JP4816855B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような放電ランプは、一般に使用寿命が短いため頻繁に交換する必要があり、交換作業や交換後の光量調整のための作業に手間がかかり、スループットが低いという問題があった。また、放電ランプは、消費電力が多いため経済的でないという問題もあった。
第1の手段は、受光素子と、該受光素子の外周を囲むように配置された複数の半導体レーザーと、該複数の半導体レーザーから放射される光を反射して前記受光素子に集光させると共に、該複数の半導体レーザーから放射される光の一部を透過する凹面反射鏡と、該凹面反射鏡を透過した光のピーク波長を検出する発光波長検出手段と、該発光波長検出手段から出力される前記半導体レーザー同士のピーク波長の波長差に基づいて、前記各半導体レーザーのピーク波長を所定の半導体レーザーのピーク波長に一致させるように調整する発光波長調整手段を前記複数の半導体レーザー毎に備えることを特徴とする光源装置である。
図1は、本実施形態の発明に係る光源装置の構成を示す図である。図2は、図1に示す凹面反射鏡3を中心軸X方向から見た図である。図3は、横軸に波長を、縦軸に光強度をとり、ピーク波長の異なる、例えば、半導体レーザー2a、2bからの放射光を合波させた際のスペクトルを示す図である。図4は、横軸に駆動電流値を、縦軸に発光ピーク波長をとり、半導体レーザーにおける駆動電流値と発光ピーク波長との関係を示す図である。
基台4は、上記のようなピーク波長を有する光に対して透過性を有し、例えば、円柱状の石英ガラスやフッ化カルシウム(CaF2)等から構成される。基台4が上記波長に対して透過性を必要とするのは、半導体レーザー2a、2b、2c、2dからそれぞれ放射された光を対応する凹面反射鏡3a、3b、3c、3dにおいて大部分を反射して受光素子1の端面11に集光させるが、凹面反射鏡3a、3b、3c、3dによって反射されない一部の光を基台4を透過させて、発光波長検出手段5によって検出させるためである。
凹面反射鏡3a、3b、3c、3dは、中心軸Xに対して小さい半径の円周上に配置されることが好ましい。その理由は、図1に示すように、凹面反射鏡3a、3b、3c、3dへの入射光Aと凹面反射鏡3a、3b、3c、3dからの反射光Bとでなす角αが大きいと、受光素子1における入射角β(中心軸Xと反射光Bの最外側の光線成分とでなす角)が受光素子1の開口数を超えることにより光損失が生じるからである。なお、凹面反射鏡3a、3b、3c、3dの配置において許容される中心軸Xからの半径は、半導体レーザー2a、2b、2c、2dのビーム広がり、凹面反射鏡3a、3b、3c、3dの曲率半径、及び凹面反射鏡3a、3b、3c、3dの受光素子1や半導体レーザー2a、2b、2c、2dからの距離により異なる。
図4に示すように半導体レーザー2bに流す電流iを下げると、半導体レーザー2bのピーク波長は短波長側にシフトする。よって、図3に示すようにλ2がλ1よりも大きい場合には半導体レーザー2bに流す電流iを下げることにより、λ2を短波長側にシフトさせてλ1に一致させることができる。なお、波長の電流依存性は、波長域、メーカー等により個体差はあるが、例えば、0.01〜0.1nm/mA程度である。
同図において、発光波長検出部5(分光器53)において得られた波長比較結果信号λ(=λ2−λ1)を、発光波長調整部6bである駆動電源6b1に直接フィードバックをかけることにより、半導体レーザー2bの駆動電流iを制御する方式を示している。
同図において、駆動電源6b2の設定電流値は一定とし、半導体レーザー2bと駆動電源6b2の間に駆動電流可変部6b3を設け、発光波長検出部5(分光器53)において得られた波長比較結果信号λ(=λ2−λ1)をフィードバックすることにより、半導体レーザー2bの駆動電流iを制御する方式を示している。駆動電流可変部6b3の最も簡単な構成例としては、半導体レーザー2bと並列に可変抵抗を設け、これを調整することである。
なお、本実施形態の発明に係る光源装置の構成は、発光波長調整部6a、6b、6c、6dが温度調整機構である点を除いて図1に示した光源装置10とほぼ同一であるので説明を省略する。
本実施形態の光源装置は、発光波長検出部5が半導体レーザー2a、2b、2c、2dから放射され凹面反射鏡3a、3b、3c、3dを透過した入射光Cのピーク波長を検出し、この検出結果に基づいてそれぞれの半導体レーザー2a、2b、2c、2dに対して設けられた発光波長調整部6a、6b、6c、6dである温度制御系によって半導体レーザー2a、2b、2c、2dの温度を制御してピーク波長を調整するものである。
