,70,80,90およびコントロールゲート電極CGを含むパターン層100が形成されている。そして、パターン層100上に層間絶縁膜110が形成されている。
アシストゲート電極AGおよびゲート電極130は、たとえば酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜41を介してpウエル30上に形成されている。ゲート電極130は、後述するスイッチングMOSトランジスタを構成する。pウエル30におけるゲート電極130の両側には、n−不純物領域140および共通ドレイン150としてのn+不純物領域151およびn−不純物領域152が設けられる。アシストゲート電極AGおよびゲート電極130上には、絶縁膜50,55が堆積されている。メモリセルアレイ部1においては、絶縁膜50上にONO(Oxide−Nitride−Oxide)膜構造を有する絶縁膜70が形成されている。絶縁膜70上に、ポリシリコン膜CG1およびシリサイド膜CG2を含むコントロールゲート電極CGが形成され、コントロールゲート電極CG上に、絶縁膜80が形成されている。ゲート電極130、絶縁膜50,55の側壁上とコントロールゲート電極CGおよび絶縁膜80の側壁上とに絶縁膜90が形成されている。絶縁膜55,80,90を覆うように層間絶縁膜110が形成されており、層間絶縁膜110上に上層配線162,172,182が形成されている。上層配線162,172,182は、それぞれプラグ161,171,181を介してアシストゲート電極AG,ゲート電極130およびn+不純物領域151と電気的に接続される。
アシストゲート電極AGに電圧が印加されると、半導体基板上におけるアシストゲート電極AGの直下にソース/ドレインとしての反転層(図示せず)が形成される。ここで、ゲート電極130に電圧を印加してスイッチングMOSトランジスタをON状態にすることにより、共通ドレイン150とアシストゲート電極AG下部の反転層とが電気的に接続される。
図2に示す構造において、アシストゲート電極AG、絶縁膜50,55,70,80,90およびコントロール電極CGは、「パターン層100」を構成する。図2に示すように、パターン層100の上面は、メモリセルアレイ部1において相対的に高く、周辺回路部2において相対的に低い。すなわち、メモリセルアレイ部1と周辺回路部2との境界領域において、パターン層100は、Hの高さの段差を有している。
図2に示すように、層間絶縁膜110は、第1の層111と第2の層112とを含んで構成される。第1の層111は、メモリセルアレイ部1から周辺回路部2に亘って形成されている。そして、周辺回路部2に位置する第1の層111の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層100の上面よりも下側に位置している。すなわち、周辺回路部2における第1の層111の厚み(t)はパターン層100の段差の高さ(H)よりも小さい。一方、第1の層111上に形成される第2の層112は、周辺回路部2に形成されている。
図3〜図6は、それぞれ、図1中のIII−III断面,IV−IV断面,V−V断面,VI−VI断面を示す。図3を参照して、メモリセルアレイ部においては、たとえばシリコンからなる半導体基板10上にn型埋込み領域20およびpウエル30が形成されている。アシストゲート電極AGおよびフローティングゲート電極FGは、それぞれ、たとえばSiO2膜からなるゲート絶縁膜40(41,42)を介してpウエル30上に形成されている。アシストゲート電極AG上には、絶縁膜50が形成されている。また、フローティングゲート電極FGとアシストゲート電極AGとの間には、絶縁膜60が形成されている。そして、フローティングゲート電極FG上からアシストゲート電極AG上に、ONO膜である絶縁膜70が形成されている。絶縁膜70上に、矢印DR1方向に延在するコントロールゲート電極CGが形成される。図4〜図6を参照して、アシストゲート電極AGの延在方向(矢印DR2方向)に並ぶ複数のコントロールゲート電極CGの間には絶縁膜90が形成されている。そして、絶縁膜80,90を覆うように層間絶縁膜の第1の層111が形成されている。
図7は、上記半導体装置における周辺回路部2を示した断面図である。図7を参照して、分離領域190により隔てられたpウエル30Aおよびnウエル30B上には、それぞれ、ゲート電極AG1、絶縁膜50,55を含む積層構造が形成されている。この積層構造の側壁上には絶縁膜90が形成され、pウエル30Aおよびnウエル30B上から絶縁膜55上を覆うように層間絶縁膜110が形成されている。pウエル30Aにおけるゲート電極AG1の両側には、n+不純物領域153およびn−不純物領域154が形成され、nウエル30Bにおけるゲート電極AG1の両側には、p+不純物領域155およびp−不純物領域156が形成されている。ゲート絶縁膜41上から絶縁膜55上には、第1と第2の層111,112の積層構造を含む層間絶縁膜110が形成されている。
次に、フラッシュメモリである上記半導体装置の書込み、読み出しおよび消去の動作について、図1〜図6を参照しながら説明する。
データ書込み時には、所定のアシストゲート電極AGに電圧が印加される。これにより所定のメモリセル(選択メモリセル)が選択される。該データ書込みは、ソースサイドホットエレクトロン注入方式により行なわれる。これにより、高速に、かつ、低電流で効率的なデータ書込みが実現される。個々のメモリセルには、多値のデータを記憶することが可能である。この多値記憶は、コントロールゲート電極に印加される書込み電圧を一定にしながら、個々のメモリセルごとに書込み時間を変化させ、それぞれ異なる閾値レベルを有するメモリセルを形成することで実現される。たとえば、“00”/“01”/“10”/“11”などのような4つ以上の値が記憶可能である。したがって、1つのメモリセルで2つ以上のメモリセル分の働きを実現することができる。この結果、フラッシュメモリの小型化が実現される。
データ書込み動作においては、選択メモリセルが接続されるコントロールゲート電極CGに、たとえば15V程度の電圧が印加され、それ以外のコントロールゲート電極CGに、たとえば−2V程度の電圧が印加される。また、選択メモリセルにおけるソース形成用のアシストゲート電極AGに、たとえば5V程度の電圧が印加され、ドレイン形成用のアシストゲート電極AG(たとえば、ソース形成用のアシストゲート電極AGに隣接するアシストゲート電極AG)に、たとえば8V程度の電圧が印加される。これにより、これらのアシストゲート電極AGに対向する半導体基板10の主表面上(pウエル30上)にソース/ドレインとなる反転層(図示せず)が形成される。一方で、上記以外のアシストゲート電極AGには、たとえば−2V程度の電圧が印加されており、これらのアシストゲート電極AGに対向する半導体基板10の主表面上には反転層が形成されていない。これにより、選択メモリセルと非選択メモリセルとの間のアイソレーションが行なわれる。さらに、選択メモリセルにおけるドレインとなる反転層に接続されるビット線に、たとえば4.5V程度の電圧が印加される。ここで、選択メモリセルにおけるソースとなる反転層に接続されたビット線に、たとえば0V程度の電圧が印加される一方で、非選択メモリセルにおけるソースとなる反転層に接続されるビット線に、たとえば2V程度の電圧が印加される。これにより、選択メモリセルにおいてはドレインからソースに向かって書込み用の電流が流れ、ソース側の反転層に蓄積された電荷がゲート絶縁膜42を介してフローティングゲート電極FGに注入される。一方で、非選択メモリセルにおいては、ドレインからソースに向かう電流は流れず、フローティングゲート電極FGへの電荷の注入は行なわれない。以上の動作により、所定のメモリセルに選択的にデータの書込みが行なわれる。
データ読み出し動作においては、上記書込み動作と逆の動作が行なわれる。ここでは、選択メモリセルが接続されるコントロールゲート電極CGに、たとえば2〜5V程度の電圧が印加され、それ以外のコントロールゲート電極CGに、たとえば−2V程度の電圧が印加される。また、選択メモリセルにおけるソース/ドレイン形成用のアシストゲート電極AGに、たとえば4V程度の電圧が印加される。これにより、選択メモリセルにおけるソース/ドレインが形成される。一方、非選択メモリセルにおけるソース/ドレイン形成用のアシストゲート電極AGに、たとえば−2V程度の電圧が印加される。これにより、非選択メモリセルにおいては、ソース/ドレインとなる反転層が形成されない。この結果、選択メモリセルと非選択メモリセルとのアイソレーションが実現される。ここで、選択メモリセルにおいてドレインとなる反転層が接続されるビット線に、たとえば1V程度の電圧が印加される。一方、他のビット線に、たとえば0V程度の電圧が印加される。さらに、選択メモリセルにおいてソースとなる反転層に接続されるビット線に、たとえば0V程度の電圧が印加される。ここで、フローティングゲート電極FGの蓄積電荷の状態によって選択メモリセルの閾値電圧が変化する。したがって、選択メモリセルのソース−ドレイン間に流れる電流の状況から該メモリセルのデータを判別することができる。以上の動作により、多値記憶のメモリセルに対して読み出し動作を行なうことができる。
