JP4817313B2 - 巻取式プラズマcvd装置 - Google Patents

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Description

本発明は、減圧雰囲気内でフィルムにプラズマCVDにより成膜を行う巻取式プラズマCVD装置に関する。
従来より、長尺のフィルムあるいはフィルム状基板に成膜を行うのに、例えば、巻取式真空成膜装置が用いられている(下記特許文献1参照)。これは、巻出しローラから巻き出したフィルムを成膜位置においてプラズマCVD等により成膜を行った後、巻取りローラで巻き取るように構成されている。
図9に従来の巻取式プラズマCVD装置の構成を示す。従来の巻取式プラズマCVD装置においては、真空チャンバ1の内部において、巻出しローラ2からフィルム3を巻き出し、これを複数本の補助ローラ4を介して加熱源を内蔵したドラムローラ5に巻き付けた後、複数本の補助ローラ6を介して巻取りローラ7へ巻き取るように構成されている。ドラムローラ5は接地電位に接続されていると共に円弧状の高周波電極8と対向配置されており、ガス導入管9を介して反応ガスをドラムローラ5と高周波電極8との間に導入してプラズマを発生させ、その反応生成物をドラムローラ5上のフィルム3に付着させて成膜を行う。
この従来の巻取式プラズマCVD装置においては、ドラムローラ5の周囲に配置されたシール手段14により、真空室1の内部を反応室10と非反応室11とに区画している。また、反応室10を真空排気ライン12で真空排気し、非反応室11を補助ガス導入管13からの補助ガスの導入により加圧することで、反応室10に導入された反応ガスの非反応室11側への流動を抑制するように構成されている。
一方、プラズマCVDによる成膜時は、通常、成膜位置の周辺部品(シャワープレート、マスク等)が反応生成物の付着により汚染される。このため、定期的に反応室のクリーニングを行い、ダストの発生率を低く抑える必要がある。このクリーニング作業は、反応ガスの代わりにクリーニング用ガスを導入してプラズマ化し、付着物と反応させて除去する手法(セルフクリーニング)がある(下記特許文献2参照)。
特開2002−212744号公報 特開2003−179043号公報
しかしながら、上述した従来のプラズマCVD装置においては、ドラムローラ5に巻き付けられているフィルム3が常に高周波電極8と対向しており、セルフクリーニングを行うとフィルム3が汚染されるため、フィルムの成膜途中では成膜部のプラズマクリーニングを実行することができないという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、フィルムの成膜途中でフィルムに影響を与えることなく成膜部のセルフクリーニングを実行することができる巻取式プラズマCVD装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明は、成膜部に原料ガスを導入してフィルムをプラズマCVDにより成膜する成膜モードと、成膜部にクリーニングガスを導入して成膜部のプラズマクリーニングを行うクリーニングモードとを有する巻取式プラズマCVD装置であって、成膜部は、フィルムの成膜面側に配置された高周波電極と、フィルムの成膜面と高周波電極との間に原料ガス又はクリーニングガスを導入するガス導入手段とを有するとともに、クリーニングモードにおいて、フィルムの成膜面を遮蔽する遮蔽手段を備えている。
本発明においては、成膜部のプラズマクリーニングを行う際、成膜部に位置するフィルムの成膜面を上記遮蔽手段で被覆することにより、フィルム成膜面をプラズマ空間から遮蔽し、プラズマによるフィルムの汚染、損傷を防止するようにしている。これにより、成膜途中においてもフィルムに影響を与えることなく成膜部のセルフクリーニングが可能となる。
遮蔽手段は、フィルムの成膜面と高周波電極との間に配置された帯状体と、成膜部において上記帯状体を搬送する搬送手段とで構成することができる。帯状体には、その長手方向に沿って、フィルムの成膜面を遮蔽する遮蔽部と、上記成膜面を開口させる開口部とが形成されている。
搬送手段は、帯状体をフィルムの走行方向と交差する方向に搬送する。成膜モードの際は、帯状体を上記開口部がフィルム成膜面と対向する位置に搬送し、クリーニングモードの際は、帯状体を上記遮蔽部がフィルムの成膜面と対向する位置に搬送する。これにより、装置構成を複雑化することなく、フィルム成膜面をプラズマから保護しながら成膜部のセルフクリーニングが実行可能となる。
