JP4818518B2 - 材料端面自動検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、材料、例えば溶接する材料を溶接したり、切断加工する材料を溶断加工したりするにあたって、溶接機や溶断機器が加工材料の端面より外れないように走行するため、加工材料の端面を自動的に検出する等の如き、加工材料の端面を自動的に検出する方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼材を切断するガス溶断機、プラズマ溶断機等の工作機械は、一般にプログラムされた数値指令値通り切断するよう数値制御によって走行して、所望する図形に鋼材を切断する方法が行われている。以下、工作機械として溶断機を例示して説明するが、溶接機やロボット等他の工作機械においても同様である。
例えば加工材料は溶断機にプログラムされた座標軸に平行度を保って配置されることが必要である。即ち、溶断機が走行配置されるレール方向をX軸として、このレールに直角な方向をY軸として、加工材料は、その基準となる基準軸、即ち溶断機のレール方向であるX軸と平行になるよう配置することが必要である。
【0003】
しかしながら、加工材料は搬送されてきて、適宜切断用の定盤に載置され、溶断機とその座標軸が平行に合致するように細密に調整して配置されることはなく、溶断機との座標軸とは無関係な位置に置かれるのが現状である。特に大型の加工材料においては、溶断機の座標軸とは無関係な位置に置かれることが普通である。
【0004】
そこで、加工材料と溶断機との座標軸を平行にするため、溶断機を数値制御するコンピュータにプログラムされた数値指令に対して、任意の位置に置かれた加工材料の座標軸の溶断機の座標軸に対する平行度によって座標変換することで行われていた。そして、これにより加工材料を溶断機の座標軸と平行になるよう配置する繁雑で労力を要する作業が不必要になった。
【0005】
然るに、溶断機には切断ノズルと加工材料との距離を一定に保持する機構が具備されている。その原理は切断ノズルと加工材料との距離を電圧に変換し、その電圧が一定となるようにトーチを上下することによって制御するものである。そして、切断ノズルと加工材料との距離を検出するセンサーとしては、エアーセンサ、静電容量式センサ、光電センサ、近接スイッチ、及びレーザ式変位センサ等が使用されている。なお、本発明では、切断ノズルと加工材料との距離を検出するセンサーとして静電容量式センサを使用した例について説明するが、他のセンサを使用しても勿論可能である。
【0006】
このような溶断機を用いた場合、加工材料の溶断機の座標軸に対する平行度を検出する方法は、図4に図示した加工材料の端面検出方法の系統図によって、
加工材料の端面を検出し、これに基づいて加工材料の溶断機の座標軸に対する平行度を測定するものである。
【0007】
そこで、図4に図示した加工材料の端面検出方法の系統図に従って、加工材料の端面検出方法を説明する。
切断ノズル1は一定の高さを保持して配置されて加工材料M上を走行される。そして、静電容量式センサ2は切断ノズル1と加工材料Mとの距離dに比例して電圧を出力する。そして、距離dによって静電容量式センサ2から出力する電圧はセンサ増幅器3に入力される。該センサ増幅器3では、入力された電圧を増幅し、溶断機のノズル1と加工材料の距離dが所定距離より大きくなるに従って−1V/mmの割合で変化するように設定されている。又所定距離(C)より小さくなるに従って+1V/mmの割合で変化するようになっている。そして、センサ増幅器3の出力電圧Nの範囲は±10Vとしておくと、溶断機のノズル1と加工材料M間の距離dが、センサ増幅器3の出力が0Vである基準距離(保持すべき一定距離(C))より10mm以上離れるとセンサ増幅器3の出力は−10Vに飽和する。
【0008】
このようにして、センサ増幅器3で増幅された出力電圧Nはコンパレータ4に入力される。該コンパレータ4にはしきい値電圧KがD/Aコンバータ5を介して入力されていて、前記入力されたセンサ増幅器3からの出力電圧Nと特定の状態を確認するため設定された数値である該しきい値電圧Kとを比較するもので、センサ増幅器3からの出力電圧Nがしきい値電圧Kを下回った時は、信号Sを発信し加工材料Mの端面に到ったものとして端面M0を検出するものである。
