JP4816135B2 - 金属錯体顔料、およびそれを用いた着色組成物 - Google Patents
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Description
特に、カラーフィルター用途においては、明度向上や塗膜のコントラスト向上のため顔料の微細化に対する要求が非常に高まっているが、安定な顔料の分散体を得ることは非常に難しく、顔料粒子の微細化と、顔料の分散体の安定化という両立の難しい2つの特性を満たすことを要求されるようになった。
特許文献3には、アゾバルビツール酸金属錯体と、メラミンおよび3級アミノ基を有するメラミンで構成される、微細で高鮮明なアゾバルビツール酸金属錯体顔料が開示されている。かかる顔料の分散体は、粘度が低いが、塗膜のコントラストが向上しないことが問題であった。
以上のように、これまでアゾ金属錯体顔料について、明度やコントラストの向上、分散体の安定化に関して多くの検討がされているものの、十分なものはなく、それらの要求品位を満たす顔料が求められてきた。
一般式[1]
また、本発明の着色組成物は、本発明の金属錯体顔料と顔料担体を含むことを特徴とする。
本発明の着色組成物は、さらに、縮合多環顔料を含むことができる。
本発明の金属錯体顔料は、アゾバルビツール酸と、上記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む配位子組成物と、金属とから錯体形成してなる金属錯体に対し、メラミン、またはメラミンと上記一般式[4]で示される化合物が包接されているものである。
本発明において、化合物が包接されているとは、金属錯体に対して化合物が相互作用を持つ状態を指す。すなわち、化合物が金属錯体に包接されている場合には、粉体混合している場合とは異なり、ろ過等で洗い流されることがなく、結晶成長、耐熱性の向上等、物性に大きな影響を及ぼす。
アゾバルビツール酸と、上記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを10から40重量倍の水に分散し、これにメラミンのみ、またはメラミンおよび上記一般式[4]で示される化合物を添加する。必要に応じて無機酸を加え、均一に水に対し分散したことを確認するまで攪拌する。その後、0.1〜1時間の時間をかけて、3〜10重量倍の水で希釈した金属塩を添加する。pHを3以下の領域に調整した後、80℃以上の温度で錯体形成反応を1〜3時間行う。その後、pHを5−6の領域に調整する。
その後、必要に応じて界面活性剤もしくは有機溶剤と界面活性剤、水を混合したエマルションを添加、攪拌することにより、金属錯体顔料の粒子径を、必要とされる粒子径に調整する。その後は、常法により、ろ過、水洗、乾燥、粉砕を行う。
上記一般式[4]において、置換基を有してもよいフェニル基とは、水酸基、アミノ基、スルホニル基、ニトロ基、メチル基、カルボニル基などの置換基を有してもよいフェニル基のことを指す。
金属錯体にメラミンと共に包接される一般式[4]の化合物のうち、特に好適なものを表2に示す。ただし、一般式[4]の化合物は、以下の化合物に限定されるものではない。
界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシアルキレンエーテル類、グリコール類、アルキルアルコールエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類、脂肪酸エステル類、脂肪酸類、脂肪酸のアミド化化合物および金属塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、アミド化合物類、アルカノールアミド類、アルカノールアミン類、1級、2級または3級のアミン類、合成系または天然系の高級アルコール類、高分子類、オリゴマー類を使用することができる。
界面活性剤として特に好適には、高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンアルキレンエーテルもしくは直鎖カルボン酸アルカリ金属塩、直鎖カルボン酸アルカリ土類金属塩が用いられる。
本発明の着色組成物は、本発明の金属錯体顔料と顔料担体を含み、必要に応じて、色素誘導体や本発明の金属錯体顔料以外の顔料、例えば縮合多環顔料、溶剤等を含むことができる。
顔料担体は、樹脂、その前駆体であるモノマー、オリゴマーから構成される。顔料担体は、本発明の金属錯体顔料100重量部に対して、5〜500重量部の量で含有させることができる
特に好適な樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを重合してなるアクリル系樹脂である。このアクリル系樹脂は、側鎖にカルボキシル基を持つため、金属錯体の配位子もしくは金属錯体に包接される一般式[4]の化合物が持つ3級アミノ基と強固な相互作用を生じ、金属錯体顔料の分散安定性に寄与することができる。
好適にはC.I. Pigment Blue 15:1, C.I. Pigment Blue 15:6, C.I. Pigment 7, C.I. Pigment Green 36, 亜鉛フタロシアニングリーン、アルミフタロシアニングリーン、C.I. Pigment Red 254, C.I. Pigment Red 177, C.I. Pigment Red 279, C.I. Pigment Red 122, C.I. Pigment Red 202, C.I. Pigment Red 207, C.I. Pigment Red 209などが用いられる。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水150部を仕込み、さらに35%塩酸63部を溶解させ、塩酸溶液を作成した。塩酸溶液を撹拌しながら発泡に注意し、アミノグアニジン重炭酸塩30部を溶解させた。溶解を確認した後、アイスバスにて液温を0℃まで下げ、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込んだ。0℃〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙に着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。