上記構成において、成膜部には、上記帯状体とフィルムとを相互に密着させて位置決めする位置決め手段が設けられている。この位置決め手段は、フィルム成膜時とプラズマクリーニング時に駆動され、帯状体とフィルムとの間へのプラズマ生成物の回り込みを防止する。位置決め手段は、例えば、帯状体に対してフィルムを昇降移動させる昇降機構で構成することができる。
また、成膜部には、高周波電極と帯状体との間にフィルムの成膜領域を画定するマスク部材が設置されている。これにより、フィルム成膜面上の所定領域に選択的に成膜を行うことが可能となる。マスク部材は、例えば、フィルムに対して昇降移動自在に設けられている。
本発明において、フィルムは走行状態で成膜処理されてもよいが、好適には、成膜部において停止状態で成膜される。このとき、フィルムの走行方向に関して成膜部の上流側及び下流側に、フィルムを挟持して成膜部の内部空間を隔絶する仕切弁をそれぞれ設置する。これにより、成膜部に導入されたプロセスガス(原料ガス、クリーニングガス)が成膜部外部への漏出を抑制できる。
本発明の巻取式プラズマCVD装置によれば、クリーニングモードにおいて、フィルムの成膜面を遮蔽する遮蔽手段を備えているので、フィルムの成膜面をプラズマ空間から遮蔽でき、プラズマによるフィルムの汚染、損傷を防止することができる。これにより、成膜途中においてもフィルムに影響を与えることなく成膜部のセルフクリーニングを実行することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態による巻取式プラズマCVD装置20の概略構成を示す側断面図、図2はこの巻取式プラズマCVD装置20の概略構成を示す平面図である。
本実施形態の巻取式プラズマCVD装置20は、成膜部23を構成する真空チャンバ22と、成膜部23の内部に形成された反応室21と、成膜部23にフィルムFを供給する巻出しローラ24と、成膜部23で成膜したフィルムFを巻き取る巻取りローラ25とを備えている。そして、巻取式プラズマCVD装置20は、後述するように、成膜部23に原料ガスを導入してフィルムFをプラズマCVDにより成膜する成膜モードと、成膜部23にクリーニングガスを導入して成膜部23のプラズマクリーニングを行うクリーニングモードとを有している。
巻出しローラ24及び巻取りローラ25は、それぞれ、真空チャンバ22と一体的に取り付けられた補助チャンバ26,27の内部に配置されている。これら補助チャンバ26,27の内部空間は、仕切弁28,29を介して反応室21と連通している。なお、反応室21及び補助チャンバ26,27の内部空間は、各々独立した真空ポンプで所定の減圧雰囲気に真空排気されるが、共通の真空ポンプを用いてそれぞれ排気されるようにしてもよい。
フィルムFは、所定幅に裁断された長尺の可撓性フィルムからなり、巻出しローラ24から巻き出され、成膜部23において一方の面(成膜面)にプラズマCVDにより成膜処理が施された後、巻取りローラ25によって巻き取られる。フィルムFの構成材料としては、例えば樹脂フィルムが用いられ、特に、ポリイミド、ポリアミド、アラミドなど耐熱温度200℃以上の樹脂フィルムが好適である。
巻出しローラ24から成膜部23へ至るフィルムFの走行経路には、フィルムFの走行をガイドする補助ローラ30A,30Bと仕切弁28とが設置されており、成膜部23から巻取りローラ25へ至るフィルムFの走行経路には、仕切弁29と、フィルムFの走行をガイドする補助ローラ31A,31Bとが設置されている。
本実施形態の巻取式プラズマCVD装置20において、フィルムFは、巻出しローラ24から巻き出された後、成膜部23において停止され、成膜される。このとき、フィルムFは、その走行方向に関して成膜部23の上流側及び下流側の所定位置で仕切弁28,29により挟持される。これにより、反応室21が隔絶され、成膜部23に導入されたプロセスガス(原料ガス、クリーニングガス)が反応室21の外部(補助チャンバ26,27の内部)へ漏出することが防止される。
次に、成膜部23の構成について図3を参照して説明する。図3は、図2における[3]−[3]線方向断面図であって、非成膜処理時(非クリーニング処理時)の状態を示している。また、図4は、図3と同様な断面図であって、成膜処理時(クリーニング処理時)の状態を示している。
成膜部23は、フィルムFの成膜面(上面)側に配置された高周波電極33と、フィルムFの成膜面の裏面側に配置された対向電極34とを備え、これら高周波電極33と対向電極34との間にフィルムF及び後述するクリーニングマスク35の搬送空間が形成されている。
