JP4818236B2 - 粘着シートおよびそれを使用した光学フィルター部材 - Google Patents

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本発明は、近赤外線を発生する電子機器に使用することができる近赤外線吸収機能を有する粘着シート、およびプラズマディスプレイ(PDP)から発生する近赤外線を長期間にわたって好適に吸収することができる前記粘着シートを使用した光学フィルター部材に関する。
800〜1600nm程度の波長を有する近赤外線は、コードレスフォン、近赤外線リモートコントローラ、無線LAN等の電子機器の動作に利用されており、生活に欠かすことができないものとなっている。しかし、近赤外線の入力により作動する電子機器は、他の電子機器等から発生する近赤外線によって誤作動を生じやすいものである。
近赤外線を発生する電子機器としては、例えば、プラズマディスプレイ(以下、PDPと称す)が挙げられる。PDPは、薄型化および大画面化が比較的容易に実現できるディスプレイとして注目されているが、その構造や動作の原理上、放電を利用するため必然的に電磁波および近赤外線が発生する。
電磁波に関しては電気用品取締法等により規制が設けられており、規制値内に抑えることが必要となるため、PDPの前面には電磁波を吸収させるための高導電性材料からなる層が設けられている。この場合、高導電性材料には電磁波吸収性とともに透明性が要求されるため、高導電性材料を網目状に加工したもの、例えば、金属メッシュを使用することができる。
一方、近赤外線は、PDPの前面に近赤外線吸収色素を含有する近赤外線吸収層を設けることにより、電子機器の誤動作が実用上問題ない程度にまで抑えられる。
近赤外線吸収層と金属メッシュはともにPDPの前面に設けられるものであるが、直接接触するものではなく粘着層を介して貼着される(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−9484号公報
上記のように、近赤外線吸収層、粘着層および金属メッシュが順次積層されてなる従来技術による積層体では、多層構造となるため高価になる問題を有していた。
一方、近赤外線吸収色素を含有させた粘着層と金属メッシュとを貼着することにより、層構成を簡略化することが提案されていたが、当該粘着層と金属メッシュとを直接接触させると、粘着層に含有する近赤外線吸収色素に劣化が生じる問題を有していた。
本発明は、金属メッシュの上に近赤外線吸収色素を含有する粘着層を隣接して積層しても、粘着層に含有する近赤外線吸収色素が劣化を生じることがない粘着シートおよびそれを使用した光学フィルター部材を提供することを目的とする。
本発明は、有機フィルム上に、アクリル樹脂、近赤外線吸収色素およびベンゾトリアゾール化合物を含有する粘着層を設けたことを特徴とする粘着シートである。
前記ベンゾトリアゾール化合物が、1,2,3−ベンゾトリアゾールであることが必要である
前記粘着層がイソシアネートを含有することが好ましい。
前記近赤外線吸収色素がジチオール金属錯体系化合物および/またはフタロシアニン系化合物であることが好ましい。
前記粘着層上に剥離フィルムが積層されてなることが好ましい。
本発明は、前記粘着シートの粘着層の表面に金属メッシュフィルムが積層されてなることを特徴とする光学フィルター部材である。
本発明は、金属メッシュフィルムにアクリル樹脂、近赤外線吸収色素およびベンゾトリアゾール化合物を含有する粘着層を設けてなり、前記ベンゾトリアゾール化合物が、1,2,3−ベンゾトリアゾールであり、前記金属メッシュフィルムと前記粘着層が直接接触してなり、前記粘着層中のアクリル樹脂を100重量部としたとき、前記1,2,3−ベンゾトリアゾールの配合量が0.01〜0.2重量部であることを特徴とする光学フィルター部材である。
本発明の粘着シートは、有機フィルム上に設ける粘着層にアクリル樹脂、近赤外線吸収色素およびベンゾトリアゾール化合物を含有するため、該粘着層と金属メッシュ等の金属製部材とが直接接触しても、該粘着層に含有する近赤外線吸収色素が劣化を生じることがない。したがって、長期にわたって近赤外線吸収作用を好適に維持することができる。
