JP4815110B2 - ドライアイスペレット製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライアイスペレットの製造方法及び装置に関し、更に具体的には、スノー状ドライアイスの混入防止と、自動運転時の効率改善に関するものである。
一般にドライアイスは冷却剤として利用されているが、ドライアイスペレットを高速で噴射させることにより、部品(リサイクル部品を含む)や組み立てられた製品などの洗浄,機械部品などのバリ取り,あるいは、表面改質等を行うこともできる。従来、硬く締め固められたドライアイスペレットの製造は、一般的には、まず、シリンダ内に液化炭酸ガス(液化二酸化炭素)をノズルより噴射し、断熱膨張によりスノー状ドライアイス(ドライアイススノー,粉状ドライアイス)を生成させる。そして、該スノー状ドライアイスを、シリンダの端部に設けた押し出しダイスに向けて圧縮し、該押し出しダイスに多数設けられた小径(例えばΦ1〜8mm程度)の成形孔からロッド状のドライアイスを押し出し成形し、カッターなどの切断具を用いて所定の長さとなるように切断する。
例えば、以下の特許文献1には、シリンダ内に液化二酸化炭素を噴出させて形成したドライアイススノーを、シリンダ先端に設けた成型孔を通して押し出して線状ドライアイスを成型するように構成したドライアイス製造装置において、シリンダの先端に設けるドライアイスの成型孔を、シリンダ外側に向かう先拡がりテーパーに形成することにより、カッター等の破砕機構を使用することなく、粒状のドライアイスを生成する点が開示されている。
特開平7−61805号公報
しかしながら、以上のような背景技術では、カッターによる切断の有無に関わらず、ドライアイスペレットの製造開始時には、押出しダイスが冷却されてスノー状ドライアイスが成形孔に目詰まりをおこすまで、液化炭酸ガスの噴出圧力により、前記成形孔からスノー状ドライアイスが吹き出してしまう。このようなスノー状ドライアイスは、成形品のドライアイスペレットを固まらせたり、自動計量器の不具合の発生の原因になったりするなどの不都合を生じ、連続自動運転を行うことができない原因となる。加えて、運転初期段階にスノー状ドライアイスを廃棄するとなると、原料の無駄になるばかりか、人手もかかり製造効率が著しく低下してしまう。また、製造装置から直接噴射ガンにドライアイスペレットを供給する洗浄システムなどにおいては、ペレットの供給が途絶えると、作業時間のロスが生じてしまう。このため、スノー状ドライアイスが全く混入することなくドライアイスペレットを製造するとともに、連続して自動供給することができれば、非常に好都合である。
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、スノー状ドライアイスが全く混入することなくドライアイスペレットを供給することができる製造方法及び装置を提供することである。他の目的は、所望量のドライアイスペレットを、連続して自動供給することができるドライアイスペレットの製造方法及び装置を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明のドライアイスペレット製造装置は、液化二酸化炭素の供給口とガスの排出口を有する中空の成形室,該成形室の長手方向の一端側に設けられており、多数の孔が形成された成形板,前記成形室の中空部を長手方向に往復移動可能であって、該成形室内のスノー状ドライアイスを、前記成形板に向けて圧縮可能な押出し手段,前記成形板の外側表面に対してスライドし、該成形板の孔から押し出されたロッド状ドライアイスを切断する切断手段,前記成形板の外側表面に当接可能であって、前記成形室からのスノー状ドライアイスの漏れを防止する遮蔽手段,該遮蔽手段が前記成形板から離れている場合にのみ、前記切断手段による切断を行うように制御する制御手段,を備えたことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記押出し手段の位置を確認する第1の位置確認手段,前記遮蔽手段の位置を確認する第2の位置確認手段,前記切断手段の位置を確認する第3の位置確認手段,前記供給口からの液化二酸化炭素の供給量を調整する流量調節手段,を備えるとともに、前記制御手段は、前記第1〜第3の位置確認手段により確認された位置に基づいて、前記流量調節手段,押出し手段,切断手段,遮蔽手段の駆動を制御することを特徴とする。他の形態は、前記遮蔽手段は、前記成形室の長手方向の延長上を往復移動可能であるとともに、前記成形板の外側表面を押圧して遮蔽することを特徴とする。