さらに、バルビツール酸25.6部を添加後55℃まで昇温して、2時間そのまま撹拌した。さらに、バルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのち、pHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで下げ、ろ過、温水洗、80℃乾燥を行い、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.4部を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕込み、塩酸溶液を作成した。発泡に注意しながら、塩酸溶液にベンゼンスルホニルヒドラジド38.7部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却を確認後、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込んだ。0℃〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙に着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。さらに、バルビツール酸25.6部を添加後55℃まで昇温して、2時間そのまま撹拌した。さらに、バルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのち、pHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで下げ、ろ過、温水洗を行った。得られたプレスケーキを1200部の温水にリスラリーした後、80℃で2時間攪拌した。その後、そのままの温度でろ過を行い、80℃の水2000部で温水洗を行い、ベンゼンスルホンアミドが濾液側へ移行していることを確認した。リスラリー後に得られたプレスケーキを80℃で乾燥し、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.0部を得た。
2つのセパラブル4口フラスコにそれぞれ温度計、冷却管、撹拌装置を取り付けて、そのうちの1つのフラスコAに、水、氷合計で150部仕込み、その後35%塩酸14.1部を仕込み、十分に攪拌した。その後、パラクロロアニリン6.4部を仕込み、攪拌して溶解を確認した。その後0℃を維持する為冷却しながら、亜硝酸ナトリウム3.5部を水10部に溶解させた水溶液を滴下し、その後0℃〜15℃の温度で15分攪拌した後、よう化カリウムでんぷん紙で亜硝酸イオンが過剰であることを確認した。一方、フラスコBには、水145部、水酸化ナトリウムの粉末3部を仕込んだ後、2,4−ジヒドロキノリン7.5部を仕込み溶解するまで攪拌した。その後、20%酢酸水溶液25部を20分かけて滴下した。フラスコAに、スルファミン酸をヨウ化カリウムでんぷん紙が着色しなくなるまで仕込んだ。フラスコAの内容物をフラスコBの液面下に2時間かけて移送した後、塩酸にてpHを4.8に調整した。その後80℃にて2時間加温攪拌し、ろ過、水洗、乾燥、粉砕を経て13.8部の表1(a)の化合物を得た。
2つのセパラブル4口フラスコにそれぞれ温度計、冷却管、撹拌装置を取り付けて、そのうちの1つのフラスコAに、水、氷合計で150部仕込み、その後35%塩酸14.1部を仕込み、十分に攪拌した。その後、ベンゼンスルホニルヒドラジド9.5部を仕込み、攪拌して溶解を確認した。その後、0℃を維持する為冷却しながら、亜硝酸ナトリウム3.5部を水10部に溶解させた水溶液を滴下し、その後0℃〜15℃の温度で15分攪拌した後、よう化カリウムでんぷん紙で亜硝酸イオンが過剰であることを確認した。一方、フラスコBには、水145部、水酸化ナトリウムの粉末3部を仕込んだ後、2,4−ジヒドロキノリン7.5部を仕込み溶解するまで攪拌した。その後、20%酢酸水溶液25部を20分かけて滴下した。フラスコAに、スルファミン酸をヨウ化カリウムでんぷん紙が着色しなくなるまで仕込んだ。そこにバルビツール酸6.4部を仕込み、55℃まで加温し、55℃で2時間攪拌した。フラスコAの内容物をフラスコBの液面下に2時間かけて移送した後、塩酸にてpHを4.8に調整した。その後80℃にて2時間加温攪拌し、ろ過、水洗、乾燥、粉砕を経て11.0部の表1(b)の化合物を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末18.8部、および配位子製造例3で得られた表1(a)の化合物2.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(m)の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末19.2部、および配位子製造例4で得られた表1(b)の化合物1.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(a) の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末18.8部、および表1(c)の化合物2.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(h) の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末19.2部、および表1(g)の化合物1.2部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.0部、表2(e) の化合物1.9部を添加した。塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