本発明の粘着シートを構成する粘着層は、アクリル樹脂、近赤外線吸収色素およびベンゾトリアゾール化合物を含有することが必要である。これらを含有する粘着剤は適当な溶媒に溶解された後、図1に示すように、有機フィルム10上に粘着層20として形成される。次いで、該粘着層20の溶媒を揮発させ、剥離フィルム11を積層する。剥離フィルム11は、金属メッシュやガラス板等の支持体に貼着する際には剥離される。
図2(a)は、図1の本発明の粘着シートから剥離フィルム11を剥離後、露出した粘着層20の表面に、有機フィルム12状に凹凸構造の金属メッシュ30を設けた金属メッシュフィルム40を積層する工程を示し、図2(b)は積層後の本発明の光学フィルター部材50を示す。
本発明における金属メッシュフィルム40とは、有機フィルム12および凹凸構造を有する金属メッシュ30を有する積層体であればよいのであって、図2に示すように、有機フィルム12と凹凸構造を有する金属メッシュ30とが積層されてなるものであってもよいし、該有機フィルム12と該金属メッシュ30が粘着層または接着層を介して積層されてなるものであってもよい。
本発明の光学フィルター部材50は、その構成部材である粘着層20と金属メッシュ30とが隣接して積層されてなるものである。
金属メッシュフィルム40の作成方法は、例えば、有機フィルム12上に金属薄膜をメッキ形成させた後、フォトレジスト−エッチング法によって、凹凸構造を有する金属メッシュ30を形成させることができる。また、有機フィルム12上に設ける金属薄膜は、金属蒸着させてもよいし、粘着層または接着層を介して有機フィルム12上に積層してもよい。
本発明における光学フィルター部材50とは、粘着層20に隣接して金属メッシュ30が存在する層構成を有するものであればよく、その他の層構成は制限されない。したがって、図2に示す光学フィルター部材50はその一態様であって、図2に示す有機フィルム10がないものもであってもよいし、図2に示す金属メッシュ30と有機フィルム12が粘着層を介して貼着されていてもよい。このような層構成を有することにより、電磁波吸収作用および近赤外線吸収作用を有する積層体とすることができる。
以上のように、粘着層20に隣接して金属メッシュ30を積層させた本発明の光学フィルター部材を用いることによって、様々な層構成を有する光学フィルターとすることができる。光学フィルターとしては、例えば、反射防止層/有機フィルム/粘着層/金属メッシュ/有機フィルム/粘着層/ガラスの構成を挙げることができる。
本発明における近赤外線吸収色素の劣化は、図3に示す積層体60を用いて評価したものをいう。積層体60は、図2に示す光学フィルター部材50を構成する有機フィルム10を剥離し、露出した粘着層20にガラス板70を貼着したものである。
近赤外線吸収色素の劣化が生じないとは、当該積層体60を高温条件で放置した前後の透過率変化量が15%以下であり、且つ、恒温恒湿度条件で放置した前後の透過率変化量が15%以下であるものをいう。これらを満たすことによって、プラズマディスプレイパネル等の実用特性に優れた近赤外線吸収粘着剤組成物および光学フィルター部材を提供することができる。
高温条件とは80℃dryにて1000時間処理することをいい、恒温恒湿度条件とは60℃/90%RHにて1000時間処理することをいう。
粘着層20の厚さは、薄くなりすぎると接着力が不十分になり、厚くなりすぎると粘着剤のはみ出しやスリット等の作業性が損なわれるため、1〜500μm程度とすることが好ましい。
以下、本発明を構成する粘着層に使用する材料を中心に説明する。
<ベンゾトリアゾール化合物>
粘着層に配合されるベンゾトリアゾール化合物は、具体的には、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を好適に使用することができる。これらのベンゾトリアゾール化合物は単独で使用してもよいし、複数を混合して使用してもよい。
本発明においては、1,2,3−ベンゾトリアゾールが粘着シートの色素劣化防止に優れた効果があるので必須である
本発明を構成する粘着層中のアクリル樹脂を100重量部としたとき、ベンゾトリアゾール化合物の配合量は0.01〜0.2重量部であることが必要であり、0.05〜0.2重量部がさらに好ましく、0.1〜0.2重量部が特に好ましい。
粘着層に配合されるベンゾトリアゾール化合物の配合量が0.01重量部未満であると、色素劣化防止作用が不十分になり、一方、配合量が10重量部超であると金属メッシュとの接着力が不足するおそれがある。
<近赤外線吸収色素>
