JP4816135B2 - 金属錯体顔料、およびそれを用いた着色組成物 - Google Patents

金属錯体顔料、およびそれを用いた着色組成物 Download PDF

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Description

本発明は、金属錯体顔料に関し、さらに詳しくは、2種以上の配位子と金属とから錯体形成され、明度が高く、塗膜のコントラストが良好な金属錯体顔料に関する。
有機顔料はさまざまな化学構造のものがあり、粒子径も様々であるが、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ、塗料など各種コーティングまたはインキ組成物中において、鮮明な色調、高い明度、高い着色力、優れたコントラストを発揮する実用上有用な顔料は、微細な粒子からなっている。しかしながら、顔料の微細な粒子は、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用インキ、インクジェット用インキ、塗料のような非水系ビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得るのは難しく、製造作業上および得られる製品の価値に重大な影響を及ぼす種々の問題を引き起こすことが知られている。
特に、カラーフィルター用途においては、明度向上や塗膜のコントラスト向上のため顔料の微細化に対する要求が非常に高まっているが、安定な顔料の分散体を得ることは非常に難しく、顔料粒子の微細化と、顔料の分散体の安定化という両立の難しい2つの特性を満たすことを要求されるようになった。
また、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等で用いられる顔料には、高い耐熱性、耐候性が必要であり、用いられる顔料としてはフタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キノフタロン系顔料、アゾ金属錯体顔料等が挙げられる。なかでも、近年重要な産業になりつつあるカラーフィルターの製造に用いられるインキには、染料に替わり高耐熱性、高耐候性を持つ顔料が用いられるようになった。その中でも、緑、赤、黄の画素を形成するインキには、色相調整や明度の向上を目的として、黄色顔料が現在広く用いられている。このなかでアゾバルビツール酸ニッケル錯体とメラミンからなる市販のC. I. Pigment Yellow 150顔料は、塗膜にした場合のコントラストに優れるものの、明度が低く改良が求められてきた。
そこで、特許文献1には、C. I. Pigment Yellow 150顔料の合成方法を変更することにより明度を向上させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では、カラーフィルターやインクジェットなどで必要な微細な顔料粒子を得ることは難しい。また、特許文献2には、アゾ化合物の金属錯体、および前記金属錯体の金属とは異なる金属の化合物を含有する顔料配合物が記載されているが、微細なアゾ金属錯体顔料は得られていない。また、他の金属化合物を含有させることで明度は減少する傾向にある。
一方、顔料の分散体を安定化するための手法なども、様々提案されている。例えば、顔料骨格に酸性や塩基性の置換基を導入した分散剤を使用する方法が提案されているが、耐熱性、耐候性の低下が懸念され、また色相への影響も避けられない。
特許文献3には、アゾバルビツール酸金属錯体と、メラミンおよび3級アミノ基を有するメラミンで構成される、微細で高鮮明なアゾバルビツール酸金属錯体顔料が開示されている。かかる顔料の分散体は、粘度が低いが、塗膜のコントラストが向上しないことが問題であった。
以上のように、これまでアゾ金属錯体顔料について、明度やコントラストの向上、分散体の安定化に関して多くの検討がされているものの、十分なものはなく、それらの要求品位を満たす顔料が求められてきた。
特開2005−272688号公報 特開2005−325350号公報 特開2006−016506号公報
本発明が解決しようとする課題は、顔料担体に分散した場合に凝集を起こすことがなく、樹脂着色剤、塗料、印刷インキ、インクジェットインキ、レジスト材等に用いることができ、さらにはカラーフィルター用インキに用いた場合に、塗膜の明度、コントラストに優れる金属錯体顔料を提供することにある。
本発明の金属錯体顔料は、アゾバルビツール酸と、下記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む配位子組成物と、金属とから錯体形成してなる金属錯体に対し、メラミン、またはメラミンと下記一般式[4]で示される化合物が包接されていることを特徴とする。
一般式[1]
Figure 0004816135
(式中、X1は窒素原子または炭素原子を表し、Y1は-SH、-OH、-NHCN、または水素原子を表し、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1−4のアルキル基、またはアルケニル基を表す。ただし、X1が窒素、Y1が-OH、R1、R2が共に水素原子である場合は除く。)
一般式[2]
Figure 0004816135
(式中、X2、X3、X4はそれぞれ独立して炭素原子または窒素原子を表し、Y2は-OHまたは水素原子を表し、Y3は塩素原子、臭素原子、水素原子、-NR3R4、-OH、-SH、-NHCN、または炭素数1−4のアルキル基を表し、Y4は水素原子、臭素原子、または塩素原子を表し、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1−6のアルキル基、またはアルケニル基を表す。)
