JP4819151B2 - 配線の再構築方法及びその方法に使用する子局ターミナル - Google Patents

配線の再構築方法及びその方法に使用する子局ターミナル Download PDF

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Description

本発明は、制御装置と複数の制御対象とを接続する多数の配線を少数の配線に変更する、配線の再構築方法及びその方法に使用する子局ターミナルに関する。
制御装置が複数の制御対象(以下、被制御装置という)の各々に対し制御を行うシステムにおいて、制御装置が複数の被制御装置の各々に対し異なる信号線を使用して各々独立に制御を行う方式(以下、パラレル方式という)がある。しかしながら、このパラレル方式では、被制御装置を制御装置に接続する信号線の数は被制御装置の入出力機器に接続する信号数だけ必要となる。そのため、被制御装置が移動する場合には、剛性の高くなった信号線の束が被制御装置の動きに追随できずに断線するおそれがあり、また、断線した場合には切れた信号線を見つけることが難しくなる等の問題があった。
そこで、被制御装置を制御装置に接続する信号線の数を減らすための方式として、伝送線を介してシリアル信号を伝送して被制御装置の各々を制御する方式(以下、シリアル方式という)が提案されている。このシリアル方式では、複数の被制御装置との伝送が所定の順番で行われるため、制御装置と被制御装置とを個々の伝送線で接続する必要はなく、伝送に必要となる最小限の数の伝送線(以下、共通のデータ信号線という)による伝送が可能となる。そのため、伝送線の数を大幅に減らすことができる。
ただし、シリアル方式は、パラレル方式と比較し、信号応答が遅くなる、伝送のためのプロトコルが必要になるなどの欠点もある。そこで、シリアル方式の問題を解決するための様々な手法が提案されており、そのような手法として、例えば、特開2003−199178号公報に開示されている制御・監視信号伝送システムがある。
この制御・監視信号伝送システムでは、被制御装置のセンサ部の値に応じて監視データ信号を形成し、共通のデータ信号線上を伝送される直列のパルス状電圧信号における所定の位置に重畳することにより、制御信号(制御装置からの出力)と監視信号(被制御装置からの出力)を同時に双方向に伝送することができる。
特開2003−199178号公報
上記のように、シリアル方式は、様々な工夫により様々な問題点が解決されており、パラレル方式に代わって採用されるケースが多くなっている。しかしながら、既にパラレル方式を採用した制御システムが構築されている場合、そのシステムを改造するために配線を全て取り除いて新たな制御システムを構築することにはコストや時間が必要となっていた。
そこで本発明は、制御装置と複数の被制御装置とを接続するために多数の配線を使用するパラレル方式が採用されたシステムを、少数の配線を使用するシリアル方式に容易に低コストで変更できる、配線の再構築方法及びその方法に使用する子局ターミナルを提供することを目的とする。
本発明に係る配線の再構築方法では、制御装置が複数の被制御装置の各々に対し異なる信号線を使用して各々独立に制御を行っている伝送システムにおいて、まず、前記制御装置に、パラレル信号とシリアル信号の変換を行う親局を設け、前記制御装置から前記複数の被制御装置に至る複数の信号線のうちのいずれかを、前記親局から延びる共通のデータ信号線に転用する。そして、共通のデータ信号線に圧着された幹線側コネクタに前記共通のデータ信号線に接続するソケットを備え、前記親局との伝送機能を備えた支線側コネクタターミナルに前記ソケットに適合するプラグを備え、前記プラグに前記ソケットを接続し前記幹線側コネクタと前記支線側コネクタターミナルを一体として使用する分岐コネクタ部にから前記被制御装置の入力機器および/または出力機器に至る既存の信号線を接続させる
記配線の再構築方法において、前記共通の伝送信号線に、前記複数の被制御装置に関する監視・制御データが伝送の開始を示すスタート信号に続けて伝送されてもよい。そして、前記支線側コネクタターミナルは、前記スタート信号及び前記監視・制御データを構成するクロック信号に基づき、前記スタート信号を起点とし、前記クロック信号により順次アドレスカウンタを更新して伝送同期するものであってもよい。
なお、本発明において入力機器および出力機器とは、被制御装置において目的となる動作を行う部分を意図するものであり、監視に必要な情報を収集する装置が入力機器、制御装置からの制御信号に応じた所定の動作を行う装置が出力機器となる。例えば、センサや動作リレーが該当する。