しきい値電圧Kは溶断機のノズル1が加工材料M上に位置する時の静電容量式センサの出力電圧のセンサ増幅器で増幅されて出力される電圧Nにもとづいて設定されるものであり、溶断機ノズル1の種類、加工材料M等によりしきい値電圧Kも異なるが、各々のしきい値電圧Kを数値制御のプログラムに記憶することにより、しきい値電圧Kを容易に設定することが可能である。
【0009】
このようにして、コンパレータ4で発生した加工材料端面検出信号Sは数値制御装置に入力され、該数値制御装置はこの加工材料端面検出信号Sが入力された座標を記憶し、この座標を加工材料Mの端面M0とする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そして、上記した加工材料Mの端面M0の検出に当たっては、切断ノズル1を加工材料M上の任意の点に位置させて、先ず倣い動作を実行して、好ましい切断ノズル1−加工材料M間の距離dを確定する。ついで、倣い動作を解除して切断ノズル1の高さ一定に保持して、切断ノズル1をX(又はY)軸方向に移動させる。切断ノズル1が加工材料Mの端面M0上を通過する時に、センサ増幅器3の出力がしきい値より低くなることから、前記コンパレータ4より加工材料端面検出信号Sが出力され、その時の信号Sの発信位置の座標を加工材料の端面として数値制御装置に記憶する。
【0011】
然るに、上記した端面の検出方法では、加工材料Mの表面が水平方向に対して平行であれば、正しい端面の座標を検出することとなるが、加工材料Mが水平方向に傾斜している場合は、切断ノズル1が一定の高さを保持したまま加工材料Mの端面検出操作を実行すると、切断ノズル1−加工材料M間の距離が変わり、
図5に図示する如く、加工材料端面検出信号Sが出力されるタイミングがずれることとなる。そのため検出された加工材料の端面の座標が変化することとなっていた。なお図5は、コンパレータ4における、センサ増幅器3の出力の電圧としきい値電圧Kの、加工材料の水平方向に対する傾斜による端面での測定時間のずれと、端面検出信号Sの発信時間のずれを示すものである。
【0012】
このような、加工材料Mは、加工材料Mを切断用定盤上に配置する際に全ての点において水平にすることが困難である。本発明はかかる現状に鑑みなされたものであり、加工材料の溶断機の座標に対する平行度を精度良く検出することを目的とし、その目的達成のため加工材料の端面を、加工材料の水平方向に傾斜を有して配置されていても、精度良く検出する方法と装置を提供することを本発明の課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1に係わる発明の加工材料の端面検出方法は、加工材料上の任意の点(検出動作開始点)で高さセンサを備えた加工装置を適切な高さに設定し、この高さを一定に保持して加工装置を、X(又は、Y)軸に沿って移動して加工材料の端面を検出し、ついで加工装置を該端面検出点より先の移動方向に沿って加工材料上を高さセンサの検知に変化を及ばさない程度の最小距離逆送して戻し、その点を新たな検出動作開始点とし、引き続きその点で加工装置高さに設定して、この高さを一定に保持して同様に加工装置をX(又は、Y)軸に沿って移動して加工材料の端面を検出して端面座標として加工装置制御装置にプログラムして加工材料の材料端面を自動的に検出する方法としたものである。