一般式[3]
Figure 0004816135
(式中、Y5は-NR5R6、-OH、-SH、または-NHCNを表し、R5、R6は炭素数1−4のアルキル基を表し、Y6は水素原子、塩素原子、臭素原子、-NR7R8、または-X5-NH−R9−NR10R11を表し、X5は単結合、-SO2-、または-CO-を表し、R7、R8はそれぞれ独立して炭素数1−4のアルキル基を表し、R9は炭素数1−6のアルキレン基を表し、R10、R11はそれぞれ独立して炭素数1−6のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
一般式[4]
Figure 0004816135
(式中、X6、X7、X8はそれぞれ独立して炭素原子または窒素原子を表し、R12は水素原子、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、R13は炭素数1−6のアルキル基、アミノ基、水酸基、塩素原子、臭素原子、-NHR15、-NR15R16、または-NH−R17−NR15R16を表し、R14は-NR15R16、または-NH−R17−NR15R16を表し、R15、R16はそれぞれ独立して炭素数1−6のアルキル基またはアルケニル基を表し、R17は炭素数1−6のアルキレン基を表す。)
本発明の金属錯体顔料において、上記配位子組成物中のアゾバルビツール酸の含有量は80−99重量%であり、一般式[1]〜[3]で表される化合物の含有量は20−1重量%であることが好ましい。また、上記金属は、ニッケル、ニッケルと銅、またはニッケルとコバルトであることが好ましい。
また、本発明の着色組成物は、本発明の金属錯体顔料と顔料担体を含むことを特徴とする。
本発明の着色組成物は、さらに、縮合多環顔料を含むことができる。
本発明の金属錯体顔料は、容易に製造が可能であり、さらに、本発明の金属錯体顔料を使用することにより、塗膜の色相、明度、コントラストに優れたオフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルター用インキ、インクジェット用インキ等のインキ及び塗料を得ることが可能となる。
まず、本発明の金属錯体顔料について説明する。
本発明の金属錯体顔料は、アゾバルビツール酸と、上記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む配位子組成物と、金属とから錯体形成してなる金属錯体に対し、メラミン、またはメラミンと上記一般式[4]で示される化合物が包接されているものである。
本発明において、化合物が包接されているとは、金属錯体に対して化合物が相互作用を持つ状態を指す。すなわち、化合物が金属錯体に包接されている場合には、粉体混合している場合とは異なり、ろ過等で洗い流されることがなく、結晶成長、耐熱性の向上等、物性に大きな影響を及ぼす。
本発明における金属錯体は、アゾバルビツール酸と、一般式[1]、一般式[2]もしくは一般式[3]で表される化合物またはその互異性体から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む配位子組成物と、金属とから錯体形成してなるものである。配位子となる上記一般式[1]〜[3]で表される化合物の具体例を表1に示すが、これに限定されるものではない。上記一般式[1]〜[3]で表される化合物は、好ましくは表1中(a)で表されるC.I. PigmentGreen10に用いられる化合物、もしくは表1(b)〜(i)(l)など一方がバルビツール酸であり、他方が違う非対称構造の化合物であり、特に好ましくは表1(a)(b)(g) (i) (l)の化合物である。
Figure 0004816135
配位子となる化合物は、常法によって製造される。すなわち、アミノ基含有の化合物をジアゾ化し、カップラーとのカップリング工程を経て製造するか、活性メチレン含有化合物に対し、公知のジアゾ転移剤を用いてジアゾ基を転移させた後、カップラーとのカップリング工程を経て製造することができる。いずれの場合も、90%以上の高い収率で、配位子となる化合物を得ることができる。ジアゾ転移剤は、コストや収率などを考慮し自由に選択することができる。
配位子組成物中のアゾバルビツール酸の含有量は、配位子組成物の全量を基準(100重量%)として、80−99重量%であり、上記一般式[1]〜[3]で表される化合物またはその互異性体の含有量は、20−1重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、配位子組成物の全量を基準(100重量%)として、アゾバルビツール酸の含有量は95−99重量%であり、上記一般式[1]〜[3]で表される化合物またはその互異性体の含有量は5−1重量%である。アゾバルビツール酸の含有量が80重量%未満の場合には、色相の汚れが大きいため好ましくなく、99重量%を超える場合は、2種以上の配位子を混合することで得られる明度やコントラスト向上の効果が得られなくなるため好ましくない。
本発明の金属錯体顔料は、配位子組成物と金属塩とを用いた錯体の形成、およびメラミン、またはメラミンと上記一般式[4]で示される化合物の包接を同時に行うことにより、製造することができる。製造法の一例を以下に記載する。