本発明のドライアイスペレットの製造方法は、液化二酸化炭素の供給口とガスの排出口を有する中空の成形室に、液化二酸化炭素を供給してドライアイスペレットを成形するドライアイスペレットの製造方法であって、前記成形室の長手方向の一端側に設けられており多数の孔を有する成形板を、外側から遮蔽手段によって遮蔽する工程,前記成形室の中空部に、前記液化二酸化炭素を供給してスノー状ドライアイスを生成する工程,該工程で生成したスノー状ドライアイスを、前記成形室の中空部内を長手方向に往復移動する押出し手段によって、前記成形板に向けて圧縮する工程,少なくとも前記スノー状ドライアイスの生成終了後に、前記遮蔽手段を前記成形板から外す工程,前記孔から押出されたロッド状ドライアイスを、切断手段により所定の長さに切断する工程,を含むことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明は、長手方向の一端側に、多数の孔が形成された成形板を有する中空の成形室内に、液化二酸化炭素を供給してスノー状ドライアイスを生成させ、該スノー状ドライアイスを前記成形板に向けて圧縮する際に、生成中のスノー状ドライアイスが、前記孔から漏れないように、前記成形板の外側表面を遮蔽手段により遮蔽する。そして、スノー状ドライアイスの生成終了後,より好ましくは、前記孔がスノー状ドライアイスで目詰まりをした後に、前記遮蔽手段を外し、前記孔から押出されたドライアイスを切断することとしたので、運転開始初期時のスノー状ドライアイスの混入を防止することができる。また、上述した動作を制御手段により制御することとしたので、連続してドライアイスペレットの自動供給を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1及び図2を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例の構造を示す図であり、(A)は全体構成を示す平面図,(B)は成形室の側面図,(C)はドライアイスの切断加工部位を示す斜視図である。図2は、本実施例を構成する各部の作用を示すタイムチャートである。図1に示すように、本実施例のドライアイスペレット製造装置(以下「ペレット製造装置」)10は、液化二酸化炭素からスノー状ドライアイスを生成する成形室12を中心に構成されている。そして、前記スノー状ドライアイスを圧縮するためのピストン駆動機構30や、ロッド状ドライアイスを切断するカッター40,前記成形室12からスノー状ドライアイスが漏れるのを防止するためのシャッター板46,これら各部の動作を制御するシーケンサ54などを備えている。なお、前記スノー状ドライアイスは、粉状ドライアイス,ドライアイススノー、炭酸ガススノー,パウダードライアイス,二酸化炭素スノー,パーティクルスノー,スノードライなどと表現されることもあるが、以下の説明中では「スノー状ドライアイス」と表現することとする。また、液化二酸化炭素についても同様に、液状炭酸ガス,液状二酸化炭素などと表現されることもあるが、ここでは「液化二酸化炭素」に統一するものとする。
まず、前記成形室12は、連結部材16によって接続された一対の支持部材14A及び14Bに両端を支持された中空の略円筒状であって、図1(B)に示すように、壁面の適宜位置に、液化二酸化炭素の供給口18と、ガスを排出するための排気口22を備えている。前記供給口18は、液化二酸化炭素の供給量を調節するためのバルブ20を介して、図示しない液化二酸化炭素のタンクなどに接続されている。また、前記バルブ20は、シーケンサ54に接続されており、該シーケンサ54によって供給量の制御が行われている。一方、前記排気口22には、フィルタ24が設けられている。該フィルタ24は、成形室12の内外の圧力差により、液化二酸化炭素が断熱膨張してスノー状ドライアイスを生成した際に、生成したスノー状ドライアイス中に含まれるガスのみを排出するためのものであって、公知の各種のフィルタを用いることができる。