データ消去動作においては、選択対象のワード線に負電圧(たとえば−16V程度)が印加される一方で、半導体基板10(pウエル30)に正の電圧が印加される。なお、アシストゲート電極AGには0V程度の電圧が印加され、反転層は形成されない。これにより、フローティングゲート電極FGから半導体基板10に電荷が放出される。該放出は、F−N(Fowlor Nordheim)トンネル放出により行なわれる。以上の動作により、複数のメモリセルのデータが一括で消去される。
次に、図1〜図6に示す半導体装置の製造プロセスについて説明する。
図8,図10,図11,図13〜図17は、それぞれ、上記半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第1〜第8工程を示した断面図である。また、図9,図12は、それぞれ、上記半導体装置の製造方法における周辺回路部形成の第1と第2工程を示した図である。なお、図9は、図8に対応する状態を示し、図12は、図11に対応する状態を示す。
図8を参照して、メモリセルアレイ部においては、よく用いられるイオン注入法などを用いて半導体基板10上にたとえばリン(P)が選択的に注入されることにより、n型埋込み領域20が形成される。そして、よく用いられるイオン注入法などにより、たとえばホウ素(B)が選択的に注入されることにより、pウエル30が形成される。そして、pウエル30上に、たとえば二酸化シリコン換算膜厚で8.5nm程度の厚さになるように、ゲート絶縁膜41が形成される。ゲート絶縁膜41は、たとえばISSG(In−Situ Steam Generation)酸化法などの熱酸化法により形成される。そして、ゲート絶縁膜41上に、50nm程度の厚さになるように、多結晶シリコンなどからなる導電膜AG0(第1導電膜)がCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて形成される。この導電膜AG0は、アシストゲート電極AG用の導電膜である。そして、導電膜AG0上に、70nm程度の厚みを有する窒化シリコン膜からなる絶縁膜50(第1絶縁膜)が形成される。絶縁膜50は、CVD法などにより形成される。さらに、絶縁膜50上にTEOS酸化膜などからなる絶縁膜55が堆積される。絶縁膜55上には、ハードマスク膜(図示せず)および反射防止膜(図示せず)を介して、レジスト膜RMが形成される。
図9を参照して、周辺回路部においては、半導体基板10上に、分離領域190によって隔てられたpウエル30Aとnウエル30Bとが形成される。そして、pウエル30A上およびnウエル30B上にゲート絶縁膜41が形成される。そして、メモリセルアレイ部と同様に、ゲート絶縁膜41上に導電膜AG0、絶縁膜50,55の積層構造が形成される。そして、絶縁膜55上には、ハードマスク膜(図示せず)および反射防止膜(図示せず)を介して、レジスト膜RMが形成される。
メモリセルアレイ部においては、上述したハードマスク膜をマスクとして、図10に示すように、絶縁膜50,55がパターニングされる。そして、図11に示すように、導電膜AG0がパターニングされてアシストゲート電極AGが形成される。図12を参照して、周辺回路部においても同様に、絶縁膜50,55および導電膜AG0がパターニングされてゲート電極AG1が形成される。
図13を参照して、メモリセルアレイ部1においては、ゲート絶縁膜41上から絶縁膜55上に、30nm程度の厚みを有する絶縁膜60が形成される。その後、図14に示すように、絶縁膜60がエッチバックされる。これにより、アシストゲート電極AGから絶縁膜55の側壁上にサイドウォール絶縁膜である絶縁膜60(第2絶縁膜)が形成される。また、ゲート絶縁膜41の一部が除去されてpウエル30が露出する。pウエル30が露出した部分には、再度ゲート絶縁膜42が形成される。ゲート絶縁膜42は、データ書き込み時/消去時に電荷を通過させるトンネル酸化膜となる。図15を参照して、ゲート絶縁膜42上から絶縁膜55上に、多結晶シリコンなどからなる導電膜FG0(第2導電膜)がCVD法などを用いて形成される。この導電膜FG0は、フローティングゲート電極FG用の導電膜である。その後、図16に示すように、導電膜FG0の厚みが減じられる。これにより、絶縁膜60間に導電膜FG0が埋め込まれる。そして、図17に示すように、絶縁膜55と、絶縁膜50の一部とが除去される。また、絶縁膜50よりも上方に位置する絶縁膜60も除去される。
図18は、上記半導体装置の製造方法における、図17に示す工程に続く第9工程を示した断面図である。また、図19,図20は、上記半導体装置の製造方法における第10工程を示した図であり、それぞれ、図18におけるXIX−XIX断面,XX−XX断面に対応する。
図18を参照して、絶縁膜50から導電膜FG0を覆うように、絶縁膜70(第3絶縁膜)が形成される。絶縁膜70は、たとえばその厚みがそれぞれ5nm,8nm,5nm程度である酸化膜−窒化膜−酸化膜の積層構造(ONO膜構造)を有する。その後、絶縁膜70上にポリシリコン膜CG10およびシリサイド膜CG20を含む導電膜CG0(第3導電膜)が形成される。導電膜CG0は、コントロールゲート電極CG用の導電膜である。さらに、導電膜CG0上に、たとえばSiO2膜などからなる絶縁膜80が形成される。図19,図20を参照して、絶縁膜80が形成された後、導電膜CG0がパターニングされることにより、コントロールゲート電極CGが形成される。
図21,図22は、上記半導体装置の製造方法における第11工程を示した図である。なお、図21は、図19に対応する断面を示し、図22は、図20に対応する断面を示す。そして、図23は、図21におけるXXIII−XXIII断面を示す図である。
図21〜図23を参照して、コントロールゲート電極CGをマスクとして絶縁膜70および導電膜FG0がパターニングされ、孤立パターンであるフローティングゲート電極FGが形成される。
図24は、上記半導体装置の製造方法における第12工程を示した図であり、図23に対応する断面を示す。図24を参照して、導電膜CG0が除去された領域には、絶縁膜90が埋め込まれる。
図25は、上記半導体装置の製造方法における周辺回路部形成の第3工程を示した図であり、図24に対応する状態を示す。図25を参照して、ゲート電極AG1が形成された後、pウエル30Aにおけるゲート電極AG1の両側に、n+不純物領域153およびn−不純物領域154が形成され、nウエル30Bにおけるゲート電極AG1の両側に、p+不純物領域155およびp−不純物領域156が形成される。そして、ゲート電極AG1、絶縁膜50,55を含む積層構造の側壁上に絶縁膜90が形成される。
図26,図27は、それぞれ、層間絶縁膜110形成の第1と第2工程を示した図である。図26を参照して、メモリセルアレイ部1および周辺回路部2において、パターン層100上に第1の層111と第2の層112とを含む層間絶縁膜110が形成される。本実施の形態においては、パターン層100の段差(H=600nm)に対して第1の層111の厚みが250nm以上400nm以下程度であり、第2の層112の厚みが1000nm以上1200nm以下程度である。すなわち、周辺回路部2において、第1の層111の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層100の上面よりも下方に位置し、第2の層112の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層100の上面よりも上方に位置する。第1の層111は、たとえば、O3−TEOS、すなわち常圧CVDにより成長したシリコン酸化膜を含み、第2の層112は、たとえば、P−TEOS、すなわちプラズマ気相成長により成長したシリコン酸化膜を含む。このように、第1と第2の層111,112は、同一の組成を含んで構成されるが、第1の層111は、第2の層112と比較して相対的にポーラスな構造を有する。そして、第1の層111は、相対的に研磨レートが高く、第2の層112は、相対的に研磨レートが低い。たとえば、セリア系スラリーを用いた場合、第1の層111の研磨レートは180nm/min、第2の層112の研磨レートは30nm/minとなる。第1と第2の層111,112の研磨レートの比は適宜変更が可能であるが、第2の層112の研磨レートは、第1の層111の研磨レートの1/5以下程度であることが好ましい。