アゾバルビツール酸と、上記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを10から40重量倍の水に分散し、これにメラミンのみ、またはメラミンおよび上記一般式[4]で示される化合物を添加する。必要に応じて無機酸を加え、均一に水に対し分散したことを確認するまで攪拌する。その後、0.1〜1時間の時間をかけて、3〜10重量倍の水で希釈した金属塩を添加する。pHを3以下の領域に調整した後、80℃以上の温度で錯体形成反応を1〜3時間行う。その後、pHを5−6の領域に調整する。
その後、必要に応じて界面活性剤もしくは有機溶剤と界面活性剤、水を混合したエマルションを添加、攪拌することにより、金属錯体顔料の粒子径を、必要とされる粒子径に調整する。その後は、常法により、ろ過、水洗、乾燥、粉砕を行う。
金属錯体を構成する金属としては、好適には鉄、ニッケル、銅、カドミウム、コバルト、アルミ、クロム、錫、鉛、マンガン、ストロンチウム、カルシウムが挙げられ、要求される色相により金属を選択することができる。カラーフィルターやインクジェットなどの産業分野で特に求められる緑味の黄色領域の色相を得るためには、金属錯体を構成する金属は、ニッケル単独、ニッケルと銅、もしくは、ニッケルとコバルトであることが好ましい。 但し、2種以上の金属から構成される金属錯体を用いると明度の低下が避けられないため、ニッケル単独であることがさらに好ましい。
金属錯体顔料の製造には、金属酢酸、金属臭化物、金属塩化物等の金属塩が用いられるが、中でも金属塩化物が好適である。金属塩化物としては、塩化ニッケル、塩化鉄、塩化銅、塩化カドミウム、塩化セシウム、塩化コバルト、塩化アルミ、塩化クロム、塩化錫、塩化鉛、塩化マンガン、塩化ストロンチウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。金属塩は、1種類を単独で用いても良いし、色相調整のため2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明の金属錯体顔料において、金属錯体に包接される化合物は、メラミン、またはメラミンと上記一般式[4]で示される化合物である。金属錯体顔料を構成する配位子中にまったく3級アミノ基が存在しない場合は、金属錯体顔料を含む着色組成物のチキソ性を低下させるために、一般式[4]で示される化合物をメラミンと共に包接させることが好ましい。金属錯体にメラミンを包接させる場合には、金属錯体1モルに対して、1.5〜2.5モルのメラミンを包接させることが好ましい。また、金属錯体にメラミンと上記一般式[4]で示される化合物を包接させる場合には、金属錯体1モルに対して、メラミンと一般式[4]の化合物の合計が2〜2.5モルとなる量で包接させることが好ましく、さらには一般式[4]の化合物が0.02〜0.5モルとなる量で包接させることが好ましい。一般式[4]の化合物の包接量が金属錯体1モルに対して0.02モルを下回ると、分散安定性への効果が少なくなるため好ましくなく、0.5モルを超えると耐熱性への悪影響が出るため好ましくない。
金属錯体に包接される上記一般式[4]の化合物は、ベンゼン環、トリアジン環、ピリジン環、またはピリミジン環の水素原子の少なくとも1個が3級アミノ基(−NR15R16)を有する置換基R14で置換され、少なくとも1個が2級アミノ基(−NHR12)で置換されている、アミノ基を2個以上(R14と−NHR12で2個)有する化合物である。金属錯体との相互作用を持たせるために、ベンゼン環、トリアジン環、ピリジン環、またはピリミジン環の水素原子の2個以上が、1級アミノ基(−NH2)または2級アミノ基(−NHR12)で置換されていることが特に好ましい。
上記一般式[4]において、置換基を有してもよいフェニル基とは、水酸基、アミノ基、スルホニル基、ニトロ基、メチル基、カルボニル基などの置換基を有してもよいフェニル基のことを指す。
一般式[4]の化合物は、3級アミノ基(−NR15R16)を有することが最大の特徴である。メラミンと共に一般式[4]の化合物を金属錯体に包接させると、顔料製造時の撹拌粘度を改善することができるため、より容易に金属錯体顔料の製造ができる。また、顔料粒子同士の立体障害、電気的反発を生じるようになり、結晶成長防止、凝集防止効果が期待できるため、結果として顔料の一次粒子の大きさが均一になることが期待できる。顔料の一次粒子の大きさが均一になる、すなわち粒度分布がシャープになると、分散に非常に有利になるばかりか散乱率の低下等の効果をもたらすことができ、結果として塗膜の光沢、色相、コントラスト比に優れる顔料を得ることができる。
金属錯体にメラミンと共に包接される一般式[4]の化合物のうち、特に好適なものを表2に示す。ただし、一般式[4]の化合物は、以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0004816135
金属錯体顔料の粒子径を調整する際に用いる界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系いずれの界面活性剤も用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシアルキレンエーテル類、グリコール類、アルキルアルコールエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類、脂肪酸エステル類、脂肪酸類、脂肪酸のアミド化化合物および金属塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、アミド化合物類、アルカノールアミド類、アルカノールアミン類、1級、2級または3級のアミン類、合成系または天然系の高級アルコール類、高分子類、オリゴマー類を使用することができる。