高周波電極33は、カソードブロック36に取り付けられている。カソードブロック36には、プロセスガス(原料ガス、クリーニングガス)のガス導入ライン(ガス導入手段)37が設けられている。プロセスガスは、フィルムFと対向するように高周波電極33に支持されたシャワープレート32を介して、フィルムFの成膜面とシャワープレート32との間の空間領域(反応室21)に導入される。なお、参照符号38は、高周波電源に接続されたマッチングボックスである。
対向電極34は、接地電位に接続されたアノード電極として構成され、高周波電極33と協働して反応室21にプラズマを形成する。また、この対向電極34は、ヒーターを内蔵した加熱源としての機能をも有しており、フィルムFを所定温度に加熱する。対向電極34は昇降機構40によって所定距離昇降自在に構成されており、成膜時及びプラズマクリーニング時、図3に示す下降位置から図4に示す上昇位置へ移動してフィルムFの裏面側に接触する。
なお、対向電極34の外周部には絶縁性材料からなる環状の摺動部材39が取り付けられており、対向電極34は、この摺動部材39を介して真空チャンバ22の内壁面に沿って昇降移動する。
ここで、プロセスガスとして導入される原料ガスとしては、フィルムFに成膜する材料の種類によって適宜設定される。本実施形態では、プラズマCVD法により、フィルムFに薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)用の各種機能層が形成される。例えば、フィルムFにアモルファスシリコン(a−Si)の薄膜を成膜する場合には、原料ガスとして、例えば、シラン(SiH4)と水素(H2)の混合ガスが用いられる。また、P+アモルファスシリコン層やN+アモルファスシリコン層を形成する場合には、原料ガスとして、ホウ素(B)やリン(P)を含むガス(例えばB26、PH3)が用いられる。
クリーニングガスとしては、反応室21の周囲に付着した原料ガスの分解生成物を分解除去できる種類のガスが適宜選択され、上記原料ガスの例では、NF3やCF4等のフッ素系ガスが用いられる。
シャワープレート32とフィルムFの成膜面との間には、マスク部材41が配置されている。マスク部材41は、例えばセラミック等の絶縁性材料からなり、フィルムFの成膜面の面内において成膜領域を画定する開口部を備えた枠状に形成されている。マスク部材41は、マスク昇降機構42に連結されており、フィルムFに対して所定距離だけ昇降移動自在に構成されている。すなわち、図3に示す上昇位置から図4に示す下降位置へ移動してフィルムFの成膜面側を被覆する。
一方、フィルムFの成膜面とマスク部材41との間には、クリーニングマスク35が配置されている。クリーニングマスク35は、本発明に係る「遮蔽手段」に対応し、フィルムFの成膜面を遮蔽可能な帯状体で構成されている。
クリーニングマスク35の両端部は、本発明に係る「搬送手段」として構成された搬送ローラ44,45にそれぞれ連結されており、フィルムFの走行方向と交差する方向(本実施形態では直交方向)に搬送可能に構成されている。搬送ローラ44,45は、真空チャンバ22の対向する側壁部に設置された補助チャンバ46,47の内部にそれぞれ収容されており、真空チャンバ22の側壁部に形成されたスロット22a,22aを介してクリーニングマスク35を反応室21に架け渡している。
補助チャンバ46,47の内部には、クリーニングマスク35を挟持することで反応室21と補助チャンバ46,47の内部空間との間を仕切る仕切弁装置48,49がそれぞれ設置されており、反応室21へ導入されたプロセスガスが補助チャンバ46,47の内部空間へ到達しないように構成されている。なお、補助チャンバ46,47の内部空間を排気する排気ポートや、補助チャンバ46,47の内部空間へ窒素(N2)ガス等のパージガスを導入する導入ポート等を別途設けても構わない。
図5A,Bは、クリーニングマスク35の一作用を説明するための成膜部23の概略構成図である。クリーニングマスク35は、その長手方向に沿って、フィルムFの成膜面を遮蔽する遮蔽部35aと、フィルムFの成膜面を開口させる開口部35bとが形成されている。そして、フィルムFに対して成膜を行う成膜モードにおいては、搬送ローラ44,45は、図5Aに示すように、クリーニングマスク35をその開口部35bがフィルムFの成膜面に対向する位置へ搬送する。これに対し、成膜部23のプラズマクリーニングを行うクリーニングモードにおいては、搬送ローラ44,45は、図5Bに示すように、クリーニングマスク35をその遮蔽部35aがフィルムFの成膜面に対向する位置へ搬送する。