なお、パターン層100の上面高さは、メモリセルアレイ部1において高く、周辺回路部2において低い。すなわち、パターン層100は、メモリセルアレイ部1において凸部を有し、周辺回路部2において凹部を有する。この結果、パターン層100上に形成される層間絶縁膜110に段差が形成される。
第1と第2の層111,112が積層された後、第2の層112上からCMP(Chemical Mechanical Polishing)法による研磨処理が施される。この際、図27に示すように、パターン層100の凸部が位置するメモリセルアレイ部1上の層間絶縁膜110が優先的に除去され、層間絶縁膜110の段差が低減される。ここで、周辺回路部2に位置する第1の層111の上面はパターン層100の上面よりも下方に位置しているため、メモリセルアレイ部1においては第1の層111が露出し、周辺回路部2においては第2の層112が第1の層111を覆う構造が得られる。
パターン層100上に形成された層間絶縁膜110の段差を低減することは重要である。層間絶縁膜110に段差が残ることにより、上層配線の形成時などにおいて、フォトリソグラフィ工程の露光光に対する焦点深度の減少や、ドライエッチング工程におけるホール寸法精度の低下、ホールの非開口などが問題となる。他方、段差を解消するために層間絶縁膜を厚く形成して研磨量を増大させると、工程・コストの削減が阻害される。本実施の形態に係る半導体装置においては、メモリセルアレイ部1と周辺回路部2との間においてパターン層100が段差を有するため、パターン層100上に形成される層間絶縁膜110の段差を簡易な手法で低減することが重要になる。
これに対し、本実施の形態においては、層間絶縁膜110として相対的に研磨レートの高い第1の層111と相対的に研磨レートの低い第2の層112とを組合わせて用いることで、図27に示すように、研磨の途中工程において、層間絶縁膜110の凸部では研磨レートの高い第1の層111が露出し、層間絶縁膜110の凹部では研磨レートの低い第2の層112が第1の層111上を覆う状態にすることができる。この結果、メモリセルアレイ部1上に位置する層間絶縁膜110の凸部の研磨レートを向上させる一方で、周辺回路部2上に位置する層間絶縁膜110の凹部の研磨レートを低減することができる。したがって、研磨量を増大させることなく層間絶縁膜110の段差を効果的に解消することができる。本願発明者らは、上記のような第1と第2の層111,112の積層構造を用いることで、層間絶縁膜110に通常100nm程度残存する段差を30nm程度にまで低減できることを確認している。
図28は、上記半導体装置の変形例におけるメモリセルアレイ部および周辺回路部を示した断面図である。図28を参照して、本変形例においては、メモリセルアレイ部1において、第1と第2の層111,112よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層113が形成されている。第3の層113は、たとえば、HDP−SiO2、すなわち高密度プラズマ気相成長により成長したシリコン酸化膜を含んで構成される。
図29,図30は、それぞれ、上記変形例に係る半導体装置における層間絶縁膜110形成の第1と第2工程を示した図である。図29を参照して、メモリセルアレイ部1において、パターン層100の表層部に第3の層113が形成される。そして、メモリセルアレイ部1および周辺回路部2において、パターン層100上に第1の層111と第2の層112とを含む層間絶縁膜110が形成される。本実施の形態においては、第3の層の厚み(500nm)を含むパターン層100の段差(H=1100nm)に対して第1の層111の厚みが250nm以上400nm以下程度であり、第2の層112の厚みが1000nm以上1200nm以下程度である。すなわち、周辺回路部2において、第1の層111の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層100の上面よりも下方に位置し、第2の層112の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層100の上面よりも上方に位置する。本変形例においても、第1の層111は、相対的に研磨レートが高く、第2の層112は、相対的に研磨レートが低い。そして、第3の層113は、第1と第2の層111,112よりも研磨レートが低い。たとえば、セリア系スラリーを用いた場合、第1の層111の研磨レートは180nm/min、第2の層112の研磨レートは30nm/min、第3の層113の研磨レートは10nm/minとなる。第2と第3の層112,113の研磨レートの比は適宜変更が可能であるが、第3の層113の研磨レートは、第2の層112の研磨レートの1/2以下程度であることが好ましい。
本変形例においても、上記と同様に、研磨の途中工程(図30)において、層間絶縁膜110の凸部では研磨レートの高い第1の層111が露出し、層間絶縁膜110の凹部では研磨レートの低い第2の層112が第1の層111上を覆う状態にすることができる。この結果、メモリセルアレイ部1上に位置する層間絶縁膜110の凸部の研磨レートを向上させる一方で、周辺回路部2上に位置する層間絶縁膜110の凹部の研磨レートを低減することができる。したがって、研磨量を増大させることなく層間絶縁膜110の段差を効果的に解消することができる。また、メモリセルアレイ部1に研磨レートの低い第3の層113を設けることで、該第3の層113をエッチングストッパとして用いることができる。以上の結果として、層間絶縁膜110に残存する段差と残膜ばらつきとを低減することができる。
なお、図28〜図30の例では、周辺回路部2において、第1の層111の上面が絶縁膜80,90の上面よりも下方にある場合について説明したが、周辺回路部2において、第1の層111の上面が絶縁膜80,90の上面よりも上方にある場合でも、該上面が第3の層113の上面よりも下方にあれば、上記と同様の効果を奏することができる。また、図28〜図30の例では、第3の層113がメモリセルアレイ部1のみに形成される場合について説明したが、第3の層113は、メモリセルアレイ部1から周辺回路部2に亘って形成されていてもよい。
上述した内容について換言すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置は、半導体基板10と、半導体基板10の主表面上に形成されるパターン層100と、パターン層100上に設けられる「絶縁層」としての層間絶縁膜110とを備える。パターン層100は、上面の高さが相対的に高い「第1部分」としてのメモリセルアレイ部1と、上面の高さが相対的に低い「第2部分」としての周辺回路部2とを含む。層間絶縁膜110は、相対的に研磨レートが高い第1の層111と、該第1の層111上に形成された相対的に研磨レートが低い第2の層112とを含む。そして、パターン層100における周辺回路部2上に位置する第1の層111の上面は、パターン層100におけるメモリセルアレイ部1の上面よりも下側に位置している。なお、第1と第2の層111,112は、同一の組成であるSiO2を含んで構成される。そして、第1の層111の空隙率は第2の層112と比べて相対的に高くなるように構成されている。このようにすることで、工程が複雑化することを抑制しながら第1と第2の層111,112の研磨レートを異ならせることができる。
上記半導体装置において、メモリセルアレイ部1は、半導体基板10の主表面上にゲート絶縁膜41を介して複数形成され、半導体基板10上のpウエル30に反転層を形成することが可能なアシストゲート電極AGと、半導体基板10の主表面上における複数のアシストゲート電極AG間に位置する部分にゲート絶縁膜42を介して複数形成された、電荷蓄積用のフローティングゲート電極FGと、アシストゲート電極AG上からフローティングゲート電極FG上に絶縁膜70を介して設けられたコントロールゲート電極CGとを含む。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、上面の高さが相対的に高い「第1部分」としてのメモリセルアレイ部1と上面の高さが相対的に低い「第2部分」としての周辺回路部2とを有するパターン層100を半導体基板10の主表面上に形成する工程と、パターン層10におけるメモリセルアレイ部1および周辺回路部2上に、周辺回路部2においてパターン層100のメモリセルアレイ部1の上面よりも下側に上面を有する絶縁層である第1の層111を形成する工程と、第1の層111よりも研磨レートが低い絶縁層である第2の層112を第1の層111上に形成する工程と、第2の層112上からCMP研磨処理を施す工程とを備える。