前記成形室12の中空部には、該成形室12の長手方向に往復移動可能な押出しピストン26が設けられている。この押出しピストン26の軸28は、成形室12の一端側の支持部材14Aを介して設けられたピストン駆動機構30に接続されており、該ピストン駆動機構30の駆動により往復移動が可能となっている。該ピストン駆動機構30は、例えば、低圧大流量のポンプと高圧小流量のポンプを装備しており、前記押出しピストン26による圧縮工程に入ると、自動的に高圧となり、前記押出シリンダ26が低速高圧力となる。圧縮の検出は、油圧の圧力により行われる。また、前記ピストン駆動機構30の任意の位置には、前記軸28の位置を検出するための位置センサ32A,32Bが設けられている。これら位置センサ32A,32Bは、前記シーケンサ54に接続されており、その検出結果から成形室12内での押出しピストン26の位置が判断される。例えば、軸28が位置センサ32Aに検知された場合には、軸28が図面右方向に寄っている状態,すなわち、押出しピストン26が支持部材14B側にある状態を示し、軸28が位置センサ32Bで検知された場合には、押出しピストン26が成形室12の左側に寄せられている状態であると判断される。なお、前記ピストン駆動機構30自体も前記シーケンサ54に接続されており、該シーケンサ54によって押出しピストン26の往復移動が制御される構成となっている。
更に、前記成形室12の他方の端部(図示の例では、支持部材14B側)には、スノー状ドライアイスの圧縮物を成形するためのダイス(ないし成形板)34が設けられている。該ダイス34には、多数の小径の成形孔36が、成形室12の長手方向に沿って形成されている。前記成形室12内に生成したスノー状ドライアイスは、前記押出しピストン26によって前記ダイス34に向けて圧縮され、該ダイス34の成形孔36から押出されてロッド状となる。なお、前記成形孔36の径は、製造するドライアイスペレットの大きさに応じて設定されるが、本実施例では、例えば、直径3mm程度となっている。
次に、カッター40について説明する。カッター40は、前記ダイス34の成形孔36から押出されたロッド状のドライアイスを切断するものであって、切断面40Aが前記ダイス34の外側表面と略平行状態を保つように配置されている。この間隔は、製造するドライアイスペレットの長さに応じて設定されるが、ここでは、例えば、3〜5mm程度となっている。なお、このようなペレットの長さは、固まり難さや計量精度を考慮して決定される。前記カッター40は、回転軸42を介して回転駆動機構44に接続されており、平坦な切断面40Aが、ダイス34の表面と適宜間隔を保ったまま回転可能となっている。なお、前記回転軸42は軸受け43によって、支持部材38に回転可能に支持され、前記回転駆動機構44は、支持部材38に適宜手段で固定されている。
前記カッター40の回転軸42は、後述するシャッター板46がダイス34の表面に当接することができるよう、図1(C)に示すように、ダイス34の外周よりも外側に位置している。すなわち、カッター40を垂直方向に向けると、ダイス34の表面を遮らなくなるため、前記シャッター板46をダイス34に当接させることが可能となる。なお、本実施例では、回転軸42をダイス34の外側表面に向かって左側に配置することとしたが、ドライアイスの排出の方向に応じて、ダイス34の上側,下側,右側などに配置するようにしてもよい。前記回転駆動機構44は、前記回転軸42を回転させる回転モータとともに、カッター40の回転を定位置に停止させるための1回転クラッチを含んでいる。このため、例えば、カッター40が常に垂直方向を向いているときに回転を停止させることができる。言い換えれば、回転駆動機構44は、常にカッター40の位置を確認できる機能を備えていることになる。なお、このような回転駆動機構44も、前記シーケンサ54に接続されており、その駆動が制御される。
次に、シャッター板46について説明する。シャッター板46は、前記ダイス34の外側表面を遮蔽して、ペレット製造装置10の運転初期時のスノー状ドライアイスの漏れを防止するものであって、前記ダイス34の表面を完全に覆うことができる形状・寸法に設定されている。前記シャッター板46は、軸48を介して送り機構50に接続されている。前記軸48は、支持部材38に適宜手段で固定された軸受け49内をスライド可能となっている。また、軸受け49の適宜位置には、前記軸48の位置を検出するための位置センサ52A及び52Bが設けられており、これら位置センサ52A,52Bは、前記シーケンサ54に接続されている。そして、該シーケンサ54により、前記カッター40とシャッター板46のいずれか一方がダイス34の表面を遮るときは、他方がダイス34から離れているように制御される。