なお、クリーニングマスク35の遮蔽部35a及び開口部35bは、クリーニングマスク35上にそれぞれ1箇所ずつ設けられる場合に限られず、それぞれ複数個所に設けられる構成が好ましい。また、クリーニングマスク35の構成材料は、プロセスガス、特に腐食性のあるクリーニングガスに対して一定の耐久性のある材料で構成されるのが好ましく、例えば、アルミニウムやチタン等の金属材料を用いることができる。
次に、真空チャンバ22の周囲には、反応室21に導入されたプロセスガスを排気するための排気通路50が設けられている。この排気通路50は、反応室21の周囲を囲むように環状に形成されており、真空チャンバ21の上壁51に複数放射状に形成された排気口51aを介して反応室21と連通している。排気通路50は、排気ポート52を介して図示しない真空ポンプに接続されている。
また、真空チャンバ22の底部には、対向電極34の反応室21側とは反対側の空間部に窒素や水素等のパージガスを導入するためのパージガス導入ポート53が設けられており、成膜時及びプラズマクリーニング時において当該空間部をパージガスで充填して反応室21よりも高い圧力に維持するように構成されている。これにより、対向電極34の周縁(摺動部材39)と真空チャンバ22内壁面の隙間を介しての当該空間部へのプロセスガスの流入を防止できる。なお、導入されたパージガスは、図4に矢印Gで示すように、摺動部材39と真空チャンバ22内壁面の隙間、反応室21、排気口51aを介して排気通路50により排気される。
次に、以上のように構成される本実施形態の巻取式プラズマCVD装置20の動作について説明する。
図1を参照して、巻出しローラ24から巻き出されたフィルムFは、補助ローラ30A,30B及び仕切弁28を介して成膜部23へ供給され、成膜部23において所定の成膜処理が施された後、仕切弁29及び補助ローラ31A,31Bを介して巻取りローラ25に巻き取られる。
成膜部23は、フィルムFの搬送時と非搬送時(成膜時、プラズマクリーニング時)は図3及び図4に示すように異なる形態をとる。フィルムFの搬送時は、図3に示すように、対向電極34が下降位置にあり、マスク部材41が上昇位置にある。これにより、対向電極34とマスク部材41との間に所定の高さギャップが形成され、この高さギャップ内において、フィルムF及びクリーニングマスク35が一定の間隙を介して互いに干渉されることなく搬送される。
フィルムFの成膜面上の成膜領域が成膜部23に到達すると、フィルムFの搬送が停止される。その後、仕切弁28,29が閉弁し、反応室21が隔絶される。また、成膜モードの際は、クリーニングマスク35が図5Aに示すようにその開口部35bを介してフィルムFの成膜面を露出させる位置に搬送された後、仕切弁装置48,49が閉じられる。
図6A〜Cは、図3に示した成膜部23のフィルム搬送モードから、図4に示した成膜部23の処理モードへの移行過程を段階的に示す要部の断面図である。図6Aは図3の状態を示しており、これを初期状態とすると、まず、対向電極34が昇降機構40の駆動により上昇し、フィルムFをクリーニングマスク35の設置高さにまで押し上げてフィルムFとクリーニングマスク35を互いに密着させて位置決めする。また、フィルムFは、対向電極34との接触により、所定温度に加熱される。
なお、クリーニングマスク35が上方に押し上げられる程度の高さ位置に対向電極34を上昇させることで、フィルムFとクリーニングマスク35の密着効果を高めることができる。なお、対向電極34及び昇降機構40は、フィルムFとクリーニングマスク35とを相互に密着させて位置決めする本発明の「位置決め手段」を構成する。
次いで、マスク部材41がマスク昇降機構42の駆動により下降し、クリーニングマスク34の上面に接触する。これにより、クリーニングマスク35とフィルムFがマスク部材41と摺動部材39及び対向電極34とに挟まれて保持されると共に、マスク部材41とフィルムFの成膜面とがクリーニングマスク35を介して対向し、フィルムFの成膜面に所定の成膜領域が画定される。また、マスク部材41の下降により、反応室21に安定してプラズマを形成することが可能となる。
フィルムFの成膜は、ガス導入ライン37を介して反応室21へ原料ガスを導入し、プラズマにより分解して生成された反応物をフィルムFの成膜面に堆積させることで行われる。このとき、クリーニングマスク35は図5Aに示したように開口部35aがフィルムFの成膜面に対向配置されているので、クリーニングマスク35がフィルムFの成膜を阻害することはない。