上記半導体装置の製造方法において、メモリセルアレイ部1を形成する工程は、半導体基板10の主表面上にゲート絶縁膜41を介して「第1導電膜」としての導電膜AG0を形成する工程と、導電膜AG0上に「第1絶縁膜」としての絶縁膜50を形成する工程(以上、図8)と、導電膜AG0および絶縁膜50をパターニングする工程(図10,図11)と、導電膜AG0および絶縁膜50の側壁上に「第2絶縁膜」としての絶縁膜60を形成する工程(図13,図14)と、半導体基板10の主表面上からサイドウォール絶縁膜である絶縁膜60上に「第2導電膜」としての導電膜FG0を形成する工程(図15〜図17)と、導電膜FG0上に「第3絶縁膜」としての絶縁膜70を形成する工程と、絶縁膜70上に「第3導電膜」としての導電膜CG0を形成する工程(以上、図18)と、導電膜CG0をパターニングする工程(図19,図20)とを含む。
本実施の形態に係る半導体装置およびその製造方法によれば、CMP研磨工程において、パターン層100の上面高さが高いメモリセルアレイ部1では研磨レートが高い第1の層111を露出させ、メモリセルアレイ部1に対してパターン層100の上面高さが低い周辺回路部2では研磨レートが低い第2の層112を露出させることができるので、段差の影響を低減し、層間絶縁膜110の高い平坦性を確保することができる。
また、図28〜図30に示される変形例では、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層100の表層部に、第1と第2の層111,112よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層113が形成されている。このようにすることで、第3の層113をエッチングストッパ膜として利用することができる。この結果、エッチングの終点を正確に検知して、平坦化に要する研磨量を削減することができる。
(実施の形態2)
図31は、実施の形態2に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部1を示した図である。図31を参照して、本実施の形態に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置の変形例であって、複数のアシストゲート電極AG間にビット線としてのn+不純物領域Nが形成されている点を特徴とする。そして、本実施の形態に係る半導体装置においては、アシストゲート電極AGによって形成される反転層と、n+不純物領域Nとがビット線として利用される。
図32は、本実施の形態に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部1および周辺回路部2を示した断面図である。図32を参照して、半導体基板210上にゲート絶縁膜241が形成される。ゲート絶縁膜241上には、アシストゲート電極AG、絶縁膜250,255,270,280,290およびコントロールゲート電極CGを含むパターン層300が形成されている。そして、パターン層300上に層間絶縁膜310が形成されている。
本実施の形態においても、周辺回路部2には、スイッチングMOSトランジスタ(図示せず)が形成される。半導体基板210におけるスイッチングMOSトランジスタの両側には、n−不純物領域340および共通ドレイン(図示せず)が設けられる。アシストゲート電極AG上には、絶縁膜250,255が堆積されている。メモリセルアレイ部1においては、絶縁膜250上にONO膜構造を有する絶縁膜270が形成されている。絶縁膜270上に、ポリシリコン膜CG1およびシリサイド膜CG2を含むコントロールゲート電極CGが形成され、コントロールゲート電極CG上に、絶縁膜280が形成されている。コントロールゲート電極CGおよび絶縁膜280の側壁上とに絶縁膜290が形成されている。絶縁膜255,280,290を覆うように層間絶縁膜310が形成されている。
アシストゲート電極AGに電圧が印加されると、半導体基板上におけるアシストゲート電極AGの直下にソース/ドレインとしての反転層(図示せず)が形成される。ここで、スイッチングMOSトランジスタをON状態にすることにより、共通ドレインとアシストゲート電極AG下部の反転層とが、n−不純物領域340を介して電気的に接続される。
図32に示す構造において、アシストゲート電極AG、絶縁膜250,255,270,280,290およびコントロール電極CGは、「パターン層300」を構成する。図32に示すように、パターン層300の上面は、メモリセルアレイ部1において相対的に高く、周辺回路部2において相対的に低い。すなわち、メモリセルアレイ部1と周辺回路部2との境界領域において、パターン層300は段差を有している。
図32に示すように、本実施の形態においても、層間絶縁膜310は、第1の層311と第2の層312とを含んで構成される。第1の層311は、メモリセルアレイ部1から周辺回路部2に亘って形成されている。一方、第1の層311上に形成される第2の層312は、周辺回路部2に形成されている。
図33,図34は、それぞれ、図31におけるXXXIII−XXXIII,XXXIV−XXXIV断面図である。図33を参照して、アシストゲート電極AGおよびフローティングゲート電極FGは、それぞれ、ゲート絶縁膜241,242を介してたとえばシリコンからなる半導体基板210上に形成されている。半導体基板210におけるフローティングゲート電極FGに隣接する部分には、不純物領域D(不純物拡散層)が形成されている。不純物領域Dは、n+不純物領域Nと、p+ポケット層Pとを含む。アシストゲート電極AG上には、絶縁膜250が形成されている。また、フローティングゲート電極FGとアシストゲート電極AGとの間には、絶縁膜260が形成されている。そして、フローティングゲート電極FG上からアシストゲート電極AG上に、酸化膜−窒化膜−酸化膜の積層構造を有するONO膜である絶縁膜270が形成されている。絶縁膜270上に、ポリシリコン膜CG1およびシリサイド膜CG2を含むコントロールゲート電極CGが形成され、コントロールゲート電極CG上に、絶縁膜280が形成されている。図34を参照して、アシストゲート電極AGの延在方向に並ぶ複数のコントロールゲート電極CGの間には、絶縁膜290が形成されている。そして、絶縁膜280,290を覆うように層間絶縁膜311が形成されている。層間絶縁膜311上には上層配線(図示せず)が設けられる。また、図33に示すように、不純物領域D上に絶縁膜320が形成されている。
ゲート絶縁膜241は、たとえば酸化シリコン膜(SiO2膜)からなり、その膜厚は、たとえば8nm程度である。ゲート絶縁膜242は、フローティングゲートFGのトンネル絶縁膜として機能する絶縁膜であり、たとえば、酸窒化シリコン(SiON)膜や酸化シリコン膜などから形成される。そして、ゲート絶縁膜242の膜厚は、たとえば10nm程度である。すなわち、ゲート絶縁膜241は、ゲート絶縁膜242より薄く形成される。
図34に示すように、半導体基板210における不純物領域DとアシストゲートAGとの間には、凹部が形成される。図34に示される断面においては、コントロールゲート電極CGが形成されていないため、後述する書き込み/読み出し動作時に、非選択メモリセルにおいて、アシストゲート電極AG下に形成される反転層と不純物領域Dとの間のリークを抑制するための逆バイアス電圧を印加することができない。これに対し、上記凹部が形成されることにより、アシストゲート電極AG下に形成された反転層と不純物領域Dとがより確実に電気的に分離される。
次に、フラッシュメモリである上記半導体装置の書込み、読み出しおよび消去の動作について、図31〜図34を参照しながら説明する。
データ書込み時には、選択メモリセルが接続されているコントロールゲート電極CGに、たとえば16V程度の電圧が印加される。そして、それ以外のコントロールゲートCGに、たとえば、−2V程度の電圧が印加される。また、選択メモリセルにおけるドレインとなるn+不純物領域Nに、たとえば4.5V程度の電圧が印加される。ここで、選択メモリセルにおけるソースとなるn+不純物領域N(たとえば、ドレインとなるn+不純物領域Nに隣接するn+不純物領域N)に、たとえば0V程度の電圧が印加される一方で、非選択メモリセルにおけるソースとなるn+不純物領域Nに、たとえば2V程度の電圧が印加される。これにより、選択メモリセルにおいては、ドレインからソースに向かって書込み用の電流が流れ、ソース側のn+不純物領域Nに蓄積された電荷がゲート絶縁膜242を介してフローティングゲート電極FGに注入される。一方で、非選択メモリセルにおいては、ドレインからソースに向かう電流は流れず、フローティングゲート電極FGへの電荷の注入は行なわれない。したがって、所定のメモリセルに選択的にデータの書込みが行なわれる。なお、フローティングゲート電極FGは、実施の形態1と同様に、多値のデータを記憶することができる。