請求項2に係わる発明の加工材料の端面検出方法は、イ)加工材料端面検出動作の実行前に、予め加工材料上の任意の点を検出動作開始点として、加工装置を、高さセンサを備えた倣い制御動作を有効に作動せしめて、加工材料と加工装置とのあいだの距離を一定距離に保つよう制御して加工材料上端面方向に一定距離(L1)移動せしめ、検出動作開始点の加工装置の高さ座標(Z0)と一定距離(L1)移動後の加工装置の高さ位置座標(Z1)を測定して、加工材料の傾きα=tan-1[(Z1−Z0)/(L1)]を求め、(ロ)次いで倣い制御動作を停止して、加工材料端面検出動作を実行にあたり、加工装置の高さ位置を前記位置座標(Z1)を新たな検出動作開始点として、該座標位置(Z1)を保持して加工装置を同一方向の加工材料端面に向けて走行して加工材料の端面を検出し、その時の加工装置の走行距離(L2)と前記加工材料の傾きとから、加工材料と加工装置との距離を算出し、(ハ)そして、この材料端面での加工装置と加工材料との距離と加工材料端面でのセンサー変化特性より、加工装置−加工材料間に応じた誤差の近似式(又は、特性曲線)を導き、この特性曲線(或いは近似式)から、実際に検出した端面位置の座標を補正するよう加工装置制御装置にプログラムして加工材料の材料端面を自動的に検出する方法としたものである。
請求項3に係わる発明の加工材料の端面検出方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明で、加工装置として溶接機又は溶断機に適用した加工材料の材料端面を自動的に検出する方法としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の材料端面自動検出方法は、加工材料上の任意の点を検出動作開始点として、該点で高さセンサを備えた加工装置を適切な高さに設定し、この高さを一定に保持して加工装置を、X(又は、Y)軸に沿って移動して加工材料の端面を検出する。ここで検出された端面座標は端面近傍であるが、加工材料に傾斜が存在していると、開始時と、端面検出点とで、切断ノズルと加工材料間の距離が異なることから、図5に示す如き検出時間のずれの発生から、検出される端面座標に誤差が生じる。それ故、ついで加工装置を該端面検出点より先の移動方向に沿って加工材料上を高さセンサの検知に変化を及ばさない程度の最小距離逆送して戻し、その点を新たな検出動作開始点(原点座標)とし、引き続きその点で加工装置高さに設定して、この高さを一定に保持して同様に加工装置をX(又は、Y)軸に沿って移動して加工材料の端面を検出して端面座標として加工装置制御装置にプログラムして加工材料の材料端面を自動的に検出する方法としたものである。これにより、検出開始点から端面までの移動量が少なくてすみ、加工材料の傾きによる影響が少なくすることとなって、検出される端面座標の精度が向上するものである。
【0015】
そして又、別の態様の検出方法として、加工材料端面検出動作を実行する前に、予め加工材料の水平方向に対する傾きを求め、その傾きにより加工材料端面検出動作実行時に、加工装置が加工材料端面を通過する時の加工装置−加工材料間の距離を求め、その距離により検出された加工材料端面の座標を補正するようにした方法である。
【0016】
即ち、加工材料端面検出動作の実行前に、予め加工材料上の任意の点を検出動作開始点として、高さセンサを備えた加工装置の倣い制御動作を有効に作動せしめて、加工材料と加工装置とのあいだの距離を一定距離に保つよう制御して加工装置を加工材料上端面方向に一定距離(L1)移動せしめ、検出動作開始点の加工装置の高さ座標(Z0)と一定距離(L1)移動後の加工装置の高さ位置座標(Z1)を測定して、加工材料の傾きα=tan-1[(Z1−Z0)/(L1)]を求める。
【0017】
引き続き、加工材料端面検出動作の実行にあたって、倣い制御動作を停止して、加工装置の高さ位置を例えば前記位置座標(Z1)を新たな検出動作開始点として、該座標位置を保持して加工装置を同一方向の加工材料端面に向けて走行して加工材料の端面を検出する。その時の加工装置の走行距離(L2)と前記加工材料の傾きとから、加工材料と加工装置との距離を算出する。
そして、この加工装置の高さと加工材料端面でのセンサー変化特性より加工装置−加工材料間に応じた近似式を導く。(或いは、特性曲線を導出する。)
かくして、この特性曲線(或いは近似式)から、実際に検出した端面位置を補正することで、正しい端面の検出点を精度良く求めるものである。
【0018】
【実施例】
本発明の材料端面の自動検出方法の実施例について、図面を参照して説明する。なお、実施例は工作機械として高さセンサを備えた溶断機を使用し加工材料を切断加工する方法を例示して説明する。しかし本発明はかかる溶断機のみに限定されるものでなく、倣い加工する工作機械に広く適用することができる。