本発明に係る子局ターミナルは、制御装置が複数の被制御装置の各々に対し制御を行うシステムにおいて使用するもので、前記制御装置においてパラレル信号とシリアル信号の変換を行う親局から延びる共通のデータ信号線に圧着される幹線側コネクタに前記共通のデータ信号線に接続するソケットを備え、前記親局との伝送機能を備えた支線側コネクタターミナルに前記ソケットに適合するプラグを備え、前記プラグに前記ソケットを接続し前記幹線側コネクタと前記支線側コネクタターミナルが一体として使用される。そして、前記被制御装置の入力機器および/または出力機器に至る信号線に接続される。また、前記共通のデータ信号線に伝送される、伝送の開始を示すスタート信号及び前記スタート信号に続く前記複数の被制御装置に関する監視・制御データで構成されるクロック信号に基づき、前記スタート信号を起点とし、前記クロック信号により順次アドレスカウンタを更新して伝送同期する。
本発明に係る配線の再構築方法では、まず、制御装置に、パラレル信号とシリアル信号の変換を行う親局を設け、制御装置から複数の被制御装置に至る複数の信号線のうちのいずれかを、親局から延びる共通のデータ信号線に転用することで、多数の信号線を必要最低限の少数の配線とする。そして、共通のデータ信号線から前記被制御装置の入力機器および/または出力機器に至る支線を分岐させる分岐コネクタ部を、幹線側コネクタと、親局との伝送機能を備えた支線側コネクタターミナルと、で構成することで、それまでの設備を大きく変更することなく容易に低コストで、パラレル方式接続をシリアル方式に変更できる。特に入力機器がセンサである場合、その設置には時間を要し、また限られた空間に設置されていることがあるため、センサそのものに新たな付属物を設けることなくそのまま使用することで、簡易化及び低コスト化に大きな効果が期待できる。特に、複数の入力機器や出力機器を共通のデータ信号線に直接接続する必要が生じた場合に好適である。
線側コネクタターミナルが有する伝送機能としては、例えば、共通のデータ信号線に、複数の被制御装置に関する監視・制御データが伝送の開始を示すスタート信号に続けて伝送される場合、スタート信号及び監視・制御データを構成するクロック信号に基づき、スタート信号を起点とし、クロック信号により順次アドレスカウンタを更新して伝送同期するものがある。この場合、回路構成が簡単となりコンパクトな実装が可能となる。
本発明に係る子局ターミナルであれば、本発明に係る配線の再構築方法に好適である。
本発明に係る配線の再構築方法により再構築された制御・監視信号伝送システムの実施例を示すシステム構成図である。 同再構築方法が適用された再構築前の制御システムの構成図である。 図1の制御・監視信号伝送システムにおける制御装置のブロック図である。 図1の制御・監視信号伝送システムに使用される子局ターミナルの外観を示す斜視図である。 図1の制御・監視信号伝送システムに使用される分岐コネクタ部における支線側コネクタターミナルの外観を示す斜視図である。 図1の制御・監視信号伝送システムに使用される入力対応型子局ターミナルのブロック図である。 図1の制御・監視信号伝送システムに使用される出力対応型支線側コネクタターミナルのブロック図である。 図1の制御・監視信号伝送システムにおいて親局と子局ターミナルおよび支線側コネクタターミナルとの間で授受される信号のタイムチャート図である。 図1の制御・監視信号伝送システムにおいて他の形態の子局ターミナルで被制御装置をデータ信号線に対し並列に接続した状態を示す図である。 図9の被制御装置の接続に使用される子局ターミナルの外観を示す斜視図である。 図1の制御・監視信号伝送システムにおいて更に他の形態の子局ターミナルの第一接続端子同士の接続によって被制御装置をデータ信号線に対し並列に接続した状態を示す図である。
図1〜9を参照しながら、本発明に係る伝送方式の再構築方法の実施例を説明する。
この実施例の再構築方法が適用される制御システムは、図2に示すように、制御部11を備える制御装置10が、複数の被制御装置20a、20b、20c、20dの各々に対し、異なる信号線を使用して各々独立に制御を行うものである。これら複数の被制御装置20a、20b、20c、20dのうち、監視に必要な情報を収集する被制御装置20a、20b、20cは、入力機器21a、21b、21cとしてセンサを備え、各入力機器21a、21b、21cは、プラグ22a、22b、22cを介し、中継端子台30a、30bから延びる信号線のソケット23a、23b、23cに接続されている。そして、被制御装置20a、20b、20cの各々が、制御装置10の入力ユニット12に中継端子台30を経由して接続されている。なお、被制御装置20bにおけるプラグ22b及び伝送線側のソケット23bは、IP67(防水)規格のものが適用されている。また、制御装置10から複数の被制御装置20a、20b、20c、20dに至る複数の信号線には、汎用電線が使用されている。