ここで、選択メモリセルにおけるソース/ドレインとなるn+不純物領域Nの間に形成されたアシストゲート電極AGには、たとえば0V〜1V程度の電圧が印加される。これにより、アシストゲートAG下に位置する半導体基板210の主表面上に反転層(図示せず)が形成される。この反転層は、データの書込み動作の際に、ホットエレクトロンを効率的に生成し、選択メモリセルにおけるフローティングゲート電極FGに低いチャネル電流で高速にデータを書き込むことを補助するものである。これにより、データ書込み動作に際して、アシストゲート電極AG下と、フローティングゲート電極FG下との間で大きなポテンシャルドロップが生じ、効率的にホットエレクトロンを生成することができる。そして、低いチャネル電流で高速書込みを行なうことができる。
データ読み出し動作においては、選択メモリセルが接続されるコントロールゲート電極CGに、たとえば2V〜5V程度の電圧が印加され、それ以外のコントロールゲート電極CGに、たとえば−2V程度の電圧が印加される。また、選択メモリセルにおけるドレイン形成用のアシストゲート電極AGに、たとえば4.5V程度の電圧が印加される。これにより、選択メモリセルにおけるドレインとなる反転層が形成される。一方、非選択メモリセルにおけるドレイン形成用のアシストゲート電極AGに、たとえば−2V程度の電圧が印加される。これにより、非選択メモリセルにおいては、ドレインとなる反転層が形成されない。この結果、選択メモリセルと非選択メモリセルとのアイソレーションが実現される。さらに、選択メモリセルにおけるソースとなるn+不純物拡散層Nに、たとえば0V程度の電圧がされ、選択メモリセルにおけるドレインとなる反転層に、たとえば1V程度の電圧が印加される。ここで、選択メモリセルにおけるフローティングゲート電極FG内に蓄積された電荷量によって閾値電圧が変化するため、n+不純物領域Nと反転層との間を流れる電流の状況から該メモリセルのデータを判別することができる。
なお、本実施の形態に係る半導体装置においては、読み出し動作時にソースとなるビット線として、n+不純物領域Nが用いられる。一般に、不純物拡散層の抵抗(たとえば、700kΩ以上800kΩ以下程度)は反転層の抵抗(たとえば、3〜4MΩ程度)よりも低いため、読み出し動作時に、ソースにおける電位の変化量を小さくすることができる。この結果、選択メモリセルの位置によって閾値電圧が変動することが抑制される。そして、読出し動作の信頼性が向上する。
データ消去動作においては、選択対象のワード線に負電圧(たとえば−16V程度)が印加される一方で、半導体基板210に正の電圧が印加される。なお、アシストゲート電極AGには0V程度の電圧が印加され、反転層は形成されない。これにより、フローティングゲート電極FGから半導体基板210に電荷が放出される。該放出は、F−N(Fowlor Nordheim)トンネル放出により行なわれる。以上の動作により、複数のメモリセルのデータが一括で消去される。
次に、図31〜図34に示す半導体装置の製造プロセスについて説明する。
図35〜図48は、それぞれ、上記半導体装置の製造方法における第1〜第14工程を示した断面図である。
図35を参照して、半導体基板210上にゲート絶縁膜241が形成される。ゲート絶縁膜241は、たとえばISSG酸化法などの熱酸化法により形成される。そして、ゲート絶縁膜241上に、50〜70nm程度の厚さになるように、多結晶シリコンなどからなる導電膜AG0(第1導電膜)がCVD法などを用いて形成される。導電膜AG0は、アシストゲート電極AG用の導電膜である。そして、導電膜AG0上に、150nm程度の厚みを有するたとえばTEOS酸化膜からなる絶縁膜250(第1絶縁膜)が形成される。絶縁膜250は、CVD法などにより形成される。さらに、絶縁膜250上に、70〜80nm程度の厚みを有する、窒化シリコン膜などからなる絶縁膜255が堆積される。そして、絶縁膜255上に形成されたマスク膜(図示せず)をマスクとして、絶縁膜250,255および導電膜AG0がパターニングされる。これにより、アシストゲート電極AGが形成される。
図36を参照して、ゲート絶縁膜241上から絶縁膜255上に、80〜100nm程度の厚みを有する、たとえばTEOS酸化膜からなる絶縁膜260が形成される。そして、絶縁膜260がエッチバックされる。これにより、アシストゲート電極AGから絶縁膜255の側壁上にサイドウォール絶縁膜である絶縁膜260(第2絶縁膜)が形成される。また、ゲート絶縁膜241の一部が除去されて半導体基板210が露出する。
図37を参照して、サイドウォール絶縁膜である絶縁膜260の厚みが減じられる。また、ゲート絶縁膜241の幅が減じられる。
図38を参照して、半導体基板210が露出した部分に、ゲート絶縁膜242が形成される。ゲート絶縁膜242は、データ書き込み時/消去時に電荷を通過させるトンネル酸化膜となる。そして、ゲート絶縁膜242上から絶縁膜255上に、20〜40nm程度の厚みを有し、多結晶シリコンなどからなる導電膜FG0(第2導電膜)がCVD法などを用いて形成される。この導電膜FG0は、フローティングゲート電極FG用の導電膜である。その後、図39に示すように、導電膜FG0がエッチバックされる。この際、絶縁膜260横に導電膜FG0が残存する。そして、図40に示すように、ゲート絶縁膜242上から絶縁膜255上に、20〜40nm程度の厚みを有し、TEOS酸化膜などからなる絶縁膜265が形成される。その後、図41に示すように、絶縁膜265がエッチバックされる。この際、絶縁膜265は、導電膜FG0上に残存する。そして、絶縁膜265は、後述する不純物注入時のオフセットスペーサとなる。
図42を参照して、絶縁膜265の開口部から、たとえばホウ素(B)などのp型不純物が半導体基板210にイオン注入される。これにより、p+ポケット層Pが形成される。該イオン注入は、たとえば、15keV,1×1013/cm-2の条件下で行なわれる。その後、同じく絶縁膜265の開口部から、たとえばリン(P)などのn型不純物が半導体基板210にイオン注入される。これにより、ビット線としてのn+不純物領域Nが形成される。該イオン注入は、たとえば、10KeV,1×1014/cm-2の条件下で行なわれる。なお、p+ポケット層Pは、n+不純物領域Nがフローティングゲート電極FGの下部にまで拡散することを抑制するために形成されている。
図43,図44を参照して、絶縁膜265が除去され、たとえばTEOS酸化膜からなる絶縁膜320が堆積される。
図45を参照して、CMP法などにより、絶縁膜320に平坦化処理が施される。その後、図46に示すように、ドライエッチングにより、絶縁膜320の厚みが減じられる。そして、図47に示すように、絶縁膜320の厚みがさらに減じられるとともに、絶縁膜255が除去される。併せて、絶縁膜250,260および導電膜FG0の一部(上部)も除去される。
図48を参照して、絶縁膜250,260,320および導電膜FG0を覆うように、絶縁膜270(第3絶縁膜)が形成される。絶縁膜270は、たとえばその厚みがそれぞれ5nm,8nm,5nm程度である酸化膜−窒化膜−酸化膜の積層構造(ONO膜構造)を有する。
再び、図33,図34を参照して、絶縁膜270上に導電膜CG0(第3導電膜)が形成される。導電膜CG0は、コントロールゲート電極CG用の導電膜である。さらに、導電膜CG0上に、たとえばSiO2膜などからなる絶縁膜280が形成される。絶縁膜280が形成された後、導電膜CG0がパターニングされることにより、コントロールゲート電極CGが形成される。
そして、コントロールゲート電極CGをマスクとして絶縁膜270および導電膜FG0がパターニングされ、孤立パターンであるフローティングゲート電極FGが形成される。なお、コントロールゲート電極CGが除去された領域では、半導体基板210におけるn+不純物領域Nとアシストゲート電極AGとの間に位置する部分に凹部が形成される。
図49,図50は、それぞれ、層間絶縁膜310形成の第1と第2工程を示した図である。図49を参照して、メモリセルアレイ部1および周辺回路部2において、パターン層300上に第1の層311と第2の層312とを含む層間絶縁膜310が形成される。ここで、周辺回路部2において、第1の層311の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層300の上面よりも下方に位置し、第2の層312の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層300の上面よりも上方に位置する。そして、第1の層311は、相対的に研磨レートが高く、第2の層312は、相対的に研磨レートが低い。