次に、図2も参照して、本実施例の作用を説明する。図2(A-1)及び(A-2)は、間欠運転時の各部の動作状況を示すタイムチャート,図2(B)は、連続運転時の各部の動作状況を示すタイムチャートである。なお、ここでは、本実施例を構成する各部の動作は、上述した各種センサの検出結果などに基づいて、シーケンサ54により制御されているものとする。図2(A-1),(A-2)及び(B)の縦軸は、上から順に、スノー状ドライアイスの生成(液化二酸化炭素の供給)の有無,押出しピストン26の前進または後退状態(スノー状ドライアイスの圧縮の有無),カッター40の回転/停止状態,シャッター板46の開閉状態(遮蔽の有無)を示すものであり、横軸は時間の経過を示している。なお、本実施例では、前記押出しピストン26の最大前進状態は、ダイス34に内側からほぼ当接する位置であり、最大後退状態は、支持部材14A側に寄った状態を示すものとする。最初に、図2(A-1)を参照して、間欠運転時の動作状況の一例について説明する。なお、図2(A-2)に示す例については、後述する。まず、液化二酸化炭素の供給(ないしスノー状ドライアイスの生成)を開始する前に、シャッター板46によってダイス34を遮蔽しておく(時刻A以前)。このとき、押出しピストン26は、ダイス34の反対側に寄せられた状態(最大後退状態)である。また、カッター40は停止しており、ダイス34の表面を遮らないようになっているものとする。
そして、シャッター板46を閉じた状態のまま、バルブ20を開いて供給口18から液化二酸化炭素を成形室12内に噴出させると、該成形室12の供給ガス圧の圧力差によって断熱膨張し、スノー状ドライアイスが生成し始める(時刻A)。一定時間、スノー状ドライアイスを生成させたら(時刻A〜時刻B)、押出しピストン26をダイス34に向けて前進させ始める(時刻B)。この時点では、シャッター板46によりダイス34が外側から遮蔽されているため、押出しピストン26の前進によって、スノー状ドライアイスがダイス34の成形孔36内に徐々に蓄積される。そして、蓄積物が圧縮され、成形孔36中のスノー状ドライアイスが固まり始めたらシャッター板46をダイス34から離しはじめる(時刻C)。このとき、ドライアイスは成形孔36内で締め固められた状態であるため、スノー状ドライアイスが成形孔36から外部に漏れることはない。そして、シャッター板46がダイス34から最大限離れ、ある程度の長さのロッド状ドライアイスが押出された時点(時刻D)で、カッター40の回転を開始し、ドライアイスを切断する。切断されたドライアイスは、例えば、図示しないホッパなどに供給される。カッター40による切断は、押出しピストン26による圧縮が続いている間,すなわち、押出しピストン26が後退を開始する(時刻F)まで継続する。なお、時刻Eは、押出しピストン26が最大前進位置に達した時点であり、時刻E〜Fまでの時間は、押出しピストン26が後退を開始するまでのタイムラグを示している。時刻E〜Fの間は、押出しピストン26は停止状態にある。押出しピストン26の後退開始による圧縮の終了と同時に、カッター40の回転も停止される(時刻F)。また、次回の時刻Aからの運転に備えて、シャッター板46によってダイス34の表面を遮蔽する(時刻G)。なお、時刻Aからの運転再開は、要求信号により行われる。
再び、液化二酸化炭素を供給してドライアイスペレットを製造する際には、時刻A〜時刻Aまでの動作を繰り返す。このような間欠運転は、ドライアイスペレットの消費が中断するような場合に好適である。例えば、製造したペレットを噴射ガンなどに送って対象物の洗浄などを行うようなドライアイスの自動噴射装置では、対象物によりペレットの消費量が少ない場合には、一回毎にドライアイスペレットの製造を休止し、消費量に見合った量を製造するような間欠運転が必要である。また、例えば、自動装置のトラブルによる停止や、対象物の交換などによってもペレットの消費が中断する場合がある。そのような場合には、中断中に、成形孔36に詰まったドライアイスが昇華してなくなってしまうため、製造を再開する際には、上述したように、シャッター板46でダイス34の表面を覆った後に、時刻Aからの動作を行うようにするとよい。