制御装置からの制御信号に応じた所定の動作を行う被制御装置20dは、出力機器21dとしてリレーを備え、各出力機器21dは、プラグ22dを介し、中継端子台30cから延びる信号線のソケット23dに接続されている。そして、被制御装置20dの各々が、制御装置10の出力ユニット13に中継端子台30cを経由して接続されている。
なお、図2において、プラグ22a、22b、22c、22dとソケット23a、23b、23c、23dは、図示の便宜上間隔を開けて表示されているが、実際には接続された状態となっている。図中、想像線で囲む部分は接続状態であることを示す。また、被制御装置20a、20b、20c、20dは各種について複数が制御部11に接続されているが、図2においては、図示の便宜上、各種について一つのみを表示するものとし、図1も同様とする。
図2に示す制御システムを、少数の配線を使用するシリアル方式へと再構築するには、まず、制御装置10に、パラレル信号とシリアル信号の変換を行う親局16を設ける。次に、被制御装置20a、20bとで構成される系列Aにおいて、被制御装置20aの信号線のいずれかを親局16から伸びる共通のデータ信号線DP、DNに転用する。一方、被制御装置20c、20dとで構成される系列Bにおいて、被制御装置20cの信号線のいずれかを親局16から伸びる共通のデータ信号線DP、DNに転用する。すなわち、共通のデータ信号線DP、DNとして、2つの系列が残された状態とする。
次に、系列Aのデータ信号線DP、DNに接続された被制御装置20aの中継端子台30aと、被制御装置20bの中継端子台30bとを接続し、更に、被制御装置20a、20bの入力機器21a、21bと中継端子台30a、30bから延びる信号線との接続部に、親局16との伝送機能を備えた子局ターミナル25a、25bを設置する。この系列Aの配線を再構築する方法が、本発明の第一の方法に相当するものである。
一方、系列Bのデータ信号線DP、DNからは、幹線側コネクタ26c、26dと支線側コネクタターミナル25c、25dとで構成された分岐コネクタ部27を介し、被制御装置20cの入力機器21cおよび被制御装置20dの出力機器21dに至る支線を分岐させる。ここで、支線側コネクタターミナル25c、25dは親局16との伝送機能を備えたものとする。この系列Bの配線を再構築する方法が、本発明の第二の方法に相当するものである。
この再構築方法において設けられる親局16は、図3に示すように、出力データ部61、タイミング発生部63、親局出力部64、親局入力部65、および入力データ部66を備える。出力データ部61は、制御部11の出力ユニット13から制御信号データ15として受けた並列データをシリアルデータとして親局出力部64へ引き渡す。この制御信号データ15は、被制御装置20dの出力機器21dへの動作指示を行うものである。
タイミング発生部63は、発振回路(OSC)71とタイミング発生手段72からなり、OSC71からクロック信号の基本信号を得たタイミング発生手段72が、クロック信号を生成し親局出力部64に引き渡す。親局出力部64は、制御データ発生手段73とラインドライバ74からなり、制御データ発生手段73が、出力データ部61から受けたデータと、タイミング発生部63から受けたクロック信号に基づき制御信号を生成し、ラインドライバ74を介して共通データ信号線DP、DNに送出する。
ラインドライバ74は、また、DC電源75から電源供給を受け、制御信号とともに、共通データ信号線DP、DNを経由し、子局ターミナル25a、25b、及び支線側コネクタターミナル25c、25dの回路電源を供給する。
親局入力部65は監視信号検出手段76と監視データ抽出手段77で構成され、入力データ部66へ入力データ信号を送出する。監視信号検出手段76は、共通データ信号線DP、DNを経由して子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25cから送出された監視信号を検出する。子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25cから送出される監視信号は、後述のように電流の有無で表わされており、スタート信号STBが送信された後、子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25cの各々から順次受け取るものとなっている。監視信号の監視データは、タイミング発生手段72の信号に同期して監視データ抽出手段77で抽出され、直列の入力データ信号として入力データ部66に送出される。入力データ部66は、親局入力部65から受け取った直列の入力データ信号を並列(パラレル)データに変換し、監視信号データ14として制御部11の入力ユニット12へ送出する。