【0019】
[実施例1]
図1は、本発明の材料端面の自動検出方法の第1の実施例を説明する工程を示すものである。
(i)先ず図1(a)に示す如く、切断ノズルの如き高さセンサを備えた加工装置1を加工材料M上の任意の位置Pで高さh1に設定する。
(ii)次いで図1(b)に図示する如く、切断ノズルの如き加工装置1を上記高さを変化せしめることなく一定の高さh1を保ってて加工材料Mの端面M0にに向けて走行せしめる。そして、端面M0に到ると、前記図4に図示した如く、静電容量式の高さセンサ2よりセンサ増幅器3を介して送信される出力電圧Nがコンパレータ4でしきい値信号Kとの比較でしきい値電圧Kより低くなった時点で、端面検出信号を発し、端面M0の点Ptを検出する。
【0020】
然るに、図1での加工材料Mは加工材料Mが右上がりの傾斜を有していることから、ここで検出された端面は、切断ノズルの如き加工装置1−加工材料Mとの距離dは、当初設定時のd1に対して、端面M0での距離d2は、d2<d1となっていて、より加工材料近くなっていて、当初のd2の時の静電容量式の高さセンサ2よりの出力Nの値より大きくなり、△dが大きくなっていて、その結果、端面M0での切断ノズルの如き加工装置1−加工材料M間の距離d2の時のしきい値電圧Kに到るまでの時間が、図5に図示する如く、当初の切断ノズルの如き加工装置1−加工材料M間の距離d1での時より、遅れることとなる。それ故コンパレータ4より端面検出信号の発生も遅れることとなり、かかる遅れは端面M0の点Ptでの座標の誤差Eとなる。
【0021】
(iii)そこで、引き続いて、前記(ii)項により端面検出後、図1(c)に図示する如く、直ちに切断ノズルの如き加工装置1を、先の移動通路に沿って、端面M0より至近距離で、切断ノズルの如き加工装置1の端面M0方向への移動で切断ノズルの如き加工装置1−加工材料M間の距離dが変化しない程度の位置P0に戻す。そしてその位置P0で再度切断ノズルの如き加工装置1の高さをh2に設定する(この時、切断ノズルの如き加工装置1−加工材料M間の距離d3)。
【0022】
(iv)続いて、図1(d)に図示する如く、切断ノズルの如き加工装置1の高さをh2に一定に保って端面M0に向けて走行し、端面M0を前記した如き態様により、コンパレータ4より発する端面検出信号で検出する。
然るに、この場合、端面検出を開始する切断ノズルの如き加工装置1の高さ設定位置P0が加工材料Mの端面M0の至近距離であるため、切断ノズルの如き加工装置1の端面M0の点Ptまでの移動距離が短く、端面M0の検出位置である点Ptでの切断ノズルの如き加工装置1−加工材料M間の距離d4は、端面検出を開始する切断ノズルの如き加工装置1の高さ設定位置P0での切断ノズルの如き加工装置1−加工材料M間の距離d3との差異△dが小さく、従って、前記図5の図示した静電容量式の高さセンサ2からセンサ増幅器3を介してコンパレータ4に入力される電圧Nに殆ど差異が無い。従って、これらの電圧Nがコンパレータ4でしきい値電圧Kに達するまでの時間においてもその差異は殆ど無視し得る程度となり、その加工材料Mの端面位置Ptの座標は、切断ノズルの如き加工装置1の前記高さ設定位置P0の座標を基準にすることにより、精度良く検出することが出来、そしてこれを数値制御装置にプログラムしておけばよい。
【0023】
[実施例2]
本発明の材料端面自動検出方法の別の態様の実施例を実施例2として、図2の工程図を参照して説明する。
(i)先ず図2(a)に図示する如く、加工材料Mの端面検出動作を実行する前に、加工材料M上の任意の点P1を検出動作開始点として、この点P1上で、切断ノズルの如き高さセンサを備えた加工装置1を、加工材料Mとの距離をdcに設定し、そしてその時の切断ノズルの如き加工装置位置の高さ方向の座標Z0を読みとり記憶する。
【0024】