一方、連続してドライアイスペレットを製造する場合には、図2(B)に示すような動作となる。上述した図2(A-1)に示す運転をX回連続で行った後は、ダイス34が冷却され、前回の運転で圧縮されたドライアイスが成形孔36を塞ぐ栓の役目をするため、シャッター板46でダイス34を遮蔽しなくても、スノー状ドライアイスがペレットに混入する恐れはない。従って、図2(B)に示すように、シャッター板46を開き、カッター40の回転を始めた後は、カッター40の回転を続け、シャッター板46を開いた状態のまま、スノー状ドライアイスの生成と、押出しピストン26による押出しのみを繰り返す。この場合、時刻AX+1〜時刻Bに示すように、押出しピストン26が最大後退位置にある間に、液化二酸化炭素が供給され、スノー状ドライアイスが生成されるようになっている。
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)長手方向の一端側に、多数の成形孔36が形成されたダイス34を有する中空の成形室12内に、液化二酸化炭素を供給してスノー状ドライアイスを生成させ、該スノー状ドライアイスを前記ダイス34に向けて圧縮する際に、前記成形板34の外側表面をシャッター板46により遮蔽する。そして、前記成形孔36がスノー状ドライアイスで目詰まりをした後に、前記シャッター板46を外し、前記成形孔36から押出されたロッド状ドライアイスを切断することとしたので、運転開始初期時のスノー状ドライアイスの混入を防止し、製造効率の向上とともに、スノー状ドライアイスの廃棄にかかる無駄を防止することができる。
(2)上述した動作をシーケンサ54により制御することとしたので、連続してドライアイスペレットの自動供給を行うことができる。
(3)前記シャッター板46を、ダイス34の表面に対して長手方向から押圧することとしたので、ダイス34から外すときに、ドライアイスの固着の影響を受けることがない。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例に示した各部の形状,大きさは一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、前記実施例では、成形孔36の径を3mm程度としたが、製造するペレットの径に応じて適宜変更してよい。
(2)前記実施例の装置構成も一例であり、成形したドライアイスペレットを、計量装置や噴射ガンに接続して、洗浄装置やバリ取り装置,あるいは表面改質装置の一部として構成するようにしてもよい。
(3)ピストン駆動機構30,回転駆動機構44,送り機構50も一例であり、同様の効果を奏するように適宜設計変更可能である。例えば、前記実施例では、回転駆動機構44が1回転クラッチを含んでおり、カッター40の回転状況を把握できる構成としたが、カッター40の位置を判断する位置センサを別途設け、クラッチ・ブレーキ等を用いて制御するようにしてもよい。
(4)前記実施例では、カッター40を回転させてロッド状のドライアイスを切断することとしたが、ダイス34の表面に対して上下や左右方向にスライドする機構としたり、複数の羽根がダイス34の表面近傍で開閉したりする機構としてもよい。また、その設置位置も同様の効果を奏するように適宜設計変更してよい。
(5)シャッター板46の開閉方法も任意であり、ダイス34の表面に対してスライドする機構であってもよいが、押出されたドライアイスによる固着の影響を低減するためには、上述した実施例のような押圧機構が好適である。
(6)上述した作用も一例であり、同様の効果を奏するように適宜変更してよい。例えば、前記実施例では、図2(A-1)に示す時刻A〜Aまでの運転をX回繰り返した後に、図2(B)の連続運転を行うこととしたが、繰り返し回数は、例えば、5〜6回程度とする。また、図2(B)に示す連続運転中にペレットの製造を一時中断する場合には、図2(A-1)に示す間欠運転に切り替えるようにしてもよい。なお、前記図2(A-1)に示す間欠運転では、液化二酸化炭素の流入終了後、押出しピストン26を押出し、圧力が上がってスノー状ドライアイスが成形孔36内で固まり始めるまでシャッター板46を閉じることとしたが、これはより好ましい例であって、スノー状ドライアイスが固まり始める前に、シャッター板46を開くようにしてもよい。図2(A-2)には、液化二酸化炭素を流入させている間のみシャッター板46を閉じた例が示されている。液化二酸化炭素を流入させている間(時刻A〜時刻B)は圧力が上がるため、シャッター板46でスノー状ドライアイスの漏れを防止しているが、液化二酸化炭素の流入を止めれば圧力が下がるため、圧縮される前の時点(時刻C´)でシャッター板46を開くようにしても、スノー状ドライアイスの漏出を抑制する効果が得られる。