界面活性剤として特に好適には、高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンアルキレンエーテルもしくは直鎖カルボン酸アルカリ金属塩、直鎖カルボン酸アルカリ土類金属塩が用いられる。
本発明の金属錯体顔料は、おおむね10〜100nmの一次粒径に仕上がる場合が多く、用途を考えてもこの一次粒径の範囲が好適である。10nmより一次粒径が小さい金属錯体顔料は、分散が非常に難しく、耐熱性も低下するため好ましくない。また、100nmより一次粒径が大きい金属錯体顔料は、塗膜の光沢、色相、コントラスト比が悪化するため好ましくない。用途により最適な一次粒径は異なるが、例えばカラーフィルターに用いる場合は、20〜40nmの一次粒径の金属錯体顔料が特に有利である。
次に、本発明の着色組成物について説明する。
本発明の着色組成物は、本発明の金属錯体顔料と顔料担体を含み、必要に応じて、色素誘導体や本発明の金属錯体顔料以外の顔料、例えば縮合多環顔料、溶剤等を含むことができる。
顔料担体は、樹脂、その前駆体であるモノマー、オリゴマーから構成される。顔料担体は、本発明の金属錯体顔料100重量部に対して、5〜500重量部の量で含有させることができる
樹脂としては、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
また、樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性の置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した感光性樹脂を用いることもできる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いることができる。
樹脂としては、アクリル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアリルアミン系等の樹脂の側鎖に、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸エステル、アミド基などの官能基を有し、重量平均分子量1000〜100000のものが、本発明の金属錯体顔料の分散性に優れるため好ましい。樹脂の重量平均分子量が1000未満では、十分な立体障害が得られず金属錯体顔料の分散効果が低下し、重量平均分子量が100000より大きくても逆に金属錯体顔料の凝集作用が生じる場合があり好ましくない。また、樹脂の酸価もしくはアミン価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。酸価もしくはアミン価が5mgKOH/g未満の樹脂は、本発明の金属錯体顔料との相互作用が不十分に成りやすく、十分な分散効果が得られない場合もある。一方、酸価もしくはアミン価が200mgKOH/gを越える樹脂は、金属錯体顔料への親和部に比べ、立体障害部が少なくなり、金属錯体顔料の分散効果が不十分になる場合があり好ましくない。
特に好適な樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを重合してなるアクリル系樹脂である。このアクリル系樹脂は、側鎖にカルボキシル基を持つため、金属錯体の配位子もしくは金属錯体に包接される一般式[4]の化合物が持つ3級アミノ基と強固な相互作用を生じ、金属錯体顔料の分散安定性に寄与することができる。
溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ヘキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ソルベッソ100(エクソン化学株式会社製)、スワゾール1000、石油系溶剤等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で、もしくは2種以上を混合して用いることができる。溶剤は、本発明の金属錯体顔料100重量部に対して、200〜100000重量部の量で用いることができる
本発明における縮合多環顔料の例としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ニッケルフタロシアニングリーン、コバルトフタロシアニンブルー、ニッケルフタロシアニンブルー、亜鉛フタロシアニングリーン、アルミフタロシアニングリーンなどを含むフタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料などが挙げられる。
好適にはC.I. Pigment Blue 15:1, C.I. Pigment Blue 15:6, C.I. Pigment 7, C.I. Pigment Green 36, 亜鉛フタロシアニングリーン、アルミフタロシアニングリーン、C.I. Pigment Red 254, C.I. Pigment Red 177, C.I. Pigment Red 279, C.I. Pigment Red 122, C.I. Pigment Red 202, C.I. Pigment Red 207, C.I. Pigment Red 209などが用いられる。
本発明の着色組成物は、発明の金属錯体顔料と顔料担体と、必要に応じて、色素誘導体や本発明の金属錯体顔料以外の顔料、溶剤等を混合した後、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより製造することができる。