本発明を構成する粘着層に含有させる近赤外線吸収色素は、波長800〜1600nmの近赤外線領域に極大吸収を有するものであればよい。具体的には、ジインモニウム系、フタロシアニン系、ジチオ−ル金属錯体系、ナフタロシアニン系、アゾ系、ポリメチン系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、テトラデヒドオコリン系、トリフェニルメタン系、シアニン系、アゾ系、アミニウム系等の化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明においては、金属メッシュ等の金属製部材に近赤外線吸収機能を有する粘着層が隣接しても、近赤外線吸収色素の劣化が生じにくく安定性に優れていることから、ジチオール金属錯体系化合物、フタロシアニン系化合物を好適に使用することができる。
ジチオール金属錯体系化合物としては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物を好適に使用することができる。
Figure 0004818236
式中、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アラルキル基、アミノ基を表し、それぞれ同一でもよいし異なっていてもよい。
本発明を構成する粘着層のアクリル樹脂を100重量部としたとき、近赤外線吸収色素の配合量は0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がさらに好ましい。
粘着層に配合される近赤外線吸収色素の配合量が0.1重量部未満であると、近赤外線吸収作用が不十分になるおそれがあり、10重量部を超えると400〜800nmの可視光領域における光透過率が減少するため、透明性が要求されるプラズマディスプレイの用途に使用するのは好適ではない。
<アクリル樹脂>
本発明を構成する粘着層に配合されるアクリル樹脂は、以下に例示するようなアクリルモノマーを重合してなるアクリル樹脂が挙げられる。このアクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基、スルホキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。
これらのアクリル樹脂を含有する粘着層は透明性に優れているため、プラズマディスプレイの前面に用いても光透過率を好適に維持することができる。
アクリル樹脂の架橋剤としては、アクリル樹脂を硬化できるものであれば特に制限はないが、本発明においてはイソシアネ−トを好適に使用することができる。
イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)系、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系、ポリカプロラクトンジオール(XDI)系、1,6−ヘキサンジオール(IPDI)系等を挙げることができる。
イソシアネートの配合量は、アクリル樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部程度である。
<有機フィルム>
有機フィルムとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、アラミド等のフィルムが使用できるが、透明性を有するとともに経済性に優れているPETフィルムを使用することが好ましい。
有機フィルムの厚さは20μm以上が好ましい。フィルム厚さが20μm未満ではハンドリング性が悪くなる。有機フィルムの上限は特にないが、有機フィルム上に形成させた粘着層はロールに巻回されて保存されることから、該有機フィルムの厚さを薄くすることによって巻き取り量を増大させることができ、生産効率が優れることになる。
また、有機フィルムの代わりに剥離フィルムを使用してもよい。
<剥離フィルム>
剥離フィルムとしては、前記の有機フィルムと同様のフィルムを使用することができる。剥離フィルムには、シリコーン層が設けられていることが好ましい。
<金属メッシュフィルム>