(7)本発明で成形したドライアイスペレットは、各種部品やそれらを組み立てた製品,使用済みOA機器や家電製品などを分解して得られたリサイクル部品などの洗浄に用いられるほか、各種部品のバリ取りや表面改質等の幅広い用途に適用できる。例えば、ICチップやワンチップマイコンなどのIC関連の電子部品の洗浄,基板のハンダボールやフラックスの除去,鉄道車両用基板内に入り込んだブレーキの鉄粉の洗浄などに好適である。
本発明によれば、成形室内に生成されたスノー状ドライアイスを圧縮し、多数の孔が形成された成形板から押出す際に、少なくとも前記スノー状ドライアイスの生成が終了するまで,より好ましくは、スノー状ドライアイスが前記孔内に蓄積して固まるまで、成形板の外側を遮蔽手段で遮蔽することとした。このため、成形品へのスノー状ドライアイスの混入がなく、ドライアイスペレットの製造の用途に適用できる。特に、ドライアイスペレットを利用する自動機(洗浄装置など)の消費量に応じて、自動供給を行う場合に好適である。
本発明の実施例1の構造を示す図であり、(A)は装置全体を示す平面図,(B)は成形室の側面図,(C)はドライアイスの切断加工部位を示す斜視図である。 前記実施例の各部の動作状態を示すタイムチャートであり、(A-1)及び(A-2)は間欠運転時の様子を示す図、(B)は連続運転時の様子を示す図である。
符号の説明
10:ドライアイスペレット製造装置
12:成形室
14A,14B:支持部材
16:連結部材
18:供給口
20:バルブ
22:排気口
24:フィルタ
26:押出しピストン
28:軸
30:ピストン駆動機構
32A,32B:位置センサ
34:ダイス
36:成形孔
38:支持部材
40:カッター
40A:切断面
42:回転軸
43:軸受け
44:回転駆動機構
46:シャッター板
48:軸
49:軸受け
50:送り機構
52A,52B:位置センサ
54:シーケンサ

Claims (4)

  1. 液化二酸化炭素の供給口とガスの排出口を有する中空の成形室,
    該成形室の長手方向の一端側に設けられており、多数の孔が形成された成形板,
    前記成形室の中空部を長手方向に往復移動可能であって、該成形室内のスノー状ドライアイスを、前記成形板に向けて圧縮可能な押出し手段,
    前記成形板の外側表面に対してスライドし、該成形板の孔から押し出されたロッド状ドライアイスを切断する切断手段,
    前記成形板の外側表面に当接可能であって、前記成形室からのスノー状ドライアイスの漏れを防止する遮蔽手段,
    該遮蔽手段が前記成形板から離れている場合にのみ、前記切断手段による切断を行うように制御する制御手段,
    を備えたことを特徴とするドライアイスペレット製造装置。
  2. 前記押出し手段の位置を確認する第1の位置確認手段,
    前記遮蔽手段の位置を確認する第2の位置確認手段,
    前記切断手段の位置を確認する第3の位置確認手段,
    前記供給口からの液化二酸化炭素の供給量を調整する流量調節手段,
    を備えるとともに、
    前記制御手段は、前記第1〜第3の位置確認手段により確認された位置に基づいて、前記流量調節手段,押出し手段,切断手段,遮蔽手段の駆動を制御することを特徴とする請求項1記載のドライアイスペレット製造装置。
  3. 前記遮蔽手段は、前記成形室の長手方向の延長上を往復移動可能であるとともに、前記成形板の外側表面を押圧して遮蔽することを特徴とする請求項1又は2記載のドライアイスペレット製造装置。
  4. 液化二酸化炭素の供給口とガスの排出口を有する中空の成形室に、液化二酸化炭素を供給してドライアイスペレットを成形するドライアイスペレットの製造方法であって、
    前記成形室の長手方向の一端側に設けられており多数の孔を有する成形板を、外側から遮蔽手段によって遮蔽する工程,
    前記成形室の中空部に、前記液化二酸化炭素を供給してスノー状ドライアイスを生成する工程,
    該工程で生成したスノー状ドライアイスを、前記成形室の中空部内を長手方向に往復移動する押出し手段によって、前記成形板に向けて圧縮する工程,
    少なくとも前記スノー状ドライアイスの生成終了後に、前記遮蔽手段を前記成形板から外す工程,
    前記孔から押出されたロッド状ドライアイスを、切断手段により所定の長さに切断する工程,
    を含むことを特徴とするドライアイスペレット製造方法。
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