反応室21は、排気通路50を介して排気される。排気通路50は環状に形成されているので、反応室21の等方排気を実現することができる。また、反応室21が仕切弁28,29及び仕切弁装置48,49を介して外部と隔絶されているので、反応室21内のガスが補助チャンバ26,27及び補助チャンバ46,47へ漏出するのを回避できる。さらに、真空チャンバ22の底部のガス導入ポート53からパージガスが導入されることにより、対向電極34の背面側への原料ガスの回り込みが回避される。
以上のようにして、フィルムFに対するプラズマCVDによる成膜モードが実行される。成膜終了後、原料ガスの導入とプラズマ形成を停止させ、図6に示した順序と逆の順序で、成膜部23が図3に示したフィルム搬送モードに移行する。そして、仕切弁28,29を開弁してフィルムFを巻取りローラで巻き取る。
以上の動作を繰り返し行うことにより、フィルムFの成膜面に周期的に成膜処理が施される。ここで、成膜処理を繰り返し行うと、成膜部23を構成する各種部品、特にシャワープレートとして構成される高周波電極33やマスク部材41の開口部周辺に、原料ガスの分解生成物の付着量が増大する。これを放置すると、ダストの発生により膜質が劣化したり、マスク開口部の開口面積が変動する。そこで、本実施形態では、以下のクリーニングモードにおいて、成膜部23のセルフクリーニングを行うようにしている。
クリーニングモードにおいては、クリーニングマスク35が図5Bに示したようにその遮蔽部35aをフィルムFの成膜面に対向させて配置される。その後、図6A〜Cに示した順序で成膜部23が処理モードに移行し、対向電極34によってフィルムFとクリーニングマスク35とが密着、位置決めされる。これにより、フィルムFが反応室21に対してクリーニングマスク35によって完全に遮蔽された状態となる。この状態で、ガス導入ライン37を介して反応室21へクリーニングガスが導入され、プラズマが形成されることにより、反応室21内のプラズマクリーニングが実行される。
また、反応室21が仕切弁28,29及び仕切弁装置48,49を介して外部と隔絶されているので、腐食性のクリーニングガスが補助チャンバ26,27及び補助チャンバ46,47へ漏出するのを回避できる。さらに、真空チャンバ22の底部のガス導入ポート53からパージガスが導入されることにより、対向電極34の背面側へのクリーニングガスの回り込みが回避される。
本実施形態によれば、クリーニングモードにおいて、フィルムFの成膜面がクリーニングマスク35の遮蔽部35aで遮蔽されているので、フィルムFの成膜面をプラズマ空間から遮蔽でき、プラズマによるフィルムの汚染、損傷を防止することができる。これにより、成膜途中においてもフィルムFに影響を与えることなく、成膜部23のセルフクリーニングを実行することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、以上の実施形態では、クリーニングモードにおいて、フィルムの成膜面を遮蔽する遮蔽手段として、フィルムFと交差して搬送される帯状体からなるクリーニングマスク35を用いたが、これに代えて、図7及び図8に模式的に示すように、フィルムFの成膜面に部分的に形成された金属ベタ膜層55で上記遮蔽手段を構成してもよい。
この金属ベタ膜層55は、フィルムFの成膜面に蒸着等により直接形成されてなるもので、成膜部23のクリーニングモードの実行周期に対応させて離間配置されている。すなわち、一の金属ベタ膜層55と次の金属ベタ膜層55との間には、成膜部23において成膜される複数(例えば4〜12)の成膜領域が割り当てられており、フィルムFを間欠搬送することで金属ベタ膜層55が成膜部23に位置した際に、成膜部23のセルフクリーニングを行うようにする。この構成により、クリーニングモードにおいてフィルムFを遮蔽するマスク機構を別途設ける必要がなくなり、装置構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、金属ベタ膜層55は、当該CVD成膜工程の前工程(例えば蒸着工程)において形成される金属膜を利用することができる。金属膜としては、配線層形成工程の際に多用されるアルミニウム膜が好適である。金属ベタ膜層55の成膜範囲は、フィルムFの幅寸法や成膜部23へのフィルム送りピッチ等により適宜設定される。例えば、フィルム幅を500mmとした場合、金属ベタ膜層55の幅寸法を400mm〜500mm、フィルム長手方向の金属ベタ膜層55の長さを500mm〜800mmとすることができる。