(ii)次いで、図2(b)に図示する如く、切断ノズルの如き高さセンサを備えた加工装置1を倣い制御動作を有効に作動せしめて走行するようにして、加工材料Mとの距離をdcを保って、加工材料端面検出動作を実行する移動方向と同一方向に向けて一定の距離L1を走行せしめる。そしてその位置P2での切断ノズルの如き加工装置の高さ座標Z1を読みとる。すると切断ノズルの如き加工装置1は、倣い制御によって加工材料好材料Mと一定の間隔距離dcを保って走行されているので、加工材料Mの傾斜の存在で、切断ノズルの如き加工装置1の検出動作開始点P1の高さ座標Z0と距離L1を走行した終位置P2の切断ノズルの如き加工装置1の高さ座標Z1に変化が生じる。
この結果、加工材料Mの傾き角度αは、tanα=(Z1−Z0)/L1 より、
α=tan-1(Z1−Z0)/L1 で求めることが出来る。
そして、 この関係式を数値制御装置にプログラミングする。
【0025】
(iii)続いて、切断ノズルの如き加工装置1の倣い制御動作を解除して、図2(c)に図示する如く、切断ノズルの如き加工装置1の高さ位置の座標を前記高さ座標Z1にある点P2を新たに端面検出動作開始点として、加工材料Mの端面検出動作を開始する。即ち、加工装置1の高さを前記高さ位置座標Z1の一定に保って、加工装置1を加工材料M上を端面M0に向けて水平に走行せしめる。そして加工材料の端面M0上を通過すると、端面検出信号が出力されて、加工装置1は停止して、端面の位置P5を検出しその座標を読みとり記憶するとともに、その時の走行距離L2を測定する。
【0026】
(iv)この結果、加工装置1が加工材料の端面M0上を通過する時の加工装置1と加工材料Mとの間の距離d5は、加工装置1の高さの位置を座標Z1の一定に保持して走行し、そして加工材料Mが水平方向に対してαだけ傾斜していることから、加工装置1が加工材料端面M0を通過する時の加工装置−加工材料間の距離は、
d5=dc−L2tanα
となる。そして、この値より、加工材料Mの端面位置の座標の傾斜による誤差Eは、E=A×d5+B (ただし、A、Bはノズル形状により定まる定数)この位置P5は加工材料Mの傾斜の存在により、実際の座標と誤差Eを有するものである。
【0027】
かくして、加工材料Mに傾斜の存在していても、加工材料Mの端面M0の座標は、上記した如く本発明の方法により、補正することができて、これを数値制御装置にプログラミングして置くことにより、正確に端面を検出することが出来る。
そして、加工を開始する位置を決定する必要がある加工装置においては、上記した本発明の方法を使用することにより、自動で検出された加工材料Mの端面M0の座標を基準として、加工開始点を決定することにより、加工開始点を導くための繁雑な操作作業を簡略化することが可能となる。又、加工材料Mの端面を数点検出して、加工装置に加工材料の形状を正しく認識せしめることにも利用することが出来る。
なお、上記実施例では、加工装置として溶断機を例示して説明したが、溶接機やロボット等の他の工作機械にも適用することも出来る。又、高さセンサも静電容量式センサに限定されるものでなく、エアセンサ、光電センサ、近接スイッチ及びレーザ式変位センサ等のセンサを適宜選択して使用することができる。
【0028】
[実験例]
図3に図示した如き傾きαを有する加工材料Mを、本発明の材料端面自動検出方法を使用して、加工材料Mの傾きと、加工開始点の検出を行った。
先ず、加工材料M上の任意の点p0を始点として、切断ノズルの如き加工装置を、その高さを一定に保って−X軸方向に、端面M0Xに向け操作して加工材料Mの端面M0Xを検出する操作を行う。そして端面自動検出装置により検出された端面M0Xの座標p2(x2、y2)を読みとる。
【0029】
次いで、切断ノズルの如き加工装置を始点p0に戻し、上記した高さで一定に保って−Y軸方向に、端面M0Yに向け操作して加工材料Mの端面M0Yを検出する操作を行う。そして検出された端面M0Yの座標p3(x3、y3)を読みとる。引き続き、切断ノズルの如き加工装置を加工材料の任意の位置p1の上に移動させた後、該任意の位置p1上より切断ノズルの如き加工装置を、その高さを一定に保って−Y軸方向に走行操作させて、端面M0Yを検出する操作を行う。そして、この時端面自動検出装置により検出された材料端面M0Yの座標p4(x4、y4)を読みとる。
【0030】