同図に示すように、半導体レーザー2bから放射される光のピーク波長は温度を下げると短波長側にシフトする傾向にある。よって、例えば、半導体レーザー2a、2bのピーク波長が図3に示すようにそれぞれλ1、λ2であるときは、発光波長調整部6bによって発光素子2bの温度を下げることによりλ2をλ1に一致させることができる。なお、波長の温度依存性は、波長域、メーカー等により個体差はあるが、例えば、0.05〜0.3nm/℃程度である。
同図に示すように、発光波長検出部5において得られた波長比較結果信号λ(=λ2−λ1)は、半導体レーザー2bの温度がピーク波長を一致させるための所望の温度になるように、温調器6b4の設定温度にフィードバックされる。半導体レーザー2bの温度は、温度信号6b5により、温調器6b4において設定及びモニターされる。半導体レーザー2bの温度制御は、温度調整部駆動電源6b7から温度調整部6b6に流れる電流iをリレースイッチ6b9によりON/OFFさせることにより行い、リレースイッチ6b9のON/OFFは、温調器6b4からの温度調整指示信号6b8により行われる。なお、温度調整部6b6は、具体的にはペルチェ等の電子冷却素子、またはヒーター等から構成される。
なお、本実施形態の発明に係る光源装置の構成は、発光波長調整部6a、6b、6c、6dが回折格子、エタロンのような波長選択素子を用いて回折光又は透過光を半導体レーザー2a、2b、2c、2dにフィードバックさせる構造である点を除いて図1に示した光源装置10とほぼ同一であるので説明を省略する。
図9において、半導体レーザー2bの片面2b1に無反射コーティングARを施し、さらにその外側に回折格子6b10をリトロー配置させ、半導体レーザー2bのコーティングを施していない面2b2と回折格子6b10間で発振を行わせる。回折格子6b10は、図10に示すように、光学ガラス板上に等間隔に微細な溝を刻んだものであり、波長毎に決まった角度で光を強め合い(回折)、この強め合った光を取り出すことで波長選択素子として用いられる。一般に、波長λと溝面の法線に対する入射角α、回折角β、溝間隔dの間には、
d(sinα+sinβ)=mλ (m:任意の整数)
の関係が成り立ち、入射角αと回折角βを等しくする、即ち、リトロー配置にするとα=β(=θ)であるから、
2dsinθ=mλ (m:任意の整数)
とおける。よって、角度θを変化させることにより、半導体レーザー2a、2b、2c、2dの発振波長を変化させることができる。即ち、発光波長検出部5の検出結果に基づいて、発光波長調整手段6bであるの回折格子6b10の角度θを調整することにより、半導体レーザー2bのピーク波長λ2をλ1に一致させることができる。
図11において、半導体レーザー2bの片面2b1に無反射コーティングARを施し、さらにその外側に全反射ミラー6b12を配置する。そして、半導体レーザー2bの無反射コーティング面2b1と全反射ミラー6b12との間にエタロン6b11を配置し、エタロン6b11を介して半導体レーザー2bのコーティングを施していない面2b2と全反射ミラー6b12との間で発振を行わせる。図12に示すように、エタロン6b11は、屈折率n、厚さdの極めて平行度の高い平面板で構成され、入射波の節が反射面に合う波長の光のみ両平面板間で反射して強め合うことにより、波長選択素子として機能する。一般に波長λと入射角θ、エタロンの媒質の屈折率n、エタロンの厚さdの間には、
2ndcosθ=mλ(m:任意の整数)
の関係が成り立ち、入射角θ、エタロンの媒質の屈折率n、エタロン6b11の厚さdのいずれか又は2つ以上を変化させることによって選択波長λを変化させることができる。発光波長検出部5の検出結果に基づいて、例えば、発光波長調整手段6bで半導体レーザー2b毎にエタロン6b11の角度θを調整することにより、各々のピーク波長を一致させることができる。
波長可変分布フラッグ反射型(DBR)半導体レーザーは、それぞれ独立した電極を持つ活性区間2b、位相制御区間6b13、DBR区間6b14を連続したチャンネル導波路内にモノシリック集積化したものであり、発光波長検出部5の検出結果に基づいて、位相制御区間6b13及びDBR区間6b14に電流を流して各区間の実効屈折率を適当に連動して変化させることにより、発振波長を変化させ、半導体レーザー毎のピーク波長を一致させるものである。ここで、検出されたピーク波長λによって位相制御区間駆動用電源6b15及びDBR区間駆動用電源6b16を駆動し、位相制御区間6b13及びDBR区間6b14の電流を制御する。尚、位相制御区間6b13を省いても波長調整は可能であるが、広範囲に変化させるとモードホップが生じてしまう。