本実施の形態においても、パターン層300の高さは、メモリセルアレイ部1において高く、周辺回路部1において低い。すなわち、パターン層300は、メモリセルアレイ部1において凸部を有し、周辺回路部2において凹部を有する。この結果、パターン層300上に形成される層間絶縁膜310に段差が形成される。
第1と第2の層311,312が積層された後、第2の層312上からCMP法による研磨処理が施される。この際、図50に示すように、パターン層300の凸部が位置するメモリセルアレイ部1上の層間絶縁膜310が優先的に除去され、層間絶縁膜310の段差が低減される。ここで、周辺回路部2に位置する第1の層311の上面はパターン層300の上面よりも下方に位置しているため、メモリセルアレイ部1においては第1の層311が露出し、周辺回路部2においては第2の層312が第1の層111を覆う構造が得られる。
このように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、研磨の途中工程(図50)において、層間絶縁膜310の凸部では研磨レートの高い第1の層311が露出し、層間絶縁膜310の凹部では研磨レートの低い第2の層312が第1の層311上を覆う状態にすることができる。この結果、メモリセルアレイ部1上に位置する層間絶縁膜310の凸部の研磨レートを向上させる一方で、周辺回路部2上に位置する層間絶縁膜310の凹部の研磨レートを低減することができる。したがって、研磨量を増大させることなく層間絶縁膜310の段差を効果的に解消することができる。
図51は、上記半導体装置の変形例におけるメモリセルアレイ部および周辺回路部を示した断面図である。図51を参照して、本変形例においては、メモリセルアレイ部1において、第1と第2の層311,312よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層313が形成されている。
図52,図53は、それぞれ、上記変形例に係る半導体装置における層間絶縁膜310形成の第1と第2工程を示した図である。図52を参照して、メモリセルアレイ部1において、パターン層300の表層部に第3の層313が形成される。そして、メモリセルアレイ部1および周辺回路部2において、パターン層300上に第1の層311と第2の層312とを含む層間絶縁膜310が形成される。ここで、周辺回路部2において、第1の層311の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層300の上面よりも下方に位置し、第2の層312の上面は、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層300の上面よりも上方に位置する。本変形例においても、第1の層311は、相対的に研磨レートが高く、第2の層312は、相対的に研磨レートが低い。そして、第3の層313は、第1と第2の層311,312よりも研磨レートが低い。
本変形例においても、上記と同様に、研磨の途中工程(図52)において、層間絶縁膜310の凸部では研磨レートの高い第1の層311が露出し、層間絶縁膜310の凹部では研磨レートの低い第2の層312が第1の層311上を覆う状態にすることができる。この結果、メモリセルアレイ部1上に位置する層間絶縁膜310の凸部の研磨レートを向上させる一方で、周辺回路部2上に位置する層間絶縁膜310の凹部の研磨レートを低減することができる。したがって、研磨量を増大させることなく層間絶縁膜310の段差を効果的に解消することができる。また、メモリセルアレイ部1に研磨レートの低い第3の層313を設けることで、該第3の層313をエッチングストッパとして用いることができる。以上の結果として、層間絶縁膜310に残存する段差と残膜ばらつきとを低減することができる。
上述した内容について換言すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置において、「第1部分」としてのメモリセルアレイ部1は、半導体基板210の主表面上にゲート絶縁膜242を介して複数形成され、前記半導体基板210に反転層を形成することが可能なアシストゲート電極AGと、半導体基板210の主表面上における複数のアシストゲート電極AG間に位置する部分にゲート絶縁膜241を介して複数形成された、電荷蓄積用のフローティングゲート電極FGと、アシストゲート電極AG上からフローティングゲート電極FG上に絶縁膜270を介して設けられたコントロールゲート電極CGとを含む。そして、半導体装置は、半導体基板210における複数のフローティングゲート電極FG間に位置する部分に形成された不純物領域Dをさらに備える。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法において、メモリセルアレイ部1を形成する工程は、半導体基板210の主表面上にゲート絶縁膜241を介して「第1導電膜」としての導電膜AG0を形成する工程と、導電膜AG0上に「第1絶縁膜」としての絶縁膜250を形成する工程と、導電膜AG0および絶縁膜250をパターニングする工程(以上、図35)と、導電膜AG0および絶縁膜250の側壁上に「第2絶縁膜」としての絶縁膜260を形成する工程(図36,図37)と、半導体基板210の主表面上からサイドウォール絶縁膜である絶縁膜260上に「第2導電膜」としての導電膜FG0を形成する工程(図38,図39)と、導電膜FG0上に「第3絶縁膜」としての絶縁膜270を形成する工程(図48)と、絶縁膜270上に「第3導電膜」としての導電膜CG0を形成する工程と、導電膜CG0をパターニングする工程(以上、図33,図34)とを含む。
また、上記半導体装置の製造方法は、半導体基板210における複数の導電膜FG0に隣接する部分に不純物領域Dを形成する工程(図40〜図43)と、不純物領域D上に「第4絶縁膜」としての絶縁膜320を形成する工程(図44〜図47)とをさらに備える。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、CMP研磨工程において、パターン層300の上面高さが高いメモリセルアレイ部1では研磨レートが高い第1の層311を露出させ、メモリセルアレイ部1に対してパターン層300の上面高さが低い周辺回路部2では研磨レートが低い第2の層312を露出させることができるので、段差の影響を低減し、層間絶縁膜310の高い平坦性を確保することができる。
また、図51〜図53に示される変形例では、メモリセルアレイ部1に位置するパターン層300の表層部に、第1と第2の層311,312よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層313が形成されている。このようにすることで、第3の層313をエッチングストッパ膜として利用することができる。この結果、エッチングの終点を正確に検知して、平坦化に要する研磨量を削減することができる。
(実施の形態3)
図54,図55は、それぞれ、実施の形態3に係る半導体装置の製造方法における第1と第2工程を示した図である。また、図56は、本実施の形態に係る半導体装置を示した断面図である。図54〜図56を参照して、本実施の形態に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置の変形例であって、層間絶縁膜110上に形成された上層配線162,172,182上に、互いに研磨レートの異なる絶縁膜である第1から第3の層411,412,413が形成されることを特徴とする。
図54において、上層配線162,172,182間に形成された第1の層411の上面は、上層配線162,172,182の上面よりも下方に位置し、上層配線162,172,182間に形成された第2の層312の上面は、上層配線162,172,182の上面よりも上方に位置する。また、本実施の形態においても、第1の層411は、相対的に研磨レートが高く、第2の層412は、相対的に研磨レートが低い。そして、第3の層413は、第1と第2の層411,412よりも研磨レートが低い。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、研磨の途中工程(図55)において、層間絶縁膜410の凸部では研磨レートの高い第1の層411が露出し、層間絶縁膜410の凹部では研磨レートの低い第2の層412が第1の層411上を覆う状態にすることができる。この結果、層間絶縁膜410の凸部の研磨レートを向上させる一方で、層間絶縁膜410の凹部の研磨レートを低減することができる。したがって、研磨量を増大させることなく層間絶縁膜410の段差を効果的に解消することができる。また、上層配線162,172,182上に研磨レートの低い第3の層413を設けることで、該第3の層413をエッチングストッパとして用いることができる。以上の結果として、層間絶縁膜410に残存する段差と残膜ばらつきとを低減することができる。