上記した実験で得られた、座標p2、p3、p4から加工材料の切断加工プログラムの開始点座標ORG(x0、y0)は、次の式で演算されて求めることができた。
又、加工材料の傾きαは次の通りにより求められた。
【0031】
【発明の効果】
本発明の加工材料の端面自動検出方法は上記した如き形態で実施され、以下の如き効果を奏する。
本発明の端面自動検出方法では、傾斜に対する誤差を補正するようにプログラムすることによって、加工材料の傾きの存在にも係わらず、加工材料の端面を常に、精度良く一定に求めることができる。それ故、自動化された加工装置に必要な、加工材料の形状や、加工開始点を正確に認識せしめるために多大の効果を発揮する。しかも、これらの形状や加工開始点を決定する基準となるとなる、加工材料の端面の検出操作が、本発明の自動検出方法により、簡略化されて、作業能率を著しく向上せしめ得る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の材料端面自動検出方法の第1の実施例を説明する工程図。
【図2】 本発明の材料端面自動検出方法の第2の実施例を説明する工程図。
【図3】 本発明による加工材料の端面検出法の実験例を説明する加工材料の平面図。
【図4】 加工材料の端面検出方法の系統図。
【図5】 加工材料の水平方向に対する傾斜による端面での測定時間のずれと、端面検出信号Sの発信時間のずれを示すグラフ。
【符号の説明】
1…切断ノズルの如き加工装置、 2…静電容量式の高さセンサ、
3…センサ増幅器、 4…コンパレータ、 5…D/Aコンバータ、
M…加工材料、 M0…加工材料の端面、 N…センサ出力電圧、
K…しきい値電圧、 S…材料端面検出信号、
h1、h2、h3…切断ノズルの如き加工装置の設定高さ、
d1、d2、d3、d4、d5、dc…加工装置と加工材料との距離、
P、P0、P1、P2、Pt、p0、p1、p2、p3、p4…加工材料上の切断ノズルの如き加工装置の座標測定位置、 E…端面検出誤差
Claims (3)
- 加工材料上の任意の点(検出動作開始点)で高さセンサを備えた加工装置を適切な高さに設定し、この高さを一定に保持して加工装置を、X(又は、Y)軸に沿って移動して加工材料の端面を検出し、ついで加工装置を該端面検出点より先の移動方向に沿って加工材料上を高さセンサの検知に変化を及ばさない程度の最小距離逆送して戻し、その点を新たな検出動作開始点とし、引き続きその点で加工装置高さを設定して、この高さを一定に保持して同様に加工装置をX(又は、Y)軸に沿って移動して加工材料の端面を検出して端面座標として加工装置制御装置にプログラムしてなることを特徴とする加工材料の材料端面自動検出方法。
- (イ)加工材料端面検出動作の実行前に、予め加工材料上の任意の点を検出動作開始点として、加工装置を、高さセンサを備えた倣い制御動作を有効に作動せしめて、加工材料と加工装置とのあいだの距離を一定距離に保つよう制御して加工材料上端面方向に一定距離(L1)移動せしめ、検出動作開始点の加工装置の高さ座標(Z0)と一定距離(L1)移動後の加工装置の高さ位置座標(Z1)を測定して、加工材料の傾きα=tan-1[(Z1−Z0)/(L1)]を求め、(ロ)次いで倣い制御動作を停止して、加工材料端面検出動作を実行にあたり、加工装置の高さ位置を前記位置座標(Z1)を新たな検出動作開始点として、該座標位置(Z1)を保持して加工装置を同一方向の加工材料端面に向けて走行して加工材料の端面を検出し、その時の加工装置の走行距離(L2)と前記加工材料の傾きとから、加工材料と加工装置との距離を算出し、(ハ)そして、この材料端面での加工装置と加工材料との距離と加工材料端面でのセンサー変化特性とにより、加工装置−加工材料間に応じた誤差の近似式(又は、特性曲線)を導き、この特性曲線(或いは近似式)から、実際に検出した端面位置の座標を補正するよう加工装置制御装置にプログラムしてなることを特徴とする加工材料の材料端面自動検出方法。
- 加工装置が溶接機又は溶断機であることを特徴とする請求項1又は2記載の材料端面自動検出方法。
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