以下、製造例、実施例により本発明を説明する。本発明は、これに限定されるものではない。例中、%とは重量%を、部とは重量部をそれぞれ表わす。
(配位子製造例1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水150部を仕込み、さらに35%塩酸63部を溶解させ、塩酸溶液を作成した。塩酸溶液を撹拌しながら発泡に注意し、アミノグアニジン重炭酸塩30部を溶解させた。溶解を確認した後、アイスバスにて液温を0℃まで下げ、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込んだ。0℃〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙に着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。さらに、バルビツール酸25.6部を添加後55℃まで昇温して、2時間そのまま撹拌した。さらに、バルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのち、pHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで下げ、ろ過、温水洗、80℃乾燥を行い、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.4部を得た。
(配位子製造例2)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕込み、塩酸溶液を作成した。発泡に注意しながら、塩酸溶液にベンゼンスルホニルヒドラジド38.7部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却を確認後、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込んだ。0℃〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙に着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。さらに、バルビツール酸25.6部を添加後55℃まで昇温して、2時間そのまま撹拌した。さらに、バルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのち、pHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで下げ、ろ過、温水洗を行った。得られたプレスケーキを1200部の温水にリスラリーした後、80℃で2時間攪拌した。その後、そのままの温度でろ過を行い、80℃の水2000部で温水洗を行い、ベンゼンスルホンアミドが濾液側へ移行していることを確認した。リスラリー後に得られたプレスケーキを80℃で乾燥し、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.0部を得た。
(配位子製造例3)
2つのセパラブル4口フラスコにそれぞれ温度計、冷却管、撹拌装置を取り付けて、そのうちの1つのフラスコAに、水、氷合計で150部仕込み、その後35%塩酸14.1部を仕込み、十分に攪拌した。その後、パラクロロアニリン6.4部を仕込み、攪拌して溶解を確認した。その後0℃を維持する為冷却しながら、亜硝酸ナトリウム3.5部を水10部に溶解させた水溶液を滴下し、その後0℃〜15℃の温度で15分攪拌した後、よう化カリウムでんぷん紙で亜硝酸イオンが過剰であることを確認した。一方、フラスコBには、水145部、水酸化ナトリウムの粉末3部を仕込んだ後、2,4−ジヒドロキノリン7.5部を仕込み溶解するまで攪拌した。その後、20%酢酸水溶液25部を20分かけて滴下した。フラスコAに、スルファミン酸をヨウ化カリウムでんぷん紙が着色しなくなるまで仕込んだ。フラスコAの内容物をフラスコBの液面下に2時間かけて移送した後、塩酸にてpHを4.8に調整した。その後80℃にて2時間加温攪拌し、ろ過、水洗、乾燥、粉砕を経て13.8部の表1(a)の化合物を得た。
(配位子製造例4)
2つのセパラブル4口フラスコにそれぞれ温度計、冷却管、撹拌装置を取り付けて、そのうちの1つのフラスコAに、水、氷合計で150部仕込み、その後35%塩酸14.1部を仕込み、十分に攪拌した。その後、ベンゼンスルホニルヒドラジド9.5部を仕込み、攪拌して溶解を確認した。その後、0℃を維持する為冷却しながら、亜硝酸ナトリウム3.5部を水10部に溶解させた水溶液を滴下し、その後0℃〜15℃の温度で15分攪拌した後、よう化カリウムでんぷん紙で亜硝酸イオンが過剰であることを確認した。一方、フラスコBには、水145部、水酸化ナトリウムの粉末3部を仕込んだ後、2,4−ジヒドロキノリン7.5部を仕込み溶解するまで攪拌した。その後、20%酢酸水溶液25部を20分かけて滴下した。フラスコAに、スルファミン酸をヨウ化カリウムでんぷん紙が着色しなくなるまで仕込んだ。そこにバルビツール酸6.4部を仕込み、55℃まで加温し、55℃で2時間攪拌した。フラスコAの内容物をフラスコBの液面下に2時間かけて移送した後、塩酸にてpHを4.8に調整した。その後80℃にて2時間加温攪拌し、ろ過、水洗、乾燥、粉砕を経て11.0部の表1(b)の化合物を得た。
[実施例1]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末18.8部、および配位子製造例3で得られた表1(a)の化合物2.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(m)の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