図14は、本実施形態の発明に係る光源装置20の構成を示す図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示す。
同図に示すように、この光源装置20は、受光素子1と、シード用半導体レーザー2と、半透過ミラー91と、シード光集光用レンズ92と、シード用集光用凹面鏡93と、光増幅素子94a、94bと、凹面反射鏡3と、基台4とを備え、先に述べた光源装置10のように、半導体レーザー2a、2b、2c、2dから放射される光のピーク波長を検出することなく、シード用半導体レーザー2から放射されたれ光を分波し、分波された各光をそれぞれ増幅し、増幅された光を凹面反射鏡3で反射して受光素子1に集光させる点に特徴がある。
なお、各光増幅素子94a、94bに集光入射する際には、光E及び光Fのビームウエストが光増幅素子94a、94bそれぞれの共振器の中心付近になるようにするのが望ましい。
なお、本実施形態の光源装置20においても、必要に応じて、光源装置10の発光波長検出部5を備えるようにしてもよい。
11 端面
2a、2b、2c、2d 半導体レーザー
2b 活性区間
2b1 片面
2b1 無反射コーティング面
2b2 面
3 凹面反射鏡
3a、3b、3c、3d 凹面反射鏡
4 基台
41 端面
42 凹所
5 発光波長検出部
51a、51b、51c、51d 受光部
52a、52b、52c、52d ケーブル
53 分光器
6 発光波長調整部
6a、6b、6c、6d 発光波長調整部
6b1、6b2 駆動電源
6b3 駆動電流可変部
6b4 温調器
6b5 温度信号
6b6 温度調整部
6b7 温度調整部駆動電源
6b8 温度調整指示信号
6b9 リレースイッチ
6b10 回折格子
6b11 エタロン
6b12 全反射ミラー
6b13 位相制御区間
6b14 DBR区間
6b15 位相制御区間駆動用電源
6b16 BBR区間駆動用電源
7 電力供給線
8 信号線
91 半透過ミラー
92 シード光集光用レンズ
93 シード光集光用凹面鏡
94a、94b 光増幅素子
95a 端面
95b 端面
10 光源装置
20 光源装置
Claims (4)
- 受光素子と、該受光素子の外周を囲むように配置された複数の半導体レーザーと、該複数の半導体レーザーから放射される光を反射して前記受光素子に集光させると共に、該複数の半導体レーザーから放射される光の一部を透過する凹面反射鏡と、該凹面反射鏡を透過した光のピーク波長を検出する発光波長検出手段と、該発光波長検出手段から出力される前記半導体レーザー同士のピーク波長の波長差に基づいて、前記各半導体レーザーのピーク波長を所定の半導体レーザーのピーク波長に一致させるように調整する発光波長調整手段を前記複数の半導体レーザー毎に備えることを特徴とする光源装置。
- 前記各半導体レーザーは、電流の大きさによってピーク波長が調整される半導体レーザーであって、前記各発光波長調整手段は、前記発光波長検出手段から出力されるピーク波長の波長差に基づいて、当該半導体レーザーの電流を制御することによって、当該半導体レーザーのピーク波長を所定の半導体レーザーのピーク波長に一致させるように調整することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記各半導体レーザーは、温度の高低によってピーク波長が調整される半導体レーザーであって、前記各発光波長調整手段は、前記発光波長検出手段から出力されるピーク波長の波長差に基づいて、当該半導体レーザーの温度を制御することによって、当該半導体レーザーのピーク波長を所定の半導体レーザーのピーク波長に一致させるように調整することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記各半導体レーザーは、波長選択素子の角度、屈折率、又は厚さの変化に応じてピーク波長が調整される半導体レーザーであって、前記各発光波長調整手段は、前記発光波長検出手段から出力されるピーク波長の波長差に基づいて、当該波長選択素子の角度、屈折率、又は厚さを制御することによって、当該半導体レーザーのピーク波長を所定の半導体レーザーのピーク波長に一致させるように調整することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
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