親局16は、また、伝送インターフェイス回路として、伝送ブリーダ電流回路67を有している。伝送ブリーダ電流回路67は、親局出力部64内のラインドライバ74に接続されており、共通データ信号線DPとDN間の伝送路を安定化させるものである。
子局ターミナル25a、25bは、共通のデータ信号線DP、DN側に対する第一接続端子33と入力機器21a、21bに対する第二接続端子32とを備える。第一接続端子33は前記ソケット23a、23bに、第二接続端子32は前記プラグ22a、22bにそれぞれ接続されるもので、その形状に制限はなく、各々ソケット23a、23b及びプラグ22a、22bに適合する型式のものを採用することができる。なお、この実施例において、子局ターミナル25bは、粉塵や水滴が飛散する環境現場で使用されるため、図4に示すように、気密性を有する柱状体であり、第一接続端子33及び第二接続端子32は、柱状体の両底面の各々に形成され、塵を通過させない気密性を維持した状態で接続されるものとなっている。
分岐コネクタ部27c、27dは、上記のように、幹線側コネクタ26c、26dと支線側コネクタターミナル25c、25dとで構成されている。なお、支線側コネクタターミナル25cは入力機器21cに、支線側コネクタターミナル25dは出力機器25dに接続されるため、内包する回路構成に相違があるものの、同じ外形を有するものとなっている。また、幹線側コネクタ26cと幹線側コネクタ26dは、機能及び外形が同じものとなっている。そこで、図5においては、符号c、dは省略し、支線側コネクタターミナルは25、幹線側コネクタは26で示すものとする。図5に示すように、幹線側コネクタ26は、データ信号線DP、DNに圧着され、それらデータ信号線DP、DNに接続するためのソケット28を備える。一方、支線側コネクタ26は、幹線側コネクタ26のソケット28に適合するプラグ(前記子局ターミナル25a、25bの第一接続端子33に相当するものであるため、以下第一接続端子33とする)を有し、更に、入力機器21cまたは出力機器21dから伸びる信号線のプラグ22を受け入れるためのソケット(子局ターミナル25a、25bの第二接続端子32に相当するものであるため、以下第二接続端子32とする)を備えている。
監視に必要な情報を収集する被制御装置20a、20b、20cに対応する(以下、入力対応型という)、子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25cは、図6に示すように、アドレス設定部38、ターミナル入力回路40(以下、TN入力回路40とする)、及び制御データ信号抽出手段41を備えている。また、子局ターミナル25a、25bの第一接続端子33は中継端子台30から延びる信号線のソケット23a、23bに接続され、第二接続端子32には入力機器21a、21bから伸びる信号線のプラグ22a、22bが接続されている。なお、図6において、入力機器21a、21b、21cの各々、プラグ22a、22b、22cの各々、及びソケット23a、23bの各々は実質的に同じ機能を果たすものであるため、図6においては符号a、b、cは省略し、入力機器は21、プラグは22、ソケットは23で示すものとする。同様に、子局ターミナルと支線側コネクタターミナルは25で示すものとする。また、支線側コネクタターミナル25cの第一接続端子33は、幹線側コネクタ26cのソケット28に接続されているが、幹線側コネクタ26cのソケット28とソケット23とはその機能において共通するため、図6におけるソケット23は、幹線側コネクタ26cのソケット28も示すものとする。
TN入力回路40は、アドレス抽出手段42、ターミナル入力部43(以下、TN入力部43)及び入力データ部44で構成されている。アドレス抽出手段42には、制御装置10からの伝送によりアドレス設定部38で設定された自局アドレスが引き渡されるとともに、共通データ信号線DP、DNから制御データ信号抽出手段41を経て、制御データ信号が受け渡される。アドレス抽出手段42は、これらのデータを基に、自局アドレスのデータを得て、そのデータをTN入力部43に引き渡す。また、TN入力部43には、入力機器21が取得した監視データ信号が入力データ部44を介し入力され、Iout信号の”on”、 ”off”によるトランジスタ47の”on”、 ”off”操作により、共通データ信号線DP、DNに監視信号として出力される。