[実施例2]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末19.2部、および配位子製造例4で得られた表1(b)の化合物1.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(a) の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
[実施例3]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末18.8部、および表1(c)の化合物2.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(h) の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
[実施例4]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末19.2部、および表1(g)の化合物1.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(e) の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
[実施例5〜23]
表3に示すアゾバルビツール酸ジナトリウムの添加量、表1の化合物の種類と添加量、メラミンの添加量、表2の化合物の種類と添加量、塩化ニッケル6水和物の添加量、塩化ニッケル以外の金属塩の種類と添加量で、実施例1に従い金属錯体顔料を製造した。表3中における添加量は、いずれも部を表す。
Figure 0004816135
[比較例1]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末21.0部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.8部を添加した。均一に撹拌されたことを確認後、塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下し、滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
[比較例2]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末21.0部を添加した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温してから16.8部のメラミンを添加し、撹拌した。均一に分散されたことを確認後、塩化ニッケル6水和物15.2部、塩化銅2水和物1.2部を水40部に溶解した溶液を、40分かけて滴下した。滴下終了後、95℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに2時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩が洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
(アクリル樹脂溶液の製造)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温して反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液の一部をサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が30%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液1を調製した。
(顔料分散体の作製)
実施例1〜23および比較例1〜2で得られた金属錯体顔料各12部に、それぞれアクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるのを確認しながら分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[実施例24]
実施例1で得られた金属錯体顔料6部、銅フタロシアニングリーン顔料(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン6YK」)6部、アクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるまで分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[比較例3]
実施例1で得られた金属錯体顔料を比較例1で得られた金属錯体顔料に変更した以外は、実施例24と同様にして顔料分散体を作製した。
[実施例25]
実施例1で得られた金属錯体顔料6部、アントラキノン系赤色顔料(チバスペシャリティケミカル社製「クロモフタルレッドA2B」)6部、アクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるのを確認しながら分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[比較例4]
実施例1で得られた金属錯体顔料を比較例1で得られた金属錯体顔料に変更した以外は、実施例25と同様にして顔料分散体を作製した。
[実施例26]