表3に示すアゾバルビツール酸ジナトリウムの添加量、表1の化合物の種類と添加量、メラミンの添加量、表2の化合物の種類と添加量、塩化ニッケル6水和物の添加量、塩化ニッケル以外の金属塩の種類と添加量で、実施例1に従い金属錯体顔料を製造した。表3中における添加量は、いずれも部を表す。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末21.0部を仕込み、分散を確認した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温して、メラミン16.8部を添加した。均一に撹拌されたことを確認後、塩化ニッケル6水和物16.4部を水30部に溶解した緑色溶液を、30分かけて滴下し、滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに4時間加温撹拌した。速やかに濾過し、無機塩および余分なメラミンが洗浄できるまで温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて水600部を仕込み、さらに撹拌しながら配位子製造例1で得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末21.0部を添加した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温してから16.8部のメラミンを添加し、撹拌した。均一に分散されたことを確認後、塩化ニッケル6水和物15.2部、塩化銅2水和物1.2部を水40部に溶解した溶液を、40分かけて滴下した。滴下終了後、95℃で1.5時間錯体化を行った。その後pHを5.5に調整し、さらに2時間加温撹拌した。70℃まで冷却後速やかに濾過し、無機塩が洗浄できるまで70℃温水洗を繰り返した。終了後、乾燥、粉砕の工程を経て金属錯体顔料32部を得た。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温して反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液の一部をサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が30%になるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリル樹脂溶液1を調製した。
実施例1〜23および比較例1〜2で得られた金属錯体顔料各12部に、それぞれアクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるのを確認しながら分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
実施例1で得られた金属錯体顔料6部、銅フタロシアニングリーン顔料(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン6YK」)6部、アクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるまで分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[比較例3]
実施例1で得られた金属錯体顔料を比較例1で得られた金属錯体顔料に変更した以外は、実施例24と同様にして顔料分散体を作製した。
実施例1で得られた金属錯体顔料6部、アントラキノン系赤色顔料(チバスペシャリティケミカル社製「クロモフタルレッドA2B」)6部、アクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるのを確認しながら分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[比較例4]
実施例1で得られた金属錯体顔料を比較例1で得られた金属錯体顔料に変更した以外は、実施例25と同様にして顔料分散体を作製した。
実施例1で得られた金属錯体顔料2部、アントラキノン系赤色顔料(チバスペシャリティケミカル社製「クロモフタルレッドA2B」)5部、ジケトピロロピロール系赤色顔料(チバスペシャリティケミカル社製「イルガフォアレッドB−CF」)5部、アクリル樹脂溶液1を20部、アミノ基を有するポリアリルアミン系樹脂(味の素ファインケミカル株式会社製「アジスパーPB−821」、重量平均分子量約10000、アミン価約10mgKOH/g)2部、シクロヘキサノン26部を均一に撹拌混合した後、アイガーミルで直径1mmのジルコニアビーズを用いて、塗膜のヘイズが一定になるのを確認しながら分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[比較例5]
実施例1で得られた金属錯体顔料を比較例1で得られた金属錯体顔料に変更した以外は、実施例26と同様にして顔料分散体を作製した。
その後、顔料分散体を顔料分7%、不揮発分21%になるようにアクリル樹脂溶液1とシクロヘキサノンを用いて調整し、インキにした。その後、スピンコータを用いて、目標とする色度になるようにガラス板に塗工し、明度、コントラストをそれぞれ求めた。なお、明度は、株式会社日立製作所製の分光光度計「U-3100」から得られる分光曲線から算出した。
なお、目標とする色度は、x-y色座標において、実施例1〜23、比較例1、2の場合はx=0.45、実施例24および比較例3の場合はy=0.60、実施例25、26および比較例4、5の場合はx=0.64とした。
評価結果を表4、5に示す。
Claims (5)
- アゾバルビツール酸と、下記一般式[1]〜[3]で表される化合物およびその互異性体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む配位子組成物と、金属とから錯体形成してなる金属錯体に対し、メラミン、またはメラミンと下記一般式[4]で示される化合物が包接されている金属錯体顔料。
一般式[1]
一般式[2]
一般式[3]
一般式[4]
- 上記配位子組成物中のアゾバルビツール酸の含有量が80−99重量%であり、一般式[1]〜[3]で表される化合物またはその互異性体の含有量が20−1重量%であることを特徴とする請求項1記載の金属錯体顔料。
- 上記金属が、ニッケル、ニッケルと銅、またはニッケルとコバルトであることを特徴とする請求項1または2記載の金属錯体顔料。
- 請求項1〜3いずれか記載の金属錯体顔料と顔料担体を含むことを特徴とする着色組成物。
- さらに、縮合多環顔料を含むことを特徴とする請求項4記載の着色組成物。
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