子局ターミナルおよび支線側コネクタターミナル25は、また、共通データ信号線DPとDNの間にダイオード50を介して並列に挿入されたコンデンサ49を有する。そして、パルス状電圧信号である制御信号における低電圧期間に、このコンデンサ49が充電電圧を保持している間、ダイオード50が”off”することを利用し、監視信号としての電流信号を送出するものとなっている。なお、コンデンサ49のデータ信号線DP側端子とデータ信号線DPとの間にはダイオード50が挿入されているため、制御信号における高電圧期間は、データ信号線DPからダイオード50を介してデータ信号線DN側へ充電電流が流れ、コンデンサ49が充電される。つまり、同一伝送クロック期間で、親局16と子局ターミナル25または親局16と支線側コネクタターミナル25の双方向データ伝送が実現できる(全2重伝送)。
なお、子局ターミナルおよび支線側コネクタ25は、特に専用の電源を保有していないが、共通データ信号線DP、DNから供給される、電源を重畳されたパルス信号から、ターミナル25内部で使用する電源電圧を、ダイオードとコンデンサと三端子電源素子によって作り出している。
一方、支線側コネクタターミナル25dは、制御装置10からの制御信号に応じた所定の動作を行う被制御装置20dに対応するもの(以下、出力対応型という)で、図7に示すように、アドレス設定部38、ターミナル出力回路48(以下、TN出力回路48とする)、及び制御データ信号抽出手段41を備えている。なお、図7において、図6に示す子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25cと実質的に同じ部分には同符号を付し、その説明は省略又は簡略化する。
TN出力回路48は、アドレス抽出手段42、ターミナル出力部45(以下、TN出力部45)及び出力データ部46で構成されている。アドレス抽出手段42には、制御装置10からの伝送によりアドレス設定部38で設定された自局アドレスが引き渡されるとともに、共通データ信号線DP、DNから制御データ信号抽出手段41を経て、制御データ信号が受け渡される。アドレス抽出手段42は、これらのデータを基に、自局アドレスのデータを得て、そのデータをTN出力部45に引き渡す。TN出力部45に引き渡されたデータは、更に出力データ部46に引き渡され、それらデータに基づいて出力機器21dが動作する。
以上のように、図2に示す制御システムを再構築した結果、図1に示すように、制御装置10と複数の被制御装置20a、20b、20c、20dを接続する配線の数を減らした制御・監視信号伝送システムとすることができる。しかも、入力機器21a、21b、21c、および出力機器21dに新たな付属物を設けることなくそのまま使用することができるため、簡易化及び低コスト化に大きな効果が期待できる。
再構築された制御・監視信号伝送システムでは、シリアル方式による伝送が行われることになるが、その伝送による伝送信号のタイムチャートを図8に示す。
図8には、親局16から出力される監視・制御データの信号のアドレス0〜3番地のデータ値が「0011」であり、アドレス0〜3番地を付与された入力機器21a(センサ)からの入力が「0101」である場合が示されている。なお、ここにいうアドレスとは、監視・制御データの信号における位置を表現するためのものである。
図8において、上から3段目の信号Vxが親局16から共通データ信号線DP、DNを介して子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25c、25dに伝送される一連のパルス状の伝送クロック信号であり、制御信号に相当する。この信号VxはグランドレベルGNDに対し、21.5Vの平均電源電圧を有し、子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25c、25dの内部への電源となっている。また、信号Vxは、自身の通常パルス幅より長い”on”時間のパルス信号からなる図示しないスタート信号から始まり、複数の子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25c、25dのそれぞれに対するパルスデータが連なった後、信号の最終を識別する図示しないENDデータで終了する。なお、各子局ターミナル25a、25b、及び支線側コネクタターミナル25c、25dに対応するデータ単位、すなわち伝送クロック数は予め規定されている。図8の場合、各子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25c、25dのそれぞれに1伝送クロックが対応している。ただし、このデータ単位に制限は無く、授受する必要のある情報量に応じ、適宜決めることができる。このスタート信号からエンドデータまでの一連のパルス信号は、親局16と子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25c、25dの間で繰り返し授受される。