実施例1で得られた金属錯体顔料2部、アントラキノン系赤色顔料(チバスペシャリティケミカル社製「クロモフタルレッドA2B」)5部、ジケトピロロピロール系赤色顔料(チバスペシャリティケミカル社製「イルガフォアレッドB−CF」)5部、アクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるのを確認しながら分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[比較例5]
実施例1で得られた金属錯体顔料を比較例1で得られた金属錯体顔料に変更した以外は、実施例26と同様にして顔料分散体を作製した。
次に、得られた顔料分散体の評価を行った。まず、得られた顔料分散体を25℃の恒温槽で30分以上保存した後、BM型粘度計により6rpmと60rpmの粘度をはかり、6rpmの粘度を60rpmの粘度で割り、チキソインデックス(TI)を求めた。
その後、顔料分散体を顔料分7%、不揮発分21%になるようにアクリル樹脂溶液1とシクロヘキサノンを用いて調整し、インキにした。その後、スピンコータを用いて、目標とする色度になるようにガラス板に塗工し、明度、コントラストをそれぞれ求めた。なお、明度は、株式会社日立製作所製の分光光度計「U-3100」から得られる分光曲線から算出した。
コントラストは、TOPCON社製の輝度計を用いて、顔料分散体が塗工されているガラス板を2枚の偏光板にはさみ、偏光板を平行にした場合と直交にした場合の輝度を測定し、平行にした場合の輝度/直交にした場合の輝度の割合として算出した。
なお、目標とする色度は、x-y色座標において、実施例1〜23、比較例1、2の場合はx=0.45、実施例24および比較例3の場合はy=0.60、実施例25、26および比較例4、5の場合はx=0.64とした。
評価結果を表4、5に示す。
Figure 0004816135
Figure 0004816135
本発明の金属錯体顔料は、顔料分散体にした場合に、塗膜のコントラスト、明度に優れているだけでなく、チキソインデックスが非常に低いことから、分散体の安定性においても優れていることが確認された。

Claims (5)

  1. アゾバルビツール酸と、下記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む配位子組成物と、金属とから錯体形成してなる金属錯体に対し、メラミン、またはメラミンと下記一般式[4]で示される化合物が包接されている金属錯体顔料。
    一般式[1]
    Figure 0004816135
    (式中、X1は窒素原子または炭素原子を表し、Y1は-SH、-OH、-NHCN、または水素原子を表し、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1−4のアルキル基、またはアルケニル基を表す。ただし、X1が窒素、Y1が-OH、R1、R2が共に水素原子である場合は除く。)
    一般式[2]
    Figure 0004816135
    (式中、X2、X3、X4はそれぞれ独立して炭素原子または窒素原子を表し、Y2は-OHまたは水素原子を表し、Y3は塩素原子、臭素原子、水素原子、-NR3R4、-OH、-SH、-NHCN、または炭素数1−4のアルキル基を表し、Y4は水素原子、臭素原子、または塩素原子を表し、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1−6のアルキル基、またはアルケニル基を表す。)
    一般式[3]
    Figure 0004816135
    (式中、Y5は-NR5R6、-OH、-SH、または-NHCNを表し、R5、R6は炭素数1−4のアルキル基を表し、Y6は水素原子、塩素原子、臭素原子、-NR7R8、または-X5-NH−R9−NR10R11を表し、X5は単結合、-SO2-、または-CO-を表し、R7、R8はそれぞれ独立して炭素数1−4のアルキル基を表し、R9は炭素数1−6のアルキレン基を表し、R10、R11はそれぞれ独立して炭素数1−6のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
    一般式[4]
    Figure 0004816135
    (式中、X6、X7、X8はそれぞれ独立して炭素原子または窒素原子を表し、R12は水素原子、または置換基を有してもよいフェニル基を表し、R13は炭素数1−6のアルキル基、アミノ基、水酸基、塩素原子、臭素原子、-NHR15、-NR15R16、または-NH−R17−NR15R16を表し、R14は-NR15R16、または-NH−R17−NR15R16を表し、R15、R16はそれぞれ独立して炭素数1−6のアルキル基またはアルケニル基を表し、R17は炭素数1−6のアルキレン基を表す。)
  2. 上記配位子組成物中のアゾバルビツール酸の含有量が80−99重量%であり、一般式[1]〜[3]で表される化合物またはその互異性体の含有量が20−1重量%であることを特徴とする請求項1記載の金属錯体顔料。
  3. 上記金属が、ニッケル、ニッケルと銅、またはニッケルとコバルトであることを特徴とする請求項1または2記載の金属錯体顔料。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の金属錯体顔料と顔料担体を含むことを特徴とする着色組成物。
  5. さらに、縮合多環顔料を含むことを特徴とする請求項4記載の着色組成物。
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