金属メッシュフィルムを構成する金属メッシュは、電磁波を吸収することができるものであればよいのであって、金属メッシュを構成する材料は、例えば、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、金、銀、プラチナ等の金属や、これら金属の2種以上の合金、さらには金属化合物等の箔化が可能な金属系材料を圧延した圧延材が用いられる。また、銅を使用する場合は電解液(通常は硫酸銅水溶液)中にドラムと呼ばれる筒状の陰極を半分沈め、それを囲むように陽極を設け、このドラム上に銅を電析させて製造される電解銅箔も好適に使用できる。これらの材料は粘着層あるいは接着層を介して有機フィルム上に積層してもよいし、有機フィルム上に金属蒸着や金属メッキを施すことにより金属箔を形成させてもよい。
金属箔の厚さとしては、用途によって適宜に選択されるが1〜500μm程度のものが用いられる。プラズマディスプレイ等の光学フィルター部材として使用する場合は、光透過率を向上させるためにできるだけ薄い方が好ましく、5〜100μm、さらには10〜50μmの厚さが選択される。
有機フィルム上に積層した銅箔から所定の形状を有する金属メッシュを作製するには、フォトレジスト−エッチング法を使用すればよい。これによって、銅箔に形成される孔の形状および開口率を調節することができ、金属メッシュフィルムを作製することができる。
好ましい開口率は70〜97%、さらに好ましくは80〜95%であり、好ましいライン幅は10〜50μm、好ましい孔の幅(ライン幅のピッチ)は200〜800μmである。
また、金属メッシュの孔の形状は、正多角形、平行四辺形、台形、円形、楕円形等の形状を少なくとも1種有するものであればよい。
有機フィルムと金属メッシュとを接着層を介して積層する場合、該接着層に含有させる樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレン系ブロック共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アミン化合物、ビスマレイミド化合物等から選択される1種または2種以上の樹脂を主成分とする接着剤を使用することができる。
本発明の粘着シートの製造方法について説明する。
所定の配合の粘着剤組成物を溶剤に溶解させ、有機フィルム上に乾燥後の厚さが上記の範囲になるように塗布する。その際の加熱条件は80〜120℃で2分間程度乾燥させることが好ましい。次に、形成された粘着層の表面に剥離フィルムを重ね合わせ、常温圧着する。
次に、本発明の光学フィルター部材の製造方法について説明する。
本発明の光学フィルター部材を構成する金属メッシュフィルムは、フォトレジスト−エッチング法により作製することができる。有機フィルムと銅箔とを接着層を介して積層した積層体において、該銅箔表面にフォトレジストを塗布した後、所定のメッシュパターン(例えば、孔が正方形で、ライン幅が20μm、孔の一辺が500μm、開口率92%の格子状)が光透過部として印刷されたフィルム状のマスクを積層した後、マスク上から紫外線を照射する。紫外線の照射により、マスクの光透過部に対応する部分のレジストが露光され、その露光部が金属箔状に印刷される。次いで、マスクを除去し、さらに、炭酸ソーダ水溶液等のレジスト除去用の処理液に全体を浸漬して、未露光部すなわち未印刷部のレジストを除去する。これにより、レジストからなるメッシュパターンが金属箔の表面に現像される。次に、エッチング液中に全体を浸漬することにより、未現像部に対応する部分の金属箔をエッチングする。この後、苛性ソーダ希釈液等のレジスト除去用の処理液に全体を浸漬して残っている現像部のレジストを除去し、本発明を構成する金属メッシュフィルムが得られる。
上記の方法によって得られた粘着シートの剥離フィルムを剥離した面に、上記の方法によって得られた金属メッシュフィルムを構成する金属メッシュ面とを貼り合わせることによって、本発明の光学フィルター部材を作成することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は何等これに限定されるものではない。
なお、原材料の配合量は固形分重量部である。
下記組成の粘着層用材料を溶剤に溶解させ、厚さ38μmのPETフィルムからなる有機フィルムに塗布した。100℃で2分間乾燥して、膜厚30μmの粘着層を形成させた後、厚さ38μmの剥離フィルムを常温圧着し、図1に示す本発明の粘着シートを作製した。
・アクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品名:SKダイン1811L) 100部