なお、上記の通り、この再構築方法が適用される前の制御システムにおいて、制御装置10から複数の被制御装置20a、20b、20c、20dに至る複数の信号線は、汎用電線が使用されているため、これら汎用電線を共通のデータ信号線DP、DNとして使用できるように、前記伝送クロック信号は低速クロックである200Khz以下が望ましい。
更に、信号Vxはパルス幅により出力(制御)値を表現しており、1伝送クロックにおいて電圧レベルの高い期間(HIGHレベル期間)が短い場合は“0”を表し、長い場合は、“1”を表している。従って、図9に示す信号Vxの0番地、1番地、2番地及び3番地のアドレスの出力データはそれぞれ“0”、“0”、“1”、“1”を表す。
一方、図8において最下段に示す電流信号Isは、子局ターミナル25a、25b、および支線側コネクタターミナル25cから共通データ信号線DP、DNを介して親局16に伝送される電流パルス信号であり、監視信号に相当する。この電流信号Isは、子局ターミナル25a、25b、及び支線側コネクタターミナル25cからの入力(監視)値を表現しており、所定の閾値Ithより小さい場合は“0”を表し、閾値Ithを超えた場合は“1”を表している。また、この電流信号Isは、上記のとおり、親局16から送出される制御信号、すなわち、前記信号Vxにおいて電圧レベルの低い期間(LOWレベル期間)に送出される。つまり、電圧信号に電流信号を重畳して入力信号と出力信号を同時に扱うことが可能となる。なお、電流信号Isにおけるアドレス番号は前記信号Vxと同じものとなるため、図8に示す電流信号Isの0番地、1番地、2番地及び3番地のアドレスの入力データはそれぞれ“0”、“1”、“0”、“1”を表すことになる。
子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25dのアドレスは、制御装置からの伝送により設定されているが、その設定方式に制限はなく、使用状況に応じて最も適した方式を採用することができる。例えば、アドレス設定部38に、予め決められた所定のアドレス値を記憶させてもよく、この場合、アドレスの設定作業そのものが不要となる。ただし、設定されたアドレス値は、維持補修作業における手間を考慮し、子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25dの外面に表記しておくことが好ましい。
また、子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25d、或いは制御装置10と別体の外部入力装置を介し設定されるものとしてもよい。アドレスが制御装置10からの伝送により設定されるものである場合、或いは、アドレスとして予め決められた所定の値が記憶されている場合、子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25dの故障の際、それら故障した子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25dのアドレスを検知できない可能性もあるが、外部入力装置を介し設定するものであれば、故障した子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25dにおける外部入力装置との伝送機能が動作している限り、外部入力装置においてアドレスの確認を行うことが可能となる。また、各子局ターミナル25a、25bおよび支線側コネクタターミナル25c、25dに対して個別に設定を行う必要があるものの、スイッチによる設定などと比較し、その作業を容易に行うことができる。
被制御装置20a、20bについては、再構築される前の制御システムで使用されていた中継端子台30a、30bから延びる信号線のソケット23a、23bがそのまま転用されているが、これらソケット23a、23bを子局ターミナル25a、25bに代えることとしてもよい。この場合、子局ターミナル25a、25bは、前記第一接続端子33を有することなく、共通のデータ信号線DP、DNに接続されることになる。図9に、子局ターミナルが第一接続端子を有することなく共通のデータ信号線DP、DNに接続された状態を示す。また、図9で示される、粉塵や水滴が飛散する環境現場で使用される子局ターミナル25bの外観を、図10に示す。