なお、図54〜図56の例では、上層配線162,172,182間に形成された第1の層411の上面が上層配線162,172,182の上面よりも下方に位置する場合について説明したが、上層配線162,172,182間において、第1の層411の上面が上層配線162,172,182の上面よりも上方にある場合でも、該上面が第3の層413の上面よりも下方にあれば、上記と同様の効果を奏することができる。また、図54〜図56の例では、第3の層413が層間絶縁膜110上から上層配線162,172,182上に亘って形成される場合について説明したが、第3の層413は、上層配線162,172,182上にのみ形成されていてもよい。
(実施の形態4)
図57,図58は、それぞれ、実施の形態4に係る半導体装置の製造方法における第1と第2工程を示した図である。また、図59は、本実施の形態に係る半導体装置を示した断面図である。図57〜図59を参照して、本実施の形態に係る半導体装置は、実施の形態1〜3に係る半導体装置の変形例であって、相対的に主表面高さが高い第1部分511と相対的に主表面高さが低い第2部分512とを有する(換言すると、主表面上に溝部513が形成された)半導体基板510上に、互いに研磨レートの異なる絶縁膜である第1から第3の層611,612,613が形成される点を特徴とする。
図57において、溝部513の底面上に形成された第1の層611の上面は、半導体基板510の第1部分511の主表面よりも下方に位置し、溝部513の底面上に形成された第2の層612の上面は、半導体基板510の第1部分511の主表面よりも上方に位置する。また、本実施の形態においても、第1の層611は、相対的に研磨レートが高く、第2の層612は、相対的に研磨レートが低い。そして、第3の層613は、第1と第2の層611,612よりも研磨レートが低い。
本実施の形態においても、実施の形態1〜3と同様に、研磨の途中工程(図58)において、層間絶縁膜610の凸部では研磨レートの高い第1の層611が露出し、層間絶縁膜610の凹部では研磨レートの低い第2の層612が第1の層611上を覆う状態にすることができる。この結果、層間絶縁膜610の凸部の研磨レートを向上させる一方で、層間絶縁膜610の凹部の研磨レートを低減することができる。したがって、研磨量を増大させることなく層間絶縁膜610の段差を効果的に解消することができる。また、半導体基板510の第1部分511に研磨レートの低い第3の層613を設けることで、該第3の層613をエッチングストッパとして用いることができる。以上の結果として、層間絶縁膜610に残存する段差と残膜ばらつきとを低減することができる。
なお、図57〜図59の例では、溝部513の底面上に形成された第1の層611の上面が半導体基板510の第1部分511の主表面よりも下方に位置する場合について説明したが、溝部513の底面上において、第1の層611の上面が半導体基板510の第1部分511の主表面よりも上方にある場合でも、該上面が第3の層613の上面よりも下方にあれば、上記と同様の効果を奏することができる。この場合も、溝部513の底面上に形成された第1の層611の上面は、半導体基板510の第1部分511の主表面よりも下側に位置すると解釈されるべきである。また、図57〜図59の例では、第3の層613が半導体基板510の第1部分511上にのみ形成される場合について説明したが、第3の層613は、半導体基板510の第1部分511上から第2部分512上に亘って形成されていてもよい。
上述した内容について換言すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る半導体装置は、主表面高さが相対的に高い第1部分511と、主表面高さが相対的に低い第2部分512とを含む半導体基板510と、半導体基板510の主表面上に形成される絶縁層610とを備える。絶縁層610は、相対的に研磨レートが高い第1の層611と、該第1の層611上に形成された相対的に研磨レートが低い第2の層612とを含む。そして、半導体基板510における第2部分512上に位置する第1の層611の上面は、半導体基板510における第1部分511の主表面よりも下側に位置している。
また、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、主表面高さが相対的に高い第1部分511と主表面高さが相対的に低い第2部分512とを半導体基板510の主表面上に形成する工程と、半導体基板510における第1と第2部分511,512上に、第2部分512上において半導体基板510の第1部分511の主表面よりも下側に上面を有する絶縁層である第1の層611を形成する工程と、第1の層611よりも研磨レートが低い絶縁層である第2の層612を第1の層611上に形成する工程(以上、図57)と、第2の層612上から研磨処理を施す工程(図58)とを備える。
本実施の形態においても、実施の形態1〜3と同様に、CMP研磨工程において、半導体基板510の主表面高さが高い第1部分511では研磨レートが高い第1の層611を露出させ、第1部分511に対して半導体基板510の主表面高さが低い第2部分512では研磨レートが低い第2の層612を露出させることができるので、段差の影響を低減し、溝部513上に形成される絶縁膜の高い平坦性を確保することができる。
なお、上記半導体装置において、半導体基板510における第1部分511上に、第1と第2の層611,612よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層613が形成されている。このようにすることで、第3の層613をエッチングストッパ膜として利用することができる。この結果、エッチングの終点を正確に検知して、平坦化に要する研磨量を削減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部および周辺回路部を示した断面図である。 図1におけるIII−III断面図である。 図1におけるIV−IV断面図である。 図1におけるV−V断面図である。 図1におけるVI−VI断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置における周辺回路部を示した断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法における周辺回路部形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第3工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法における周辺回路部形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第4工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第5工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第6工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第7工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第8工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第9工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第10工程を示した図であり、図18におけるXIX−XIX断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第10工程を示した図であり、図18におけるXX−XX断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第11工程を示した図であり、図19に対応する断面を示す。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第11工程を示した図であり、図20に対応する断面を示す。