本発明の実施形態による巻取式プラズマCVD装置の概略構成を示す側断面図である。 図1に示した巻取式プラズマCVD装置の概略平面図である。 図1に示した巻取式プラズマCVD装置の成膜部の概略構成を示す側断面図であって、フィルム搬送モードにおける形態を示している。 図1に示した巻取式プラズマCVD装置の成膜部の概略構成を示す側断面図であって、成膜モード又はクリーニングモードにおける形態を示している。 図1に示した巻取式プラズマCVD装置におけるクリーニングマスクの作用を説明するための概略斜視図であり、Aは成膜モード、Bはクリーニングモードをそれぞれ示している。 図1に示した巻取式プラズマCVD装置における成膜部の動作例を工程順に示す要部断面図である。 本発明の他の実施形態による巻取式プラズマCVD装置の概略構成図である。 図7に示した巻取式プラズマCVD装置に用いられるフィルムの構成例を説明する概略斜視図である。 従来の巻取式プラズマCVD装置の概略構成図である。
符号の説明
20 巻取式プラズマCVD装置
21 反応室
22 真空チャンバ
23 成膜部
24 巻出しローラ
25 巻取りローラ
33 高周波電極
34 対向電極
35 クリーニングマスク(遮蔽手段)
37 ガス導入ライン(ガス導入手段)
40 昇降機構
41 マスク部材
44,45 搬送ローラ(搬送手段)
50 排気通路

Claims (8)

  1. 成膜部と、前記成膜部にフィルムを供給する巻出しローラと、前記成膜部で成膜したフィルムを巻き取る巻取りローラとを備え、前記成膜部に原料ガスを導入して前記フィルムをプラズマCVDにより成膜する成膜モードと、前記成膜部にクリーニングガスを導入して前記成膜部のプラズマクリーニングを行うクリーニングモードとを有する巻取式プラズマCVD装置であって、
    前記成膜部は、前記フィルムの成膜面側に配置された高周波電極と、前記フィルムの成膜面と前記高周波電極との間に前記原料ガス又は前記クリーニングガスを導入するガス導入手段と前記クリーニングモードにおいて前記フィルムの成膜面を遮蔽する遮蔽手段とを有し、
    前記遮蔽手段は、前記フィルムの成膜面と前記高周波電極との間に配置された帯状体と、前記成膜部において前記帯状体を搬送する搬送手段とを有し、前記帯状体には、前記帯状体の長手方向に沿って、前記フィルムの成膜面を遮蔽する遮蔽部と、前記成膜面を開口させる開口部とが形成されている
    ことを特徴とする巻取式プラズマCVD装置。
  2. 前記搬送手段は、前記帯状体を前記フィルムの走行方向と交差する方向に搬送する
    ことを特徴とする請求項に記載の巻取式プラズマCVD装置。
  3. 前記成膜部には、前記帯状体と前記フィルムとを相互に密着させて位置決めする位置決め手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の巻取式プラズマCVD装置。
  4. 前記位置決め手段は、前記帯状体に対して前記フィルムを昇降移動させる昇降機構からなる
    ことを特徴とする請求項に記載の巻取式プラズマCVD装置。
  5. 前記成膜部には、前記高周波電極と前記帯状体との間に前記フィルムの成膜領域を画定するマスク部材が設置されている
    ことを特徴とする請求項に記載の巻取式プラズマCVD装置。
  6. 前記マスク部材は、前記フィルムに対して昇降移動自在に設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の巻取式プラズマCVD装置。
  7. 前記フィルムは前記成膜部において停止状態で成膜され、
    前記フィルムの走行方向に関して前記成膜部の上流側及び下流側には、前記フィルムを挟持して前記成膜部の内部空間を隔絶する仕切弁がそれぞれ設置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻取式プラズマCVD装置。
  8. 前記遮蔽手段は、前記フィルムの成膜面に部分的に形成された金属ベタ膜層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻取式プラズマCVD装置。
JP2006238293A 2006-09-01 2006-09-01 巻取式プラズマcvd装置 Active JP4817313B2 (ja)

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