被制御装置20a、20bは、中継端子台30を利用して、データ信号線DP、DNに対し並列に接続されているが、子局ターミナル25a、25bに第一接続端子33を複数備え、第一接続端子33同士を接続することで、被制御装置20a、20bを前記共通データ信号線に対し並列に接続してもよい。図11に、第一接続端子同士の接続によって被制御装置をデータ信号線DP、DNに対し並列に接続した状態を示す。子局ターミナル25aは、2つの第一接続端子33を接続するための回路を内包しており、第一接続端子33は子局ターミナル25aの筐体に形成されている。一方、子局ターミナル25bは、その気密性を維持するにあたり複数の第一接続端子33を筐体に直接備えると、実装上のサイズが大きくなるため、2つの第一接続端子33を備えるアダプタ29が接続された構成となっている。子局ターミナル25a、25bにおける2つの第一接続端子33はプラグとされ、渡り線34の両端に設けられたソケット35に接続され、被制御装置20a、20bは、この渡り線34を介して信号線DP、DNに対し並列に接続されている。
10 制御装置
11 制御部
12 入力ユニット
13 出力ユニット
14 監視信号データ
15 制御信号データ
16 親局
20a、20b、20c、20d 被制御装置
21a、21b、21c 入力機器
21d 出力機器
22a、22b、22c、22d プラグ
23a、23b、23c、23d、28、35 ソケット
25a、25b 子局ターミナル
25c、25d 支線側コネクタターミナル
26c、26d 幹線側コネクタ
27 分岐コネクタ部
30a、30b、30c 中継端子台
32 第二接続端子
33 第一接続端子
34 渡り線
38 アドレス設定部
40 ターミナル入力回路
41 制御データ信号抽出手段
42 アドレス抽出手段
43 ターミナル入力部
44 入力データ部
45 ターミナル出力部
46 出力データ部
47 トランジスタ
48 ターミナル出力回路
49 コンデンサ
50 ダイオード
61 出力データ部
63 タイミング発生部
64 親局出力部
65 親局入力部
66 入力データ部
67 伝送ブリーダ電流回路
71 発信器
72 タイミング発生手段
73 制御データ発生手段
74 ラインドライバ
75 DC電源
76 監視信号検出手段
77 監視データ抽出手段

Claims (3)

  1. 制御装置が複数の被制御装置の各々に対し異なる信号線を使用して各々独立に制御を行っているシステムにおいて、
    前記制御装置に、パラレル信号とシリアル信号の変換を行う親局を設け、
    前記制御装置から前記複数の被制御装置に至る複数の信号線のうちのいずれかを、前記親局から延びる共通のデータ信号線に転用し、
    共通のデータ信号線に圧着された幹線側コネクタに前記共通のデータ信号線に接続するソケットを備え、前記親局との伝送機能を備えた支線側コネクタターミナルに前記ソケットに適合するプラグを備え、前記プラグに前記ソケットを接続し前記幹線側コネクタと前記支線側コネクタターミナルを一体として使用する分岐コネクタ部に前記被制御装置の入力機器および/または出力機器に至る既存の信号線を接続させることを特徴とする配線の再構築方法。
  2. 前記共通のデータ信号線に、前記複数の被制御装置に関する監視・制御データが伝送の開始を示すスタート信号に続けて伝送され、前記支線側コネクタターミナルは、前記スタート信号及び前記監視・制御データを構成するクロック信号に基づき、前記スタート信号を起点とし、前記クロック信号により順次アドレスカウンタを更新して伝送同期する請求項1に記載の配線の再構築方法。
  3. 制御装置が複数の被制御装置の各々に対し制御を行うシステムにおいて使用するもので、前記制御装置においてパラレル信号とシリアル信号の変換を行う親局から延びる共通のデータ信号線に圧着される幹線側コネクタに前記共通のデータ信号線に接続するソケットを備え、前記親局との伝送機能を備えた支線側コネクタターミナルに前記ソケットに適合するプラグを備え、前記プラグに前記ソケットを接続し前記幹線側コネクタと前記支線側コネクタターミナルが一体として使用され、前記被制御装置の入力機器および/または出力機器に至る信号線に接続され
    前記共通のデータ信号線に伝送される、伝送の開始を示すスタート信号及び前記スタート信号に続く前記複数の被制御装置に関する監視・制御データで構成されるクロック信号に基づき、前記スタート信号を起点とし、前記クロック信号により順次アドレスカウンタを更新して伝送同期することを特徴とする子局ターミナル。
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