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法における第11工程を示した図であり、図21におけるXXIII−XXIII断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第12工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法における周辺回路部形成の第3工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法における層間絶縁膜形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法における層間絶縁膜形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の変形例におけるメモリセルアレイ部および周辺回路部を示した断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の変形例の製造方法における層間絶縁膜形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の変形例の製造方法における層間絶縁膜形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置におけるメモリセルアレイ部および周辺回路部を示した断面図である。 図31におけるXXXIII−XXXIII断面図である。 図31におけるXXXIV−XXXIV断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第3工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第4工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第5工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第6工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第7工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第8工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第9工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第10工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第11工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第12工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第13工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法におけるメモリセルアレイ部形成の第14工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法における層間絶縁膜形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法における層間絶縁膜形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の変形例におけるメモリセルアレイ部および周辺回路部を示した断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の変形例の製造方法における層間絶縁膜形成の第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の変形例の製造方法における層間絶縁膜形成の第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法における第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法における第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体装置を示した断面図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法における第1工程を示した図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法における第2工程を示した図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体装置を示した断面図である。
符号の説明
1 メモリセルアレイ部、2 周辺回路部、10,210,510 半導体基板、20 n型埋込み領域、30,30A pウエル、30B nウエル、40,41,42,241,242 ゲート絶縁膜、50,55,60,80,90,250,255,260,265,280,290,320 絶縁膜、100,300 パターン層、110,310 層間絶縁膜、111,311,411,611 第1の層、112,312,412,612 第2の層、113,313,413,613 第3の層、130 ゲート電極、140,340 n−不純物領域、150 共通ドレイン、151 n+不純物領域、152 n−不純物領域、153 n+不純物領域、154 n−不純物領域、155 p+不純物領域、156 p−不純物領域、161,171,181 プラグ、162,172,182 上層配線、190 分離領域、510 半導体基板、511 第1部分、512 第2部分、513 溝部、AG アシストゲート電極、FG フローティングゲート電極、CG コントロールゲート電極、AG0,FG0,CG0 導電膜、AG1 ゲート電極、CG1,CG10 ポリシリコン膜、CG2,CG20 シリサイド膜、D 不純物領域、N n+不純物領域、P p+ポケット層、RM レジスト膜。

Claims (4)

  1. 上面の高さが相対的に高い第1部分と上面の高さが相対的に低い第2部分とを有するパターン層を半導体基板の主表面上に形成する工程と、
    前記パターン層における前記第1と第2部分上に、前記第2部分上において前記パターン層の前記第1部分の上面よりも下側に上面を有する絶縁層である第1の層を形成する工程と、
    前記第1の層よりも研磨レートが低い絶縁層である第2の層を前記第1の層上に形成する工程と、
    前記第2の層上から研磨処理を施して、前記第1部分上の前記第1の層および前記第2部分上の前記第2の層を残しつつ、前記第1部分上の前記第1の層を露出させる工程とを備え
    前記パターン層を形成する工程は、該パターン層における第1部分の表層部に、前記第1と第2の層よりも研磨レートが低い絶縁層である第3の層を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
  2. 前記パターン層における第1部分を形成する工程は、
    前記半導体基板の主表面上にゲート絶縁膜を介して第1導電膜を形成する工程と、
    前記第1導電膜上に第1絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1導電膜および前記第1絶縁膜をパターニングする工程と、
    前記第1導電膜および前記第1絶縁膜の側壁上に第2絶縁膜としてのサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
    前記半導体基板の主表面上から前記サイドウォール絶縁膜上に第2導電膜を形成する工程と、
    前記第2導電膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、
    前記第3絶縁膜上に第3導電膜を形成する工程と、
    前記第3導電膜をパターニングする工程とを含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体基板における複数の前記第2導電膜に隣接する部分に不純物領域を形成する工程と、
    前記不純物領域上に第4絶縁膜を形成する工程とをさらに備えた、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 同一の組成を含むように前記第1と第2の層を形成し、前記第1の層の空隙率を相対的に高くする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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