・イソシアネート架橋剤(綜研化学社製、商品名:L−45) 0.9部
・ジチオール金属錯体系化合物(エーピーアイコーポレーション製、商品名:APE−004) 1.5部
・1,2,3−ベンゾトリアゾール(城北化学工業社製、商品名:BT−120) 0.2部
次に、厚さ100μmのPETフィルムと厚さ10μmの電解銅箔とが、厚さ10μmのポリエステル系接着剤を介して積層された積層体において、該電解銅箔面にフォトレジストを塗布した後、フォトレジスト−エッチング法により形成された金属メッシュフィルム(孔が正方形で、ライン幅が20μm、孔の一辺が500μm、開口率92%の格子状)と、粘着シートを構成する剥離フィルムを剥離した面とを貼着することにより、図2(b)に示す光学フィルター部材を作製した。
[比較例1]
粘着層として、1,2,3−ベンゾトリアゾールを配合させなかった以外は実施例1と同様にして、図2(b)に示す光学フィルター部材を作製した。
<評価>
実施例1および比較例1の光学フィルター部材および構成体を構成する有機フィルムを粘着層から剥離し、厚さ1.8mmのガラス板に貼り合わせ、オートクレーブ処理(60℃、5kgf/cm、20分間)を行うことにより積層体を作製した。
(光透過率)
積層体の980nmにおける光透過率を測定した後、80℃dryのオーブンおよび60℃/90%RHの恒温恒湿槽に積層体をそれぞれ投入し、1000時間経過後の光透過率を測定した。
得られた結果を表1に示した。
Figure 0004818236
ベンゾトリアゾール化合物を含有させた実施例1では、いずれの条件においても、その透過率変化量は15%以下であり、光学フィルター部材として使用した場合においても実質的に問題がなく良好な結果であった。
一方、ベンゾトリアゾール化合物を含有させなかった比較例1では、いずれの条件においても透過率変化量が15%超であったことから、近赤外線吸収色素の劣化が認められ、特に、高温条件下での劣化が著しいものであった。
以上のように、本発明によれば、近赤外線吸収色素を含有する粘着層に隣接して金属メッシュを積層しても、粘着層に含有する近赤外線吸収色素が劣化を生じることがない粘着シートおよびそれを使用した光学フィルター部材を提供することができる。
本発明の粘着シートの層構成を示した断面図である。 (a)本発明の光学フィルター部材の製造工程を示す図である。(b)本発明の光学フィルター部材の断面図である。 近赤外線吸収色素の安定性を評価するための積層体を示した断面図である。
符号の説明
10、12 有機フィルム
11 剥離フィルム
20 粘着層
30 金属メッシュ
40 金属メッシュフィルム
50 光学フィルター部材
60 積層体
70 ガラス板

Claims (6)

  1. 有機フィルム上に、アクリル樹脂、近赤外線吸収色素およびベンゾトリアゾール化合物を含有する粘着層を設けてなり、前記ベンゾトリアゾール化合物が1,2,3−ベンゾトリアゾールであり、前記粘着層中のアクリル樹脂を100重量部としたとき、前記1,2,3−ベンゾトリアゾールの配合量が0.01〜0.2重量部であることを特徴とする粘着シート。
  2. 前記粘着層がイソシアネートを含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記近赤外線吸収色素がジチオール金属錯体系化合物および/またはフタロシアニン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  4. 前記粘着層上に剥離フィルムが積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  5. 請求項1乃至3に記載の粘着シートの粘着層の表面に金属メッシュフィルムが積層されてなることを特徴とする光学フィルター部材。
  6. 金属メッシュフィルムにアクリル樹脂、近赤外線吸収色素およびベンゾトリアゾール化合物を含有する粘着層を設けてなり、前記ベンゾトリアゾール化合物が、1,2,3−ベンゾトリアゾールであり、前記金属メッシュフィルムと前記粘着層が直接接触してなり、前記粘着層中のアクリル樹脂を100重量部としたとき、前記1,2,3−ベンゾトリアゾールの配合量が0.01〜0.2重量部であることを特徴とする光学フィルター部材。
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